JP2003094320A - 研磨布 - Google Patents

研磨布

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JP2003094320A
JP2003094320A JP2001290793A JP2001290793A JP2003094320A JP 2003094320 A JP2003094320 A JP 2003094320A JP 2001290793 A JP2001290793 A JP 2001290793A JP 2001290793 A JP2001290793 A JP 2001290793A JP 2003094320 A JP2003094320 A JP 2003094320A
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polishing cloth
polishing
fiber
sea
ultrafine
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JP2001290793A
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Akihiro Tanabe
昭大 田辺
Makoto Nishimura
誠 西村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】研磨砥粒の保持性、均一微分散性及び被研磨物
へのフィット性に優れ、被研磨物にキズをつけることな
く、且つ記録ディスクの高記録容量化に対応しうる超高
精度の仕上げで研磨することができる研磨布を提供する
こと。 【解決手段】平均繊度0.001〜0.03dtexの
ポリアミド極細短繊維不織布と高分子弾性体とが一体構
造となっており、該高分子弾性体が極細短繊維重量に対
し20重量%以上80重量%以下で付与されている人工
皮革で構成されており、該人工皮革中の極細短繊維密度
が0.200g/cm3 以上であり、且つ表面粗さが
5.0μm以下であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ディスク等に
用いるアルミニウム合金基板(以下Al基板と略記)等
を超高精度の仕上げで研磨する際に用いられる研磨布に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】研磨布は、記録ディスク、集積回路基
板、液晶ディスプレイ用基材などの研磨分野で広く利用
され、最近各分野でミクロで複雑な基材を高精度で安定
して研磨することが可能な研磨布が要求されている。記
録ディスク等の磁気記録媒体において、近年、高容量
化、高密度化に伴い、記録ディスクと磁気ヘッドとの間
隔、つまり磁気ヘッドの浮上高さは小さくなってきてお
り、最近では0.05μm以下が要求されている。磁気
ヘッドの浮上高さが著しく小さくなることにより、磁気
ディスクの表面に突起があるとその突起と磁気ヘッドと
が接触してヘッドクラッシュを起こし、ディスク表面に
傷が発生する。また、ヘッドクラッシュには至らない程
度の微小な突起でも、磁気ヘッドとの接触により情報の
読み書きの際に発生するエラーの原因となる。記録ディ
スクについては、高容量化、高密度化と平行して小型化
も進んできており、これに併せてスピンドル回転用のモ
ーター等も小型化されてきている。このため、モーター
のトルクが不足し、磁気ヘッドが記録ディスク表面とが
密着し、浮上しなくなるというトラブルを引き起こす。
この記録ディスクと磁気ヘッドとの密着を防止する手段
として、記録ディスクの基板表面に微細な条痕を形成す
るテクスチャー加工という表面処理が行われている。従
来、テクスチャー加工の方法としては、遊離砥粒のスラ
リーを研磨布表面に付着させて研削を行うスラリー研削
等が用いられている。しかし、テクスチャー加工によっ
て、磁気ヘッドの低浮上を満足するための表面処理を行
う場合、最近の急激な高記録容量化のための高記録密度
化に対応するためには、研磨後のうねりを低くし、基板
表面粗さを極めて小さくすることが要求され、その要求
に対応しうる研磨布が求められている。
【0003】記録ディスク等に用いるAl基板等を超高
精度の仕上げで研磨するテクスチャー加工に用いられる
研磨布としては、従来より、極細繊維よりなる織物、発
泡ポリウレタンシート等が用いられてきた。しかし、テ
クスチャー加工において、高記録密度化に対応できる基
板表面粗さを得ることができなかった。近年、研磨布と
して、緻密な毛羽を有する、極細繊維不織布と高分子弾
性体とからなる立毛人工皮革が用いられてきているが、
かかる精度の高いテクスチャー加工を行うことは極めて
難しい状態にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の研磨布は、研磨
材であるスラリー中の砥粒の保持性に劣り、研磨布表面
が不均一な凹凸状であり、研磨布表面上の毛羽密度の粗
密ムラが大きい状態であることにより、研磨砥粒を均一
且つ微細に分散させることができなかったため、被研磨
物である記録ディスク用基板はうねりが大きく、基板表
面粗さも大きい状態であり、記録ディスクの高記録容量
化のための高記録密度化に対応できなかった。更に研磨
時に、研磨布表面の凹凸バラツキが大きいことに起因す
る基板表面の傷(スクラッチ)が発生し、生産性を極め
て低くする大きな問題であった。
【0005】本発明は、かかる従来の研磨布の問題に鑑
み、研磨砥粒の保持性、均一微分散性及び被研磨物への
フィット性に優れ、被研磨物にキズをつけることなく研
磨することができ、且つ記録ディスクの高記録容量化に
対応しうる超高精度の仕上げで研磨することができる研
磨布を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題に
鑑み鋭意研究した結果、次の手段を採用するものであ
る。
【0007】すなわち、被研磨物の大きなうねり及び傷
(スクラッチ)の発生原因が、研磨布表面が不均一な凹
凸状で、被研磨物へのフィット性及び研磨砥粒の保持性
に劣るものであることを見出し、それに対し、平均繊度
0.001〜0.03dtexのポリアミド極細短繊維
と高分子弾性体とが一体構造となっており、該高分子弾
性体が極細短繊維重量に対し20重量%以上80重量%
以下で付与されている人工皮革で構成されており、該人
工皮革中の極細短繊維密度が0.2g/cm3以上であ
り、且つ該人工皮革表面粗さを5.0μm以下に制御し
た研磨布を開発することによって、被研磨物に傷(スク
ラッチ)をつけることなく、且つ被研磨物である記録デ
ィスク用基板の表面粗さが極めて小さく、精度の優れた
テクスチャー加工面を生産性よく提供することができる
ことを究明したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の研磨布について、具体的
には、ポリアミドを島成分とする海島型複合紡糸して、
カットした原綿を絡合させて不織布に構成し、次いで、
該複合繊維の少なくとも1成分を溶解除去あるいは物理
的、化学的作用により剥離、分割し、平均繊度0.00
1〜0.03dtexに極細化した後、極細繊維重量に
対し20重量%〜80重量%の高分子弾性体を付与し、
該高分子弾性体を実質的に凝固、固化させた後、起毛処
理することにより、極細短繊維密度が0.2g/cm3
以上の緻密な立毛面が形成されて、5.0μm以下の表
面粗さを有する研磨布を提供することができることを究
明したものである。
【0009】本発明における極細短繊維成分は、ポリア
ミドであることが特に重要である。耐摩耗性および耐ヘ
タリ性に優れるばかりでなく、さらにスラリー液とのな
じみが特に良好であり、スラリー液中の研磨砥粒の保持
性、分散性に優れ、被研磨物に傷をつけることなく研磨
することができる素材として、抜群の機能を有するもの
である。かかるポリアミド極細短繊維不織布としては、
たとえば島成分にポリアミドを配してなる海島型複合繊
維から構成されるものである。すなわち、かかるポリア
ミドとしては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン12、共重合ナイロンなどが使用される。かかる複
合繊維の溶解除去あるいは物理的、化学的作用により剥
離、分割される海成分を構成するポリマーとしては、上
記のポリアミド類、ポリエステル類、ポリエチレン、ポ
リスチレン、共重合ポリスチレン、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン類を使用することができる。これらの
中から極細短繊維の断面形成性、紡糸性、延伸性などを
考慮して、海成分と島成分とを選択して組み合わせれば
よいが、特にニードルパンチしたときの繊維の高絡合化
による繊維(立毛)の高密度化を満足させる上から、海
成分としては、ポリスチレン、共重合ポリスチレンが好
ましく使用される。
【0010】本発明では、上記の複合繊維を溶解除去あ
るいは物理的、化学的作用により剥離、分割した後の極
細短繊維の平均繊度は0.001〜0.03dtexで
あることが特に重要である。0.001dtex未満で
ある場合、繊維強度及び剛性が低く、スラリー中の遊離
砥粒の保持性、分散性に劣るため、遊離砥粒が凝集し、
スクラッチを発生しやすいため好ましくない。0.03
dtexを越えると、研磨布表面での立毛の緻密性に劣
り、好ましくない。該複合繊維及び極細短繊維の断面
は、特に限定されるものではないが、中では丸型断面が
好ましく、その理由は丸型の場合には、より均整に研磨
できるからである。紡糸方法としては、チップブレン
ド、ポリマーブレンド等の混合紡糸を用いれば、0.0
3dtex以下の極細短繊維は容易に得られるが、複合
紡糸により得られる極細短繊維に比べ、部分的に極細短
繊維が束状となる状態になり易く、繊維の均一分散性に
劣るため、研磨布の表面粗さが大きくなるとともに、毛
羽密度の粗密ムラが大きく、毛羽の粗な部分で砥粒の凝
集が起こり、スクラッチが発生しやすい。一方、海島型
口金を用いた複合紡糸では、得られる極細繊維の繊度バ
ラツキ、繊維間距離バラツキが小さいために、人工皮革
を形成した際の表面繊維の均一分散性に優れ、研磨布の
表面粗さを小さくおさえることができる。複合単繊維中
の島数は50〜500が好ましい。500を越えると口
金構造が複雑となり、口金加工性、紡糸性が著しく低く
なるため、工業的には500までである。また50未満
である場合、生産性が著しく低くなるため好ましくな
い。
【0011】本発明の研磨布は、ポリアミド極細短繊維
不織布に高分子弾性体を付与させることによって得られ
る。該高分子弾性体は、表面凹凸や振動吸収のためのク
ッション、繊維形態保持などの役割を有し、該ポリアミ
ド極細短繊維不織布と一体化させることにより、被研磨
物へのフィット性および被研磨物へのキズの抑制効果に
優れるものである。かかる高分子弾性体としては、ポリ
ウレタン、アクリロニトリル、ブタジエンラバー、天然
ゴム、ポリ塩化ビニルなどを使用することができる。中
でも、ポリウレタンが本発明プロセスにおける加工性や
クッション性の上から好ましい。研磨時のクッション性
およびフィット性は、研磨精度の上で重要であり、極細
短繊維と高分子弾性体の割合や空隙率(見掛け密度でわ
かる)によって制御し、研磨精度や研磨目的によって調
節される。高分子弾性体の含有量は、成型上極細短繊維
重量に対し20重量%〜80重量%であることが特に重
要であり、含有量によって研磨布の表面状態、空隙率、
クッション性、硬度、強度などを調節することができ
る。20重量%未満である場合、クッション性に劣るた
め、スクラッチを発生しやすく好ましくない。80重量
%を越えると、加工性及び生産性に劣るとともに、表面
上に高分子弾性体が露出しやすく、砥粒の凝集によるス
クラッチを引き起こしやすいため好ましくない。かかる
高分子弾性体の付与方法としては、該高分子弾性体を塗
布あるいは含浸後凝固させる方法、あるいはエマルジョ
ン、ラテックス状で塗布あるいは含浸して乾燥、固着さ
せる方法など種々の方法が採用することができる。
【0012】本発明において、ポリアミド極細短繊維不
織布を起毛処理することが好ましい。ここでいう起毛処
理とは、少なくとも片面が起毛された状態で、スエード
調に仕上げられていてもよい。起毛処理は針布やサンド
ペーパーを使用して行うのが一般的である。とりわけ、
高分子弾性体付与後、表面をサンドペーパーを使用し
て、起毛処理することにより均一で緻密な立毛を形成す
ることができる。起毛処理を行わない場合、緻密な立毛
面が得られないばかりでなく、研磨布表面に高分子弾性
体が露出している状態になりやすく、研磨砥粒の凝集に
よるスクラッチの発生につながりやすいため好ましくな
い。
【0013】本発明において、該研磨布を構成する極細
短繊維密度が0.2g/cm3 以上であることが特に重
要である。0.2g/cm3 未満であると、繊維(立
毛)の緻密性に劣るため、研磨布の表面粗さが大きくな
り、被研磨物の表面粗さを低減させることができず好ま
しくない。
【0014】本発明の研磨布の表面粗さは、5.0μm
以下であることが特に重要である。表面粗さが5.0μ
mを越えると、被研磨物の表面粗さが大きくなるととも
に、研磨布表面の毛羽が著しく少ない状態であるため、
遊離砥粒の凝集が発生し、被研磨物表面に傷(スクラッ
チ)が発生しやすいため好ましくない。
【0015】本発明において、研磨砥粒の保持性と被研
磨物へのキズの発生を抑制する点から、該ポリアミド極
細繊維のヤング率は100〜2000N/mm2 である
ことが好ましい。100N/mm2 未満である場合、被
研磨物に対する接触抵抗が低く、研磨効率が悪いととも
に、極細繊維同士が密着し束状になりやすく、毛羽密度
の粗密ムラにつながり、スクラッチを発生しやすいため
に好ましくない。2000N/mm2 を越える場合、剛
直であるため、研磨材および被研磨物へのフィット性に
劣り、超高精度の研磨加工面が得られないため好ましく
ない。ポリアミド極細繊維のヤング率100〜2000
N/mm2 を得る方法は、特に限定されないが、例え
ば、上記の複合繊維を超高速製糸法で紡糸機から直接引
き取る方法等も可能であるが、本発明において最も好ま
しくは、島成分をナイロン、海成分を共重合ポリスチレ
ンとする海島型複合繊維を紡糸して未延伸糸として一旦
巻き取った後に、これを延伸することによって得る方法
が用いられる。このときの延伸倍率は2.0〜3.5倍
であることが好ましい。
【0016】かかるポリアミド極細短繊維不織布には、
主体をなすポリアミド以外にも、たとえばポリエチレン
テレフタレート、共重合ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロプレンテレフタレート、共重合ポ
リプロピレンテレフタレートなどのポリエステル類など
を混合して使用することができるが、研磨砥粒の保持
性、被研磨物へのフィット性及び被研磨物へのキズの関
係からすると、混合量としては、好ましくは30重量%
以下、さらに好ましくは10重量%以下の量的に少ない
方が好ましく採用される。
【0017】かかる極細短繊維を製造する方法として
は、該複合繊維の少なくとも1成分のポリマーを除去す
るか、または相互に剥離することによって極細短繊維を
製造することができる。特に該複合繊維の少なくとも1
成分のポリマーを除去する場合、その方法は溶剤で抽出
する方法、熱分解させる方法など種々有るが、好ましく
は溶剤で抽出する方法で、さらには高分子弾性体を付与
する前または後で抽出する方法が好ましく使用される。
【0018】本発明に用いる複合繊維の繊維絡合体とし
ては、該複合繊維を短繊維化しカード・クロスラッパー
もしくはランダムウエブなどを用いてウエブを形成せし
め、その後ニードルパンチ処理あるいはウオータージェ
ットパンチ処理などの絡合処理を施すことによって、シ
ート化した短繊維不織布が望ましく使用される。中で
も、ニードルパンチ処理した短繊維不織布が、繊維の高
絡合化による繊維の高密度化(緻密な立毛面形成)の観
点から好ましく採用され、その場合のパンチング本数と
しては、繊維をシート表面の垂直方向に緻密に配向(緻
密な立毛面形成)させる上から、1000〜3500本
/cm2 であることが好ましい。1000本/cm2
満では、立毛繊維の緻密性に劣り、3500本/cm2
を越えると、加工性の観点から好ましくない。
【0019】ウエブを形成するという点においては、メ
ルトブロー、スパンボンドなど紡糸から直接形成する長
繊維不織布でもよいように考えられるが、とりわけ研磨
布においては、極細繊維相互の絡合及び立毛繊維の緻密
性が、短繊維不織布よりも著しく劣り、かつ、毛羽密度
の粗密ムラが大きくなりすぎるので、極細長繊維不織布
は研磨布としては使用することはできない。つまり、短
繊維不織布は、該布帛の垂直方向に繊維(立毛)が密集
して、緻密に存在するので、該短繊維不織布を用いて研
磨する際に、被研磨物面は、この繊維端部と研磨砥粒と
によって当接研磨されるので、均一な研磨が達成される
が、長繊維不織布では、繊維側面と被研磨物面とが当接
する確率が著しく高いので、研磨もそれだけ偏ってしま
い不均一な研磨となり易いのである。
【0020】本発明の研磨布は10%伸長時タテ応力が
5.0N/cm以上であることが好ましい。ここでのタ
テ方向とは、シートの長手方向、すなわち人工皮革を製
造する際の加工方向を表す。10%伸長時タテ応力が
5.0N/cm未満である場合、記録ディスク用基板を
研磨する過程において、研磨布の形態維持性が低いため
に、研磨の均一性および加工性が著しく低下するために
好ましくない。また、10%伸長時タテ応力を5.0N
/cm以上とするためには、高分子弾性体を極細短繊維
重量に対し20重量%以上付与させ、且つ極細短繊維密
度を0.2g/cm3 以上とすることが必要である。
【0021】本発明で得られた研磨布は、精度の優れた
テクスチャー加工面を有する記録ディスク用基板を生産
性よく提供することができるものである。
【0022】ここで、研磨布の表面粗さは、KES法に
準拠して該研磨布表面の上下の厚み変動を測定して得ら
れる表面粗さ曲線から平均偏差を、マイクロメートル
(μm)で表したものをいう。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に
説明する。 <研磨布表面粗さ>該研磨布の表面粗さはKES法に準
拠し、表面試験機(KES−FB−M4)で測定する。
表面粗さの測定において、評価長さは20mmとした。 <テクスチャー加工試験>該研磨布を、テクスチャー加
工機に装着し、スラリー(平均粒径0.2μのダイヤモ
ンド結晶と水系分散媒とから成る、0.20重量%)を
用いて、3.5インチのアルミニウム合金基板を30秒
間研磨する。研磨条件は次の通りである。 ディスク回転数 500rpm スラリー供給量 10ml/min 加工圧力 1.2kg/cm2 <被研磨物表面粗さ評価>研磨後のアルミニウム合金基
板3枚を10mm×10mmの小片にカットし、各基板
の小片6個の表面5箇所の凹凸を原子間力顕微鏡(AF
M)で測定し、各小片につき平均し、更にアルミニウム
合金基板3枚の平均値を被研磨物表面粗さRaとする。
Raの数値が小さいほど高精度であることを示す。
【0024】○……4オングストローム未満 △……4オングストローム以上6オングストローム未満 ×……6オングストローム以上 実施例1 島成分としてナイロン6と、海成分として共重合ポリス
チレンを用いて、島本数70本/ホールの海島型口金を
通して、島/海重量比率30/70で溶融紡糸して未延
伸糸を得た。該未延伸糸を延伸倍率3.0倍で延伸し、
捲縮を付与してカットし、複合繊度4.4dtex、島
成分繊度0.02dtex、島成分ヤング率1000N
/mm2 、繊維長51mmの海島型複合繊維の原綿を形
成する。
【0025】この海島型複合繊維の原綿を用いて、カー
ド、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを形成し、つ
いでプレパンチで、100本/cm2 のニードルパンチ
を行って不織布にした。
【0026】次に、この不織布シートの上下から、15
00本/cm2 の針本数でニードルパンチし、目付83
0g/m2 の不織布を形成した。この不織布シートを極
細繊維化し、次いでポリウレタンを極細短繊維重量に対
し35重量%含浸させ、水中で該ポリウレタンを凝固し
た後、このシートをバフ機にかけて立毛を形成させ、厚
さ0.55mm、目付180g/m2 、極細短繊維密度
0.25g/cm3の本発明の研磨布を得た。該研磨布
の表面粗さは2.7μmであり、10%伸張時タテ応力
は9.5N/cmであった。
【0027】この研磨布を用いて、被研磨物であるAl
基板のテクスチャー加工を行ったところ、基板表面の傷
(スクラッチ)がなく、加工性良好であり、基板表面粗
さRaについても2.8オングストロームと○の評価で
あった。 比較例1 島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分とし
て共重合ポリスチレンを用いて成分比30/70で混合
紡糸し、島数430、複合繊度4.4dtex、島成分
繊度0.003dtex、島成分ヤング率2000N/
mm2 、繊維長51mmの複合繊維の原綿を形成する。
該複合繊維の原綿を用いて、カード、クロスラッパー工
程を経て積層ウエブを形成し、ついでプレパンチで10
0本/cm2 のニードルパンチを行って不織布にした。
【0028】次に不織布シートの上下から3000本/
cm2 の針本数でニードルパンチし、目付760g/m
2 の不織布を形成した。この不織布シートを極細繊維化
し、次いでポリウレタンを極細短繊維重量に対し30重
量%含浸させ、水中で該ポリウレタンを凝固した後、こ
のシートをバフ機にかけて立毛を形成させ、厚さ0.6
mm、目付198g/m2 、極細短繊維密度0.28g
/cm3の研磨布を得た。該研磨布の表面粗さは1.4
μmであり、10%伸張時タテ応力は8.0N/cmで
あった。
【0029】該研磨布を用いて、被研磨物であるAl基
板のテクスチャー加工を行った場合、基板表面の傷(ス
クラッチ)が発生し、基板表面粗さRaについても7オ
ングストロームと×評価であった。 比較例2 島成分としてナイロン6と、海成分として共重合ポリス
ステルを用いて、島本数36本/ホールの海島型口金を
通して、島/海重量比率35/65で溶融紡糸して未延
伸糸を得た。該未延伸糸を延伸倍率3.5倍で延伸し、
捲縮を付与してカットし、複合繊度4.6dtex、島
成分繊度0.045dtex、島成分ヤング率180N
/mm2 、繊維長51mmの海島型複合繊維の原綿を形
成する。
【0030】該海島型複合繊維の原綿を用いて、カー
ド、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを形成し、つ
いでプレパンチで100本/cm2 のニードルパンチを
行って不織布にした。
【0031】次に不織布シートの上下から3000本/
cm2 の針本数でニードルパンチし、目付580g/m
2 の不織布を形成した。この不織布シートを極細繊維化
し、次いでポリウレタンを極細短繊維重量に対し40重
量%含浸させ、水中で該ポリウレタンを凝固した後、こ
のシートをバフ機にかけて立毛を形成させ、厚さ0.4
5mm、目付160g/m2 、極細短繊維密度0.25
g/cm3 の本発明の研磨布を得た。該研磨布の表面粗
さは5.0μmであり、10%伸張時タテ応力は15.
0N/cmであった。
【0032】該研磨布を用いて、被研磨物であるAl基
板のテクスチャー加工を行った場合、基板表面の傷(ス
クラッチ)はなく、研磨加工性は良好であったが、基板
表面粗さRaについては5.8オングストロームと△評
価であった。 比較例3 島成分としてナイロン6、海成分として共重合ポリスチ
レンを島/海重量比率30/70でチップ混合したブレ
ンドチップを溶融紡糸して未延伸糸を得た。該未延伸糸
を延伸倍率2.3倍で延伸し、捲縮を付与してカット
し、島数1700、複合繊度5.5dtex、島成分繊
度0.0009dtex、繊維長51mmの複合繊維の
原綿を形成する。
【0033】該複合繊維の原綿を用いて、カード、クロ
スラッパー工程を経て積層ウエブを形成し、ついでプレ
パンチで100本/cm2 のニードルパンチを行って不
織布にした。
【0034】次に不織布シートの上下から3000本/
cm2 の針本数でニードルパンチし、目付850g/m
2 の不織布を形成した。この不織布シートを極細繊維化
し、次いでポリウレタンを極細短繊維重量に対し40重
量%含浸させ、水中で該ポリウレタンを凝固した後、こ
のシートをバフ機にかけて立毛を形成させ、厚さ0.6
0mm、目付200g/m2 、極細短繊維密度0.25
g/cm3 の本発明の研磨布を得た。該研磨布の表面粗
さは1.1μmであり、10%伸張時タテ応力は6.0
N/cmであった。
【0035】該研磨布を用いて、被研磨物であるAl基
板のテクスチャー加工を行った場合、基板表面の傷(ス
クラッチ)が発生し、基板表面粗さRaについては7.
0オングストロームと×評価であった。 比較例4 極細短繊維重量に対するポリウレタン重量比率を10重
量%とする以外は、実施例1と同様の製法で作製し、厚
さ0.50mm、目付170g/m2 、極細短繊維密度
0.25g/cm3 の研磨布を得た。該研磨布の表面粗
さは3.0μmであり、10%伸張時タテ応力は8.0
N/cmであった。
【0036】この研磨布を用いて、被研磨物であるAl
基板のテクスチャー加工を行ったところ、基板表面の傷
(スクラッチ)が発生し、加工性不良であった。 比較例5 不織布を作製する際のニードルパンチ本数を500本/
cm2 とすること以外は、実施例1と同様の製法で作製
し、厚さ0.60mm、目付200g/m2 、極細短繊
維密度0.18g/cm3 の研磨布を得た。該研磨布の
表面粗さは4.0μmであり、10%伸張時タテ応力は
7N/cmであった。
【0037】この研磨布を用いて、被研磨物であるAl
基板のテクスチャー加工を行ったところ、基板表面の傷
(スクラッチ)が発生し、加工性不良であった。 比較例6 起毛処理を行わないこと以外は、実施例1と同様の製法
で作製し、厚さ0.70mm、目付200g/m2 、極
細短繊維密度0.25g/cm3 の研磨布を得た。該研
磨布の表面粗さは6.0μmであり、10%伸張時タテ
応力は11N/cmであった。
【0038】この研磨布を用いて、被研磨物であるAl
基板のテクスチャー加工を行ったところ、基板表面の傷
(スクラッチ)が発生し、加工性不良であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、表面の滑らかさ、平滑
性に優れているので、Al基板等のテクスチャー加工を
行うと、基板表面のキズ(スクラッチ)が発生せず、生
産性も著しく改善される上に、記録ディスクの急激な高
記録容量化のための高記録密度化に対応可能なテクスチ
ャー加工を、表面粗さが極めて小さく、精度の優れた加
工面として仕上げることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均繊度0.001〜0.03dtexの
    ポリアミド極細短繊維不織布と高分子弾性体とが一体構
    造となっており、該高分子弾性体が極細短繊維重量に対
    し20重量%以上80重量%以下で付与されている人工
    皮革で構成されており、該人工皮革中の極細短繊維密度
    が0.2g/cm3 以上であり、且つ表面粗さが5.0
    μm以下であることを特徴とする研磨布。
  2. 【請求項2】該人工皮革の少なくとも片面がバフィング
    処理されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨
  3. 【請求項3】該ポリアミド極細短繊維が、50〜500
    島を有する海島型口金を用いた複合紡糸により得られる
    ポリアミドを島成分とした海島型複合繊維から海成分を
    除去し構成されたものである請求項1〜2のいずれかに
    記載の研磨布。
  4. 【請求項4】該ポリアミド極細短繊維不織布が、海島型
    複合繊維からなる原綿を、カード、クロスラッパー工程
    を経て積層ウェブを形成した後、1000〜3500P
    /cm2 の針密度でパンチングし、海成分を除去し構成
    されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の研磨
    布。
  5. 【請求項5】該極細繊維のヤング率が100〜2000
    N/mm2 である請求項1〜4のいずれかに記載の研磨
  6. 【請求項6】該人工皮革の10%伸張時タテ応力5.0
    N/cm以上である請求項1〜5のいずれかに記載の研
    磨布。
  7. 【請求項7】該高分子弾性体がポリウレタンである請求
    項1〜6のいずれかに記載の研磨布
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