JP4838703B2 - 磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法、磁気記録媒体用ディスク基板、磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体、及び磁気記録装置 - Google Patents
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Description
HDDは、主として、ハードディスク(HD)と呼ばれるディスク形状の磁気記録媒体(以下磁気ディスクとも称する。)と、磁気記録媒体を回転させるスピンドルモーターと、磁気ヘッドを取り付けたアームと、前記アームを制御するサーボとを備えており、磁気ヘッドによって、磁気ディスクに磁気情報を書き込み、磁気ディスクから磁気情報を読み取る。
磁気ディスク表面が、完全な平坦であると、磁気ディスクを回転させても、磁気ディスクと磁気ヘッドが吸着したりして、磁気ヘッドが安定して浮上することができない。そこで、通常、磁気ヘッドを安定して浮上させるために、磁気ディスク表面に均一な凹凸を設ける手法がとられている。
例えば、非特許文献1および非特許文献2では、テクスチャー加工を施したNiP/Al−Mg基板上に、Cr合金下地膜、CoCrPtTa合金磁性膜、DLC保護膜をDCマグネトロンスパッタリング法により順次形成した磁気記録媒体について、検討されており、ここでは、結晶粒径がテクスチャーの微細な溝の半幅よりも小さい場合に、テクスチャーの形状効果により、基板面表面で円周方向と半径方向に応力の異方性が発生し、この応力の異方性により、Cr下地膜の結晶格子の面内での歪みが生じる。円周方向のCr(110)面間隔が縮まることにより、CoCrPtTaの磁化容易軸の円周方向への優先的な配向が生じ、面内磁気異方性が増大するとしている。
また、本発明の第五の態様は、少なくとも、上記磁気記録媒体と、磁気記録媒体を回転させるスピンドルモーターと、磁気ヘッドを取り付けたアームと、前記アームを制御するサーボとを備えた磁気記録装置である。
図1および図2は、本発明に係るテクスチャー加工装置の一例の概要図である。
図1は、ディスク基板の側面側から見た図であり、図2は、ディスク基板の表面側から見た図である。
回転駆動部26は、例えば、駆動用モータとされ、後述する制御ユニットにより制御される。テクスチャー加工時は、回転駆動部26により、連結されたチャック機構24およびチャック機構24によって保持されたディスク基板22が、回転制御される。
テープ研磨機構28Aは、後述する研磨テープ34を送り出す送出ローラ40cと、その研磨テープ34を巻き取る巻取ローラ40bと、連続して送られる研磨テープ34の一部を基板22の被加工面に向けて押し付ける押圧ローラ40aと、研磨テープ34における押圧ローラ40aと送出ローラ40cとの間に巻き掛けられた部分、および、押圧ローラ40aと巻取ローラ40bとの間に巻き掛けられた部分にそれぞれ初張力を付与するテンショナローラ40dとを含んで構成されている。
従って、押圧ローラ40aの外周面に巻き掛けられながら連続的に送られる研磨テープ34の一部の新しい部分が、常にディスク基板22の表面に対し接触することとなる。押圧ローラは、通常、ゴム製のものが用いられ、硬度は、10〜100duro程度である。
従って、ノズル部42Aおよび42Bは、ディスク基板22を挟んで相対向して配されることとなる。ノズル部42Aおよび42Bの他端部は、図示が省略されるスラリー液が貯留されるスラリー液タンクに供給ポンプを介して接続されている。スラリー液の供給量は、1〜100ml/min程度である。
バフ処理とは、例えば、#100〜#800のサンドペーパー等で、布をこすり、繊維を起毛させる処理をいう。
このような研磨テープは、公知の製造方法により製造可能であり、一例としては、詳細な製造方法が、特願2006−137522号に記載されている。
クラスターダイヤモンドとは、ナノダイヤとも呼ばれる単結晶からなる一次粒子が複数個固着したクラスター状の二次粒子を表す。クラスターダイヤモンドの好ましい二次粒子の平均粒径は、50nm以上300nm以下であり、好ましい一次粒子の平均粒径は、1nm以上30nm以下である。
このようなクラスターダイヤモンドは、公知の酸素欠如爆発法によって製造可能であり、サンゴバンセラミックマテリアルズ(株)などのメーカーより入手が可能である。
スラリー液における砥粒の含有量は、0.001〜5重量%程度である。スラリー液における添加剤の含有量は、0.1〜10重量%程度である。
<カバーファクター> 下記の式により算出した。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
<織物の厚み> JIS L 1096 8.5に従って測定した。
<織物の引き裂き強力> JIS L 1096 8.15.5に従って測定した。
<沸水収縮率> JIS 1013 8.18に従って測定した。
各実施例、比較例にて製造したテクスチャー痕を有する各ディスク基板の表面を、原子間力顕微鏡(AFM)を用い、10μm×10μmの測定領域で観察し、半径方向の断面形状を求め、平均表面粗さRaを測定した。
以下の各実施例、比較例で製造した磁気記録媒体の評価として、OR−Mr・t値の測定はORM(ORIENTATION RATIO MAGNETOMETER)測定器(イノベイティブインスツルメンテイション製)と呼ばれる磁気測定器を用いて行った。本発明における、OR−Mr・t値は、図4に示す磁気ディスクの半径方向の中点(磁気ディスクの中心点と外周との中点)であるA点とB点(B点は、磁気ディスクの中心点に対して、A点の180°に位置した点)の2点で、測定した値の平均値とした。実施例、比較例の直径95mmの磁気ディスクの場合、半径が約42mmであるので、A点、B点は、磁気ディスクの中心点から21mmのところである。A点およびB点にて、円周方向のMr・t値と半径方向のMr・t 値を求め、円周方向のMr・t値と半径方向のMr・t値の比(円周方向Mr・t/半径方向Mr・t)を測定し、A点とB点での測定値の平均値をOR−Mr・tとした。
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸9モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール3重量%を共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合延伸糸は56dtex/10fil(沸水収縮率8.5%)であり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は700nmであった。
テクスチャー加工条件は、検討の結果、ディスク基板の回転数は、400rpmとし、押圧ローラに、硬度50duroのニトリルゴム製のものを用い、研磨テープの押し付け圧力を1.5kgf/cm2とした。研磨テープの移動速度を35mm/min、オシレーションを5Hz、オシレーション幅を1mmとし、スラリー液の供給量は、20ml/minとした。テクスチャー加工時間は、両面同時で、1枚あたり20secとした。得られたテクスチャー痕を有するディスク基板の表面の平均表面粗さRaを測定した。その結果を表1に示す。
研磨テープとしては、実施例1で用いたアルカリ減量で得た平均単繊維径700nmのマルチフィラメントの代わりに実施例1の混繊糸の製造条件を変更して得た平均単繊維径が500nmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるマルチフィラメントを用いた以外は、実施例1の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。それらの評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、実施例1で用いたアルカリ減量で得た平均単繊維径700nmのマルチフィラメントの代わりに実施例1の混繊糸の製造条件を変更して得た平均単繊維径が950nmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるマルチフィラメントを用いた以外は、実施例1の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、実施例1で用いたアルカリ減量で得た平均単繊維径700nmのマルチフィラメントの代わりに実施例1の混繊糸の製造条件を変更して得た平均単繊維径が350nmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるマルチフィラメントを用いた以外は、実施例1の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、実施例1で用いたアルカリ減量で得た平均単繊維径700nmのマルチフィラメントの代わりに実施例1の混繊糸の製造条件を変更して得た平均単繊維径が350nmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるマルチフィラメントを用いた以外は、実施例1の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとして、実施例1と同様に作製したが、バフ処理を行わない研磨テープを用いた以外は、実施例1と同様にして、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとして、特許文献1の実施例1に記載のものと同等のもの、つまり、ナイロン650重量%(島成分)とポリエチレン50重量%(海成分)を混合紡糸してなる極細繊維発生型海島繊維を得、水中で延伸し、機械捲縮をかけて51mmにカット後、繊維ウエブを形成し、重ねてニードルパンチした後カレンダーロールにかけて表面の平滑な不織布にした後、海島繊維の海部分を溶解して得た平均単繊維径が700nm(0.004dTex)のナイロン6から構成されたバフ処理された不織布(厚さ0.55mm)を4cm幅に切断して、テープ状としたものを用いた以外は、実施例1と同様にテクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、比較例3における海島繊維の構成を変更することにより、平均単繊維径が500nmのナイロン6から構成されたバフ処理された不織布(厚さ0.55mm)を得、これを4cm幅に切断して、テープ状になしたものを用いた以外は、比較例3の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、比較例3における海島繊維の構成を変更することにより、平均単繊維径が900nmのナイロン6から構成されたバフ処理された不織布(厚さ0.55mm)を得、これを4cm幅に切断して、テープ状になしたものを用いた以外は、比較例3の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、比較例3における海島繊維の構成を変更することにより、平均単繊維径が300nmのナイロン6から構成されたバフ処理された不織布(厚さ0.55mm)を得、これを4cm幅に切断して、テープ状になしたものを用いた以外は、比較例3の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨テープとしては、比較例3における海島繊維の構成を変更することにより、平均単繊維径が1200nmのナイロン6から構成されたバフ処理された不織布(厚さ0.55mm)を得、これを4cm幅に切断して、テープ状になしたものを用いた以外は、比較例3の研磨テープと同様に作製した研磨テープを用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、衝撃圧縮法で製造された平均二次粒子径が120μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、実施例1のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、衝撃圧縮法で製造された平均二次粒子径が120μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、実施例2のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、衝撃圧縮法で製造された平均二次粒子径が120μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、実施例3のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、衝撃圧縮法で製造された平均二次粒子径が120μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、比較例1のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、衝撃圧縮法で製造された平均二次粒子径が120μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、比較例2のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、静圧法で製造された平均二次粒子径が110μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、実施例1のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、静圧法で製造された平均二次粒子径が110μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、実施例2のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、静圧法で製造された平均二次粒子径が110μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、実施例3のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、静圧法で製造された平均二次粒子径が110μmの多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、比較例1のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
研磨砥粒として、静圧法で製造された平均二次粒子径が110μm多結晶ダイヤモンドを用いた以外は、比較例2のスラリー液と同様のスラリー液を用い、それ以外は、実施例1と同様に、テクスチャー加工を行い、ディスク基板を製造し、その表面の平均表面粗さRaを測定した。また、このディスク基板を用いた以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒体のOR−Mr・t値の測定を行った。評価結果を表1に示す。
比較例3乃至比較例7のものも、OR−Mr・tが、2.0より小さく、上記実施例のもの比べて、特性が劣る。また、比較例3、4,5及び比較例7のように、単繊維径の太さを選択することにより、ディスク基板の表面粗さを良好な範囲とすることはできるものの、OR−Mr・tを2.0以上とすることはできなかったことがわかる。
比較例8乃至比較例11のものは、全体的にOR−Mr・tが、小さく、単繊維径が大きいものでは表面粗さRaが大きく、良好な特性は得られなかった。
比較例12乃至比較例17のものは、単繊維径が950nmおよび1100nmのもので、OR−Mr・tが2.0以上の値が得られたが、このもののディスク基板の表面粗さRaは、0.3nm以上と大きく、実施例と比べて、特性が劣り、HDDに組み込んだ時に、ヘッドの浮上に関し問題が生じると想像される。
また、上記実施例ではポリエステル製極細繊維と通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(33dtex/12fil、単糸繊度2.75dtex、沸水収縮率39.0%、帝人ファイバー(株)製)との混繊糸をもちいているが、通常のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントの代わりに通常のナイロン6、ナイロン66レーヨンなどのマルチフィラメントを用いた場合も同様の効果が得られる。
24:チャック機構
26:回転駆動部
28A、28B:テープ研磨機構
30A、30B:テープ研磨機構送り装置
32:オシレーション装置
34:研磨テープ
40a:押圧ローラ
40b:巻取りローラ
40c:送出ローラ
40d:テンショナローラ
42A、42B:ノズル部
Claims (16)
- テクスチャー加工工程を有する磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法において、
前記テクスチャー加工工程が、磁気記録媒体用ディスク基板を円周方向に回転させる回転手段により前記基板を回転させつつ、少なくとも前記基板に接する表面が繊維径400nm以上950nm以下のポリエステル製繊維を含む織布または不織布である研磨テープを、押圧手段により回転中の前記基板に押し付けるとともに、スラリー供給手段により、前記基板の表面にクラスターダイヤモンドを含む砥粒を含むスラリーを供給する工程であることを特徴とする磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記ポリエステル製繊維の繊維径が500nm以上950nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記ポリエステル製繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)製であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記研磨テープの少なくとも、前記基板に接する表面がバフ処理されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記クラスターダイヤモンドの二次粒子の平均粒径が50nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記クラスターダイヤモンドの一次粒子の平均粒径が1nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記磁気記録媒体用ディスク基板が、その表面に、無電解ニッケルリンメッキ膜が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記磁気記録媒体用ディスク基板が、アルミニウム板を用いたものであることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 前記磁気記録媒体用ディスク基板が、面内磁気記録方式の磁気記録媒体用ディスク基板であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法。
- 請求項1乃至9の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法により製造された磁気記録媒体用ディスク基板。
- テクスチャー加工後の磁気記録媒体用ディスク基板表面の半径方向の中心線平均粗さRa(AFMによる)が、0.10以上0.30nm以下であることを特徴とする請求項10に記載の磁気記録媒体用ディスク基板。
- 請求項10または11に記載の磁気記録媒体用ディスク基板の上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 請求項12に記載の磁気記録媒体の製造方法によって製造された磁気記録媒体。
- 面内磁気記録方式の磁気記録媒体であって、円周方向と半径方向の残留磁化膜厚積(Mr・t) の比率OR(OR=円周方向のMr・t/半径方向のMr・t)が、2.0以上であることを特徴とする請求項13に記載の磁気記録媒体。
- CrまたはCrが主体であるCr合金からなる非磁性金属下地層と、CoCr合金からなる磁気記録層とを有することを特徴とする請求項13または14に記載の磁気記録媒体。
- 少なくとも、請求項13乃至15の何れか1項に記載の磁気記録媒体と、磁気記録媒体を回転させるスピンドルモーターと、磁気ヘッドを取り付けたアームと、前記アームを制御するサーボとを備えた磁気記録装置。
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