JP2003170348A - 研磨基布およびその製造方法 - Google Patents
研磨基布およびその製造方法Info
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Abstract
の精密研磨を行う際に、研磨条件の変動で基板表面に深
い溝(スクラッチ)を生じない均一に研磨できる研磨基
布を提供すること。 【解決手段】 繊維質基材とその空隙に高分子弾性体を
充填してなる複合体である立毛を有する基布であって、
繊維質基材を構成する繊維が平均直径0.05〜2μm
の極細繊維であり、該極細繊維が20本以上収束して繊
維束を構成しており、該繊維束からなる立毛の平均立毛
長さが50〜1000μm、平均立毛本数が5〜30本
/mm2であり、かつ基布中のけい素の含有量が300
ppm以下であることを特徴とする研磨基布。また本発
明の研磨基布の製造方法は、基布にポリアルキレンオキ
サイド溶液または流動パラフィン乳化分散体を付与し、
次いで起毛することを特徴とする。
Description
要求される磁気記録媒体および類似材料を製造するに際
して用いられる研磨基布に関する。特にハードデイスク
等の磁気記録基板の製造において、テクスチャー加工に
好適に用いられる研磨基布、およびその製造方法に関す
るものである。
の発達に伴い、磁気記録媒体やシリコンウエハーに対す
る高精度の表面仕上げが要求されている。例えば磁気記
録媒体としてハードデイスク等の磁気記録基板を製造す
る場合、アルミニウム、ガラス等の表面を平滑化する加
工を行い、ニッケル−Pメッキ等の非磁性メッキ処理を
施した後に、コバルト系合金等からなる磁性薄膜層を形
成、さらに炭素質等の表面保護層で被覆したものが使用
されているが、前記平滑化加工のための研磨基布に対す
る要求もますます高くなってきている。特にこの磁気記
録基板を平滑化する加工の最後の段階では、デイスク表
面に微細な溝を形成させるために砥粒を分散させたスラ
リーと研磨基布を用いたテクスチャー加工と呼ばれる表
面加工処理が行われている。
ては、従来、繊維径5μm程度の極細繊維からなる織物
や、繊維径14μm程度の繊維を植毛した植毛シートな
どがあった。しかしながら5μm程度の極細繊維では不
十分であり、かつ織物では繊維の自由度が少ないため、
他方、植毛シートは表面に対して垂直に太い繊維が配列
しているため、基材表面に深い傷をつけやすく、信頼性
の低い磁気記録媒体しか得ることができなかった。
7175号公報では繊維径10μm以下の極細繊維が絡
合し、立毛を有する不織布である研磨シートが提案され
ている。しかし、メルトブロー法による繊維は強度が弱
く、また通常の分割繊維を使用した場合でも物理的に絡
合しただけであるので、極細繊維が脱落しやすいという
問題があった。また通常テクスチャー加工はテープ状に
して使用するが、この方法では強度が不足し、補強層を
積層しなければならないという問題があった。他に特開
平11−138407号公報では織布の織り束の一部を
切断して起毛してなる研磨布が提案されている。しかし
一度織布にしなければならないために、2μm未満の極
細繊維は毛羽立ちのために工業的には製造が困難である
という問題があった。
を解決するためになされたものであり、その目的は磁気
記録媒体等の表面にテクスチャー加工等の精密研磨を行
う際に、研磨条件の変動で基板表面に深い溝(スクラッ
チ)を生じない均一に研磨できる研磨基布、およびその
製造方法を提供する事にある。
維質基材とその空隙に高分子弾性体を充填してなる複合
体である立毛を有する基布であって、繊維質基材を構成
する繊維が平均直径0.05〜2μmの極細繊維であ
り、該極細繊維が20本以上収束して繊維束を構成して
おり、該繊維束からなる立毛の平均立毛長さが50〜1
000μm、平均立毛本数が5〜30本/mm2であ
り、かつ基布中のけい素の含有量が300ppm以下で
あることを特徴とする。さらには、該繊維束の中心から
半径1/2の範囲に存在する極細繊維の平均直径d1が
0.3〜10μmであり、外周部に存在する極細繊維の
平均直径d2が0.05〜1μmであり、d1がd2の
1.5倍以上であることが好ましい。
質基材とその空隙に高分子弾性体を充填してなる複合体
である基布であって、繊維質基材を構成する繊維が平均
直径0.05〜2μmの極細繊維であり、該極細繊維が
20本以上収束して繊維束を構成している基材に、ポリ
アルキレンオキサイド溶液または流動パラフィン乳化分
散体を付与し、次いで起毛することを特徴とする。
その空隙に高分子弾性体を充填してなる複合体である。
この繊維質基材は、極細繊維が収束してなる繊維束によ
って構成されており、繊維質基材の表層部以外の基材内
部では、主に高分子弾性体は繊維束の外に存在してい
る。該繊維束は少なくとも20本以上の極細繊維からな
ることが必要であり、好ましくは50〜2000本、最
も好ましくは100〜1600本の極細繊維からなるも
のである。極細繊維の本数が20本未満であると、下記
に述べる立毛である効果が発揮されにくい。また生産性
などの面から、繊維質基材中の1本の繊維束を構成する
極細繊維の繊度の合計は1〜10dtex、さらには2
〜5dtexであることが好適である。
を有することが必須である。極細繊維からなる立毛は高
い研磨砥粒の把持力を有しており、その立毛を有する表
面で研磨することにより、均一で同心円上の溝を被研磨
基材に形成させる効果が一層容易に発揮され、異常傷の
発生も少なくなるのである。
必要があり、さらに好ましくは6〜25本/mm2であ
る。5本/mm2以下の場合には1本の繊維束の束が大
きくなりすぎ、研磨基布表面に凹凸を作るため好ましく
ない。また、30本/mm2以上の繊維束を出すには研
磨基布を構成する元となる不織布のニードルパンチング
の数を多くする必要がある。ニードルパンチングの数が
増えれば、不織布を構成する繊維が切断され、研磨基布
の強度劣化につながり好ましくない。
があり、さらに好ましくは100〜900μmである。
立毛長さが50μm以下であれば研磨スラリー中の砥粒
を極細繊維で把持することができない。1000μm以
上であれば、研磨布表面にうねりが生じる。
径が0.05〜2μmであることが必要であり、さらに
は0.1〜1.5μm、最も好ましくは0.2〜1μm
であることが好適である。
内の領域に存在する中心部の極細繊維の平均直径d1は
0.3〜10μm(約0.0008〜約0.94dte
x)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2
μm(約0.0024〜約0.038dtex)であ
る。平均直径d1が0.3μm未満の場合には極細繊維
の強度が低下しがちであり、複合体としての強度も低下
する傾向にある。また平均直径d1が10μmを超える
場合には、研磨工程時に被研磨基材を傷つけやすい傾向
にある。
d2は0.05〜1μm(約0.00002〜約0.0
094dtex)であることが好ましく、より好ましく
は0.1〜0.7μm(約0.0001〜約0.004
6dtex)、最も好ましくは0.2〜0.5μm(約
0.00038〜約0.0024dtex)である。平
均直径d2が0.05μm未満の場合には、極細繊維の
強度が低いので研磨時に極細繊維の脱落が生じる傾向に
ある。
直径は10μm(約0.94dtex)以下であること
が好ましく、3μm(約0.1dtex)以下だともっ
と好ましい。また極細繊維の最小のものの直径は0.0
1μm(約0.000001dtex)以上であること
が好ましい。極細繊維の直径が10μmを超える場合に
は、研磨工程時に被研磨基材を傷つけやすい傾向にあ
る。
密度によって異なるため、ナイロンで換算した数値を例
示した。
部の平均直径d2の1.5倍以上であることが好まし
い。さらにはd1がd2の2.0倍以上であることが好ま
しく、最も好ましくは3.0倍以上である。本発明では
特にこの関係にある場合に、研磨基布の強度と精密な研
磨性を高いレベルで両立させることができる。もし中心
部の極細繊維が外周部と同様に細ければ研磨基布の強度
が保ちにくい。特にハードデイスクのテクスチャー加工
時のようにテープ状で使用する場合、加工時の張力によ
り研磨基布の幅減少が生じると表面が荒れるため均一な
加工ができない。研磨基布の繊維質基材を構成する繊維
束の中心部の極細繊維の直径が太くなっている場合に
は、繊維束の強度を低下させず、外周部の極細繊維の直
径が細くなっているので、微細な研磨砥粒の研磨基布へ
の付着性が向上し、また研磨屑等ノイズの原因となる微
細なゴミを除去する効果が増す。
電子顕微鏡写真を撮り、この写真より極細繊維断面の直
径を測定し平均値を出した。また、切断面にある1つの
繊維束の最長径の中点を中心とし、この中心から最外周
までの距離の1/2の範囲内に存在する極細繊維を中心
部の繊維、側面から観察可能な最外層の極細繊維を外周
部の繊維と定義した。
方法は特に限定されないが、具体的には溶剤溶解性の異
なる2種以上の繊維形成性高分子を用い公知の紡糸法で
繊維を作成した後一成分を抽出除去する方法があり、紡
糸後の延伸により繊維に必要な強度を与えることができ
る。本発明の目的に最も合致した繊維束を得るために
は、例えば特開平6−257016号公報に例示される
ような混合紡糸法が好ましい。極細繊維成分を構成する
繊維形成性高分子としてはナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン12などのポリアミド、またはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル、などを用いることができ、これらと溶剤
溶解性の異なる高分子として低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、などを用いることができ
る。特にナイロン等のポリアミド繊維を用いた場合に
は、ポリエステル繊維よりモジュラスが低く、研磨時に
スクラッチ傷が発生しにくく適している。なかでもナイ
ロン6/ポリエチレンの組み合わせが工業的に生産しや
すいため好ましい。
けるメルトフローインデックスを小さくする(粘度を大
きくする)ことや、島成分と海成分のメルトフローイン
デックスの差を大きくすることが、d1/d2の比が大
きい繊維束を得るためには好ましい手段である。さらに
は混合紡糸の際、ポリエチレングリコールを0.2〜3
重量%、好ましくは0.5〜2重量%添加することも有
利な手段である。
は不織布、織物、編み物などをさすが、2μm以下の極
細繊維を含む条件を満たすためには不織布であることが
最も好ましい。不織布を作成する方法は公知の方法によ
ることが出来、特に限定されないがカード、クロスラッ
パー、ニードルロッカー等によるニードルパンチング不
織布、流体を使用した絡合不織布などが好ましい。
高分子弾性体を充填する。ここで用いる高分子弾性体の
100%伸長モジュラスは、9〜40MPaであること
が好ましい。高分子弾性体としてはポリウレタン樹脂、
ポリウレタン・ポリウレア樹脂、ポリアクリル酸樹脂、
ポリスチレン・ブタジエン樹脂、ポリアクリロニトリル
・ブタジエン樹脂などを用いる事が出来るが加工性、耐
摩耗性、耐加水分解性等の点よりポリウレタン系樹脂が
好ましい。
00のポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、
ポリカーボネートジオールなどのポリオール単独または
混合物と有機ジイソシアネート、分子量500以下の低
分子鎖伸長剤とを反応させたものを用いることが出来、
研磨砥粒のスラリーがアルカリ性または酸性でポリウレ
タン樹脂の加水分解劣化を伴うような場合はエーテル
系、またはカーボネート系ポリウレタンを用いると良
い。
率は10/90以上であることが好ましい。より好まし
くは高分子弾性体/繊維質基材の比率は10/90〜6
0/40、さらに好ましくは25/75〜50/50で
ある。高分子弾性体の比率が10%未満では補強効果が
少なく加工時の寸法安定性が不足する傾向にある。高分
子弾性体が60%を越える場合は研磨砥粒の付着状態が
悪くなる傾向にあり、また研磨屑の除去性がわるくなる
傾向にある。高分子弾性体を処理する方法は、高分子弾
性体の有機溶剤溶液または水性分散液を含浸、および/
または塗布した後湿式凝固、あるいは乾式凝固法により
付着させる事が出来るが、高分子弾性体は繊維質基材の
空間を充填する形で均一に付着させる事が好ましく、ま
た高分子弾性体を多孔質状に凝固させる事が砥粒を把持
しスクラッチなどの欠点を発生させることなく研磨する
上で好ましく、そのためには湿式凝固法が最も適する。
高分子弾性体の有機溶剤としてはジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、な
どの極性溶媒の他トルエン、アセトン、メチルエチルケ
トンなどを用いることが出来る。また、湿式凝固法を採
用する場合には凝固調整剤、多孔調整剤などが該高分子
弾性体とともに用いられる。
束間に存在する空隙に存在することが好ましい。また、
さらに高分子弾性体は繊維質基材の空間に充填させるだ
けでなく、表面の極細繊維からなる繊維束の中にも少量
充填する事が、極細繊維の脱落を抑え研磨屑の発生を減
少させることができるので好ましい。そのためには、高
分子弾性体やその溶剤を高分子弾性体充填後にグラビア
などで表面に小量塗布すればよい。
さが均一であることが好ましい。研磨基布の厚さは0.
3〜1.2mmが好ましく、0.3mm未満では強度が
不足する傾向にあり、1.2mm以上では厚く作業性が
低下する傾向にある。厚さを最適化するため、または生
産性を上げるために得られた基布をスライスするのも良
い方法である。また研磨基材幅は5〜300mm、好ま
しくは7〜200mmのテープ状形態を有することが有
利である。
300ppm以下である必要があり、さらに好ましくは
200ppm以下である。けい素含有量が300ppm
以上であると、テクスチャー加工後のディスク表面にけ
い素化合物が残留し、磁気層の蒸着等に悪影響を及ぼす
ので好ましくない。
には、繊維基材に高分子弾性体を充填して得られた複合
体基布に起毛処理するが、その際複合体基布を有機シリ
コーン化合物で処理して繊維の起毛効果を高めることが
行われている。有機シリコーン化合物によって、立毛処
理時の繊維の滑りをよくしているのである。しかし本発
明者らの研究によれば、一般に立毛加工時に用いられる
有機シリコーン化合物を使用して繊維基布を研磨する起
毛処理を行った場合、その基布に有機シリコーン化合物
が残存し、その残存する有機シリコーン化合物が研磨処
理の際脱落して、研磨される磁気記録媒体の表面に付着
すること、この付着した有機シリコーン化合物は、媒体
表面に磁気層を形成させた場合、その付着部分において
磁気層が剥離する現象が起こることが判明した。
る研磨基布の製造方法は、繊維質基材とその空隙に高分
子弾性体を充填してなる複合体である基布であって、繊
維質基材を構成する繊維が平均直径0.05〜2μmの
極細繊維であり、該極細繊維が20本以上収束して繊維
束を構成している基材に、ポリアルキレンオキサイド溶
液または流動パラフィン乳化分散体を付与し、次いで起
毛することである。
ドとしてはポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共
重合体が好ましい。特に総分子中のエチレンオキサイド
部分の比率が70%以上であり、かつポリプロピレング
リコール分子量が900以上あるものが最も好適に用い
られる。全体の分子量は5万以上のものが好ましい。ま
た、流動パラフィン水系乳化分散体としては、その取り
扱い性の良さから界面活性剤で水系乳化分散体にしたも
のであり、特に直鎖状で、分子量が100〜300であ
るものが好適に用いられる。
パラフィン乳化分散体の処理方法としては研磨布基材全
体に処理するディップニップ方や、表面に選択的に処理
するグラビア方式やコート方式が適宜用いられる。ディ
ップニップ方式の好ましい処理量は固着量が基材重量に
対して0.20〜10.00%の範囲で処理することが
好ましい。表面へ選択的に塗布する方法において好まし
い処理量は0.05〜2.0g/m2であり、より好ま
しい範囲は0.10〜1.50g/m2である。付着量
が多い場合には不経済であるばかりでなく、立毛が長く
なりすぎたり、起毛工程で起毛のために用いるサンドペ
ーパーに目詰まりを起こさせるので好ましくない。
ク等の被研磨材と研磨基布の間に供給された時に、適当
な速さでスラリーが研磨基布に吸い込まれるために、処
理することも好ましい。例えばアニオン性の浸透剤とし
てジオクチルスルホサクシネート・ナトリウム塩、ドデ
シルジフェニルエーテルジスルホン酸・ナトリウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸・ナトリウム塩、ナフタレ
ンスルホン酸・ナトリウム塩、などが、ノニオン性浸透
剤としては2級ラウリルアルコール・エトキシレート、
ドデシルアルコールのエチレンオキシド付加物、エチレ
ンオキシド付加アルキルフェニルエーテルなどが好まし
く用いられる。
録基板の研磨に好ましく用いられる。ハードデイスクを
製造する際のテクスチャー加工にもとづいて説明すると
次のようになる。この方法は本発明の研磨基布と研磨砥
粒を分散させたスラリーによっておこなわれる。これに
は通常のテクスチャー加工条件が適用でき、一例をあげ
ると研磨砥粒を分散させたスラリーの砥粒濃度が0.1
〜1重量%、研磨スラリー液の供給量が4〜15ml/
分、デイスク回転数が100〜500rpm、研磨基布
の供給量が1〜10ml/秒、シリンダー押しつけ圧力
が49〜294kPa、研磨時間が5〜30秒である。
研磨基布のイオン性が同種であるか、あるいはいずれか
がノニオン性であることが好ましい。例えばいずれかが
アニオン性で他方がカチオン性である場合、研磨基布記
面で分離が生じテクスチャー加工の安定性がそこなわれ
る傾向にある。
は酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化セリウム、酸化
ジルコニウム、窒化珪素、単または多結晶ダイアモン
ド、などでありそれぞれ粒径は0.05〜0.5μm程
度のものが使用される。
が、本発明はこれらにより制限されるものではない。実
施例で特段断りのない限りパーセント(%)、比率は重
量%、または重量比率を示す。実施例における測定値は
それぞれ以下の方法によったものである。
作成した研磨基布を冷却装置付ミクロトーム(株式会社
日本ミクロトーム研究所製、EF−10型電子式試料冷
却装置付きRM−S型ミクロトーム)を使用して断面方
向にカットし、これを走査型電子顕微鏡(日本電子デ−
タム株式会社製、JSM−6100型走査型電子顕微
鏡)を用いて繊維断面写真を撮り、研磨基布表面に対し
て直角に切断され、かつ円形または円形に近い楕円形の
繊維束断面を5本選び4000倍の倍率で切断面の写真
を撮影する。この写真を用いて繊維束内の極細繊維断面
の直径を測定し、極細繊維束における極細繊維の平均値
を出した。
心とし、この中心から繊維束最外周までの距離の1/2
の範囲内に存在する極細繊維を中心部の極細繊維、側面
から観察可能な最外層の極細繊維を外周部の極細繊維と
定義し、対象極細繊維が少ない場合には全数、多い場合
にはランダムに選んだ中心部の極細繊維20本、外周部
の極細繊維50本、の直径を測定し1繊維束の平均をだ
した。さらに繊維束5本から最終的に平均値を計算し、
研磨基布に用いられる繊維束の中心部の極細繊維の平均
直径d1、外周部の極細繊維の平均直径d2を求めた。
の繊維を1方向に配向させる。ついで走査型電子顕微鏡
を用いて該研磨布表面を50倍で撮影し、1.5mm四
方を測定範囲とする。該写真から観察する繊維束とは3
0μm以上の長さでかつ30μm以上の太さのものを繊維
束と定義する。起毛された繊維とは繊維束の片方の端末
が研磨布内部に入り込んでいないもののことをいう。こ
のように定義された繊維束の本数と長さを測定し、n数
が6の平均を平均立毛長さ、平均立毛本数とする。な
お、繊維束本数は1平方ミリあたりの本数に換算した。
定した。研磨布を100mg精秤し、測定用サンプルと
した。測定されたけい素の量から重量分率(ppm)で
表した。
6550に準じる方法で、試験片を裁断し株式会社島津
製作所製島津オートグラフAGS−500Gを用い引張
速度50mm/分で測定し、100%伸長時の応力を1
00%伸長モジュラスとした。
11.8kPaの条件で測定した値を用いた。
a) テクスチャー加工後の磁気記録基板を、表面粗さ測定器
(Veeco Instrument Inc製TMS
―2000)により測定し求めたチャートを元に、JI
S−B0601に記載の方法で算出したものである。す
なわち、測定した表面粗さが測定長さ方向xが0からL
までの区間に対して関数F(x)で表されるとき下記数
式(1)により計算されるものである。なお数式(1)
において〈F(x)〉は関数F(x)のx=0〜Lにお
ける平均値である。
(以下MFIと略記する。)が10のナイロンー6を5
0部、MFIが50の低密度ポリエチレンを49.1
部、ポリエチレングリコールを0.9部を用いて混合紡
糸し、親糸が8.8dtexの繊維を作成した。得られ
た繊維に油剤を処理し、51mmにカットし、カード、
クロスラッパー、ニードルロッカーをとおし、絡合繊維
ウェブを作成した。このウェブを140℃の加熱ゾーン
を通しカレンダーロールでプレスし重さ670g/
m2、厚さ1.9mmの繊維質基材を得た。
ブチレンアジペート(それぞれ分子量2000)=60
/40、ジフェニルメタンジイソシアネート、エチレン
グリコールを反応させて、100%伸長モジュラスが1
0.8MPaのポリウレタン樹脂を得た。このポリウレ
タン樹脂に、凝固調整剤、ジメチルホルムアミドを加
え、固形分15%の含浸溶液を作成した。
ニップロールでスクイズした後、水中で湿式凝固、およ
び脱溶剤をおこなった。得られた基材を乾燥し、繊維質
基材とその空隙に高分子弾性体を充填してなる複合体で
ある基材を得た。この高分子弾性体は多孔体を形成して
いた。この基材を85℃の熱トルエン中に浸漬、ポリエ
チレンを溶解除去した。得られた基材中の繊維と高分子
弾性体としてのポリウレタン樹脂との比率は65:35
であった。得られた繊維は極細繊維が850本収束して
繊維束を形成しており、極細繊維の平均直径が0.55
μm、中心部の極細繊維の平均直径d1が0.75μ
m、外周部の極細繊維の平均直径d2が0.35μmで
あった。
ールでDMFを約5g/m2塗布、乾燥した。次にポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(エチレ
ンオキサイド:プロピレンオキサイド=3:1)(松本
油脂製薬株式会社製、ウーポールU)1%溶液ををウェ
ット・ピック・アップ=70%になるようにマングルで
絞り、次いで乾燥させた。その後両面を400メッシュ
のサンドペーパーを装着した研磨機で表裏各2回起毛さ
せ、厚さの1/2にスライスし、研磨基布を作成した。
この研磨基布の厚さは0.8mmであり、平均立毛長さ
は375μm、平均立毛本数は7.2本/mm2であっ
た。また、研磨基布のけい素含有量は20ppmであっ
た。
し、アルミニウムハードディスクのテクスチャー加工に
使用した。研磨剤は0.1μmの多結晶ダイアモンド砥
粒を含有しておりアニオン性の分散剤をふくんでいるも
のであった。テキスチャー加工後のRaは3.2オング
ストロームと良好であった。さらにその後、表面に磁気
層を構成しハードディスクを得た。得られたハードディ
スクには磁気層の浮きのない良好なものであった。
シエチレンポリオキシプロピレン共重合体(松本油脂製
薬株式会社製、ウーポールU)の代わりに、流動パラフ
ィン水系乳化分散体(分子量100〜300)(松本油
脂製薬株式会社製、ブリアンR−N)を用いる以外は実
施例1と全く同様にして研磨基布を作成した。得られた
研磨基布のけい素含有量は35ppm、平均立毛長さは
428μm、平均立毛本数は7.9本/mm2であった。
スチャー加工に使用した。Raは3.4オングストロー
ムであった。さらにその後表面に磁気層を構成しハード
ディスクを得た。得られたディスクには磁気層の浮きの
ない良好なものであった。
シエチレンポリオキシプロピレン共重合体(松本油脂製
薬株式会社製、ウーポールU)の代わりにアミノ変性シ
リコーン(松本油脂製薬株式会社製、シルコートFZ
S)を用いる以外は実施例1と全く同様の加工を行い、
研磨基布を作成した。得られた研磨基布のけい素含有量
は3150ppm、平均立毛長さは420μm、平均立
毛本数は7.5本/mm2であった。
スチャー加工に使用した。Raは3.4オングストロー
ムと良好であった。しかし、さらにその後表面に磁気層
を構成しハードディスクを得たところ、磁気層に浮きが
発生していた。
シエチレンポリオキシプロピレン共重合体(松本油脂製
薬株式会社製の商品名ウーポールU)用いずに表面を起
毛させる以外は実施例1と全く同様の加工で研磨基布を
作成した。得られた研磨基布のけい素含有量は20pp
m、平均立毛長さは820μm、平均立毛本数は3.5
本/mm2であった。
チャー加工に使用した。Raは4.8オングストローム
と不満足なものであった。
り、磁気記録基板等の表面粗さを小さくすることを可能
にし、高性能化に対する要求に応ずることが可能となっ
た。また有機シリコーン化合物のディスク表面への付着
現象も少なく、生産性の向上にも寄与する。
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維質基材とその空隙に高分子弾性体を
充填してなる複合体である立毛を有する基布であって、
繊維質基材を構成する繊維が平均直径0.05〜2μm
の極細繊維であり、該極細繊維が20本以上収束して繊
維束を構成しており、該繊維束からなる立毛の平均立毛
長さが50〜1000μm、平均立毛本数が5〜30本
/mm2であり、かつ基布中のけい素の含有量が300
ppm以下であることを特徴とする研磨基布。 - 【請求項2】 該繊維束の中心から半径1/2の範囲に
存在する極細繊維の平均直径d1が0.3〜10μmで
あり、外周部に存在する極細繊維の平均直径d2が0.
05〜1μmであり、d1がd2の1.5倍以上である請
求項1記載の研磨基布。 - 【請求項3】 繊維質基材とその空隙に高分子弾性体を
充填してなる複合体である基布であって、繊維質基材を
構成する繊維が平均直径0.05〜2μmの極細繊維で
あり、該極細繊維が20本以上収束して繊維束を構成し
ている基材に、ポリアルキレンオキサイド溶液または流
動パラフィン乳化分散体を付与し、次いで起毛すること
を特徴とする研磨基布の製造方法。
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