JP6398467B2 - シート状物 - Google Patents
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Description
磁気記録ディスクの基板の研磨には、硬質ポリウレタンフォームなどからなる研磨パッドによってスラリー研削を行った後、微小な傷や突起を研削して平滑性を高めるべく、研磨布の表面に遊離砥粒を付着させて研磨加工を行う方法が用いられている。
この提案の研磨布によれば、磁気記録ディスクの基板表面の平滑性が大幅に向上し、磁気欠点やエラー欠点が抑えられる傾向にある。しかしながら、この提案で用いられている繊維径が1.4μm程度の極細繊維では、研磨加工時の砥粒の分散性が十分でなく、磁気記録ディスクの基板表面にスクラッチ欠点が入りやすいという課題があった。
また、繊維径の均一性に関しては、極細繊維の繊維径CV値は10%以下であることが重要である。より好ましくは、8%以下である。ここでいう繊維径CV値とは、任意の100カ所の極細繊維の繊維径を測定して平均値および標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で割った値を百分率(%)表示したものであり、値が小さいほど均一であることを示すものである。繊維径CV値を10%以下とすることにより、立毛面上の極細繊維の基板表面に対する押し付け力と掻き出し力が、基板表面全体にわたり均一となり、研磨加工時のスクラッチ発生が低減する。また、下限は特に限定されないが、通常0.1%以上となる。繊維径CVを上記範囲とするためには、後述する海島複合口金により得られる極細発生型繊維を用いることが好ましい態様である。
表面粗さを5μm以上、より好ましくは7μm以上とすることにより、研磨加工時の砥粒の保持性や分散性、および洗浄加工時の拭き取り性の観点から優れた効果を発揮する。また、表面粗さを20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下とすることにより、研磨および洗浄加工時の極細繊維の押し付けが基板表面全体にわたり均一となり、スクラッチ抑制と残渣除去の観点から優れた効果を発揮する。
本発明で用いられるポリウレタン系エラストマーとしては、ポリウレタンやポリウレタン・ポリウレアエラストマーなどが挙げられる。
海島型繊維の海成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、およびポリ乳酸等を用いることができる。後述する高密度化収縮処理にて高い収縮性を発現させるために、海性分はポリスチレンや共重合ポリスチレンを用いることが好ましい。
(1)極細繊維発生型の海島型複合繊維で構成された不織布に、前記弾性重合体溶液を含浸し、水もしくは有機溶媒水溶液中で凝固させた後、海島型複合繊維の海成分を、弾性重合体は溶解しない溶剤で溶解除去する方法や、
(2)極細繊維発生型の海島型複合繊維で構成された不織布に、鹸化度が好ましくは80%以上のポリビニルアルコールを付与し、繊維の周囲の大部分を保護した後、海島型複合繊維の海成分を、ポリビニルアルコールは溶解しない溶剤で溶解除去し、次いで弾性重合体の溶液を含浸し、水もしくは有機溶剤水溶液中で凝固させた後、ポリビニルアルコールを除去する方法、などが好ましく用いられる。
これらの珪素系化合物は、研磨と洗浄加工用途に用いる際は、基板への珪素系化合物の基板への付着により欠点となる可能性があるため、珪素化合物の存在量は前記の範囲とすることが好ましい。このシート状物中の珪素化合物含有量については、ICP発光分光分析装置などにより測定することができる。
本発明のシート状物は、極細繊維を含む不織布(繊維絡合体)と弾性重合体からなるシート状物の少なくとも一面に、極細繊維の立毛を有することが重要である。
この立毛は一般的にはバフィング処理により得られるが、ここでいうバフィング処理とは、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて極細繊維不織布のシート表面を研削する方法などにより施すことが好ましい。とりわけ、シート表面を、サンドペーパーを使用して起毛処理することにより、均一で緻密な立毛を形成することができる。
また、研削負荷を低減するために、起毛処理前に、極細繊維を含む不織布(繊維絡合体)と弾性重合体からなるシートを、水や薬品で湿潤状態とすることも好ましい態様である。極細繊維を含む不織布(繊維絡合体)と弾性重合体からなるシートを湿潤状態とすることにより、加工時の極細繊維不織布シートの滑り性が良くなり、融着なく極細繊維を分散させることが可能となる。また、バフィング処理を受ける面のみを液体で湿潤状態とすることができる。この場合、液体の塗布量を少なくとも10g/m2以上にすることにより、融着なく起毛処理できる。これらシートを湿潤状態とする方法としては、前述のシート全体を湿潤状態とした後に窄液する手法が、斑無く緻密な表面が得られるためより好ましい態様である。
極細繊維の平均繊維径は、シート状物を厚み方向にカットした断面を観察面として、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、任意の100カ所の極細繊維の繊維径を測定し、これを母集団とした標準偏差および平均値を算出する。また、繊維径が5μmを超える繊維が混在している場合には、当該繊維は極細繊維に該当しないものとして平均繊維径の測定対象から除外するものとする。
この平均値を平均繊維径とし、標準偏差を平均値で割った値を百分率(%)表示したものを繊維径CV値とした。
本発明のシート状物の表面粗さは、サーフコーダSE−40C(Kosaka−Laboratory Ltd)を用いて測定した。シート状物を、その立毛の順目方向(立毛が寝る方向)と装置の触針の進行方向が同方向になるように平面台上に固定して、先端半径5μm、先端面積79μm2の触針を用いて、送り早さ0.5m/分、評価長さ12.5cm、カットオフ2.5cm、縦倍率500倍、そして横倍率2倍で測定した。測定は5回行い、その平均値を表面粗さの数値として採用した。
本発明のシート状物を、1cm角に切り出し平面圧子に両面テープを用いて取り付け、十分な水を浸みこませた。これを表面性測定機(新東科学(株)製HEIDON−14D)の移動台に取り付けたガラス板上に置き、表面の立毛の順目方向(立毛が寝る方向)に移動台を水平移動させたときの摩擦抵抗を測定し、動摩擦係数を求めた。試験速度は500mm/分とし、荷重条件は600g/m2とした。測定は3回行い、その平均値を動摩擦係数の数値として採用した。
シート状物試料5gに硫酸を添加し、一昼夜放置して炭化させた後、ホットプレートにて硫酸を揮散させた。得られた炭化物を、電気炉を用いて550℃の温度で2時間加熱し、灰化処理を行った。得られた灰化物を炭酸ナトリウム融解し、希塩酸に溶解させたものを試料溶液とした。試料溶液をICP発光分光分析装置に導入し、珪素の定量を行った。
立毛被覆率は、上述したように、シート状物の立毛面について、走査型電子顕微鏡(SEM)により立毛繊維の存在がわかるように観察倍率40倍に拡大し、画像分析ソフトウェアImageJを用いて合計面積4mm2あたりの立毛部分の総面積の比率を算出し、立毛被覆率とした。
本発明のシート状物を、40mm幅のテープとした。研磨対象として、表面粗さが0.2nm以下に制御されたHOYA社製のアモルファスガラスからなる基板を用いた。基板の両面を一度に研磨すべく、テープを基板の両面にセットして、研磨布表面に1次粒子径1〜10nmの単結晶ダイヤモンド粒子が平均径50nmにクラスター化した遊離砥粒を0.01%含む研磨剤を、15ml/分で両面側に滴下し、基板へのテープの押付圧を1000g重、基板回転数を400rpm、基板揺動数を5Hz、テープ走行速度2.5cm/分として、10秒間研磨した。
研磨加工直後の基板を、研磨材を洗浄剤(三洋化成株式会社製“ケミクリーン”(登録商標)PR−122)に代えて、テープの押付圧を750g重、加工時間を30秒とすること以外は、研磨加工と同じ条件で洗浄加工し、流水で洗浄した。
JIS B0601(2013年度版)に準拠して、シュミットメジャーメントシステム社(Schmitt measurement Systems, Inc)製TMS−2000表面粗さ測定器を用いて、研磨加工後のディスク基板サンプル表面の任意の10ヶ所について平均粗さを測定し、10ヶ所の測定値を平均することにより基板表面粗さを算出した。数値が低いほど、高性能であることを示す。基板表面粗さが0.20nm以下を加工性良好とし、0.20nmを超える場合は加工性不良とした。
研磨加工後の基板5枚の両面、すなわち計10表面の全領域を測定対象として、Candela6100光学表面分析計を用いて、深さ3nm以上の溝をスクラッチとし、スクラッチ点数を測定し、10表面の測定値の平均値で評価した。数値が低いほど高性能であることを示す。スクラッチ点数が30以下を加工性良好とし、30を超える場合は加工性不良とした。
洗浄加工後のガラス基板に磁性層を形成し、磁気欠点やエラー欠陥という基板表面上に残存する異物起因の不良ディスク発生率を算出した。測定は、ディスク100枚を1セットとし、計10セット実施した。それぞれのセット毎に、ディスク表面の異物起因の不良ディスク発生率を算出し、10セットにおける発生率の平均値を、不良ディスク発生率とした。不良ディスク発生率が1%以下を加工性良好とし、1%を越える場合は加工性不良とした。
(原綿)
(海成分と島成分)
融点が220℃で、MFRが58.3g/10分のナイロン6を島成分とし、融点が53℃で、MFRが300g/分のアクリル酸2−エチルヘキシルを22mol%共重合した共重合ポリスチレン(co−PSt)を海成分として用いた。
上記の海成分と島成分を用い、2000島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度270℃、島/海質量比率30/70、吐出量1.4g/分・ホール、紡糸速度1200m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、85℃の温度の液浴中で3.0倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮を付与し、この繊維をカットして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の原綿を用い、カード工程とクロスラッパー工程を経て、積層繊維ウェブを形成した。次いで、得られた積層繊維ウェブに、トータルバーブデプス0.08mmのニードル1本を植込んだニードルパンチ機を用いて、針深度7mm、パンチ本数3200本/cm2でニードルパンチを施し、目付が800g/m2で、見掛け密度が0.205g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記のようにして得られた極細繊維発生型繊維不織布を85℃の温度で熱水収縮処理させた後、ポリビニルアルコールを繊維質量に対し54質量%付与後、乾燥させた。次に、この極細繊維発生型繊維不織布にトリクロロエチレンを含浸させ、海成分を除去する極細繊維発生加工を施して、極細繊維で構成された不織布を得た。
(原綿)
8000島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度270℃、島/海質量比率15/85、吐出量0.9g/分・ホール、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度2.5dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が820g/m2で、見掛け密度が0.231g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が60nmであり、厚さが0.56mm、目付が182g/m2で、見かけ密度は0.313g/cm3であり、表面粗さが8.8μmであり、動摩擦係数が0.707、珪素含有量が34ppmで、立毛被覆率が84%であった。
得られたシート状物を40mm幅のテープとし、実施例1と同一の方法で研磨し洗浄加工を実施した。加工後のディスクは、表面粗さが0.18mで、スクラッチ点数は19で、不良ディスク発生率は0.4%であり、加工性は良好であった。結果を表1に示す。
(原綿)
5000島/ホールの海島型複合口金を用いて、紡糸温度270℃、島/海質量比率15/85、吐出量1.1g/分・ホール、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.2dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が800g/m2で、見掛け密度が0.202g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が100nmであり、厚さが0.56mm、目付が178g/m2で、見かけ密度は0.322g/cm3であり、表面粗さが9.2μmであり、動摩擦係数が0.651、珪素含有量が29ppmで、立毛被覆率が86%であった。
(原綿)
島本数1000島/ホールの海島型複合口金を用いて、吐出量1.2g/分・ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が770g/m2で、見掛け密度が0.207g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が400nmであり、厚さが0.56mm、目付が196g/m2、見かけ密度は0.342g/cm3であり、表面粗さが12.4μmであり、動摩擦係数が0.598、珪素含有量が35ppmで、立毛被覆率が83%であった。
(原綿)
固有粘度が1.20のポリエチレンテレフタレートを島成分としたこと以外は、実施例4と同様にして、単繊維繊度が3.1dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例4と同様にして、目付が840g/m2で、見掛け密度が0.225g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例4と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が400nmであり、厚さが0.56mm、目付が201g/m2、見かけ密度は0.345g/cm3であり、表面粗さが12.7μmであり、動摩擦係数が0.512、珪素含有量が32ppmで、立毛被覆率が81%であった。
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が800g/m2で、見掛け密度が0.205g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%からなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で60質量%付与したこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、厚さが0.56mm、目付が191g/m2、見かけ密度は0.338g/cm3であり、表面粗さが9.3μmであり、動摩擦係数が0.643、珪素含有量が24ppmで、立毛被覆率が83%であった。
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が800g/m2で、見掛け密度が0.205g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%からなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で23質量%付与したこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、厚さが0.56mm、目付が187g/m2、見かけ密度は0.329g/cm3であり、表面粗さが10.0μmであり、動摩擦係数が0.625、珪素含有量が31ppmで、立毛被覆率が87%であった。
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が800g/m2で、見掛け密度が0.205g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%とからなるポリウレタンを、繊維質量に対して固形分で30質量%付与し、液温35℃の30%DMF水溶液でポリウレタンを凝固させ、約85℃の温度の熱水で処理し、DMFおよびポリビニルアルコールを除去した後、シート質量に対して、珪素の含有量が200ppmとなるように珪素系の滑剤(東レ・ダウコーニング社製:SM7036EXの付与濃度およびウェットピックアック率を調整し、含浸付与、乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、厚さが0.54mm、目付が182g/m2、見かけ密度は0.323g/cm3であり、表面粗さが9.2μmであり、動摩擦係数が0.643、珪素含有量が203ppmで、立毛被覆率が89%であった。
(長繊維不織布)
特開2007−100249号公報に記載の実施例1に準じて、溶融粘度310poise(240℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のナイロン6(N6)(40重量%)、と重量平均分子量12万、溶融粘度720ポイズ(240℃、剪断速度121.6sec−1)、融点170℃のポリ乳酸(PLA)(光学純度99.5%以上)(60質量%)を、2軸押出混練機を用いて220℃の温度で混練して、ブレンドチップを得た。ここでPLAの重量平均分子量は、次の方法を用いて求めた。
上記で得られたポリマーアロイ繊維からなる長繊維不織布に、油剤(SM7060EX:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)を繊維質量に対し2質量%付与し、4枚積層し、バーブ数が1で、バーブ深さが0.06mmのニードルを用いて、ニードルパンチを5000本/cm2で施すことにより、目付が600g/m2のポリマーアロイ繊維からなる不織布を得た。
(原綿)
融点が220℃で、MFRが58.3g/10分のナイロン6と、融点が53℃で、MFRが300g/分のアクリル酸2−エチルヘキシルを22mol%共重合した共重合ポリスチレン(co−PSt)を、質量比率で3:5の割合で混合して島成分とした。そして、島成分に用いたのと同様の共重合ポリスチレン(co−PSt)を海成分とした。島本数が200島/ホールの海島型複合口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が5.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が760g/m2で、見掛け密度が0.223g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が220nmであり、厚さが0.55mm、目付が172g/m2で、見かけ密度は0.310g/cm3であり、表面粗さが11.3μmであり、動摩擦係数が0.565、珪素含有量が29ppmで、立毛被覆率が81%であった。
(原綿)
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が800g/m2で、見掛け密度が0.205g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
立毛加工の際に、シートを乾燥状態で、JIS#320番のサンドペーパーを用いて、サンドペーパーの回転と逆方向にシートを進行させ、シート速度1m/分、2段バフィングとしたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維が融着していた。また、厚さは0.56mmで、目付は181g/m2であり、見かけ密度は0.328g/cm3であり、表面粗さが20.3μmであり、動摩擦係数が0.476で、珪素含有量が31ppm、立毛被覆率が66%であった。
(原綿)
島本数450島/ホールの海島型複合口金を用いて、吐出量を1.1g/分・ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、実施例1と同様にして、目付が770g/m2で、見掛け密度が0.216g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が600nmであり、厚さは0.54mmであり、目付は190g/m2であり、見かけ密度は0.350g/cm3であり、表面粗さが14.7μmであり、動摩擦係数が0.484、珪素含有量が27ppmで、立毛被覆率が82%であった。
(原綿)
島本数200島/ホールの海島型複合口金を用いて、吐出量2.0g/分・ホールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.0dtexで、繊維長が51mmの海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて実施例1と同様にして、目付が760g/m2で、見掛け密度が0.230g/cm3の極細繊維発生型繊維不織布を作製した。
上記の極細繊維発生型繊維不織布を用いて、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物は、極細繊維の平均繊維径が1000nmであり、厚さが0.55mmであり、目付が164g/m2であり、見かけ密度が0.340g/cm3であり、表面粗さが15.2μmであり、動摩擦係数が0.447で、珪素含有量が24ppm、立毛被覆率が78%であった。
Claims (6)
- 断面形状が丸型であり、平均単繊維径が500nm以下であって、繊維径CV値が、10%以下である極細繊維を主体とする繊維絡合体と弾性重合体で構成されたシート状物であって、少なくとも片面が前記極細繊維からなる立毛面となって極細繊維で被覆されており、前記立毛面における立毛被覆率が70〜99%で、表面粗さが5〜20μmであり、かつ動摩擦係数が0.50〜0.80であることを特徴とするシート状物。
- 極細繊維が、ポリエステル繊維またはポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1に記載のシート状物。
- 弾性重合体の含有率が、繊維絡合体の総質量に対して20〜80質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のシート状物。
- 珪素化合物の存在量が0〜100ppmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物からなる研磨布。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物からなる洗浄加工布。
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CN110977621A (zh) * | 2019-11-22 | 2020-04-10 | 汤先忠 | 一种生物质燃烧机配件炉排铸造成型表面处理方法 |
CN110977621B (zh) * | 2019-11-22 | 2020-12-04 | 抚州金叶农资有限责任公司 | 一种生物质燃烧机配件炉排铸造成型表面处理方法 |
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