JP4700877B2 - 新規なシラザンおよび/またはポリシラザン化合物並びに同化合物の製造方法 - Google Patents

新規なシラザンおよび/またはポリシラザン化合物並びに同化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、一般に、アンモノリシス生成物の製造、さらに詳しくは、分子中にSi-N構造を含んでいる単量体、オリゴマーおよび重合体を含めて、新規なシラザンおよび/またはポリシラザン化合物の合成に関する。
【0002】
背景技術
シラザン類はSi-N-Si結合配置を有するものであって、それらが炭化ケイ素および窒化ケイ素のようなセラミック材料をもたらすように熱分解させることができるために、次第に重要になってきている。
【0003】
シラザン類は、通常、アンモニアまたは第一アミンをハライド置換シランと反応させるアンモノリシス法によって合成される。有機ハロシラン類のアンモノリシスは、以下に示される幾つかの並行反応より成る複雑なプロセスである。これらの化学式は構造上の意味を持つものではなく、単に、次のような反応を説明する平均の式に過ぎない:
置換反応:
【0004】
【化6】
Figure 0004700877
【0005】
並びに、ホモ官能性およびヘテロ官能性(heterofunctional)縮合反応:
【0006】
【化7】
Figure 0004700877
【0007】
アンモノリシスによるシラザン類の製造は、幾つかの米国特許明細書で説明されている。例えば、ガウル(Gaul)に発行された米国特許第4,395,460号明細書は、不活性溶媒中に溶解されたクロロジシラン類の溶液中にガス状アンモニアを導入するポリシラザン類の製造法について記載している。しかし、この反応中にアンモノリシス生成物の形成と同時にNH4Clが沈殿する。この沈殿したNH4Clは反応混合物の粘度を著しく増大させ、反応の進行を妨害する。この問題を克服するには、その反応混合物に追加の不活性溶媒を加えて反応混合物の攪拌を促進するようにしなければならない。さらに、精製されたアンモノリシス生成物を回収すには、反応生成物混合物の幾つかの成分を除去しなければならない。反応中に形成され、そしてアンモノリシス生成物と混合した沈殿NH4Clは、これを濾過によって除去し、そしてそのフィルターケーキを生成物の完全回収のために追加の溶媒で洗浄しなければならない。続いて、クロロジシラン類を溶解し、反応混合物の粘度を下げ、そして濾過された結晶を洗浄するために使用した不活性溶媒を好ましい生成物から除去しなければならない。
【0008】
タケダ(Takeda)等に発行された米国特許第4,954,596号明細書は、有機クロロシラン類を有機溶媒に溶解して含む反応混合物中にガス状アンモニアを導入することによって有機シラザン類を製造することについて記載している。しかし、添加有機溶媒は、シラザン生成物を単離するために、蒸留で除去されなければならない。米国特許第2,564,674号明細書でも、同様に、アンモノリシスプロセスの前に有機クロロシラン類がエーテルに溶解され、そしてそのケイ素化合物を溶解して、それらのゲル化を防ぐためにそのプロセス中に追加のエーテルが加えられる。この場合もまた最終生成物の精製には幾つかの工程が必要になる。
【0009】
クリストフリーンク(Christophliemk)等に発行された米国特許第4,255,549号明細書は、不活性溶媒に溶解された有機ハロシラン類を液体アンモニアと反応させてアンモノリシス生成物を形成することを記載している。反応の進行を維持し、そして高い反応熱および/または沈殿するハロゲン化アンモニウム塩の結晶化熱に因る過熱を防ぐために、不活性溶媒が反応容器に加えられる。この添加の結果、重合体フィルムを製造するためには、その溶媒を制御された条件下で蒸発させなければならない。
【0010】
以上の説明から明らかなように、公知のアンモノリシス法によるシラザン生成物の製造は、反応混合物に対する不活性溶媒の添加を多くする必要を誘発する、NH4Cl沈殿物のような所望とされない共生成物をもたらす。この溶媒の添加は、反応スラリーの粘度を下げ、その攪拌を改善するために必要とされる。さらに、反応熱および/または沈殿するハロゲン化アンモニウム塩に因る結晶化熱を下げるために不活性溶媒が必要とされる。しかし、そのNH4Cl沈殿物は反応スラリーから濾過されなければならないし、またその不活性溶媒は最終のアンモノリシス生成物から除去されなければならない。
【0011】
シラザン類の製造中に遭遇するもう1つの問題は、低分子量化合物種の高割合での形成である。これらの低分子量シラザン類は熱分解反応中に蒸発し、その結果として出発シラザン材料に比較して減少した重量収量のセラミック生成物をもたらす可能性がある。ミッドランド・シリコーンズ社(Midland Silicones Limited)に発行された英国特許第737,229号明細書は、有機基および/またはハロゲン原子で完全に置換されている、不活性溶媒に溶解された有機ハロシラン類を、加圧下で、同時にアンモニアに加えるシラザン類の製造方法について記載している。しかし、製造された有機シクロシラザン類は、その大部分が、出発化合物によってたった3〜4個のSi-N結合単位および低収量のポリシラザン類に限られている。こういうことで、この製造されたシラザン類は揮発性であって、セラミック材料に熱分解するのが困難である。
【0012】
従って、Si-N単位の数が増した新規なシラザン類および/またはポリシラザン類の必要、並びに反応で生成した所望とされない全ての共生成物から所望生成物を容易に分離する手段を提供し、反応混合物中に導入されるべき大量の不活性溶媒を必要とせず、そして速くかつ効率的なアンモノリシスのための反応発熱量を抑え、しかもSi-N結合の数が増したポリシラザン類を与える、シラザン類および/またはポリシラザン類の改善された製造方法の必要が存在する。
【0013】
発明の概要
本発明の目的の対して、明細書および特許請求の範囲に現れる用語および表現は、次の意味を有するものとする:
本発明で使用される「シラザン類」は、化合物中に1〜4個のSi-N繰返単位を有する単量体、オリゴマー、環式および線状重合体を意味する。
【0014】
本発明で使用される「ポリシラザン類」は、化合物中に少なくとも5個のSi-N繰返単位を有するオリゴマー、環式、多環式、線状の重合体または樹脂状重合体を意味する。
【0015】
本発明で使用される「アンモノリシス生成物」は、シラザン類、ポリシラザン類、アミノシラン類、有機シラザン類、有機ポリシラザン類およびそれらの混合物を含んでいる群から選ばれる少なくとも1つの員子のことである。
【0016】
本発明で使用される「Si-H出発化合物」は、全てが少なくとも1個のSi-H結合を有するハロシラン類、有機ハロシラン類、シラザン類および/またはポリシラザン類を含んでいる群から選ばれる少なくとも1つの員子のことである。
【0017】
本発明で使用される「無水液体アンモニア」は、生成物の所望とされない加水分解を引き起こす量よりも少ない水を含んでいる無水のアンモニアを意味する。
【0018】
本発明の1つの目的は、少なくとも1個のSi-N単位を含んでいる新規な化合物を提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、少なくとも1個のSi-N単位を含んでいる公知のおよび新規な両化合物を、少なくとも1個のSi-H結合を含んでいる出発化合物から製造する改善された方法を提供することである。
【0020】
本発明のなおももう1つの目的は、Si-N単位を含んでいる、変更可能な粘度を有する新規な液体または固体の化合物を提供することである。
【0021】
本発明のさらにもう1つの目的は、新規なおよび/または公知のシラザン類を触媒重合し、および/またはポリシラザン類をさらに重合する方法を提供することである。
【0022】
なおもさらなる目的は、少量の酸触媒を添加して合成を開始し、その後にその有効な触媒をアンモノリシス反応で生成させる、公知のおよび/または新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を触媒合成する方法を提供することである。
【0023】
本発明のもう1つの目的は、製造されたアンモノリシス生成物が反応混合物から容易に分離され、従って所望とされない副生成物を除去するのに大規模な精製を必要としない、公知のおよび/または新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を製造する改善された方法を提供することである。
【0024】
本発明のなおももう1つの目的は、反応体を溶解させ、アンモノリシス中に反応混合物の上昇する粘度を下げ、または反応熱および/または形成されたアンモニウム塩の結晶化熱を少なくするために不活性溶媒の添加を必要とすることなく、公知のおよび/または新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を製造する方法を提供することである。
【0025】
本発明のなおももう1つの目的は、液体から固体までの範囲に及ぶ粘度を有する、公知のおよび/または新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を製造する方法を提供することである。上記のシラザン類および/またはポリシラザン類は、限定されるものではないが、線状重合体、少なくとも4つの員子を有する環状構造およびそれらの混合物を含んでいる少なくとも1つの構造配置を有する。
【0026】
本発明のなおもさらなる目的は、製造された新規なまたは公知のシラザン類および/またはポリシラザン類からハロゲン化アンモニウム塩を除去するための精製方法を提供することである。
【0027】
本発明によって製造される新規なシラザン類および/またはポリシラザン類は、シラザンまたはポリシラザン中にSi-H結合含有出発化合物から組み込まれるSi-H結合の量に比較して、減少した量のSi-H結合を含むケイ素−窒素の繰返単位によって特徴付けられる。この新規なシラザン類および/またはポリシラザン類は金属不純物を本質的に含んでいない。
【0028】
本発明の新規なシラザン類および/またはポリシラザン類はアンモノリシスによって製造することができ、その方法は、次の:
a)少なくとも1個のSi-H結合を有する少なくとも1種のハロシランを無水の液体アンモニア中に導入し、この場合無水液体アンモニアの量は上記ハロシラン上のケイ素−ハライド結合の化学量論量の少なくとも2倍であり、上記ハロシランは上記無水液体アンモニアと反応して前駆体アンモノリシス生成物およびハロゲン化アンモニウム塩またはその酸を形成し、上記ハロゲン化アンモニウム塩またはその酸は上記無水液体アンモニア中で可溶化およびイオン化され、それによって酸性環境を与えており、そして
b)上記前駆体アンモノリシス生成物を、上記酸性環境中に、新規なシラザンおよび/またはポリシラザン中に工程(a)のハロシランから組み込まれるSi-H結合の量に比較して、Si-H結合の数を減少させるのに十分な時間保持する
工程を含む。
【0029】
上記の無水液体アンモニアは、液化状態のままにしておくのに十分な温度および/または圧力、好ましくは約−33〜約130℃に保持される。その結果、液化状態の無水アンモニアは、ハロシランに対する求核的攻撃に求核剤として関与するだけでなく、アンモノリシス中に生成した実質的な量のハロゲン化アンモニウム塩を可溶化して保持する反応性の溶媒として作用する。
【0030】
何らかの特定の作用理論(theory of operation)によって縛られることを望むものではないが、可溶化およびイオン化されたハロゲン化アンモニウムを液体アンモニア溶液中に保持することによって、そのイオン化された塩は本発明の異なる新規な重合法において有効な触媒として作用すると考えられる。
【0031】
反応は、初め、生成ハロゲン化アンモニウム塩が無水液体アンモニア中で可溶化およびイオン化され、それによってハロゲン化アンモニウム塩の沈殿を減少させる均一相中で進行することが観察された。このような理由から、塩化アンモニウムの可溶化はアンモノリシス生成物の沈殿する塩による汚染の発生を防止し、従って反応混合物の粘度を下げるために不活性溶媒を導入する必要がなくなる。さらに、ハロゲン化アンモニウム塩の可溶化は、従来技術で見いだされた1つの問題であるそのハロゲン化アンモニウム塩の結晶化熱を改善する。
【0032】
さらに、本発明者は、従来技術に開示された方法におけるような、出発化合物を注入前に不活性溶媒に溶解させる必要がなく、従ってSi-H結合含有出発化合物は直接無水液体アンモニア中に注入できることを見いだした。
【0033】
アンモノリシス生成物の好ましい粘度と重合度に時間依存性であるアンモノリシスプロセス中におよびそのプロセスが完了したときに、反応混合物は、製造されたアンモノリシス生成物が、可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩を含んでいる無水液体アンモニア溶液とは別の異なる液相の層中に集まっている2相系を形成することが観察された。
【0034】
この2相系は、シラザン類および/またはポリシラザン類を排出またはデカントすることによって、そのアンモノリシス生成物を液体アンモニア層から容易に分離させる手段となる。この代替法において、可溶化された塩化アンモニウム塩を含んでいる液体アンモニアは、これをその系から排出またはデカントすることができる。このプロセス中に、液体アンモニアは、それが追加の無水液体アンモニアで置き換えられる限り、連続的に除去することができる。このプロセス中のアンモニアの連続的な排出またはデカントは、液体アンモニアのイオン化されたハロゲン化アンモニウム塩による飽和を防ぎ、そして反応をハロゲン化アンモニウム塩の沈殿なしに進行させる。
【0035】
少なくとも1個のSi-H結合を有する出発化合物は少なくとも1種のハロシランを含んでいることができ、そして、さらに好ましくは、そのハロシランはRSiX3、R2SiX2、R3SiXおよびそれらの混合物より成る群から選ぶことができる:但し上記の式において、Rは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、そして少なくとも1個のRが水素原子であるという条件で、次の、水素原子、置換または非置換アルキル基、置換または非置換シクロアルキル基、置換または非置換アルケニル基および置換または非置換アリール基を含んでいる群から選ばれ、そしてXはフッ素、ヨウ素、塩素および臭素の群から選ばれるハロゲンである。さらに、ハロゲン置換ジシラン類が存在していることができる。
【0036】
ここで留意されるべきは、本発明は、さらに、ハロシラン類のある割合がSi-H結合を有し、ハロシラン類の残りの割合はSi-H結合を欠いているものであるハロシラン類の混合物を含むことができることである。
【0037】
本発明のもう1つの態様において、ヘキサメチルジシラザンおよびテトラメチルジシラザン、並びに従来技術で教示される公知のポリシラザン類のような公知のシラザン類を含めて公知のアンモノリシス生成物が、任意のハロゲン置換シランから製造することができる。その製造方法は、少なくとも1個のハロゲン置換シランを無水の液体アンモニア中に導入することを含み、この場合無水液体アンモニアの量は上記ハロゲン置換ハロシラン上のケイ素−ハライド結合の化学量論量の少なくとも2倍であり、上記ハロゲン置換シランは上記無水液体アンモニアと反応してアンモノリシス生成物、および上記無水液体アンモニア中で可溶化されているイオン性副生成物を形成する。
【0038】
上記無水液体アンモニアは液化状態のままにしておくのに十分な温度および/または圧力に保持される。
【0039】
無水液体アンモニア中には、ハロゲン置換シランをその液体アンモニア溶液中に注入してイオン性環境を与える前に、イオン化性の塩を導入することができる。イオン化性塩は、限定されるものではないが、ハロゲン化アンモニウムおよび硝酸アンモニウムを含めてアンモニウム塩のような無機塩、並びに酢酸アンモニウムのような有機塩を含めて、無水液体アンモニア中で可溶化および/またはイオン化される任意の化合物であることができる。
【0040】
製造されたアンモノリシス生成物は、それら生成物が可溶化されたイオン性副生成物を含んでいる無水液体アンモニア層から離れた別個の液体層中に集まっていることで、無水液体アンモニア溶液から容易に分離することができる。
【0041】
アンモノリシスを受ける任意のハロゲン置換シランが、この方法において使用することができる。ハロシランは、RSiX3、R2SiX2、R3SiXおよびそれらの混合物より成る群から選ばれるのが好ましい:但し、上記の式において、Rは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、次の、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基または置換若しくは非置換アリール基およびそれらの混合物を含んでいる群から選ばれ、そしてXはハロゲンである。四官能性シラン・SiX4、さらにまたハロゲン置換ジシラン類もさらに存在していることができる。
【0042】
有利なことに、本発明は、上記ハロゲン置換シランを無水液体アンモニア中に導入する前に不活性溶媒に溶解させることを必要とせず、これは最終生成物から溶媒を全て蒸発させることの必要性をなくする。
【0043】
本発明の方法を用いて合成されるアンモノリシス生成物は、ハロゲン化アンモニウム塩により本質的に汚染されていない。しかし、ある場合には、最終生成物中にハロゲン化アンモニウム塩が残っていることがある。このような場合、そのハロゲン化アンモニウム塩を、製造された生成物から容易に分離することが有益であると思われる。
【0044】
従って、本発明のなおももう1つの態様においては、本質的に全てのハロゲン化アンモニウム塩を除去することによって、シラザン類およびポリシラザン類を精製する方法が提供される。これらのシラザン類およびポリシラザン類は、本発明の方法または従来技術の方法によって製造することができ、それらは、次の:
a)ハロゲン化アンモニウム塩を含んでいるアンモノリシス生成物を、そのハロゲン化アンモニウム塩を無水液体アンモニア中で可溶化するのに十分な量のその無水液体アンモニアと混合し;そして
b)精製されたアンモノリシス生成物を上記無水液体アンモニアから分離することを含む工程によってさらに精製することができる。
【0045】
精製されたアンモノリシス生成物の分離は、そのアンモノリシス生成物が可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩を含んでいる無水液体アンモニアとは異なる別の液体層中に保持されているので、容易に成し遂げられる。
【0046】
この代替法において、その精製方法は、
a)ハロゲン化アンモニウム塩を含んでいるアンモノリシス生成物を、そのハロゲン化アンモニウム塩を無水液体アンモニア中で可溶化するのに十分な量のその無水液体アンモニアと混合し;そして
b)上記無水液体アンモニアに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を、そのハロゲン化アンモニウム塩と反応させてアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物塩を生成させるのに十分な量で加える
ことを含む。
【0047】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物塩は本質的に中性であって、それ自体アンモノリシス生成物に影響を及ぼさない。精製されたアンモノリシス生成物の分離は、この技術分野の当業者に周知の分離方法により成し遂げることができる。
【0048】
本発明のなおもさらなる態様は、さらに重合させようとするアンモノリシス生成物が「Si-H」部位を有していると言う条件で、アンモノリシス生成物を、それが従来技術の方法で生成されようと、或いは本発明により生成されようと、さらに重合させる方法を提供するものである。さらなる重合は、Si-H結合を活性化する際に有効な酸触媒を用いて触媒的に行われ、その方法は、次の:
a)Si-H結合を開裂させる際に有効な酸触媒を可溶化および/またはイオン化して中に有している無水液体アンモニアの溶液を用意し、この場合上記の可溶化および/またはイオン化酸触媒は上記無水液体アンモニア溶液中に酸性環境を与え;
b)少なくとも1個のSi-H結合を有するアンモノリシス生成物を化学量論上過剰の無水液体アンモニア中に直接導入し;そして
c)上記アンモノリシス生成物を、上記酸性環境中に、Si-H結合の量を工程(b)におけるアンモノリシス生成物中の量に比較して減少させ、そしてアンモノリシス生成物を重合および/または共重合および/または転位させるのに十分な時間保持しておく
工程を含む。
【0049】
上記酸触媒は、限定されるものではないが、ハロゲン化アンモニウムおよび硝酸アンモニウムのような無機塩、および酢酸アンモニウムのような有機塩、並びにそれらの混合物を含めて、無水液体アンモニア中で可溶化および/またはイオン化され、そして無水液体アンモニア中に酸性環境を生成させる任意の非金属の酸またはその塩であることができる。
【0050】
アンモノリシス生成物のさらなる重合の機構はまだ完全には分かっていない。予想外なことであるが、このさらなる重合は、Si-H結合を有する出発化合物上に活性なケイ素−ハロゲン(Si-Cl)アンモノリシス部位がなくても行うことができる。Si-H結合の不均一開裂が、シラザンおよび/またはポリシラザンのさらなるアンモノリシスのルートを提供すると考えられる。このアンモノリシスプロセスは、活性なSi-H部位が全て開裂、反応し、および/または好ましい粘度が達成されるまで続くことができる。
【0051】
本発明のなおももう1つの態様は、液体および/またはゲル状のアンモノリシス生成物の粘度を、数センチポイズから固体材料まで変えるもう1つ別の方法を提供するものである。改質されるべきこのアンモノリシス生成物は、本発明の方法またはこの技術分野で周知の他の方法によって予め製造することができる。この改質法は、次の:
a)液体および/またはゲル状アンモノリシス生成物を、そのアンモノリシス生成物を溶解させるのに十分な量の無水液体アンモニア中に導入し;
b)アンモノリシス生成物を含んでいる上記無水液体アンモニア中に触媒上有効な量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属を導入し、この場合そのアルカリ金属またはアルカリ土類金属は上記液体アンモニア中に溶媒和された電子およびカチオンを生成させ;そして
c)上記アンモノリシス生成物を上記無水液体アンモニア中にそのアンモノリシス生成物の粘度を上げるのに十分な時間保持する
ことを含む。
【0052】
上記アンモノリシス生成物が所望とされる粘度に達したとき、その改質はアンモニウム塩のような十分な量の酸性試薬の添加により停止させることができる。この改質アンモノリシス生成物は、この技術分野で公知の任意の分離方法で無水液体アンモニアから分離することができる。
【0053】
本発明の他の特長および利点は、本発明の好ましい態様についての次の説明および前記特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0054】
好ましい態様の詳細な説明
本発明の新規なシラザン類および/またはポリシラザン類は、出発化合物中に含まれるSi-H結合の量に比較して減少した数のケイ素−水素結合を有することが特徴である。例えば、各々Si-H結合を有する10個のハロシラン分子が組み込まれて、少なくとも10個のSi-N結合を有する新規なポリシラザンを形成すると、この新規なポリシラザンは10個より少ないSi-H結合を有する。Si-H結合のこの減少は、出発化合物中に含まれるSi-H結合の数に対して約10〜約90%の範囲であることができる。この新規なシラザン類および/またはポリシラザン類の粘度は、出発化合物中に含まれるSi-H結合の量に対するSi-H結合の減少に比例する。さらに、Si-H結合の減少に対してそれに比例したSi-N結合の増加が存在することもある。これらの新規なシラザン類および/またはポリシラザン類は、線状構造および少なくとも4つの員子を有する縮合環を含めて幾つかの異なる構造を含むと考えられる。6〜8員の縮合環の代表的な例が構造(1)および(2)に示され、そして1つの線状構造がスキーム(III)に示される。これら構造の全てが、本発明の方法により形成される新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を表し、この場合それら式中のRは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、そして水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基または置換若しくは非置換アリール基を含んでいる群から選ばれ、そしてnは1または1より大である。
【0055】
【化8】
Figure 0004700877
【0056】
理論で縛られることを望むものではないが、これらの新規なアンモノリシス生成物の形成をもたらす初期反応は、一般に、メチルジクロロシランのようなSi-H結合含有出発化合物を使用する可能な機械論的ルートをカバーする次のスキームIによって表すことができる:
【0057】
【化9】
Figure 0004700877
【0058】
この初期アンモノリシス中に、ケイ素−塩素結合はアンモノリシスを受けてジアミノシランを生成させ、このジアミノシランが幾つかのSi-N構造単位を含んでいる線状分子にさらに転化される。この線状構造はイオン化されたハロゲン化アンモニウム塩を溶解して含む無水液体アンモニア中で安定化される。このイオン化および溶解されたハロゲン化アンモニウム塩は、Si-H結合を失わせる反応を触媒して重合体の直鎖上に新しいケイ素−塩素結合を生成させる酸触媒として作用する。その新しく生成したクロロシラン結合はさらなるアンモノリシスを受けることができる。この反応は、事実上全てのクロロシリコン結合が以下においてスキームIIで示されるようにアンモノリシスされる。
【0059】
【化10】
Figure 0004700877
【0060】
この反応は、2つの線状構造がアンモニアを失って縮合して、以下においてスキームIIIで示されるような8員の平面はしご構造を形成することができると理論付けされる。
【0061】
【化11】
Figure 0004700877
【0062】
このはしご構造はさらなる縮合を受けることができ、それによって窒素原子が遠いケイ素原子を攻撃してN-H結合を置換し、この結合が次いでプロトン化して、新しく生成したNH2基がケイ素原子に付いている、以下においてスキーム(IV)で示されるような6員環を生成させる。
【0063】
【化12】
Figure 0004700877
【0064】
この環状構造は二量化してまたは線状基を付け足して、付加8員環を有するほぼ平面の構造を生成させることができ、その8員環は、スキームVに示されるような縮合6員環までさらに縮合することができる。
【0065】
【化13】
Figure 0004700877
【0066】
この反応は、スキーム(I)からの線状構造も、以下においてスキーム(VI)で示されるように、無水液体アンモニア溶液と接触した状態で環化して、小さい環を形成することができると理論付けられる。環状構造ができると、それは次いで無水液体アンモニア中でイオン化ハロゲン化アンモニウム塩と反応して、その環状構造を再開環させるためにSi-N結合を攻撃することができる。この反応はカチオン性種を生成させる窒素原子のプロトン化によって起こり得る。次に、塩化物対イオンがケイ素原子を攻撃することができ、そして水素化物イオンが環中の次のケイ素に移行し、それによって環構造を開環させる。この結果として連鎖の一方の末端上に塩素を、他方の末端上に2個の水素原子で置換されているケイ素原子(丸で囲まれている)を有する線状重合体ができる。これは、このケイ素末端が連鎖ターミネータとして作用し、この連鎖末端で縮合環状構造へとさらに縮合するのを妨げることができるという点で重要である。重合体上に終止末端があるとその分子量が限定され、それによって取り扱いがたい組成物を形成することがある非常に高分子量の縮合多環重合体の形成が抑制される。
【0067】
【化14】
Figure 0004700877
【0068】
さらに、末端キャップを有する2つの線状重合体の二量化は、図3に示される最終重合体鎖中ではしご状構造の島を一緒に結合する別個の4員複素環式環を形成することができる。これは、重合体鎖が窒素原子からだけ延びることができ、一方ケイ素原子は元の有機基または水素原子によってのみ置換されたままである点で別個の新規な構造である。N-H結合を含み、かつ同一ケイ素原子上に2個のSi-H結合を含んでいるシラザン化合物が水素ガス副生成物の発生を伴う自己縮合に対して極めて反応性であることは、この技術分野で周知である。
【0069】
【化15】
Figure 0004700877
【0070】
本発明の新規なシラザン類および/またはポリシラザン類は、本発明で説明される方法によって製造することができる。具体的に言うと、少なくとも1種のハロシラン、好ましくは少なくとも1個のSi-H結合を有するハロシランを、ケイ素−ハライド結合に対して無水液体アンモニアの化学量論量の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも約5〜約10倍に導入する。その無水アンモニアを、このプロセス中液化したままにしておくのに十分な温度および/または圧力に保持する。アンモノリシスプロセス中、アンモノリシスの間に共生成物として生ずるハロゲン化アンモニウム塩は、その無水液体アンモニア溶液中に保持される。このハロゲン化アンモニウム塩は無水液体アンモニア中で実質的にイオン化および可溶化され、それ自体本発明の新規なシラザンおよび/またはポリシラザンを触媒的に製造する酸性環境を与える。
【0071】
前記のように、本発明の新規化合物は、初め、液体アンモニア中での結晶化に対して安定化されている線状ポリシラザン構造として生成する可能性があり、それによってその構造上でアンモノリシス反応がさらに起こることが可能になる。それは、可溶化およびイオン化されたハロゲン化アンモニウム塩と接触している、非金属酸触媒として作用するSi-H結合は、その活性なハロゲン化アンモニウム塩によって触媒的に開裂され、それによって重合体の線状鎖上に新しいケイ素−ハロゲン結合を生成させると理論付けられる。この新しく生成したケイ素−ハロゲン結合はさらなるアンモノリシスの活性部位となる。アンモノリシスは、全てのSi-H結合が開裂され、そして新しく形成されたケイ素−ハロゲン結合がアンモノリシスされるまで続くことができる。さらなる重合は線状重合体の4員、6員、8員またはそれ以上の員子の縮合環構造の混合物への二量化を含むことができる。
【0072】
新規な液体シラザンおよび/またはポリシラザン化合物の粘度は、重合が進行するにつれて増大する。これら新規生成物の粘度は好ましい最終用途に合わせて調整することができ、そして約15センチポイズから固体材料までの範囲であることができる。この高分子材料のこの増大する粘度は、アンモノリシス生成物が無水液体アンモニア中に保持されている時間の長さ、並びにSi-H結合含有出発化合物の初めのタイプおよび量に依存性である。新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を製造するプロセスが終わったとき、それら生成物は無水液体アンモニア溶液から容易に分離される。この新規生成物は、無水液体アンモニア中で可溶化されているハロゲン化アンモニウム塩とは別の異なる液相の層中に保持されている。さらに、この新規生成物は、ハロゲン化アンモニウム塩が液体アンモニア中に可溶化されたままになっており、それによってその塩が製造された生成物中に沈殿して行くのが低下されるので、限られた量の精製しか必要としない。
【0073】
従来技術の方法では、反応混合物の攪拌を妨げる可能性がある沈殿するハロゲン化アンモニウム塩に関連した問題を克服するために、反応混合物に不活性溶媒を加えなければならない。さらに、この不活性溶媒の添加は沈殿するハロゲン化アンモニウム塩によって発生せしめられる結晶化熱を放散させる助けになる。
【0074】
本発明の方法では、ハロゲン化アンモニウム塩は新規なアンモノリシス生成物中に沈殿して行く代わりに過剰の液体アンモニア中で可溶化されるので、不活性溶媒の添加は必要とされない。さらに、Si-H結合含有出発化合物は、これを無水液体アンモニア中への導入前に不活性溶媒中に溶解させる必要がなく、それによって不活性溶媒をアンモノリシス生成物から分離する必要がなくなる。
【0075】
単に理論に過ぎないが、反応混合物中に不活性溶媒がないことは、依然としてSi-H結合を含んでいるだろうシラザン類および/またはポリシラザン類を、イオン性の酸性環境中に、さらなるアンモノリシスおよび/または重合のための線状構造に安定化させるのに十分な時間保持しておくのを可能にすると考えられる。有機不活性溶媒が従来技術の方法におけるような反応系中に存在する場合、その非極性溶媒は環状構造への自己縮合を促進し、それによって線状構造の形成が減少される。
【0076】
Si-H結合含有出発化合物に依存するある状況では、本発明の方法で不活性溶媒を使用することができ、そして、そのように使用する場合は、シラン類、シラザン類およびポリシラザン類と反応しないか、またはアンモノリシスプロセスを妨害せず、および/またはそのプロセスに関与しない、限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、テトラヒドロフラン等を含めていかなる有機溶媒も加えることができる。
【0077】
新規なシラザンおよび/またはポリシラザン化合物を本発明に従って製造するために、任意のモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲン化シランが使用できる。本発明の方法でSi-H結合含有出発化合物として利用されるハロシランは、RSiX3、R2SiX2、R3SiXおよびそれらの混合物より成る群から選択することができ、この場合Rは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、そして少なくとも1個のRが水素原子であるという条件で、水素原子、1個以上の炭素原子を有する低級アルキル基、3個以上の炭素原子を有する置換若しくは非置換シクロアルキル基、2個以上の炭素原子を有する置換若しくは非置換低級アルケニル基または6個以上の炭素原子を有する置換若しくは非置換低級アリール基であり、そしてXはハロゲンである。具体的に述べると、適した有機ハロシラン類の例として、ジクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、エチルジブロモシラン、エチルジヨードシラン、エチルジフルオロシラン、ジクロロモノフルオロシラン、プロピルジブロモシラン、イソ−プロピルジクロロシラン、ブチルジヨードシラン、n−プロピルジクロロシラン、ジプロピルクロロシラン、トリクロロシラン、n−ブチルジクロロシラン、イソ−ブチルジクロロシラン、イソ−アミルジクロロシラン、ベンジルジクロロシラン、ナフチルジクロロシラン、プロペニルジクロロシラン、フェニルジクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、メチルエチルクロロシラン、ビニルメチルクロロシラン、フェニルメチルクロロシラン、ジベンジルクロロシラン、p−クロロフェニルシリコンジクロリド、n−ヘキシルジクロロシラン、シクロヘキシルジクロロシラン、ジシクロヘキシルクロロシラン、ジ−イソブチルクロロシラン、パラ−トリルジクロロシラン、ジ−パラ−トリルクロロシラン、パラ−スチリルジクロロシラン、エチニルジクロロシランおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0078】
選択されたハロシランまたはその混合物は無水液体アンモニアに直接導入され、そしてその液体アンモニアと反応せしめられる。アンモノリシス中は、普通、厳密に化学量論的基準では、ハロシラン上に置換されている各ハロゲン原子に2分子のアンモニアが必要とされる。そのハロゲン原子を1個のアンモニア分子が置換し、一方第二のアンモニア分子がハロゲン化アンモニウム塩を形成する。この点に関し、過剰の無水液体アンモニアが既に装填されている閉鎖可能な反応容器に、ハロシランを、好ましくは存在するSi-X結合としてアンモニア量の少なくとも2倍、さらに好ましくはSi-X結合としてアンモニア量の少なくとも5倍導入するのが有利であることが見いだされた。
【0079】
ハロシランは、発熱性のアンモノリシス反応に因る反応混合物の過熱を防ぐために、無水液体アンモニア中に、連続的かまたは周期的かのいずれかの制御された流れで導入することができる。
【0080】
反応容器中の温度および/または圧力は、無水アンモニアを液化状態に保持しておく範囲内にあるべきである。圧力は約15〜約200psiaの範囲であることができる。この圧力範囲は、反応で発生する温度、反応中のアンモニアの排気量、および反応容器が外部冷却源で冷却されているかどうかに依存する。従って、反応が周囲圧力の下で行われるならば、そのとき温度は−33℃またはそれより低い温度に維持されるべきである。別法として、反応容器内の圧力が高められるならば、そのとき温度は−33℃よりも高い圧力から約130℃までの範囲であることができる。圧力は約35〜約350psiaの範囲、温度は約−15〜約60℃の範囲であるのが好ましい。
【0081】
ハロシラン類をSi-X結合の量に対して化学量論的過剰の無水液体アンモニア中に導入することが非常に重要である。それは、反応中に形成されるハロゲン化アンモニウム塩がその液体アンモニア相中で可溶化され、そして、このような理由から、製造されたアンモノリシス生成物と共にまたはそのアンモノリシス生成物中に沈殿せず、その代わり製造されたアンモノリシス生成物を含むもう1つの液体層とは別個の液体層に残るからである。これは、沈殿したハロゲン化アンモニウムを濾別し、そして生成物の損失を回避するように数回洗浄しなければならなかった、シラザン類を製造する従来公知の方法と著しく違っている点である。有利なことに、本発明による分離法は、ハロゲン化アンモニウム塩を好ましいアンモノリシス生成物から分離することを含んでいる必要がない。
【0082】
さらに、イオン化したハロゲン化アンモニウム塩を無水液体アンモニア層中に保持することによって、この反応混合物の粘度は、従来技術の方法では沈殿したハロゲン化アンモニウム塩のレベルが高くなるにつれて起こる反応中に増大しなくなる。本発明は沈殿物の形成を実質的になくし、このことが、従来技術においては、これまで、反応混合物を攪拌することができないことに因る反応の失速を防ぐために加えられた不活性溶媒の添加の必要を克服する。
【0083】
さらに、何らかの特定の作用理論で縛られることを望むものではないが、ハロゲン化アンモニウム塩の沈殿を回避することによって、沈殿の結果として生ずる結晶化の発熱が反応容器中に導入されず、それによって局所過熱または温度のピークが実質的になくなり、従ってより均一な反応の進行が持続される。
【0084】
本発明の方法によれば、Si-H結合含有出発化合物は、加圧された第二容器から第一反応容器に導入することができる。第一容器には、化学量論量を上回る量の、好ましくはハロシランのケイ素−ハライド結合の数に基づく化学量論量の少なくとも2倍の量の無水液体アンモニアが装填される。2つの容器間に十分な圧力勾配があることが、Si-H結合含有出発化合物を第一反応容器中に注入するのを可能にする。圧力勾配は約20〜約100psiであるのが好ましく、この場合第二容器の圧力が第一反応容器の圧力よりも高い。この代替法において、出発化合物はポンプで反応容器に給送することができる。
【0085】
アンモノリシス反応の進行中に、発熱反応に起因して反応容器中に温度上昇が生ずることがある。反応容器中で温度が上昇すると、反応が過熱を起こす傾向があり、従って添加速度を下げなければならないことがある。Si-H結合含有出発化合物がある期間にわたって導入される量を減少させることによって、容器内に発生する熱を制御することができる。
【0086】
反応容器および混合物内の温度は、Si-H結合含有出発化合物の反応容器への投入量を制御することに加えて、少量の、気体としての無水アンモニアをゆっくり排気することによって維持することができる。その結果、アンモノリシスプロセスは過熱を起こすことなくタイミングのよい様式で進行することができる。本発明の方法は、アンモノリシスプロセスを完了させる時間の長さを大幅に減少させるので、アンモノリシス生成物を製造するためのよりコスト効率の高い方法である。
【0087】
アンモノリシスプロセスおよび/または重合の完了後に、その好ましいアンモノリシス生成物は、アンモノリシス生成物を含む液相の層を反応容器から取り出すことによって容易に分離される。
【0088】
本発明の方法はバッチ方式または連続方式の両者で実施することができる。バッチ方式または連続方式のいずれにおいても、無水液体アンモニアは、製造されたアンモノリシス生成物層中への塩の沈殿を開始させ得るイオン化されたハロゲン化アンモニウム塩で飽和されるようになる可能性がある。この飽和が起こるのを避けるために、可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩を含んでいる液体アンモニアの一部を容器から周期的に除去することができる。可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩は、次に、アンモニアが蒸発される蒸発チャンバーを通過させることによってそのアンモニアから分離することができる。蒸発したアンモニア蒸気はこれを凝縮させ、そして必要な時に反応容器へと再循環させることができる。
【0089】
連続法のプロセス中は、アンモノリシス生成物はそれらの液相の層から抜き取ることができる。製造されたアンモノリシス生成物のこの除去は、生成物の液相層からの抜き取りを、アンモニアおよびハロゲン化アンモニウム塩を含む液体層を取り出すことなく容易に行えるようにするために、十分な量の生成物の初期生成後に行うことができる。
【0090】
本発明の新規なシラザン類および/またはポリシラザン類は、繊維、フィラメント、フレーク、粉末、フィルム、塗料等として、さらにまたマット、織物、スラブ、スリーブ、構造複合材等々のような他の製品として有用である。このような造形物品は、それらの化学組成の故に、高い温度まで耐酸化性である材料であると考えられる。それらの良好な物理的性質および卓越した機械的強さは、それら材料を高温における腐食および酸化に対して保護しようとする装置の諸部分のライニングに適したものにし、一方このような材料の発泡体は耐温度性絶縁材料として非常に有利に使用することができる。パイプ、るつぼ、煉瓦等のような窒化ケイ素の各種造形物品は、それらの良好な化学的耐性の故に、高温材料としての使用に適している。
【0091】
本発明のもう1つの態様において、新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を製造する上記の方法は、反応体がSi-H結合を有しないハロゲン置換シランであるときにも使用することができる。上記で明らかにしたアンモノリシスプロセスの一般的手順が適用可能であり、それによって公知のシラザン類および/またはポリシラザン類を製造する容易でかつコスト効率の高い方法が提供される。公知のアンモノリシス生成物を製造するこの方法は、ハロゲン置換シランを無水液体アンモニア中に導入することを含む。無水液体アンモニアの量は、ハロゲン置換シラン上に見いだされるケイ素−ハライド結合の化学量論量の少なくとも2倍、さらに好ましくは過剰の無水液体アンモニアである。ハロゲン置換シラン類を無水液体アンモニア中に導入するとき、それらを不活性溶媒に溶解させることもできるし、或いは、好ましくは、不活性溶媒の非存在下で導入することもできる。
【0092】
ハロゲン置換シラン類を溶解させるために不活性溶媒を使用する場合は、アンモノリシス生成物と反応せず、アンモノリシスプロセスを妨害せず、および/またはそのプロセスに関与しない、限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、テトラヒドロフラン等を含めていかなる有機溶媒も加えることができる。
【0093】
本発明の方法に従って公知のアンモノリシス生成物を製造するのに、任意のハロゲン置換シランを用いることができる。モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲン化シランは、RSiX3、R2SiX2、R3SiXおよびそれらの混合物を含んでいる群から選択されるのが好ましく、この場合Rは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、そして、次の、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基または置換若しくは非置換アリール基を含んでいる群から選ばれ、そしてXはフッ素、ヨウ素、塩素および臭素の群から選ばれるハロゲンである。四官能性シラン類・SiX4、並びにハロゲン置換ジシラン類が存在することもできる。
【0094】
反応中に形成される公知のアンモノリシス生成物は、出発ハロゲン置換シラン、ハロゲン結合点の数、および/またはシランに結合されている有機基のタイプに依存する。具体的に述べると、公知のアンモノリシス生成物は、単量体、二量体、線状種、重合体および/または少なくとも3つまたは4つのSi-N単位を含んでいる小さい環を含んでいることができる。
【0095】
例えば、トリオルガノハロシラン類は、ケイ素原子上にハロゲン結合点を1個しか存在しないのでジシラザン類を形成する。このように理解すると、トリメチルクロロシランを用いて出発し、そして同クロロシランを無水液体アンモニア中に注入すると、以下に示されるような縮合反応中に二量体が生成する。
【0096】
【化16】
Figure 0004700877
【0097】
ハロシラン類を、無水液体アンモニアがケイ素−ハライド結合の化学量論量の少なくとも2倍、好ましくはケイ素−ハライド結合の量の少なくとも5倍の量で既に装填されている閉鎖可能な反応容器中に導入するのが有利であることが見いだされた。ハロゲン置換シランは、発熱性のアンモノリシス反応に因る反応混合物の過熱を防ぐために、連続的にかまたは周期的にかのいずれかの制御された流れで導入することができる。反応容器系の圧力および温度の条件は、前記のそれらと同じである。
【0098】
ハロシラン類を化学量論的過剰の無水液体アンモニア中に直接導入することが非常に重要である。それは、反応中に形成されるハロゲン化アンモニウム塩がその液体アンモニア相の中で可溶化され、そして、そういうことで、製造されたアンモノリシス生成物と共にまたはアンモノリシス生成物中に沈殿しないからである。沈殿したハロゲン化アンモニウムを濾別し、そしてその生成物の損失を回避するように数回洗浄しなければならなかった、シラザン類を製造する従来公知の方法とは著しく違って、本発明による分離はハロゲン化アンモニウム塩をその好ましいアンモノリシス生成物から分離することを含む必要がない。
【0099】
前記のように、イオン化したハロゲン化アンモニウム塩を無水液体アンモニア層中に保持することによって、この反応混合物の粘度は反応中に増加せず、これによって反応混合物の攪拌の失速を防ぐために従来加えられた不活性溶媒の必要がなくなる。
【0100】
このプロセスが完了すると、生成物は無水液体アンモニア溶液から容易に分離される。アンモノリシス生成物は、無水液体アンモニア中で可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩とは別の異なる液相の層中に保持されている。理論によれば、この分離は可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩に因る無水液体アンモニアのイオン性環境によって促進される。
【0101】
このアンモノリシス生成物は、ハロゲン化アンモニウム塩が液体アンモニア中で可溶化され、それによってその塩の沈殿および最終アンモノリシス生成物の汚染が低下せしめられるという事実に因り、限られた精製量しか必要としない。さらに、ハロゲン化アンモニウム塩の可溶化は、従来技術で見いだされた問題である塩の結晶化熱を改善する。
【0102】
本発明のさらにもう1つの態様は、本発明で説明される方法で製造されるかどうか、或いは従来技術の方法で製造されるかどうかに関わらず、シラザン類および/またはポリシラザン類のさらなる重合および/または構造転位を提供するものである。従来技術の幾つかの方法は、熱分解反応中に蒸発することによって、出発材料に比較してセラミック生成物の重量収量が減少される可能性のある低分子量種を生成させる。加えて、多くのポリシラザン類は熱分解反応中に熱安定性でない。それは、構造ケイ素−窒素結合が熱分解反応中に破断され、一部のポリシラザン類をセラミック材料の重量をさらに減少させる揮発性オリゴマーに分解させるためである。
【0103】
上記の諸問題を克服するために、本発明は、公知のシラザンおよび/またはポリシラザン化合物、並びに本発明に開示される新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を、より高分子量のポリシラザンを製造し、および/または粘度を増大させることによって改質する方法を提供する。この方法は、少なくとも1個のSi-H結合を有するシラザンおよび/またはポリシラザンを、触媒上有効な量の可溶化および/またはイオン化された酸触媒を無水液体アンモニア中に含んでいるその無水液体アンモニアの溶液中に導入することを含む。
【0104】
無水液体アンモニアは、その無水アンモニアを、前記のように、液化状態に保持しておくのに十分な温度と圧力に維持される。少なくとも1個のSi-H結合を有するシラザン類および/またはポリシラザン類は、無水液体アンモニア中に、その中でイオン化されている酸触媒と接触した状態で、そのシラザン類および/またはポリシラザン類を重合および/または共重合および/または構造的に転位させるのに十分な時間保持されるのが好ましい。
【0105】
酸触媒は、無水液体アンモニア中で可溶化および/またはイオン化され得る、限定されるものではないが、ハロゲン化アンモニウムおよび硝酸アンモニウムを含めてアンモニウム塩のような無機塩、および酢酸アンモニウムのような有機塩、またはそれらの混合物を含めて任意の非金属の酸またはその塩であることができる。反応は触媒反応であるので、一般に、出発シラザン類および/またはポリシラザン類中のSi-H結合に基づいて0.1〜10モルパーセントのような極く少量の酸触媒しか必要でない。
【0106】
何らかの特定の作用理論で縛られることを望むものではないが、無水液体アンモニアと接触している、可溶化およびイオン化された酸触媒を含んでいるシラザンおよび/またはポリシラザン化合物のSi-H結合は触媒的に開裂され、かつハロゲン化されて、さらなるアンモノリシスのための活性部位を生成させると考えられる。アンモノリシスは、全てのSi-H結合が開裂され、そして新しく形成された活性部位がアンモノリシスされるまで続くだろう。さらなる重合は、少なくとも4員の環、縮合環状構造、線状構造およびそれらの混合構造のような環状構造を含ませることができる。
【0107】
この改質されたシラザンおよび/またはポリシラザン化合物は、この技術分野の当業者に知られている任意の分離法で反応混合物から分離することができる。改質ポリシラザン類の分離は、それらがイオン化酸触媒を含んでいる液体アンモニアから離れた別個の液体層に分離するので、容易に行われる。酸触媒を含んでいるこの液体アンモニアは、排出またはデカントのような方法によって系から除去され、後に改質生成物を残す。
【0108】
本発明に開示される方法の使用は、沈殿したハロゲン化アンモニウム塩のような所望とされない共生成物を本質的に含まないシラザン類および/またはポリシラザン類を与えるけれども、従来技術に開示される方法は、通常、アンモノリシス生成物の費用のかさむ濾過および精製を必要とする。
【0109】
予想外にも、製造されたアンモノリシス生成物からのハロゲン化アンモニウム塩のような所望とされない副生成物の除去は、これらの塩を含んでいる公知のシラザン類および/またはポリシラザン類、並びに本発明に開示される新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を、そのハロゲン化アンモニウム塩を可溶化および/またはイオン化するのに十分な量の無水液体アンモニア中に導入することによって成し遂げ得ることが本発明者によって発見された。そのシラザン類および/またはポリシラザン類は、ハロゲン化アンモニウム塩が可溶化およびイオン化されるまで無水液体アンモニア中に保持され、かつ攪拌される。精製されたシラザン類および/またはポリシラザン類は、無水液体アンモニア中に保持されているイオン化されたハロゲン化アンモニウム塩から離れた別個の液体層に分離する。
【0110】
もう1つ別の精製方法では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が、製造されたシラザン類および/またはポリシラザン類とハロゲン化アンモニウム塩を含んでいる無水液体アンモニアに、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を生成させるべく、無水液体アンモニア中に溶解されているハロゲン化アンモニウムの量に対して十分な化学量論量で加えられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物塩は本質的に中性であって、それ自体シラザンおよび/またはポリシラザン生成物とはさらに反応しない。
【0111】
ナトリウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の無水液体アンモニア中への溶解は、必要なアルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンを溶媒和電子と共に生成させる。主として入手性および経済性の理由から、アルカリ金属またはアルカリ土類金属はLi、Na、K、Caおよびそれらの混合物より成る群から選ぶのが最も好ましい。ほとんどの場合、広く入手できかつ安価なナトリウムの使用が満足できることが判明している。
【0112】
本発明では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属は、無水液体アンモニア中に、攪拌条件下で、金属の溶解を容易にする制御された速度で導入することができる。反応容器に導入される金属の量は、化学量論量のカチオンおよび溶媒和電子を生成させて、無水液体アンモニア中でイオン化されているアンモニウムイオンと反応および/または化合させるのに十分な量で、かつ無水液体アンモニア中の金属の溶解度を越えない量であるべきである。
【0113】
別法として、活性な金属を、汚染されたアンモノリシス生成物が無水液体アンモニア中に導入される前に、その液体アンモニア中に前もって溶解させることができる。
【0114】
説明の目的から、ナトリウムをアルカリ金属の代表として使用するが、これは本発明を限定しようとするものではない。ナトリウムおよび他のアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、液体アンモニアのようなアンモニア性液体中に溶解すると、カチオンおよび溶媒和電子が化学的に生成せしめられる。ナトリウムは、次式で説明されるように価電子を失うことによってカチオンになる:
【0115】
【化17】
Figure 0004700877
【0116】
溶媒和電子はアンモニウムイオンと反応し、それらを中和して、以下に示されるように水素ガスを形成する:
【0117】
【化18】
Figure 0004700877
【0118】
ナトリウムカチオンは溶液中のハロゲン化物アニオンと自由に結合することができ、中性のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を形成する。
【0119】
この中性のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、シラザン類および/またはポリシラザン類から、濾過を含めてこの技術分野で公知の任意の分離手段で除去することができる。
【0120】
予想外にも、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の添加は、液体アンモノリシス生成物を凝固させる機構を提供することが本発明者によって発見された。その凝固プロセスにおいては、Si-H結合を有しおよび/または有しない、液体の新規なおよび公知のシラザン類および/またはポリシラザン類が、それらが本発明の方法で製造されようと、或いは従来技術に開示される方法で製造されようと、それらシラザン類および/またはポリシラザン類を均質な相中に分散および/または溶解させるのに十分な量の無水液体アンモニア中に導入される。この溶液に触媒量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属が添加される。この金属の量は、シラザン類および/またはポリシラザン類中に残っている全てのハロゲン化アンモニウム塩を中和するのに必要な量と少なくとも同じくらいの量、好ましくは、反応が触媒反応であるので、出発シラザン類および/またはポリシラザン類中のNH含有繰返単位に基づいて約0.1〜約10モルパーセントの範囲の量でなければならない。
【0121】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の無水液体アンモニア中への添入により、典型的な青色がそのアンモニア溶液中に生ずるが、これは溶媒和電子および金属カチオンの生成を示すものである。溶液内のこの青色は、その溶媒和電子が反応混合物内で消費されて凝固プロセスを開始すると、それにつれて消える。
【0122】
凝固プロセスは、酸性試薬、好ましくはアンモニウム塩、さらに好ましくはハロゲン化アンモニウムの添加により反応を止めることによって中断させることができる。凝固プロセスでの特定の時間におけるこの反応停止は、反応時間と反応停止点に依存する、低粘度から非常に高粘度までの範囲にわたって制御可能に増大する粘度を有するある範囲の生成物をもたらす。
【0123】
本発明を、今度は、次の実施例でさらに詳細に説明することにするが、これらの実施例は本発明を単に説明する役を果たすものであって、いかなる意味においても本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0124】
実施例1
本発明の方法を使用するメチルジクロロシランのアンモノリシス
6リットルの圧力反応器に2.5リットルの商用銘柄の無水液体アンモニアを装填した。このアンモニアは追加精製なして容量シリンダー(bulk cylinder)から直接移された。その反応器は温度計および圧力計を備えていた。混合するために、ポンプ・アラウンド・ループ(pump around loop)が液体を反応器の底から抜き取り、そして液体アンモニア表面の下の反応器の上部に注入した。
【0125】
メチルジクロロシラン(237.2g、2.06モル)は、ガラス製圧力管中に、反応器の予想圧力よりも高い圧力である100psiaに保持されている窒素ブランケット下で貯蔵されていた。
【0126】
アンモニアを反応器から排気して上記系を−6°Fまで冷却した。この反応器に上記メチルジクロロシランを一部分ずつ分けて加えた。この添加は、反応の発熱が反応器中の圧力を前もって定められた最大圧力(約70psia)に上昇させるまで続けられた。次に、メチルジクロロシランの添加を止め、そしてアンモニアを排気することによって反応器を冷却した。反応器が約20°Fに達したとき、メチルジクロロシランの添加を再開した。メチルジクロロシランの添加および自動冷却のこのシーケンスを続けると、メチルジクロロシランは14分の時間にわたって加えられた。
【0127】
メチルジクロロシランとアンモニアとの反応は非常に速かった;メチルジクロロシランの添加が始まると直ぐに、反応器中の温度(従って圧力)が上昇し始めた。メチルジクロロシランの流れを止めたとき、温度と圧力の上昇も自然に止まった。生成した全ての塩化アンモニウム塩が無水液体アンモニア中で可溶化された。
【0128】
シラザンおよび/またはポリシラザン合成の完了後に、反応器は2相系を含んでいた。一方の層は溶解塩化アンモニウム塩を中に有する液体アンモニアより成り、他方の層はアンモノリシス生成物を含んでいた。これらの層は容易に分離された。
【0129】
比較例2
従来技術の状態を表す比較として、ハロシラン類を中に溶解して有する不活性溶媒を含んでいる反応釜にアンモニアガスを導入することによってシラザン類を製造した。手順は次のとおりであった:
2リットルの重合釜に攪拌機、温度計およびドライアイス/イソプロピルアルコール凝縮器を備え付けた。この反応器に416グラム(608mL)のヘプタンを加えた。メチルジクロロシラン(55.25g、0.48モル)を加え、続いてメチルビニルジクロロシラン(16.86g、0.12モル)を加えた。この混合物を攪拌し、そして氷浴で約20℃まで冷却した。
【0130】
アンモニア蒸気を、上記反応器に、その温度を約20℃に保持する遅い速度で加えた。アンモニアの流れが始まると直ぐに、反応器中の蒸気空間は白い霧で満たされ、またヘプタン溶媒は塩化アンモニウム塩の白い懸濁物を含んでいた。
【0131】
上記アンモニア(62.1g、3.65モル)は3時間55分の時間にわたって加えられた。アンモニアを反応容器に導入するのに要した時間は長時間であった。これは、アンモニアは、ハロゲン化アンモニウム塩の急速な堆積を引き起こすことなく反応混合物の攪拌を可能にし、かつ約20℃の操作温度を維持するために遅いペースで加えなければならないからである。塩化アンモニウム塩のヘプタン溶液中懸濁液はかなり濃厚であったが、アンモニアの添加全体を通じて効率的な攪拌が保持された。
【0132】
アンモノリシスプロセスの完了後に、塩化アンモニウム塩を溶媒スラリーから濾過によって除去した。そのアンモノリシス生成物をヘプタン溶媒の蒸留によって単離した。塩化アンモニウムの収量は56g(理論値の87%)であり、またアンモノリシス生成物の収量は27.9g(理論値の72%)であった。
【0133】
この比較研究の結果は、本発明の方法の、従来技術の方法を越える有効性における重要な相違を示している。具体的にいうと、不活性溶媒に溶解させたハロシランの混合物にガス状アンモニアを加える従来技術の方法は、70グラムのハロシランを反応させるに過ぎず、しかも生成物を分離し、精製するのに長い濾過および単離を必要とするアンモノリシスプロセスにほとんど4時間掛かった。これとは対照的に、本発明の方法は、ほとんど250グラムのハロシランのアンモノリシスを15分以内に終えた。本発明によって合成されたアンモノリシス生成物は、そのアンモノリシス生成物を所望とされない全ての塩副生成物から離して分離している別個の液体層によって、分離が容易になっているので、所望とされる生成物を単離するのにさらなる精製を必要としなかった。
【0134】
実施例3
本発明の方法を使用するテトラメチルジシラザンの製造および重合
6リットルの圧力反応器に、4.0リットルの、商用銘柄の、冷却された(−30℃)無水液体アンモニアを装填した。窒素ガスでほぼ160psiaまで加圧された添加槽にほぼ1kg(7.5モル)のジメチルクロロシランを加えた。このジメチルクロロシランは、上記無水液体アンモニアに、上記の2つの槽の圧力差によって加えられた。上記ハロシランの約半量を上記無水液体アンモニアに導入した後、その反応槽を排気して圧力を下げ、そしてその系をさらに冷却した。ハロシランの残りを導入して、その添加をほぼ30分で完了させた。反応容器を約10分間かき混ぜ、次いで攪拌を中断した。この反応混合物は自然に2つの別個の層に分離した。その上層から試料を採取し、そして溶解アンモニアを全て蒸発させた。この透明な試料をフーリエ変換赤外(FTIR)分光分析法で分析し、そして真正スペクトルと比較するとテトラメチルジシラザンであることが示された。攪拌を再開し、そして次の表1に概略が示される追加の試料を採取した。
【0135】
【表1】
Figure 0004700877
【0136】
結果:
初めに、反応プロセス中は、圧力に、進行反応が起きていることを示す連続上昇があったことを認識しなければならない。全試料がFTIRで分析された。全てのスペクトルが規格化された後、それらスペクトルの変化が明らかになった。図1は、t=0.5時間(点線)からt=47時間(実線)までの反応の進行過程におけるスペクトルの幾つかの領域における変化を図示するものである。Si-H結合の数は、
【0137】
【数1】
Figure 0004700877
【0138】
cm-1(図1(c))および2115cm-1(図1(a))におけるSi-Hピークの強度によって示されるように、反応中に減少したことは明らかである。さらに、
【0139】
【数2】
Figure 0004700877
【0140】
cm-1(図1(b))のピークは、増加しているSi-N性(character)に関係する。これらの変化は、Si-H結合が開裂して、Si-N官能基の増加を伴うさらなるアンモノリシスを可能にする重合のプロセスと相伴っている。これらの結果は、開裂したSi-H結合部位に追加のSi-N結合が生じて、増加した数のSi-N単位を有する重合体がもたらされたことを示している。
【0141】
実施例4
公知のシラザンであるメチルヒドリドメチル
ビニルポリシラザンのさらなる重合
以下の構造(式中、Rはメチルビニルである)で示される、有効Si-H結合を有するメチルヒドリドメチルビニルポリシラザンの試料を、例2で概説した従来技術の方法で製造した。
【0142】
【化19】
Figure 0004700877
【0143】
製造した試料を、その試料のさらなる重合を行うために、無水液体アンモニアと触媒量のNH4Clとの混合物中に導入した。図2は、重合処理前および処理25時間後のメチルヒドリドメチルビニルポリシラザンの比較FTIRスペクトルを表している。時間ゼロ(点線)での
【0144】
【数3】
Figure 0004700877
【0145】
cm-1において図2を見ると、初めに、メチルヒドリドメチルビニルポリシラザンが
【0146】
【数4】
Figure 0004700877
【0147】
cm-1に限られたアミン(NH2)官能基を有していることは明らかである。イオン化された酸触媒を含んでいる液体アンモニア溶液中で25時間後(実線)には、
【0148】
【数5】
Figure 0004700877
【0149】
cm-1のアミン官能基に顕著な増加が、
【0150】
【数6】
Figure 0004700877
【0151】
cm-1に示されるSi-H結合に減少が、そして
【0152】
【数7】
Figure 0004700877
【0153】
cm-1に環状性の減少が、
【0154】
【数8】
Figure 0004700877
【0155】
cm-1におけるSi-NH性の増加と共に存在していた。
【0156】
この重合反応の結果は、環状分子の減少およびSi-H結合の開裂に比例したSi-N結合の増加を示している。それは、可溶化されたハロゲン化アンモニウム塩によってもたらされた無水液体アンモニアの酸性環境中で環が開環、安定化され、そして開裂後にそのSi-H結合部位でさらなる重合が起こったと理論付けられる。
【0157】
実施例5
本発明の方法を使用するメチルジクロロシランおよびビニルメチル
ジクロロシランのアンモノリシスおよびさらなる重合
実施例1に概説されたものと同じ本発明の一般的手順を用いて、ポリシラザンを80%のメチルジクロロシランおよび20%のビニルメチルジクロロシランを使用して製造した。このプロセス中にアンモノリシス生成物の試料を抜き取って、以下において表2に示される伸長重合体(extended polymers)の触媒による形成を調べた。
【0158】
【表2】
Figure 0004700877
【0159】
図3、4および5は、試験期間中における伸長重合体への転化をグラフで表したものである。具体的には、図3は、t=2.5時間(点線)からt=130時間までの期間にわたる、ほぼ2120cm-1におけるSi-H結合の数の変化を表すもので、その変化はSi-H結合の総合的減少を示している。図4は、重合体のアミン(NH)性の重合プロセス中における総合変化を示すもので、そのアミン性は、ほぼ1170cm-1に示されるピークによって示されるように、t=2.5時間からt=130時間まで著しく増加している。図5は、重合体の線状構造から縮合で形成された縮合環構造への漸進的変化を表している。
【0160】
これらの結果は、開裂したSi-H結合部位でさらなる重合が起こり、増加したSi-NH結合と、Si-N単位間にさらなる結合がもたらされたことを示している。
【0161】
実施例6
本発明および従来技術の方法で製造されたメチル
ビニルメチルヒドリドポリシラザンの比較
実施例1に概説されたものと同じ本発明の一般的手順を用いて、新規なポリシラザンを、80%の、Si-H結合を有するメチルジクロロシランおよび20%のビニルメチルジクロロシランを使用して製造し、これを生成物1と定めた。
【0162】
本発明の新規な化合物を製造する方法は、アンモノリシス生成物が保持される酸性のイオン性環境を与える。これは、アンモノリシス生成物と有効な触媒との密な接触を容易にして、Si-H結合を接触開裂させ、そして連続アンモノリシスが最終生成物中のSi-N結合を増加させるのを可能にする。
【0163】
実施例2で概説した従来技術の方法を用いて、公知のポリシラザンを、不活性有機溶媒に溶解された80%のメチルジクロロシランおよび20%のビニルメチルジクロロシランを使用して製造し、これを生成物2と定めた。形成されたシラザン化合物は、アンモノリシスプロセス中に、ハロゲン化アンモニウム塩の沈殿物と混合され、従って液体アンモニア中でイオン化されたイオン化アンモニウム塩により形成される酸性および/またはイオン性環境は存在しない。それに代わって、形成されたシラザン類はそれが形成されると直ぐにその有機媒体中に移行し、および/またはその中に残った。
【0164】
図6および7は、全ての物質が反応系中に導入された時点である時間ゼロ(t=0)における生成物1および2のFTIRスペクトルを示す。ハロシランを過剰の無水液体アンモニア中に添入することによって形成された、本発明の新規な生成物・生成物1は1時間未満で完成され、その時点でスペクトルが描かれた。従来技術の方法に従って製造された生成物・生成物2は、ガス状アンモニアを反応系に加えるのにほぼ1時間半掛かった。ガス状アンモニアを送出するこの長い時間は、大量の沈殿塩化アンモニウムの形成、さらにまたガス状アンモニアの添加が速すぎるときに起こる過度の熱の発生により遭遇する諸困難に起因するものであった。全ての反応体を組み合わせた後に、初めのスペクトルが描かれた。
【0165】
図6において、生成物1(実線)は、生成物2(点線)と比較したとき、ほぼ2120cm-1に減少した量のSi-H官能基を有することを明らかに示しており、このことは、Si-H結合は本発明の方法で使用された酸性環境中においては容易に反応することを示している。さらに、図7の
【0166】
【数9】
Figure 0004700877
【0167】
cm-1に示されるSi-NH環境は、生成物2のそれと比較したとき、生成物1でより大きかった。また、図7にも、ほぼ850cm-1に示される生成物2の環状性と比較して、生成物1のより大きいな線状性が
【0168】
【数10】
Figure 0004700877
【0169】
cm-1に示されている。生成物1は、
【0170】
【数11】
Figure 0004700877
【0171】
cm-1に増加した信号強度を、さらにまたより均一な重合体系であることを示すより狭い信号を有している。
【0172】
これらの新規なシラザン類およびポリシラザン類の形成は、ハロシラン類を過剰の無水液体アンモニア中に添入すると直ちに起こることは明らかである。1170cm-1における増加したSi-NH官能基は、本発明の新規化合物中でより多くのSi-NH性が存在していることを示している。この増加したSi-NH性は、
【0173】
【数12】
Figure 0004700877
【0174】
cm-1における線状性の増加によって示されるように、線状重合体鎖として存在している可能性がより大きいと考えられる。
【0175】
図8および9は、本発明の反応系における130時間後の生成物1の情報をさらに提供するものである。図8は、2.5時間から130時間までの期間中に、生成物1のSi-H結合に、ほぼ2120cm-1におけるピークの低下で示されるように、顕著な減少があったことを示している。
【0176】
同様に、図9では、ほぼ1170cm-1のSi-NH官能基が広がり、かつ右にシフトしているが、これは時間の経過に対するSi-NH結合およびSi-N結合環境の劇的変化を示すものである。
【0177】
生成物2の変化を図示する図10および11において、ほぼゼロ時間の初期サンプリングと130時間後のサンプリングとの間では、そのアンモノリシス生成物に、あっても極く小さい変化しかなかったことは明らかである。図10には、Si-H結合環境は、ほぼ2120cm-1のピークによって示されるように、事実上無変化であることが示される。ほぼ1170cm-1にはSi-NH環境の減少が存在するが、これは線状鎖上に残っているアミン末端基が追加の小さい環状重合体を形成し続けるからである。これらの小さい環状重合体は、その線状鎖が生成物1のような酸性のアンモニアに富む環境中で安定化されないために生成する。また、800cm-1と1000cm-1との間のスペクトル変化から、それら重合体は短い線状鎖から小さい環状の環まで漸進的に変化し続けていたことは明らかである。明らかに、それらスペクトルが示すように、生成物2は130時間の反応の進行過程において小さい変化をこうむったが、こらは、一旦初期生成物が形成され、そして沈殿したハロゲン化アンモニウム塩と混合されてしまうと、従来技術の方法によって前もって配置された線状化合物から環状化合物への継続した小さい転位を除けば、さらなる反応は起きなかったことを証明するものである。
【0178】
対照的に、生成物1は、本発明の新規化合物は幾つかの異なる構造を経て少なくともある程度高分子量の縮合環構造に至る顕著な進行を示す。図4に示されるように、初期前駆体アンモノリシス生成物は1170cm-1により低度のアミン(Si-NH)官能基を有し、そのアミン官能基は時間の経過につれて増加してほぼ106時間に最大値に達する。反応が130時間まで進んだとき、それら化合物のアミン性に減少があることが示される。この減少は、窒素原子が3個のケイ素原子に結合されているSi-N性を増加した量で有する縮合環構造まで縮合することの追加の証明となるものである。縮合環状構造へのこの縮合の証拠は、ほぼ1234cm-1から約1060cm-1までの範囲のFTIRスペクトル領域中に見いだされるピークの下の計算された面積から突き止めることができる。以下において表3に示されるように、その曲線の下の面積における成長は、重合プロセスが始まってほぼ130時間経ち、その時点で曲線の下の面積が減少し始めるまで増加している。これは、重合体のSi-NH性の減少とそれに付随するSi-N官能基の増加を示すものである。ほぼ1000〜900cm-1の肩における成長は、窒素原子が水素に結合されていないSi-N結合を表すと考えられる。このデータの全てが、Si-H結合の開裂、液体アンモニア中におけるさらなるアンモノリシス、および引き続いて起こるさらなる重合に由来するより多くの縮合生成物1の構造を支持している。
【0179】
【表3】
Figure 0004700877
【0180】
結果:
生成物1のスペクトルは、新規なシラザン類および/またはポリシラザン類が増加したSi-N結合をそれに付随したSi-H結合の減少と共に有することを示す、Si-H結合の減少とSi-N-H結合の増加を伴う反応の進行を示している。これとは対照的に、生成物2は初期形成後に無変化のままであった。生成物1と2とのスペクトルの相違は、本発明の方法で製造された生成物1がこれまで知られていなかった新しい新規化合物であることを示している。
【0181】
実施例7
本発明の方法を使用するメチルビニル
メチルヒドリドポリシラザンの製造
実施例1で説明した本発明の方法を用いて、80重量%のメチルジクロロシランと20重量%のビニルメチルジクロロシランとの混合物のアンモノリシスによってポリシラザンを製造した。
【0182】
その反応混合物を核磁気共鳴(1H NMR)で分析して、上記シラン類の本発明の新規なシラザンおよびポリシラザンへの転化を調べた。また、反応中の異なる時間(t=6.5時間、72時間および84時間)におけるアンモノリシス生成物の1H NMR分析が、生成物を特徴付ける際に役に立った。Si-H(4.2−4.8ppm)結合およびSi-NH(0.5−1.0ppm)結合の量の定量的測定値を、Si-CH3(0−0.3ppm)信号の強度の不変性に基づいて決めることができたからである。アンモノリシス生成物の系列は、アンモノリシスプロセスの時間が増すと共に減少するSi-H信号の強度を示した。t=6.5時間において分析されたアンモノリシス生成物については、約2.8:1のCH3対NHプロトン比が測定された。この比は、式[(Vi)(Me)Si-NH-]0.2[-(H)(Me)Si-NH-]0.8を有する線状ポリシラザン共重合体中におけるCH3対NHプロトンについての3.0:1という理論比に近い。
【0183】
t=72時間のアンモノリシス生成物については、約2.3:1のCH3対NHプロトン比が測定された。この比は、線状構造中よりも重合体中でSi-NH結合している程度が高く、理想の式[-(Vi)(Me)Si-NH-]0.2[-(H)(Me)Si(NH)1/2-NH-]0.8を有する縮合ポリシラザン共重合体の2.1:1という理論比にほぼ等しい。このような構造は、新しいSi-NH結合の形成を伴う全Si-H結合の開裂によって達成することができ、そして連続した[-(H)(Me)Si-NH-]単位がもう1つの重合体鎖中の類似した繰返単位と縮合して、構造2に示される「はしご状」構造を生成させている連鎖セグメントを有すると想像することができる。
【0184】
t=84時間のアンモノリシス生成物の場合、そのCH3対NHプロトン比は2.7:1であって、「はしご状」縮合構造中よりも重合体中でSi-NH結合している程度が低かったことを示している。これは、上記構造がN-H結合の開裂によりさらに縮合して、構造1に示されるように、3個のケイ素原子に結合されている窒素原子を与えるそのような縮合であることを示していると思われる。このような重合体の理想の式は、上記の中間縮合生成物の正にその「はしご状」構造がさらに縮合を受けたとするならば、[-(Vi)(Me)Si-NH-]0.2[-(Me)Si(N)]0.8となろう。この重合体におけるCH3プロトン対NHプロトンの理論比は15:1であって、これはその重合体のほんの少しの部分がこの第二の縮合工程を受けることを示しているだろう。非常に長い期間のアンモノリシスに付された重合体においてさえも、FTIRおよび1H NMRの両技術で常に小数の残留Si-H結合が検出されるから、このような重合体は、同一アンモノリシス生成物中において、全て、限定されるものではないが、線状構造、「はしご状」構造、縮合環状構造、および色々な大きさの環構造を含めて多種多様な結合方式を含んでいる可能性がある。
【0185】
結果:
この実施例に示される重合体構造の進化は、本発明の方法により製造された初期生成アンモノリシス生成物が、まず、新しく形成されたアンモノリシス生成物中における、高分子量の線状ポリシラザン類を形成させるSi-H結合の開裂、次にその生成物に対する、新しいSi-NH結合を生成させるアンモニアの付加、その次に中間組成物に比較して減少した数のN-H結合を含んでいる生成物をもたらすさらなる縮合を含んでいる一連の縮合により進行する証拠となる。このような最終組成物は、広範囲の結合性を有する色々な大きさの線状および環状構造を含めて、多種多様なポリシラザン構造を含んでいることができる。
【0186】
実施例8
本発明の方法を用いる、増加した粘度の生成物を
与えるジクロロメチルシランのアンモノリシス
実施例1で概説したのと同じ本発明の一般的手順を用いて、ポリシラザンを1601.4グラムのメチルジクロロシランを使用して製造した。そのアンモノリシス生成物の試料をアンモノリシスプロセス中に抜き取って、その重合体の粘度を分析した。
【0187】
結果:
以下の表4に示されるように、重合プロセスが進行すると、それに付随してポリシラザンの粘度上昇があった。試料7および8はそれぞれ軟らかいおよび堅いゲルであって、その理由から粘度分析は中止された。
【0188】
【表4】
Figure 0004700877

【図面の簡単な説明】
【図1】 製造されたテトラメチルジシラザン、およびそのテトラメチルジシラザンの47時間の期間にわたるさらなる重合のフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを表しているグラフである。
【図2】 従来技術の方法で製造されたメチルヒドリドメチルビニルポリシラザンのさらなる重合のFTIRスペクトルを表しているグラフである。
【図3】 本発明の方法に従って製造されたメチルヒドリドメチルビニルポリシラザンのFTIRスペクトルを表しているグラフであって、反応時間の経過に対するSi-H官能基の減少を示している。
【図4】 図3のシラザンのFTIRスペクトルを表しているグラフであって、プロセス中における重合体のアミン性の総合変化を示している。
【図5】 図3のシラザンのFTIRスペクトルを表しているグラフであって、線状構造から縮合構造への漸進的変化を示している。
【図6】 本発明の方法に従って製造されたメチルヒドリドメチルビニルポリシラザンの初期生成物(生成物1)および従来技術の方法に従って製造された同様の初期生成物(生成物2)のFTIRスペクトルを表しているグラフである。
【図7】 本発明の方法に従って製造されたメチルヒドリドメチルビニルポリシラザンの初期生成物(生成物1)および従来技術の方法に従って製造された同様の初期生成物(生成物2)のFTIRスペクトルを表しているグラフである。
【図8】 重合プロセスに入ってt=2.5時間およびt=130時間における生成物1のFTIRスペクトルを表しているグラフである。
【図9】 重合プロセスに入ってt=2.5時間およびt=130時間における生成物1のFTIRスペクトルを表しているグラフである。
【図10】 重合プロセスに入ってt=0時間およびt=130時間における生成物2のFTIRスペクトルを表しているグラフである。
【図11】 重合プロセスに入ってt=0時間およびt=130時間における生成物2のFTIRスペクトルを表しているグラフである。

Claims (11)

  1. 新規なシラザンおよび/またはポリシラザンをアンモノリシスによって製造する方法であって、その工程が:
    a)少なくとも1個のSi-H結合を有する少なくとも1種のハロシランを無水の液体アンモニア中に導入し、この場合、ハロシランが不活性溶媒の非存在下で無水液体アンモニア中に導入され、無水液体アンモニアの量は上記ハロシラン上におけるケイ素−ハライド結合の化学量論量の少なくとも2倍であり、上記ハロシランは上記無水液体アンモニアと反応して前駆体アンモノリシス生成物およびハロゲン化アンモニウム塩またはその酸を形成し、上記ハロゲン化アンモニウム塩またはその酸は上記無水液体アンモニア中で可溶化およびイオン化され、それによって酸性環境を与えており、そして
    b)上記前駆体アンモノリシス生成物を、上記酸性環境中に、上記の新規なシラザンおよび/またはポリシラザン中に工程(a)のハロシランから組み込まれるSi-H結合の量に比較して、Si-H結合の数を減少させるのに十分な時間保持する
    ことを含むことを特徴とする上記の方法。
  2. 無水液体アンモニアが、液化状態のままにしておくのに十分な温度および/または圧力に保持されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  3. 温度が無水液体アンモニアを気体として排気することによって保持されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  4. ハロゲン化アンモニウム塩またはその酸が無水液体アンモニア中に酸性環境を形成して、新規なシラザンおよび/またはポリシラザン上でのSi-H結合の開裂を触媒することを特徴とする、請求項に記載の方法。
  5. 工程が、新規なシラザン類および/またはポリシラザン類を、可溶化されたハロゲン化アンモニウムを含んでいる無水液体アンモニア層とは別個の液体層に分離させることを含むことをさらに特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. ハロシランがRSiX3、R2SiX2、R3SiXおよびそれらの混合物より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項に記載の方法:但し、上記の式において、Rは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、そして少なくとも1個のRが水素原子であるという条件で、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基または置換若しくは非置換アリール基より成る群から選ばれ、そしてXはハロゲンである。
  7. アンモノリシス生成物を製造する方法であって、少なくとも1種のハロゲン置換シランを無水の液体アンモニア中に導入し、この場合、無水液体アンモニアは、全プロセス中に、液化状態のままにしておくのに十分な温度および/または圧力で保持され、約−33〜約130℃の範囲の温度に保持され、ハロゲン置換シランが不活性溶媒の非存在下で無水液体アンモニア中に導入され、無水液体アンモニアの量は上記ハロゲン置換ハロシラン上のケイ素−ハライド結合の化学量論量の少なくとも2倍であり、上記ハロゲン置換シランは上記無水液体アンモニアと反応してアンモノリシス生成物、および上記無水液体アンモニア中で可溶化されたイオン性の副生成物を形成する工程を含むことを特徴とする上記の方法。
  8. 工程が、アンモノリシス生成物を、可溶化されたイオン性副生成物を含んでいる無水液体アンモニア層とは別個の液体層として分離させることを含むことをさらに特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. ハロゲン置換シランがRSiX3、R2SiX2、R3SiXおよびそれらの混合物より成る群から選ばれるハロシランであることを特徴とする、請求項に記載の方法:但し、上記の式において、Rは互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基または置換若しくは非置換アリール基を含んでいる群から選ばれ、そしてXはハロゲンである。
  10. 工程が、イオン化性の塩をハロゲン置換シランの添加前に無水液体アンモニア中に導入することを含むことをさらに特徴とする、請求項に記載の方法。
  11. イオン化性の塩がハロゲン化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウムより成る群から選ばれる員子であることをさらに特徴とする、請求項10に記載の方法。
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