JP4671897B2 - 真空断熱材,真空断熱材を用いた給湯機器及び電気式湯沸し機器 - Google Patents
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Description
特許文献1に示される真空断熱材は、電気湯沸かし器に真空断熱材を適用した例であるが、芯材を配置した耐熱性のラミネートフィルムの間を真空に封止した真空断熱材のラミネートフィルムが、シール層とガスバリヤ層と保護層よりなり、ヒートシール部分を電気湯沸し器の外側近くになるように折って配置したものである。電気湯沸かし器は100℃程度まで温度が上がるため、従来からあるウレタンなどの有機系断熱材は劣化し、断熱性が非常に悪くなるという問題がある。特許文献1の真空断熱材はこれらを解決するために、上記構成の外包材でシール層に無延伸ポリプロピレンを用いている。これを用いることで耐熱性を有するように構成され、ヒートシール部分を湯沸かし器の外側近くなるようにしてヒートシール部からの劣化を抑制する構成としている。
また、特許文献2に示される電気湯沸かし器の例は、貯水容器外周に真空断熱材を設けて保温電力を非常に少なくしたものである。これは、真空断熱材を構成する積層フィルム中のガスバリヤ層において、高温にさらされる側に金属箔を用い、低温側は蒸着層を用いるもので、高温側は100℃程度の温度において、ガスバリヤ性が良好で真空状態を保持することができ、断熱性が長期間保つことができる。また、低温側では蒸着層を用いることにより、金属箔を伝って流れ込む熱を抑え、真空断熱材全体の性能を向上させたもので、消費電力量を低くしている。
21とで断熱部分を構成している。また、内部の真空度の保持のため、吸着剤が用いられる。空間25は硬質ウレタンフォームや他の断熱材の場合もある。
12のラミネート部分から接着剤や溶剤等から有機ガス成分が発生するが、これを考慮したものではなかった。
(CPP)やポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)のいずれかを用い、且つ、表面保護層が熱溶着層よりも融点が高い樹脂フィルムとした多層ラミネート構成としたことで、金属箔特有のピンホールを金属膜が直接塞ぐ構成としたため、ガスバリヤ性が高く、外部からのガスや水分の侵入を抑制することができる。
(SUS)のいずれかの金属を成膜した上に樹脂系のコーティング層を設け、この樹脂系コーティング層を挟んで2層の金属膜が互いに向かい合うように貼り合せたラミネートフィルムであり、熱溶着層として無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP),ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)のいずれかを用い、且つ、表面保護層が熱溶着層よりも融点が高い樹脂フィルムとした多層ラミネート構成としたことで、外包材のヒートブリッジの低減と、樹脂コーティング層を2つの金属膜でサンドイッチした構成によるガスバリヤ性の向上と、高性能と長期信頼性を両立できる。
300〜1,000Å の範囲内であれば特に限定するものではない。また、接着剤(図示せず)についても特定の部位を除いて特に限定するものでなく、押出しラミネートや、熱ラミネート等の接着剤レスも使用できる。
0.0059 (W/m・K)と良好であった。また、真空断熱材50の外観的変化は特に無かった。
0.0059 (W/m・K)と良好であった。また、真空断熱材50の外観的変化は特に無かった。
(1)長期信頼性の確保に際しては有機ガスの吸着が必要であること
(2)有機ガスを長期にわたって吸着するには、有機ガスをも吸着可能な親水性吸着剤ではなく、有機ガスを吸着可能な疎水性吸着剤の使用が有効であること
の(1),(2)がわかった。
200〜220℃程度に加熱する必要があるため、表面保護層55をポリエチレンテレフタレート(PET),第1のガスバリヤ層56をポリアミドフィルム(ONY)にアルミニウムを400〜500Åの厚さで蒸着したものとした。また、吸着剤53には、実施例3と同じく平均細孔径6Å以上の疎水性合成ゼオライトと平均細孔径9Åの親水性合成ゼオライトとを使用した。他の条件は実施例1と同じとした。
性能比較のため実施例1と同様の方法で真空断熱材50を作製した。図1に示す真空断熱材50において、外包材52のフィルムを一般に冷蔵庫用途で使用されている構成として比較した。図2において表面保護層55をポリアミドフィルム(ONY),第1のガスバリヤ層56をポリエチレンテレフタレート(PET),第2のガスバリヤ層57を厚さ6μmの鉄入りアルミニウム箔(AL)とし、熱溶着層58として高密度ポリエチレンを用いた外包材52とし、吸着剤53は親水性合成ゼオライトを用いた。その他の条件は実施例1と同じとした。
0.0098 (W/m・K)で劣化度合いが大きい結果となった。また、真空断熱材50の外観的変化として、熱溶着層58が軽溶着している状態となっていることが観察された。
比較例2として比較例1と同様の方法で真空断熱材50を作製した。図1に示す真空断熱材50において、外包材52のガスバリヤ性の強化とヒートブリッジの低減をしたフィルムとして一般に冷蔵庫用途で使用されている構成を比較した。図2において表面保護層55をポリアミドフィルム(ONY),第1のガスバリヤ層56をポリエチレンテレフタレート(PET)を基材とし、アルミニウムを400〜500Åの厚さで蒸着したもの、第2のガスバリヤ層57をエチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムを基材に、アルミニウムを400〜500Åの厚さで蒸着したものとし、熱溶着層58として高密度ポリエチレンを用いた。吸着剤53は親水性合成ゼオライトを用いた。その他の条件は実施例1と同じとした。
0.0152 (W/m・K)で劣化度合いが大きい結果となった。また、真空断熱材50の外観的変化として、比較例1と同様、熱溶着層58が軽溶着している状態となっていることが観察された。
比較例3として、図1に示す真空断熱材50において、外包材52の熱溶着層58を無延伸ポリプロピレンフィルムとした以外は比較例1と同じとした。
0.0109 (W/m・K)で劣化度合いが大きい結果となった。なお、真空断熱材50の外観的変化は特に観察されなかった。
比較例4として、実施例1の構成において、第1のガスバリヤ層56の樹脂フィルム
56aと金属蒸着層56bを逆にして、金属蒸着層56bを表面保護55層側とした以外は実施例1と同じとした。
52aを折り曲げずに行った。実施例5と比較例4の構成を対比すると、アルミ箔による金属層を有する比較例4に対し、実施例5はアルミニウムの蒸着層間に樹脂層を介在させる構成である。すなわち、計測値としては、ほぼ同程度の熱伝導率となっているが、その中でヒートブリッジの影響(上記の第2の態様)の割合が大きく異なっていることが考えられる。
(1)本実施例の真空断熱材は80℃以上に達する高温環境下においても十分に使用に耐え得ること(実施例7〜9)
(2)断熱層を厚く形成すると断熱性能が向上すること(実施例8と実施例9との比較)
(3)使用する真空断熱材の端部同士を重なり合うように配設すると断熱性能が向上すること(実施例7と実施例9との比較)
(4)段付き形状の真空断熱材を用いることも有効であること(実施例8)
という(1)〜(4)がわかった。
(PVA),ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)のいずれかの樹脂フィルムを基材として、その片面にアルミニウム(AL),ステンレス(SUS)のいずれかの金属を成膜したものを用い、第2のガスバリヤ層として、アルミニウム箔(AL),ステンレス箔(SUS),鉄箔(Fe)のいずれかの金属箔を用い、第1及び第2のガスバリヤ層の金属層同士が互いに向かい合うように貼り合せたラミネートフィルムと、熱溶着層として無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)やポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)のいずれかを用い、かつ、表面保護層が熱溶着層よりも融点が高い樹脂フィルムとした多層ラミネート構成としたことで、金属箔特有のピンホールを金属膜が直接塞ぐ構成としたため、ガスバリヤ性が高く、外部からのガスや水分の侵入を抑制することができる。
Claims (9)
- 無機繊維集合体からなる芯材と、表面保護層とガスバリヤ層と熱溶着層とを有する外包材と、前記芯材及び前記外包材の水分やガス成分を吸着する吸着剤とを備えた真空断熱材において、
前記外包材のガスバリヤ層が少なくとも2層の金属層の金属面が向かい合うように積層されて、第1のガスバリヤ層、第2のガスバリヤ層とし、熱溶着層として融点150℃以上の樹脂フィルムを使用して、前記芯材がバインダーを含まず厚み方向に復元性を有し、前記吸着剤が前記芯材の表面又は厚み方向に対して斜めに切り込まれて設けた収納部に収納され、前記収納部の開口が重ね合わされて狭められる構成とした真空断熱材。 - 無機繊維集合体からなる芯材と、表面保護層とガスバリヤ層と熱溶着層を有する外包材と、前記芯材を厚み方向に圧縮状態に保持する内包材と、前記芯材、外包材及び内包材の水分やガス成分を吸着する吸着剤とを備えた真空断熱材において、
前記外包材のガスバリヤ層が、接着層を挟む2層の金属層を有する第1及び第2のガスバリヤ層を有し、
前記第1のガスバリヤ層は、樹脂フィルム基材の片面に金属膜を成膜したフィルムからなり、
前記第2のガスバリヤ層は、金属箔、または樹脂フィルム基材の片面に金属膜を成膜して、成膜された金属膜に樹脂をコーティングしたフィルムのいずれかであり、
前記外包材のガスバリヤ層は、樹脂フィルム層/金属膜/接着層/金属箔、または樹脂フィルム層/金属膜/樹脂コーティング層/接着層/金属膜/樹脂フィルム層の組合せで積層したもので、
前記ガスバリヤ層の最内層より前記芯材側に位置する熱溶着層として、融点150℃以上の樹脂フィルムを用い、前記ガスバリヤ層の最外層より外側に位置する表面保護層として、前記熱溶着層よりも融点が高い樹脂フィルムを用い、
前記芯材がバインダーを含まず厚み方向に復元性を有し、前記吸着剤が芯材の表面又は厚み方向に対して斜めに切り込まれて設けた収納部に収納され、前記収納部の開口が重ね合わされて狭められる構成とした真空断熱材。 - 前記吸着剤として少なくとも疎水性吸着剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の真空断熱材。
- 前記ガスバリヤ層が、前記第1のガスバリヤ層として、ポリアミド樹脂フィルム(ONY),エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム(EVOH),ポリビニルアルコール樹脂フィルム(PVA),ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)のいずれかの樹脂フィルムを基材として、その片面にアルミニウム(AL),ステンレス(SUS)のいずれかの金属膜を成膜したものを用い、前記第2のガスバリヤ層として、アルミニウム箔(AL),ステンレス箔(SUS),鉄箔(Fe)のいずれかの金属箔を用い、前記第1及び第2のガスバリヤ層の金属部同士が接着層を挟み、互いに向かい合わせて貼り合わせたラミネートフィルムとし、これに組合せる熱溶着層として無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)やポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)のいずれかを用い、且つ、前記表面保護層が前記熱溶着層よりも融点が高い樹脂フィルムとした多層ラミネートフィルムからなる外包材を用いた請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材。
- 前記ガスバリヤ層が、第1及び第2のガスバリヤ層からなり、前記第1のガスバリヤ層として、ポリアミド樹脂フィルム(ONY),エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム(EVOH),ポリビニルアルコール樹脂フィルム(PVA),ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)のいずれかの樹脂フィルムを基材として、その片面にアルミニウム(AL),ステンレス(SUS)のいずれかの金属膜を成膜したものを用い、前記第2のガスバリヤ層として、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム(EVOH),ポリビニルアルコール樹脂フィルム(PVA),ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)のいずれかの樹脂フィルムを基材に、その片面にアルミニウム(AL),ステンレス(SUS)のいずれかの金属膜を成膜した上にガスバリヤ性の樹脂系コーティング層を設け、前記第1のガスバリヤ層の金属部と前記第2のガスバリヤ層の樹脂系コーティング層が接着層を挟み、互いを向かい合わせて貼り合わせたラミネートフィルムとしたもの、これに組合せる熱溶着層として、無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP),ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム(PBT)のいずれかを用い、且つ、表面保護層が熱溶着層よりも融点が高い樹脂フィルムとした多層ラミネートフィルムからなる外包材を用いた請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材。
- 前記第1のガスバリヤ層と前記第2のガスバリヤ層との間を接着する接着剤として、熱硬化性樹脂、または前記熱溶着層よりも高い融点を有する接着剤を用いた請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材。
- 前記疎水性吸着剤がSiO2/Al2O3比が20以上で、且つ不燃性であるハイシリカゼオライトとである請求項1〜6のいずれかに記載の真空断熱材。
- 少なくとも貯湯タンクを備えたヒートポンプ式等の給湯機器において、請求項1〜7のいずれかに記載の真空断熱材を、前記貯湯タンクの外周に沿うように円弧状に曲げて配設し、前記円弧端部の断熱が2重に配置されたことを特徴とする給湯機器。
- 少なくとも湯沸し機能と保温機能を持ち、外郭容器と貯水用容器及びフタ部で構成された電気式湯沸し機器において、請求項1〜7のいずれかに記載の真空断熱材を、前記貯水用容器の外周に沿うように曲げて配設し、前記真空断熱材の曲げ方向の端部が2重に配置されたことを特徴とする電気式湯沸し機器。
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