JP2006228370A - ディスク加工用基布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維を含むシート状物であって、少なくとも一方の表面側に極細繊維からなる立毛を有し、かつ該立毛が溶解性化合物により固定化されていることを特徴とする。さらに、該極細繊維の繊度が、0.1〜0.0001dtexであること、該溶解性化合物が、高分子化合物であることや水溶解性であること、特には該溶解性化合物が、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドの群から選ばれた少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明のディスク加工用基布は、繊維を含むシート状物であって、少なくとも一方の表面側に極細繊維からなる立毛を有するものである。
すなわち、まず極細繊維形成性繊維によって、不織布を作成する。極細繊維成形性繊維としては、例えば、溶剤溶解性の異なる2種以上の繊維形成性高分子を用い公知の紡糸法で繊維を作成した後、一成分を抽出除去する方法があり、紡糸後の延伸により繊維に必要な強度を与えることもできる。なかでもナイロン6/ポリエチレンの組み合わせが工業的に生産しやすいため好ましい。得られた繊維はニードルパンチングなどにより不織布に加工される。このとき不織布にカレンダー加工を施し、不織布表面の平滑性と、不織布内部密度を高めることが好ましい。次に、従来公知の方法にて、得られた不織布に弾性高分子を充填し、その後基材中の極細繊維形成性繊維を極細化することによって、極細繊維からなる繊維質基材が得られ、この繊維質基材の表面をサンドペーパーなどでバフがけする事によって、極細繊維からなる立毛を有するシート状物が得られる。本発明のディスク加工用基布は、このようにして得られるシート状物表面に、溶解性化合物の溶液をグラビアロールで塗布、乾燥して本発明のディスク加工用基布を製造することができる。
(1)溶解速度の測定
20℃の溶解性化合物を溶解する溶媒100gをビーカーに準備し、撹拌しながら溶解性化合物1gを加え、その時点からその固体が溶けて無くなるまでの時間をストップウォッチで測定し、時間を秒数で表した。測定は7回実施し、最短と最長の測定値を除いた5回の測定結果を平均した。
(2)溶解度の測定
20℃の溶解性化合物を溶解する溶媒100gをビーカーに準備し、撹拌しながら溶解性化合物を0.1gずつ加えてゆき、5分間撹拌し続けても溶けきらずに固体が残るようになった時点の溶解性化合物の添加量をg数で表した。測定は7回実施し、最大値と最小値の測定値を除いた5回の結果を平均した。
極細繊維の製造
ナイロン−6とポリエチレンをチップの状態で50:50の重量比で混合して押出機により溶融紡糸を行い、ポリエチレンが海成分の海島断面混合紡糸繊維を紡糸、延伸、捲縮、カットして繊度8dtex、51mm長の短繊維を作製した。得られた繊維の海成分であるポリエチレンを溶解除去して極細繊維化し、任意の繊維束の断面を電子顕微鏡写真にて2000倍に拡大・観察したところ、島成分の平均直径から算出した繊維の平均繊度は、0.0052dtexであった。
上記の極細化する前の短繊維を、カードおよびクロスレイヤーを用いて積層し、3バーブのニードル針を用い1400本/cm2の針密度でニードルパンチして不織布を作成した。得られた不織布は目付570g/m2、厚さ2.5mmであった。該不織布を150℃の乾燥機で加熱し、30℃の金属ロールで冷却ニップし固定化した。このニップ処理された不織布の目付は、560g/m2、厚さ1.9mmであった。
実施例1と同様にして表面が多くの立毛繊維により覆われている立毛基材を得た。その後、実施例1と異なり、ブラシ掛けおよび溶解性化合物による処理を行わない、そのままの基材を基布として用い、該基布を3.5cmにスリットし、研磨用の基布とした。該基布を用い、研磨剤に0.07μmの多結晶ダイアモンド砥粒を含有しておりアニオン性の分散剤を含んでいるものを用いてテクスチャ加工を実施した。テクスチャ加工後のディスクの表面平均粗さRa=1.9Åと良好であったが、スクラッチなどの欠点の発生がみられ、そのディスクの収率も93%と低いものであった。
実施例1と同様にして表面が多くの立毛繊維により覆われている立毛基材を得、該基材の表面に高速で回転しているブラシを用い2回ブラシ掛けを行い立毛繊維の方向を一方向に揃えた。その後、実施例1と異なり、溶解性化合物による処理を行う代わりに、水に全く溶解しないポリウレタン10%のDMF溶液を110メッシュで1ロール塗布し、乾燥する事で、該立毛繊維が固定化された基布を得た。該基布を3.5cmにスリットし、研磨用の基布とした。該基布を用い、研磨剤に0.07μmの多結晶ダイアモンド砥粒を含有しておりアニオン性の分散剤を含んでいるものを用いてテクスチャ加工を実施した。テクスチャ加工後もこの基布の表面極細繊維は固定化されたままであり、また加工後におけるディスクの表面平均粗さRa=2.3Åと粗すぎる傾向であるうえ、スクラッチなどの欠点の発生がみられ、そのディスクの収率も85%と低いものであった。
Claims (6)
- 繊維を含むシート状物であって、少なくとも一方の表面側に極細繊維からなる立毛を有し、かつ該立毛が溶解性化合物により固定化されていることを特徴とするディスク加工用基布。
- 該極細繊維の繊度が、0.1〜0.0001dtexである請求項1記載のディスク加工用基布。
- 該溶解性化合物が、高分子化合物である請求項1または2記載のディスク加工用基布。
- 該溶解性化合物が、水溶解性である請求項1〜3のいずれか1項記載のディスク加工用基布。
- 該溶解性化合物が、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドの群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項4記載のディスク加工用基布。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のディスク加工用基布を用いることを特徴とするディスク製造方法。
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