JP2006272525A - ディスク加工用基布の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率な加工ができるとともに、スクラッチの発生の少ないディスク加工用基布の製造方法を提供すること。
【解決手段】極細繊維からなる立毛を表面に有し、極細繊維と高分子弾性体からなる繊維質基材に、高圧水流を吹き付けることを特徴とする。さらには、高圧水流が基材から5〜30cm離れた位置にあるノズルから吹き付けるものであることや、高圧水流の水圧が、5〜60kg/cmの圧力であることが好ましい。また、高圧水流を吹き付ける前または後に、吸引しながらブラシロール処理することや、繊維質基材を構成する高分子弾性体の良溶剤を塗布することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ディスク加工用基布の製造方法に関し、さらに詳しくは高精度の仕上げを要求される磁気記録媒体及び類似材料を製造する際に用いられるディスク加工用基布の製造方法に関する。
近年コンピューターなどの情報処理技術の発達に伴い、磁気記録媒体やシリコンウエハーに対する高精度の表面仕上げが要求されている。例えば磁気記録媒体のハードディスク等を製造する場合、基盤となるアルミニウム、ガラス等の表面を加工液の存在下で平滑化する加工を行うが、そこで用いられるディスク加工用基布に対する要求もますます高くなってきている。また、研磨方法の一種として、ディスク表面に微細な溝を形成させるために砥粒を分散させたスラリーと研磨用基布を用いたテクスチャ加工と呼ばれる表面加工処理がおこなわれることが増加しており、高容量化、高密度化のために最適な研磨用のディスク加工用基布が求められている。
このようなディスク加工用基布としては例えば特許文献1には、極細繊維を用いた研磨布が開示されている。しかし繊維を極細化したこのような研磨布は、研磨性、平滑性には優れるものの、その加工時に研磨布より発生する表面極細繊維の毛羽屑が多く、加工液排出時のフィルターをすぐに詰まらせるという問題があり、生産の高効率化の妨げになっていた。また、従来の研磨布はスクラッチと呼ばれるキズ状欠点の発生頻度が高く、性能も満足のいくものではなかった。
特開2002−172555号公報
本発明の目的は、高効率な加工ができるとともに、スクラッチの発生の少ないディスク加工用基布の製造方法を提供することである。
本発明のディスク加工用基布の製造方法は、極細繊維からなる立毛を表面に有し、極細繊維と高分子弾性体からなる繊維質基材に、高圧水流を吹き付けることを特徴とする。さらには、高圧水流が基材から5〜30cm離れた位置にあるノズルから吹き付けるものであることや、高圧水流の水圧が、5〜60kg/cmの圧力であることが好ましい。
また、高圧水流を吹き付ける前または後に、吸引しながらブラシロール処理することや、繊維質基材を構成する高分子弾性体の良溶剤を塗布することが好ましい。
本発明によれば、高効率な加工ができるとともに、スクラッチの発生の少ないディスク加工用基布の製造方法が提供される。
本発明のディスク加工用基布の製造方法は、極細繊維と高分子弾性体からなる繊維質基材であって、極細繊維からなる立毛を表面に有する基布に関する製造方法である。
本発明で用いられる基布は、極細繊維と高分子弾性体からなる繊維質基材である。さらには繊維質基材を構成する繊維は不織布であることが好ましい。また、極細繊維は極細繊維を収束してなる繊維束によって構成されていることが好ましい。繊維質基材がこのような極細繊維からなる繊維束と弾性高分子から構成されている場合には、その基材内部では主に弾性高分子が繊維束の外部に存在しており、繊維束内には弾性高分子が存在していないことが好ましい。このような場合、基布はより柔軟になり研磨傷の発生が抑制される。
本発明に用いられる極細繊維としてはナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12などのポリアミド繊維、またはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維などを挙げることができる。特にナイロン等のポリアミド繊維を用いた場合にはモジュラスが低く、研磨時にスクラッチ傷が発生しにくく適している。また極細繊維の繊度としては0.1〜0.0001dtexの範囲であることが好ましい。平均直径が小さい場合には極細繊維の強度が低下しがちであり、研磨時の表面強度や、繊維質基材としての強度も低下する傾向にある。また平均直径が大きすぎる場合には、研磨工程時に被研磨基材を傷つけやすい傾向にある。
繊維質基材に用いられる高分子弾性体としては、ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン・ポリウレア系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリスチレン・ブタジエン系樹脂、ポリアクリロニトリル・ブタジエン系樹脂などが挙げられるが、加工性、耐摩耗性、耐加水分解性等の点よりポリウレタン系樹脂が好ましい。中でも研磨砥粒のスラリーがアルカリ性または酸性でポリウレタン系樹脂の加水分解劣化を伴うような場合には、エーテル系、またはカーボネート系ポリウレタンであることが好ましい。弾性高分子の繊維に対する重量比率は10/90〜60/40であることが好ましい。また弾性高分子は湿式凝固法などによる多孔質状であることが、砥粒を把持しスクラッチなどの欠点を発生させることなく研磨する上で好ましい。
このような本発明で用いられる繊維質基材は、従来公知の方法によって得られるものであり、例えば以下の加工によって得ることができる。
すなわち、まず極細繊維形成性繊維によって、不織布を作成する。極細繊維成形性繊維としては、例えば、溶剤溶解性の異なる2種以上の繊維形成性高分子を用い公知の紡糸法で繊維を作成した後、一成分を抽出除去する方法があり、紡糸後の延伸により繊維に必要な強度を与えることもできる。なかでもナイロン6/ポリエチレンの組み合わせが工業的に生産しやすいため好ましい。得られた繊維はニードルパンチングなどにより不織布に加工される。このとき不織布に、カレンダー加工を施し、不織布表面の平滑性と、不織布内部密度を高めることが好ましい。次に、得られた不織布に弾性高分子を充填し、その後基材中の極細繊維形成性繊維を極細化することによって、極細繊維の不織布と弾性高分子からなる繊維質基材が得られる。
そしてこの繊維質基材の表面をサンドペーパーなどでバフがけする事によって、本発明で用いられる極細繊維からなる立毛を有する繊維質基材とすることができる。
本発明のディスク加工用基布の製造方法は、このような繊維質基材に高圧水流を吹き付けることを必須とする。高圧水流としては、水圧は5〜60kg/cmの圧力で有ることが好ましく、より好ましくは10〜50kg/cmである。この圧力が5kg/cm未満の時は、例えノズルをいくら近づけてもその勢いは弱く、毛羽屑を十分に除去することが困難な傾向にある。また60kg/cmより大きいの圧力をかけると水流の圧力で表面の立毛繊維が切断されるなど、表面形態が大きく影響を受けてしまう傾向にあり、高圧を発生させるための装置が大がかりな物となるため、その加工コストが上昇する傾向にある。
高圧水流は基材から5〜30cm離れた位置にあるノズルから吹き付けるものであることが好ましい。より好ましくはノズルと基材間の距離が10〜20cmの位置にあることである。このノズルの位置が5cmより近い場合には、その水流の圧力で表面の立毛繊維が切断される傾向にあり大きく表面形態が影響を受ける傾向にある。一方、ノズルの位置が30cmより遠くなると基布表面にあたる水流の圧力が低くなり効果が低下する傾向にあり、また圧力ムラが大きくなり基布表面の毛羽屑が部分的に残存しやすい傾向にある。
また高圧水流は基材の立毛表面に対し10〜50°の角度で吹き付けるものであることが好ましい。このような斜めの角度から吹き付けることによりより効率的に研磨屑を除去することが可能になる。10°より小さい角度で水流を吹き付けた場合、その力が基材に十分に伝わりにくい傾向にあり、毛羽の除去が充分でなくなるおそれがある。一方50°以上の角度で水流を吹き付けると、その水流の勢いから乱流が発生し、毛羽方向と反対方向の水流が発生しやすく、表面の立毛が乱れるばかりか場合によってはピリング状の絡みを発生しやすい傾向にある。このような立毛の乱れや絡みは、加工時にスクラッチなどのキズを発生させる原因となりやすい。
また、高圧水流を吹き付ける前または後に、他の方法による研磨屑の除去方法を追加することも好ましく、例えば回転するブラシロールを立毛表面にあてながら強く吸引する方法や、ウレタンなどの多孔質表面を有するシート状物で立毛表面を拭き取るようにこすり合わせる方法、あるいは繊維質基材を構成する高分子弾性体の良溶剤を立毛表面に塗布する方法などを取る方法が挙げられる。
ブラシロールを用いる方法としては、具体的には立毛繊維方向に100〜1000rpmで回転する0.1〜1.5dtexのPET繊維からなるブラシロールを立毛表面にあてながら、強く吸引するという方法などが挙げられ、高圧水流を吹き付ける前に用いることが特に有効である。多孔質表面を有するシート状物を用いる場合には、例えば表面に開孔径10〜140μmの孔を持ったウレタン多孔質を表面に持つシート状物が好ましくは用いられ、高圧水流を吹き付ける前に好ましく用いられる。
高分子弾性体の良溶剤を立毛表面に塗布する方法は、少量の研磨屑を除去する際に特に有効であり、高圧水流を吹き付けた後に用いることが特に好ましい。若干、ディスク加工用基布の表面立毛形態が変化することにはなるものの、基材中に存在する高分子弾性体の良溶剤をもちい、立毛繊維面にグラビア加工することで、基材を構成する高分子弾性体を一旦膨潤溶解し、立毛極細繊維を一定の圧力で押し込むことができ、表面立毛繊維が押さえつけられた形態で固定化するために、立毛表面における毛羽屑の発生が大きく減少するのである。塗布量としては5〜50g/cmであることが好ましく、グラビア加工時のクリアランスとしては基材厚さの10〜80%であることが好ましい。この範囲の条件にて加工を行うことにより、より極細繊維の性質を活かしたまま極細繊維を固定化することができる。
本発明では高圧水流を吹き付けることが必須であるが、上記その他の方法を併用することはさらに好ましく、さらには立毛表面のみではなく、その裏面に同じ処理を行い、裏面における毛羽脱落も防止する事が好ましい。磁気記録媒体及び類似材料を製造する際に用いられるディスク加工用基布はテープ状で用いられることが多く、加工に使用する前のテープは巻き付けた状態で保管されているため表面と裏面が接触しており、表面のみの加工では裏面から発生した毛羽屑が表面に転写し、ディスク加工時に脱落してくる現象が発生するため、裏面にも立毛表面と同様の処理を行うことが好ましい。
ここで得られた本発明のディスク加工用基布は、極細繊維からなる立毛をその表面に立毛を有するにもかかわらず、繊維質基材表面の極細繊維脱落性が3級以上のものとすることができる。ここで極細繊維脱落性とは、面積20.25cm(4.5cm×4.5cm)のウレタン多孔質層の表面を有する合成皮革を評価ピースとして用いる評価方法で、評価する繊維質基材上に、この多孔質面側を繊維質基材と接触させてのせ、500gの荷重をかけディスク加工方向に10cm移動させた際、極細繊維が脱落して評価用素材に付着した量で級判定する値である。
本発明の製造方法によって得られたディスク加工用基布は、加工時には長さ方向に長いテープ状として用いることが好ましい。さらには長さ方向、幅方向で厚さが均一であることが好ましい。テープ状とした場合の幅は5〜300mm、好ましくは7〜200mmであることが好ましい。また厚さとしては0.3〜1.2mmが好ましく、0.3mm未満では強度が不足する傾向にあり、1.2mm以上では厚く作業性が低下する傾向にある。厚さを最適化するため、または生産性を上げるために得られた基布をスライスして用いるのも良い方法である。
このようにして得られた本発明のディスク加工用基布は特に磁気記録基板のテクスチャ加工やその後に行われるクリーニング加工に好ましく用いられる。例えばハードディスクを製造する際のテクスチャ加工では、本発明のディスク加工用基布と研磨砥粒を分散させたスラリーとを用いて行われる。ディスク加工用基布と共に使用される研磨砥粒スラリーは酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、単または多結晶ダイアモンド、などでありそれぞれ粒径は0.05〜0.5μm程度のものが好ましく使用される。また、テクスチャ加工の後に行われるクリーニング加工にも、本発明の加工用基布は好適に用いられ、テクスチャ加工して得られたハードディスクの表面を、必要に応じて水、薬剤等を加え、本発明のディスク加工用基布でブラッシングすることにより、ハードディスク表面に残存した砥粒粒子や各種破片を極めて有効に除去することが出来る。本発明で得られたディスク加工用基布を用いた場合、加工時に加工面からの毛羽屑の脱落が少ないため、加工液の排水時に用いるフィルターが詰まるまでの時間が長くなり、交換頻度が大幅に改善されるため、研磨加工、ひいてはディスク製造工程の生産効率を大きく改善することができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお各測定方法は下記の方法によった。
(1)毛羽脱落性能評価
基材を加工時にテープの進行方向をタテとして、タテ20cm×ヨコ15cmのサイズにカットし、平坦で硬いステンレスの板の上にのせ周囲をテープで固定する。このときサンプルに力が加わった時に簡単によじれたりしないように注意する。
次に7cm×4.5cmのサイズの表面にウレタン多孔質層の表面を有する評価用素材を用意する。このものは、厚み1.4mm、AskerC硬度55であり、ナップ層550μm、表面開孔径10〜140μmの孔を持ったウレタン多孔質層の表面を有する合成皮革である。
準備した評価用素材の端から2.5cmを紙でふさぎ、面積20.25cm(4.5cm×4.5cm)のウレタン多孔質層の表面を基材表面に当たるように、固定している基材の端に載せる。評価用素材の上(紙がない側)に500gの重りをのせ、測定距離10cm、速度3cm/minでディスク加工時の加工方向と同じ方向になるように移動させた後、基材表面の毛羽脱落性能を1〜5級で級判定を実施する。非常に毛羽落ちが多いものを1級、毛羽落ちがほとんど見られないものを5級とした。
[実施例1]
極細繊維の製造
ナイロン−6とポリエチレンをチップの状態で50:50の重量比で混合して押出機により溶融紡糸を行い、ポリエチレンが海成分の海島断面混合紡糸繊維を紡糸、延伸、捲縮、カットして繊度8dtex、51mm長の短繊維を作製した。得られた繊維の海成分であるポリエチレンを溶解除去して極細繊維化し、任意の繊維束の断面を電子顕微鏡写真にて2000倍に拡大・観察したところ、島成分の平均直径から算出した繊維の平均繊度は、0.0052dtexであった。
ディスク加工用基布の作成
上記の極細化する前の短繊維を、カードおよびクロスレイヤーを用いて積層し、3バーブのニードル針を用い1400本/cmの針密度でニードルパンチして不織布を作成した。得られた不織布は目付570g/m、厚さ2.5mmであった。該不織布を150℃の乾燥機で加熱し、30℃の金属ロールで冷却ニップし固定化した。このニップ処理された不織布の目付は、560g/m、厚さ1.9mmであった。
ニップ処理後の該不織布に、ポリエーテルエステル系ポリウレタン14%濃度のDMF溶液にシリコーン系の凝固調節剤を添加したものを1060g/m含浸し、不織布表面を基材厚さの70%にスクイーズして、余分なポリウレタン樹脂を除去した後、10%ジメチルホルムアミド(以下DMFとする)水溶液の水バス中で凝固して多孔質の高分子弾性体とし、140℃で乾燥した。その後、80℃のトルエンでディップ、ニップを繰り返し、ポリエチレンを抽出した。得られた極細繊維からなる基材は、目付445g/mであった。該基材表面にDMF溶液を200メッシュで2ロール、グラビア塗布し、乾燥後、320メッシュのサンドペーパーで研磨し、さらに、400メッシュのサンドペーパーで逆方向から研磨し基材表面を立毛させ、表面が多くの立毛繊維により覆われている立毛基材を得た。
この立毛基体の表面に、高速800rpmで回転している0.2dtexのPET繊維からなるブラシロールを用い、空気を吸引しながら2回ブラシ掛けを行い立毛繊維の方向を一方向に揃えた後、高圧水流をノズルから60kg/cmの圧力で立毛繊維が存在する基材表面に対して斜め45度の方向から吹き付け毛羽屑を洗い流し、ディスク加工用基布とした。
該基布を乾燥後、毛羽脱落性能評価を行ったところ3級であり、毛羽屑の脱落の非常に少ない基布であった。続いて該ディスク加工用基布を3.5cmにスリットし、アルミニウムハードデイスクのテクスチャ加工に適した、ディスク加工用基布とした。該ディスク加工用基布を用い、研磨剤に0.07μmの多結晶ダイアモンド砥粒を含有しておりアニオン性の分散剤を含んでいるものを用いてテクスチャ加工を実施した。テクスチャ加工後のディスクの表面平均粗さRa=1.8Åと良好であるうえ、スクラッチなどの欠点が非常に少ないテクスチャ加工が行われた。また、その加工時に発生する毛羽は非常に少なく、加工液の排水時に用いるフィルターが詰まるまでの時間が長くなり、そのフィルター等の交換頻度が少なく、ディスクの生産効率を大きく改善することができた。
[実施例2]
実施例1と同様に高圧水流処理を行ったディスク加工用基布を得た。さらに高圧水流で加工した後、#110メッシュのグラビアロールを用い、基材の圧縮率が70%となるロール間のクリアランスにて、基材中の高分子弾性体であるポリウレタンの良溶媒のジメチルホルムアミド(DMF)を20g/cmとなるように塗布し、乾燥処理し、表面に存在する立毛繊維の固定化を行った。表面の立毛感には若干の変化はあったが、表面繊維の被覆率の変化は無いディスク加工用基布が得られた。
該基布の毛羽脱落性能評価を行ったところ、4―5級と毛羽屑の脱落の非常に少ない基布であった。続いて該基布を3.5cmにスリットし、アルミニウムハードデイスクのテクスチャ加工に適した、ディスク加工用基布とした。該ディスク加工用基布を用い、研磨剤に0.07μmの多結晶ダイアモンド砥粒を含有しておりアニオン性の分散剤を含んでいるものを用いてテクスチャ加工を実施した。テクスチャ加工後のディスクの表面平均粗さRa=1.9Åと良好であるうえ、スクラッチなどの欠点が非常に少ないテクスチャ加工が行われた。また実施例1と比較しても、その加工時に発生する毛羽は非常に少なく、加工液の排水時に用いるフィルターが詰まるまでの時間が長くなり、そのフィルター等の交換頻度が少なく、ディスクの生産効率を大きく改善することができた。
[比較例1]
高圧水流処理を行わない以外は、実施例1と同様にして表面が多くの立毛繊維により覆われているディスク加工用基布を得た。
該基布の毛羽脱落性能評価を行ったところ、1級と毛羽屑の脱落の非常に多い基材であった。続いて該基体3.5cmにスリットしアルミニウムハードデイスク用のテクスチャ加工用基布とした。該ディスク加工用基布を用い、研磨剤に0.07μmの多結晶ダイアモンド砥粒を含有しておりアニオン性の分散剤を含んでいるものを用いてテクスチャ加工を実施した。テクスチャ加工後のディスクの表面平均粗さRa=1.8Åと良好であるものの、その加工時に発生する毛羽は非常に多く、加工液の排水時に用いるフィルターがすぐに詰まるという問題があった。頻繁にフィルターを交換しなければ、加工液が溢れて加工が出来ず、フィルター交換に時間を取られるため、ディスクの生産効率が悪いものであった。
[実施例3]
実施例1で作成したディスク加工用基布と精製水を用い、テクスチャ加工後のクリーニング加工を実施した。パーティクルやスラリーの残留物を十分に除去できた上にスクラッチなどの欠点が非常に少ないクリーニング加工が行われた。また、その加工時に発生する毛羽は非常に少なく、加工液の排水時に用いるフィルターが詰まるまでの時間が長くなり、そのフィルター等の交換頻度が大幅に改善され、ディスクの生産効率を大きく改善することができた。
[比較例2]
比較例1で作成したディスク加工用基布と精製水を用い、テクスチャ加工後のクリーニング加工を実施した。パーティクルやスラリーの残留物こそ十分に除去できたものの、毛羽屑に引っかかったスラリーの凝集物起因とみられる、スクラッチなどの欠点が観察された。また、その加工時に発生する毛羽は非常に多く、加工液の排水時に用いるフィルターがすぐに詰まるという問題があった。頻繁にフィルターを交換しなければ、加工液が溢れて加工が出来ず、フィルター交換に時間を取られるため、ディスクの生産効率が悪いものであった。

Claims (8)

  1. 極細繊維からなる立毛を表面に有し、極細繊維と高分子弾性体からなる繊維質基材に、高圧水流を吹き付けることを特徴とするディスク加工用基布の製造方法。
  2. 高圧水流が基材から5〜30cm離れた位置にあるノズルから吹き付けるものである請求項1記載のディスク加工用基布の製造方法。
  3. 高圧水流の水圧が、5〜60kg/cmの圧力である請求項1または2記載のディスク加工用基布の製造方法。
  4. 高圧水流が基材立毛表面に対し10〜50°の角度で吹き付けるものである請求項1〜3のいずれか1項記載のディスク加工用基布の製造方法。
  5. 該繊維質基材を構成する繊維が不織布である請求項1〜4のいずれか1項記載のディスク加工用基布の製造方法。
  6. 該極細繊維の平均繊度が0.1〜0.0001dtexの範囲である請求項1〜5のいずれか1項記載のディスク加工用基布の製造方法。
  7. 高圧水流を吹き付ける前または後に、吸引しながらブラシロール処理する請求項1〜6のいずれか1項記載のディスク加工用基布の製造方法。
  8. 高圧水流を吹き付ける前または後に、繊維質基材を構成する高分子弾性体の良溶剤を塗布する請求項1〜7のいずれか1項記載のディスク加工用基布の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010069592A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Asahi Kasei Fibers Corp テクスチャー加工研磨布
JP2011224701A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Teijin Cordley Ltd 研磨パッド用素材の製造方法

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