JP4254115B2 - 研磨布の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ディスク等に用いるアルミニウム合金基板等を超高精度の仕上げで研磨する際に用いられる研磨布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
研磨布は、記録ディスク、集積回路基板、液晶ディスプレイ用基材などの研磨分野で広く利用され、最近各分野でミクロで複雑な基材を高精度で安定して研磨することが可能な研磨布が要求されている。その中で記録ディスク等の磁気記録媒体としては、アルミニウム合金基板が使用されており、従来より記録ディスクと磁気ヘッドとの密着を防止する手段として、記録ディスクの基板表面に微細な条痕を形成するテクスチャー加工という表面処理が行われている。従来、テクスチャー加工の方法としては、遊離砥粒のスラリーを研磨布表面に付着させて研削を行うスラリー研削等が用いられている。近年、記憶メディアの高容量化に伴い、記録ディスクの高記録密度化が加速度的に進んでおり、テクスチャー研磨後の基板表面粗さ(Ra、Rv)を極めて小さくすること及び基板凹凸密度(line density)を高くすることが要求され、その要求に対応しうる研磨布が求められている。
【0003】
記録ディスク等に用いるアルミニウム基板等を超高精度の仕上げで研磨するテクスチャー加工に用いられる研磨布としては、従来より、極細繊維よりなる織物、発泡ポリウレタンシート等が用いられてきた。しかし、テクスチャー加工において、高記録密度化に対応できる基板表面粗さ、基板凹凸密度を得ることができなかった。近年、研磨布として、緻密な毛羽を有する、極細繊維不織布と高分子弾性体とからなる立毛人工皮革が用いられてきているが、かかる精度の高いテクスチャー加工を行うことは極めて難しい状態にあり、記録ディスクの高記録密度化を達成し得なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の研磨布は、研磨材であるスラリー中の砥粒の保持性に劣り、研磨布表面繊維密度が低く、表面繊維配向の均一性に劣る状態であることにより、研磨砥粒を均一且つ微細に分散させることができなかったため、被研磨物である記録ディスクの基板表面粗さが大きく、基板凹凸密度も小さい状態であり、記録ディスクの高記録容量化のための高記録密度化に対応できなかった。
【0005】
本発明は、かかる従来の研磨布の問題に鑑み、研磨砥粒の保持性、均一微分散性及び被研磨物へのフィット性に優れ、記録ディスクの高記録容量化に対応しうる超高精度の仕上げで研磨することができる研磨布の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題に鑑み鋭意研究した結果、次の手段を採用するものである。
【0007】
すなわち、平均繊度0.001〜0.03dtexに極細化可能なポリアミドを島成分とする海島型複合短繊維を用いて以下の順序の工程(1)〜(3)を少なくとも行うことを特徴とする研磨布の製造方法である。
(1)該海島型複合短繊維からなる不織布ウエブの繊維密度0.3g/cm以上となるような圧縮状態とした後に、1000〜3500P/cmの針密度でニードルパンチングを行い、該パンチング後の不織布シートの繊維密度0.2g/cm以上とする工程。
(2)該不織布シートに極細化処理を行い、該極細化処理の前または後に高分子弾性体を極細短繊維重量に対し20重量%以上80重量%以下で付与する工程。
(3)該極細短繊維不織布の少なくとも片面に対しバッフィング処理を施し、シート表面全面積に対する極細短繊維占有面積比率を50%以上とする工程。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨布の製造方法について、具体的には、海島型口金を用いて、ポリアミドを島成分とする複合紡糸、延伸、捲縮、カットを経て得る原綿を用いて、カード、クロスラッパー工程にてシート幅方向に繊維を配列させた積層ウエブを形成し、不織布ウエブの繊維密度が0.3g/cm以上となるような圧縮状態とした後にパンチングを行う。
【0009】
該パンチング条件は、好ましくは針のバーブの向きが不織布ウエブ幅方向に対し垂直方向に向くようにして行うのが良く、かつパンチ本数は1000〜3500P/cm2 の針密度でパンチングを行うことが重要である。該パンチング後の不織布シートの繊維密度が0.2g/cm3 以上とするものである。
【0010】
更に、その後、該不織布シートに極細化処理を行い、該極細化処理の前または後に高分子弾性体を極細短繊維重量に対し20重量%以上80重量%以下で付与をする。
【0011】
さらに、該高分子弾性体を実質的に凝固、固化させた後、該極細短繊維不織布の少なくとも片面に対し、シート表面全面積に対する極細短繊維占有面積比率を50%以上となるようにバッフィング処理を施すことにより、表面繊維密度が高く、かつ表面繊維配向の均一性に優れる研磨布を得ることができるのである。
【0012】
本発明の製造方法にかかる研磨布により、被研磨物である記録ディスク用基板の表面粗さが極めて小さく、かつ基板凹凸密度が極めて高い精度の優れたテクスチャー加工面を生産性よく提供することができるものである。
【0013】
本発明における極細短繊維成分は、ポリアミドであることが特に重要である。その理由は、スラリー液とのなじみが特に良好であり、スラリー液中の研磨砥粒の保持性、分散性に優れ、被研磨物に傷をつけることなく研磨することができるとともに、柔軟性に優れることにより、被研磨物との接触抵抗が低く微細研磨に適した素材として、抜群の機能を有するものである。かかるポリアミド極細短繊維不織布としては、たとえば島成分にポリアミドを配してなる海島型複合繊維から構成されるものである。すなわち、かかるポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロンなどが使用される。
【0014】
かかる複合繊維の溶解除去あるいは物理的、化学的作用により剥離、分割される海成分を構成するポリマーとしては、上記のポリアミド類、ポリエステル類、ポリエチレン、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類を使用することができる。これらの中から極細短繊維の断面形成性、紡糸性、延伸性などを考慮して、海成分と島成分とを選択して組み合わせればよいが、特にニードルパンチしたときの繊維の高絡合化による研磨布表面繊維の高密度化を満足させる上から、海成分としては、ポリスチレン、共重合ポリスチレンが好ましく使用される。
【0015】
本発明において、該複合繊維を短繊維化し、カード・クロスラッパーを用いてシート幅方向に配列させた積層ウエブを形成せしめた後、パンチングをするに際しては、針のバーブの向きが不織布ウエブ幅方向に対し垂直方向になるようにしてニードルパンチ処理を行うことが好ましい。ウエブを形成するという点においては、ランダムウエブなどを用いることも考えられるが、繊維配向の均一性に劣り好ましくない。またメルトブロー、スパンボンドなど紡糸から直接形成する長繊維不織布でもよいように考えられるが、とりわけ研磨布においては、極細繊維相互の絡合及び表面繊維の緻密性が、短繊維不織布よりも著しく劣り、かつ、表面繊維密度の粗密ムラが大きくなりすぎるので、極細長繊維不織布は研磨布としては使用することはできない。ニードルパンチの際の針のバーブ方向については、ランダム、45゜斜め向き等も考えられるが、シート幅方向に配列される複合繊維を高効率にて絡合させ、研磨布表面繊維の緻密性を得るためには、シート幅方向に対し垂直つまり90゜に向けることが最適なのである。ただし、もし、垂直にするのが難しいような場合には、該垂直方向から、±30度程度の角度範囲内、更に好ましくは±15度程度の角度範囲内でずれてバーブを用いるようにしてもある程度の効果が得られるので望ましいものである。
【0016】
バーブのスロートデプスとしては30〜150μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。
【0017】
本発明において、圧縮状態とした後のニードルパンチ処理の針本数としては、繊維の高絡合化による繊維の高密度化(緻密な立毛面形成)の観点から、1000〜3500本/cm2 であることが特に重要である。1000本/cm2 未満では、研磨布表面繊維の緻密性に劣り、3500本/cm2 を越えると、加工性の悪化を招くとともに、繊維損傷が大きくなるため好ましくない。針のバーブの方向をシート幅方向に対し垂直にすることにより、上記範囲の針本数にて効率よく繊維絡合が進み、タテ配向繊維の高密度化を達成しうるのである。
【0018】
本発明において、圧縮状態とした後のニードルパンチング後の不織布シートの繊維密度は、0.2g/cm3 以上であることが特に重要であり、0.2g/cm3 未満の場合、不織布シート中のタテ配向繊維の緻密性に劣るものであり、表面繊維密度の緻密化を図れず好ましくない。
【0019】
本発明のパンチングにおいて、不織布ウエブの繊維密度0.3g/cm以上となるような圧縮状態とした後にニードルパンチを行うことが特に重要である。0.4g/cm以上の圧縮状態とするのがより好ましい。該圧縮状態を得るための具体的な装置としては、パンチングゾーンの入口、または出口あるいはその両方に、不織布シートの上下からニップする圧縮ロールが好ましく使用される。ニードルパンチを行う際に、不織布ウエブ中の厚み方向へ配向した繊維を該圧縮ロールにて積極的につぶすことにより、不織布ウエブの長手方向の配向性をより均一に揃えることができるのである。
【0020】
ニードルパンチング処理前の、圧縮状態とする前の該不織布ウエブの密度は、デリベリ圧縮による繊維配向の均一化を図るためには、0.3g/cm未満が好ましく、さらに好ましくは0.2g/cm以下、特に好ましくは0.1g/cm以下のフェルトまたはノンパンチングウエブが使用される。
【0021】
本発明では、上記の複合繊維を溶解除去あるいは物理的、化学的作用により剥離、分割した後の極細短繊維の平均繊度は0.001〜0.03dtexであることが特に重要である。0.001dtex未満である場合、繊維強度及び剛性が低く、スラリー中の遊離砥粒の保持性、分散性に劣るため、遊離砥粒が凝集し、スクラッチを発生しやすいとともに、研磨時の表面抵抗が小さくなりすぎるため、研磨の際に基板表面を均一に馴らす作用を引き起こし、基板凹凸密度の低下につながることにより好ましくない。0.03dtexを越えると、研磨布表面での立毛の緻密性に劣るとともに、接触抵抗が大きくなりすぎるため、基板表面粗さが大きくなることにより好ましくない。
【0022】
極細繊維を得る紡糸方法としては、チップブレンド、ポリマーブレンド等の混合紡糸を用いれば、0.03dtex以下の極細短繊維は容易に得られるが、複合紡糸により得られる極細短繊維に比べ、部分的に極細短繊維が束状となる状態になりやすく、繊維の均一分散性に劣るため、表面繊維密度の粗密ムラが大きく、研磨後の基板凹凸密度が小さくなり、高記録密度化を達成し得ない。一方、海島型口金を用いた複合紡糸では、得られる極細繊維の繊度バラツキ、繊維間距離バラツキが小さいために、人工皮革を形成した際の表面繊維の均一分散性に優れ、研磨後の基板凹凸密度を高くすることができる。複合単繊維中の島数は50〜500が好ましい。500を越えると口金構造が複雑となり、口金加工性、紡糸性が著しく低くなる場合があるため、一般に工業的に好ましくは500までである。また50未満である場合、生産性が低くなるとともに、表面繊維の緻密性に劣る場合があるため好ましくない。
【0023】
かかる極細短繊維を製造する方法としては、該複合繊維の少なくとも1成分のポリマーを除去するか、または相互に剥離することによって極細短繊維を製造することができる。特に該複合繊維の少なくとも1成分のポリマーを除去する場合、その方法は溶剤で抽出する方法、熱分解させる方法など種々あるが、好ましくは溶剤で抽出する方法である。
【0024】
本発明において、該不織布シートの極細化処理の前または後に高分子弾性体を付与させることが重要である。該高分子弾性体は、表面凹凸や振動吸収のためのクッション、繊維形態保持などの役割を有し、該ポリアミド極細短繊維不織布と一体化させることにより、被研磨物へのフィット性および被研磨物へのキズの抑制効果に優れるものである。
【0025】
かかる高分子弾性体としては、ポリウレタン、アクリロニトリル、ブタジエンラバー、天然ゴム、ポリ塩化ビニルなどを使用することができる。中でも、ポリウレタンが本発明プロセスにおける加工性やクッション性の上から好ましい。研磨時のクッション性およびフィット性は、研磨精度の上で重要であり、極細短繊維と高分子弾性体の割合や空隙率(見掛け密度でわかる)によって制御でき、高分子弾性体の含有量としては、極細短繊維重量に対し20重量%〜80重量%であることが特に重要である。含有量によって研磨布の表面状態、空隙率、クッション性、硬度、強度などを調節することができるが、20重量%未満である場合、クッション性に劣り、傷を発生しやすくなるため好ましくない。80重量%を越えると、加工性及び生産性に劣るとともに、表面上に高分子弾性体が露出しやすく、砥粒の凝集による傷を引き起こしやすいとともに、表面繊維の緻密性に劣ることとなり、研磨加工基板の表面凹凸密度が小さくなり、高記録密度化に対応し得ないため好ましくない。かかる高分子弾性体の付与方法としては、該高分子弾性体を塗布あるいは含浸後凝固させる方法、あるいはエマルジョン、ラテックス状で塗布あるいは含浸して乾燥、固着させる方法など種々の方法を採用することができる。
【0026】
本発明において、ポリアミド極細短繊維不織布の少なくとも片面に対し、シート表面全面積に対する極細繊維占有面積比率が50%以上となるように、バッフィング処理することが特に重要である。
【0027】
すなわち、不織布表面上に露出する高分子弾性体を除去し、かつ表面繊維の配向性をより均一にするためにもバッフィング処理は重要であり、高分子弾性体付与後、サンドペーパー等を使用して、表面を起毛処理することにより均一で緻密な立毛を形成することができるのである。極細繊維占有面積比率が50%未満の場合、つまりサンドペーパー等による研削減量が小さい場合には、研磨布表面上に高分子弾性体が露出している状態になりやすく、表面繊維密度が低いため、研磨加工基板の表面凹凸密度が小さくなり、高記録密度化に対応し得ない場合があるため好ましくなく、また、高分子弾性体が露出している箇所に、研磨砥粒の凝集が起こり、の発生につながりやすい傾向にあるため好ましくないものである。
【0028】
本発明において、上記のシート表面全面積に対する極細短繊維占有面積比率は、次の方法を用いて測定し得られるものである。倍率300倍にて電子顕微鏡より画像処理装置を用いて取り込んだ表面画像データに平均化(イコライズ)処理を施した後、閾値100にて2階調化処理を施し、2値化画像を作製する。得られた2値化画像全面積に対する白色部の面積比率を極細短繊維占有面積比率として測定をして得られるものである。
【0029】
本発明方法に従い、本発明にかかる研磨布を製造するには、上記で説明した研磨布の研削減量の量・研削深さを調整して、かつ、適宜にシート表面全面積に対する極細短繊維占有面積比率を確認しながら研削をすることによって、該極細短繊維占有面積比率が50%以上のものを比較的容易に得ることができる。一般的には、研削減量を20〜100g/m2 程度または研削深さを0.05〜0.3mm程度の範囲内とすることによって、該占有面積比率が50%以上のものを得ることができる。
【0030】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
島成分としてナイロン6と、海成分として共重合ポリスチレンを用いて、島本数100本/ホールの海島型口金を通して、島/海重量比率40/60で溶融紡糸して未延伸糸を得た。該未延伸糸を延伸倍率3.0倍で延伸し、捲縮を付与してカットし、複合繊度3.8dtex、島成分繊度0.015dtex、繊維長51mmの海島型複合繊維の原綿を形成する。
【0031】
この海島型複合繊維の原綿を用いて、カード、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを形成し、ついでこの積層ウエブに100本/cm2 のニードルパンチを行った。得られた不織布ウエブの目付は700g/m2 で、密度は0.1g/cm3 であった。
【0032】
次に、シートをロール間クリアランス2mmに設定した圧縮ロールで、密度が0.35g/cm3 になるまで圧縮し、この不織布シートの上下から、針のバーブ方向をシート幅方向に対し垂直にして1500本/cm2 の針本数でニードルパンチし、目付650g/m2 、密度0.23g/cm3 の不織布を作製した。この不織布シートを極細繊維化し、次いで、ポリウレタンを極細短繊維重量に対し30重量%含浸させ、水中で該ポリウレタンを凝固した後、このシートを厚み方向に0.10mmバッフィング処理を施して厚さ0.55mm、目付200g/m2 、極細短繊維密度0.28g/cm3 の研磨布を得た。
【0033】
本研磨布は表面繊維がシート長手方向に均一に配向しており、シート幅方向に占める表面繊維本数は45本/100μm、シート表面中の極細繊維占有面積比率は60%であった。
【0034】
この研磨布を用いて、被研磨物であるアルミニウム合金基板のテクスチャー加工を行ったところ、加工性良好で、基板表面粗さRa、Rvが極めて小さく、且つ基板凹凸密度が大きいものであり、80GB/枚に相当する高記録密度ディスクに対応可能なものであった。
比較例1
ニードルパンチを行う際に圧縮した不織布ウエブ密度を0.2g/cm3 にする以外は実施例1と同様の方法にて、厚さ0.55mm、目付180g/m2 、極細短繊維密度0.22g/cm3 の研磨布を得た。
【0035】
本研磨布は表面繊維がシート長手方向に不均一に配向しており、シート幅方向に占める表面繊維本数は35本/100μmであった。シート表面中の極細繊維占有面積比率は47%であった。
【0036】
この研磨布を用いて、被研磨物であるアルミニウム合金基板のテクスチャー加工を行ったところ、加工性良好で、基板表面粗さRa、Rvも小さかったが、基板凹凸密度が小さいものであり、ディスク記録密度は40GB/枚であった。
比較例2
針のバーブ方向をランダム配列にする以外は実施例1と同様の方法にて、ニードルパンチを行い、目付600g/m2 、密度0.19g/cm3 の不織布を作製した後、実施例1と同様の方法にて、厚さ0.55mm、目付170g/m2 、極細短繊維密度0.20g/cm3 の研磨布を得た。
【0037】
本研磨布は表面繊維がシート長手方向に均一に配向しており、シート幅方向に占める表面繊維本数は30本/100μmであり、シート表面中の極細繊維占有面積比率は40%であった。
【0038】
この研磨布を用いて、被研磨物であるアルミニウム合金基板のテクスチャー加工を行ったところ、加工性良好で、基板表面粗さRa、Rvも小さかったが、基板凹凸密度が小さいものであり、ディスク記録密度は30GB/枚であった。
比較例3
バッフィング処理の際の研削厚みを0.04mmにする以外は実施例1と同様の方法にて、厚さ0.61mm、目付220g/m2 、極細短繊維密度0.28g/cm3 の研磨布を得た。
【0039】
本研磨布は表面繊維がシート長手方向に均一に配向しているが、ポリウレタンが研磨布表面に露出しており、シート幅方向に占める表面繊維本数は30本/100μmであり、シート表面中の極細繊維占有面積比率は40%であった。
【0040】
この研磨布を用いて、被研磨物であるアルミニウム合金基板のテクスチャー加工を行ったところ、傷が発生し、加工性不良であり、基板表面粗さRa、Rv、基板凹凸密度について評価不可であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、表面繊維密度が高く、表面繊維配向の均一性に優れているので、記録ディスクの高記録密度化に対応しうる超高精度の仕上げでテクスチャー加工面を仕上げることができる。

Claims (6)

  1. 平均繊度0.001〜0.03dtexに極細化可能なポリアミドを島成分とする海島型複合短繊維を用いて以下の順序の工程(1)〜(3)を少なくとも行うことを特徴とする研磨布の製造方法。
    (1)該海島型複合短繊維からなる不織布ウエブの繊維密度0.3g/cm以上となるような圧縮状態とした後に、1000〜3500P/cmの針密度でニードルパンチングを行い、該パンチング後の不織布シートの繊維密度0.2g/cm以上とする工程。
    (2)該不織布シートに極細化処理を行い、該極細化処理の前または後に高分子弾性体を極細短繊維重量に対し20重量%以上80重量%以下で付与する工程。
    (3)該極細短繊維不織布の少なくとも片面に対しバッフィング処理を施し、シート表面全面積に対する極細短繊維占有面積比率を50%以上とする工程。
  2. 該パンチングが、カード、クロスラッパー工程を経て繊維をシート幅方向に配列させた積層ウエブを形成した後、針のバーブの方向が不織布ウエブ幅方向に対し垂直の向きにして行われることを特徴とする請求項1記載の研磨布の製造方法。
  3. 該海島型複合短繊維が、50〜500島を有する海島型口金を用いた複合紡糸により得られる請求項1または2に記載の研磨布の製造方法。
  4. 圧縮状態とする前の不織布ウエブが、0.3g/cm未満の繊維密度を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の研磨布の製造方法。
  5. 該海島型複合短繊維中の海成分がポリスチレンまたは共重合ポリスチレンである請求項1〜4のいずれかに記載の研磨布の製造方法。
  6. 該高分子弾性体がポリウレタンである請求項1〜5のいずれかに記載の研磨布の製造方法。
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