JP4736514B2 - 研磨布 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨布に関し、更に詳しくは、基板上にテクスチャー加工を施し、その上に磁気記録層を形成して磁気記録媒体を製造するための、前記テクスチャー加工に使用する研磨布に関するものである。
磁気ディスク等の磁気記録媒体は、近年、めざましい技術革新により高容量化、高記憶密度化の要求が高まり、このため各種基板の表面加工の高精度化が要求されている。
近年、高容量化、高記憶密度化に伴い、記録ディスクと磁気ヘッドとの間隔、つまり、磁気ヘッドの浮上高さは小さくなってきており、磁気ヘッドの浮上高さが著しく小さくなることにより、磁気ディスクの表面に突起があるとその突起と磁気ヘッドとが接触してヘッドクラッシュを起こし、ディスク表面に傷が発生する。また、ヘッドクラッシュには至らない程度の微小な突起でも、磁気ヘッドとの接触により情報の読み書きの際に発生するエラーの原因となる。さらには磁気ヘッドが記録ディスク表面とが密着し、浮上しなくなるというトラブルを引き起こす。
この記録ディスクと磁気ヘッドとの密着を防止する手段として、記録ディスクの基板表面に微細な条痕を形成するテクスチャー加工という表面処理が行われている。またテクスチャー加工を行うことにより、ディスク基板上に金属磁性層を形成する際の結晶成長の方向性を制御することで記録方向の抗磁力を向上させる、すなわちディスクの記録密度を向上させることが可能となる。
テクスチャー加工の方法としては、遊離砥粒のスラリーを研磨布表面に付着させて研磨を行うスラリー研磨等が用いられている。しかし、テクスチャー加工を行う場合、最近の急激な高記録容量化のための高記録密度化に対応するためには、研磨後のうねりを低くし、現在平均表面粗さが1nm以上であるハードディスク表面をさらに平滑化することが必要であるとされている(目標は平均表面粗さ0.5nm以下)。
このため、ハードディスク表面を磨くための研磨布に用いる繊維をさらに極細化した繊維の実現が望まれていた。 しかしながら、現在の海島複合紡糸技術を利用した研磨布では単繊維繊度が0.01dtex(直径1μm相当)が限界であり、前述のニーズに十分応えられるレベルではなかった(特許文献1)。
また、ポリマーブレンド繊維により超極細不織布を得る方法も記載されているが(特許文献2)、ここで得られる単繊維繊度も最も細くとも0.001dtex(直径0.3μm相当)であり、やはり前述のニーズに十分応えられるレベルではなかった。
さらに、ポリマーブレンド繊維によって、単繊維繊度が0.3dtex以下の研磨布(特許文献3)について開示されており、確かに単繊維繊度として細いもので0.0003dtex(直径0.2μm相当)のものが得られることが記載されている。しかしながら、この特許文献3で得られる超極細糸の単繊維繊度は、ポリマーブレンド繊維中での島ポリマーの分散で決定され、該特許文献3で用いられているポリマーブレンド系では島ポリマーの分散が不十分であるため、単繊維繊度が0.0003dtexのものと0.004dtex(直径0.6μm相当)のものが混在することも記載されており、得られる超極細糸の単繊維繊度のばらつきは大きいものであった。さらに、前述のハードディスク用の表面研磨布として用いた場合、その繊度ばらつきが大きいことに起因し、砥粒を研磨布に均一に担持することができず、結果的にハードディスク表面の平滑性がかえって低下するという問題もあった。
ところで、不織布を構成する繊維を極細化する技術として、近年、脚光を浴びているものにエレクトロスピニングという技術がある。
これは、ポリマーを電解質溶液に溶解し、口金から押し出すものであるが、その際、ポリマー溶液に数千〜3万ボルトという高電圧を印加し、ポリマー溶液の高速ジェットおよびそれに引き続くジェットの折れ曲がり、膨張により極細化をする技術である。この技術を用いると、単繊維繊度は10-5dtexオーダー(単繊維直径で数十nm相当)と従来のポリマーブレンド技術によるものに比べ、繊度で1/100以下、直径で1/10以下にすることができる場合もある。対象となるポリマーはコラーゲン等の生体ポリマーや水溶性ポリマーが大半であるが、熱可塑性ポリマーを有機溶媒に溶解してエレクトロスピニングする場合もある。しかしながら、書籍「Polymer, vol.40,4585(1999)」に記載されているように(非特許文献1)、超極細糸部分であるストリング(string)はポリマー溜まり部分であるビード(bead)(直径0.5μm)により連結されている場合が多く、超極細糸不織布としてみた場合に不織布中の単繊維繊度に大きなばらつきがあった。このため、ビード(bead)”の生成を抑制して繊維径を均一にしようという試みもなされているが、そのばらつきはいまだに大きいものであった(非特許文献2)。
また、エレクトロスピニングで得られる不織布は、繊維化の過程で溶媒が蒸発することで得られるため、その繊維集合体は配向結晶化していない場合が多く、強度も通常の不織布に比べてごく弱いものであって応用展開に大きな制約があった。さらに、エレクトロスピニングは製法としても大きな問題を抱えており、得られる不織布の大きさはせいぜい100cm2 程度であること、また生産性が最大でも数g/時間と通常の溶融紡糸に比べ非常に低いという問題があった。さらに、高電圧を必要とすること、また、有機溶媒や超極細糸が空気中に浮遊するという問題があった。
以上説明したように、形状やポリマーに制約がなく、広く応用展開可能な単繊維繊度ばらつきの小さな、かつ単繊維直径が極めて小さい、ナノファイバーと呼ばれるべき繊維の実現が求められていた。
また、より高精度の研磨を実行するには研磨布を構成する繊維はより細く、より柔らかいシートが要求されるものであるが、一般に研磨量はそれに従い低下するものである。従って、研磨量を稼ぐために、研磨加工時に研磨布に与えるテンションを高く設定し、被研磨体への研磨布の当たりを強くする方法が一般に行われている。しかし、テンションを高く設定すると、加工時の安定性が低下したり、研磨布シート自体の伸びの問題が発生し、これによって被研磨体表面にスクラッチなどの欠点が発生するという問題などを新たに招くことがあり、これを防ぐために、高テンションにも耐えうる研磨布が要求されてきている。
特開2002−224945号公報 特開平10−53967号公報 特開2002−79472号公報 Polymer, vol.40, 4585(1999) Science, vol.285, 2113(1999)
本発明の目的は、従来にはなかった単繊維繊度ばらつきの小さなナノファイバーを用い、研磨時に伸びを少なくすることで、非常に研磨特性に優れた新規な研磨布を提供することにある。
上述の目的は、数平均による単繊維繊度が1×10-8〜4×10-4dtexであり、単繊維繊度1×10-8〜4×10-4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に有するシート状物からなり、長手方向の10%伸長時応力が5〜200N/cm幅であることを特徴とする研磨布とすることにより達成される。
本発明によれば、従来にはなかった単繊維繊度ばらつきの小さなナノファイバーを用い、研磨時に伸びを少なくすることで、研磨特性に優れた研磨布を提供することができる。
以下、さらに詳しく本発明の研磨布について説明をする。 まず、本発明の研磨布は、数平均による単繊維繊度が1×10-8〜4×10-4dtexであり、単繊維繊度1×10-8〜4×10-4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に有するシート状物からなることを、第一の要件とするものである。
ここで、本発明で言うナノファイバーとは、単繊維直径が1〜250nm(N6の場合、1×10-8〜6×10-4dtex)の繊維からなり、形態的にはその単繊維がバラバラに分散したもの、単繊維が部分的に結合しているもの、あるいは複数の単繊維が凝集した集合体(例えば、束状のもの)などの全ての総称であって、その繊維長や断面形状などには限定がないものである。
そして、本発明では、このナノファイバーの単繊維繊度の平均値およびばらつきが重要である。 これは、ナノファイバーを含むシート状物(研磨布)の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一横断面内で無作為に抽出した50本以上の単繊維直径を測定するものであるが、これを3カ所以上で行い、少なくとも合計150本以上の単繊維直径を測定することによって求めることができる。このとき、250nm(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では6×10-4dtex)相当を超える他の繊維は除き、それ以下の1〜250nmの範囲内の単繊維直径のものだけを無作為に選び測定するのである。
また、シート状物を構成するナノファイバーが異形断面の場合、まず、単繊維の断面積を測定し、その面積を仮に断面が円の場合の面積とする。その面積から直径を算出することによって単繊維直径を求めることができる。
ここで、単繊維繊度の平均値は、以下のようにして求める。まず、単繊維直径をnm単位で小数点の1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入する。その単繊維直径から単繊維繊度を算出し、それの単純な平均値を求める。これを「数平均による単繊維繊度」と本発明では呼ぶ。ここで、本発明の研磨布に用いられるナノファイバーの繊維横断面写真の一例を図1に示す。この図1には、100nmのスケールも併せて示しているが、ほぼ全てが単繊維直径が100nmよりも小さいものであることがわかる。
本発明の研磨布では、ナノファイバーの数平均による単繊維繊度が1×10-8〜4×10-4dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜200nm相当)であることが重要である。これは、従来の海島複合紡糸による研磨布に比べて、単繊維直径が1/10〜1/1000という細さであり、従来の研磨布とは全く異なる質感を持ったもの、あるいは従来よりもはるかにハードディスクの平滑性を向上し得る研磨布を得ることを実現できるものである。
数平均による単繊維繊度は、好ましくは1×10-8〜2×10-4dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜150nm相当)、より好ましくは1×10-8〜1×10-4dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜100nm相当)、さらに好ましくは0.8×10-5〜6×10-5dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で30〜80nm相当)である。
また、本発明の研磨布を構成するナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、以下のようにして評価する。
すなわち、研磨布中のナノファイバーそれぞれの単繊維繊度をdtiとしその総和を総繊度(dt1+dt2+…+dtn)とする。また、同じ単繊維繊度を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総繊度で割ったものをその単繊維繊度の繊度比率とする。これは、不織布中に含まれるナノファイバー全体に対する各単繊維繊度成分の重量分率(体積分率)に相当し、この値が大きい単繊維繊度成分がナノファイバー研磨布の性質に対する寄与が大きいことになる。
なお、本発明においては、かかるナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、前述の単繊維繊度の平均値を求めるのと同様に、ナノファイバーを少なくとも一部に含むシート状物の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一横断面内で無作為に抽出した50本以上のナノファイバーの単繊維直径を測定するが、これを3カ所以上で行い、少なくとも合計150本以上の単繊維直径を測定することで求めるものであり、前述の単繊維繊度の平均値を求めるのと同様のN数として求めればよいものである。
本発明では、繊度比率の60%以上が1×10-8〜4×10-4dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜200nm相当)の範囲にあることが重要である。すなわち、4×10-4dtexより大きいナノファイバーの存在がゼロに近いことを意味するものである。これにより、ナノファイバー研磨布の機能を十分発揮するとともに、製品の品質安定性も良好とすることができ、さらに、繊度ばらつきが非常に小さいため、砥粒を均一坦持することが可能となり、結果的にハードディスク表面の平滑性を飛躍的に向上することができる。
好ましくは、繊度比率の60%以上が1×10-8〜2×10-4dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜150nm相当)、より好ましくは1×10-8〜1×10-4dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜100nm相当)、さらに好ましくは1×10-8〜6×10-5dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で1〜80nm相当)の範囲である。さらに好ましくは、繊度比率の75%以上が0.8×10-5〜6×10-5dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では単繊維直径で30〜80nm相当)の範囲である。
本発明でいう熱可塑性ポリマーとは、ポリエステル(以下、PETと呼ぶことがある)やポリアミド、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと呼ぶことがある)等が挙げられるが、ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは融点が高いものが多く、より好ましい。ポリマーの融点は165℃以上であるとナノファイバーの耐熱性が良好であり好ましい。例えば、ポリ乳酸(以下、PLAと呼ぶことがある)は170℃、PETは255℃、N6は220℃である。また、ポリマーには粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有させていてもよい。また、ポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていてもよい。さらに、溶融紡糸の容易さから、融点が300℃以下のポリマーが好ましい。
本発明でいうシート状物には、短繊維をカード・クロスラッパーを用いてシート幅方向に配列させた積層ウエブを形成せしめた後にニードルパンチしたり、メルトブローやスパンボンドなど紡糸から直接形成したり、抄紙法で得られたりした不織布や、支持体上にナノファイバーを噴霧や浸漬あるいはコーティングして付着させたもの、織編物などが好適に用いられる。中でも、研磨布においては、砥粒を研磨布に均一に担持するために、極細繊維相互の絡合及び表面繊維の緻密性が高く、かつ、表面繊維密度の粗密ムラの少ないものが好まれ、短繊維ウエブをニードルパンチ処理した不織布や湿式抄紙、高密度織物が好適である。
短繊維ウエブをニードルパンチ処理するパンチング本数としては、繊維の高絡合化による繊維の高密度化(緻密な立毛面形成)の観点から1000〜3500本/cm2 であることが好ましい。1000本/cm2 未満では、研磨布表面繊維の緻密性に劣り、3500本/cm2 を越えると、加工性の悪化を招くとともに、繊維損傷が大きくなるため好ましくない。湿式抄紙の場合は、3g/m2以上、高密度織物の場合は、織物の経および緯のカバーファクター値がそれぞれ500以上になるように織密度を調整することが好ましく、カバーファクターが400未満の場合、単繊維間空隙が大きく緻密性に劣ってしまう。
ここで経のカバーファクター値、緯のカバーファクター値は、それぞれ以下に示す式で表されるものである。
経カバーファクター値=経織密度[本/インチ]×(経糸繊度[dtex])1/2
緯カバーファクター値=緯織密度[本/インチ]×(緯糸繊度[dtex])1/2
上述の短繊維ウェブや直接シート状物を得るための繊維の製造方法としては特に限定されず、単成分紡糸や海島複合紡糸、分割複合紡糸により得られたものなどを採用することができる。この中で、海島複合繊維の海成分を易溶解性ポリマー、島成分を本発明のナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイとし、ここから易溶解ポリマーを溶出したものは、ナノファイバー集合体の繊維径を小さくできるため、これを研磨布として研磨した際にスクラッチが低減できるので好ましい。
さらに、島芯鞘型の海島複合繊維における芯鞘型の島成分について、鞘部分をポリマーアロイ、芯成分には難溶出ポリマーとし、海成分は易溶出ポリマーとし、ここから易溶解ポリマーを溶出したものは、繊維径が小さな芯鞘型の極細繊維となり、かつ難溶解性の島の周りにナノファイバーの鞘が配置された形態となるため、これを研磨布として研磨した際にはスクラッチの低減だけでなく、芯がある程度の硬度を持っているために、研磨加工時の研削効率を向上させることができる。
また、分割複合繊維の少なくともいずれかにポリマーアロイを配置し、これを分割後にポリマーアロイ中の易溶解ポリマーを溶出したものについても、前記海島複合繊維の場合と同様な効果が得られる。
本発明の研磨布の伸びに対する特性として、該研磨布の乾燥時(室温20℃、湿度40%の条件下)の長手方向の10%伸長時応力が5〜200N/cm幅であることが重要である。
本発明の研磨布を用いて、テクスチャー加工を行う方法としては、かかる研磨布を加工効率と安定性の観点から、30〜50mm幅のテープ状にカットして、テクスチャー加工用テープとして用いる。
次いで、基板を連続回転させた状態で、テープ状とした該研磨布を基板に押し付けながら、基板の径方向に研磨布または基板を往復運動させ、連続的に研磨布を走行させる。その際に、遊離砥粒を含むスラリーを研磨布表面に供給し、テープ状とした該研磨布の表面に遊離砥粒を含むスラリーを付着させて、アルミニウム合金磁気記録ディスクやガラス磁気記録ディスクの表面の研磨を行うのが好適な方法である。研磨条件としては、スラリーはダイヤモンド微粒子などの高硬度砥粒を水系分散媒に分散したものが好ましく用いられる。
該研磨布表面に該スラリーを付着させて基板表面の研磨を行う際に、基板への研磨布表面の当たりを均一に制御し、均一研磨を行うためには、該研磨布に10〜20N程度の加工張力をかけた状態で研磨を行うのが好ましい。
該研磨布の長手方向の10%伸長時応力を5〜200N/cm幅に制御することにより、前記テクスチャー加工張力下において、テープ状とした研磨布の伸長率を3%以下に抑えることができ、表面繊維の緻密性を低下させることなく、超高精度の基板表面粗さを達成し、かつスクラッチ欠点を少なく抑えることができる。
該研磨布の長手方向の10%伸長時応力が5N/cm幅未満では、テクスチャー加工張力下における研磨布の伸びが大きくなりすぎるため、表面繊維の緻密性が低下し、超高精度の基板表面粗さを達成することができないとともに、伸びにより発現する研磨布表面の繊維が存在しない空隙部に砥粒が凝集し、スクラッチ欠点を発生しやすいため好ましくない。
一方、200N/cm幅を超えると、遊離砥粒を含むスラリーにより湿潤状態の研磨布がディスク面に押し付けられ、水分が絞り出されて乾燥した状態となり、基板表面に砥粒が強く押さえつけられ、スクラッチ欠点が発生しやすいとともに、基板表面粗さが大きくなるため好ましくない。より好ましくは10%伸長時応力が10〜200N/cm幅、さらに好ましくは30〜200N/cm幅である。
該研磨布の長手方向の10%伸長時応力を5〜200N/cm幅に制御して製造する手段としては、特に限定されるのものではないが、例えば、以下のような方法を採用することができる。
すなわち、研磨布とするシート状物が不織布の場合には、ニードルパンチ処理やウォータージェットパンチ処理などで繊維配向を整えることで調整したり、該ナノファイバーのみでは伸長時応力が5N/cm幅以上に調整できない場合は、単繊維繊度が1×10-3dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では、単繊維直径で0.3μm相当)以上の他の繊維や該他の繊維からできた織編物や不織布、またはフィルムなどと混用することによって10%伸長時応力を達成することができる。
混用方法としては、積層法、貼り合せ法あるいは混合法を採用することができる。
ここでいう積層法とは、その他の繊維からなるシート状物にナノファイバーを積層する、あるいはナノファイバーのみからなるシート状物にその他の繊維を積層することを指す。例えば、他の繊維からなる不織布上にナノファイバーを湿式抄紙法やエアレイド法によって積層する方法や各種支持体上にナノファイバー分散液を噴霧、浸漬、もしくはコーティングして付着させることによって積層する方法、あるいはナノファイバーからなる不織布上に上述の方法で他の繊維を積層する方法など、種々の方法を採用することができる。
また、ここでいう貼り合せ法とは、ナノファイバーのみからなるシート状物と他のシート状物やフィルムを常法により別々に作製し、重ね合わせて貼り合わせることを指す。例えば、ナノファイバーからなるシート状物と他の繊維からなるシート状物やフィルムをバインダーで接着する方法やニードルパンチや高圧水流による絡合方法、あらかじめナノファイバーあるいは他の繊維からなるシート状物に別の熱融着繊維を混ぜておいて加熱ロールにて熱融着させる方法、あるいは他の繊維からなるシート状物やフィルムにメルトブロー法やスパンボンド法でナノファイバー前駆体であるポリマーアロイ繊維を直接貼り合せた後にポリマーアロイ繊維から海成分を溶出除去する方法、または、ナノファイバーからなるシート状物にメルトブロー法やスパンボンド法で他の繊維を直接貼り合せる等、種々の方法を採用することができる。
中でもナノファイバーを有するシート状物とフィルムとの貼り合わせはフィルムの表面平滑性が優れることから、研磨布表面の平滑性を損なうことなく、伸長時応力を制御することができるため、高精度の加工を行うことができるので好適である。
ここでいうフィルムとなる素材としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリフェニルサルファイド系などのフィルム形状を有するものであれば使用可能であるが、汎用性を考えると、ポリエステルフィルムを使用するのが望ましい。
さらに、ここでいう混合法とは、ナノファイバーと他の繊維が混合し合ってシート状物が形成されていることを指す。例えば、ナノファイバーと他の繊維を混綿してからニードルパンチや高圧水流により絡合させる方法や混合抄紙する方法など種々の方法を採用することができる。
研磨布とするシート状物が織物や編物の場合には、繊維間の拘束力が強くて布帛内で構成糸条の移動が少なく、単位面積当たりの糸条本数や繊維量を多くし高密度とすることで10%伸長時応力が5N/cm幅以上であることを達成したり、上述した不織布と同様に、単繊維繊度が1×10-3dtex(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では、単繊維直径で0.3μm相当)以上の他の繊維や該他の繊維からできた織編物や不織布、またはフィルムなどと混用することにより伸長時応力を達成することができる。
また、シート状物の表面形態、10%伸長時応力、強伸度、クッション性など要求特性に合わせ、上述した不織布と同様の方法で不織布、織物および編物を混用してもよい。
また、繊度ばらつきのもう一つの指標として、研磨布中のナノファイバーの単繊維直径差が30nm(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では、単繊維繊度で8×10−6dtex相当)の幅に入る単繊維の繊度比率があるが、これは、中心繊度付近へのばらつきの集中度を意味しており、この単繊維繊度比率が高いほどばらつきが小さいことを意味している。本発明では、単繊維直径差が30nmの幅に入る単繊維繊度比率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。
本発明の研磨布は、該シート状物の0.1Kg/cm荷重下の圧縮弾性と0.5Kg/cm荷重下の圧縮弾性の比Sが4.0以下であることが好ましい。ここで、圧縮弾性の比Sは以下のようにして求める。すなわち、後述の実施例中に記載した測定法により、まずシート状物の圧縮特性を測定し、ここから歪みと圧縮荷重のグラフを作成する。このグラフの0.1および0.5Kg/cmでの接線の傾きをそれぞれの圧縮特性値とし、この0.5Kg/cm時の圧縮弾性値を0.1Kg/cm時の圧縮弾性値で除した値をSと定義する。
この圧縮弾性の比Sが小さいということは、低荷重下での歪みの大きさと高荷重下での歪みの大きさの差が小さい、すなわち、研磨時にシート状物を被研磨体に押し当てた際に局所的に圧力が変動した場合にもシート状物の歪みの差が小さいことを意味している。これにより、シート状物の平滑性が維持されて高精度の研磨が可能となるばかりでなく、シート状物に適度のクッション性が付与されるため、研磨加工時のスラリーの局所的凝集を緩和し、スクラッチ欠点の発生を抑制できる。圧縮弾性の比Sは3.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下である。圧縮特性の比Sの下限値としては0.01以上であることが好ましい。
また、該シート状物においては、耐摩耗係数が50mg以下であることが好ましい。ここで、耐摩耗係数は後述の実施例中に記載した測定法により、シート状物から脱落した繊維の量から求める。耐摩耗係数が大きい場合、研磨持に該シート状物から繊維が脱落して毛玉になりやすく、毛玉になった部分にスラリーが凝集して、スクラッチ欠点が発生しやすくなる。そのため、該シート状物としては研磨持にも摩耗しにくい、すなわち耐摩耗係数が小さいほうが望ましい。耐摩耗係数は40mg以下であることが好ましく、30mg以下であることがさらに好ましい。耐摩耗係数の下限としては0.1mg以上であることが好ましい。
本発明の研磨布は、該シート状物の表面粗さが100μm以下であることが好ましい。ここで、表面粗さは後述の実施例中に記載した測定方法により、シート状物の研磨面、すなわちシート状物が被研磨体に接触する面を測定して求める。表面粗さが小さいと、該シート状物の表面平滑性が高まり、研磨時の加工精度が向上するだけでなく、シート状物表面の繊維の配向が均一であるために砥粒を均一に把持することができるため砥粒の凝集が起こりにくく、スクラッチの発生を抑制することができる。表面粗さは60μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがさらに好ましい。表面粗さの下限としては、0.5μm以上であることが好ましい。
また、該シート状物の表面硬度が20以上であることが好ましい。ここで、表面硬度は後述の実施例中に記載した測定方法により求める。表面硬度が大きいと、研磨持に該シート状物の耐久性が向上するばかりでなく、該シート状物の形態安定性が良くなるためにシート状物表面の平滑性も保持され、さらに該シート状物がある程度の硬さを有しているため、研磨時の研削効率が向上する。表面硬度は30以上であることが好ましく、40以上にすることがさらに好ましい。表面硬度の上限としては100以下であることが好ましい。
本発明の研磨布において、シート状物の少なくとも片面にナノファイバーからなる立毛面を有することが好ましい。該立毛面を得るためには、シート状物にバフィング処理することが好ましい。ここでいうバフィング処理は、針布やサンドペーパーを使用して行うのが一般的である。このように起毛処理したシート状物は、均一で緻密な立毛を形成し、ハードディスクのテキスチャリング時に付着させるスラリー中の砥粒を微細に分散でき、高精度の仕上げを達成できる。本発明ではナノファイバーを支持体に積層してシート状物とすることが可能であるが、ナノファイバーの積層厚みが該シート状物の全体に対して70%以下であることが好ましい。積層厚みを70%以下にすることにより、支持体によるシート状物の補強効果が得られ、研磨の加工安定性を良好とすることができる。積層厚みとしては、50%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。積層厚みの下限値としては、1%以上であることが好ましい。
また、該シート状物はその内部に空間を有していて、かつ該空間に高分子弾性体が含浸されてなることが好ましく、高分子弾性体の含浸は、該空間を有するシート状物に高分子弾性体を付与させることによって得ることができる。
高分子弾性体は、表面凹凸や振動吸収のためのクッション、繊維形態保持などの役割を有し、シート状物と一体化させることにより、ハードディスクなどの被研磨物へのフィット性および被研磨物へのキズの抑制効果に優れるものである。かかる高分子弾性体としては、ウレタン系、シリコーン系、アクリル系高分子などを使用することができる。中でも、ポリウレタンが本発明のプロセスにおける加工性やクッション性の上から好ましい。さらにポリウレタンでも、そのソフトセグメントとして、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系もしくはこれらの共重合したものからなるものを使用することができ、ポリウレタン付与後のバフィング処理の際に、研磨布表面上の立毛繊維が緻密でかつ均一分散された状態とするためには、シート弾性の観点から、これらポリウレタン中でも特に、ポリエーテル系単独、もしくはポリエーテル系と、ポリエステル系、ポリカーボネート系の少なくとも1種とを共重合したポリウレタンが好ましく用いられる。研磨時のクッション性およびフィット性は、研磨精度の上で重要であり、シート状物中の繊維と高分子弾性体の割合や空隙率によって制御し、研磨精度や研磨目的によって調節される。
高分子弾性体の含有量は、成型上、繊維重量に対し20〜60重量%であることが好ましく、含有量によって研磨布の表面状態、空隙率、クッション性、硬度、強度などを調節することができる。20重量%未満である場合、クッション性に劣るため、スクラッチを発生しやすく好ましくない。60重量%を越えると、加工性及び生産性に劣るとともに、表面上に高分子弾性体が露出しやすく、砥粒の凝集によるスクラッチを引き起こしやすいため好ましくない。かかる高分子弾性体の付与方法としては、高分子弾性体を塗布あるいは含浸後凝固させる方法などを採用することができる。高分子弾性体の含有量は、面積1m2 の研磨布を試料として用いて測定をする。高分子弾性体の含有量の確認は、試料面積1m2 の研磨布から高分子弾性体を溶媒などで溶出除去させ、該溶出除去処理の前後の重量をそれぞれ求めることにより確認をすることができる。
本発明のナノファイバー研磨布に用いるポリマーアロイ繊維の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような方法を採用することができる。
すなわち、溶剤に対する溶解性の異なる2種以上のポリマーをポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸した後に冷却固化して繊維化する。そして、必要に応じて延伸・熱処理を施しポリマーアロイ繊維を得る。その後、常法により布帛化し易溶解性ポリマーを溶剤で除去したり、布帛化前に易溶解性ポリマーを溶剤で除去し布帛化することにより、ナノファイバーシート状物を得ることができる。
ここで、ナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維中で易溶解性ポリマーが海(マトリックス)、難溶解性ポリマーが島(ドメイン)となし、その島サイズを制御することが重要である。ここで、島サイズとは、ポリマーアロイ繊維の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、直径換算で評価したものである。前駆体中での島サイズによりナノファイバーの直径がほぼ決定されるため、島サイズの分布はナノファイバーの直径分布に準じて設計される。このため、アロイ化するポリマーの混練が非常に重要であり、混練押出機や静止混練器等によって高混練することが好ましい。なお、単純なチップブレンド(例えば、特開平6−272114号公報、特開平10−53967号公報)では混練が不足するため、数十nmサイズで島を分散させることは困難である。
また、島を数十nmサイズで超微分散させるには、ポリマーの組み合わせも重要である。
島ドメイン(ナノファイバー断面)を円形に近づけるためには、島ポリマーと海ポリマーは非相溶であることが好ましい。しかしながら、単なる非相溶ポリマーの組み合わせでは島ポリマーが十分超微分散化し難い。このため、組み合わせるポリマーの相溶性を最適化することが好ましいが、このための指標の一つが溶解度パラメーター(SP値)である。ここで、SP値とは(蒸発エネルギー/モル容積)1/2 で定義される物質の凝集力を反映するパラメータであり、SP値が近いもの同士では相溶性が良いポリマーアロイが得られる可能性がある。SP値は種々のポリマーで知られているが、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載されている。2つのポリマーのSP値の差が1〜9(MJ/m1/2であると、非相溶化による島ドメインの円形化と超微分散化が両立させやすく好ましい。例えば、N6とPETはSP値の差が6(MJ/m1/2程度であり好ましい例であるが、N6とPEはSP値の差が11(MJ/m1/2 程度であり好ましくない例として挙げられる。
さらに、溶融粘度も重要であり、島を形成するポリマーの溶融粘度を海に比べて低く設定すると剪断力による島ポリマーの変形が起こりやすいため、島ポリマーの微分散化が進みやすくナノファイバー化の観点からは好ましい。ただし、島ポリマーを過度に低粘度にすると海化しやすくなり、繊維全体に対するブレンド比を高くできないため、島ポリマー粘度は海ポリマー粘度の1/10以上とすることが好ましい。
以上のように本発明のナノファイバー研磨布により、ハードディスクの基板表面粗さを0.5nm以下を達成することができる。また、本発明の研磨布により、ハードディスクのスクラッチ点数300個/10枚を達成することができる。
本発明の研磨布は、ハードディスクの研磨用途のみに限らず、その表面平滑性、しなやかさや拭き取り性を活かしたIT部品用途などの精密機器の研磨、ポリッシングやワイピングクロスとしても好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機製作所(株)製キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.融点
Perkin Elmaer DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
C.口金吐出孔での剪断応力
口金孔壁とポリマーとの間の剪断応力はハーゲンポワズユの式(剪断応力(dyne/cm2)=R×P/2L)から計算する。ここでR:口金吐出孔の半径(cm)、P:口金吐出孔での圧力損失(dyne/cm2 )、L:口金吐出孔長(cm)である。また、P=(8LηQ/πR4 )であり、η:ポリマー粘度(poise)、Q:吐出量(cm3 /sec)、π:円周率である。また、CGS単位系の1dyne/cm2 はSI単位系では0.1Paとなる。
D.ポリマーアロイ繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
E.TEMによるシート状物横断面観察
シート状物をエポキシ樹脂で包埋し、横断面方向に超薄切片を切り出して透過型電子顕微鏡(TEM)でシート状物横断面を観察した。また、必要に応じ金属染色を施した。
TEM装置 : (株)日立製作所製H−7100FA型
F.ナノファイバーの数平均による単繊維繊度、直径 ナノファイバーを含むシート状物の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一横断面内で無作為に抽出した50本以上の単繊維直径を測定する。測定は、TEMあるいはSEMによるシート状物の横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて単繊維直径および繊度を求めるものであり、これを3カ所以上で行い、少なくとも合計150本以上の単繊維直径を測定することで求めるものである。このとき、250nm(ナイロン6(比重1.14g/cm)の場合では、6×10-4dtex)を超える他の繊維は除き、1〜250nmの単繊維直径のものだけを無作為に選び測定する。なお、シート状物を構成するナノファイバーが異形断面の場合、まず単繊維の断面積を測定し、その面積を仮りに断面が円の場合の面積とする。その面積から直径を算出することによって単繊維直径を求めるものである。単繊維繊度の平均値は、以下のようにして求める。まず、単繊維直径をnm単位で小数点の1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入する。その単繊維直径から単繊維繊度を算出し、それの単純な平均値を求める。本発明では、これを「数平均による単繊維繊度」とする。
単繊維の数平均による直径についても、同様の統計手法にて求める。
G.ナノファイバーの数平均による単繊維繊度ばらつき 研磨布を構成するナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、本文中にも記載をしたように、以下のようにして評価する。すなわち、研磨布中のナノファイバーそれぞれの単繊維繊度を有効数字1桁で求め、その値をdtiとしその総和を総繊度(dt1+dt2+…+dtn)とする。また、先ほど有効数字1桁で求めた同じ単繊維繊度を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総繊度で割ったものをその単繊維繊度の繊度比率とする。これは研磨布中に含まれるナノファイバー全体に対する各単繊維繊度成分の重量分率(体積分率)に相当し、この値が大きい単繊維繊度成分がナノファイバー研磨布の性質に対する寄与が大きいことになる。
なお、本発明においては、かかるナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、上述の単繊維繊度の平均値を求めるのと同様に、ナノファイバーを少なくとも一部に含むシート状物の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一横断面内で無作為に抽出した50本以上のナノファイバーの単繊維直径を測定するが、これを3カ所以上で行い、少なくとも合計150本以上の単繊維直径を測定することで求めるものであり、上述の単繊維繊度の平均値を求めるのと同一のN数と同一のデータを用いて求める。
H.ナノファイバーの直径ばらつき幅
ナノファイバーの直径ばらつき幅は、以下のようにして評価する。すなわち、ナノファイバーの単繊維直径の中心値付近で単繊維直径差が30nmの幅に入る単繊維の繊度比率で評価する。これは、中心繊度付近へのばらつきの集中度を意味しており、この繊度比率が高いほどばらつきが小さいことを意味している。これも上記した数平均による単繊維繊度を求める際に使用した同一のN数と同一のデータを用いて求める。
I.シート状物の引っ張り強力および10%伸長時応力
JIS L1096 8.12.1(1999)により、シート状物(研磨布)から幅5cm、長さ20cmのサンプルを採取し、つかみ間隔10cmで定速伸長型引張試験機にて、引張速度10cm/分にて伸長させて測定した。得られた値から幅1cm当たりの荷重を引っ張り強力(単位;N/cm幅)とした。また、1cm伸長時の応力を10%伸長時応力とした。
J.ハードディスクのテキスチャリング
研磨布を40mm幅のテープとし、被研磨物として市販アルミニウム板にNi−Pメッキ後ポリッシュ加工した基板(平均表面粗さ=0.28nm)を用い、研磨布に20Nの加工張力をかけた状態で、5cm/分の速度で研磨布を走行させ、研磨布表面に平均粒径0.2μmのダイヤモンド結晶からなる遊離砥粒スラリーを滴下し、25秒間研磨を実施した。
また、被研磨物の平均表面粗さとスクラッチ点数は、以下のようにして求めた。
<基板表面粗さ>
JISB0601に準拠して、ディスク基板サンプル表面の任意の10カ所について平均粗さを測定し、10カ所の測定値を平均することにより基板表面粗さを算出した。
<スクラッチ点数>
テクスチャー加工後の基板5枚の両面すなわち計10表面を測定対象として、Candela5100光学表面分析計を用いて、スクラッチ点数を測定し、10表面の測定値の平均値で評価し、300点以下を合格とした。
K.高分子弾性体の含有量
高分子弾性体の含有量の確認は、試料面積1m2 の研磨布から高分子弾性体を溶媒などで溶出除去させ、該溶出除去処理の前後の重量をそれぞれ求めることにより確認をした。
L.SEM観察
サンプルに白金を蒸着し、超高分解能電解放射型走査型電子顕微鏡で観察した。
SEM装置:(株)日立製作所社製UHR−FE−SEM
M.力学特性
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に、破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り、伸度として強伸度曲線を求めた。
N.圧縮弾性比
圧縮弾性比Sは以下により定義されるものである。まず、圧縮特性を下記条件で測定する。
測定装置:島津製作所(株)製オートグラフAGS500B
試料片寸法:50mmφ
試料厚さ:0.4mm以上
(試料が0.4mm未満の場合は、試料を複数枚重ねて、0.4mm以上で0.4mmに最も近い厚さになるようにして測定する。)
圧縮速度:0.5mm/分
そして、この測定による歪みと圧縮荷重のグラフを作成し、グラフの0.1Kg/cmと0.5Kg/cmでの接線の傾きをそれぞれの圧縮弾性値とする。この0.5Kg/cm時の圧縮弾性値を0.1Kg/cm時の圧縮弾性で除した値をSと定義する。
O.耐摩耗性
日本電子科学(株)製シーファー摩耗試験機を用い、ASTM:D−1175に準じて測定した。なお、荷重3628.8gとし、ブラシとしてナイロンの毛足長さ13mmのものを用い、45回転擦過した時の試料の減少量mgを求め、測定回数3回の単純平均値で定義する。
P.表面粗さ
大きさ7cm×7cmの研磨布試料を10枚以上準備し、温度20℃、湿度60%のデシケータに12時間以上放置する。その中の1枚をTAYLOR HOBSON社製タリサーフ4型の表面粗さ計に取付ける。温度20℃、湿度60%環境下で測定検知部の曲率半径1.25μm、検知部速度30cm/分、粗さ感度500倍の測定条件で試料1枚につき5mm長さの試料表面の粗さを測定し、これを試料10枚で行い、これの単純平均値で求めた。
Q.表面硬度
JIS K−6253Aの規定に基づいて測定される硬度で表される。すなわち、大きさ7cm×7cmの研磨布試料を10枚以上準備し、温度20℃、湿度60%のデシケータに12時間以上放置する。その中の1枚を高分子計器(株)社製ASKER A型感知部を取付けたCL−150定圧荷重硬度計に取付けた。温度20℃、湿度60%環境下で硬度を測定し、これを試料10枚で行い、これの単純平均値で求めた。
R.積層厚み
ナノファイバーの積層厚みは以下のようにして求める。まず支持体のみの厚みを測るために、支持体の任意の場所から10cm角のサンプルを10枚カットし、マイクメータ付きの試料台にのせ、20℃、65%でマイクロメータで厚みを測定し、各1枚について10箇所測定して、これを単純平均して厚みTs(μm)とする。同様にして、シート状物の厚みを測定し、厚みTn(μm)とする。そして、シート状物全体に対するナノファイバーの積層厚みを次式(1)で求めた。
積層厚み=(Tn−Ts)/Tn*100 (1)
U.ゼータ電位測定
ナノファイバー分散液に0.001MのKClをあらかじめ添加し、pH=7にて電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子(株)製)で測定した。
実施例1
溶融粘度53Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(20重量%)と溶融粘度310Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点225℃のイソフタル酸を8mol%、ビスフェノールAを4mol%共重合した融点225℃の共重合PET(80重量%)を2軸押し出し混練機で260℃で混練してポリマーアロイチップを得た。なお、この共重合PETの262℃、1216sec-1での溶融粘度は180Pa・sであった。このときの混練条件は、以下のとおりであった。
ポリマー供給は、N6(ナイロン6)と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。スクリューは、直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1を用いて、温度260℃とした。
このポリマーアロイチップを275℃の溶融部2で溶融し、紡糸温度280℃のスピンブロック3に導いた。そして、図7に示したように、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度262℃とした口金5から溶融紡糸した。図7において、1はホッパー、2は溶融部、3はスピンブロック、4は紡糸パック、5は口金、6はチムニー、7は糸条、8は集束給油ガイド、9は第1引き取りローラー、10は第2引き取りローラー、11は巻き取り糸である。
このとき、口金としては、図8に示すように、吐出孔上部に直径0.3mmの計量部12を備えた、吐出孔径14が0.7mm、吐出孔長13が1.75mmのものを用いた。そして、このときの単孔あたりの吐出量は2.9g/分とした。このときの口金孔壁とポリマーの間の剪断応力は0.13MPa(ポリマーアロイの粘度は105Pa・s、262℃、剪断速度1248sec-1)と十分低いものであった。さらに、口金下面から冷却開始点(チムニー6の上端部)までの距離は9cmであった。吐出された糸条は、20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金5から1.8m下方に設置した給油ガイド8で給油された後、非加熱の第1引き取りローラー9および第2引き取りローラー10を介して900m/分で巻き取った。
そして、これを、図9に示したように、第1ホットローラー17の温度を90℃、第2ホットローラー18の温度を130℃として延伸熱処理した。このとき、第1ホットローラー17と第2ホットローラー18間の延伸倍率を3.2倍とした。図9において、15は未延伸糸、16はフィードローラー、19は第3ローラー(室温)、20は延伸糸である。得られたポリマーアロイ繊維は、120dtex、12フィラメント、強度4.0cN/dtex、伸度35%、U%=1.7%の優れた特性を示した。
また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、図2に示したとおり、共重合PETが海(薄い部分)、N6(濃い部分)が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は53nmであり、N6が超微分散化したN6ナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維が得られた。このポリマーアロイ繊維に捲縮付与およびカットを行い、カット長51mmのポリマーアロイ原綿(A)を得た。
こうして得られたポリマーアロイ原綿(A)をカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを針密度3500本/cm2 にて施して、目付500g/m2 のポリマーアロイ原綿からなる不織布を得た。
この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
この不織布中のN6ナノファイバーのみをTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均による単繊維直径は56nm(3×10-5dtex)と従来にない細さであり、また単繊維繊度が1×10-8〜4×10-4dtexの繊度比率は100%、1×10-8〜2×10-4dtexの繊度比率は100%、1×10-8〜1×10-4dtexの繊度比率は99%であった。なお、後述の実施例についても同様の範囲で繊度比率を求めた。ちなみに、単繊維直径で55〜84nmの間の単繊維繊度比率は71%であり、単繊維繊度のばらつきは、表1に示したように、ごく小さいものであった。N6ナノファイバーの単繊維直径および単繊維繊度のヒストグラムの1例を、図3、図4に示すが、このとき、単繊維直径で10nm刻みで本数(頻度)および繊度比率を数えたものでヒストグラムを作成した。単繊維直径で10nm刻みとは、例えば、単繊維直径55〜64nmのものは単繊維直径60nm、また、糸直径75〜84nmのものは単繊維直径80nmとして数えたことを意味している。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーからなる不織布を得た。
得られた不織布の表面をJIS#240、#350、#500番のサンドペーパーでバフイングし、さらに、これを隙間が1.0mmの表面温度150℃の上下2本のフッ素加工した加熱ローラーでニップし、0.7kg/cm2 の圧力でプレスした後、表面温度15℃の冷却ローラーで急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。この研磨布の圧縮弾性の比Sは3.0、耐摩耗係数は30mg、表面粗さは20μm、表面硬度は38であった。また、この研磨布の10%伸長時応力は12N/cm幅であり、テキスチャリング中の研磨布の伸びが少なく、ハードディスクのテキスチャリングの結果、基板の平均表面粗さは0.24nmと小さく、スクラッチ点数も96個と欠点が著しく少なく、電磁変換特性に優れるものであった。更にテクスチャー加工表面に残留する研磨屑、砥粒片が極めて少なかった。
実施例2
実施例1で得られたポリマーアロイ原綿(A)をカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを針密度500本/cm2 にて施して目付450g/m2 のポリマーアロイ原綿からなる不織布を得た。
また、単繊維繊度が1.9dtexのPP原綿(B)にカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを500本/cm2 施してPP不織布を得た。上記で得られたポリマーアロイ原綿からなる不織布とPP不織布を1枚ずつ重ねて、さらにニードルパンチを3000本/m2施し、ポリマーアロイ原綿(A)とPP原綿(B)からなる貼り合せ型不織布を得た。
その後、実施例1と同様に、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固して目付390g/m2 のN6ナノファイバーとPP繊維からなる混合型不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例3
海成分にアルカリ可溶型共重合ポリエステル樹脂60重量%、島成分にN6樹脂40重量%を用い、溶融紡糸で島成分を100島とし、5.3dtexの高分子配列体複合繊維(以後複合繊維)を作成後、2.5倍延伸して2.1dtexの複合繊維を得た。この複合繊維の強度は2.6cN/dtex、伸度は35%であった。また、島成分の極細繊維となる部分の平均単糸繊度をTEM写真から解析したところ、0.02dtex相当であった。この繊維に捲縮付与およびカットを行い、カット長51mmの複合原綿(C)を得た。
この複合原綿(C)と実施例1で得られたポリマーアロイ原綿(A)を重量比でA/C=50/50として混綿し、カーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを3500本/cm2 施して、目付500g/m2 のポリマーアロイ原綿(A)と複合原綿(C)からなる混合型不織布を得た。
その後、実施例1と同様にして、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーと極細N6繊維からなる混合型不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例4
実施例1で得られたポリマーアロイ繊維を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、2mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。タッピースタンダードナイヤガラ試験ビータ(東洋精機製作所(株)製)に水23Lと先ほど得られたカット繊維30gを仕込み、5分間の予備叩解をし、その後、余分な水を切って繊維を回収した。この繊維の重量は250gであり、その含水率は88%であった。含水状態の繊維250gをそのまま自動式PFIミル(熊谷理機工業(株)製)に仕込み、回転数1500回転、クリアランス0.2mmで6分間叩解した。ファイバーミキサーMX−X103(松下電器産業(株)製)に叩解した繊維4.2g、分散剤としてアニオン系分散剤であるシャロールAN−103P(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、5分間撹拌してN6ナノファイバーの水分散体を得た。この水分散体中のナノファイバーのゼータ電位は−50mVであった。このN6ナノファイバーの水分散体500g、水20Lをセミオートマチック角型シートマシン(熊谷理機工業(株)製)に仕込み、繊維直径45μm、200本/インチのポリエステル平織物(NBC株式会社製産業資材用メッシュクロス品番T−NO.200S)の上に抄紙し、そのまま高温用回転型乾燥機(熊谷理機工業(株)製)を用いて110℃で2分間乾燥して、目付8g/m2 のN6ナノファイバーが、ポリエステル平織物を支持体として、積層された研磨布を得た。ポリエステル平織物の厚みは70μm、積層研磨布全体の厚みが100μmなので、該シート状物全体に対するナノファイバーの積層厚みは30%であった。
得られた研磨布の10%伸長時応力、表面粗さおよびハードディスクのテキスチャリングの結果は、表1に示した通りであった。
実施例5
実施例4の研磨布にポリビニルアルコールを研磨布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与し、さらにこの研磨布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として研磨布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーとポリエステル平織物からなる積層型研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、表面粗さおよびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例6
実施例4の積層させるN6ナノファイバーの目付を60g/m2 とした以外は実施例4と同様にしてN6ナノファイバーがポリエステル平織物に積層した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、表面粗さおよびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例7
実施例6の研磨布にポリビニルアルコールを研磨布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与し、さらに、この研磨布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として研磨布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーとポリエステル平織物からなる積層型研磨布を得た。
得られた研磨布布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、表面粗さおよびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例8
実施例1で用いたN6と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)を用い、N6の含有率を20重量%とし、混練温度を220℃として実施例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。ここで、ポリL乳酸の重量平均分子量は、以下のようにして求めた。すなわち、試料のクロロホルム溶液にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
なお、実施例1で用いたN6の剪断速度2432sec-1での溶融粘度は57Pa・sであった。また、このポリL乳酸の215℃、剪断速度1216sec-1での溶融粘度は86Pa・sであった。得られたポリマーアロイチップを用いて、溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、紡糸速度3200m/分として実施例1と同様に溶融紡糸して未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率を1.5倍、熱セット温度130℃として実施例1と同様に延伸熱処理し、ポリマーアロイ繊維を得た。このポリマーアロイ繊維は70dtex、36フィラメントであり、強度3.4cN/dtex、伸度38%、U%=0.7%であった。得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、ポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島成分であるN6の数平均による直径は55nmであり、N6がナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維であった。この繊維に捲縮付与およびカットを行い、カット長51mmの複合原綿(D)を得た。
上記ポリマーアロイ原綿(D)をカーディングおよびラッピングを施した後、さらにニードルパンチを3500本/cm2 施し、目付500g/m2 のポリマーアロイ原綿からなる不織布を得た。
この不織布を95℃の3%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
この不織布からN6ナノファイバーのみを抜き取り解析した結果、N6ナノファイバーの数平均による単繊維直径は56nm(3×10-5dtex)と従来にない細さであり、単繊維繊度のばらつきは、表1に示したようにごく小さいものであった。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固して目付390g/m2のN6ナノファイバーからなる不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例9
溶融粘度500Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(40重量%)として実施例1と同様に溶融紡糸を行った。このときの口金孔壁とポリマーの間の剪断応力は0.1Mpa(ポリマーアロイの粘度は200Pa・s、262℃、剪断速度416sec-1)とし、実施例1と同様にポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維は126dtex、36フィラメント、強度4.2cN/dtex、伸度38%、U%=1.8%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、実施例1と同様に共重合PETが海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は80nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。このポリマーアロイ繊維に捲縮付与およびカットを行いカット長51mmのポリマーアロイ原綿(D)を得た。
上記ポリマーアロイ原綿(D)をカーディングおよびラッピングを施した後、さらにニードルパンチを3500本/cm2 施し、目付450g/m2 のポリマーアロイ原綿からなる不織布を得た。
その後、実施例1と同様に、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
この不織布からナノファイバーのみを抜き取り解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は84nm(6×10-5dtex)と従来にない細さであり、単繊維繊度のばらつきは、表1に示したようにごく小さいものであった。次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーからなる不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し、表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は、表1に示した通りであった。
実施例10
44dtex−34フィラメントのN6を経糸に、実施例9で得られたポリマーアロイ繊維を2本合糸して緯糸にして、織組織を5枚サテン、織上密度(経×緯)を122×130本/インチの織物を得た。
その後、実施例1と同様に、この織物を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、織物研磨布を得た。織物のカバーファクター(経×緯)は860×1405であった。
得られた研磨布の10%伸長時応力およびハードディスクのテキスチャリングの結果は、表1に示した通りであった。
実施例11
実施例9で得られたポリマーアロイ繊維を28ゲージの丸編み機で編みたて、編み組織スムースの横編物を得た。
その後、実施例1と同様に、この織物を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、編物研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例12
溶融粘度120Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点225℃のPBTと2エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリエスチレン(co−PS)を用い、PBTの含有率を20重量%とし、混練温度を240℃として実施例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、単孔吐出量1.0g/分、紡糸速度1200m/分で実施例1と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率を2.49倍とし、熱セット温度115℃として実施例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は161dtex、36フィラメントであり、強度1.4cN/dtex、伸度33%、U%=2.0%であった。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、co−PSが海、PBTが島の海島構造を示し、PBTの数平均による直径は45nmであり、PBTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。このポリマーアロイ繊維に捲縮付与およびカットを行い、カット長51mmのポリマーアロイ原綿(E)を得た。
上記ポリマーアロイ原綿(E)をカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを3500本/cm2 施し、目付500g/m2 のポリマーアロイからなる不織布を得た。この不織布を、トリクレンに浸漬することにより、海成分であるポリスチレン樹脂およびco−PSの99%以上を溶出した。
この不織布からPBTナノファイバーのみを抜き取り、実施例1と同様にして解析した結果、PBTナノファイバーの数平均による単繊維直径は50nm(3×10-5dtex)と従来にない細さであり、また単繊維繊度のばらつきもごく小さいものであった。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してPBTナノファイバーからなる不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表1に示した通りであった。
実施例13、14、15、16、17、18
実施例13では実施例1、実施例14では実施例8、実施例15では実施例9、の実施例16では実施例10、実施例17では実施例11、実施例18では実施例12で得られた研磨布に、NBR(ニトリルゴム)を主体とする接着剤を裏面に塗布し、厚み50μmのポリエステルフィルムを圧着し、N6ナノファイバー不織布とポリエステルフィルムからなる貼り合せ型不織布を得た。
得られた不織布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表2に示した通りであった。
実施例19、20、21、22、23
実施例19では実施例1、実施例20では実施例8、実施例21では実施例9、実施例22では実施例10、実施例23では実施例11のポリマーアロイ繊維のポリエステル成分加水分解除去率を50%とした以外は、それぞれ実施例1、8、9、10、11と同様にして研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表3に示した通りであった。
実施例24、25、26、27
実施例24では実施例13、実施例25では実施例14、実施例26では実施例15、実施例27では実施例17で得られた研磨布を、水に30分間浸漬させ、ナノファイバーに水を十分浸透させた状態でハードディスクのテキスチャリングを施した結果を表4に示す。
比較例1
溶融粘度150Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点220℃のN6と溶融粘度145Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点105℃のPEとをN6のブレンド比率を20重量%となるようにそれぞれのポリマーを計量しながら2軸押し出し機に導く図10に概要を示した装置を用い、2軸押し出し機21の温度を260℃として溶融した後、口金孔数12、吐出孔径0.30mm、吐出孔長.50mmのずん胴口金として実施例1と同様に溶融紡糸を行った。22はチップ計量装置である。ただし、N6とPEのブレンド斑が大きく、口金下で大きなバラスが発生しただけでなく、曳糸性にも乏しく、安定して糸を巻き取ることはできなかったが、少量の未延伸糸を得て、実施例1と同様に延伸・熱処理を行い、82dtex、12フィラメントの延伸糸を得た。このときの延伸倍率は2.0倍とした。この繊維に捲縮付与およびカットを行いカット長51mmのN6とPEからなる原綿を得た。
上記原綿に、カーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを2000本/cm2 施して目付500g/m2 の不織布を得た。
この不織布を85℃のトルエンにより1時間以上浸漬することで不織布中のPEの99%以上を溶出除去し、極細N6糸からなる不織布を得た。得られた不織布から極細N6糸を引き出し解析した結果、単繊維直径が100nm〜1μm(単繊維繊度9×10-5〜9×10-3dtex)の超極細糸が生成していることを確認した。この不織布の数平均による単繊維繊度は1×10-3dtex(単繊維直径334μm)と大きいものであり、単繊維繊度ばらつきも、図5と図6に示したように大きいものであった。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固した。
次いで、不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
ハードディスクのテキスチャリングの結果、スクラッチ点数は約2000個であり、欠点個数が極めて多く、電磁変換特性に劣るものであった。
比較例2
実施例1のニードルパンチ回数を100本/cm2 とした以外は実施例1と同様にして研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力は0.9N/cm幅であり、ハードディスクのテキスチャー加工中に研磨布が伸びてしまい、テキスチャー加工できなかった。
以上の比較例1と比較例2についてまとめた結果は、表5に示したとおりである。
実施例28
実施例3で得られた複合原綿(C)を用い、カーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを3500本/cm2 施して、目付600g/m2 の複合原綿(C)からなる不織布を得た。
その後、実施例1と同様にして、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固し、さらに実施例1と同様にしてバフイングし、極細N6繊維からなる不織布を得た。
また、実施例4で得られた水分散体をさらに水で希釈し、N6ナノファイバー濃度が0.05重量%の水分散体を得た。上記で得られた不織布に対して、0.05重量%濃度の水分散体をスプレーノズルを用いて100回吹付けて、極細N6繊維からなるシート状物上にN6ナノファイバー層を形成させ、乾燥後にプレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。極細N6繊維からなるシート状物の厚みは500μm、研磨布全体の厚みが530μmなので、該シート状物全体に対するナノファイバーの積層厚みは5.7%であった。
この研磨布中のN6ナノファイバーのみをTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均による単繊維直径(数平均直径)は56nm(3×10-5dtex)であり、また単繊維繊度が1×10-8〜1×10-4dtexの繊度比率は99%であり、特に単繊維直径で55〜84nmの間の単繊維繊度比率は71%であり、単繊維繊度のばらつきは、表6に示したように、ごく小さいものであった。また、単繊維直径100nmより大きいものの繊維比率は0%であった。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表6に示した通りであった。
実施例29
海成分に実施例8で用いたポリL乳酸を60重量%、島成分に実施例8で得られたポリマーアロイを40重量%を用い、溶融紡糸で島成分を100島とし、8.0dtexの複合繊維を作成後、2.5倍延伸して3.2dtexの複合繊維を得た。この複合繊維の強度は2.8cN/dtex、伸度は40%であった。得られた複合繊維の横断面をTEMで観察したところ、島成分中のN6部分の数平均による直径は56nmであった。この繊維に捲縮付与およびカットを行い、カット長51mmの複合原綿(F)を得た。
この複合原綿(F)をカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを針密度500本/cm2 にて施して目付500g/m2 の複合原綿(F)からなる不織布を得た。
また、実施例3で用いた複合原綿(C)にカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを500本/cm2 施して、目付500g/m2 の複合原綿(C)からなる不織布を得た。
上記で得られた複合原綿(F)からなる不織布と複合原綿(C)からなる不織布を1枚ずつ重ねて、さらにニードルパンチを3000本/m2 施し、複合原綿(F)と複合原綿(C)からなる貼り合せ型不織布を得た。
その後、実施例1と同様にして、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーと極細N6繊維からなる貼り合せ型不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表6に示した通りであった。
実施例30
海成分に実施例8で用いたポリL乳酸を40重量%、芯成分にN6樹脂35重量%、鞘成分に実施例8で得られたポリマーアロイを用い、島芯鞘型の海島複合繊維(島数は36)を3成分紡糸装置を用いて紡糸して未延伸糸を得た。この未延伸糸を延伸倍率2.0倍で延伸し、7.0dtexの複合繊維を作成した。この複合繊維の強度は2.8cN/dtex、伸度は45%であった。得られた複合繊維の横断面をTEMで観察したところ、鞘成分中のN6部分の数平均による直径は56nmであった。この繊維に捲縮付与およびカットを行い、カット長51mmの複合原綿(G)を得た。
この複合原綿(G)をカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを針密度3500本/cm2 にて施して目付750g/m2 の複合原綿(G)からなる不織布を得た。
その後、実施例1と同様にして、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーからなる不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表6に示した通りであった。
実施例31
実施例8で用いたポリL乳酸と実施例8で得られたポリマーアロイから構成される中空環状花弁型24分割・割繊型の複合繊維(単繊維繊度2.4dtex、複合比1:1)を、口金から紡出し、エジェクターを用い、紡糸速度2900m/分で吸引下にあるネットコンベア(捕集シート)上に捕集した。このとき、エジェクター圧力は0.1MPaとした。ネットコンベア上に捕集した複合繊維不織布(目付300g/m)を室温でカレンダープレス法で仮セットを行った。
別途、実施例3で用いた複合原綿(C)にカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを300本/cm2 施して目付250g/m2 の複合原綿(C)からなる不織布を得た。
上記で得られた複合繊維不織布と複合原綿(C)からなる不織布を1枚ずつ重ねて、ウォータージェットパンチ(WJP)にて、表10MPa、裏(補修時のネットコンベアに接触した面)10MPa、表20MPa、裏20MPaの4回打ちを行い、不織布を貼り合わせるとともに緻密化した。
その後、実施例1と同様にして、この不織布を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することで不織布中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥した。
得られた不織布の横断面をTEMで観察したところ、鞘成分中のN6部分の数平均による直径は56nmであった。
次に、この不織布にポリビニルアルコールを不織布中の繊維に対して固形分で20重量%となるように付与した。
さらに、この不織布にDMF系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを固形分として不織布中の繊維に対して固形分で30重量%となるように含浸し、湿式凝固してN6ナノファイバーと極細N6繊維からなる貼り合せ型不織布を得た。
得られた不織布の表面を実施例1と同様にしてバフイング、プレス、急冷し表面を平滑化した研磨布を得た。
得られた研磨布の10%伸長時応力、圧縮弾性の比S、耐摩耗係数、表面粗さ、表面硬度およびハードディスクのテキスチャリングの結果は表6に示した通りであった。
Figure 0004736514
Figure 0004736514
Figure 0004736514
Figure 0004736514
Figure 0004736514
Figure 0004736514
本発明のナノファイバーにより、通常の超極細糸程度では見られなかった、これまでにない風合いの布帛や高性能研磨布を得ることができる。
本発明のナイロンナノファイバーの繊維横断面を示すTEM写真である。 実施例1に用いたポリマーアロイ繊維の横断面を示すTEM写真である。 実施例1のナノファイバーの単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 実施例1のナノファイバーの単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 比較例1の超極細糸の単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 比較例1の超極細糸の単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 実施例で用いた紡糸機を示す図である。 実施例で用いた口金を示す図である。 実施例で用いた延伸機を示す図である。 比較例1で用いた紡糸機を示す図である。
符号の説明
1:ホッパー
2:溶融部
3:スピンブロック
4:紡糸パック
5:口金
6:チムニー
7:糸条
8:集束給油ガイド
9:第1引き取りローラー
10:第2引き取りローラー
11:巻き取り糸
12:計量部
13:吐出孔長
14:吐出孔径
15:未延伸糸
16:フィードローラー
17:第1ホットローラー
18:第2ホットローラー
19:第3ローラー(室温)
20:延伸糸
21:2軸押出混練機
22:チップ計量装置

Claims (17)

  1. 数平均による単繊維繊度が1×10-8〜4×10-4dtexであり、単繊維繊度1×10-8〜4×10-4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に有するシート状物からなり、長手方向の10%伸長時応力が5〜200N/cm幅であることを特徴とする研磨布。
  2. 数平均による単繊維繊度が1×10-8〜2×10-4dtexであり、単繊維繊度1×10-8〜2×10-4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に有するシート状物からなり、長手方向の10%伸長時応力が5〜200N/cm幅であることを特徴とする研磨布。
  3. 該ナノファイバーが、単繊維繊度比率で50%以上が単繊維直径差で30nmの幅に入
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨布。
  4. 該シート状物が、不織布からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の研磨布。
  5. 該シート状物が、織物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    研磨布。
  6. 該シート状物が、編物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    研磨布。
  7. 該シート状物の0.1Kg/cm2 荷重下の圧縮弾性と0.5Kg/cm2 荷重下の圧縮弾性の比Sが4.0以下であることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか1項に記載の研磨布。
  8. 該シート状物の耐摩耗係数が50mg以下であることを特徴とする請求項1〜7項のい
    ずれか1項に記載の研磨布。
  9. 該シート状物の表面粗さが100μm以下であることを特徴とする請求項1〜8項のい
    ずれか1項に記載の研磨布。
  10. 該シート状物の表面硬度が20以上であることを特徴とする請求項1〜9項のいずれか
    1項に記載の研磨布。
  11. 該シート状物が、その少なくとも片面に該ナノファイバーからなる立毛面を有すること
    を特徴とする請求項1〜10項のいずれか1項に記載の研磨布。
  12. 該シート状物が、ナノファイバーを支持体に積層してシート状物とされてなるものであ
    ることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の研磨布。
  13. ナノファイバーの積層厚みが該シート状物の全体の厚みに対して70%以下のものであ
    ることを特徴とする請求項12に記載の研磨布。
  14. 該シート状物が、その内部に空間を有していて、かつ該空間に高分子弾性体が含浸され
    てなることを特徴とする請求項1〜13項のいずれか1項に記載の研磨布。
  15. 該高分子弾性体が、ポリウレタンであることを特徴とする請求項14に記載の研磨布。
  16. 該高分子弾性体の含有率が、シート状物の繊維重量に対し20〜60重量%であること
    を特徴とする請求項14または15項に記載の研磨布。
  17. 前記ナノファイバーが、島ポリマーと海ポリマーのSP値の差が1〜9(MJ/m 3 1/2 であり、島ポリマー粘度が海ポリマー粘度の1/10以上であるポリマーアロイ繊維から得られたものであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の研磨布。
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