JPH04225775A - 真空断熱パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、冷温蔵庫や冷凍ショ
ーケース等の断熱壁に使用可能な真空断熱パネルに関し
、特にウレタンフォームと併用されると好ましい真空断
熱パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に真空断熱パネルは、スペーサ材を
通気性内包材で包み、さらにこの内包材を非通気性外包
材で被覆した真空容器構造を持つ。外包材は、プラスチ
ック単品のフィルムで構成すると、このプラスチックフ
ィルムを透過侵入してくる空気や水蒸気等によって真空
容器内の真空度が低下し、したがって断熱性能が低下す
るため、プラスチックと金属箔あるいは金属蒸着膜等を
積層して、ガスバリヤー性を高めたラミネートフィルム
とすることにより、真空度の低下を防止するようにして
いる。また、このラミネートフィルムの真空容器は一般
的に熱溶着により封止する構造となっている。図２にこ
の種の従来の真空断熱パネルを示す。１はガスバリヤー
層１ａと熱溶着層１ｂとからなる外包材、２は内包材、
３は無機質シリカ等の微粉末からなるスペーサ材、５は
外包材１のヒートシール部である。上記ガスバリヤー層
１ａはポリエチレンテレフタレートにアルミ蒸着したも
のである。また、上記熱溶着層１ｂは高密度ポリエチレ
ンや二軸延伸ポリプロピレンからなる。これら高密度ポ
リエチレンや二軸延伸ポリプロピレンはラミネートフィ
ルムの溶着層として一般的に用いられているものである
。 真空断熱パネルは硬質ポリウレタンフォームと併用され
ることが多いが、この場合、上述の高密度ポリエチレン
や二軸延伸ポリプロピレンは、ポリウレタンの発泡剤で
あるフッ素ガス（特にＲ−１１）や炭酸ガスの透過度が
高いため、特にヒートシール部５の端面からガスが侵入
して真空容器内の圧力が上昇し、断熱性能が悪くなる。 なお、侵入してくるガスはウレタンフォームから発生す
るガスの他に、大気中の水分、酸素、水素も含まれてい
る。そこで、図２に示した従来の真空断熱パネルでは、
数種のゲッター剤６，７，８を真空容器内に入れ、内部
に侵入したそれらのガスを物理的あるいは化学的に吸着
し、真空度を維持する方法をとっている。ゲッター剤６
は活性炭、ゲッター剤７はモレキュラーシーブ、ゲッタ
ー剤８はＦｅ粉（水酸化鉄）からなり、それぞれ通気性
を有する不織布からなる被覆材９で包まれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記活
性炭６は、その本来の吸着特性として有機ガスのフッ素
ガス（フロン）はかなり吸着することはできても、炭酸
ガス、窒素、酸素、水蒸気のような無機ガスは殆んど吸
着することができない。一方、モレキュラーシーブ７は
吸着を行う細孔が数オングストローム単位でそろってい
るため無機ガスを比較的吸着しやすいが、上記無機ガス
の中でも特に水蒸気を選択吸着する性質がある上、上記
不織布からなる被覆材９は水分子より大きい細孔を有す
るため、水蒸気を優先的に吸着してしまい、他の無機ガ
スおよび有機ガスのフロンを殆んど吸着することができ
ない。また、脱酸素剤であるＦｅ粉８は、反応に水分が
必要であるのにも拘わらず、モレキュラーシーブ７が選
択的に水分を吸着してしまうため、反応に必要な水分が
不足して、酸素との反応が余り促進しない。このように
、従来の真空断熱パネルは内部に各種のゲッター剤６，
７，８を入れて、内部に侵入してくるガスを吸着させて
真空度を維持しようと工夫しているにも拘わらず、各種
のゲッター剤の特性を十分に発揮させる構造となってい
ないため、ガス透過による真空度の劣化は避けられなか
った。

【０００４】そこで、この発明の目的は、各種のゲッタ
ー剤の特性を十分に発揮させて、ガスが侵入しても内部
の真空度を良好に維持することのできる真空断熱パネル
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、請求項１の発明の真空断熱パネルは、内側に熱溶着可
能な熱溶着層を、外側にガスバリヤー層を有する外包材
の内部にスペーサ材ならびに通気性被覆材で包装された
ゲッター剤を封入し、内部を真空排気して、熱溶着層の
端部の熱溶着部を熱溶着してなる真空断熱パネルにおい
て、水蒸気以外のガスを吸着するためのゲッター剤のう
ちの少なくとも１つは不透湿性の通気性被覆材により包
装されており、水蒸気を吸着するためのゲッター剤は透
湿性の通気性被覆材により包装されていることを特徴と
している。請求項２の真空断熱パネルは、Ｆｅ粉からな
るゲッター剤は適量の水分と共に上記不透湿性の通気性
被覆材により包装されていることを特徴としている。 また、請求項３の真空断熱パネルは、上記不透湿性の通
気性被覆材がシリコンを塗布したセロハンからなること
を特徴としている。

【０００６】

【作用】請求項１の真空断熱パネルにおいては、内部に
侵入してきたガス、特に無機ガスのうち、水蒸気は透湿
性の通気性被覆材に包まれたゲッター剤、たとえばモレ
キュラーシーブに吸着される。また、水蒸気以外の無機
ガスは不透湿性の通気性被覆材に包まれたゲッター剤、
例えばモレキュラーシーブやＦｅ粉に吸着される。この
場合、大量の水蒸気の吸着に起因するゲッター剤のガス
吸着特性の劣化が防止される。請求項２の真空断熱パネ
ルにおいては、Ｆｅ粉と共に不透湿性の通気性被覆材に
入れられた水分は、この通気性被覆材を透過しないため
、Ｆｅ粉と酸素との反応に必要な水分が確保されて、酸
素の化学吸着が促進される。請求項３の真空断熱パネル
においては、不透湿性の通気性被覆材が簡単、安価に製
造できる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。図１は本発明の一実施例である真空断熱パネ
ルの断面図で、３はパーライト、シリカ等の無機質微粉
末あるいは連通気泡ウレタン等からなるスペーサ材、２
は上記スペーサ材３を包装するクラフト紙や不織布等か
らなる通気性内包材、３は内包材２を被覆する外包材で
ある。上記外包材１は、ガスバリヤー性のある金属箔あ
るいは金属蒸着プラスチックからなるガスバリヤー層１
ａと、熱溶着が可能な高密度ポリエチレンや二軸延伸ポ
リプロピレン等のプラスチックからなる熱溶着層１ｂが
ラミネートされたフィルムである。この真空断熱パネル
は、熱溶着層１ｂの一端の熱溶着部５をヒートシールし
て袋状になした外包材１に、内包材２に包装されたスペ
ーサ材３ならびに夫々通気性の被覆材に包装された数種
のゲッター剤６，７，１８を入れた後、真空脱気し、他
端の熱溶着部５をヒートシールしたものである。本実施
例においては、上記ゲッター剤６，７，１８として、主
としてフッ素ガスを吸着するための活性炭６、主として
無機ガスを吸着するためのモレキュラーシーブ７、なら
びに脱酸素剤としての水分を予め添加した水酸化鉄１８
を用いる。上記活性炭６およびモレキュラーシーブ７の
一部は不織布製被覆材９により、また、水分を予め添加
した水酸化鉄１８と残りのモレキュラーシーブ７はシリ
コンを塗布したセロハンからなる被覆材１２により包装
されている。不織布製被覆材９に入れられたモレキュラ
ーシーブ７は無機ガスのうち特に水分を吸着するための
ものであり、他の被覆材１２に入れられたモレキュラー
シーブ７は特に水分以外の無機ガスを吸着するためのも
のである。

【０００８】図３にシリコン１１を塗布する前のセロハ
ン１０の構造を拡大して示す。図３に示すように、セロ
ハン１０には無数の細孔１５があいている。第４図はシ
リコン１１塗布後のセロハン１０である。セロハン１０
は第５図に示すように、酸素分子１３も水分子１４も良
く通す。ところが、第４，６図に示すように、シリコン
１１の塗布後のセロハン１０は、細孔１５の直径が小さ
くなり、酸素分子１３は通すことができるが、水分子１
４を通しにくくなる。

【０００９】このように、シリコン１１を塗布したセロ
ハン１０からなる被覆材１２は水分透過が抑制されるた
め、この中に入れられたモレキュラーシーブ７の過度の
水分吸着による劣化が抑えられる。そして、水蒸気以外
の無機ガス、たとえば炭酸ガス、窒素、酸素等が長期に
亘って良好に吸着される。水蒸気の吸着は、不織布製被
覆材９に入れられたモレキュラーシーブ７によって行な
われる。一方、不透湿性被覆材１２中に水酸化鉄に予め
添加されて入れられている水分は、この被覆材１２のお
かげで外部に出ていくことが阻止されるため、不織布製
被覆材９内のモレキュラーシーブ７に吸着されずに済む
。その結果、侵入してくる酸素との反応が良好に行なわ
れ、水酸化鉄は脱酸素剤として十分に機能する。したが
って、本実施例の真空断熱パネルによると、外包材を通
して侵入してくる各種のガスをそれぞれのゲッター剤６
，７，８によって良好に吸着することができるので、真
空断熱材パネルの内部の圧力上昇がなく、良好な断熱性
能を長期間維持することができる。また、本実施例で用
いた不透湿性の通気性被覆材１２はシリコンを塗布した
セロハンによって形成しているので、安価である。なお
、不透湿性の被覆材は、エラストマー等の高分子膜によ
って形成してもよい。

【００１０】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１に記
載の真空断熱パネルは、内側に熱溶着可能な熱溶着層を
、外側にガスバリヤー層を有する外包材の内部にスペー
サ材ならびに通気性被覆材で包装されたガス吸着用のゲ
ッター剤を封入し、熱溶着層の端部の熱溶着部を熱溶着
してなる真空断熱パネルにおいて、水蒸気以外のガスを
吸着するためのゲッター剤は不透湿性の通気性被覆材に
より、水蒸気を吸着するためのゲッター剤は透湿性の通
気性被覆材により包装して、水分とそれ以外の無機ガス
とを別々に吸着するようにしている。したがって、この
真空断熱パネルは、ゲッター剤が水蒸気を吸着してしま
って他の無機ガスを吸着することができないという事態
を回避でき、水蒸気も他のガスもそれぞれのゲッター剤
によって良好に吸着できるので、内部の真空度を長期に
わたって維持することができる。請求項２の真空断熱パ
ネルにおいては、Ｆｅ粉からなるゲッター剤を適量の水
分と共に上記不透湿性の通気性被覆材の中に入れている
。この場合、この通気性被覆材の中の水分はこの通気性
被覆材を透過しないため、Ｆｅ粉と酸素との反応に必要
な水分を確保することができ、酸素の化学吸着を確実に
行うことができる。請求項３に記載の真空断熱パネルは
、上記不透湿性の通気性被覆材をシリコンを塗布したセ
ロハンによって形成しているので、簡単、安価に不透湿
性の通気性被覆材を製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　この発明の一実施例に係る真空断熱パネル
の断面図である。

【図２】　　従来の真空断熱パネルの断面図である。

【図３】　　セロハンの構造を拡大して示した図である
。

【図４】　　シリコンを塗布したセロハンの構造を拡大
して示した図である。

【図５】　　セロハンの細孔を、酸素分子と水分子が通
る様子を示した図である。

【図６】　　シリコンを塗布したセロハンの細孔を酸素
分子と水分子が通る様子を示した図である。

【符号の説明】

１…外包材、１ａ…ガスバリヤー層、１ｂ…熱溶着層、
２…内包材、３…スペーサ材、６，７，８，１８…ゲッ
ター剤、９…透湿性の通気性被覆材、１０…セロハン、
１１…シリコン、１２…不透湿性の通気性被覆材。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　内側に熱溶着可能な熱溶着層を、外側
   にガスバリヤー層を有する外包材の内部にスペーサ材な
   らびに通気性被覆材で包装されたゲッター剤を封入し、
   内部を真空排気して、熱溶着層の端部の熱溶着部を熱溶
   着してなる真空断熱パネルにおいて、水蒸気以外のガス
   を吸着するためのゲッター剤は不透湿性の通気性被覆材
   により包装されており、水蒸気を吸着するためのゲッタ
   ー剤のうちの少なくとも１つは透湿性の通気性被覆材に
   より包装されていることを特徴とする真空断熱パネル。
2. 【請求項２】　　請求項１に記載の真空断熱パネルにお
   いて、Ｆｅ粉からなるゲッター剤は適量の水分と共に上
   記不透湿性の通気性被覆材により包装されている真空断
   熱パネル。
3. 【請求項３】　　請求項１または２に記載の真空断熱パ
   ネルにおいて、上記不透湿性の通気性被覆材はシリコン
   を塗布したセロハンからなる真空断熱パネル。