JP2002079472A - テクスチャー加工用研磨シート及びその製造方法 - Google Patents

テクスチャー加工用研磨シート及びその製造方法

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JP2002079472A
JP2002079472A JP2001081932A JP2001081932A JP2002079472A JP 2002079472 A JP2002079472 A JP 2002079472A JP 2001081932 A JP2001081932 A JP 2001081932A JP 2001081932 A JP2001081932 A JP 2001081932A JP 2002079472 A JP2002079472 A JP 2002079472A
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fiber
sheet
ultrafine
fibers
elastic body
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JP2001081932A
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Norio Makiyama
法生 牧山
Munechika Yamamoto
宗親 山本
Yukio Goto
幸生 後藤
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工精度および加工安定性に優れたテクスチ
ャー加工用研磨シートを提供する。 【解決手段】極細繊維(A)からなる極細繊維束が3次
元絡合した極細繊維絡合不織布の該極細繊維絡合空間に
高分子弾性体が多孔質状態で存在し、該高分子弾性体は
該極細繊維束の大部分を実質的に拘束することなく存在
しているシートであって、該シートの少なくとも片面に
は0.03dtex以下の繊度を有する極細繊維(B)
からなる立毛が存在している磁気記録媒体のテクスチャ
ー加工用研磨シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、例
えば磁気ディスク製造におけるテクスチャー加工に使用
することのできる研磨シートに関するものであり、詳し
くは、微細なテクスチャーを安定的に付与することを可
能にした磁気記録媒体のテクスチャー加工用研磨シート
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ますます進んでいるコンピューター
の高性能化・小型化を可能にしている大きな要因の一つ
が磁気記録媒体の大容量化や小型化であるが、これを可
能にした技術の一例としてスパッタリング技術等を活用
して非磁性ディスク基板上に積層した磁性薄膜層を記録
層とする薄膜磁気ディスクが、その情報記録密度の高さ
から磁気ヘッドと組み合わされる磁気記録媒体としてコ
ンピューターの大容量ハードディスクシステム等に搭載
されており、近年のデジタル情報分野の需要拡大やデジ
タル情報機器の低価格化なども手伝って、企業向けのコ
ンピューター用だけでなく一般家庭向けのコンピュータ
ー、即ちパソコン用の磁気記録媒体としても広く採用さ
れ普及してきている。
【0003】薄膜磁気ディスクの一般的な製造方法に
は、非磁性ディスク基板への磁性薄膜の形成に先立っ
て、非磁性ディスク基板表面(磁性薄膜の支持面)に所
望のパターンで溝状の微細な凹凸、即ちテクスチャーを
形成するテクスチャー加工(テクスチャリング)と呼ば
れる工程が重要な工程として含まれている。磁性薄膜の
支持面にテクスチャー加工を施す目的は、薄膜支持面に
積層される磁性薄膜等の層を介して薄膜磁気ディスク表
面に均一で微細な凹凸を形成することにより、(1)ヘ
ッドクラッシュ(情報記録密度向上に伴い浮上量をでき
るだけ小さくした磁気ヘッドがディスク表面に存在する
突起に衝突する現象)によるディスク表面の損傷や、デ
ィスク表面への磁気ヘッドの吸着(ハードディスクシス
テムの小型化に伴うスピンドルモーター等の小型化に起
因した回転トルク不足などにより磁気ヘッドがディスク
表面に吸着したまま浮上できない現象)などを抑制す
る、(2)非磁性層を形成したディスク基板上に金属磁
性層を形成する際の結晶成長の方向性を制御することで
記録方向の抗磁力を高める、などの効果をもたせるため
である。
【0004】近年、加速度的に開発が進む磁気ディスク
の情報記録密度の向上やハードディスクシステムの小型
化のためには、情報記録/再生の連続動作時の安定性向
上や、CSS(コンタクト・スタート・アンド・ストッ
プ)動作時のヘッドクラッシュ、磁気ヘッドの吸着など
の抑制を目的として、ディスク表面に加工されるテクス
チャーのさらなる微細化、即ち凹凸の平均深さに相当す
る平均表面粗さ(以下ではRaと略記することがある)
の精度を安定的に向上することが必要不可欠となってい
る。テクスチャー加工用研磨シートとしては、従来はP
ET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどのシ
ート基材表面に研磨材粒子とバインダーとからなる研磨
層を形成した固定砥粒タイプの研磨シート、あるいは研
磨材粒子を遊離砥粒として水溶液などに分散させた懸濁
液(以下、研磨用懸濁液あるいは研磨液と略記すること
がある)を用いてテクスチャー加工を行うような遊離砥
粒タイプの研磨シートなどが用いられてきた。
【0005】固定砥粒タイプのテクスチャー加工用研磨
シートは、単位時間あたりの研削量、即ち加工速度に優
れるが、ディスク基板表面への研磨材粒子の当たりが強
いうえに、ディスクと研磨シートとの界面に溜まった研
削屑を排除しにくいために大きな傷を付けやすいという
欠点がある。
【0006】遊離砥粒タイプは研削屑の排除性を高めや
すいことに加えて、研磨材粒子が液体を媒体として研磨
シートの表面と内部を自由に移動し得ることから、固定
砥粒タイプに比べてディスク基板表面への当たりの強さ
を調節しやすいうえ、研磨シートの素材変更により直接
的に加工結果に影響を与えやすいことから、植毛布や織
編布などからなるバフテープなど種々が提案され、加工
目的に応じて使い分けられてきた。
【0007】テクスチャー加工において加工精度を向上
させるためには、研磨材粒子を介したディスク基板表面
への当たりの強さを最適なレベルに調節することが必要
であり、例えば基材として不織布を利用する方法が、構
造上クッション性や表面平滑性に優れるなどの理由から
近年特に注目され多くの提案がなされてきた。中でも、
不織布を構成する繊維の繊度をより細くするという提案
は、研磨シート表面の平滑性向上やディスク基板表面へ
の当たりの調節などを目的として種々なされており、例
えば特開平9−277175号公報では、直径10μm
以下の極細繊維からなる絡合不織布の表面にバフィング
による立毛を形成した研磨シートが、また特開平10−
188272号公報では0.1デニール(約0.11d
tex)以下の繊維からなる研磨テープがそれぞれ提案
されている。さらには特開平11−144241号公報
では、0.5デニール(約0.55dtex)以下の親
水性繊維のランダムウェブの裏面に非親水性のランダム
ウェブを接合したテキスチャーテープが提案され、この
テキスチャーテープを用いた加工ではRa=13.7Å
(1.37nm)程度の表面粗さを実現している。
【0008】これらの提案では、何れも繊度が0.1d
tex程度の極細繊維からなるような不織布のみから構
成されており、不織布のランダムな構造や繊維の繊度、
親・疎水性などの繊維に起因する性質のみを利用するに
とどまっていた。従って、遊離砥粒と研磨シートとの親
和性不足に起因した研磨材粒子の移動性不足や凝集、あ
るいは研磨シート表面で作用する繊維の固定性不足に起
因した繊維の偏りなどのためか、テクスチャー加工精度
としてはRa≧1nmレベルが限界であり、仮にそのレ
ベルの精度での加工に使用すると単位ディスク枚数当た
りの加工速度が上げられないなど、本発明が目的とする
加工精度での工業的実施には不満のあるものであった。
【0009】遊離砥粒タイプの研磨シートとして、不織
布構造中に繊維を結束・固定するために熱可塑性樹脂な
どのバインダー成分を含有させた例が、特開平11−9
0836号公報や特開平11ー99478号公報に記載
されている。すなわち該特開平11−90836号公報
では、合成繊維からなる不織布に繊維と同一組成の成分
を含む熱可塑性樹脂を含有させて繊維を強固に接着した
研磨布が提案されている。また該特開平11ー9947
8号公報では、熱融着繊維と非熱融着繊維を混在させた
不織布にポリウレタンなどの高分子弾性重合体を含浸さ
せた研磨パッドが提案されている。しかしながら、何れ
も本発明で使用目的とするテクスチャー加工の前工程で
あるディスク基板表面の鏡面研磨、あるいは半導体ウェ
ハー表面の鏡面研磨に好適な研磨布の発明である。これ
らの研磨布発明では、鏡面研磨加工で加工精度を向上さ
せるために、基本的に研磨シートの構造自体をより硬く
することで研磨シート表面の変形を抑制し、また研磨対
象への研磨材粒子の当たりを強くしている。また研磨シ
ート表面に樹脂を露出させるような提案では、樹脂自体
の硬度を高く設定することにより研磨シート自体からの
研削屑の発生を抑制している。従って、当然ながらこの
ような研磨シートではテクスチャー加工用としては当た
りが強すぎるため、所望の加工精度でのテクスチャーは
形成できないので、本発明の課題を解決するには根本的
に不適なものである。
【0010】以上のように、従来のテクスチャー加工用
研磨シートでは、加工精度としてRa≦1nmレベルの
表面粗さを達成しつつ、工業的使用における安定性を兼
ね備えたテクスチャー加工、即ち加工精度と単位ディス
ク枚数当たりの加工速度においてバランスのとれたテク
スチャー加工を実現するまでには至っていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題点
に鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、磁気記
録媒体、例えば磁気ディスク製造におけるテクスチャー
加工において、ディスク基板表面に大きな傷をつけるこ
とがないため、例えば平均表面粗さが1nm以下レベル
の微細なテクスチャーを均一かつ安定的に付与すること
が可能な磁気記録媒体のテクスチャー加工用研磨シート
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、極細繊維
(A)からなる極細繊維束が3次元絡合した極細繊維絡
合不織布の該極細繊維絡合空間に高分子弾性体が多孔質
状態で存在し、該高分子弾性体は該極細繊維束の大部分
を実質的に拘束することなく存在しているシートであっ
て、該シートの少なくとも片面には0.03dtex以
下の繊度を有する極細繊維(B)からなる立毛が存在し
ていることを特徴とする磁気記録媒体のテクスチャー加
工用研磨シートであり、好ましくは該高分子弾性体の湿
潤弾性率が0.05〜0.95kg/mm2である上記
研磨シートであり、また好ましくは、極細繊維(A)お
よび極細繊維(B)が、ともにポリアミドまたはポリエ
ステルからなる上記研磨シートである。
【0013】また本発明は、下記(1)〜(4)の工程
を順次[但し工程(2)と(3)は順序を逆転させても
よい]実施することを特徴とする磁気記録媒体のテクス
チャー加工用研磨シートの製造方法である。 (1)極細化処理により極細繊維束を発生するような極
細繊維発生型繊維(a)を主体とする不織布を形成する
際に、不織布表層部の立毛となる部分を0.03dte
x以下の極細繊維からなる極細繊維束を発生するような
極細繊維発生型繊維(b)で該不織布を形成する工程、
(2)該不織布に高分子弾性体を充填してシートにする
工程、(3)該極細繊維発生型繊維(a)及び(b)を
極細繊維束に変換する工程、(4)該シートの少なくと
も片面を研削して繊度0.03dtex以下の極細繊維
からなる立毛を形成する工程、
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における磁気記録媒体の基板としては、例えば一般
に用いられるアルミニウム合金からなるディスク状の基
板などが挙げられ、所定のサイズとした基板を所定の厚
さに加工し、表面を鏡面加工した後、例えばNi−P合
金、Ni−Cu−P合金などの非磁性金属の無電解メッ
キ処理などにより5〜20μm程度の膜圧の非磁性層を
形成する。
【0015】本発明におけるテクスチャー加工は、前記
非磁性層を形成したディスク表面に所定の条痕パターン
のテクスチャーを所望の精度で付与する公知の加工であ
り、少なくとも研磨材粒子を遊離砥粒として所定量含む
ような懸濁液(以下では研磨液あるいは研磨用懸濁液と
略記することがある)を介してディスク基板表面に研磨
シートを押圧することにより研削処理を施す段階を含む
ような加工である。即ち、テクスチャー加工において、
研磨液を介して非磁性ディスク表面に研磨シートを押圧
することのみにより所望の精度のテクスチャーを付与す
るようなテクスチャー加工でも、固定砥粒を有する研磨
シート等によりテクスチャーを付与する粗研削を施した
後で研磨液を介してディスク表面に研磨シートを押圧す
ることによりバリやカエリなどの不良部を選択的に仕上
げ研削することで所望の精度を得るようなテクスチャー
加工でもよい。また、テクスチャー加工用装置は、研磨
用パッドとして本発明の研磨シートを使用してディスク
基板表面に対して面状に押圧するタイプの装置でも、研
磨用エンドレステープとして本発明の研磨シートを使用
してディスク基板表面に対して線状に押圧するタイプの
装置でもよく、これらの装置を単独で使用してもあるい
は併用してもよい。
【0016】上記テクスチャー加工において、本発明に
よる磁気記録媒体のテクスチャー加工用研磨シートを使
用することにより、従来は加工精度と単位ディスク枚数
当たりの加工速度とのバランスがとれないなどの理由で
工業的には実現しなかったような極めて微細な加工精度
領域、例えばRa≦1nmレベルの平均表面粗さの領域
のテクスチャーを磁気ディスク基板表面などに安定的に
付与することができる。
【0017】また、本発明におけるテクスチャー加工で
所望の加工精度は、本発明による研磨シートを使用する
ほかに、遊離砥粒を含む研磨用懸濁液の調整条件、特に
研磨材粒径や遊離砥粒濃度、研磨液粘度、また加工機器
の設定条件、特にディスク周速度(回転数)、研磨シー
トの送り速度や往復動数(オシレーション振動数)、シ
リンダの押し付け圧力、単位ディスク当たりの研磨シー
トの押し付け時間などのテクスチャー加工条件を適宜調
整することにより達成することができる。
【0018】上記テクスチャー加工を施した後、ディス
ク基板表面にCr等をスパッタリングすることで1〜2
0nm程度の厚みの下地層を形成し、該下地層上にCo
系合金等をスパッタリングすることで5〜100nm程
度の厚みの金属磁性層を形成する。さらに、該金属磁性
層上に保護層として、通常、アルゴン、ヘリウム等の希
ガス雰囲気下でダイヤモンド状、グラファイト状、アモ
ルファス状のカーボンをターゲットとしたスパッタリン
グにより1〜50nm程度の厚みの炭素質膜を形成する
ことで、大容量ハードディスクシステム等に搭載される
薄膜磁気ディスクとする。
【0019】次に、本発明の磁気記録媒体のテクスチャ
ー加工用研磨シートの製造方法について詳細に説明す
る。本発明の磁気記録媒体のテクスチャー加工用研磨シ
ートは、少なくとも前記した(1)〜(4)の工程を順
次実施することにより製造することができる。なお、
(2)と(3)の工程は、本発明の形態を達成しうるよ
うな範囲でその順序を入れ替えて実施してもよく、また
(1)〜(4)の工程の途中あるいは前後において、本
発明の形態を損なわない範囲で親水剤あるいは撥水剤、
柔軟剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤あるいは防
燃剤、抗菌剤、滑剤、染料や顔料などの着色剤などの各
種処理剤あるいは添加剤を付与する工程を追加してもよ
い。
【0020】上記(1)の工程に用いられる極細繊維発
生型繊維(a)は、例えば物理的処理または化学的処理
によって、極細繊維(A)からなる極細繊維束を形成可
能な繊維であり、また同じく工程(1)に用いられる極
細繊維発生型繊維(b)は、同様の処理によって、繊度
0.03dtex以下の極細繊維(B)からなる極細繊
維束を形成可能な繊維であるが、物理的処理としては、
例えばニードルパンチ処理、高速水流などの流体流処
理、カレンダー処理などの加熱を伴う圧縮処理、機械的
揉み処理などが挙げられ、また化学的処理としては、例
えば除去剤により繊維成分の一部を除去する処理や繊維
成分を膨潤させて剥離させる処理などがある。
【0021】本発明において、極細繊維発生型繊維
(a)は、極細繊維発生型繊維(b)と同一のものであ
ってもよく、また極細繊維発生型繊維(b)とは相違す
るものであってもよい。製造のし易さからは、極細繊維
発生型繊維(a)と極細繊維発生型繊維(b)を同一の
繊維を用い、そして、得られる研磨シートを構成する極
細繊維(A)と極細繊維(B)を同一とするのが好まし
い。
【0022】本発明で用いる極細繊維発生型繊維(a)
及び極細繊維発生型繊維(b)としては、2種類または
3種類以上の繊維形成樹脂からなり、例えば繊維形成樹
脂成分相互の接着性を好適なレベルに制御することで、
上記の物理的或いは化学的な処理により個々の繊維形成
樹脂成分に分割可能なように複数の繊維形成樹脂成分を
相互に配列した、いわゆる分割型複合繊維や、除去剤に
より除去可能な繊維形成樹脂を分散媒成分としてその中
に難除去性の繊維形成樹脂を分散成分として島状に配置
した、いわゆる海島型繊維などの公知の極細繊維発生型
繊維などが好適例として挙げられる。
【0023】なかでも、海島型繊維は、不織布に高分子
弾性体を付与した後に分散媒成分(海成分)を除去する
ことにより極細繊維束と高分子弾性体との間に空隙を形
成させることが可能であり、本発明において必須の要件
である、極細繊維束の大部分を高分子弾性体で実質的に
拘束することなく存在させる、という要件を満足させる
ことが可能であるため、海島型繊維は、本発明において
より好適に用いられる。海島型繊維における難除去性の
繊維形成樹脂成分(島成分)は1種類の繊維形成樹脂か
ら形成されている必要はなく、2種類以上の繊維形成樹
脂から形成されていてもよい。なお、極細繊維発生型繊
維(a)および(b)中の各繊維形成樹脂成分は長さ方
向に連続していてもよく、あるいは断続的な状態で存在
していてもよい。
【0024】極細繊維束の大部分を高分子弾性体で実質
的に拘束することなく存在させるための方法としては、
上記したように、極細繊維発生型繊維として海島型繊維
を用い、この繊維から海成分を除去することにより島成
分による極細繊維束を発生させる方法以外に、後述する
ように、不織布にポリビニルアルコールに代表される水
溶性樹脂を付与し、そして高分子弾性体を含浸・凝固さ
せた後に、該水溶性樹脂を除去する方法があり、この方
法を用いても、極細繊維束が高分子弾性体に実質的に拘
束されない構造とすることができる。
【0025】化学的処理における除去剤としては、例え
ば溶剤、酵素、微生物などを挙げることができるが、中
でも有機系溶剤や水系溶剤などの溶剤は除去速度が速
く、取り扱い性に優れるので好適に使用される。
【0026】本発明の研磨シートにおいて、立毛部分を
構成する極細繊維(B)として必要な繊度は0.03d
tex以下であり、好ましくは0.02dtex以下、
もっとも好ましくは0.01dtex以下である。下限
値に関しては特に限定はないが、製造し易さの点から
0.0001dtex以上が好ましい。立毛部分を構成
する極細繊維(B)の繊度は、0.1dtex以下程度
であれば立毛部分の平滑性、緻密性は十分に高いので、
本発明における一応の目安である加工精度Ra≦1nm
のレベルのテクスチャー加工を実施することは十分に可
能だが、0.03dtexを越える太さの場合にはディ
スク基板表面への当たりが少し強いのか、加工枚数が増
えると加工精度が顕著に悪化する傾向が見られるので、
本発明で一応の目安とするRa≦1nmレベルの加工精
度領域において、加工精度が加工枚数に依存しにくい繊
度としては0.03dtex以下である。また、本発明
の研磨シートにおいて、立毛を形成させた面側から厚み
方向に1/3程度までの部分において、立毛部分以外の
部分を構成する極細繊維(A)としては、繊度0.1d
tex以下が好ましく、より好ましくは立毛部分を構成
する繊維と同等の0.0001〜0.03dtexであ
る。立毛面から少なくとも厚み方向に1/3程度までの
部分において、極細繊維(A)の繊度が0.1dtex
を越えて太くなると、不織布表面の平滑性、ひいては研
磨シートの平滑性が不十分となり、またテクスチャー加
工時のディスク基板表面への当たりが強くなりすぎるた
めに、加工精度が低下する。本発明において、好ましく
は不織布の表面から裏面に至るまでの不織布を構成する
極細繊維束の全てが実質的に0.1dtex以下の極細
繊維から形成されている場合である。より好ましくは
0.03dtex以下の極細繊維から形成されている場
合である。
【0027】なお、本発明において研磨シートを構成す
る極細繊維(A)と極細繊維(B)の繊度は、研磨シー
トを厚さ方向となす角度で30〜60°にカットした面
を観察面として走査型電子顕微鏡(SEM)により観察
し、それぞれ立毛根元近辺部分及び立毛面から厚さ方向
に1/3程度までの部分において、任意の10箇所の極
細繊維束について繊維束内の繊維断面積の平均値及び繊
維の比重から計算した、いわゆる平均繊度である。本発
明における研磨シートにおいて、繊度0.03dtex
以下という要件を満たすべき部分は少なくとも立毛部分
であり、それらの部分においてはSEM観察した極細繊
維束について、前記により計算した平均繊度が0.03
dtexを越えるような極細繊維束が実質的に含まれて
いてはならないし、また繊度0.1dtex以下という
好適条件を満たすべき部分は、少なくとも立毛を形成さ
せた面側(表面側)から厚み方向に1/3程度であり、
その部分においてはSEM観察した極細繊維束につい
て、前記により計算した平均繊度が0.1dtexを越
えるような極細繊維束が実質的に含まれていないのが好
ましい。
【0028】上記の極細繊維発生型繊維を構成する樹脂
としては、繊維形成能があり、物理的処理または化学的
処理により極細繊維を発生可能な2種類以上の繊維形成
樹脂の組み合わせが挙げられる。例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリア
ミド系共重合体などのポリアミド類;ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート系共重合体などのポリエステル類;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど
のポリオレフィン類;ポリアクリロニトリル類;ポリス
チレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系重合体類;ポリ
乳酸、乳酸共重合体、ポリグリコール酸などの脂肪族ポ
リエステル系重合体類;脂肪族ポリエステルアミド系共
重合体類などが繊維成分として用いることのできる合成
樹脂の例として挙げられる。
【0029】上記列挙された繊維形成樹脂の中で、極細
繊維成分の好適例としては、耐摩耗性や湿度65%時の
平衡水分率1.0%以上の親水性を有するポリアミド類
や、強度や耐摩耗性、弾性に優れるポリエステル類が挙
げられる。これらを用いた場合には、繊維形成樹脂成分
の耐摩耗性や優れた強度、弾性は研磨シートとした際の
加工処理耐久性の向上に効果が期待でき、また繊維形成
樹脂成分の親水性は研磨シートとした際に、遊離砥粒と
して研磨材粒子を含む研磨用懸濁液として好適に用いら
れる水性スラリー液中の研磨材粒子が凝集しにくくな
る、あるいは研磨シート表面から内部への研磨材粒子の
移動が円滑になるなどの機能が備わることによりディス
ク基板表面へ大きな傷をつけにくくなる効果が期待でき
る。とりわけ上記ポリアミド類、例えばナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン12等が好まし
い。
【0030】本発明において用いられる上記の極細繊維
発生型繊維は、複合紡糸法、混合紡糸法あるいはこれら
を適宜組み合わせることにより容易に紡糸することがで
きる。また、紡糸性や繊維強度低下、研磨シートとした
際の形態、機能を損なわない範囲で、親水剤、難燃剤あ
るいは防燃剤、帯電防止剤、吸湿剤、導電剤、顔料や染
料などの着色剤などの添加剤を繊維形成樹脂内に適宜混
合することができる。
【0031】上記(1)の工程における極細繊維発生型
繊維(a)および(b)から不織布を形成する方法とし
ては、例えばカード法により上記の極細繊維発生型繊維
からなる繊維ウェブを形成し、その繊維ウェブを複数枚
重ねることにより所望の目付とした後、ニードルパンチ
処理や水流などの液体流を作用させる処理などの公知の
処理によりウェブ内で繊維同士を3次元絡合させる方法
が好適な方法として挙げられる。また、繊維ウェブを形
成する段階あるいはこれを複数枚重ねる段階で異なる種
類の極細繊維発生型繊維、あるいはその繊維ウェブを混
合してもよく、繊度0.03dtexを越えるような極
細繊維を発生しうる極細繊維発生型繊維を含むような場
合にはその繊維が不織布の少なくとも片面(立毛を形成
させる面)には実質的に露出しないような条件で3次元
絡合化処理を施すのが好ましい。また、異なる2種類以
上の極細繊維発生型繊維から不織布を形成する場合に
は、発生しうる極細繊維の繊度が0.1dtex以下の
みであっても、少なくとも立毛を形成させる面は実質的
に0.03dtex以下の極細繊維を発生しうる極細繊
維発生型繊維のみから覆われている必要があり、さら
に、立毛を形成させる面が1種類の極細繊維発生型繊維
のみからなるような不織布がより好ましい形態である。
【0032】本発明では、前記したように絡合不織布と
することが必須であり、絡合不織布に代えて、極細繊維
からなる織布または編布を用いて、本発明のような高分
子弾性体との複合シートを形成し、それを研磨シートと
して使用しても、研磨シートの平滑性は極細繊維の繊度
ではなく織編布自体の構造によって決定されるため、本
発明が目的とするような加工精度は達成できない。これ
に対して本発明のように繊維がランダムな配向をとるよ
うな不織布構造を用いることにより、極細繊維の細さを
活かした平滑性を有する研磨シートが形成可能である。
また極細繊維が3次元絡合した不織布のバルキーな構造
は、構造自体が繊維の硬さや絡合状態に応じたクッショ
ン性を有するため、研磨シートを形成したときに研磨用
懸濁液中に含まれる研磨材粒子を介したディスク基板表
面への当たりを制御することが可能である。
【0033】なお、前述したように、必要に応じて、ポ
リビニルアルコールに代表されるような水溶性樹脂を不
織布に含浸あるいは塗布することにより付与し、不織布
を構成する大部分の繊維の表面を該水溶性樹脂で覆うこ
とにより、後の工程で付与する高分子弾性体と繊維との
間に該水溶性樹脂が存在するようにし、高分子弾性体を
付与した後の何れかの段階で該水溶性樹脂を水洗除去す
ることによって、高分子弾性体が不織布を構成する極細
繊維束を取り囲むように存在しつつも、それらの極細繊
維束の大部分を高分子弾性体が実質的には拘束していな
い状態の研磨シートを得ることができる。この水溶性樹
脂を用いる方法は、前記した工程(2)と(3)の順序
を逆転させた場合に極めて有効である。この場合には、
水溶性樹脂を付与する工程は、極細繊維発生型繊維を形
成した後であり、かつ工程(2)の前ならばどこの時点
で行ってもよい。
【0034】上記(1)の工程で極細繊維発生型繊維か
ら不織布を形成した後、上記(2)の工程で不織布に高
分子弾性体を付与してシートとするが、本発明において
は研磨シートを構成する極細繊維の脱落防止効果および
研磨用懸濁液との親和性向上の効果を期待して、不織布
構造中に高分子弾性体を含有させている。極細繊維の脱
落防止効果は、3次元絡合構造をとっている極細繊維束
を直接的には拘束しないものの、高分子弾性体が極細繊
維束を取り囲んだ状態とすることによって発生しうる摩
擦抵抗を主とするものであり、もう一方の研磨用懸濁液
との親和性向上効果は、高分子弾性体自身が多孔質状態
をとり、かつ極細繊維束と高分子弾性体との間に微細な
空隙が存在することによって実現しうる懸濁液吸収性の
高さを主とするものである。テクスチャー加工時には研
磨用懸濁液中の研磨材粒子などによって研磨シート自体
も研削されるため、不織布構造中に高分子弾性体を含有
させると、加工条件によっては不織布構造のみの研磨シ
ートを使用した場合に比べて研磨屑の発生量が過度に増
大し、単位ディスク枚数当たりの加工速度が上げられな
い場合があるが、本発明では上記のように懸濁液との親
和性を向上させた構造とすることで研磨シート表面から
内部への研磨材粒子あるいは研磨屑などの移動を円滑に
し、さらに好ましくは高分子弾性体として湿潤弾性率が
0.05〜0.95kg/mm2のものを使用すること
で研磨材粒子による過度の研削を極力抑制し、研磨シー
トを工業的に利用可能なものにしている。
【0035】上記(2)の工程において用いられる高分
子弾性体は、例えばポリエステルジオール、ポリエーテ
ルジオール、ポリカーボネートジオールあるいはポリエ
ステルポリエーテルジオール等から選ばれた少なくとも
1種類のポリマージオールと、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環
族系、脂肪族系のジイソシアネートなどから選ばれた少
なくとも1種類のジイソシアネートと、2個以上の活性
水素原子を有するようなエチレングリコールやヘキサン
ジオールなどのジオール類あるいはエチレンジアミンや
イソホロンジアミンなどのジアミン類等から選ばれた少
なくとも1種類の低分子化合物とを所定のモル比で反応
させることにより得られるようなポリウレタンおよびそ
の変性物などが挙げられる。ポリウレタンおよびその変
性物以外にも、例えばポリエステルエラストマーやアク
リル系エラストマー等で、好ましくは湿潤弾性率が0.
05〜0.95kg/mm 2のものを上記(2)の工程
において高分子弾性体として使用してもよく、またこれ
らを混合した弾性体組成物を使用してもよいが、弾性回
復性や多孔質状態の形成性等の点から上記のようなポリ
ウレタンが本発明において最も好ましく用いられる。
【0036】本発明において、高分子弾性体として湿潤
弾性率が0.05〜0.95kg/mm2、さらに好ま
しくは0.08〜0.50kg/mm2のものが用いら
れるが、湿潤弾性率が0.05kg/mm2より小さい
と研磨シート中で構造形成を担う一成分としての強度に
乏しくなるため本発明に用いるには好ましくなく、湿潤
弾性率が0.95kg/mm2より大きいとテクスチャ
ー加工用としての研磨シートのクッション性が低下し、
また研磨シート中での極細繊維の脱落防止効果が低下す
るため好ましくない。
【0037】本発明で用いられるポリウレタンにおい
て、好適な条件である湿潤弾性率0.05〜0.95k
g/mm2を満たすような例としては、前記ポリウレタ
ンの製造例において数平均分子量が700〜2500の
1種または複数種のポリマージオールとジイソシアネー
トとのモル比1/1.5〜1/5に対して所定のモル比
のエチレングリコールあるいはエチレンジアミンを使用
した反応により製造したポリウレタンなどが挙げられ
る。主体とするポリマージオールの数平均分子量が70
0未満、あるいはポリマージオールとジイソシアネート
とのモル比が1/5よりジイソシアネート過剰で反応さ
せたポリウレタンは湿潤弾性率が0.95kg/mm2
を越える傾向にあり、また主体とするポリマージオール
の数平均分子量が2500を越える、あるいはポリマー
ジオールとジイソシアネートとのモル比が1/1.5よ
りポリマージオール過剰で反応させたポリウレタンは湿
潤弾性率が0.05kg/mm2未満となる傾向にあ
る。但し、上記から外れるような条件でも、反応を多段
階に行うとか、種類あるいは分子量の異なる複数のポリ
マージオールを組み合わせるとか、立体構造の特異な化
合物をポリウレタン構造内に導入するなどの方法によ
り、前記湿潤弾性率を満たすようなポリウレタンを製造
することも可能であり、したがって上記ポリウレタンの
製造例は本発明の要件を満たす態様の一例に過ぎない。
【0038】なお、本発明における湿潤弾性率とは、試
験片を30℃の水中に30分間浸漬することにより湿潤
した状態でJIS低伸長応力試験(JIS K 630
1−1995)により規定された定義に準拠して測定し
た値であり、遊離砥粒を含む研磨用懸濁液を介してディ
スク基板面に作用する研磨シートの状態を想定し、これ
を模した状態における高分子弾性体の性状を把握するこ
とを目的としている。
【0039】上記(2)の工程において不織布へ上記高
分子弾性体を付与することでシートとするが、その付与
方法としては、例えば高分子弾性体を溶剤等に分散ある
いは溶解した高分子弾性体液を不織布に含浸あるいは塗
布した後、加熱乾燥することによって多孔質状態で凝固
させる乾式凝固法、あるいは高分子弾性体液を含浸した
不織布を高分子弾性体の非溶剤を含む液体に浸漬するこ
とによって高分子弾性体を多孔質状態で凝固させる湿式
凝固法により、高分子弾性体が上記不織布の繊維絡合構
造内に多孔質状態で存在するシートを得る方法等が用い
られるが、中でも湿式凝固法は、高分子弾性体の多孔質
状態について本発明で所望の状態に形成するような場合
の制御性に優れる点でより好適に用いられる。
【0040】なお、上記高分子弾性体液には、必要に応
じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤、発泡剤
等の添加剤を配合することができる。また、本発明の磁
気記録媒体のテクスチャー加工用研磨シートに占める高
分子弾性体の比率は、研磨シートに必要なレベルの弾性
回復性を持たせ、また平滑性の高い表面状態を形成する
ためにも、重量比で10〜70%、好ましくは20〜5
5%の範囲から選ばれた値が設定される。重量比率の制
御方法としては、高分子弾性体液の濃度、不織布重量に
対する高分子弾性体液の含浸重量などを適宜設定する方
法が挙げられ、本発明では、好ましくは5〜30%程度
の濃度の高分子弾性体液を、自然浸透による含浸、およ
びバー、ナイフ、ロールなどによる圧縮効果で強制的に
押し込む含浸を単独あるいは組み合わせて実施し、さら
に必要に応じて不織布表面に付着した余分な高分子弾性
体液をバー、ナイフ、ロールなどを押し当てることによ
り除去する工程を追加する。研磨シートに占める高分子
弾性体の比率が10%未満の場合には、本発明で必要と
するような多孔質状態が形成されにくい。また、研磨シ
ートに占める高分子弾性体の比率が70%を越えると、
研磨シート表面に極細繊維が多く露出した状態が得られ
にくいので、このような比率は本発明では好適には選ば
れない。
【0041】上記(3)の工程においてシートを構成す
る3次元絡合した極細繊維発生型繊維を極細繊維束にす
る方法としては、例えば極細繊維となる繊維成分および
高分子弾性体にとっては非溶剤であり、かつ極細繊維発
生型繊維の除去成分にとっては溶剤または分解剤等とな
る薬剤によって除去成分を除去するような方法、極細繊
維成分自身を溶解あるいは分解する溶剤または分解剤等
によって極細繊維成分の一部を減量するような方法など
の化学的処理方法や、カレンダー処理などの加熱を伴う
ような圧縮処理方法、あるいはニードルパンチ、液流に
よる絡合処理方法、機械的な揉み処理方法などの物理的
処理方法が挙げられる。中でも、極細繊維発生型繊維と
して前記の海島型繊維を用い、溶剤などで海成分を除去
することにより島成分が極細繊維として残って極細繊維
束を形成するような方法が、繊度0.1dtex以下の
極細繊維を安定して効率よく得られやすく、また前記
(2)と(3)の工程をこの順次で実施することにより
極細繊維束の大部分が実質的に高分子弾性体によって拘
束されない状態を効率よく達成することができるなどの
点で好適に用いられる。
【0042】上記(4)の工程におけるシート表面の研
削方法としては、バンドナイフを用いたスライス処理あ
るいはサンドペーパーを用いたバフィング処理等の公知
の方法が挙げられるが、これらを単独あるいは適宜組み
合わせて実施することによって、シートの少なくとも片
面に極細繊維からなる立毛を形成させるのと同時に、研
磨シートとして所望のシート厚みや表面平滑性を達成す
ることができ、さらには上記(3)の工程において十分
に極細繊維束を形成することのできなかった極細繊維発
生型繊維を極細繊維束にするなどの効果も期待できる。
本発明の研磨シートとして好適な厚みは、研磨シートと
しての平滑性やクッション性、形態保持性、テクスチャ
ー加工用装置への装着性などの点から0.2〜1.5m
mの範囲にあることが好ましい。また本発明の研磨シー
トとして好適な見掛け密度は、研磨シート表面から内部
への研磨用懸濁液中の研磨材粒子の移動しやすさ、研磨
シート自体の平滑性やクッション性、テクスチャー加工
時の取り扱い性などの点から0.2〜0.6g/cm3
の範囲にあることが好ましい。なお、上記(3)〜
(4)の工程の途中あるいは後において、本発明の研磨
シートとしての形態、機能を損なわない範囲で、柔軟
剤、難燃剤あるいは防燃剤、滑剤、親水化剤、撥水剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、有機溶剤などを塗
布または含浸などの公知の方法により付与する工程を必
要に応じて追加してもよい。
【0043】以上のように、上記(1)〜(4)の工程
を順次実施することにより、あるいは工程(2)と
(3)を逆転させ、かつ工程(3)の前に水溶性樹脂に
より極細繊維発生型繊維の表面を覆い、そして工程
(2)の後で該水溶性樹脂を除去することにより、本発
明のテクスチャー加工用研磨シートを製造することがで
きる。
【0044】本発明によって得られる研磨シートは、磁
気記録媒体、例えば磁気ディスク製造におけるテクスチ
ャー加工に使用することにより、ディスク基板表面に大
きな傷をつけることなく、均一かつ微細なテクスチャー
を付与することができ、しかも研磨用懸濁液との親和性
を向上させることで従来は困難であった加工精度領域の
テクスチャー加工を工業的に実現することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例で説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の実施例および比較例における測定値は以
下の測定方法により求めたものである。 厚み[mm]:直径5cm以上の金属板上に載せたシー
トを直径1cmの金属板ではさみ、直径1cmの金属板
側から240g重/cm2の荷重をかけた場合の研磨シ
ートの厚みを10箇所について測定し、10箇所の測定
値を平均することにより厚みを求めた。 見掛け密度[g/cm3]:研磨シートを10cm角に
切り取りって上記のように厚みを測定し、その後で重量
を測定し、重量をサンプル体積で割ることにより見掛け
密度を求めた。
【0046】湿潤弾性率[kg/mm2]:JIS K
6301−1995に準拠して、幅10mm×長さ6
0mm×厚さ100μmのたんざく状の高分子弾性体サ
ンプル(非多孔状のもの)を30℃の水中に30分間浸
漬後、取り出して速やかに軽く拭いてからチャック間2
0mmで伸張応力試験器にセットし、予備的に引っ張り
(戻し)速度:45mm/分、引っ張り長さ:標線長さ
の22.5%、引っ張った状態で30秒停止してから戻
す条件で2回引っ張る。その後、サンプルを湿潤布で軽
く拭き直ちに3回目として引っ張り速度:45mm/
分、引っ張り長さ:標線長さの15%、引っ張った状態
で30秒保持した後の荷重を読み取る。この荷重値をサ
ンプル断面積(乾燥時)で割ることにより湿潤弾性率を
求めた。
【0047】表面平均粗さ[nm]:JIS B 06
01−1994に準拠して、ディスク基板サンプルの任
意の直線上表面10箇所について算術平均粗さを測定
し、10箇所の測定値を平均することにより平均表面粗
さ(Ra)を求めた。
【0048】実施例1 島成分として平衡水分率3.5%のナイロン6(Ny
6)を50重量%、海成分として低密度ポリエチレン
(LDPE)を50重量%混合して290℃で海島型繊
維を溶融紡糸する、いわゆる混合紡糸法により、LDP
E成分中にNy6成分が島状に約600個配置された極
細繊維発生型繊維を得た。この極細繊維発生型繊維を温
水中で延伸し、機械捲縮をかけて51mmにカットして
ステープルとした後、カードにかけ、クロスラップ法で
繊維ウェブを形成し、次いでこの繊維ウェブを重ねてニ
ードルパンチングしてカレンダーロールでプレスするこ
とで表面の平滑な不織布とした。この不織布に、数平均
分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオ
ールを主体とした混合ポリマージオールと4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)とのモル比
1/2.5とエチレングリコール(EG)とを反応させ
て製造した湿潤弾性率0.42kg/mm2のポリカー
ボネート系ポリウレタンの13%ジメチルホルムアミド
(DMF)溶液を含浸し、DMF/水混合液の中に浸す
湿式凝固法により高分子弾性体を多孔質状態として含有
させたシートを形成した後、パークレンにより極細繊維
発生型繊維の海成分ポリマーを除去することで極細繊維
束を発生させ、さらに両面をバフィングすることによ
り、厚みが0.55mmで見掛け密度が0.34g/c
3のテクスチャー加工用研磨シートを得た。この研磨
シートにおける極細繊維の繊度は立毛繊維およびシート
内部に存在する極細繊維ともに0.004dtexであ
り、高分子弾性体の重量割合は36%であった。そして
極細繊維束の大部分が高分子弾性体に拘束されていない
状態であった。
【0049】この研磨シートを使用し、平均粒径0.3
ミクロンのダイヤモンドを遊離砥粒として含むスラリー
を研磨液として使用して、アルミニウム/ニッケルディ
スク基板表面にテクスチャー加工を合計30枚実施し
た。テクスチャー加工後のディスク基板から任意に3枚
を抜き取って平均表面粗さ(Ra)を評価したところ、
それぞれRa=0.4nm,0.4nm,0.5nmで
あり、安定して0.4nm程度、即ち十分に1.0nm
以下のオーダーを達成していることが確認できた。ま
た、テクスチャー加工後の研磨シート表面を洗浄して、
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により表面状態を評価
したところ、加工使用前に比べて研磨材粒子等による研
削が進んではいるものの、まだ同様の加工には十分使用
可能な状態であった。
【0050】実施例2 島成分として平衡水分率1.2%で、かつ実施例1より
溶融粘度が高いナイロン6とナイロン12の共重合体を
50重量%、海成分としてLDPEを50重量%使用し
て、混合紡糸法によりLDPE成分中に該共重合ナイロ
ンが島状に約300個配置された極細繊維発生型繊維を
得た。この極細繊維発生型繊維を使用する点と、高分子
弾性体として数平均分子量2000のポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールを主体とした混合ポリマージオー
ルとMDIとをモル比1/0.7で反応させた後、さら
に元の混合ポリマージオールに対するモル比1/3.4
のMDIおよびEGを反応させる多段階の反応にて製造
した湿潤弾性率0.23kg/mm2のポリエーテル系
ポリウレタンを使用する点以外は実施例1と同様にし
て、厚みが1.18mmで見掛け密度が0.39g/c
3のテクスチャー加工用研磨シートを得た。この研磨
シートにおける極細繊維の繊度は立毛繊維およびシート
内部に存在する極細繊維ともに0.01dtexであ
り、高分子弾性体の重量割合は45%であった。そして
極細繊維束の大部分が高分子弾性体に拘束されていない
状態であった。
【0051】得られた研磨シートを使用し、実施例1と
同様にテクスチャー加工を実施した後、任意に抜き取っ
た3枚のディスク基板のRaを評価したところ、それぞ
れRa=0.6nm,0.6nm,0.7nmであり、
安定して0.6nm程度、即ち十分に1.0nm以下の
オーダーを達成していることが確認できた。また、研磨
シートの表面状態を評価したところ、実施例1と同様に
十分使用可能な状態であった。
【0052】実施例3 島成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)を
50重量%、海成分としてLDPEを50重量%使用し
て、複合紡糸法によりLDPE成分中にPET成分が島
状に約200個配置された極細繊維発生型繊維を得た。
この極細繊維発生型繊維を使用する点以外は実施例1と
同様にして、厚みが0.37mmで見掛け密度が0.5
1g/cm3のテクスチャー加工用研磨シートを得た。
この研磨シートにおける極細繊維の繊度は立毛繊維およ
びシート内部に存在する極細繊維ともに0.02dte
x、高分子弾性体の重量割合は24%であり、極細繊維
束の大部分は高分子弾性体に拘束されていない状態であ
った。
【0053】得られた研磨シートを使用し、実施例1と
同様にテクスチャー加工を実施した後、任意に抜き取っ
た3枚のディスク基板のRaを評価したところ、それぞ
れRa=0.7nm,0.7nm,0.8nmであり、
安定して0.7nm程度、即ち十分に1.0nm以下の
オーダーを達成していることが確認できた。また、研磨
シートの表面状態を評価したところ、加工前と比べても
殆ど状態に変化がなく、当然ながらまだ十分使用可能な
状態であった。
【0054】実施例4 島成分として平衡水分率3.5%で、かつ実施例1より
溶融粘度が低いNy6を40重量%、海成分としてLD
PEを60重量%使用して、混合紡糸法によりLDPE
成分中にNy6成分が島状に約4500個配置された極
細繊維発生型繊維(b)、および実施例1と全く同様に
して混合紡糸により極細繊維発生型繊維(a)を得た。
これらの極細繊維発生型繊維(a)および極細繊維発生
型繊維(b)から実施例1と同様にしてそれぞれ別に形
成した繊維ウェブ(b)と繊維ウェブ(a)とを、2:
1の目付け比で重ねて、繊維ウェブ(b)側からのみニ
ードルパンチングした後、カレンダーロールでプレスす
ることで、表面が平滑で、かつ前記2種類の繊維が2層
に分かれて存在しており、極細繊維発生型繊維(b)か
ら形成された層側の表面には極細繊維発生型繊維(a)
が存在しない不織布を得た。この不織布に実施例2で製
造した湿潤弾性率0.23kg/mm2のポリエーテル
系ポリウレタンを使用する以外は、以降の工程を実施例
1と同様に実施して、厚みが0.79mmで見掛け比重
が0.38g/cm3のテクスチャー加工用研磨シート
を得た。この研磨シートの立毛面から厚みの1/2まで
の部分の極細繊維の繊度が0.0003dtex、それ
以外の部分は繊度0.0003dtexの極細繊維と繊
度0.004dtexの極細繊維とが混在した状態であ
り、高分子弾性体の重量割合は34%であった。そして
極細繊維束の大部分が高分子弾性体に拘束されていない
状態であった。
【0055】得られた研磨シートを極細繊維発生型繊維
(b)から発生した繊度0.0003dtexの極細繊
維立毛を有する面を表面として使用し、実施例1と同様
にテクスチャー加工を実施した後、任意に抜き取った3
枚のディスク基板のRaを評価したところ、それぞれR
a=0.4nm,0.5nm,0.5nmであり、安定
して0.5nm程度、即ち十分に1.0nm以下のオー
ダーを達成していることが確認できた。また、研磨シー
トの表面状態を評価したところ、実施例1と同様に十分
使用可能な状態であった。
【0056】比較例1 島成分としてNy6を50重量%、海成分としてLDP
Eを50重量%使用して、複合紡糸法によりLDPE成
分中にNy6成分が島状に約50個配置された極細繊維
発生型繊維を得た。この極細繊維発生型繊維を使用する
点と、高分子弾性体として実施例2のポリエーテル系ポ
リウレタンを使用する点以外は実施例1と同様にして、
厚みが0.68mmで見掛け密度が0.46g/cm3
の立毛シートを得た。この立毛シートにおける極細繊維
の繊度は0.08dtex、高分子弾性体の重量割合は
50%であり、極細繊維束の大部分は高分子弾性体に拘
束されていない状態であった。
【0057】得られた立毛シートを研磨シートとして使
用し、実施例1と同様にテクスチャー加工を実施した
後、任意に抜き取った3枚のディスク基板のRaを評価
したところ、それぞれRa=0.9nm,1.0nm,
1.2nmであり、平均的には1.0nm程度で安定し
ているが、1.0nmを越えるRaのディスクも一部見
られるので、1.0nm以下のオーダーを安定的に達成
しているとは言えないものであった。また、研磨シート
の表面状態を評価したところ、実施例1と同様に十分使
用可能な状態であった。
【0058】比較例2 島成分としてPETを50重量%、海成分としてLDP
Eを50重量%使用して、複合紡糸法によりLDPE成
分中にPET成分が島状に16個配置された極細繊維発
生型繊維を得た。この極細繊維発生型繊維を使用して実
施例1と同様にして不織布を形成し、パークレンにより
極細繊維発生型繊維のLDPE成分を除去した後、実施
例1のポリカーボネート系ポリウレタンを高分子弾性体
として多孔質状態で含有させ、さらに両面をバフィング
することにより、厚みが0.47mmで見掛け密度が
0.41g/cm3の立毛シートを得た。この立毛シー
トにおける極細繊維の繊度は0.2dtex、高分子弾
性体の重量割合は21%であり、極細繊維束の大部分が
高分子弾性体に拘束されている状態であった。
【0059】得られた立毛シートを研磨シートとして使
用し、実施例1と同様にテクスチャー加工を実施した
後、任意に抜き取った3枚のディスク基板のRaを評価
したところ、それぞれRa=1.7nm、1.8nm、
1.8nmであり、安定して1.8nm程度なので、
1.0nm以下のオーダーは達成できないことが確認で
きた。また、研磨シートの表面状態を評価したところ、
加工前と比べて研磨材粒子等による研削は進んでいない
が、研削屑が多く付着していたため、同様の精度が必要
な加工には使用できない状態であった。
【0060】比較例3 不織布に高分子弾性体を付与する工程を省略する以外は
実施例1と同様にして、厚みが0.56mmで見掛け密
度が0.45g/cm3の立毛シートを得た。この立毛
シートは、繊度0.004dtexの極細繊維からなる
極細繊維束が3次元絡合した状態であった。
【0061】得られた立毛シートを研磨シートとして使
用し、実施例1と同様にテクスチャー加工を実施した
後、任意に抜き取った3枚のディスク基板のRaを評価
したところ、それぞれRa=0.7nm,0.8nm,
1.4nmであり、平均的には1.0nm程度だが、
1.0nmを越えるRaのディスクも一部見られ、ま
た、処理枚数が多くなるとRaが顕著に粗くなる傾向も
見られたので、1.0nm以下のオーダーを安定的に達
成しているとは言えないものであった。さらに、研磨シ
ートの表面状態を評価したところ、加工使用前に比べて
研磨材粒子等による研削が進み、研削屑の付着も目立っ
ていたため、同様の精度が必要な加工には使用できない
状態であった。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明で得られたテクスチャー加工用研
磨シートは、極細繊維を主体とする不織布構造と多孔質
状態の高分子弾性体とからなり、さらには極細繊維束と
高分子弾性体との間に空隙を設け、かつ表面には繊度
0.03dtex以下の極細繊維からなる立毛が存在し
ているため、シート構造として研磨用懸濁液との親和性
に非常に優れ、かつ表面平滑性、クッション性に優れて
おり、またシート表面の極細繊維からなる立毛が研磨用
懸濁液中の研磨材粒子の被研磨基材への当たりを所望の
レベルに制御することができるので、例えばRaが1.
0nm以下のレベルの非常に高い加工精度の要求される
テクスチャー加工用研磨シートとして利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 4J002 75/04 75/04 4L031 77/00 77/00 4L033 D04H 1/42 D04H 1/42 X 4L047 D06C 11/00 D06C 11/00 Z 5D112 27/00 27/00 Z D06M 10/00 D06M 10/00 B 11/07 15/564 15/564 G11B 5/84 Z G11B 5/84 D06N 7/04 // D06N 7/04 D06M 3/38 Fターム(参考) 3B154 AA07 AA08 AB22 BA14 BA26 BA60 BB32 BB58 BB59 BC37 BD06 BD17 BD18 BE06 BF07 BF17 DA07 DA09 3C063 AA03 AB07 BA22 BG01 BG14 EE00 EE26 FF23 FF30 4F055 AA30 BA11 DA07 EA04 EA05 EA12 EA24 FA18 FA20 GA02 HA04 4F071 AA44 AA53 AA54 AA55 AD01 AF20Y AG21 AH19 BC01 DA19 DA20 4F072 AA04 AB04 AB05 AB06 AB15 AB29 AC02 AC03 AD43 AD56 AG03 AH02 AJ40 AK05 AL09 4J002 BB03W BB12W BB17W BC03W BD04W BG00X BG10W CF00W CF00X CF03W CF06W CF07W CK03X CK04X CL00W CL01W CL03W CL05W CL08W FA04W FD01W GT00 4L031 AA18 AA20 AB08 AB34 BA33 CA10 CA15 DA00 4L033 AA07 AA08 AB07 AC11 CA50 4L047 AA21 AA23 AA27 AB07 AB08 BA03 CB10 CC14 DA00 EA02 EA04 EA10 5D112 AA02 AA24 BA09 GA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極細繊維(A)からなる極細繊維束が3
    次元絡合した極細繊維絡合不織布の該極細繊維絡合空間
    に高分子弾性体が多孔質状態で存在し、該高分子弾性体
    は該極細繊維束の大部分を実質的に拘束することなく存
    在しているシートであって、該シートの少なくとも片面
    には0.03dtex以下の繊度を有する極細繊維
    (B)からなる立毛が存在していることを特徴とする磁
    気記録媒体のテクスチャー加工用研磨シート。
  2. 【請求項2】 高分子弾性体の湿潤弾性率が0.05〜
    0.95kg/mm 2である請求項1記載の研磨シー
    ト。
  3. 【請求項3】 極細繊維(A)および極細繊維(B)
    が、ともにポリアミドまたはポリエステルからなる請求
    項1または2に記載の研磨シート。
  4. 【請求項4】下記(1)〜(4)の工程、(1)極細化
    処理により極細繊維束を発生するような極細繊維発生型
    繊維(a)を主体とする不織布を形成する際に、不織布
    表層部の立毛となる部分を0.03dtex以下の極細
    繊維からなる極細繊維束を発生するような極細繊維発生
    型繊維(b)で該不織布を形成する工程、(2)該不織
    布に高分子弾性体を充填してシートにする工程、(3)
    該極細繊維発生型繊維(a)及び(b)を極細繊維束に
    変換する工程、(4)該シートの少なくとも片面を研削
    して繊度0.03dtex以下の極細繊維からなる立毛
    を形成する工程、を順次[但し工程(2)と(3)は順
    序を逆転させてもよい]実施することを特徴とする磁気
    記録媒体のテクスチャー加工用研磨シートの製造方法。
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