JPH11201378A - カートリッジおよびそれを装着した真空断熱体 - Google Patents

カートリッジおよびそれを装着した真空断熱体

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JPH11201378A
JPH11201378A JP10004709A JP470998A JPH11201378A JP H11201378 A JPH11201378 A JP H11201378A JP 10004709 A JP10004709 A JP 10004709A JP 470998 A JP470998 A JP 470998A JP H11201378 A JPH11201378 A JP H11201378A
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cartridge
vacuum
getter agent
heat insulating
vacuum heat
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JP10004709A
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Yoshio Nishimoto
芳夫 西本
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空断熱体内において経時的に発生する各種
ガスを常に安定して効率よく吸着できるようにするカー
トリッジ、およびそれを装着した真空断熱体を得るこ
と。 【解決手段】 Zr−AlあるいはZr−V−Feから
なる合金等のガス吸着用ゲッター剤6を包含し、真空断
熱体30の内部と連通する部材12の開口部12aに
(脱着可能に)装着されるようにしたカートリッジ4
0、およびそのカートリッジを備えてなる真空断熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属や樹脂の成型
品で構成されている外殻内に断熱材を備えた冷蔵庫など
の断熱箱体を構成する壁の内部にあって、多層シートで
構成された包装材の内部に連続した気孔を有する多孔体
の構造材を備えて真空が維持されて成るパネルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】消費電力の低減が求められている冷蔵庫
などでは、断熱材である発泡ウレタンに対する断熱性能
向上が限界にあることから、図5の比較図で示す如く、
発泡ウレタンの2倍以上の断熱性能が得られる真空断熱
パネル(VIP)などの真空断熱体を応用する技術が提
案されている。
【0003】真空断熱パネルを用いた冷蔵庫などの側壁
は、たとえば、図6に示す構造を有して成る。すなわ
ち、断熱箱体の壁内における真空断熱パネル3の配設
は、主に外箱1に接着によって固定され、それらを内箱
2と嵌合させた後に発泡ウレタン4を充填させて成り立
っている。真空断熱パネル3は、外部からのガス侵入を
遮断または抑制して内部の真空度を維持して断熱性能を
確保するために、外殻には金属薄膜層を併用し、また、
挿入口を完全に封止するために優れた溶着性を有する材
料が内部層が用いられ、さらに、断熱箱体の壁の曲げ強
度を確保する為に発泡ウレタンとの接着を安定して確保
できる材料が表面層に位置する3層以上の多層シートが
包装材として用いられている。
【0004】一方、真空断熱パネルの構造体である芯材
には、真空状態のパネル形状を保持する機能を満足す
るため、大気圧相当以上の強度を有することと、断熱
性能向上に寄与するため、熱伝達量すなわち芯材を構成
する物質を伝わる熱(熱伝導)と透過する熱(熱輻射)
の量を抑制することが必要となる。従って、芯材には熱
伝達量が小さい物質で作られた多孔質物質の板が用いら
れている。この様な物質として、樹脂やガラスなどの多
孔体が好適に用いられ、特に、ガラス繊維のマットや連
続気泡(または連続気孔)を有する樹脂発泡体のボード
や、樹脂や無機物の微粒子の成型品を適用することが一
般的である。例えば、特開昭60−71881ではパー
ライト粉末を、特開昭60−243471ではポリウレ
タンフォーム(PUF)粉砕品を、それぞれ合成樹脂袋
に投入してボード状に真空パックしたものが提案されて
いる。この他に、特開昭60−205164では連通気
泡の硬質ウレタンフォームを、特開平4−218540
では熱可塑性ウレタン樹脂の粉体を焼結させた板状成形
品を、特開平7−96580ではガラスの長繊維を無機
微粉末にフィビリル化した樹脂繊維により固化保持した
ボードを、それぞれ真空断熱パネルのコア材として応用
することが提案されている。
【0005】以上の提案をはじめとする一般的な真空断
熱パネルの形状は、厚さが10〜20mmの板状とし
て、冷蔵庫の壁等に組み込まれる。例えば、特開昭60
−243471号公報ではPUF粉砕品を合成樹脂袋に
投入してボード状に真空パックしたものを壁内に配設し
た断熱箱体があり、特開昭60−60483号公報では
冷蔵庫側壁のフランジ部に発泡ウレタンが流動する隙間
を設けた真空断熱パネルの設置方法を提案している。つ
まり、真空断熱パネルを貼り付けた外箱に内箱を挿入し
て合体させた後、発泡ウレタンの原料混合液を注入して
発泡成型させることによって断熱壁を形成するわけで、
この間、真空断熱パネルは大気中および発泡ウレタンの
発泡ガス雰囲気中に曝されるとともに、発泡ウレタン発
泡時の発熱による加熱をも受けることとなる。
【0006】したがって、必要な断熱性能を確保するた
めに芯材を構成する物質を伝わる熱(熱伝導)と透過す
る熱(熱輻射)の量を抑制することに加え、経時的な性
能悪化の主因である透過または内部発生したガスによる
真空度の低下を阻止することも重要となる。このため、
真空断熱パネルの内部には、それらのガスを吸着する機
能を有する「ゲッター剤」と称する吸着物質が挿入され
ている。
【0007】真空度の悪化を招くガスには、包装材の金
属薄膜層が有するピンホールや真空断熱パネルの端辺シ
ールを行った熱融着層を通じて、外部から経時的に侵入
する空気(酸素と窒素)や水蒸気、さらに、各種構成材
が収着していた水、未反応原料や副生成物である炭酸ガ
スや各種低分子有機物の飛散などがあり、これらを吸着
するゲッター剤には多くの種類がある。例えば、特開昭
59−225275では水分吸着物質として酸化カルシ
ウム、ゼオライト、シリカゲルなど、特公平7−890
04では有機ガス吸着物質として活性炭、炭酸ガス吸着
物質として水酸化ナトリウム、水分の吸着物質としてカ
ルシウム塩を選択してそれらを混合したものなど、多く
の提案がある。しかし、これらのゲッター剤は、限られ
たガス種にのみ有効であることから複数の物質を併用す
る必要があるうえ、ゲッター剤内部に吸引して取り込む
物理的吸着剤は、高温や高真空の雰囲気下で十分な能力
が発揮できないうえ、温度や真空度の上昇によって吸着
したガスの再放出を来たすという欠点がある。
【0008】この問題を解決する目的で、実開昭64−
4996では化学反応によって炭酸ガスや酸素を吸着す
るゲッター剤を配設した真空断熱パネルの提案がなさ
れ、さらに特開平8−159377では殆ど全ての物質
を高温、高真空の条件下にあっても確実に吸着して周辺
条件の変化に伴って吸着したガスを再放出せずに化学的
に吸着するゲッター剤であるバリウム−リチウム合金の
提案もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、断熱壁
に埋め込まれた断熱体において、長期の使用中にその構
造材である連通気泡の発泡ウレタンや包装材とその接着
部の固定に用いた接着剤などの各種構成材から飛散する
反応生成物や低分子量の未反応原料などの飛散ガス、さ
らには包装材表面や接着部を通じて外部から侵入してく
る水蒸気や空気の侵入を避けることはほとんど不可能で
ある。また、これらゲッター剤は、各種ガスの吸着能力
に優れるものの、それが保有する吸着量には限界があ
り、飽和に近づくと急激にその活性が低下するという問
題があった。
【0010】しかも、これらゲッター剤は、真空断熱パ
ネルの内部に装填されていることから再度の取り出しに
よる交換が不可能であり、ゲッター剤の吸着量が飽和に
近づくと真空断熱体内部の真空度は低下の一途をたど
り、断熱性能の低下を来すことになる。このため、真空
断熱パネルを用いた冷蔵庫などでは、庫内温度を一定に
保って食品の鮮度を維持するという冷蔵庫本来の機能が
不安定になるうえ、庫内を冷却するための運転時間も長
くなって、消費電力量が余分にかかるなどの悪影響を生
むことになる。
【0011】本発明は、この課題を解決するためになさ
れたもので、真空断熱パネル内に発生する各種ガスを、
常に安定して効率よく吸着できるようにしたカートリッ
ジ、およびそれを装着した真空断熱体を得ることを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のカートリッジ
は、ガスを吸着するゲッター剤を包含してなり、真空断
熱体の内部と連通する部材の開口部に装着されるように
したものである。
【0013】また、前記開口部への装着を脱着可能にし
たものである。
【0014】また、前記ゲッター剤が、金属酸化物、ゼ
オライト、および活性炭を含んで成るようにした。
【0015】また、前記ゲッター剤を、Zr−Alまた
はZr−V−Feから成る合金とした。
【0016】また、前記開口部への装着時、前記ゲッタ
ー剤をシールする部材の前記開口部との対向部が破壊さ
れる構造とした。
【0017】また、前記開口部に装着した状態で、前記
真空断熱体と一緒に真空引きを行うことが可能な構造と
した
【0018】さらに、本発明の真空断熱は、内部に連続
した気孔を有する構造材を配した真空断熱体に、上記の
何れかのカートリッジを装着したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明に
係るカートリッジを装着した真空断熱パネルの断面構造
を示す概念図である。真空断熱体の一つである真空断熱
パネル30は、基本的に、構造材8およびそれを包む包
装材9からなり、カートリッジ40との連結のための補
助部材である、排気管12および排気管12に取付けら
れた真空バルブ11を備える。包装材9は、熱融着が可
能な高密度ポリエチレンから成る接着層、耐傷性に優れ
たポリエチレンテレフタレートをから成る表面層、およ
び不透気性に優れたアルミ箔を備えた中間層から成る多
層シートであり、外気の侵入を抑止できる。包装材9の
平坦部には、真空断熱パネル30の内部すなわち包装材
9の内側と連通する排気管12が、外側へ突出して接着
剤等で固定される。なお、排気管12が固定される排気
管12の縁部12bと包装材9の周縁部には、シール材
10であるシリコン樹脂を十分に塗り付けて、包装材内
部への外気の進入を遮断できるようにしておく。構造材
8には、連続した気孔を有する多孔質体を用いることが
高断熱性を得るうえで好ましく、ここでは連続気泡を有
する発泡ウレタンを用いる。この発泡ウレタンを、排気
管12および真空バルブ11を取り付けた包装材9の内
部に挿入した後、その挿入口を1torr以下、好まし
くは10-2toor以下の真空雰囲気中でシールするこ
とにより、真空断熱パネルが得られる。
【0020】カートリッジ40は、ガスバリヤー性に優
れた容器5にゲッター剤6を詰めたもので、真空断熱パ
ネル30の排気管12の開口部12aとの結合は、例え
ば、カートリッジ40の先端部にねじ部15を設けて排
気管12とねじ嵌合させ、カートリッジ40の脱着を容
易に行えるようにするのがよい。この嵌合部分には、銅
またはアルミなどの軟質金属のパッキン7を用いて、外
部からのガスの侵入を遮断する。なお、カートリッジ4
0の容器5とパッキン7を一体化して、その全体をアル
ミまたは銅で作製してもよい。さらに、パッキン部分を
圧着や接着によってカートリッジ本体に固定して、ま
た、パッキンを結合部分で挟み込むように構成しても同
様の効果が得られる。
【0021】真空バルブ11は、カートリッジ交換のた
めにカートリッジ40を真空断熱パネルから外す時に、
真空断熱パネル30の内外が貫通して真空状態の急激な
悪化を来すことの無いよう、排気管12の途中に取付け
られて、真空断熱パネル内外部のガス遮断に使用され
る。なお、真空バルブ11と同様の効果は、逆止弁等を
用いても達成できる。
【0022】次に、カートリッジ40の真空断熱パネル
30への装着を、図2に基づいて更に詳しく説明する。
カートリッジ40の概略構造は既に述べた通りである
が、図2に示す如く、真排気管12の開口部12aと対
向するカートリッジ40の先端部には、アルミ箔膜16
を接着して容器5を密封し内部を真空状態に保持してい
る。
【0023】ゲッター剤6は、真空断熱パネル内に侵入
した、あるいは真空断熱パネル内で発生したガス、主に
は水蒸気と空気、炭酸ガスを吸着させるためのものであ
る。このゲッター剤6は、たとえば、酸化カルシウム等
の金属酸化物と活性炭を含んだものであり、この他に酸
化バリウムや酸化チタンなどの金属酸化物、水分吸着能
力に優れたゼオライト、及びこれらを適宜に組み合わせ
たものである。
【0024】また、ゲッター剤6として、Zr(ジルコ
ニウム)−Al(アルミニウム)または、Zr(ジルコ
ニウム)−V(バナジウム)−Fe(鉄)から成る合金
を用いれば、吸着量が飽和に達した後に該合金を加熱す
ることによって吸着したガスを離脱させるも可能であ
る。したがって、例えば、カートリッジ内にゲッター剤
を加熱するヒータを備えておけば、性能回復機能を有す
るゲッターポンプとして長期にわたって利用できる。つ
まり、定期的にこれら合金を加熱して合金に吸着した各
種ガスを放出させることによって吸着機能を回復させれ
ば、ほぼ恒久的に真空断熱体内部の真空度を維持するこ
とが出来ることになる。
【0025】カートリッジ40の装着は、真空断熱パネ
ルに取付けた排気管12の開口部12aの周囲に切った
ネジに合わせて、カートリッジ40のネジ部15をねじ
込むだけで完了する。図2に示す如く、カートリッジ4
0の装着時、容器5の先端部にあるアルミ箔膜16は、
カートリッジ40と排気管12の開口部12aへの嵌合
に伴って、排気管12に設けた針状の突起14によって
突き破られる。なお、この例では、カートリッジ40を
正しく装着するために設けたガイド17によってもアル
ミ箔膜16が突き破られる。カートリッジ40を装着し
たら、真空バルブ11を閉じた状態にして10分間から
60分間の放置をし、装着時にネジ部15にあった空気
などをゲッター剤6によって吸着させた後に真空バルブ
11を解放するようにして、真空断熱パネル30内に空
気などが侵入して真空度を低下させることの無いように
する。
【0026】実施例1,実施例2 実施の形態1に基づいて、実際にカートリッジおよびそ
れを装着した真空断熱パネルを作製し、従来のタイプの
真空断熱パネルとその性能を比較する。まず、ゲッター
剤にゼオライトと活性炭の1:1混合物を用いたカート
リッジを装着した真空断熱パネルを実施例1とし、ゲッ
ター剤にZr−Alを用いたカートリッジを装着した真
空断熱パネルを実施例2とした。
【0027】比較例1,比較例2 ゼオライトと活性炭の1:1混合物を用いたゲッター剤
を不織布の袋に詰めて包装材内に備えた真空断熱パネル
を比較例1とし、ゲッター剤を全く用いない真空断熱パ
ネルを比較例2とした。
【0028】実施例1,2および比較例1,2の各真空
断熱パネルは、一辺が200mmの正方形で厚さが20
mmの連通気泡の発泡ウレタンを構造材に用い、真空断
熱パネルのシール時における真空度を10-2toorに
調整して作製した。そして、これらの断熱性能を、栄弘
精機(株)社製の「オートラムダ」を用いて、断熱パネ
ル封止直後と30日後に熱伝達率の測定を行い、その変
化から断熱性能の安定性を評価した。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示した如く、ゲッター剤を使わなか
った比較例2の真空断熱パネルでは、30日後の断熱性
能が大幅な低下を示したのに対して、ゲッター剤を装着
した他の真空断熱パネルではほとんど低下が見られなか
った。このうち、ゼオライトと活性炭からなるゲッター
剤を使用した実施例1は、従来の包装材内部にゲッター
剤を備えた比較例1より熱伝達率が少し大きく、一方、
Zr−Alからなるゲッター剤を使用した実施例2は比
較例1より熱伝達率が少し小さくなった。実施例1、実
施例2の熱伝達率の差はその断熱性能において特に問題
となるようなものではなく、この結果はむしろ、ゲッタ
ー剤を包装材内部に埋め込まずにカートリッジ形式にし
て包装材の外側に配しても有効であることを示すもので
ある。また、この結果から、Zr−Alからなるゲッタ
ー剤が、ガスの吸着能力により優れていることも判明し
た。
【0031】実施の形態2.ここでは、真空断熱パネル
にゲッター剤の入ったカートリッジを装着する別の方法
について説明する。なお、真空断熱パネルの構成および
真空断熱パネルの包装材に排気管を固定し真空バルブを
取付ける構造は、実施の形態1で説明したものをそのま
ま利用するものとする。また、カートリッジ内のゲッタ
ー剤も実施の形態1で説明したものの何れかを使用す
る。
【0032】図3は、本発明に係るカートリッジを装着
した真空断熱パネルを利用した冷蔵庫断熱壁の要部断面
を示す概念図である。本発明のカートリッジ40を装着
した断熱パネル30が、冷蔵庫の断熱壁を構成する内箱
2と外箱1の間隙に、もう一つの断熱材である発泡ウレ
タン4と複素化された状態で、外箱1に接着剤13によ
り取付けられている。そして、真空断熱パネル30の端
辺に設置された排気管12、この排気管12の途中に取
付けられた真空バルブ11が、断熱壁の一部からコンプ
レッサー21などを納める冷蔵庫の機械室に突き出てい
る。真空断熱パネル30は、真空バルブ11を介して内
部の真空度を保持しており、もしもこれを開放したなら
ば、真空断熱パネル内部の真空状態が破壊されることに
なる。
【0033】カートリッジ40は、真空断熱パネル30
に接続する排気管12と接合する接続管18、および接
続管18から分岐し真空排気に供する排気口22を備え
る。この接続管18と排気管12との接合は、アーク溶
接などによって溶着接合され、一方、排気口22には外
部からの空気などの侵入を防止するために、カシメなが
ら溶接を行うなどして封止される。このような構成にし
た場合は、真空断熱パネル内部の真空引きは、従来の真
空断熱パネルのように真空雰囲気中で包装材端辺の溶着
を行ってあらかじめシールすることなしに、図3に示す
状態にした後で、真空バルブ11から直接、または排気
口22を用いて、真空ポンプなどによって真空引きする
ことが可能になる。
【0034】次に、カートリッジの装着方法を述べる。
まず、真空バルブ11の先にある排気管12の端部にカ
ートリッジ40に備えられた接続管18の端部を挿入
し、ここを溶接して接合した溶着部19を形成する。次
に、真空ポンプを用いて、排気口22からカートリッジ
40および接続管18内を10-2toorにまでの真空
度に到達するように調整した後、排気口22近傍をカシ
メながら溶着してカシメ溶着部20を形成して封止す
る。この状態において、真空断熱パネル30との分離に
供している真空バルブ11を開放をすれば、真空断熱パ
ネル30内部とカートリッジ40のゲッター剤6が連通
し、真空断熱パネル30内の各種ガスがゲッター剤6に
吸着されることになる。
【0035】なお、排気口22を用いて真空状態を確保
するようにする場合には、あえて真空バルブ11を備え
る必要が無くなるという利点も有することになる。
【0036】実施の形態3.ここでは、実施の形態2で
説明したカートリッジが装着された真空断熱パネルを用
いて断熱壁を形成した冷凍庫を作製し、装着されたカー
トリッジを断熱壁外部の庫内に配設した場合の熱漏洩量
の実際を調査した結果を示す。
【0037】ここで用いるカートリッジが装着された真
空断熱パネルを使った断熱箱体は、以下のようにして作
製したものである。まず、断熱箱体を構成する内箱の断
熱方向と直交する受熱面に、真空断熱パネルを配設す
る。次に、真空断熱パネルの内部と連通し途中に真空バ
ルブを備えた排気管を、内箱の配設部分に空けた穴から
取り出した後、内箱と外箱とを勘合させて箱体外殻を完
成させる。さらに、この外殻を発泡ウレタンの充填時に
かかる圧力によって変形しないように発泡ジグに装着し
た後、真空断熱パネルを配設した内箱と外箱の間隙に独
立気泡を有する発泡ウレタンの原料混合液を注入し、発
泡させて、泡状で空隙を充填させる。最後に、樹脂が硬
化するまで静置させた後にジグを解放して、真空断熱パ
ネルを断熱壁に有した断熱箱体を完成する。なお、真空
断熱パネルの排気管へのカートリッジの装着は、箱体外
殻が完成した後、あるいは箱体外殻へ発泡ウレタンを充
填した後のいずれに行ってもよい。
【0038】実施例3 本発明に係る真空断熱パネルを前述のようにして組み込
み、図4に示す位置に真空断熱パネル30を配設した内
容積が120Lである断熱箱体に、冷媒回路などの必要
部品を組み込んで冷凍庫を完成させ、これを実施例3と
する。なお、ゲッター剤には、ゼオライトと活性炭から
成るものを使用した。
【0039】比較例3,比較例4 これに対して、同種のゲッター剤を包装材の内部に備え
た従来型の真空断熱パネルを、実施例3と同様に断熱壁
に配設した冷蔵庫を比較例3と、断熱材が独立気泡の発
泡ウレタンのみとした冷蔵庫を比較例4とする。
【0040】これらの実施例3、比較例3および比較例
4について、冷凍庫の運転時の消費電力量を測定して、
断熱箱体の断熱性能を比較した。断熱性能は、JIS−
C9607における消費電力の測定B法によって求め
た。
【0041】
【表2】
【0042】その結果は、表2に示す如く、実施例3に
よる冷凍庫の消費電力量は、比較例4で示す独立気泡の
発泡ウレタンを断熱材に用いたものよりも明らかに少な
く、断熱性能に優れていることが確認できた。また、比
較例3で示した従来型の真空断熱パネルよりも、僅かに
よい結果が得られた。これは、ゲッター剤の入ったカー
トリッジを、断熱箱体の外部に配して庫内に設けたこと
によって、物理吸着剤であるゼオライトと活性炭が活性
化され、真空断熱パネル内に残存するガスの吸着能力が
増して真空度が安定に維持され、断熱性能が改善された
ためと考えられる。
【0043】なお、本発明のカートリッジおよびそれを
備えた真空断熱体は、ここで説明した冷蔵庫への使用に
限定されるものではなく、例えば、車載用小型冷蔵庫や
プレハブ式簡易冷蔵庫、保冷車やパイプや建築物の保温
材など、保温および保冷用製品の断熱用部品としての応
用も可能であり、その要旨を脱し得ない範囲で種々変形
して用いることができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明に係るカートリッジによ
れば、ゲッター剤を真空断熱体の内部に埋め込むことな
く設けることが可能になり、ゲッター剤の扱いが容易に
なる。
【0045】請求項2の発明に係るカートリッジによれ
ば、真空断熱体との脱着を可能としたことで、ゲッター
剤の吸着力が低下したときにその交換ができる。
【0046】請求項3の発明に係るカートリッジによれ
ば、ゲッター剤が金属酸化物、ゼオライト、活性炭を含
んで成ることで、水蒸気、空気、炭酸ガス等のガスを適
切に吸着できる。
【0047】請求項4の発明に係るカートリッジによれ
ば、ゲッター剤をZr−AlまたはZr−V−Feから
成る合金としたので、水蒸気、空気、炭酸ガス等のガス
を適切に吸着できることに加え、該合金を加熱すること
によって吸着したガスを離脱させることができるので、
その吸着機能を繰り返して恒久的に使用することも可能
となる。
【0048】請求項5の発明に係るカートリッジによれ
ば、真空断熱体との脱着時に隔壁の一部を挿入時に破壊
することを伴う構造としたので、カートリッジの装着に
要する作業を、極めて容易にすることができる。
【0049】請求項6の発明に係るカートリッジによれ
ば、真空断熱体との装着後に真空断熱体を含めて真空引
きを行うことが可能な構造としたので、あえて真空雰囲
気内で端辺溶着を行う必要がなくなり、それに伴う溶着
装置が不要となる。
【0050】請求項7の発明に係る真空断熱体によれ
ば、請求項1から6の何れかのカートリッジを装着した
ので、真空断熱パネル内のガス吸着能力を長期にわたっ
て安定させて、真空断熱パネルの断熱性能を長期間安定
に維持することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカートリッジを装着した真空断
熱パネルの断面構造を示す概念図である。
【図2】 真空断熱パネルへのカートリッジ装着部の断
面構造を示す概念図である。
【図3】 本発明に係るカートリッジを装着した真空断
熱パネルを用いた冷蔵庫断熱壁の要部断面を示す概念図
である。
【図4】 本発明に係る真空断熱パネルを組込んだ位置
を示す冷蔵庫の斜視図である。
【図5】 各種断熱材の断熱性能の比較した説明図であ
る。
【図6】 従来の真空断熱パネルを配設した冷蔵庫断熱
壁の断面を示す概念図である。
【符号の説明】
5 容器、6 ゲッター剤、7 パッキン、8 構造
材、9 包装材、11真空バルブ、12 排気管、12
a 排気管の開口部、12b 排気管の縁部、15 カ
ートリッジのネジ部、16 アルミ箔膜、18 接続
管、19 溶着部、20 カシメ溶着部、30 真空断
熱パネル、40 カートリッジ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを吸着するゲッター剤を包含してな
    り、真空断熱体の内部と連通する部材の開口部に装着さ
    れるようにしたことを特徴とするカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記開口部への装着を、脱着可能にした
    ことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記ゲッター剤が、金属酸化物、ゼオラ
    イト、および活性炭を含んでなることを特徴とする請求
    項1または2に記載のカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記ゲッター剤が、Zr−AlまたはZ
    r−V−Feから成る合金であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のカートリッジ。
  5. 【請求項5】 前記開口部への装着時、前記ゲッター剤
    をシールする部材の前記開口部との対向部が破壊される
    構造としたことを特徴とする請求項1から4の何れかに
    記載のカートリッジ。
  6. 【請求項6】 前記開口部に装着した状態で、前記真空
    断熱体と一緒に真空引きを行うことが可能な構造とした
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のカー
    トリッジ。
  7. 【請求項7】 内部に連続した気孔を有する構造材を配
    した真空断熱体であって、請求項1から6の何れかに記
    載のカートリッジが装着されたことを特徴とする真空断
    熱体。
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