JP3869380B2 - 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法および磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録媒体用基板とその製造方法に関する。さらに、本発明は磁気記録媒体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク記憶装置の大容量化にともなって、磁気記録媒体や磁気ヘッドの高性能化、記録再生チャンネルの高速化など、装置を構成する各部品の技術が高性能化されている。
磁気ディスク記憶装置の高性能化には、記録密度の向上が重要であり、記録再生に直接関わる磁気記録媒体、磁気ヘッドの向上は必要不可欠である。特に、磁気記録媒体に関わるところでは、高記録密度に大きくかかわるPW50、媒体S/Nの向上や、磁気ヘッドと磁気記録媒体の磁性層とのスペーシングの低減が図られている。
【0003】
下地層、磁性層、保護層、潤滑層からなる磁気記録媒体においての高PW50特性、高S/N化には、記録層である磁性層の高保磁力化、結晶粒の微細化、分散の低減が必要である。高保磁力化、結晶粒の微細化、分散の低減のために、下地層と磁性層との格子定数を一致させたり(高保磁力化)、基板と下地層との間に磁性層の結晶粒を微細化させるシード層を介在させたり(結晶粒の微細化、分散の減少化)する等の方法があり、日々、高PW50特性、高S/N化による高記録密度化が進められている。
【0004】
また、もう一方の高記録密度化に対する大きな解決手段であるスペーシングの低減には、磁気ヘッドの低浮上量化が必要である。この低浮上量化に際して、現在の磁気記録媒体では、磁気層の厚さが100nm以下であることから、基板の平滑性が磁気ヘッドの浮上量に直接的な影響を及ぼすので、磁気記録媒体用基板の平滑性を上げることが重要となっている。例えば、記録密度25Gbit/inch2 においては、6nm以下の浮上量を実現する必要がある。このとき、磁気記録媒体用基板の平滑性は、最大高さRmax=3nm以下が要求される。このような要求の中で基板材料としてのガラス基板は、研磨によって容易に平滑化ができるため、ますます、磁気記録媒体用基板として注目されている。
【0005】
通常、磁気記録媒体用ガラス基板の作製は、所定の磁気記録媒体用基板の形状に整形した後、平坦性を所定範囲内にするためラッピングを行い、平滑性を上げるための研磨工程を経て作製される。化学強化ガラス基板の場合には、イオン交換処理を行い、ガラス基板を強化する。イオン交換処理とは、ガラス基板最表面のアルカリイオンを、それよりも原子半径の大きいアルカリイオンに交換することにより、基板表面に応力を入れ基板を強化する方法である。
ガラス基板を用いた磁気記録媒体は、以上の工程により作製されたガラス基板上に少なくとも下地層、磁性層、保護層をスパッタ成膜し、磁気ヘッドとの摩擦を低減させるための潤滑層を塗布することにより作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、記録密度を向上させるために、磁気ヘッドの低浮上化が進められてきた。しかし、浮上量6nm以下では、磁気ヘッドは基板表面と接触に近い領域で浮上しており、微小、微量の基板表面上の突起、汚れ(コンタミネーション)が大きな問題になる可能性が高い。
例えば、浮上量の低減の妨げやコンタミネーションによる磁気記録媒体作製後の信頼性の損失が心配される。また、一般にガラス基板作製から、スパッタ投入までの間のガラス基板表面の経時変化も心配されるところである。
例えば、化学強化ガラス基板の場合、特開平8−124153号公報に示されるように、イオン交換処理を施した化学強化ガラス基板は、最表面のイオン交換されたアルカリイオンの濃度が高く、経時変化による溶出の可能性があり、これによって磁気記録媒体の信頼性が損なわれるおそれがあることが指摘されている。
【0007】
また、磁気記録媒体の記録密度を向上させるためには、PW50値を細くする(小さくする)ことや、媒体S/Nを上げることが必要となる。特に、MR(磁気抵抗)素子を用いた磁気ヘッド(MRヘッド)では、感度の関係から出力が小さいため、媒体ノイズNm(媒体起因によるノイズ)を下げることが、高S/N実現のためには必要となる。したがって、さらなる高保磁力化、結晶粒の微細化、分散の低減が必要とされている。磁性結晶粒の微細化、分散の低減を行うには、磁性層の結晶粒の成長を左右する下地層の結晶粒径の微細化、分散の低減を行うことが必要である。
【0008】
さらには、下地層の結晶粒径の微細化を行う方法として、下地層の下地層として、下地層と同じ結晶構造を持ち、結晶粒が微細であるシード層と呼ばれる層を用いる方法も特開平9−259418号公報に開示されている。このように、薄膜がエピタキシャル成長(成膜される薄膜が下層の結晶状態を反映しながらする成長)する性質から、記録密度向上のための磁性層の結晶粒の制御は、各層の下地層として成膜される層の結晶粒の成長性によるところが大きい。
つまりは、基板の直上に成膜される層が、磁性結晶粒の成長に大きく影響していると言え、基板により、基板直上の層の結晶成長を制御することは、記録密度の向上に大きく貢献するものと考えられる。
【0009】
このような事情に鑑み、本発明は、6nm以下の浮上量を可能にするガラス基板の粗さを実現し、なおかつ、信頼性が高い磁気記録用媒体の製造方法を提供し、さらには、ガラス基板の表面形状により、基板上に成膜される層の結晶粒径の微細化、分散の低減を実現することによって、記録密度を向上させる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成を含む。
(構成1)主表面に同心円状の溝が形成された磁気記録媒体用基板において、前記同心円状の凹凸の高さが、前記基板上に少なくとも磁性層を形成させたときに、円周方向に異方性を持たない大きさであることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
【0011】
(構成2)前記基板上に少なくとも磁性層を形成させたとき、磁気記録媒体上の任意の位置において円周方向、及び半径方向に外部磁場を印加し、円周方向の保磁力をHc1、半径方向の保磁力をHc2としたときの保磁力Hc1,Hc2の比(Hc1/Hc2)を磁気異方性と定義すると、前記磁気異方性が0.90〜1.10であることを特徴とする構成1記載の磁気記録媒体用基板。
(構成3)前記同心円状の凹凸の高さは、3nm以下であることを特徴とする構成1又は2記載の磁気記録媒体用基板。
(構成4)前記同心円状の凹凸の半径方向の幅が、20nm以上60nm以下であることを特徴とする構成1乃至3の何れか一に記載の磁気記録媒体用基板。
【0012】
(構成5)前記磁気記録媒体用基板はガラスからなることを特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載の磁気記録媒体用基板。
(構成6)構成1乃至5の何れか一に記載された磁気記録媒体用基板の主表面上に、少なくとも磁性層が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(構成7)円盤状基板の主表面を研磨して磁気記録媒体用基板を製造する製造方法において、前記円盤状基板の主表面を研磨した後、両主表面に研磨剤を含む研磨液を供給しながら、前記円盤状基板の中心を中心軸として回転する前記円盤状基板の主表面に研磨テープを接触させることを特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法。なお、前記基板はガラス基板とするとよい。
【0013】
(構成8)前記研磨剤は、平均粒径1.0μm以下であることを特徴とする構成7記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
(構成9)前記研磨剤は、前記基板の材料と化学的な反応による結合を起こさないものであることを特徴とする構成7又は8記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
(構成10)前記研磨剤は、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、コロイダルシリカ砥粒、酸化ジルコニア砥粒、シリコンカーバイド砥粒の中から選択された少なくとも1種からなることを特徴とする構成9記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
【0014】
(構成11)前記再研磨の研磨量(取しろ)が、5〜30nmであることを特徴とする構成7乃至10の何れか一に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。
(構成12)前記基板は、ガラスからなることを特徴とする構成7乃至11の何れか一に記載の磁気記録媒体用基板の製造方法。前記ガラスは、段落[0029]の記載にあるように、化学強化されたガラスとするとよい。
(構成13)化学強化処理を施したガラス基板の主表面を研磨し平滑にする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、研磨し削減するガラス厚さは各研磨面につき5〜30nmであることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
(構成14)構成7乃至13の何れか一に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造される磁気記録媒体用ガラス基板の主表面上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(構成15)円盤状ガラス基板の主表面が研磨された後、化学強化されたガラス基板に対して、前記主表面に研磨剤を含む研磨液を供給しながら、前記円盤状ガラス基板の中心を中心軸として回転する前記円盤状ガラス基板の主表面に研磨テープを接触させて再研磨することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。なお、この構成15は、前記構成7と段落[0029]の記載を含む。
(構成16)構成7乃至12、15の何れかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記再研磨によりガラス基板の主表面上に形成される同心円状の凹凸の半径方向の幅を、20nm以上60nm以下とすることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。なお、この構成16は、前記構成4を含む。
(構成17)構成7乃至12、15、16の何れかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記再研磨の後に、スクラブ洗浄を行なうことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。なお、この構成17は、段落[0032]の記載を含む。
【0015】
構成1にあるように、磁気記録媒体用基板の主表面上に、同心円状の凹凸を形成することで、基板上に形成する膜の結晶粒が微細化され、かつ結晶粒径の分散が低減されるので、高S/N比となる。これは、基板上に形成された同心円状の凹凸が、その上に形成される膜の結晶成長に際し、同心円状の溝(凹)が結晶粒径の微細化、分散の低減を促し、且つ同心円状凹凸の方向に対して直角方向の結晶粒の乱れを抑える作用を施すものと考えられる。
【0016】
また、この同心円状の凹凸は、基板上に少なくとも磁性層を形成したときに、円周方向に異方性を持たない凹凸の高さである。なぜなら、磁気記録媒体用基板の上に成膜される薄膜結晶の初期成長時の結晶粒の微細化、及び結晶粒径の分散を低減を促すための同心円状の凹凸であって、一般に異方性媒体で得られる効果と区別するためである。異方性媒体とは、常に円周方向の保磁力が、半径方向の保磁力よりも大きくなる磁気記録媒体を指す。なお、ここでいう円周方向に磁気異方性を持たないとは、磁気記録媒体上の任意の位置において円周方向、及び半径方向に外部磁場を印加し、円周方向の保磁力をHc1、半径方向の保磁力をHc2としたときの保磁力Hc1,Hc2の比(Hc1/Hc2)を磁気異方性と定義すると1.10以下である状態を指す。
【0017】
具体的には構成2にあるように、基板上に少なくとも磁性層を形成させたとき、磁気記録媒体上の任意の位置において円周方向、及び半径方向に外部磁場を印加し、円周方向の保磁力をHc1、半径方向の保磁力をHc2としたときの保磁力Hc1,Hc2の比(Hc1/Hc2)を磁気異方性と定義したとき、その値が0.90〜1.10である状態をいう。好ましくは、0.95〜1.05、さらに好ましくは0.98〜1.02である。
【0018】
また、構成3にあるように、同心円状の凹凸の高さは、3nm以下が好ましい。3nmを超えると、浮上量6nm以下が困難となり、高密度記録再生ができなくなるので好ましくない。好ましくは、2.5nm以下、さらに好ましくは2nm以下が望ましい。
また、構成4にあるように、同心円状の凹凸半径方向の幅が、20nm以上60nm以下が好ましい。60nmを超えると、同心円状の凹凸による結晶粒径の制御の効果がなくなる。20nm未満では、結晶粒が微細化しすぎて、PW50特性が劣化する。従って、好ましくは、25nm以上50nm以下、さらに好ましくは、25nm以上40nm以下が望ましい。
【0019】
また、本発明で使用する基板の材質は特に限定されない。例えば、ガラス(ガラスセラミックを含む(結晶化ガラス))、セラミック、シリコン、カーボン、チタン、アルミなどの金属性の基板などなんでも良い。中でも構成5にあるようにガラスであることが平滑性、硬度の点で望ましい。ガラスの硝種は特に限定されない。アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダライムガラスや化学強化ガラス、結晶化ガラスなどが挙げられる。
また、構成6にあるように、これら構成1から5に記載された基板上に少なくとも磁性層を形成して磁気記録媒体とすることにより、S/Nの向上、及び6nm以下の浮上量という特性が得られる。
【0020】
また、構成7のように、円盤状基板の主表面を研磨した後、該円盤状基板の両主表面に研磨剤を含む研磨液を供給しながら、円盤状基板の中心を中心軸として回転する円盤状基板の主表面に研磨テープを接触させて再研磨することにより、基板毎の品質のバラツキも少なく、同心円状の凹凸を形成した基板を安定して製造することができる。研磨テープは、ある一定速度で常に新しい面が基板主表面に接触するようにする。使用する研磨テープの材質、幅については特に制限されない。研磨テープの種類としては、植毛、織物、不織布、ポリウレタンなどが挙げられる。中でも、織物テープが好ましい。同心円状凹凸を形成しやすいことと、平滑性の観点から、材料としては、限定されない。材料としては、ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。また、研磨テープの幅は、基板のサイズによって適宜調整される。具体的には、5〜40mmである。また、研磨テープの送り速度、基板に対する研磨テープの加重、圧力についても、平滑性、同心円凹凸形状に応じ適宜調整される。例えば、研磨テープの送り速度は、1〜10mm/secである。好ましくは、2mm/secが望ましい。また、研磨テープの加重、圧力についても平滑性に応じ適宜調整される。例えば、加重は、0.5〜5kgである。好ましくは、1.5kg程度が望ましい。圧力は、4.5〜45g/mm2である。
また、再研磨する前の基板の表面粗さはRmaxで8nm以下が望ましい。研磨量(取しろ)が10nm以下だからである。研磨量を10nm以下にすることの理由は後述する。
【0021】
また、構成8にあるように、研磨剤の平均粒径は1.0μm以下が好ましい。研磨剤の平均粒径が1.0μmを超えると基板の表面粗さがRmaxで、3nm以下の平滑性が実現できないからである。好ましくは、0.5μm以下、さらに好ましくは、0.25μm以下が望ましい。しかし、あまり平均粒径を小さくしすぎると、研磨速度が低下し製造効率が低下するので、平均粒径を0.125μm程度を限度とすることが好ましい。
【0022】
また、構成9にあるように、研磨剤は、基板の材料と化学的な反応による結合を起こさないものであることが望ましい。基板材料と化学的な反応を起こす研磨剤は、中性の洗剤を用いたスクラブによる研磨剤の除去が困難だからである。ここで、化学的な反応を起こさないとは、基板の材料と研磨剤が化学的な結合による吸着しない状態を指す。具体的な研磨剤としては、構成10にあるように、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、コロイダルシリカ砥粒、酸化ジルコニア砥粒、シリコンカーバイド砥粒などが挙げられる。研磨剤は、平滑性、同心円状凹凸形状に応じて適宜選択される。中でも、基板がガラスの場合は、安定した研磨、テクスチャ処理の点から粒度分布が小さい多結晶ダイヤモンド砥粒が望ましい。なお、これらの研磨剤は、使用する際、1種類に限らず、2種類以上の研磨剤を混合させて用いても良い。
【0023】
また、構成11にあるように、再研磨の研磨量(取しろ)は、5〜30nmが好ましい。5nm未満だと基板表面の突起や汚れが十分に取り切れず、3nm以下の平滑性が得られないので好ましくない。また、30nmを超えるとテープによる研磨の場合、加工時間が長くなるとともに、加工時間が長くなることによる熱の影響で得られる表面粗さがばらつくので好ましくない。
また、構成12にあるように、基板の材料をガラスとすることにより、基板が高い平滑性、平坦性が得られるとともに、うねり等が小さいという製造上の利点がある。
【0024】
また、構成13にあるように、化学強化処理を施したガラス基板に対しては、研磨し削除するガラスの厚さを各研磨面につき5〜30nmとする。ここで、研磨する方法としては、バッチ式の研磨方法、テープ式のテクスチャ装置を用いる方法等が挙げられる。バッチ式の研磨方法では、一度に大量に研磨するため、基板一枚一枚への研磨条件が安定せず、微妙な制御も難しいため、硬質の研磨剤を使用するとPit、Scratchが入りやすく平滑性が上げられない。テープ式のテクスチャ装置を使用することによって、常に、新しいテープ面、及び研磨剤にて研磨することができるため、安定した研磨を行うことができるので好ましい。
また、構成14にあるように、構成7から13の基板上に少なくとも磁性層を形成することにより、高密度の記録再生に対応した高記録密度の磁気記録媒体が得られるとともに、磁気特性高S/Nが安定した磁気記録媒体が製造できる。
また、磁気記録媒体は、基板上に少なくとも磁性層が形成される。
【0025】
磁性層は、高保磁力をもつCoとPtを主成分とすることが好ましい。CoとPtを主成分とする合金は、十分な保磁力を得るという観点から、Co+Ptで70%以上とすることが望ましい。また、CoとPtの割合は、保磁力、媒体ノイズ、及びコストを考慮し、Pt(at%)/Co(at%)で、0.05以上0.2以下であることが好ましい。
CoとPt以外の成分には特に制限はないが、例えば、Cr、Ta、Ni、Si、B、O、N、Nb、Mn、Mo、Zn、W、Pb、Re、V、Sm、Zrの1種、または2種以上を適宜、使用することができる。これらの元素の添加量は、電磁変換特性等を考慮して適宜決定され、通常30%以下とすることが望ましい。
【0026】
磁性層5以外に、例えば、図1に示すようにガラス基板1上にシード層2、下地層3、中間層4、保護層6、及び潤滑層7等を有することができる。これら、シード層1、下地層2、中間層3、保護層6、及び潤滑層7は公知のものをそのまま使用することができる。
シード層2は、一般的に結晶粒度の小さく、かつ均一な結晶粒の材料で構成され、シード層2の上に形成される下地層3、中間層4は磁性層5の結晶粒を微細に保ちながら、結晶成長を良好にすることを目的として設けられる。シード層2の代表的な材料としては、NiAl合金をはじめとするB2型結晶構造の材料や、CrTi合金、CrNi合金などが挙げられる。なお、結晶成長を良好にするために、シード層2を積層しても構わない。
【0027】
下地層3は、高い保磁力が得られるような材料とすることが好ましい。下地層3は、1層または2層以上から構成することができる。下地層3としては、例えば、CrMo合金、CrV合金、CrW合金等を使用することができる。このように、Cr合金とすることで、磁性層5と下地層3との格子面間隔のマッチングが良好になるので、磁性層5の磁化容易軸が面内に向きやすくなる。その結果、面内の保磁力が高くなり、Crを使用したときの保磁力に合わせた場合、下地層の膜厚を薄くすることができるため、電磁変換特性がよくなる。
【0028】
中間層4は、下地層3と磁性層5との間、好ましくは磁性層5と接する位置に形成され、磁性層5のC軸の配向を良好にする目的で設けられる。中間層4は非磁性材料であって、その結晶系は磁性層5の結晶系に合わせることが望ましい。
保護層6は、磁性層5をヘッドの接触摺動による破壊から防護する目的で磁性層5の上に設けられる。保護層6は、1層、また2層以上から構成することができる。保護層6としては、例えば、酸化ケイ素膜、炭素膜、ジルコニア膜、水素化カーボン、水素窒素化カーボン膜、窒化カーボン膜、窒化珪素膜、SiC膜等を挙げることができる。なお、保護層6は、スパッタリング法などの公知の成膜方法で設けることができる。
潤滑層7は、ヘッドとの接触摺動による抵抗を低減する目的で設けられ、例えば、パーフルオロポリエーテル等が一般に用いられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
[実施例1,2]
本実施例の磁気記録媒体用ガラス基板1は、図1に示す通り、化学強化されたアルミノシリケートガラスに、研磨、及び同心円状テクスチャが施された基板である。このガラス基板1を使用した本実施例の磁気記録媒体は、シード層2、下地層3、中間層4、磁性層5、保護層6、潤滑層7が順次積層してなる磁気ディスクである。
ガラス基板1は、Rmax=7nm、Ra=0.8nm程度の鏡面研磨された化学強化されたアルミノシリケートガラスに対して、テープ(Tape)式のテクスチャ装置を用いて、研磨、及び同心円状テクスチャ処理が施されている。
【0030】
本実施例で用いるテープ式のテクスチャ装置の概略図を図2に示す。
本実施例で使用するテープ式テクスチャ装置は、スピンドルに固定されたガラス基板を回転させるとともに、スラリー滴下口より研磨剤をテープに供給し、ガラス基板の両主表面を、ローラに巻きつけられたテープによってはさむことで、ガラス基板主表面に円周状の溝を形成する。テープを巻きつけたローラは、一定の回転速度で回転しており、常にテープの新しい面が、ガラス基板に接触するようにしている。
【0031】
ガラス基板は図2の支点aを中心として、ローラの軸にそれぞれ固定した板状の部材が動くことによってガラス基板をはさみつけている。この時、ガラス基板に負荷される力(加重)は、板状の部材間に張られたバネの力により決定する。加重は、バネの片面につけられた張力計により、加工時のバネの張力を測定することによって行う。
このガラス基板1の作製に際して、テープには織物タイプのテープを、硬質研磨剤には平均粒径0.125μmの多結晶ダイヤモンドが分散剤に溶かしてあるスラリーを用いて行った。
【0032】
また、その他のテクスチャ装置の加工条件は、
実施例1については
・加工加重 1.4kg
・加工圧力 12g/mm2
・基板回転数 1000rpm
・テープの送り速度 2mm/sec
・加工時間 30sec
実施例2については
・加工加重 1.4kg
・加工圧力 12g/mm2
・基板回転数 500rpm
・テープの送り速度 2mm/sec
・加工時間 30sec
とした。その後、弱アルカリ洗浄剤入りの洗浄槽にて、ベルクリン布にて擦り洗い(スクラブ洗浄)を行った後、超音波洗浄、及び乾燥を行った。
シード層2は、NiAl薄膜(膜厚:500オングストローム)からなる。なお、このNiAl薄膜はNi:50at%、Al:50at%の組成比で構成されている。
【0033】
下地層3は、CrMo薄膜(膜厚:300オングストローム)で、磁性層の結晶構造を良好にするために設けられている。なお、このCrMo薄膜は、Cr:90at%、Mo:10at%の組成比で構成されている。
中間層4は、 CoCr薄膜(膜厚:30オングストローム)からなる。このCoCr薄膜は、Co:65at%,Cr:35at%の組成比で構成されている。
【0034】
磁性層5は、CoPtCrTa合金からなり、膜厚は、200オングストロームである。この磁性層のCo、Pt、Cr、Taの各含有量は次のとおりである。すなわち、Co:73at%、Pt:7at%、Cr:18at%、Ta:2at%である。
保護層6は、磁性層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのものであり、膜厚50オングストロームの水素化カーボンからなり、耐摩耗性が得られる。
潤滑層7は、パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤からなり、この膜によって磁気ヘッドとの接触を緩和している。なお、膜厚は9オングストロームである。
【0035】
比較例1,2の磁気記録媒体は、本発明の磁気記録媒体作製前のガラス基板に研磨、及び同心円状テクスチャ処理を施していないガラス基板を用いて作製した磁気ディスクである。
比較例1と比較例2は、基板の表面粗さRmax、Raが異なるガラス基板である。
比較例1の磁気記録媒体は、Rmax=2.95nm、Ra=0.26nmで、比較例2はRmax=7.10nm、Ra=0.84nm程度の粗さを持つガラス基板を用いて作製される磁気ディスクであり、その他は、実施例1と同様とする。
【0036】
表1に実施例1のガラス基板に対する基板の表面粗さ、及び実施例1のガラス基板を用いて作製した磁気ディスクに対して測定した、磁気ヘッド浮上量、保磁力、残留磁化、媒体ノイズ、グライド検査の結果を載せた。各パラメータの定義と各測定の測定方法を下記に示す。
【0037】
・基板の表面粗さ
得られたガラス基板を、デジタルインストロメンツ(株)社製、原子間力顕微鏡(AFM)商品名:Nano Scopeを用いて、表面粗さ(Rmax、Ra)を測定した。分解能、測定時間、及びヘッド浮上量との相関を考慮して、測定範囲を5μm□、5μm視野でのサンプリング数256ドット(1ドットあたり0.02μmの測定間隔)とした。
【0038】
・磁気ヘッド浮上量
この磁気記録媒体の磁気ヘッド浮上量の能力を測る指標として、タッチダウンハイト(TDH)を測定した。TDHは、浮上しているヘッドの浮上量を順に下げていき、磁気ディスクと接触し始める浮上量を求めて、磁気ディスクの浮上量の能力を測る方法である。ヘッドの浮上量を下げるには、ヘッドが磁気ディスクの回転により浮上することから、回転数を低くしていく方法をとる。なお、本実施例で行った測定半径は22mmである。
【0039】
・保磁力
磁気ディスクから、保磁力測定用に8mmφの試料を切り出し、振動試料型磁力計(VSM)を用いて、膜面内の基板円周方向、及び半径方向に、最大印加磁場を10kOeとして磁場を印加し、保磁力(Oe)を求めた。
【0040】
・媒体ノイズ
電磁変換特性測定器(Guzik)に、磁気抵抗型(MR)ヘッドを取り付け、媒体ノイズ(μVrms)を測定した。MRヘッドは、浮上量が0.018μmの薄膜ヘッドであり、磁気ディスクとの相対速度は9.77m/sで、線記録密度を430kfci(1インチあたり430,000ビットの線記録密度)における記録再生出力を測定した。また、キャリア周波数82.3MHzで、測定帯域を98.76MHzとしてスペクトラムアナライザにより、信号記録再生時のノイズスペクトラムを測定した。本測定に用いた薄膜ヘッドは、書き込み/読み取り側にそれぞれトラック幅0.85/0.6μm、磁気ヘッドギャップ長0.15/0.14μmである。
【0041】
・グライド検査
グライド検査は、ヘッドを一定の浮上量で、磁気ディスク表面上を浮上させ、ヘッド半径位置を変えながら、ヘッドと磁気ディスクの衝突の有無を調べる検査である。衝突の原因には、磁気ディスク表面上に存在する突起、凹み等が考えられ、この検査はガラス基板、及び磁気ディスク表面上にある。突起、凹み等の検出のために行われる。この時の衝突の検出は、ヘッドアームの根元部に取り付けられたAEセンサー(振動を電圧に変換するセンサー)を用いて、衝突時の振動を感知することにより行われた。
【0042】
実施例1,2及び比較例1の磁気ディスク100枚に対して、浮上量6nmで浮上させたヘッドを、磁気ディスクのデータゾーン(記録再生を行う磁気ディスク上の領域)半径域でヘッドの位置を移動させ、ヘッドと磁気ディスクの衝突の有無について調べた。
表1には、検査した各例の100枚中、衝突の無かった磁気ディスクの枚数を表示した。
なお、本実施例において検査した半径は、12.0mmから32.0mmまでである。
【0043】
【表1】
Figure 0003869380
【0044】
表1の実施例1,2の結果より、磁気記録媒体作製前にスラリーを用いたテープによる再研磨工程を導入することによって、同心円状のテクスチャを持ち、かつRmax=3nm、Ra=0.3nm以下まで下げることができたのでTDHを6nm以下におさえることができた。また、グライド検査の結果は、実施例1,2の磁気ディスクが、比較例1の磁気ディスクに比べて、衝突の無かった磁気ディスクの枚数が多い結果となった。実施例1,2と比較例1の磁気ディスク作製工程での相違点は、成膜前の再研磨工程の有無であることから、研磨によって異物等によるガラス基板上の突起が削られ除去された結果、衝突する磁気ディスクの割合が減少したと考えられる。したがって、本発明における磁気記録媒体作製前のガラス基板の再研磨処理により、磁気ヘッドの低浮上化が実現でき、かつ、生産安定度、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができた。
【0045】
さらに、実施例1,2の磁気記録媒体は、比較例1、比較例2の磁気記録媒体に比べて、媒体ノイズが小さい。これは、ガラス基板上に形成した同心円状のテクスチャが、基板上に形成するシード層の結晶粒径を小さく、かつ分散の少ない結晶粒が形成され、さらには、シード層上にエピタキシャル成長した下地層、磁性層の結晶粒径を小さく、かつ分散を抑えることができたためと考えられる。
【0046】
また、実施例1,2の磁気記録媒体は、円周方向、及び半径方向に磁場を印加したときの保磁力は、ほぼ同じであった。一般にAl/NiP基板に同心円状テクスチャを施した基板を用いて作製された磁気記録媒体は、異方性媒体と呼ばれ、磁気ディスク膜面内の円周方向、及び半径方向に磁場を印加したときの保磁力は異なり、円周方向の保磁力が半径方向の保磁力より高くなり、高保磁力となる。しかし、ガラス基板に同心円状テクスチャを施した実施例1の磁気記録媒体は、円周方向、及び半径方向に磁場を印加した保磁力はほぼ同じである(一般に等方性媒体と呼ばれる。)。Al/NiP基板使用の異方性媒体の効果とは異なる形で、本実施例の磁気記録媒体は高保磁力を達成していると言える。
【0047】
[実施例3、比較例4]
同心円状テクスチャの効果の確認
実施例3は実施例1と同条件で作製されたガラス基板1に、シード層膜厚500オングストロームを成膜したディスクである。図3は実施例3のシード層表面の電子顕微鏡SEM表面写真である。なお、本実施例に用いられたシード層は、実施例1に用いられたシード層と同一である。比較例3は、比較例2に使用したガラス基板に、実施例3と同一のシード層を膜厚500オングストローム成膜した。
【0048】
図4にシード層表面のSEM表面写真を示す。また表2にSEM表面写真より計算したシード層の結晶粒径を示す。表2に示すように、ガラス基板に同心円状のテクスチャを形成した方が、結晶粒径が小さく、かつ分散の少ないシード層の結晶粒成長を促すことを示している。ここで分散は、所定の面積内にある結晶粒の結晶粒径を測定し、結晶粒径の分布をプロットしたとき、正規分布の半値幅であり、結晶粒径のばらつきを示すものである。したがって、本実施例における、ガラス基板表面上の同心円状テクスチャは、シード層の粒径が小さく、分散の少ない結晶成長を促し、さらには、エピキャピタル成長をする下地層、磁性層の結晶粒径をも小さく、かつ分散を抑えることができる。これにより、媒体ノイズを低減し、良好な電磁変換特性を得ることができる。これは、表1における値であり、媒体ノイズの結果の裏付けとなる。
【0049】
【表2】
Figure 0003869380
【0050】
[実施例4〜7、参考例1]
本実施例のガラス基板1の作製に際し、テープには織物タイプのテープを使用し、硬質研磨剤には多結晶ダイヤモンドが分散剤に溶かしてあるスラリーを用いて行った。この実施例に使用した多結晶ダイヤモンドの平均粒径は0.1μm(実施例4)、0.125μm(実施例5)、0.5μm(実施例6)、1.0μm(実施例7)、1.2μm(比較例5)である。その他のテクスチャ装置の加工条件は、
・加工加重 1.0kg
・加工圧力 9g/mm2
・基板回転数 1000rpm
・テープの送り速度 2mm/sec
・加工時間 30sec
とした。なおこのガラス基板1を用いた磁気記録媒体は、実施例1と同じシード層2、下地層3、磁性層5、保護層6、及び潤滑層7を順次積層してなる磁気ディスクである。
【0051】
実施例4から実施例7、及び比較例5に対して、AFMにより、ガラス基板1表面を0.5μm□の範囲で測定し、テクスチャ方向に対して、基板面内て垂直の方向(半径方向)の断面プロファイルから、同心円状テクスチャ溝の幅を求めた。表3に実施例4から7及び参考例1、参考として同心円状テクスチャをつけていない比較例5のガラス基板におけるテクスチャ溝の幅と、それぞれの磁気記録媒体の媒体ノイズの値を載せた。
【0052】
【表3】
Figure 0003869380
【0053】
表3の結果から、同心円状テクスチャ溝の幅を広げるに従って、媒体ノイズが悪化していくことがわかる。テクスチャ溝の幅が、60nmを超えると同心円状テクスチャをつけていない磁気記録媒体の媒体ノイズと同程度になるので同心円状テクスチャの媒体ノイズへの効果がなくなることがわかる。したがって、同心円状テクスチャ溝の幅は60nm以下であることが好ましい。
【0054】
基板に対するテープの加重・研磨厚さ及び基板表面の表面粗さの関係
[実施例8]
本実施例のガラス基板1の作製に際し、テープには織物タイプのテープを使用し、硬質研磨剤には平均粒径が0.125μmの多結晶ダイヤモンドが分散剤に溶かしてあるスラリーを用いて行った。本実施例では、加工加重を0kg、0.50kg、0.75kg、1.00kg、1.20kg、1.4kg、1.5kgの条件で行い、その他のテクスチャ装置を、
・基板回転数 1000rpm
・テープの送り速度 2mm/sec
・加工時間 30sec
とした。図3に、加工加重に対する研磨厚さ(本発明において研磨されたガラス表面の厚さ)、及び基板表面の表面粗さRmaxを示す。
【0055】
図3が示すように、加工加重が増すに従って、研磨厚さが単調増加し、それにともないRmaxが減少することがわかる。しかし、研磨厚さ6nm程度でRmaxの減少は緩やかになり、多くとも研磨厚さが10nmを超えるとほぼ基板の表面粗さは変わらなくなることがわかる。また研磨厚さ3nm未満になると、十分な平滑性が得られないことがわかる。また図3には載せていないが、加工時間を増加させて研磨厚さが30nmを超えると加工による熱の影響で表面粗さがばらつくことが確認された。
尚、研磨厚さの測定は、ガラス基板上に、研磨部と非研磨部を作り、その境界線域の段差を、干渉型表面形状測定器(WYKO)を用いて測定した。
【0056】
【発明の効果】
本発明では、スパッタ前の工程において、ガラス基板の表面を、研磨厚さ5〜30nmで再研磨することで、6nm以下の浮上を満たし、なおかつ信頼性の高いガラス基板を提供され、さらには60nm以下の溝の幅を持つ同心円状テクスチャを付することによって、ガラス基板上のシード層の結晶粒径が小さく、分散の小さい成長を促進させ、低媒体ノイズの磁気特性を有する磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスクの膜構造を示す図。
【図2】テープ式のテクスチャ装置の概略図。
【図3】加工加重に対する研磨厚さ及び基板表面の表面粗さの関係を示す図。
【図4】実施例3のシード層表面のSEM表面写真。
【図5】比較例3のシード層表面のSEM表面写真。

Claims (12)

  1. 円盤状ガラス基板の主表面を研磨して磁気記録媒体用ガラス基板を製造する製造方法において、
    前記円盤状ガラス基板の主表面を研磨した後、両主表面に研磨剤を含むスラリーである研磨液を供給しながら、前記円盤状ガラス基板の中心を中心軸として回転する前記円盤状ガラス基板の主表面に研磨テープを接触させて前記ガラス基板の表面を再研磨し、
    前記ガラス基板の表面に、表面粗さRaが0.3nm以下である同心円状のテクスチャーを形成することを特徴とする
    浮上量が6nm以下とされる磁気ヘッドに対応する磁気記録媒体用のガラス基板の製造方法。
  2. 前記研磨剤は、平均粒径1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記研磨剤は、前記ガラス基板の材料と化学的な反応による結合を起こさないものであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記研磨剤は、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、コロイダルシリカ砥粒、酸化ジルコニア砥粒、シリコンカーバイド砥粒の中から選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記再研磨の研磨量(取しろ)が、5〜30nmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記ガラス基板は、化学強化されたガラスからなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  7. 請求項1乃至の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造される磁気記録媒体用ガラス基板の主表面上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 円盤状ガラス基板の主表面を研磨する処理を含む磁気記録媒体用のガラス基板の製造方法において、
    円盤状ガラス基板の主表面が研磨された後、化学強化されたガラス基板に対して、
    両主表面に研磨剤を含むスラリーである研磨液を供給しながら、
    前記円盤状ガラス基板の中心を中心軸として回転する前記円盤状ガラス基板の主表面に研磨テープを接触させて前記ガラス基板の表面を再研磨し、
    前記ガラス基板の表面に、表面粗さRaが0.3nm以下である同心円状のテクスチャーを形成することを特徴とする
    浮上量が6nm以下とされる磁気ヘッドに対応する磁気記録媒体用のガラス基板の製造方法。
  9. 請求項1乃至6、の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    記ガラス基板の主表面上に形成される同心円状のテクスチャーの凹凸の半径方向の幅を、20nm以上60nm以下とすることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  10. 請求項1乃至6、8、9の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記テクスチャーの形成の後に、スクラブ洗浄を行なうことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  11. 請求項1乃至6、8乃至10の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記同心円状のテクスチャーの凹凸の高さは3nm以下である、ことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  12. 請求項1乃至6、8乃至11の何れか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記テープは織物テープである、ことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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