JP2009214205A - 研磨布 - Google Patents

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直彦 竹山
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract


【課題】スクラッチなどの欠点が少なく、シャープな線密度の高いテクスチャー痕跡を有するハードディスク基板のテクスチャー加工を可能とし更に、微細な研磨屑、及び砥粒片のふき取りが十分でクリーニング性が良く、スクラッチ欠点の発生を極小化できる研磨布を提供することである。
【解決手段】本発明の研磨布は平均単繊維径が0.05〜2.0μmのポリアミド極細集束繊維束を絡合してなる不織布と高分子弾性体とからなり該極細集束繊維の束中には実質的に高分子弾性体は存在せず、該極細集束繊維の絡合体の空隙には該高分子弾性体が充填されており、その一面には該極細集束繊維と連続した立毛が形成されてなるシート状物であって、極細単繊維径分布、圧縮弾性率、ねじれ指数、立毛長さが特定の条件を満足する研磨布とする。
【選択図】なし

Description

本発明は研磨布に関し、磁気記録ディスクに用いるアルミニウム基板のニッケル燐メッキ処理を行ったものにテクスチャー加工又はワイピングを行う際使用する研磨布に関するものである。
磁気ディスク等の記録媒体は目覚しい技術革新により記録容量のアップ、記憶密度の高度化が進み各種基板の表面加工精度も高い精度が要求されている。この高容量化、高記憶密度化に伴い、記録ディスクと磁気ヘッドとの間隙、すなわち磁気ヘッドの浮上高さは小さくなってきており、数nm以下が要求されている。 磁気ヘッドとディスクの間隙が 小さくなることにより磁気ディスクの表面に突起などがあると突起と磁気ヘッドが接触しヘッドのクラッシュを生じディスク表面を損傷し、再生不能などの支障が生ずる。クラッシュに至らない場合でも磁気ヘッドとの接触により情報の記録、取り出しの際、エラーを生ずる原因となる。記録ディスクのドライブについては小型化、持ち運び可能化も進んできておりスピンドル回転用の駆動モーターも小型化されてきており、このためモーターのトルクも小さくなってきており磁気ヘッドが記録ディスク表面に密着し、浮上しなくなり使用できないトラブルを生ずることもある。
この記録ディスクと磁気ヘッドとの密着を防ぐために、記録ディスクの表面に微細な条痕を形成するテクスチャー加工と言われる表面加工が行われこの条痕により高速回転するディスク表面と磁気ヘッドとのあいだに生ずる空気流により磁気ヘッドに浮力を生じ密着、クラッシュを防止することが可能である。
テクスチャー加工の方法としてはダイアモンドなどの微小砥粒を分散させた遊離砥粒スラリーを研磨布表面に供給しこの砥粒を付着させた研磨布を回転するディスクに押し当てて研削を行う方法がとられている。 高容量化、高記録密度化に対応するにはディスク基板のテクスチャー加工においてスクラッチなどの大きな条痕の発生を抑えることは勿論、基板表面粗さを小さくすることが要求されさらに読み込み(記録)、取り出し時のs/n比を向上させるために条痕の表面粗さが小さいことに加え表面粗さの均一性が良いことが求められる。これらの要求を満たしたテクスチャー加工を行うためには使用する砥粒スラリーの粒子を更に微粒子化させるとともに遊離砥粒の分散状態を良くし砥粒が凝集し粗大化したものを含まないようにすることが必須である。
一方テクスチャー加工を行う際の研磨布に必要な特性としては織物などの織り組織が存在するものはたて/よこ織り組織の表面凹凸が存在するため要求される表面粗さのテクスチャー加工を行うことが難しくこれらの欠点のない不織布が使用されている。この目的に適合する不織布は用いる繊維が太い場合繊維そのものによりディスク基板を研削するため大きな条痕を形成するようになり不織布に用いる繊維の太さは出来るだけ細いものを使用することが良い結果を得ており特開平9−262775には0.03dtex以下のナイロン極細繊維からなる不織布が、特開平10−188272には0.001deのポリエステル極細繊維からなる不織布が、特願2002−73789には0.001〜0.03dtexのポリアミド極細繊維からなる不織布を使用することがしめされ、不織布を用いる方法が多く提案されてきた。
テクスチャー加工によって高記録密度化と高容量化に対応するためには基板表面粗さを更に小さくすることが求められ、これに対応した研摩布がもとめられている。 従来の研摩布を使用した場合、研摩砥粒を均一かつ微分散して保持する性質が不十分である為、研摩砥粒が部分的に存在しない状態が発生し、研摩精度を低下させ微細な傷、突起からくるスクラッチ欠点が生じやすく、表面粗さの値の小さいものを実現させることができるもの のスクラッチ欠点により生産歩留まりの上からも問題が含まれていた。
また従来の研磨布ではこのテクスチャー加工において、研磨布をテープ状とし、次いで基板を連続的に回転させた状態で研磨テープを基板に押し付けながら、基板の径方向に往復運動させ連続的に走行させこの際研磨砥粒のスラリーを研磨テープと基板との間に供給しスラリー中に含まれる遊離砥粒が研磨テープの繊維に分散した状態で把持され、この状態で基板に接触し研磨される。
従来の研磨布では前述のテクスチャー加工においてテクスチャー加工初期段階で形成されたテクスチャー痕跡(研削によって生じた微細な山、谷の溝)を再研磨することにより馴らし、平滑化する研磨加工も行われるのでテクスチャー加工面の表面粗さの値は小さいもののテクスチャー痕跡の線密度は小さすぎシャープさに欠けるため分解能やs/n比などの電磁変換特性を低下させる原因となっていた。
ハードディスクの電磁変換特性を向上させる為には表面粗さを小さくし、線密度の高い、シャープなテクスチャー痕跡を形成させる必要がある。この目的にかなうテクスチャー加工条件としてスクラッチなどの重欠点の生成を少なくしシャープな、線密度の高いテクスチャー痕跡とするため基板ディスクとスラリー砥粒を把持した研磨布との接触圧はできるだけ小さめとし軽度のテクスチャー加工を行うことが適当であると考えられている。
従来の研磨布ではこのような目的にかなうテクスチャー条件にした場合、テクスチャー痕跡が浅い未加工部分に近いものが発生し高記録密度ハードディスクに対応可能な加工面にする事ができなかった。
これに対して特開2003−278072号公報では、繊維重量に対し15〜80%のエラストマーを含有してなる、0.3dtex以下の極細繊維が絡合して構成された表面全体が均一である不織布構造物であって、該不織布構造物における、0.1kg/cm荷重下の圧縮弾性と0.5kg/cm 荷重下の圧縮弾性の比Sが4.0以下であり、かつ、その表面に0.3dtex以下の極細繊維の立毛を有し、かつ、耐摩耗係数が20mmg以下である磁気記録媒体加工用テープ(研磨布)が開示されている。確かに本研磨テープである程度均一なテクスチャー加工は可能となるものの、しかしながら表面の立毛を形成させる過程或いはその後の加工工程で立毛が”よじれ””ねじれ”が生じて繊維束が寄り集まり、そのためテクスチャー加工でスクラッチなどの重大欠点が発生していた。
特開平9−262775号公報 特開平10−188272号公報 特願2002−73789号公報 特開2003−278072号公報
本発明はかかる従来技術の持つ問題点に対しスクラッチなどの欠点が少なく、シャープな線密度の高いテクスチャー痕跡を有するハードディスク基板のテクスチャー加工を可能とし更に、微細な研磨屑、及び砥粒片のふき取りが十分でクリーニング性が良く、スクラッチ欠点の発生を極小化できる研磨布を提供することである。
本発明者らは、テクスチャー加工においてシャープなテクスチャー痕をスクラッチなどの重欠点の発生が少なく生産効率がよく実施することを可能にするには、一つにはa)従来研磨布として使用されていたレベルより更に細い単繊維でかつ単繊維平均繊維径の分布を小さくすること、且つb)研磨布の厚さ方向の圧縮応力特性のうち小変形圧縮応力がある程度小さめで、逆に圧縮変形が大きくなるに従い、圧縮応力が大きくなる傾向の強い圧縮特性をもつ研磨布が優れていることを見出したもので、特に小変形圧縮応力としては、研磨布を厚さ方向に5%圧縮したときの圧縮応力、大変形圧縮応力特性として研磨布を厚さ方向に20%圧縮させたときの圧縮応力をもって研磨布特性を規制し、更にc)立毛繊維のねじれ指数を0〜2個/1000μmであるとすること、により目的とする研磨布を得ることができることを見出した。
即ち平均単繊維径が0.05〜2.0μmのポリアミド極細集束繊維が絡合してなる不織布と高分子弾性体とからなり該極細集束繊維の束中には実質的に高分子弾性体は存在せず、該極細集束繊維の絡合体の空隙には該高分子弾性体が充填されており、その一面には該極細収束繊維と連続した立毛が形成されてなるシート状物で該極細集束繊維の中心点から内径の1/2の点を結んだ円周内に存在する極細集束繊維の平均直径をd2、該円周から外周円までの間に存在する極細集束繊維の平均直径をd1とするとd2/d1の比は1.0<d2/d1≦2.5であることが必要であり、さらには1.0<d2/d1≦2.0であることが望ましい。以上の条件を満たさせることにより極細集束繊維の繊度分布の斑から生ずるスクラッチの発生を抑えテクスチャー加工後のディスクの面粗さを小さくすることが出来る。
更に研磨布の厚さ方向の5%圧縮応力(σ5cと略記する)と、大変形圧縮応力特性として厚さ方向に20%圧縮変形させた時の応力として20%圧縮応力(σ20cと略記する)をもって研磨布特性を規制する。すなわちテクスチャー加工において研摩布は研摩砥粒を保持しつつプレッシャーロールによりディスク面に押し当てられ研摩砥粒によりディスク面を研摩する。この時、研摩布の圧縮応力が大きすぎる場合、研摩布の厚さ斑などに起因する圧力変動によりテクスチャー痕に斑を生ずる。
また圧縮応力が小さい場合プレッシャー応力が研摩布により緩和してしまいスクラッチなどの重欠点は発生を抑えられるが研摩されていないような部分が混在しディスク生産歩留まりの低下を招く。本願発明者らは、研摩布としての圧縮応力特性とテクスチャー加工性について追求した結果、5%圧縮応力は0.01〜0.08kg/cm好ましくは、0.02〜0.07kg/cm、20%圧縮応力は0.20〜0.60kg/cm好ましくは0.25〜0.5kg/cmであることを見いだした。
いずれも上記の範囲より大きい場合スクラッチなどの欠点発生率が高くなり好ましくない。また20%圧縮応力が上記より低い場合、プレッシャー応力が研磨布により吸収、緩和されテクスチャー加工圧力が低下するため研磨効率が下がる。
即ち本発明によれば、
単糸平均繊維径が0.05〜2.0μmのポリアミド極細集束繊維が絡合してなる不織布と高分子弾性体とからなり、該極細集束繊維中には実質的に高分子弾性体は存在せず該極細集束繊維の絡合体の空隙には該高分子弾性体が充填されており、その一面には該極細集束繊維と連続した立毛が形成されてなるシート状物であって、下記要件を満足することを特徴とする研磨布。
a)ポリアミド極細集束繊維の中心点から内径の1/2の点を結んだ円周内に存在する極細集束繊維の単糸平均繊維径をd2、該円周から外周までの間に存在する極細集束繊維の単糸平均繊維径をd1としたとき、1.0<d2/d1≦2.5であること。
b)研磨布の厚さ方向の5%圧縮応力(σ5c)が、0.01〜0.08kg/cm、20%圧縮応力(σ20c)が、0.20〜0.60kg/cmであること。
c)立毛繊維のねじれ指数が0〜1個/1000μmであること。
d)立毛の長さが20μm〜400μmであること。
が提供される。
更には圧縮特性を詳細解析した結果、研摩布として20%、20%圧縮応力がこの範囲であることのほかσ20c/σ5cの比が5.5〜20、好ましくは6〜12であるものが総合的に優れていることを見出した。
本発明の研磨布の製造方法は下記工程を順次実施することを特徴とするものである。
1)平均単繊維径が0.05〜2.0μmであるポリアミドを島成分としポリオレフィンを海成分とする海島型繊維で該海島型繊維の中心点から内径の1/2の点を結んだ円内に存在する島成分の平均直径をd02、該円周から外周円との間に存在する島成分の平均直径をd01とすると、d02/d01の比が1.0<d02/d01≦2.5である海島型繊維を製造する工程。
2)繊維/繊維間の摩擦係数を小さくすることができる(0.6以下)繊維油剤を繊維表面に付与するか紡糸するポリマー中に添加する工程。
3)ついで不織布化することのできる設備を使用しウェブを作成しニードルパンチング或いは水流などにより絡合不織布を形成する工程。
4)該不織布を加熱加圧し厚さ、見掛け密度、を所定の値に調整しかつ不織布の表面を平滑にする工程。
5)不織布の空隙に高分子弾性体を充填させる工程および含浸した高分子弾性体を不織布内に凝固させる工程。
6)海島型複合紡糸繊維の海成分を溶解除去し平均単繊維径を0.05〜2.0μmとする工程。
7)ポリアミド繊維の平衡水分率に達するよう吸湿させ、次いで不織布の張力を出来るだけ抑えて不織布を製造する工程。
8)バフィングし立毛を所定の長さに調整する工程。
9)吸水速度が60秒に満たない場合、陰イオン性、非イオン性の親水性界面活性剤を処理乾燥する工程。
本発明の研磨布によれば、基材表面に存在する従来の極細繊維より更に細い平均繊維径を有しかつ従来の混合紡糸法によるよりも繊維径分布の小さい極細繊維からなる立毛が研磨布表面に均一に存在し、極細繊維束のねじれ、よじれが少ないのでアルミニウムディスク基板のテクスチャー加工を行った際、基板表面のスクラッチのような重欠点の発生を抑制するとともに、研磨布の厚さ方向の圧縮応力が適切な範囲にあるため研磨砥粒に適度な研削力を伝えることにより研磨効率もすぐれたものとなりディスクの高密度化に対応可能な精度の優れた加工面として仕上げることができる。
本発明は前述した5Å以下の基板の表面粗さを持ち、高精度化とスクラッチの発生の抑制を両立させることができる、優れた特性を有する研磨布を製造することを可能にした。
本発明における極細集束繊維成分は繊維形成性ポリアミドであることが重要である。ポリアミド繊維はその親水性の特性から研磨スラリーとの親和性が良く、スラリー液中の研磨砥粒の保持性、分散性に優れディスクなどの被研磨物を傷つけることなく研磨することができる。
かかるポリアミド極細集束繊維は、島成分にナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などを配する混合紡糸繊維、複合紡糸繊維において海成分にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、などのほかこれらとアクリル酸、アクリル酸エステル、酢酸ビニルなどを共重合したものを配し得られる海島繊維より海成分を溶出除去することにより得ることができる。
ここで本発明の研磨布としては最近、研磨砥粒として使用されるようになった極微小砥粒として0.1μmのダイヤモンド砥粒スラリーとの適合性が良く、スクラッチなどの傷を生じさせないために研磨布の極細フィブリル繊維の平均単繊維径は0.05〜2.0μmであることが必要であり、好ましくは0.08〜1.0μm、更に好ましくは0.08〜0.8μmである。平均単繊維径が2.0μm以上では研磨砥粒に対してフィブリル繊維の直径が過大でフィブリル繊維の隙間に埋没し被研磨物表面とフィブリル繊維とが直に接触する割合が多くなりテクスチャー痕跡が粗くなりシャープなテクスチャー痕を線密度高くとることが難しい。
テクスチャー痕跡を微細化する要因の一つに研磨砥粒の粒子サイズがある。勿論シャープな微細化したテクスチャー痕を得るためには研磨砥粒は微粒子である必要があり、最近では、ダイアモンド砥粒は、0.1μmのものが一般に用いられ、更に0.05μmのものが開発されている。これに応じて研摩布の繊維も微細化したものがスラリー研磨砥粒の把持性がよく、研磨砥粒の会合も少なくスクラッチなどの大きな傷は生じにくい。従って研磨砥粒のサイズに応じ研磨布の立毛繊維の太さも微細なものが求められている。
本発明者らは先にポリアミドを島成分、ポリオレフィンを海成分とし混合紡糸法により平均単繊維径が0.33μmの研磨布を開発しテクスチャー加工に適用した結果表面粗さが3〜5Åの優れたディスクを提供する技術を開発した。このものは優れた特性を有していたが極細集束繊維の繊度の分布が大きく、繊維の内周部に存在する集束繊維の単繊維径は外周部に存在する集束繊維の単繊維径より太いものであった。その結果テクスチャー痕の分布も若干大きくなっていた。本願発明者らは鋭意検討を進めた結果、内周部と外周部とで単繊維の繊維径分布が小さくテクスチャー痕がシャープで線密度の大きい研磨布を開発するに至った。本願の平均単繊維径0.05〜2.0μmの繊維はチップブレンド、或いは溶融ポリマーブレンドによりポリアミドとポリエチレンを混合紡糸する際、紡糸パック内滞留時間を短くし混合紡糸繊維断面の外周部は海成分により被覆され、島成分は被覆部には存在せず、外周部に近い島成分に剪断応力が作用するのを抑制すること、及び紡糸した海島型繊維の海成分を抽出除去してない繊維(これを海島型繊維の親糸と呼ぶことにする)すなわち海島繊維親糸の繊度を0.8〜4.5dtex好ましくは1〜3.5dtexとし海成分を抽出除去した後の極細集束繊維の繊度が小さいものとすることにより達成した。
また本願の単繊維の繊維径分布を満たす極細集束繊維を作成する他の方法として、海島複合紡糸法によっても達成できるが工業的に実施上問題のないのは繊維径0.5μm以上で0.05〜0.5μmレベルの超極細繊維は技術的には可能であるが工業的には安定して生産するにはかなり難しく設備としても複雑で初期投資も大きく制約がでる。
本発明の研磨布の極細集束繊維はその本数は極細集束状繊維の親糸1本当たり100〜800本の単繊維からなっており、その単繊維の繊維径分布は極細集束繊維の中心点から内径の1/2の点を結んだ円内に存在する極細集束単繊維の直径の平均値をd2、該円周から外周までの間に存在する極細集束単繊維の直径の平均値をd1とするとd2/d1の値が、1.0<d2/d1≦2.5にあることが必要である。d2/d1の値が2.5を超える場合、外周と内周の単繊維の太さに差が大きすぎ、テクスチャー痕に斑ができる。好ましくは0.95〜1、8の範囲である。
外周部に存在する極細単繊維は紡糸時、紡糸口金と繊維との間で剪断作用が働くため細くなる傾向があるが内周部の極細単繊維の平均繊維径は複合紡糸法で得られる平均単繊維径の下限(0.5μm)より小さい。
本発明の極細集束繊維の平均単繊維径は0.05〜2.0μmであることが必要であり、且つ内周部の極細単繊維の平均単繊維径d2、と外周部の極細単繊維の平均単繊維径d1から求めたd2/d1の値の範囲が1.0〜2.5のものであることが必要である。単繊維径に分布が存在するものの従来研磨布として使用されていたレベルより更に細い単繊維でかつ単繊維平均繊維径の分布を小さくすることによって、研磨布特性としてのシャープで線密度の高い、スクラッチの形成を抑制した研磨布用繊維を得た。
本発明の研磨布は次のようにして得ることができる。まず前述した特性を有する海島型混合紡糸繊維を作る。ナイロン−6とポリエチレン(MFI:25g/10min)とを50:50の割合でチップブレンドし280℃でエクストルーダー溶融し、エクストルダー溶解後は溶融ポリマーの線速度が落ちない構造の口金を装着した紡機にこの2成分(ナイロン−6、ポリエチレン)からなる混合紡糸繊維の周囲を親糸直径の5%の厚さのポリエチレンで被覆した構造となるように先の2成分口金のもう一方にポリエチレンをとうしポリエチレンで被覆された複合繊維を紡糸し、60℃の温水延伸装置で3.0〜3.5倍に延伸し、捲縮を付与、51mmにカットし親糸繊度3.0dtexの繊維を得た。
この繊維をカード、クロスラッパーを用いてウェブを作成、ニードルパンチングを行い絡合不織布を形成させる。ここで絡合不織布は繊維の立毛の均一性を満たすために一度の針の挿入で多量の絡合繊維を一度に持ち込むと、この部分は立毛繊維密度が高くなり不織布のニードルパターン斑となり易く、好ましくない。
1回に持ち込まれる絡合繊維が斑を生じないためには1回に持ち込まれる繊維の本数は3〜10本/1バーブ が好ましく、針はバーブの数が1ケ〜3ケのものでバーブ形状はキックアップ0〜50μm、アンダーカットアングル24〜28度、スロートデプス40〜80μm、スロートレングス0.5〜0.8mmのものがよい。
研磨布の立毛は研磨布を加工し立毛を形成させる工程やその後の加工工程で繊維束内、及び繊維束間での”ねじれ”や”よじれ”が生じると見かけ上太い繊維からなるものと同じ作用をすることになり、スクラッチなどの重欠点を生じさせやすい。従って研磨布の立毛は研磨布加工工程、又テクスチャー加工工程でねじれなどを生じにくいことが好ましい。このためには立毛繊維は長すぎるもの及び立毛の幅が小さ過ぎるものは立毛繊維がねじれやすく好ましくない。
この点からニードルパンチング工程でのニードルに引っ掛けられ絡合する繊維束はある程度太いことが必要でありニードルのバーブに1回に引っ掛けられる繊維の本数は親糸繊維繊度が3〜8dtexであるものをニードルパンチング1回に付きひとつのバーブに3〜10本、好ましくは4〜8本引っ掛けるのがよい。
従来の立毛を有するスエード又はヌバック調人工皮革では通常一回のニードルパンチングでニードルのバーブに引っ掛けられる繊維の本数はこれら本願の条件であるニードルを用いてニードルパンチングする場合より少なく1〜3本/1バーブであるが、本発明の研磨布の立毛条件としては立毛の被覆度を大きくするために、一回のニードルパンチングによる持ち込み繊維量を大きくするために総ニードルパンチング数を1000〜4000本/cmと大きくとることが有効となる。ウェブをニードルパンチングし絡合繊維密度が大きくなるに従い、繊維間摩擦が大きくなり、ニードルパンチングをある程度以上に行ってゆくと繊維間摩擦力が繊維強度を上回り繊維切断を伴い不織布強度の低下を招くので繊維にはジメチルシリコーン、アミノ又はアミド変性シリコーンなどの繊維/繊維又は金属/繊維の摩擦が小さい油剤を0.01〜2wt%繊維に処理する事が好ましい。
ニードルパンチングによる絡合の程度を示すパラメーターとしてニードル不織布の見掛け密度で示すと見掛け密度は、荷重120g/cmで測定した厚さをもとに計算した値で0.2g/cm以上、好ましくは0.24g/cm以上である。また本願は短繊維から成る不織布の他に繊維間自由度の大きい長繊維不織布を用いても良く繊維間自由度の大きい長繊維不織布を用いた場合、ニードルパンチングを行なった時短繊維不織布を用いた場合では予測できなかった高い絡合繊維密度の不織布をうる事ができ、立毛繊維密度の大きい研磨布とすることができる。ニードルパンチング本数を3000本/cm以上の多数のパンチングを実施しても繊維切断を生じずかつねじれのないストレートな立毛を作ることが出来、スクラッチなどの重欠点の発生を抑制することができる。
ついで、絡合不織布を加熱加圧し不織布の見掛け密度を規制すること及び不織布の面平滑性を向上させる。加熱加圧するプロセスとしては熱風、赤外線、スチーム、などを熱源とし絡合不織布を海成分の軟化温度以上に加熱した後、表面温度を不織布繊維の海成分の軟化温度以下に制御したロールプレス機でプレスし見かけ密度を0.35〜0.6g/cmとすることが好ましい。0.35g/cm未満であれば、加圧前の不織布密度とあまりかわらず目的とする面平滑性を向上することができず、最終製品の品質が安定しないため好ましくなく、0.60を超える場合は、加圧後不織布中の空隙が非常に小さくなりかつ表面に融着した層ができるためこの後に含浸付与する高分子弾性体を十分かつ均一に付与することができないためやはり最終製品の品質が不安定となるため好ましくない。
絡合不織布は、自由状態にしておき元の面積の5%、好ましくは10%以上収縮させることは、不織布密度を上げかつ立毛繊維密度を上げる上で好ましく、前述の加熱冷却固定を行う前に収縮処理することが好ましい。高分子弾性体を不織布に処理する前に不織布を加熱加圧して面平滑性をよくすることにより、面平滑性の優れた研磨布とすることができる。ニードルパンチングを行った不織布ではニードルの貫通した部分がバーブに引っ掛けられて繊維によって締め付けられるのでこの部分の繊維密度は大きくなりその結果厚さが薄くなり微視的に見た時平滑な面を形成していない。従ってニードルパンチ直後の不織布に高分子重合体を含浸しても要求される面平滑性を持った研磨布は得られない。
次に、この不織布に高分子重合体を含浸、凝固させる。これは、不織布の形態維持と適度のクッション性を持たせることにより研磨ディスクへの密着性とフィット性をよくする。かかる高分子重合体としては、ポリウレタン系高分子が最も良く、そのソフトセグメントとしてポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル系のセグメントの単独又はこれらの共重合物、ブレンド物を用いることができ、含浸する場合、高分子重合体の有機溶剤溶液、或いは水分散液などの形態で使用することができる。
研磨時のクッション性、密着性は研磨精度の要因として重要であり、高分子重合体は不織布の繊維重量の15〜30%の量が繊維空間に均一に充填されていることが必要である。15%より少ないと研磨布形態安定性が不十分であり、40%を超えた場合高分子重合体が露出する部分がありスクラッチを発生し易くなり好ましくない。好ましくは20%〜35%,より好ましくは25〜30%である。
本願においてシャープで線密度の高いテクスチャー痕を有するディスク加工を行うには研磨布不織布の繊維が細く均一であることの他、不織布の見掛け密度とその不織布に含浸された高分子重合体のモジュラス、不織布の繊維重量に対する高分子重合体重量、とで決まる研磨布の圧縮応力の大きさに関係する特性値とテクスチャー加工時のディスクへの研磨布の押し圧との関係が重要であることを見出した。すなわち、研磨布の小変形時の圧縮応力が小さい場合(この圧縮応力を研磨布を厚さ方向に5%圧縮した時の応力(σ5c)で示す)研磨布立毛に把持された研磨砥粒は研磨布の圧縮応力が小さいためディスク面に押し当てられる力が緩和,減衰するのでテクスチャー加工時ディスク面に研磨砥粒を供給しても研磨砥粒に圧縮応力が伝達しないためシャープなテクスチャー痕が得られなく、このため研磨テープをディスクに押さえつける圧力を大きくするとスクラッチが出やすい。一方、研磨布の小変形圧縮応力が大き過ぎる場合、ディスクの押し圧がクッション無しにディスク面に伝達するため砥粒の会合粒子、研磨布の面平滑性の斑、研磨布の立毛の斑などの影響を直接受けスクラッチなどの欠点を発生し易い。
本発明者らは先に砥粒の会合粒子、研磨布の厚さ及び、面平滑斑、立毛斑などは研磨布のクッション性でスクラッチとなるのを防ぎ、正常な研磨砥粒によるシャープな線密度の高いテクスチャー痕を形成させるためには、研磨布の小変形圧縮応力(本願ではこれを研磨布の厚さ方向に5%圧縮した時の圧縮応力で示す)大変形圧縮応力(本願ではこれを研磨布の厚さ方向に20%圧縮した時の圧縮応力で示す)とからテクスチャー技術を提案し性能のよいディスクを製造する提案をしたが、この範囲ではスクラッチをも減少させ生産効率までも向上させるには至っていなかった。
小変形圧縮応力をスクラッチの発生しやすくなるような程度まで大きくせず、ディスクに均一に接触し線密度の大きいテクスチャーを可能とする研磨布の構造と特性の最適条件を検討した結果、小変形圧縮応力と大変形圧縮応力を適正範囲で有する研磨布を基本構造とし、これに極細収束繊維の繊維径を従来実用化されている範囲より細繊度化し、更にこの不織布繊維構造に基づく立毛構造と不織布密度とを規定することによりシャープな線密度の大きい、テクスチャーが可能であることを見出すとともに機能的に高いテクスチャー痕を有する加工を生産効率を落とさず実施することを可能とした。
圧縮応力を本発明の規制範囲に適合した研磨布とするには、海成分を溶解除去する前の不織布の見掛け密度を高密度化し、樹脂含浸、海成分を除去等の加工工程を経て得られた研磨布の繊維/樹脂比率を繊維リッチとすることが好ましい。海成分除去前の不織布見掛密度は0.3g/cm以上、0.6g/cm以下、好ましくは0.36〜0.5g/cm、更に好ましくは0.40〜0.48g/cmである。
不織布密度が大きくなるに従い含浸状態が問題となるが強制含浸,高温含浸などの工夫が必要となる。条件としては樹脂濃度を18〜25%に調整しロールニップで圧入含浸を行い凝固、乾燥する。この不織布の見掛け密度(ρn)と使用する繊維の密度を(ρf)とするとこの不織布の空隙率(vc)はvc=(1−ρn/ρf)で表される。
空隙率(vc)に含浸される高分子弾性体溶液の容積を(v)、濃度を(PC)%とすると、不織布に含浸される高分子弾性体の重量(wp)はwp=(vc)×(v)×(PC)/100で表される。
ここで不織布の繊維重量(wf)はwf=(ρn)×(v)で示される。
海成分を抽出前の不織布の密度(ρn)が0.26g/cmである場合、含浸する高分子弾性体の濃度(PC)が15%の場合、繊維重量(F)に対する高分子弾性体量(R)の割合を示す(R/F)×100で示すと抽出前44.6抽出後89.2、PCが20%の場合、抽出前59.2、抽出後118.4、PCが22%の場合、抽出前65.4、抽出後130.8となり、抽出前の不織布の密度(ρn)が0.36g/cm3の場合、 含浸する高分子弾性体の濃度(PC)が15%の場合、(R/F)×100で示すと抽出前28.3、抽出後56.6、PCが20%の場合、抽出前37.8、抽出後75.6,PCが22%の場合、抽出前41.7、抽出後83.4となる。
海成分を抽出前の不織布密度が0.26g/cm以下の場合、高分子弾性体の表面露出分が多くなりスクラッチなどが多くなる。海成分を抽出前の不織布密度が0.36g/cm以上の場合、表面の極細繊維被覆度は高くなるが、形態安定性を満たすに必要な樹脂量を維持することにより、超極細繊維量の多い研磨布立毛表面が形成できスクラッチなどの重欠点の発生を抑え、シャープなテクスチャー痕を線密度高くとることが可能である。
スクラッチなどの発生を抑制しシャープで線密度の高いテクスチャー痕を形成させる為に研摩布の小変形圧縮応力と大変形圧縮応力とを下記の通りに設定する必要がある。
小変形(5%)圧縮応力が0.01〜0.08kg/cm、大変形(20%)圧縮応力が0.2〜0.60kg/cmとし、且つσ20c/σ5cが5.5〜20.0である。より好ましくは6〜12である。
上記圧縮特性を規定値の範囲にすることによりテクスチャー加工時の研摩布のディスクへの密着性をよくし、またスクラッチの発生を抑えプレシャーロールの圧縮応力を忠実にディスクへ伝えることによりシャープで線密度の高いテクスチャー痕を形成できる。
含浸後、高分子弾性体の溶剤、或いは分散媒を除去し、高分子弾性体を凝固させる。凝固の方法は高分子弾性体の非溶剤に浸漬する湿式法、または乾熱中で蒸発除去する乾式法によることも出きる。
次いでこの含浸基材をサンドペーパーを使用したバフ機で研磨し表面に立毛を形成させる。テクスチャー加工に適する立毛の長さ、及び立毛密度を調整するために含浸基材の表面に高分子弾性体の溶剤を適量塗布して、立毛の根元を固定し、更にバフ時の含浸基材とサンドペーパーの摩擦を調整するシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、などをグラビアコーター、などで塗布しバフする。バフする際サンドペーパーは砥粒の荒いものは表面の平滑性が劣るので砥粒メッシュの細かいものを使用してサンドペーパーと含浸基材との接圧を調整して複数回行うのが良い。
得られた研磨布の立毛繊維のねじれ指数が2個/1000μm以下であることが必要である。2個/1000μmを超える場合は適正な圧縮応力であってもスクラッチが発生し易く好ましくない。好ましくは0.1〜1.5である。このようなねじれ指数のものを得るには、溶剤処理条件(溶剤濃度)、研磨ペーパーのメッシュ等をコントロールして立毛長さを20〜600μmとすることが必要である。立毛長さは好ましくは20〜400μm、より好ましくは50〜200μmである。
テクスチャー加工を行う際、ハードディスク基板と研磨テープとの間に研磨砥粒のスラリーを供給するが研磨布はこのスラリーを吸収し砥粒を研磨布の立毛層部分に均一に把持されなくてはならない。このためにはスラリーを迅速に吸収しなければならず研磨布の立毛面はスラリーとイオン性が同じでスラリーの吸液速度が速いことが必要となる。一般的に使用されているスラリーは陰イオン性であり、このため研磨布表面は陰イオンまたはノニオン性で親水性であることが必要であり本願測定法の欄に記載の方法で測定した吸水度が60秒以下であるものが好ましい。これを達成するには研磨後の基布を陰イオン性又はノニオン性の界面活性剤の水溶液を処理し有効成分附着量0.5〜5%とする。
テクスチャー加工に用いる遊離砥粒を含むスラリーはダイヤモンド微粒子などの砥粒を水系分散媒に分散したものが好ましく使用されており、シャープで線密度の大きいテクスチャー痕を形成させるためには径は0.2μm以下の微粒子が好ましく、最近では0.1μmのダイヤモンド微粒子が使用さるようになってきており、これに応じて繊維の太さも本発明の0.5μm以下好ましくは0.05〜0.1μmの平均単繊維径が求められている。
テクスチャー加工時、研磨布はプレッシャーロールで0.1〜0.2kg/cmの線圧でディスク基板に押し付けられており、上記要求のシャープで線密度の高いテクスチャー痕を形成するために研磨布繊維径、砥粒径、テクスチャー加工圧力をそれぞれ適切に調整することが必要になるが研摩布の繊維の太さと立毛の均一性について砥粒粒子のサイズとの適合性をみれば、砥粒を把持する立毛部の繊維は砥粒サイズより直径が細い物の方が砥粒を均一に把持しディスクにかかるプレシャーロ−ルの力が集中するのを避け、砥粒に分散させて処理することが可能になる。
繊維の太さが砥粒より太い場合テクスチャー時の研摩布面とディスク面が直接接触し繊維に基づく傷を生じさせる恐れが大きいので研磨布用不織布繊維径はテクスチャー時の加工時のディスク原板との摩擦力でにより繊維の切断、磨耗が生じないか或いは磨耗し難い範囲であるならば繊維径は細い方がシャープで線密度の大きいテクスチャー痕を形成させる上で好ましい。
更に研磨布の立毛層に連続している基布層は立毛層に砥粒を会合させること無く分散させることが必要で砥粒スラリーを安定して立毛部に含ませることが必要であるとともにプレッシャーロールの圧力を立毛層の砥粒を介してディスクに伝えることが必要であり研磨布の基布層は砥粒を把持し応力集中を避ける為のクッション層となる。立毛層に圧力をかけテクスチャ加工を行わせる為に研磨布の基布層は適度な圧縮弾性率をもった構造物であることが要求され特にシャープで線密度の高いテクスチャー痕をもつ研磨布としては研磨布の基布層特性がクッション層となる立毛層の特性とともに重要な役割をはたすことを突き止めた。
すなわち従来の研磨布のように研摩布基布層の密度が低く、厚さ方向の圧縮弾性率が低すぎるとテクスチャー加工後の基板の表面粗さ(Ra)は小さくなるがテクスチャー痕のシャープさと線密度が不足し電磁特性は不十分であった。本願の研摩布はクッション層となる立毛層と砥粒粒子に研磨力を伝える基布層の厚さ方向の圧縮弾性を示す特性として、研摩布を厚さ方向に圧縮した時、圧縮歪みの小さい領域では圧縮応力が低く、クッションの役割を果たし、圧縮ひずみを大きくすると圧縮弾性率がおおきくなりテクスチャー加工圧力を砥粒を介してディスク研摩に伝達される特性をもつものがテクスチャー加工に適することを把握した。
以上説明した方法で得られた研磨布はこれを使用してテクスチャー加工を行った基板表面粗さが5Å以下でシャープで線密度の大きいテクスチャー加工面を有する記録ディスク基板をすることが出来る。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。なお本発明で示した語句、評価方法、測定条件は下記によったものである。
なお部は特に断りのない限り重量部を示す。
(1)極細集束繊維単繊維径、及び極細集束単繊維の平均繊維径
研磨布を試験片としこれを水に浸漬して十分に脱気含水させた後、日本ミクロトーム(株)製電子式冷却装置付きミクロトーム(RM−S型)を使用し−20℃で凍結させた状態でナイフでカットし次いで試料を室温で解凍し切断面が動かないように保ち120℃で30分乾燥させる。この試験片の切断面を測定面とし走査型電子顕微鏡により観察し繊維軸に対して出来るだけ直角にカットされた繊維を20箇所選定し、写真にとる。この写真上で集束繊維の最外周に存在する極細集束単繊維を内包するように接する外周円を描き、この外周円の最大径を求め、この径の1/2の点を外周円の中心点とし、同時にこれを極細集束繊維の中心点とする。この中心点と外周円上の任意の点を結んだ線分を内径としこの内径の1/2の点を結んでできる円内に存在する極細収束繊維の直径を測定しその平均値を求めこれを平均極細収束繊維単繊維径としd2であらわす。ついでこの内円と外周円との間に存在する極細収束単繊維の直径を測定しこの平均値を求めこれをd1で表す。
(2)立毛の長さ
研磨布の立毛加工面を走査型電子顕微鏡で観察、写真撮影し目視測定可能な立毛の写真において立毛を構成する立毛繊維の内、最外側に存在する立毛繊維の長さをもって立毛の長さとする。最外側に位置する立毛繊維は走査型電子顕微鏡により撮影した写真において測定試料の写真撮影面への投影図とみなすことが出来、写真の立毛の内側面の繊維より実長に近い値を示す。内側面に位置する立毛繊維は写真では実長より短い値となるが立毛束の厚さにたいして立毛長さが長いので電顕写真で測定される立毛長さを実質的な立毛長とみなしてよい。立毛長さは写真において異なる部分の立毛写真において測定数20の平均値で示す。
(3)5%、20%圧縮応力
サイズ2.0cm×2.0cmの測定用サンプルを研磨布より採取する。金属平行板を装着したを恒速圧縮試験機を使用し、平行板の下側の面に準備した測定用サンプルをその厚さより広く平行板の間隙を広げた状態で取り付ける。次いで圧縮試験機を平行板間隙を圧縮するように駆動してゆき、研磨布を厚さ方向に圧縮し始めたときから圧縮応力と圧縮歪みを記録計に記録する。研磨布を圧縮しはじめ研磨布の圧縮応力が0.25 N/cmとなった時の厚さをt0とすると任意の時間における厚さtxの時の圧縮歪みεはε=(t0−tx)/t0で示される。測定した圧縮応力:歪み曲線より 歪みε=5%、20%における応力の値を読み取り5%、20%圧縮応力とする。本願の規制値は異なる場所で測定した数n=5の平均値で示す。
(4)吸水速度
JIS L1907 7−1−1の方法で測定した吸水速度で表す。
(5)基板表面平均粗さ (Ra)
テクスチャー加工実施後のディスク基板を表面粗さ測定器(Veeco Instrument Inc製TMS−2000)により測定した記録チャートをもとに、測定した(表面粗さ)が測定長さ方向xが0〜Lまでの区間にたいして関数F(x)で表される時下記数式1により計算されるものである。なお数式1において〈F(x)〉は関数F(x)のx=0〜Lにおける平均値である。
Figure 2009214205
(6)研磨布平均表面粗さ
研磨布試験片(3cm×3cm)を表面粗さ計(SURFACOM1400D)に取り付け測定検知部の曲立半径1.25mm、検知部速度0.6mm/秒、測定倍率 タテ500倍、測定倍率ヨコ20倍、カット、オフ長2.5mm、の条件下で測定長5mmの表面粗さを測定した。繰り返し10点の測定を行い5点の測定を繰り返し表面粗さの平均値で評価する。
(7)スクラッチ点数
テクスチャー加工後の基板5枚の両面即ち10表面を測定対象としてカンデラ5100光学表面分析計を用いてスクラッチ点数を測定し表/裏十点の測定値の平均値で評価し300点以下を合格とした。
(8)不良ディスク発生率
テクスチャー試験においてディスク基板100枚を1セットとし3セット行い各セット毎のスクラッチ発生不良ディスク枚数の発生率を算出、3セットの発生率の平均値を不良ディスク発生率とした。1%以上は加工性不良と判定する。
(9)混合紡糸繊維の海成分除去前繊維(島)径及び海成分除去後の極細集束繊維の平均単繊維径
混合紡糸繊維を束状に引き揃えポリウレタン樹脂(DMF溶液、樹脂分15%)に含浸,水中で凝固させる。得られた試料を電顕用エポキシ樹脂で包埋し固化させ、冷却装置付きミクロトームでマイナス20℃〜30℃に冷却しカットする。これを透過型電子顕微鏡を用い写真撮影しこの写真上で繊維軸に対して出来るだけ直角にカットされた繊維断面を20箇所抽出し(できるだけ親糸繊維の原形丸断面の形状をとどめたものを選ぶ)、この写真上で極細集束繊維の最外周に存在する極細繊維に接する外周円を描き、この外周円の最大径を観察により求め、この径の1/2の点を外周円の中心点とする。この中心点と外周円上の任意の点を結んだ線分を内径としこの内径の1/2の点を結んで出来る円内に存在する極細繊維の直径を測定しその平均値を求めこれを平均単繊維径としd02であらわす。ついでこの内円と外周円との間に存在する極細繊維の直径を測定しこの平均値を求めこれを平均単繊維径としd01で表す。
(10)立毛繊維のねじれ指数
研磨布の立毛面走査型電子顕微鏡写真を100倍で撮影し得られた写真において立毛のねじれを観察,評価する。極細繊維が集束しその総繊維径が10μm以上となるように集束した立毛繊維立毛繊維束の電子顕微鏡写真において立毛繊維束にねじれの存在する立毛部のねじれ開始点(立毛集束繊維にねじれが存在する時、その電子顕微鏡写真において集束繊維の最外側部で立毛繊維がねじれ始める点を指す)から該立毛集束繊維のねじれに沿って反対側のねじれ終了点(ねじれ繊維とねじれ開始点の反対側の立毛繊維最外側線との交点を指す。)を読み取り該写真図上でねじれ開始点と終了点を定める。ついで立毛繊維束の主軸(立毛繊維が主として配列している方向)を写真図上で目視にて設定しこれに垂直なねじれ開始点、終了点を通る線分を引きこの線分距離nを求め次式によりねじれ指数を求める。
ねじれ指数=(1/2n)×100
[実施例1]
ナイロン−6と低密度ポリエチレンを50:50で混合し280℃で紡糸し島本数460本、繊度3dtxの混合紡糸繊維を得た。この繊維はナイロン、ポリエチレンを溶融ブレンドし紡糸ノズルの滞留部を容積比で従来より1/3に小さくしポリエチレン(以下PEと略記することがある)にはPE100部に低分子ポリプロピレンを2部混合した。得られた混合紡糸繊維を透過型電子顕微鏡で測定した島成分の繊維長さ方向に直交する断面における平均径を測定した。親繊維の中心点と外周円上の点とを結んだ内径の1/2の点で囲まれる内円の中に存在する島成分(海成分除去後極細繊維となる)の平均径(d2)は0.26μm、その外周円に含まれる平均径(d1)は0.21μmでd2/d1値は1.23であった。紡糸して得たトウを3倍に延伸しクリンプをかけ分子量2000のジメチルポリシロキサンを含む油剤を繊維に対し1.3%付着させた。これをカード、レーヤーを通しウェブを作成、バーブ形状キックアップ10μm、スロートデプス80μm、アンダーカットアングル28度の3バーブ針を使用し3000本/cmのニードルパンチングを行った。このニードルパンチング後のウエブの見掛け密度は0.24g/cmで一つのバーブに引っ掛けられる繊維本数は13本で従来のスエード、などの立毛用不織布に比べ大きかった。次いで150℃の乾熱チャンバー中で元の面積の15%収縮させ加熱ウェブが冷却しないうちに表面温度が80〜100℃の冷却加圧ロールで厚さの調整、不織布見掛け密度、表面平滑性の調整を行う為、処理した。得られた不織布は表面が平滑に規制されており見掛け密度0.42g/cm、目付け480g/m厚さ1.14mmの不織布を作成した。
得られた不織布をカーボネート系難黄変ポリウレタンエラストマー(100%Md=80kg/cm)の18%DMF溶液に浸漬、この浸漬中に基材厚みの80%の間隙を持った2本のロール間でニップしながら該溶液を強制圧入し、水中で凝固、洗浄乾燥させた。得られたシートはポリウレタンエラストマーが繊維重量に対して25%含有していた。次いでこれを熱トルエン中に浸漬、PEを抽出除去した。
つぎに150℃の鏡面加熱カレンダーロールで熱プレスを行い、厚さ1.02mm、重量384g/m見掛け密度0.375g/cmの基布を作成した。ついでこれを1/2にスライスしこの基材の非スライス面にDMFをグラビアロールで塗布し表面樹脂を 溶解、繊維の固定化を行った後、アミドシリコーンを表面に塗布した後、320メッシュ、640メッシュの研磨紙を使用し8回研磨し、さらに目の細かい800メッシュの研摩紙で仕上げを行った。これを高圧水流洗浄を行い研摩屑を除去し、さらに研磨布のスラリー吸収性とぬれ性を向上させるためにソディウムスルホサクシネートの0.5%水溶液を含浸しウエットピックアップ量を100%に調整しナイロンブラシで整毛し乾燥させた。
作成した研摩布は立毛の長さは400μmが主に存在し立毛面を均一に被覆しており、吸水速度は6秒、極細平均単繊維径は0.23μm、d2/d1値は1.23、5%圧縮応力(σ5c)は0.04kg/cm、20%圧縮応力(σ20c)は0.353 kg/cm、σ20c/σ5cの値は8.8であり、またこの研磨布の立毛のねじれ指数は0.4個/1000μmであり立毛のよじれも少なくハードディスクアルミニウム基板のテクスチャー加工の研磨布として有用であった。各工程で得られた基材の物性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で使用した紡糸ノズルの滞留部容積を大きくし滞留時間を3倍とする以外は実施例1と同様な条件で紡糸した混合紡糸繊維を得た。得られた繊維は実施例1に比較し周辺部の極細繊維の繊維径は中心部より細く繊維径分布は実施例1よりおおきくなっており内円に存在する極細単繊維の平均繊維径(d2)は1.57μm、が外周円内に存在する極細単繊維の平均繊維径(d1)は、0.35μm、d2/d1=4.5 であった。この親糸繊度は3.9dtexであった。
繊維をカード、クロスレヤーを使用してウエッブを作成し、次いでニードル(キックアップ:0μm、アンダーカットアングル:24度、スロートデプス:60μm)の条件の1バーブニードルを装着したニードルロッカーで2500本/cmのパンチングを行った。このときバーブへの繊維の引っ掛け数は6〜13本であった。
次いでこの不織布を実施例1と同様にポリウレタンエラストマーのDMF溶液を含浸凝固し、乾燥90℃の熱トルエン中でPEを抽出、トルエンを共沸除去した。次いで実施例ー1と同条件でカレンダ−プレスしスライスにより1/2にすきを行い非スライス面に実施例1と同条件で溶剤処理、バフをおこなった。各工程で得られた基材の物性を表1に示す。
比較例1では同じ条件でバフしても立毛は800μmで長めとなり、立毛のねじれ指数は1.2個/1000μmとなっていた。この繊維を実施例1に照らして同様に処理し研磨布としての性能を評価した。その結果混合紡糸繊維の中心部の繊維繊度が大きいことと立毛のねじれによる影響と思われるテクスチャー加工でのスクラッチ発生率が高めであった。
[実施例2]
実施例1で紡糸したナイロン−6/ポリエチレンの混合紡糸繊維に繊維油剤にジメチルポリシロキサンとアミノ変性シリコン70/30の混合物を主成分とした油剤を3%owf処理し、カード、クロスレイヤーを使用しウェブを作成、次いでニードルの先端から6.5mmの位置に3角形ブレードの頂点にバーブ形状としてキックアップ10μm、アンダーカットアングル28度、スロートデプス80μm、の40番ニードルを用いてニードルパンチングを実施し通常パンチングする打ち込み本数よりパンチング密度を大きくする3600本/cm 実施した。得られた不織布の見掛け密度は0.26g/cmで不織布としての密度は高いものであった。ついで乾熱温度150℃の加熱ゾーンを通し約15%もとの面積より小さくなるように収縮させ冷却しない内に90℃の冷却固定ロールでニップし厚さ1.14mm、見掛け密度0.42g/cm、重量480g/mの不織布を得た。これにポリウレタンエラストマーの18%ジメチルホルムアミド溶液を強制圧入含浸し、温水中で凝固脱溶媒し、乾燥させ繊維重量に対して24%のポリウレタンj樹脂を含むシートを得た。ついで90℃の熱トルエン中でポリエチレンを抽出除去し、90℃の熱水中でトルエンを共沸除去した。次いでこれを厚さの1/2にスライスし、200メッシュのグラビアロールで2回DMFを塗付し表面のポリウレタン樹脂を溶剤固定した後、#400メッシュのサンドペーパーで研磨を6回繰り返しサンドペーパーで6回研磨を繰り返し最後にソディウムスルフォサクシネートの3%溶液に含浸、乾燥し研磨用基布を得た。各工程で得られた基材の物性を表1に示す。
このものは立毛が200μmであるが立毛繊維がストレートでねじれが少なくねじれ指数、0.0でテクスチャー加工におけるスクラッチの発生も少なく、研磨布の5%圧縮応力は0.018kg/cm、20%圧縮応力は0.26kg/cmでσ20c/σ5cの比は14.4で圧縮応力がテクスチャー加工時のプレス圧を適度に研磨粒子を介しディスクに伝えることができ、シャープなテクスチャー痕を効率よく形成することが可能でテクスチャー加工用研磨布として優れていた。
[比較例2]
実施例1で作成した混合紡糸繊維を使用し冷却プレスロールのプレス間隙のみ条件を変えその他の条件は実施例1と同じくし冷却プレス後の不織布見掛け密度を0.24g/cm、厚さ2.0mm、目付け560g/mのシートとした。この不織布に実施例1とおなじポリウレタンエラストマーのDMF溶液を含浸し繊維に対するポリウレタン樹脂の附着量を30%となるようにした。次に90℃の熱トルエンでPEを抽出し、150℃の鏡面熱プレス機で処理し、厚さ1.64mm、重さ500g/m見掛け密度0.30g/mのシートを得た。この基材の5%の圧縮応力は0.035kg/m、20%圧縮応力は0.35g/mでσ20c/σ5cの比は10.0であった。この研磨布を使用してテクスチャー加工を行なった結果、表面粗さ(Ra)は3.4μmと良好であったが研磨効率、及びテクスチャー痕のシャープさが悪く表面にブルームがかかった部分が斑点状に出た。
この原因は研磨布の圧縮弾性応力が小さ過ぎ、テクスチャー加工時のプレッシャーロールの押し圧が研磨布によって緩和、減衰しているためであると考えられる。
[実施例3]
ナイロン−6とポリオキシエチレングリコール(分子量20000)を1.2%混合した低密度ポリエチレンとを実施例1で使用した紡糸ノズルを使用し50:50の割合で混合紡糸し、60℃の温水浴中で2.8倍に延伸し単糸数450本、単繊度3.6dtexの長繊維とし、これにシリコーンとエチレンオキサイドを親水基としてもつ帯電紡糸油剤の混合物を該繊維に2.5%owf処理した。これをエアーサクションノズルとフィラメント開繊装置、吸引繊維捕集機を備えた不織布製造機で不織布となし、実施例2で使用したニードルを装着したニードルパチング機でニードル打ち込み深度(第一バーブのベッドプレートを貫通した距離で示す)1mmで3600本/cmのパンチングを行った。得られたパンチング不織布の見掛け密度は0.28g/cmでよく締まった不織布であった。これを150℃の加熱チャンバーを5分間通し、さめないうちに表面温度90℃のプレスロールで加圧し平滑面を有する不織布を作成した。このものは重量380g/m、厚さ1.0mm、見掛け密度0.38g/cmであった。次いでこの不織布に実施例2で使用したポリウレタン樹脂のDMF溶液(濃度18%)を含浸し、水中で凝固、脱溶媒をおこない繊維に対し25%のウレタン樹脂を含有したシートをえた。これを90℃の熱トルエン中で圧縮、緩和を繰り返しPEを抽出、重量360g/cm、見掛け密度0.36g/cmのシートを得た。
このものについて極細集束繊維の平均単繊維径を測定した結果、d2が0.28μm、d1は0.23μmであった。次いでこのシートを一面にジメチルホルムアミド:メチルエチルケトン=90:10の混合溶剤を100メッシュのグラビアロールで6ロール塗布し乾燥した後、実施例1と同様にアミドシリコーンを塗布、320、600メッシュの研磨紙で8回研磨し研磨布を作成した。各工程で得られた基材の物性を表1に示す。
このものは立毛長さが500μmと実施例1に対比し長めであるが立毛は捩れが少なくロープ状になっている立毛束が少なく立毛のねじれ指数は0.6個/1000μmであった。この結果テクスチャー加工でのスクラッチの発生も少ない傾向があった。
[比較例3]
比較例1で作成した混合紡糸繊維を用い実施例3の条件で処理し実施例3と研磨布特性を対比した。各工程で得られた基材の物性を表1に示す。
立毛のねじれ指数は1.8個/1000μm、立毛長さは800μmとなった。スクラッチが多いものとなり、この結果立毛長さが長くなると立毛繊維束がロープ状に捩れてくる傾向が強くなり、また、極細集束繊維の平均単繊維径分布が大きいものであると、ロープ状となりやすく、テクスチャー加工でのスクラッチ欠点の発生確率が大きい傾向の結果が得られた。
Figure 2009214205
本発明の研磨布は、厚さ方向への圧縮時において小変形圧縮応力がある程度小さめで、逆に圧縮変形が大きくなるに従い、圧縮応力が大きくなる傾向の強い圧縮特性を持っているため、微細な砥粒を分散させたスラリーを用いてアルミニウム合金基板及びガラス基板の表面に行う表面加工において、その加工面で該研磨布と被加工基板の間に砥粒を効率よく把持し、更に高い加工圧力を伝達することができるため高い加工特性を発現することができる。また繊維径の分布を均一化しておくことで加工時におけるスクラッチ等の欠点や加工ムラの発生を低く抑えることができ、収率の良い加工を実現できる。本発明の研磨布を使用する場合において加工目的に応じた条件設定や砥粒サイズとの組み合わせにより、テクスチャー加工、平坦化加工、洗浄加工、などの表面加工が可能となる。

Claims (7)

  1. 単糸平均繊維径が0.05〜2.0μmのポリアミド極細集束繊維が絡合してなる不織布と高分子弾性体とからなり、該極細集束繊維中には実質的に高分子弾性体は存在せず該極細集束繊維の絡合体の空隙には該高分子弾性体が充填されており、その一面には該極細集束繊維と連続した立毛が形成されてなるシート状物であって、下記要件を満足することを特徴とする研磨布。
    a)ポリアミド極細集束繊維の中心点から内径の1/2の点を結んだ円周内に存在する極細集束繊維の単糸平均繊維径をd2、該円周から外周までの間に存在する極細集束繊維の単糸平均繊維径をd1としたとき、1.0<d2/d1≦2.5であること。
    b)研磨布の厚さ方向の5%圧縮応力(σ5c)が、0.01〜0.08kg/cm、20%圧縮応力(σ20c)が、0.20〜0.60kg/cmであること。
    c)立毛繊維のねじれ指数が0〜2個/1000μmであること。
    d)立毛の長さが20μm〜600μmであること。
  2. d2/d1が1.0<d2/d1≦2.0である請求項1記載の研磨布。
  3. 単糸平均繊維径が0.05〜1.1μmの極細集束繊維からなる立毛を有する請求項1〜2いずれかに記載の研摩布。
  4. 5%圧縮応力σ5cが0.02〜0.07kg/cm、20%圧縮応力σ20cが0.25kg〜0.5kg/cmである請求項1〜3いずれかに記載の研磨布。
  5. JIS L1907 7−1−1で測定した吸水速度が60秒以下である請求項1〜4いずれかに記載の研磨布。
  6. σ20c/σ5cの比が5.5〜20である請求項1〜5いずれかに記載の研磨布。
  7. 島成分がポリアミド系重合体からなり、海成分がポリアミド重合体より融点の低いオレフィン系重合体からなる複合繊維であって、下記要件を満足する複合繊維を紡糸延伸し、積層ウエブ化後交絡処理を施して絡合不織布となし、次いでオレフィン系重合体の融点より高い温度に加熱、軟化させた後、オレフィン重合体の軟化温度以下の表面温度の平滑面を有するプレス機で加圧、固定し不織布密度を0.35〜0.5g/cmとなし、次いで高分子弾性体の有機溶剤溶液を含浸、高分子弾性体の繊維に対する付着量を固形分で15〜30%とし、ついで複合繊維のオレフィン系重合体の溶剤で溶出、除去、更に高分子弾性体の溶剤を含む処理液で処理し、乾燥後、研磨することを特徴とする研磨布の製造法。
    a)複合繊維の中心点から内径の1/2の点を結んだ円内に存在する島成分繊維の平均直径をd02、該円周から外周までの間に存在する島成分繊維の平均直径をd01としたときd02/d01の比が、1.0<d02/d01≦2.5であること。
    b)複合繊維の海成分を除去後の島成分のフィブリル平均繊維径が、0.05〜2.0μmであること。
    c)立毛繊維のねじれ指数が0〜2個/1000μmであること。
    d)立毛の長さが20μm〜600μmであること。
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