WO2007034906A1 - 気体吸着デバイス、気体吸着デバイスを用いた真空断熱体および真空断熱体の製造方法 - Google Patents

気体吸着デバイス、気体吸着デバイスを用いた真空断熱体および真空断熱体の製造方法 Download PDF

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Abstract

 気体吸着デバイスと芯材を挿入した外被材を真空チャンバー内で減圧し、開口部を封止後大気導入する。大気圧中において真空断熱体の外被材には、内外の気圧差に相当する1気圧程度の圧力が加わる。外被材はプラスチックラミネートフィルムであるため圧力により変形し、突起部が容器に突刺されて貫通孔を生じ、容器内の気体吸着材が外被材の内部と連通する。このようにして、保存時と真空断熱体への適用時のいずれにおいても、気体吸着材が劣化することなく真空断熱体に適用することができ、長期にわたる真空度の維持が可能となる。

Description

明 細 書
気体吸着デバイス、気体吸着デバイスを用いた真空断熱体および真空断 熱体の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、気体吸着材を備え、この気体吸着材によって気体を吸着する気体吸着 デバイス、および気体吸着デバイスを備え、この気体吸着デバイスによって内部の気 体を吸着することで断熱性能を持たせた真空断熱体、および真空断熱体の製造方 法に関する。
背景技術
[0002] 近年、高真空を必要とする工業技術への期待が高まりつつある。例えば、地球温暖 化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、家庭用電ィ匕製品についても省 エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機等の 保温保冷機器では熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する 断熱体が求められている。
[0003] 一般的な断熱体として、グラスウールなどの繊維材ゃウレタンフォームなどの発泡 体が用いられている。しかし、これらの断熱体の断熱性能を向上するためには断熱体 の厚さを増す必要があり、断熱体を充填できる空間に制限があって省スペースや空 間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
[0004] そこで、高性能な断熱体として、真空断熱体が提案されて 、る。これは、スぺーサ の役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材中に挿入し内部を減圧して封止 した断熱体である。
[0005] 真空断熱体内部の真空度を上げることにより、高性能な断熱性能を得ることができ る力 真空断熱体内部に存在する気体には大きく分けて次の 3つがある。ひとつは、 真空断熱体作製時、排気できずに残存する気体、他のひとつは、減圧封止後、芯材 や外被材から発生する気体 (芯材や外被材に吸着して!/ヽる気体や、芯材の未反応 成分が反応することによって発生する反応ガス等)、残りのひとつは、外被材を通過し て外部から侵入してくる気体である。 [0006] これらの気体を吸着するため、気体吸着材を真空断熱体内部に充填する方法が考 案されている。
[0007] 例えば、特表平 9— 512088号公報には、真空断熱体内の気体を、 Ba— Li合金を 用いて吸着するものが記載されて 、る。
[0008] 真空断熱体内部の気体吸着材が吸着すべき気体のうち、吸着困難な気体のひと つが窒素である。これは、窒素分子が約 940kjZmolという大きな結合エネルギーを 有する非極性分子であるから、活性ィ匕させるのが困難なためである。そこで、 Ba— Li 合金を使用することにより窒素を吸着可能とし、真空断熱体内部の真空度を維持す るのである。
[0009] しかしながら、特表平 9 512088号公報に記載された従来の真空断熱体に使用 する気体吸着材では、「活性化のための熱処理を必要とせず、常温下でも窒素吸着 可能であり、数分間は空気雰囲気中で取扱い可能」と記載されているとおり、空気雰 囲気中で取り扱い可能なのは数分間に限られる。これは、数分間よりも長く空気雰囲 気中で取り扱うと、気体吸着材の有する窒素吸着能力が空気と接触する製造プロセ スにおいて消耗してしまうためである。その結果、気体吸着材を用いる真空断熱体を 経時的に性能維持するための空気吸着能力が乏しくなり、性能劣化や性能ばらつき が大きくなつてしまう。このような気体吸着材の窒素吸着能力の劣化を防止するため 、空気雰囲気中での取り扱いは数分間に限定されるのである。
[0010] し力しながら、気体吸着材を用いて真空断熱体を工業的に製造するステップでは、 より長い時間、空気雰囲気中で取り扱いできることが望ましい。また、たとえ数分間で も、気体吸着材を空気雰囲気中で取り扱えば、幾らかの窒素吸着能力の劣化は避け られない。
[0011] 気体吸着材の活性の高さ、すなわち、大気中に放置された場合に窒素吸着能力が 飽和するまでの時間は、その気体吸着材の形態や材料仕様ごとに異なる。例えば、 気体吸着材がペレット状であれば、比較的長 、時間大気中に放置しても飽和しな 、 。一方、気体吸着材が粉末状であれば、比表面積が大きくなるため、短時間大気中 に放置しただけでも気体吸着能力が飽和してしまう。
[0012] 従って、 Ba— Uより高活性で、粉末状の気体吸着材を用いた場合は、大気に接触 可能な時間が非常に短くなる可能性がある。
[0013] 近年の省エネルギー等による要求の高まりから、より高い断熱性能が求められてい る。そこで、真空断熱体内部の真空度をさらにあげるために、 Ba— Uよりも高活性な 気体吸着材の実用化が望まれている。しかしながら上記のように、より高活性な気体 吸着材では、その取り扱いがより困難になるのである。
発明の開示
[0014] 本発明は、このような課題を解決するために行われたもので、より高い断熱性能を 得るために、高活性かつ粉末状の気体吸着材等を使用する場合にも、製造プロセス での空気被爆を防止することで、気体吸着能力の劣化を起こさず、真空断熱体に適 用時に内部の気体を長期間にわたって吸着し続け、断熱性能の低下やばらつきを 生じることがなぐ高真空度と高断熱性能を長期間にわたって維持することが可能な 技術を提供するものである。
[0015] 本発明の気体吸着デバイスは、少なくとも、気体吸着材を内包した密閉性を有する 容器と、容器と隣接する突起物とを備え、外力が加わることで、突起物により容器に 貫通孔が生じ、気体吸着材が外部と連通するものである。このため、気体吸着材を真 空断熱体等に適用する際、気体吸着材が吸着する気体と接触する時点は、真空減 圧後、開口部をシールした後となる。従って、気体吸着材は、比較的高い圧力の空 気には全く接触せず、劣化を非常に少なく抑えることが可能である。
[0016] また、本発明の気体吸着デバイスでは、突起物が板状部材を介して固定されること により、突起物の突起部が二次元の面状に配列している。そのため、突起部が確実 に容器に接触する。従って、外圧が加わった場合、気体吸着材が吸着する気体と確 実に接触することができ、真空機器等に適用した際に切替えが確実に行われ、真空 機器等の作製の歩留まりが向上する。なお、真空機器とは真空断熱体のように内部 を真空にすることにより機能を発揮する機器であり、切替えとは気体吸着デバイス容 器のガスバリア性が解除され、気体吸着材が容器外部の気体を吸着可能となること をいう。
[0017] また、本発明の気体吸着デバイスは、開口部を有する容器と、開口部を塞ぐ隔壁と 、容器と隔壁に囲まれる閉空間内に気体吸着材と気体吸着材に対して非吸着性の 気体を有し、その閉空間内部の気体圧力が大気圧より小さいものである。
[0018] このように、本発明の気体吸着デバイスは、容器内部に気体吸着材と共に気体吸 着材に対して非吸着性気体を封入することで、気体吸着材と大気との接触を抑制す る。また、真空機器内部の気体を吸着するために、容器内の気体吸着材は真空断熱 体の内部等、真空機器の内部空間とつながる必要がある。そこで、次のようなメカ- ズムにより、気体吸着材を 1気圧付近の大気と接触させることなぐ真空機器の内部 空間に設置することができる。なお、真空機器とは真空断熱体、ブラウン管、プラズマ ディスプレーパネル、蛍光灯等の様に、真空にすることで機能を発現する機器のこと である。
[0019] 容器は開口部を有し、容器の開口部を隔壁で覆うことにより閉空間を形成している 。容器の内部の気体は容器の内壁と隔壁の内側に圧力を加える。一方、大気は容器 の外壁及び隔壁の外側に大気圧を加える。
[0020] 通常、大気圧は 1013hPaであり、容器内部の圧力は 1013hPa未満である。従つ て、隔壁に加わる圧力差は、大気圧力も容器内部の圧力を差し引いた値になる。こ の圧力差により、隔壁は容器開口部に押し付けられているため、容器内外の気体の 通気がなされず、気体吸着材の劣化を防ぐことができる。
[0021] 一方、容器外部が減圧されると、ある時点で容器内部と外部の圧力が等しくなり、さ らには容器外部の圧力が容器内部の圧力より小さくなる。容器内部の圧力と容器外 部の圧力が等しくなつた時点で、隔壁が容器に押し付けられる圧力が働力なくなり、 容器と隔壁が分離する。容器から隔壁が分離することにより、容器の開口部を通じて 容器内外の気体の通気が可能になる。以上のようなメカニズムにより、気体吸着材を 大気圧下での空気と接触することなぐ真空機器の内部に設置することができる。
[0022] このようにして、本発明の気体吸着デバイスでは、大気圧下では気体吸着材と大気 との接触を防止し、減圧下で気体吸着材が気体吸着デバイス外部の雰囲気と接触 する。従って、大気圧下で気体吸着デバイスを真空機器に適用する際にも、大気に よる気体吸着材の劣化が起こらず、気体吸着材は真空機器に適用後、本来の性能 を発揮できる。
[0023] また、本発明の気体吸着デバイスは、一端に開口部を有する少なくとも一部が筒状 である容器と、容器の筒状部内壁に接する隔壁とを有し、容器と隔壁とにより囲まれ る閉空間に気体吸着材と気体吸着材に対して非吸着性の気体が封入されている。
[0024] このように、本発明の気体吸着デバイスは、容器内部に気体吸着材と共に気体吸 着材に対して非吸着性の気体を封入し、気体吸着材と大気との接触を抑制するもの である。また、真空機器内部の気体を吸着するため、容器内の気体吸着材は真空断 熱材の内部等、真空機器の内部空間とつながる必要がある。そこで、次のようなメカ ニズムにより、気体吸着材を 1気圧付近の大気と接触させることなぐ真空機器の内 部空間に設置することができる。
[0025] 容器は少なくとも一部が筒状になっており、この筒状部に開口部を有する。筒状部 には隔壁が設けられている。この隔壁は、容器筒状部の開口部を遮断して閉空間を 形成し、容器内部への空気の浸入を抑制し、気体吸着材と大気の接触を防止するた めのものである。この閉空間には、気体吸着材に対して非吸着性の気体が封入され ている。気体吸着デバイスが大気圧下に置かれている場合は、大気圧と非吸着性気 体の圧力は釣り合っており、隔壁に対する正味の力は生じな!/、。
[0026] 一方、気体吸着デバイスが真空断熱材等の真空機器内部に設置され、その空間 が減圧されると、容器と隔壁で形成された閉空間内部の圧力が、雰囲気圧力より高く なり、非吸着性気体が膨張する。膨張により生じた圧力が隔壁を筒状部の開口部方 向へ移動させ、容器の筒状部と隔壁が分離する。従って、気体吸着材は減圧されて から外部空間と接触する。以上のようなメカニズムにより、気体吸着材を大気圧下で の空気と接触することなぐ真空機器の内部に設置することができる。
[0027] このようにして、本発明の気体吸着デバイスでは、大気圧下では気体吸着材と大気 との接触を防止し、減圧下で気体吸着材が気体吸着デバイス外部の雰囲気と接触 する。従って、大気圧下で気体吸着デバイスを真空機器に適用する際にも、大気に よる気体吸着材の劣化が起こらず、気体吸着材は真空機器に適用後、本来の性能 を発揮できる。
[0028] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材を覆う外郭と、外力の未付加時に は外郭の内外を連通させず、所定の外力の付加時に外郭の内外を連通させる連通 部とを有する容器を備え、その容器に気体吸着材を内包して 、る。 [0029] このように、本発明の気体吸着デバイスでは、気体吸着材は外力の未付加時には 空気など外空間の気体とは接触しないため、気体吸着能力を消費することなく保持 できる。また、外力の付加時にその容器の内空間と外空間が通気可能となり、気体吸 着能力を発揮するので、吸着能力を発揮するまでの吸着性能劣化を抑制し、気体吸 着材の吸着能力を最大限発揮することができる。
[0030] また、本発明の気体吸着デバイスを適用した真空断熱体では、気体吸着材は真空 断熱体の製造時において大気との接触により失活することがなぐ真空断熱体へ経 時的に浸透してくる微量の窒素や酸素などの主要な空気成分を安定的に吸着し、長 期にわたつて真空度を維持でき、優れた断熱性能を提供できる。
[0031] また、本発明の真空断熱体の製造方法は、非吸着性ガスと共に吸着材充填体の中 にガス包装した空気成分吸着材を多孔質芯材と共に外被容器の内部に配設して減 圧し、減圧により圧力差で膨らんだ吸着材充填体の一部を破裂させて形成した開口 部を通じて吸着材充填体の中の非吸着性ガスを真空排気した後、外被容器を密閉 封止する。
[0032] このように、空気成分吸着材は非吸着性ガスと共にガス包装されており、かつ真空 雰囲気下で破裂させて多孔質芯材と真空包装するため、大気中の空気との接触は 製造プロセスでは起こらず吸着材の劣化はない。従って、真空断熱体の製造時間の 長短にかかわらず、問題なく使用可能である。空気雰囲気での暴露による吸着性能 バラツキもなくなり、安定的に製造でき、長期信頼性も問題のない真空断熱体が得ら れる。
[0033] また、本発明の真空断熱体は、少なくとも、開口部を有する吸着材充填体の中に配 設された空気成分吸着材と、多孔質芯材と、これらを収納する外被容器とを備えた気 体吸着デバイスを有し、空気成分吸着材は開口部を通じて真空断熱体内部と真空 空間でつながつている。
[0034] これによつて、多孔質芯材に残る残留微量空気や外部から浸透してくる微量空気 は多孔質芯材と真空空間でつながつている空気成分吸着材で吸着固定ィ匕でき、内 部圧力を所定の真空度に維持できる。このようにして、長期にわたって優れた断熱性 を維持することが可能となる。 [0035] また、本発明の真空断熱体の製造方法は、充填容器外の圧力が充填容器内の圧 力に比較して所定値以上小さくなると開口する充填容器に空気成分吸着材と空気成 分吸着材に吸着されな 、非吸着性ガスとを封入し、充填容器を多孔質芯材と共に外 被容器の内部に配設して、次に、充填容器外の圧力が充填容器内の圧力に比較し て所定値以上小さくなるように外被容器内を減圧することにより、外被容器内の空気 と共に、充填容器にできた開口部を通じて、充填容器の中の非吸着性ガスを排気し た後、外被容器を密閉封止する。
[0036] この真空断熱体の製造方法によれば、空気成分吸着材は充填容器の中に非吸着 性ガスと共に封入されており、かつ、真空雰囲気下で充填容器が開口して多孔質芯 材と真空包装するため、大気中の空気との接触は製造プロセスでは起こらず吸着材 の劣化はない。従って、真空断熱体の製造時間の長鶴こかかわらず、問題なく使用 可能である。空気雰囲気での暴露による吸着性能バラツキもなくなり、安定的に製造 でき、長期信頼性も問題のない真空断熱体が得られる。
[0037] 充填容器としては、一方の容器の開口部を他方の容器の開口部で塞ぐように開口 部の大きさが異なる 2つの容器の開口部を重ね合わせて接合した構成であり、充填 容器外の圧力が充填容器内の圧力に比較して所定値以上小さくなると、重ね合わせ て接合した部分が外れるものを使用できる。
[0038] このとき、充填容器の重ね合わせて接合した部分に潤滑剤をあら力じめ塗布してお くと、減圧による圧力差によって充填容器の接合部は容易に外れ、開口部を形成す ることがでさる。
[0039] また、本発明の真空断熱体は、少なくとも、接合部が外れて開口部を形成する充填 容器の中に配設された空気成分吸着材と、多孔質芯材と、これらを収納する外被容 器とを備え、空気成分吸着材は開口部を通じて外被容器内部と連続空間でつなが つている。これによつて、多孔質芯材に残る残留微量空気や外部から浸透してくる微 量空気は多孔質芯材と連続空間でつながつている空気成分吸着材で吸着固定ィ匕で き、外被容器の内部、すなわち真空断熱対の内部の圧力を所定の真空度に維持で きる。このようにして、長期にわたって優れた断熱性を維持することが可能となる。な お、ここでいう充填容器とは、形状、大きさを問わないが、医薬品や健康食品に用い られるカプセルが利用できる。カプセルとは、ボディとキャップ力も成るハードカプセ ルであり、一端を閉じた交互に重ね合わすことができる一対の有底円筒体として定義 されるちのである。
[0040] 以上説明したように、本発明の気体吸着デバイスは、大気圧下では気体吸着材と 大気との接触を防止し、減圧下で気体吸着デバイス外部の雰囲気と接触する。従つ て、大気圧下で気体吸着デバイスを真空機器に適用する際にも、大気による気体吸 着材の劣化が起こらないため、気体吸着材は真空機器に適用後、本来の性能を発 揮できる。そして、本発明の真空断熱体は高い断熱性能を安定的に実現し、長期信 頼性を確保することが可能であり、地球温暖化などの環境問題解決に著しい効果を 発揮する。
図面の簡単な説明
[0041] [図 1]図 1は本発明の実施の形態 1における気体吸着デバイスの断面図である。
[図 2]図 2は本発明の実施の形態 1における真空断熱体の断面図である。
[図 3]図 3は本発明の実施の形態 1における気体吸着デバイスの切替え後の断面図 である。
[図 4]図 4は本発明の実施の形態 2における気体吸着デバイスの断面図である。
[図 5]図 5は本発明の実施の形態 2における気体吸着デバイスの切替え後の断面図 である。
[図 6]図 6は本発明の実施の形態 3における気体吸着デバイスの断面図である。
[図 7]図 7は本発明の実施の形態 3における気体吸着デバイスの切替え後の断面図 である。
[図 8]図 8は本発明の実施の形態 4における気体吸着デバイスの断面図である。
[図 9]図 9は本発明の実施の形態 4における気体吸着デバイスの切替え後の断面図 である。
[図 10]図 10は本発明の実施の形態 5における大気圧下での気体吸着デバイスの断 面図である。
[図 11]図 11は本発明の実施の形態 5における気体吸着デバイスを適用した真空断 熱体の断面図である。 圆 12]図 12は本発明の実施の形態 5における減圧下での気体吸着デバイスの断面 図である。
圆 13]図 13は本発明の実施の形態 6における気体吸着デバイスの断面図である。
[図 14]図 14は本発明の実施の形態 7における気体吸着デバイスの断面図である。 圆 15]図 15は本発明の実施の形態 8における大気圧下での気体吸着デバイスの断 面図である。
圆 16]図 16は本発明の実施の形態 8における気体吸着デバイスを適用した真空断 熱体の断面図である。
圆 17]図 17は本発明の実施の形態 8における減圧下での気体吸着デバイスの断面 図である。
[図 18]図 18は本発明の実施の形態 9における気体吸着デバイスの断面図である。
[図 19]図 19は本発明の実施の形態 10における気体吸着デバイスの断面図である。 圆 20]図 20は本発明の実施の形態 11における気体吸着デバイスを構成する容器の 密封状態を示す斜視図である。
圆 21]図 21は本発明の実施の形態 11における気体吸着デバイスを構成する容器の 内外連通状態を示す斜視図である。
圆 22]図 22は本発明の実施の形態 12における気体吸着デバイスを構成する容器の 密封状態を示す斜視図である。
圆 23]図 23は本発明の実施の形態 12における気体吸着デバイスを構成する容器の 内外連通状態を示す斜視図である。
圆 24]図 24は本発明の実施の形態 13における気体吸着デバイスを構成する容器の 密封状態を示す斜視図である。
圆 25]図 25は本発明の実施の形態 13における気体吸着デバイスを構成する容器の 内外連通状態を示す斜視図である。
[図 26]図 26は本発明の実施の形態 14における真空断熱体の真空包装前の概略断 面図である。
圆 27]図 27は本発明の実施の形態 14における真空包装後の大気中における真空 断熱体の概略断面図である。 圆 28]図 28は本発明の実施の形態 15の真空断熱体の製造方法における真空排気 前の真空包装機内部を示す断面図である。
圆 29]図 29は本発明の実施の形態 15の真空断熱体の製造方法における真空排気 中の真空包装機内部を示す断面図である。
圆 30]図 30は本発明の実施の形態 15の真空断熱体の製造方法における真空排気 終了直前の真空包装機内部を示す断面図である。
圆 31]図 31は本発明の実施の形態 15の真空断熱体の製造方法における真空包装 後の真空断熱体の断面図である。
圆 32]図 32は本発明の実施の形態 17の真空断熱体の製造方法における真空排気 前の状態を示す断面図である。
圆 33]図 33は本発明の実施の形態 17における真空断熱体に用いる充填容器を示 す拡大断面図である。
圆 34]図 34は本発明の実施の形態 17の真空断熱体の製造方法における真空排気 終了直前時点での状態を示す断面図である。
圆 35]図 35は本発明の実施の形態 17の真空断熱体の製造方法における真空包装 後の真空断熱体の断面図である。
符号の説明
101, 201, 301, 422 気体吸着デバイス
102, 205, 305, 402 気体吸着材
103, 203, 401, 409, 415 容器
104 突起物
105 突起部
106 板状部材
107, 207, 307 真空断熱体
108, 208, 308
109, 209, 309 外被材
110, 202, 302 開口部 112 フィルム
204, 304 隔壁
206, 306 非吸着性気体
210, 310 包材
211, 311 被覆材
212, 312 仕切り
303 筒状容器
313 封止
発明を実施するための最良の形態
[0043] 本発明の気体吸着デバイスは、少なくとも、気体吸着材を内包した密閉性を有する 容器と、容器と隣接する突起物とを備え、外力が加わることで、突起物により容器に 貫通孔が生じ、気体吸着材が外部と連通するものである。
[0044] 気体吸着材が高活性であるほど、比表面積が大きくなるほど取り扱いの条件が厳し くなる。つまり、空気に接触可能な時間が短くなり、接触可能な圧力が小さくなる。従 つて、このような気体吸着材は、保存時に加えて、真空機器に設置する際の劣化も問 題となる。従って、真空機器に気体吸着材を設置する際は、真空チャンバ一内の圧 力が下がりきつて力 外部と連通させる必要がある。
[0045] 真空機器の一例として、真空断熱体に気体吸着材を適用する際は、ガスバリア性 の外被材中に芯材と気体吸着材を挿入したものをチャンバ一に設置後、チャンバ一 を減圧し、外被材内部を減圧後、外被材の開口部を封止する。
[0046] この際、チャンバ一内の減圧は真空ポンプにて行われる。高圧領域、つまり真空封 止前ではポンプ、吸着材いずれによっても減圧することが可能である。一方、低圧領 域、つまり真空封止後の外被材内部には、真空ポンプで減圧しきれな力つた気体、 真空封止後に外被材を通して侵入する気体、芯材から発生する気体が存在し、これ らは気体吸着材のみで吸着が可能である。従って、真空封止後の外被材内部にお V、て気体吸着材の能力を十分に発揮するためには、真空封止後に連通することが 必要である。
[0047] さらに、気体吸着材を外部と連通させる手段の一つとして、以下に示す通り、真空 封止後に外被材に加わる大気圧を用いる方法が適切である。
[0048] 外被材を真空封止した後は、外被材には、内外の圧力差に相当する圧力、つまり、 ほぼ 1気圧の圧力が加わる。外被材内部に大気圧が加わると、その大きさの圧力で 外被材内の突起物が容器に押し付けられ、容器に貫通孔が生じ、気体吸着材が外 部と連通する。
[0049] また、外被材の機械的特性としては、ガスノリア性に加え、大気圧が加わることによ り変形し、大気圧を突起物と容器に伝えることができるものであれば良い。さらに望ま しくは、大気圧以下の圧力で、突起物により容器に貫通孔が生じるものであれば良い
[0050] 本発明における容器は、密閉性、すなわち、ガスノリア性があり、保存時の取り扱い に耐えうる機械的強度を有する必要がある。一方、突起物は硬度が大きいものが望 ましい。容器と突起物の機械的強度の相対関係としては、突起物の硬度が容器の硬 度より大きぐ突起物が容器に押し付けられた際、容器に貫通孔が生じるものであれ ば良い。容器、突起物ともプラスチック、金属等を用いることができ、これらの複合体 であっても良い。
[0051] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器が、ガスノリア性を有するフィルムまたは シートを袋状に形成したものである。
[0052] 容器として用いるフィルムがガスバリア性を有するため、高活性な気体吸着材を大 気中に長時間保存することができる。また、容器がフィルムであるため、突起物を押し 付けることにより容易に貫通孔が生じ、より確実に吸着材を外部に連通させることがで きる。
[0053] ここで、ガスノリア性を有するフィルムまたはシートとは、気体透過度が、 104[cm3 Zm2 · day · atm]以下となるものであり、より望ましくは 103 [cmVm2 · day · atm]以 下のものである。具体的には、エチレン ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリ エチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックのフィルムあるいはシートを 袋状に形成したものであるが、これらに限定するものではない。さらに、プラスチックフ イルムに金属箔をラミネート、または、金属を蒸着してガスノリア性をより高めたものが 望ましい。金属箔または、蒸着に適用できる金属は、金、銅、アルミ等を用いることが できるが、これらに限定するものではない。
[0054] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器が、ガスノリア性を有するプラスチックの 成型体である。
[0055] 容器がガスノリア性を有するプラスチックの成型体であるため、高活性な気体吸着 材を大気中に長時間保存することができる。また、僅かな力では歪が小さぐ保存時 の取り扱いにおける破損の可能性が小さくなる。
[0056] ここで、ガスノリア性を有するプラスチックの成型体とは、気体透過度が、 104[cm3 Zm2 · day · atm]以下となるものであり、より望ましくは 103 [cmVm2 · day · atm]以 下のものである。具体的には、エチレン ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリ エチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックの成型体である力 これらに 限定するものではない。さらにガスバリア性を高めるために、成型体に蒸着を施しても 良い。また、金属箔を埋め込んでも良い。
[0057] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器の一部に開口部があり、その開口部を 弾性体の隔壁で覆ってあり、突起物がその隔壁に隣接しているものである。
[0058] 容器の一部を弾性体の隔壁とすることにより、突起物により隔壁に貫通孔を生じさ せ、気体吸着材を外部と連通させることが可能となる。従って、隔壁部分以外に課せ られる機械的条件は緩くなる。すなわち、隔壁以外の部分は突起物により貫通孔を 生じる必要がなぐガスノリア性を重視した容器の設計が可能になる。従って、容器 には、金属の成型体、硝子の成型体等を用いることができる。
[0059] ここで、弾性体とは応力が加わることにより変形し、応力が解除されると変形が元に 戻るものである。金属やプラスチック等は変形量が僅かであれば、変形が元に戻るた め、広い意味では弾性体である。しかし、密閉性確保のためには容器の開口部の形 状に追従して変形することができるために、僅かな力で大きく変形することが望ましい 。従って、ゴムのように、僅かな応力で大きく変形するものが望ましい。
[0060] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器の一部に開口部があり、その開口部をガ スバリア性のフィルムで覆ってあり、突起物がその隔壁に隣接しているものである。
[0061] 容器の一部分をガスノリア性のフィルムとすることにより、突起物によりフィルムに貫 通孔を生じさせ、気体吸着材を外部と連通させることが可能となる。従って、隔壁部 分以外に課せられる機械的条件は緩くなる。すなわち、フィルム以外の部分は突起 物により貫通孔を生じる必要がなぐガスバリア性を重視した容器の設計が可能にな る。従って、容器には、金属の成型体、硝子の成型体等を用いることができる。
[0062] また、本発明の気体吸着デバイスは、突起物が板状部材を介して固定されること〖こ より、その突起物の突起部が二次元の面状に配列しているものである。
[0063] ここでの突起部とは、突起物において表面の曲率が他の部分に比較して急激に大 きくなつている部分である。突起部の前後に引いた接線は、平行を 0度とすると、 60 度以上の角度をなすが、望ましくは 90度以上であり、さらに望ましくは 120度以上で ある。
[0064] 真空機器内部で、突起物により容器に貫通孔を生じさせるためには、突起部が容 器に接した状態で突起物に力が加わる必要がある。真空機器の外被材と、容器の間 の突起物はその形状により、これらに与える影響が異なる。
[0065] この問題を解決するため、複数の突起物を板状部材に固定し、突起部を二次元の 面状に配列する。このようにして、面状に配列した突起部を容器に接触した状態で設 置することにより、外被材に圧力が加わると突起部は容器に確実に押し付けられ、ま た、容器以外との接触を防止することが可能となる。
[0066] ここで、板状部材には、金属、無機物、プラスチックなどの構造材を用いることがで きるが、ガス発生が少な 、ものであれば特に指定するものではな!/、。
[0067] また、板状部材に突起物を固定する方法は、接着剤による接着、溶接、一体成型 等があるが特に指定するものではない。
[0068] 大気圧は、外被材の全体に均一に加わる。このため、大気圧により突起物が容器 に押し付けられる力は、板状部材に固定されている突起物の単位面積あたりの数の 逆数に比例する。従って、確実に容器に貫通孔を生じさせ、吸着材を外部と連通さ せるには、単位面積あたりの突起物は少ないほうがよぐ 100個 Zcm2以下、望ましく は 50個 Zcm2以下、さらに望ましくは 25個 Zcm2以下が良い。
[0069] また、本発明の気体吸着デバイスは、突起物の突起部から板状部材までの距離が 、容器の厚さより短いものである。
[0070] 突起物の突起部力 板状部材までの距離は、突起物の長さ、すなわち、突起物が 貫通孔を生じさせることができる物体の厚さに等しい。真空機器が真空断熱体であり 、容器の厚さが突起物の長さより薄い場合は、容器に貫通孔を生じさせた突起物が 真空断熱体の外被材に貫通孔を生じさせる可能性がある。一方、突起物の長さが容 器の厚さより短い場合は突起物の先端は容器内部に留まるため、外被材に貫通孔が 生じない。
[0071] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材が CuZSM— 5であるものである
[0072] CuZSM— 5は非常に活性が高ぐ低圧力の気体であっても優れた吸着特性を有 する。本発明の気体吸着デバイスに用いると、高圧力の雰囲気に接触せず、気体吸 着材は劣化しな 、ため、低圧領域にぉ 、て吸着特性を発揮することができる。
[0073] 以下、これらの発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、 この実施の形態によって発明が限定されるものではない。
[0074] (実施の形態 1)
図 1は、本発明の実施の形態 1における気体吸着デバイスの断面図である。
[0075] 図 1において、気体吸着デバイス 101は、気体吸着材 102を容器 103で内包し、容 器 103に突起物 104が接触している。気体吸着材 102は粉末状の CuZSM— 5であ る。
[0076] 容器 103は、低密度ポリエチレン、アルミ箔、ポリエチレンテレフタレートフィルムの 順にラミネートしたフィルムの低密度ポリエチレン同士を熱溶着して作製した袋に、気 体吸着材 102を入れた後に真空封止したものである。突起物 104は、突起部 105を 介して容器 103に接触している。突起物 104は板状部材 106に固定されており、突 起部 105が二次元の平面状に配列している。
[0077] 図 2は、本発明の実施の形態 1における真空断熱体の断面図である。
[0078] 図 2において、真空断熱体 107は、気体吸着デバイス 101、芯材 108を外被材 109 に挿入後、減圧封止したものである。
[0079] 図 3は、本発明の実施の形態 1における気体吸着デバイス 101の切替え後の断面 図である。
[0080] 以上のように構成された気体吸着デバイス 101について、以下、図 1から図 3の動 作、作用を説明する。
[0081] まず、気体吸着材 102は、アルミ箔を有するラミネートフィルム中に真空封止されて いるため、気体吸着デバイス 101を長時間大気中に放置しても、気体吸着材 102は 気体に触れないため、劣化せず、長時間大気中で保存することができる。
[0082] また、気体吸着材 102が外被材 109中の気体を吸着するためには、容器 103に貫 通孔が生じる必要がある。これは以下に示す機構により実現される。
[0083] 真空断熱体 107作製のステップにおいて、気体吸着デバイス 101と芯材 108を揷 入した外被材 109は真空チャンバ一内で減圧し、開口部を封止後大気導入する。大 気圧中において、真空断熱体 107の外被材 109の内外には、これらの間の圧力差 に相当する 1気圧程度の圧力が加わる。外被材 109はプラスチックラミネートフィルム であるため柔軟性があり、圧力により変形し、隣接する板状部材 106に圧力を伝える 。さらに、板状部材 106に固定されている突起物 104に圧力が加わり、突起部 105が 容器 103に突刺力を加え容器 103に貫通孔が生じ、気体吸着材 102が外被材 109 の内部に連通する。
[0084] この際、突起物 104は板状部材 106に固定されているため、容器 103と突起部 10 5は面同士で接触するため、方向がずれにくくなる。さらに、突起物 104—つのレべ ルでは、容器に対して略垂直方向を向いているため、容器 103には確実に貫通孔が 生じる。
[0085] さらに、突起物 104の突起部 105から板状部材 106までの距離力 容器 103の厚さ より短いため、突起部 105は容器 103内部に留まる。したがって、真空断熱体 107の 外被材 109には突起物 104による突刺力が加わらず、外被材 109に貫通孔が生じな い。
[0086] 以上のような機構により、保存時、真空断熱体 107への適用時のいずれの場合に おいても、気体吸着材 102が劣化することなぐ真空断熱体 107に適用することがで き、内圧の低減および長期間にわたる真空度の維持が可能となる。
[0087] (実施の形態 2)
図 4は本発明の実施の形態 2における気体吸着デバイス 101の断面図である。
[0088] 図 4において、容器 103には開口部 110があり、開口部 110がゴム栓 111で覆われ ており全体として気密性を確保している。容器 103はポリエチレン性であり、ゴム栓 11 1はブチルゴム製であり、ゴム弾性により容器 103との密閉性が確保される。また、突 起物 104の突起部 105は、ゴム栓 111に接触するように設置されて!、る。
[0089] 図 5は本発明の実施の形態 2における気体吸着デバイス 101の切替え後の断面図 である。
[0090] 以上のように構成された気体吸着デバイス 101について、以下、その動作、作用を 説明する。
[0091] まず、気体吸着材 102は、ポリエチレンとゴム栓で密閉されているため、気体吸着 デバイス 101を長時間大気中に放置しても、気体吸着材 102は気体に触れないため 、劣化せず、長時間大気中で保存することができる。
[0092] この気体吸着デバイス 101を真空断熱体に適用すると、大気圧によりゴム栓 111に 貫通孔が生じ、気体吸着材 102が外被材内部の空間と連通する。
[0093] なお、本実施の形態において、真空断熱体作製時の気体吸着デバイス 101の動 作は、実施の形態 1と同等である。
[0094] (実施の形態 3)
図 6は本発明の実施の形態 3における気体吸着デバイス 101の断面図である。
[0095] 図 6において、容器 103には開口部 110があり、開口部 110がガスノ リア性を有す るフィルム 112で覆われており全体として気密性を確保している。容器 103はポリエ チレン製であり、フィルム 112は低密度ポリエチレン、アルミ箔、ポリエチレンテレフタ レートフィルムの順にラミネートしたものであり、公知の方法にて接着されている。また 、突起物 104の突起部 105は、フィルムに接触するように設置されている。
[0096] 図 7は本発明の実施の形態 3における気体吸着デバイス 101の切替え後の断面図 である。
[0097] 以上のように構成された気体吸着デバイス 101について、以下、その動作、作用を 説明する。
[0098] まず、気体吸着材 102は、ポリエチレンとガスバリア性を有するフィルム 112で密閉 されているため、気体吸着デバイス 101を長時間大気中に放置しても、気体吸着材 1 02は気体に触れないため、劣化せず、長時間大気中で保存することができる。 [0099] この気体吸着デバイス 101を真空断熱体に適用すると、フィルム 112に貫通孔が生 じ、気体吸着材 102が外被材内部の空間と連通する。
[0100] なお、本実施の形態において、真空断熱体作製時の気体吸着デバイス 101の動 作は、実施の形態 1と同等である。
[0101] (実施の形態 4)
図 8は本発明の実施の形態 4における気体吸着デバイス 101の断面図である。
[0102] 図 8において、容器 103は少なくともその一部が筒状であり、一方が開口部 110とな つており、開口部 110の断面は容器 103の長さ方向に対して斜め方向を向いている 。また、開口部 110は、ガスバリア性を有するフィルム 112で覆われており全体として 気密性を確保している。容器 103はポリエチレン製であり、フィルム 112は低密度ポリ エチレン、アルミ箔、ポリエチレンテレフタレートフィルムの順にラミネートしたものであ り、公知の方法にて接着されている。また、突起物 104の突起部 105は、フィルム 11 2に接触するように設置されて 、る。
[0103] 図 9は本発明の実施の形態 4における気体吸着デバイス 101の切替え後の断面図 である。
[0104] 以上のように構成された気体吸着デバイス 101について、以下、その動作、作用を 説明する。
[0105] まず、気体吸着材 102は、ポリエチレンとガスバリア性を有するフィルム 112で密閉 されているため、気体吸着デバイス 101を長時間大気中に放置しても、気体吸着材 1 02は気体に触れないため、劣化せず、長時間大気中で保存することができる。
[0106] この、気体吸着デバイス 101を真空断熱体に適用すると、フィルム 112に貫通孔が 生じ、気体吸着材 102が真空断熱体の外被材内部の空間と連通する。
[0107] なお、本実施の形態において、真空断熱体作製時の気体吸着デバイス 101の動 作は、実施の形態 1と同等である。
[0108] 本実施の形態における容器 103は、その形状から加工が容易であり、コストを低く 抑えることができる。
[0109] これらの実施の形態で示した気体吸着デバイス 101の具体的内容を、実施例 1〜3 として次に示す。 [0110] また、条件が異なる仕様での結果を比較例として示す。
[0111] (実施例 1)
気体吸着材 102として、粉末状の CuZSM— 5を用いた。
[0112] 容器 103として、厚さ 50 μ mの低密度ポリエチレン、厚さ 7 μ mのアルミ箔、厚さ 25 μ mのポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートしたものを、低密度ポリエチレン 同士を溶着して袋状としたものを用いた。
[0113] 突起物 104と板状部材 106は、一体成型にて作製された鉄製のものである。板状 部材 106の形状は、一辺が lcmの正方形である。突起物 104の数は 25個であり、形 状は、円錐形であり、円錐の底面と板状部材の表面が一致する。また、突起部 105 の先端と板状部材 106の距離は 5mmである。
[0114] 容器 103は、気体吸着材 102を封入後減圧封止したものであり、ラミネートフィルム の表面から、対面のラミネートフィルムまでの距離は 10mmである。
[0115] 以上の構成の気体吸着デバイス 101を真空断熱体に適用して、評価を行った。
[0116] 芯材として、ガラス短繊維の集合体を熱成型して板状としたものを用い、気体吸着 デバイス 101と共に、予め 3辺をシールした外被材に挿入し、真空チャンバ一に設置 し lOOPaまで減圧後封止した。真空チャンバ一内に大気を導入すると、大気圧により 気体吸着デバイス 101が切替わり、外被材内部の気体を吸着可能となる。真空断熱 体の内部の圧力を計測すると、 5Paであり気体吸着材による吸着の結果、外被材の 内部圧力が低減したことがわかる。また、容器の厚さより突起物の長さが短いため、 外被材へのダメージが加わって 、な 、ことが判る。
[0117] さらに、この真空断熱体を 1ヶ月大気中で保存した後の内圧は 5Paであり、外被材 を介して侵入する気体を吸着して 、ることがわ力る。
[0118] (実施例 2)
気体吸着材 102として、粉末状の CuZSM— 5を用いた。
[0119] 容器 103は、ポリエチレン性の箱体であり、寸法は幅 30mm、奥行き 20mm、高さ 1 Ommであり、 30mm X 20mmの一面が欠損している。ガスバリア性を有するフィルム 112は、厚さ 50 μ mの低密度ポリエチレン、厚さ 7 μ mの ノレミ箱、厚さ 25 μ mのナ ィロンフィルムをラミネートしたものである。 [0120] 突起物 104と板状部材 106は、一体成型にて作製された鉄製のものである。板状 部材 106の形状は、一辺が lcmの正方形である。突起物 104の数は 25個であり、形 状は、円錐形であり、円錐の底面と板状部材 106の表面が一致する。また、突起部 1 05の先端と板状部材 106の距離は 5mmである。
[0121] アルゴンガス雰囲気のチャンバ一中で、その容器 103に粉末状の CuZSM— 5を 充填し、減圧後、ガスバリア性を有するフィルム 103を用いて欠損部を覆い、熱溶着 により封止した。
[0122] チャンバ一に大気導入後は、大気圧により圧縮されるため、フィルム 112の部分は 薄くなり、最も薄い部分は 7mmであった。
[0123] 以上の構成の気体吸着デバイス 101を真空断熱体に適用して、評価を行った。
[0124] 芯材として、ガラス短繊維の集合体を熱成型して板状としたものを用い、気体吸着 デバイス 101と共に、予め 3辺をシールした外被材に挿入し、真空チャンバ一に設置 し lOOPaまで減圧後封止した。真空チャンバ一内に大気を導入すると、大気圧により 気体吸着デバイス 101が切替わり、真空断熱体の外被材内部の気体を吸着可能と なる。真空断熱体の内部の圧力を計測すると、 5Paであり気体吸着材 102による吸着 の結果、外被材の内部圧力が低減したことがわかる。また、容器 103の厚さより突起 物 104の長さが短!、ため、外被材へのダメージが加わって!/ヽな 、ことが判る。
[0125] さらに、この真空断熱体を 1ヶ月大気中で保存した後の内圧は 5Paであり、外被材 を介して侵入する気体を吸着して 、ることがわ力る。
[0126] (実施例 3)
気体吸着材 102として、粉末状の CuZSM— 5を用いた。
[0127] 容器 103は、ポリエチレン性の箱体であり、寸法は幅 30mm、奥行き 20mm、高さ 1 Ommであり、 30mm X 20mmの一面に直径 10mmの開口部 110が存在する。
[0128] 突起物 104と板状部材 106は、一体成型にて作製された鉄製のものである。板状 部材 106の形状は、一辺が lcmの正方形である。突起物 104の数は 25個であり、形 状は、円錐形であり、円錐の底面と板状部材 106の表面が一致する。また、突起部 1 05の先端と板状部材 106の距離は 5mmである。
[0129] アルゴンガス雰囲気のチャンバ一中で、その容器 103に粉末状の CuZSM— 5を 充填し、減圧後、プチルゴム栓 111により開口部 110を封止した。
[0130] チャンバ一に大気導入後は、大気圧により圧縮されるため、プチルゴム栓 111を含 む容器 103の最も薄 、部分は 8mmであった。
[0131] 以上の構成の気体吸着デバイス 101を真空断熱体に適用して、評価を行った。
[0132] 芯材として、ガラス短繊維の集合体を熱成型して板状としたものを用い、気体吸着 デバイス 101とともに、予め 3辺をシールした外被材に挿入し、真空チャンバ一に設 置し lOOPaまで減圧後封止した。真空チャンバ一内に大気を導入すると、大気圧に より気体吸着デバイス 101が切替わり、真空断熱体の外被材内部の気体を吸着可能 となる。真空断熱体の内部の圧力を計測すると、 5Paであり気体吸着材 102による吸 着の結果、外被材の内部圧力が低減したことがわかる。また、容器 103の厚さより突 起物 104の長さが短!、ため、外被材へのダメージが加わって!/ヽな 、ことが判る。
[0133] さらに、この真空断熱体を 1ヶ月大気中で保存した後の内部の圧力は 5Paであり、 外被材を介して侵入する気体を吸着していることがわ力る。
[0134] (比較例 1)
特表平 9— 512088号公報に記載の気体吸着デバイスを用いて真空断熱体を作 製した。真空断熱体作製の条件は、実施例 1と同等である。特表平 9— 512088号公 報に記載の気体吸着デバイスは、開口部を有する金属製の容器に Ba— Liを封入し 、開口部を酸ィ匕カルシウムで覆った構成である。作製した真空断熱体の内部の圧力 を測定すると、 lOOPaであった。この結果から、 Ba— Liは真空断熱体内部の気体を 吸着していないことがわかる。これは、本比較例 1で用いた気体吸着デバイスでは、 酸ィ匕カルシウムのガスノ リア性が不足しているため、真空断熱体作製の際、 Ba— Li が気体を吸着して劣化したためであると考えられる。
[0135] (比較例 2)
予め不織布製の袋に CuZSM— 5を封入した気体吸着デバイスを用いて真空断熱 体を作製した。真空断熱体作製の条件は、実施例 1と同等である。真空断熱体内部 の圧力を測定すると lOOPaであった。この結果から、 CuZSM— 5は真空断熱体内 部の気体を吸着していないことがわかる。これは、不織布の気体透過度が大きいため 、真空断熱体作製の際、 CuZSM— 5が気体を吸着して劣化したためであると考えら れる。
[0136] また、本発明の気体吸着デバイスは、開口部を有する容器と、その開口部を塞ぐ隔 壁と、その容器とその隔壁に囲まれる閉空間内に気体吸着材とその気体吸着材に対 して非吸着性の非吸着性気体を有し、その閉空間内部の気体圧力が、大気圧より小 さいものである。
[0137] ここで、大気圧とは、気体吸着デバイスを保管する雰囲気または、気体吸着デバィ スを真空機器へ設置する作業を行う雰囲気の気体圧力である。その大気圧は、海抜 0メートル付近においては 1013hPa前後であるが、海抜が高い環境または、航空機 などの内部においては 1013hPaより小さくなると考えられる。また、海抜 0メートル付 近であっても、低気圧、高気圧等の気象条件により多少変動する。
[0138] 閉空間内部の気体圧力は、大気圧より僅かでも小さければ、気体吸着デバイスとし て使用可能である。しかし、保存時や、真空機器への設置作業の際に、外部からの 衝撃が加わると、大気中で容器力 隔壁が離脱し、気体吸着材が劣化する。
[0139] 従って、隔壁を容器に押し付ける力は強いほうが望ましぐ閉空間内の気体圧力は 500hPa以下が望ましぐ更には 300hPa以下が望ましい。
[0140] 閉空間とは、球殻の内部のように一定の形状を有する物体を通過せずには他の空 間とつながることがない空間である。
[0141] 隔壁は、容器の開口部と大きさと形状が同一であり、隔壁と容器の開口部との間に 隙間が生じないようになつている力 容器の開口部に比較して隔壁が大きぐ隔壁が 開口部を完全に覆 、被さることにより閉空間を形成して 、る。
[0142] 気体に接触している物質表面には、気体の圧力が加わる。圧力は多方向から加わ るため、均一圧力の雰囲気に置かれている場合は、気体力 受ける力の総和はゼロ となり、物質に正味の力は働かない。
[0143] 一方、物質が接触している気体の圧力が均一でない場合は気体力 受ける力の総 和はゼロでなくなり、物質には正味の力が働く。例えば、板状物質の一方の面と他方 の面に接触する気体の圧力が異なる場合、板状物質には、高い圧力の面から低い 圧力の面方向への力が生じる。
[0144] 以上の物理的メカニズムにより、気体吸着デバイスにおいて、気体吸着材と外部空 間の不連続カゝら連続への切替えがなされる。以下、気体吸着デバイスを真空機器に 設置する際、気体吸着材と外部空間の不連続力 連続への切り替えの詳細を説明 する。
[0145] まず、気体吸着デバイスにおいて、閉空間内は、気体吸着材に対する非吸着性気 体で満たされており、この気体圧力は大気圧より小さい。
[0146] 従って、隔壁は、大気力も容器開口部に対して押し付ける力を受けているため、容 器内外の気体の通気を抑制して 、る。
[0147] 次に、気体吸着デバイスを設置した真空機器の内部を減圧し、気体吸着デバイス の閉空間内外の圧力が同一になると、隔壁が容器に対して押し付けられて 、る力が 働かなくなり、隔壁が容器力も離脱する。このようにして、気体吸着材と気体吸着デバ イスの外部空間が連続して、気体吸着材を機能させることができる。
[0148] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器と隔壁の ヽずれもが気体難透過性であ るものである。
[0149] ここでの気体難透過性とは、物質固有の性質である気体透過度が小さいため、当 該物質で作製した容器、隔壁の気体透過度が、 104[Cm3/m2' day' atm]以下とな るものであり、より望ましくは 103 [cmVm2 · day · atm]以下のものである。
[0150] 具体的には、銅、鉄、アルミニウム等の金属類、エチレン ビュルアルコール共重 合体、ポリアクリロニトリル、ナイロン 6、ナイロン 66、ナイロン 12、ポリブチレンテレフタ レート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレンーテトラフルォロエチレン共 重合体、ポリテトラフルォロエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアセテート、ポ リスチレン、 ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック類等がこれに相当す るが、これらに限定するものではない。
[0151] 容器、隔壁のいずれも気体難透過性であるため、気体吸着デバイスが、気体吸着 材が吸着する気体を含む雰囲気下にあっても、容器を通して気体吸着材が吸着する 気体の浸入が少ないため、気体吸着材の劣化を抑制することができる。
[0152] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器または隔壁の少なくともいずれか一方の 少なくとも一部が弾性体であるものである。 [0153] 弾性体とは、外部からの応力に略比例して変形し応力が働力なくなると応力が加わ つていない常態に戻るものであり、ゴム等がこれに相当する。
[0154] 容器または隔壁の少なくとも!/、ずれか一方の少なくとも一部が弾性体であるため、 圧力が加わらない状態では、容器の開口部と隔壁の形状が異なる場合であっても、 圧力が加わると変形して密閉性が向上する。
[0155] 従って、気体吸着デバイス力 気体吸着材が吸着する気体を含む雰囲気下にあつ ても、気体吸着デバイス外部の気体の浸入による気体吸着材の劣化を抑制すること ができる。
[0156] 金属、プラスチック等も僅かな歪では弾性変形をするため、広 、意味での弾性体と 考えられるが、応力に対する歪みの割合が大き 、材料がより望ま 、。
[0157] さらに、気体吸着デバイスは、真空機器に設置するまでは、取り扱いにおいて外力 を受けることになる。従って、容器は歪による変形が小さいことが望ましぐ隔壁が弾 性体であるほうがより望ましい。
[0158] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材が、気体透過性の包材で覆われ ているものである。
[0159] ここでの気体透過性とは、気体透過度が108 [«11371112' (1&^ &1;111]以上のものでぁ るが、 101G [cmVm2 · day · atm]以上のものが望ま Uヽ。
[0160] 包材とは、繊維を編み込んだり、バインダーで集積してフィルムまたはシートにした ものであり、マクロな観点からは連続体である力 ミクロな観点からは無数の貫通孔が 開いているものである。
[0161] さらに、包材を袋状に成形して、気体吸着材を内包してもよい。この際、袋の形態は 、ピロ一袋、ガゼット袋等を用いることができる力 これらに限定するものではない。ま た、包材は全ての辺が閉じられている必要は無ぐ開いた辺があっても良い。
[0162] 容器内外の気体が通気する速度は、気体吸着デバイスの製造条件、気体吸着デ バイスを真空機器に設置する際の減圧条件等により変化する。この速度が大きい場 合、気体吸着材が粉状であれば、急激な気体の流れにより、気体吸着材が飛散する 可能性がある。しかし、包材の貫通孔を気体吸着材の粒径より小さくすることで、気体 吸着材の飛散を抑制することができる。なお、包材に開いている辺がある場合は、開 いている辺を、容器の開口部と反対方向にすることが望ましい。
[0163] 一方、上に示したように、包材の気体透過度は非常に大きいので、気体が透過する 空間の連続性を妨げることが無ぐ気体吸着デバイスの吸着特性は劣化しない。
[0164] 気体透過性の包材としては、不織布、ガーゼ、金網等があるが、これらに限定する ものではなぐマクロな観点からは連続体であり、ミクロな観点からは貫通孔が多数開
Vヽて 、るものであれば良!、。
[0165] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器の開口部と気体吸着材との間に気体透 過性の仕切りを有するものである。
[0166] ここでの気体透過性とは気体透過度が 108 [cmVm2 · day · atm]以上のものであ るが、 101G [cmVm2 · day · atm]以上のものが望ま Uヽ。
[0167] 仕切りとは、マクロな観点からは空間を複数に分ける力 ミクロな観点からは空間的 につながっており、気体の透過性を有するものである。
[0168] 仕切りは、気体吸着材と容器の開口部の間に設置し、容器内壁と接するようにする
[0169] 容器から隔壁が分離する際の、容器内外の気体の通気速度は、気体吸着デバイス の製造条件、気体吸着デバイスを真空機器に設置する際の減圧条件により変化する 。気体の通気速度が大きい場合は、気体吸着デバイスの容器内部で急激な気流が 生じる。気体吸着材が粉状であれば、急激に流入した気体により飛散する可能性が ある。しかし、仕切りの貫通孔を気体吸着材の粒径より小さくすることで、気体吸着材 の飛散を抑制することができる。
[0170] 一方、上に示したように、仕切りの気体透過度は非常に大きいので、気体が透過す る空間の連続性を妨げることが無ぐ気体吸着デバイスの吸着特性は劣化しない。
[0171] 気体透過性の仕切りとしてはグラスウール、プラスチックの発泡体、不織布、金網等 があるが、これらに限定するものではなぐマクロな観点からは連続体であり、ミクロな 観点からは貫通孔が多数開 、て 、るものであれば良 、。
[0172] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器が気体難透過性の被覆材で覆われて!/ヽ るものである。
[0173] 被覆材の中を、気体吸着材に対して非吸着性気体で満たすことにより、容器の外 部空間は、気体吸着材に対して非吸着性気体で満たされる。従って、容器の内壁と 隔壁に僅かな隙間があり、これらで形成される閉空間と、容器の外部空間の気体が 通気しても、気体吸着材が劣化しない。従って、気体吸着デバイスを長時間大気中 に放置することができる。
[0174] ここでの気体難透過性の被覆材とは、気体透過度が 104[cm3Zm2 ' day' atm]以 下の被覆材であるが、 102 [cmVm2 · day · atm]以下のものがより望まし!/、。
[0175] 具体的にはエチレン ビュルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタ レート、ポリプロピレン等のプラスチックのフィルムあるいはシートを製袋したものであ る力 これらに限定するものではない。さらに、プラスチックフィルムに金属箔をラミネ ート、または、金属を蒸着してガスノリア性をより高めたものが望ましい。金属箔また は、蒸着に適用できる金属は、金、銅、アルミ等を用いることができるが、これらに限 定するものではない。なお、気体透過度は物質固有の値であるため、被覆材として上 記の条件を満たさない場合があるため、厚さを適性ィ匕して、被覆材として上記の条件 を満たすようにする。
[0176] 以下、これらの発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、 本実施の形態により発明が限定されるものではない。
[0177] (実施の形態 5)
図 10は本発明の実施の形態 5における大気圧下での気体吸着デバイス 201の断 面図である。図 11は本発明の実施の形態 5における気体吸着デバイス 201を適用し た真空断熱体 207の断面図である。図 12は本発明の実施の形態 5における減圧下 での気体吸着デバイス 201の断面図である。
[0178] 図 10に示すように、気体吸着デバイス 201は、開口部 202を有する容器 203と、開 口部 202を塞ぐゴム製の隔壁 204と、容器 203と隔壁 204に囲まれる閉空間内に Cu ZSM— 5型ゼオライトから成る気体吸着材 205と、気体吸着材 205に対して非吸着 性の非吸着性気体 206を有し、閉空間内部の気体圧力が大気圧より小さいものであ る。
[0179] 図 11に示すように、真空断熱体 7は、気体吸着デバイス 201と芯材 208とを外被材 209で覆 、、外被材 209の内部を減圧密封したものである。 [0180] 以上のように構成された気体吸着デバイス 201を真空断熱体 207に適用した場合 について、以下その動作、作用について説明する。
[0181] 図 10に示されているように、容器 203と隔壁 204で形成される閉空間に非吸着性 気体 206が封入されており、非吸着性気体 206の圧力は大気圧より小さくなつている 。大気圧が容器 203内部の圧力より大きいため、隔壁 204は大気圧と容器 203内部 の圧力差に相当する圧力で容器 203の開口部 202に押し付けられる。隔壁 204はゴ ム製であるため、開口部 202に押し付けられた際、変形して密着する。このようにして 、容器 203と隔壁 204とで閉空間を形成し、容器 203内部への空気の浸入が抑制さ れ、気体吸着デバイス 201保存時における気体吸着材 205の劣化が抑制される。
[0182] 一方、真空断熱体 207内部に設置の際は、気体吸着材 205が真空断熱体 207内 部の気体を吸着するために、気体吸着材 205は容器 203の外部空間と連続する必 要がある。これは以下に示す過程により実現される。
[0183] まず、気体吸着デバイス 201が大気圧下に置かれている場合は、容器 203内部の 圧力が大気圧より小さいため、隔壁 204は容器 203に外側力も押し付けられている。
[0184] 気体吸着デバイス 201を真空断熱体 207の外被材 209の内部に設置後、外被材 2 09内部の減圧を行うことにより、容器 203内部の圧力と容器 203外部の圧力差が小 さくなる。更に減圧を行うと、容器 203内部の圧力と容器 203外部の圧力差がなくなり 、隔壁 204が容器 203に押し付けられる力が働かなくなる。従って、隔壁 204は容器 203から離脱する。
[0185] 図 12に示されているように、容器 203と隔壁 204が分離することにより、開口部 202 を通して気体吸着デバイス 201の外部空間と気体吸着材 205がつながり、気体の吸 着が可能となる。
[0186] 以上の様に、容器 203と隔壁 204が分離するのは、容器 203内部の圧力と容器 20 3外部の圧力が同一になった時点である。従って、気体吸着デバイス 201作製時に、 容器 203内部に封入する非吸着性気体の圧力を制御することで、容器 203と隔壁 2 04が分離する圧力を任意に制御することが可能である。
[0187] 真空断熱体 207は、気体吸着デバイス 201と芯材 208を予め 3方をシールして製 袋した外被材 209に挿入し、真空チャンバ一内に設置して減圧後、外被材 209の未 シール部を熱溶着により封止して作製される。
[0188] (実施の形態 6)
図 13は本発明の実施の形態 6における気体吸着デバイス 201の断面図である。
[0189] 図 13に示されているように、気体吸着デバイス 201において、気体吸着材 205は 包材 210で覆われており、容器 203は被覆材 211に覆われている。図 13において、 包材 210は不織布であり、被覆材 211は、プラスチックラミネートフィルムを熱溶着し たものカゝらなり、低密度ポリエチレン、アルミ箔、ナイロンの順にラミネートされたフィル ムの低密度ポリエチレン同士を対向させ、 4辺を熱溶着して被覆材 211の内外の空 間を分離している。
[0190] 被覆材 211はアルミニウム箔を含むため、気体透過度が非常に小さぐ被覆材 211 内部に侵入する気体は極めて少なくなる。従って、気体吸着デバイス 201を長時間 大気中に放置しても気体吸着材 205の劣化は極めて小さぐ本来の吸着特性を得る ことができる。
[0191] さらに、容器 203内部が減圧されると、気体吸着材 205周囲の気体は包材 210を 通過して容器 203の内部に排出される。この排出速度が速い場合は、気体吸着材 2 05の飛散が懸念されるが、気体吸着材 205は包材 210内部で留まるため、飛散する ことがない。
[0192] この気体吸着デバイス 201を真空断熱体 207に適用すると、包材 210内部におい て気体吸着材 205が飛散せず、真空断熱体 207のリサイクルを容易にすることがで きる。
[0193] なお、本実施の形態における気体吸着デバイス 201の機能を発現させるためには
、使用の際に被覆材 211を破断させ取り除いて力も使用する。また、減圧下における 気体吸着デバイス 201の動作は実施の形態 5と同等である。
[0194] (実施の形態 7)
図 14は本発明の実施の形態 7における気体吸着デバイス 201の断面図である。
[0195] 図 14に示されているように、気体吸着デバイス 201において、気体吸着材 205と隔 壁 204の間には仕切り 212が設置されている。図 14において、仕切り 212はグラスゥ ールである。 [0196] 容器 203内部が減圧されると、気体吸着材 205周囲の気体は仕切り 212を通過し て容器 203の外部に排出される。この排出速度が速い場合は、気体吸着材 205の飛 散が懸念されるが、気体吸着材 205は仕切り 212の内部で留まるため、飛散すること がない。
[0197] この気体吸着デバイス 201を真空断熱体 207に適用すると、容器 203内部におい て気体吸着材 205が飛散せず、真空断熱体 207のリサイクルを容易にすることがで きる。
[0198] なお、減圧下における気体吸着デバイス 201の動作は実施の形態 5と同等である。
[0199] これらの実施の形態で示した気体吸着デバイス 201の具体的内容を、実施例 4〜6 として次に示す。
[0200] (実施例 4)
容器 203として、内容積が 10mlのガラス瓶を用いた。隔壁 204として円形のゴム板 を用いた。気体吸着材 205として、 CuZSM— 5型ゼオライトを用い、非吸着性ガスと して Arガスを用いた。ここで、ガラス瓶の開口部の直径は 10mmであり、ゴム板の直 径は 15mmである。容器 203の開口部 202の中心とゴム板の中心を合わせて、気体 吸着デバイス 201の作製を行った。 Arガスは 500hPaになるように充填した。このよう にして作製した気体吸着デバイス 201を、真空チャンバ一に設置して動作を確認し た。
[0201] 真空チャンバ一内部を減圧し、 500hPaに到達すると、容器 203から隔壁 204が離 脱した。このように、容器 203から隔壁 204が離脱する圧力は容器 203内部の圧力と 同一である。従って、容器 203内部の圧力を調整することにより、気体吸着材 205と 外部雰囲気が繋がる圧力を任意に制御可能である。
[0202] また、気体吸着材 205が大気保存されている際に、隔壁 204と容器 203が押し付け られている力を評価するために、大気圧下において、容器 203と隔壁 204の引張り 強度の測定を行った。ここで、引っ張る方向は、隔壁 204の面方向に垂直な方向ある
[0203] 容器 203と隔壁 204の引張り強度は 4. 08Nであった。この値は、開口部 202の面 積に、容器 203内外の圧力差をかけた値である。 [0204] (実施例 5)
容器 203内部の圧力が 300hPaである気体吸着デバイス 201の動作の確認を行つ た。真空チャンバ一内部に気体吸着デバイス 201を設置し、減圧を行った。この結果 、真空チャンバ一内部が 300hPaに到達すると、容器 203から隔壁 204が離脱した。
[0205] (実施例 6)
本実施例では、容器 203をナイロン一アルミ箔一ポリエチレンテレフタレートの順に ラミネートした被覆材 211で被った。気体吸着デバイス 201作製から 1ヶ月経過後に 気体吸着材 205の吸着特性を評価したところ、吸着能力の劣化は認められな力つた 。これは、被覆材 211で被ってあるため、容器 203に気体が浸入しないためである。
[0206] また、本発明の気体吸着デバイスは、一端に開口部を有する少なくとも一部が筒状 である容器と、その容器の筒状部内壁に接する隔壁とを有し、その容器とその隔壁と により囲まれる閉空間に気体吸着材とその気体吸着材に対して非吸着性の気体が 封入されたものである。
[0207] ここで、筒状とは、複数の個所での断面積、断面の形状がほぼ同一である形状であ り、例えば、円柱、三角柱、四角柱等がこれにあたる。なお、断面形状はこれらに限 定するものではなぐ菱形、平行四辺形、台形、五角形、楕円等の形状でもよい。
[0208] 気体吸着材に対して非吸着性の気体とは、気体吸着材が吸着不可能あるいは吸 着困難な気体であり、窒素 ·酸素のみを吸着できる気体吸着材に対しては、アルゴン ガス等の不活性気体等のことである。
[0209] 少なくとも一部が筒状である容器の筒状部の内壁に隔壁が接しており、容器と隔壁 で閉空間が形成されて!ヽる。
[0210] 閉空間とは、球殻の内部のように一定の形状を有する物体を通過せずには他の空 間とつながることがない空間である。
[0211] 隔壁は、容器の筒状部の内壁と、寸法や形状が同一であり、容器の筒状部の内壁 と隔壁の間には隙間が生じないように作製することが望ましい。しかし、工業的生産 において、容器の筒状部の内壁と、隔壁の寸法や形状を完全に同一にするには、困 難が伴う。従って、容器の筒状部の内壁より隔壁がやや大きぐこれらのいずれか一 方が変形することにより、容器の筒状部の内壁と隔壁が密着し、閉空間の密閉性が 確保されるようにするのが望まし 、。
[0212] この閉空間に気体吸着材に対して非吸着性の気体が封入されているため、気体吸 着デバイスが置かれている雰囲気の気体の混入が抑制される。従って、気体吸着材 は気体吸着デバイスが置かれている雰囲気の気体と接触することがないため、 1気圧 付近の大気下で気体吸着デバイスを真空機器に設置する作業を行っても気体吸着 材が劣化しない。一方、真空機器内部においては、気体吸着材は気体吸着デバイス が置かれている雰囲気と接触する必要があり、これは次に示すメカニズムにより実現 される。
[0213] 気体吸着デバイスを真空機器に設置後、真空機器内部が減圧されると、容器と隔 壁で形成された閉空間内部に存在する非吸着性気体が膨張する。膨張により生じた 圧力により隔壁が筒状部の開口部方向へ移動し、容器の筒状部と隔壁が分離して 気体吸着材と真空機器の内部空間がつながる。筒状容器と隔壁が分離する時点で は真空機器内部は減圧されており、気体吸着材は 1気圧付近の雰囲気に接触するこ となぐ真空機器内部の残存気体の吸着を行うことができる。
[0214] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器の筒状部と非筒状部が共に気体難透過 '性であるものである。
[0215] ここでの気体難透過性とは、物質固有の性質である気体透過度が小さいため、当 該物質で作製した容器の気体透過度が、 104 [cmVm2 · day · atm]以下となるもの であり、より望ましくは 103 [cmVm2 · day · atm]以下のものである。
[0216] 具体的には、銅、鉄、アルミニウム等の金属類、エチレン ビュルアルコール共重 合体、ポリアクリロニトリル、ナイロン 6、ナイロン 66、ナイロン 12、ポリブチレンテレフタ レート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレンーテトラフルォロエチレン共 重合体、ポリテトラフルォロエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアセテート、ポ リスチレン、 ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック類等がこれに相当す るが、これらに限るものではない。
[0217] 容器が筒状部、非筒状部ともに気体難透過性であるため、気体吸着デバイスが、 気体吸着材が吸着する気体を含む雰囲気下にあっても、容器を通して気体吸着材 が吸着する気体の浸入が少ないため、気体吸着材の劣化を抑制することができる。
[0218] また、本発明の気体吸着デバイスは、隔壁が気体難透過性であるものである。
[0219] ここでの気体難透過性とは、物質固有の性質である気体透過度が小さいため、当 該物質で作製した隔壁の気体透過度が、 104 [cmVm2 · day · atm]以下となるもの であり、より望ましくは 103 [cmVm2 · day · atm]以下のものである。
[0220] 具体的には、銅、鉄、アルミニウム等の金属類、エチレン ビュルアルコール共重 合体、ポリアクリロニトリル、ナイロン 6、ナイロン 66、ナイロン 12、ポリブチレンテレフタ レート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレンーテトラフルォロエチレン共 重合体、ポリテトラフルォロエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアセテート、ポ リスチレン、 ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック類等がこれに相当す るが、これらに限るものではない。
[0221] 隔壁が気体難透過性であるため、気体吸着デバイスが、気体吸着材が吸着する気 体を含む雰囲気下にあっても、隔壁を通して気体吸着材が吸着する気体の浸入が 少ないため、気体吸着材の劣化を抑制することができる。
[0222] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器の筒状部または隔壁の少なくともいずれ か一方の少なくとも一部が弾性体であるものである。
[0223] 弾性体とは、外部からの応力に略比例して変形し応力が働力なくなると応力が加わ つていない常態に戻るものであり、ゴム等がこれに相当する。
[0224] 容器の筒状部または隔壁の少なくともいずれか一方の少なくとも一部が弾性体であ るため、筒状部の内壁に、筒状部内壁の断面積より僅かに大きい隔壁を設けると、容 器の筒状部または、隔壁のいずれか一方が変形して容器の筒状部内壁と隔壁の隙 間が無くなり、優れた密閉性を得ることができる。
[0225] 従って、気体吸着デバイス力 気体吸着材が吸着する気体を含む雰囲気下にあつ ても気体吸着デバイス外部の気体の浸入による気体吸着材の劣化を抑制することが できる。
[0226] 金属、プラスチック等も僅かな歪では弾性変形をするため、広 、意味での弾性体と 考えられるが、応力に対する歪みの割合が大き 、材料がより望ま 、。 [0227] さらに、気体吸着デバイスは、真空機器に設置するまでは、取り扱いにおいて外力 を受けることになる。従って、容器は歪による変形が小さいことが望ましぐ隔壁が弾 性体であるほうがより望ましい。
[0228] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材が気体透過性の包材で覆われて いるものである。
[0229] ここでの気体透過性とは気体透過度が 108[cm3Zm2'dayatm]以上のものであ るが、 101C)[cm3Zm2 · day · atm]以上のものが望まし!/ヽ。
[0230] 包材とは、繊維を編み込んだり、バインダーで集積してフィルムまたはシートにした ものであり、マクロな観点からは連続体である力 ミクロな観点からは無数の貫通孔が 開いているものである。
[0231] さらに、包材を袋状に成形して、気体吸着材を内包してもよい。この際、袋の形態は 、ピロ一袋、ガゼット袋等を用いることができる力 これらに限定するものではない。ま た、包材は全ての辺が閉じられている必要は無ぐ開いた辺があっても良い。
[0232] 容器の筒状部力 隔壁が分離する圧力は、気体吸着デバイスの製造条件、気体吸 着デバイスを真空機器に設置する際の減圧条件等により変化する。この圧力が大き い場合は、気体吸着デバイスの外部空間と筒状容器との間で急激に気体が合流す る。気体吸着材が粉状であれば、急激に合流した気体により飛散する可能性がある 。しかし、包材の貫通孔を気体吸着材の粒径より小さくすることで、気体吸着材の飛 散を抑制することができる。なお、包材に開いている辺がある場合は、開いている辺 を、筒状容器の開口部と反対方向にすることが望ましい。
[0233] 一方、上に示したように、包材の気体透過度は非常に大きいので、気体が透過する 空間の連続性を妨げることが無ぐ気体吸着デバイスの吸着特性は劣化しない。
[0234] 気体透過性の包材としては、不織布、ガーゼ、金網等があるが、これらに限定する ものではなぐマクロな観点からは連続体であり、ミクロな観点からは貫通孔が多数開 Vヽて 、るものであれば良!、。
[0235] また、本発明の気体吸着デバイスは、隔壁と気体吸着材との間に気体透過性の仕 切りを、さら〖こ有するものである。
[0236] ここでの気体透過性とは気体透過度が 108[cm3Zm2'dayatm]以上のものであ るが、 101C)[cm3Zm2 · day · atm]以上のものが望まし!/ヽ。
[0237] 仕切りとは、マクロな観点からは空間を複数に分ける力 ミクロな観点からは空間的 につながっており、気体の透過性を有するものである。
[0238] 仕切りは、気体吸着材と筒状容器の開口部の間に設置し、筒状容器内壁と接する ようにする。
[0239] 容器の筒状部から隔壁が分離する際の雰囲気圧力は、気体吸着デバイスの製造 条件、気体吸着デバイスを真空機器に設置する際の減圧条件により変化する。この 圧力が大きい場合は、気体吸着デバイスの外部空間と筒状容器との間で急激に気 体が合流する。気体吸着材が粉状であれば、急激に合流した気体により飛散する可 能性がある。しかし、仕切りの貫通孔を気体吸着材の粒径より小さくすることで、気体 吸着材の飛散を抑制することができる。
[0240] 一方、上に示したように、仕切りの気体透過度は非常に大きいので、気体が透過す る空間の連続性を妨げることが無ぐ気体吸着デバイスの吸着特性は劣化しない。
[0241] 気体透過性の仕切りとしてはグラスウール、プラスチックの発泡体、不織布、金網等 があるが、これらに限定するものではなぐマクロな観点からは連続体であり、ミクロな 観点からは貫通孔が多数開 、て 、るものであれば良 、。
[0242] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器が気体難透過性の被覆材で覆われて!/ヽ るものである。
[0243] 被覆材の中を、気体吸着材に対して非吸着性気体で満たすことにより、容器の筒 状部の外部空間は、気体吸着材に対して非吸着性の気体で満たされる。従って、容 器の筒状部内壁と隔壁に僅かな隙間があり、これらで形成される閉空間と、容器筒状 部の外部空間の気体が交換しても、気体吸着材が劣化しない。従って、気体吸着デ バイスを長時間大気中に放置することができる。
[0244] ここでの気体難透過性の被覆材とは、気体透過度が 104[cm3/m2 ' day' atm]以 下の被覆材であるが、 102 [cmVm2 · day · atm]以下のものがより望まし!/、。
[0245] 具体的にはエチレン ビュルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタ レート、ポリプロピレン等のプラスチックのフィルムあるいはシートを製袋したものであ る力 これらに限定するものではない。さらに、プラスチックフィルムに金属箔をラミネ ート、または、金属を蒸着してガスノリア性をより高めたものが望ましい。金属箔また は、蒸着に適用できる金属は、金、銅、アルミ等を用いることができるが、これらに限 定するものではない。なお、気体透過度は物質固有の値であるため、被覆材として上 記の条件を満たさない場合がある。このような時には、厚さを適性ィ匕し、被覆材として 上記の条件を満たすようにする。
[0246] また、本発明の気体吸着デバイスは、容器の開口部を気体難透過性のフィルムで 封止したものである。
[0247] フィルムと隔壁の間を気体吸着材に対して非吸着性気体で満たすことにより、隔壁 の外部空間は気体吸着材に対して非吸着性気体で満たされる。従って、容器の筒状 部内壁と隔壁に僅かな隙間があり、これらで形成される閉空間と、隔壁とフィルムの 間の空間の気体が交換しても、気体吸着材が劣化しない。従って、気体吸着デバィ スを長時間大気中に放置することができる。
[0248] ここでの気体難透過性のフィルムとは、金属、プラスチック等を薄く成形したもので あり、気体透過度が 104[cm3Zm2' day' atm]以下の被覆材である力 102[cmV m2 · day · atm]以下のものがより望まし!/ヽ。
[0249] 具体的にはエチレン ビュルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタ レート、ポリプロピレン等のプラスチックである力 これらに限定するものではない。さら に、プラスチックフィルムに金属箔をラミネートまたは、金属を蒸着してガスバリア性を より高めたものが望ましい。金属箔または、蒸着に適用できる金属は、金、銅、アルミ 等を用いることができる力 これらに限定するものではない。なお、気体透過度は物 質固有の値であるため、封止材として上記の条件を満たさない場合がある。このよう な時には、厚さを適性ィ匕して、封止材として上記の条件を満たすようにする。
[0250] なお、容器の筒状部とフィルムの封止は超音波溶着、エポキシ榭脂による接着等が 可能であるが、封止部での気体の透過を抑制できるものであれば、これらに限定する ものではない。
[0251] さらに、容器開口部のみを覆うため、必要な気体難透過性フィルムが少量であり、コ ストを低減することができる。
[0252] 以下、これらの発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、 本実施の形態により発明が限定されるものではない。
[0253] (実施の形態 8)
図 15は本発明の実施の形態 8における大気圧下での気体吸着デバイス 301の断 面図である。図 16は本発明の実施の形態 8における気体吸着デバイス 301を適用し た真空断熱体 307の断面図である。図 17は本発明の実施の形態 8における減圧下 での気体吸着デバイス 301の断面図である。
[0254] 図 15に示すように、気体吸着デバイス 301は、一端に開口部 302を有する少なくと も一部が筒状である筒状容器 303と、筒状容器 303の筒状部内壁に接するゴム製の 隔壁 304とを有し、筒状容器 303と隔壁 304とにより囲まれる閉空間〖こ CuZSM - 5 型ゼオライトから成る気体吸着材 305と気体吸着材 305に対して非吸着性の非吸着 性気体 306が封入されて!、るものである。
[0255] 図 16に示すように、真空断熱体 307は、気体吸着デバイス 301と芯材 308とを外被 材 309で覆って外被材 309内部を減圧封止したものである。
[0256] 以上のように構成された気体吸着デバイス 301を真空断熱体 307に適用した場合 について、以下その動作、作用について説明する。
[0257] 図 15に示してあるように、筒状容器 303と隔壁 304で形成される閉空間に非吸着 性気体 306が封入されており、非吸着性気体 306の圧力と大気圧が釣り合う条件で 閉空間の容積が決まっている。また、隔壁 304はゴム製であるため、隔壁 304が容器 内壁の形状と同じ形状に変形し、筒状容器 303と隔壁 304の密閉性が確保されてい る。従って、大気圧下においても閉空間に気体が侵入せず、気体吸着材 305の劣化 が抑制されている。さらに、筒状容器 303と隔壁 304は相対位置が固定されておらず 、隔壁 304に筒状容器 303の長さ方向の力が加わった場合は、隔壁 304は筒状容 器 303の長さ方向に沿って移動する。
[0258] 筒状容器 303中の気体吸着材 305は、減圧下において、筒状容器 303外部の空 間に存在する気体を吸着するため、筒状容器 303外部の空間とつながる必要がある 。これは以下に示す過程により実現される。
[0259] まず、気体吸着デバイス 301が大気圧下に置かれている場合は、筒状容器 303と 隔壁 304で囲まれる閉空間内の非吸着性気体 306の圧力と大気の圧力が釣り合つ ている。気体吸着デバイス 301が置かれている雰囲気が減圧された場合、閉空間外 部の圧力より閉空間内部の非吸着性気体 306の圧力が大きくなり、隔壁 304の閉空 間側の面に加わる圧力と、隔壁 304の外部空間側の面に加わる圧力に差が生じる。 この圧力差によって、隔壁 304は筒状容器 303に沿って外部空間側、つまり開口部 302側へと移動し、閉空間の体積が大きくなる。閉空間内の物質量が一定の場合、 隔壁 304は閉空間内外の圧力が同じになるまで移動する。更に減圧すると、隔壁 30 4はさらに筒状容器 303の開口部 302方向へ移動し、筒状容器 303と隔壁 304が分 離する。
[0260] 図 17に示してあるように、筒状容器 303と隔壁 304が分離することにより、開口部 3 02を通して気体吸着デバイス 301の外部空間と気体吸着材 305がつながり、気体の 吸着が可能となる。
[0261] 真空断熱体 307は、気体吸着デバイス 301、芯材 308を予め 3方をシールして製 袋した外被材 309に挿入して真空チャンバ一内に設置し、減圧した後、外被材 309 の未シール部を熱溶着により封止して作製される。
[0262] 減圧下において、筒状容器 303と隔壁 304に囲まれた閉空間の体積は以下のよう に計算される。
[0263] ボイルーシャルルの法則により、閉空間内の気体の体積と圧力の積は一定である ため、
「大気圧下での閉空間の体積 X大気圧 =減圧下での閉空間の体積 X減圧下の圧 力」
となる。従って、減圧下での閉空間の体積は以下の通りとなる。
[0264] 「減圧下での閉空間の体積 =大気圧下での閉空間の体積 Z (減圧下での圧力 Z 大気圧)」
静的条件では、隔壁 304が開口部 302に達したときの圧力力 気体吸着材 305が 外部雰囲気とつながる圧力になる。従って次の関係が成り立つ。
[0265] 「筒状容器 303の体積 Z大気圧下での閉空間の体積 =大気圧 Z気体吸着材 305 が外部雰囲気とつながる圧力」
従って、 「気体吸着材 305が外部雰囲気とつながる圧力 =大気圧 X大気圧下での閉空間 の体積 Z筒状容器 303の体積」
となる。
[0266] この結果、次に示すことが判る。気体吸着材 305が外部雰囲気とつながる圧力は、 大気圧下での閉空間の体積と筒状容器 303の体積の比に比例する。これらの値は、 気体吸着デバイス 301を設計する際に制御可能であり、これらを適正化することによ り、気体吸着材 305が外部雰囲気とつながる圧力を制御することが可能となる。
[0267] (実施の形態 9)
図 18は本発明の実施の形態 9における気体吸着デバイス 301の断面図である。
[0268] 図 18に示されているように、気体吸着デバイス 301において、気体吸着材 305は 包材 310で覆われており、筒状容器 303は被覆材 311に覆われている。図 18にお いて、包材 310は不織布であり、被覆材 311は、プラスチックラミネートフィルムを熱 溶着したもの力もなり、低密度ポリエチレン、アルミ箔、ナイロンの順にラミネートされ たフィルムの低密度ポリエチレンどうしを対向させ、 4辺を熱溶着して被覆材 311の内 外の空間を分離している。
[0269] 被覆材 311はアルミニウム箔を含むため、気体透過度が非常に小さぐ被覆材 311 内部に侵入する気体は極めて少なくなる。従って、気体吸着デバイス 301を長時間 大気中に放置しても気体吸着材 305の劣化は極めて小さぐ本来の吸着特性を得る ことができる。
[0270] さらに、筒状容器 303の周囲が減圧されると、気体吸着材 305の周囲の気体は包 材 310を通過して筒状容器 303の外部に排出される。この排出速度が速い場合は、 気体吸着材 305の飛散が懸念される力 気体吸着材 305は包材 310内部で留まる ため、飛散することがない。
[0271] この気体吸着デバイス 301を真空断熱体 307に適用すると、包材 310の内部にお V、て気体吸着材 305が飛散せず、真空断熱体 307のリサイクルを容易にすることが できる。
[0272] なお、本実施の形態における気体吸着デバイス 301の機能を発現させるためには 、使用の際に被覆材 311を破断させ取り除いて力も使用する。また、減圧下における 気体吸着デバイス 301の動作は実施の形態 8と同等である。
[0273] (実施の形態 10)
図 19は本発明の実施の形態 10における気体吸着デバイス 301の断面図である。
[0274] 図 19に示されているように、気体吸着デバイス 301において、気体吸着材 305と隔 壁 304の間には仕切り 312が設置されており、開口部 302は封止 313により気体の 透過が抑制されている。仕切り 312はグラスウール力もなる。封止 313はプラスチック ラミネートフィルムであり、ナイロン、アルミ箔、ナイロンの順にラミネートしたものである 。封止 313は筒状容器 303にエポキシ榭脂により貼り付けられて、筒状容器 303内 外の空間を分離している。
[0275] 封止 313はアルミニウム箔を含むため、気体透過度が非常に小さぐ筒状容器 303 内部に侵入する気体は極めて少なくなる。従って、気体吸着デバイス 301を長時間 大気中に放置しても気体吸着材 305の劣化は極めて小さぐ本来の吸着特性を得る ことができる。
[0276] さらに、筒状容器 303の周囲が減圧されると、気体吸着材 305周囲の気体は仕切り 312を通過して筒状容器 303の外部に排出される。この排出速度が速い場合は、気 体吸着材 305の飛散が懸念される力 気体吸着材 305は仕切り 312より内部で留ま るため、飛散することがない。
[0277] この気体吸着デバイス 301を真空断熱体 307に適用すると、筒状容器 303内部に ぉ ヽて気体吸着材 305が飛散せず、真空断熱体 307のリサイクルを容易にすること ができる。
[0278] なお、本実施の形態における気体吸着デバイス 301の機能を発現させるためには
、使用の際に封止 313を取り除いて力も使用する。また、減圧下における気体吸着 デバイス 301の動作は実施の形態 8と同等である。
[0279] これらの実施の形態で示した気体吸着デバイス 301の具体的内容を、実施例 7〜9 として次に示す。
[0280] (実施例 7)
筒状容器の体積は 10mlであり、大気圧下での閉空間の体積は 1mlで作製した気 体吸着デバイス 301を、真空チャンバ一に設置して動作を確認した。真空チャンバ 一内部を、大気圧から lOOPaまで 3分間かけて減圧した。
[0281] 気体吸着材 305が外部雰囲気とつながる圧力は、静的に減圧した場合は 101. 3h Paであるが、減圧は有限な速度で行ったため、気体吸着材 305が外部雰囲気とつな 力 ¾圧力はこの値より小さく 300Paであった。
[0282] このように、有限な速度で減圧を行った場合、静的条件の理論値との乖離が生じる 力 この乖離は以下のメカニズムで生じる。筒状容器 303と隔壁 304は密着している ため、筒状容器 303の長さ方向に力が加わっても、隔壁 304は動き出すまでに時間 がかかる。従って、隔壁 304が筒状容器 303の開口部 302に達したときは既に 300h Pa到達から時間が経過した後であり、この間にも減圧ステップが続いているため、 30 OhPaより更に圧力が低下しているのである。ここで静的条件とは、圧力を極めてゆつ くりと変化させることにより、閉空間の体積と外部雰囲気圧力との関係が理論と一致 する条件である。
[0283] 以上のように有限の速度で減圧を行った場合、気体吸着材 305が外部空間と繋が る圧力は、静的条件の場合の理論値より低くなる。従って、気体吸着材 305の劣化を より少、なくすることができる。
[0284] (実施例 8)
筒状容器 303の体積は 10mlであり、大気圧下での閉空間の体積は lmlで作製し た気体吸着デバイス 301を、真空チャンバ一に設置して動作を確認した。真空チャン バー内部を、大気圧から lOOPaまで 60分間かけて減圧した。この場合、気体吸着材 305が外部雰囲気とつながる圧力は 100. lhPaで、ほぼ理論どおりであった。これ は、減圧速度が非常に小さぐ静的減圧ステップに準ずる条件が達成されたためで ある。
[0285] (実施例 9)
本実施例では、筒状容器 303をナイロン アルミ箔—ナイロンの順にラミネートした 被覆材 311で被った。気体吸着デバイス 301作製カゝら 1ヶ月経過後に、気体吸着材 305の吸着特性を評価したところ、吸着能力の劣化は認められな力つた。これは、被 覆材 311で被ってあるため、筒状容器 303に気体が浸入しないためである。
[0286] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材を覆う外郭と、外力の未付加時に はその外郭の内外を連通させず、所定の外力の付加時にその外郭の内外を連通さ せる連通部とを有する容器を備え、その容器に気体吸着材を内包したものである。外 力が付加された時に内空間と外空間が通気可能となり、気体吸着材は気体吸着能 力を発揮するが、外力が付加されない時には空気など外空間の気体とは接触しない ため、気体吸着材の劣化を抑制することができる。
[0287] このため、空気雰囲気での暴露による気体吸着性能の低下やバラツキが抑制され
、安定的に気体吸着性能を発揮できるものである。
[0288] また、気体吸着材は、容器外郭内において真空封入されていることが好ましい。あ るいは、微量のアルゴンやキセノンなど非吸着性ガスと共に減圧封入されて ヽても良 い。
[0289] 気体吸着材は、被吸着ガスに応じて選択することが可能であるが、真空断熱体に 適用する場合、空気成分を吸着可能な気体吸着材を選択する。たとえば、 Ba— Li合 金(SAES社製コンボゲッター)や、銅イオン交換した CuZSM— 5型ゼオライトから成 る空気成分吸着材などである。
[0290] 本発明における所定の外力とは、大気圧や、水圧などの圧力、磁力、人や装置に よる物理的な力など特に限定するものではな 、が、真空断熱体への適用にお ヽては 、断熱材を真空包装した後に、真空断熱体へ掛カる大気圧を利用することが簡易で ある。
[0291] また、容器は気体吸着材を劣化させないため、難気体透過性の材質を選択するこ とが望ましい。たとえば、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属容器や、気体透過 性の低いラミネートフィルム容器、アルミ箔をラミネートした榭脂容器、ガラス容器など である。
[0292] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材を内包した容器が 2つ以上の部 材力 なり、その部材の少なくとも 1つ以上の部材に任意の欠損部を設けて連通部を 形成し、外力により、その欠損部を通じて、その容器の内空間と外空間が通気可能と なるものである。容器は、外力が加えられることによってのみ内空間と外空間が通気 可能となるため、所定の外力を加えるまで大気中の空気との接触は起こらず、気体吸 着材の劣化はない。このため、空気雰囲気での暴露による気体吸着性能バラツキが 抑制され、安定的に気体吸着性能を発揮できるものである。
[0293] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材を内包した容器が 2つ以上の部 材からなり、一方の部材と、他方の部材のそれぞれに任意の欠損部を有し、外力によ り両者のその欠損部を合致させて内空間と外空間が通気可能となるものである。容 器は、外力が加えられることによってのみ内空間と外空間が通気可能となるため、所 定の外力を加えるまで大気中の空気との接触は起こらず、気体吸着材の劣化はない 。このため、空気雰囲気での暴露による気体吸着性能バラツキが抑制され、安定的 に気体吸着性能を発揮できるものである。
[0294] また、本発明の気体吸着デバイスは、部材が気体遮蔽性を有し、少なくとも 2っ以 上の部材の接合部分がグリース様のもので気体透過を遮蔽され、かつ、可動性を有 するものである。気体遮蔽性を有する部材と、部材の接合部がグリース様のもので気 体透過を遮蔽されていることで、空気の侵入をさらに抑制し、信頼性を向上すること ができる。また、グリース様のものを適用することにより、外力による可動性がより滑ら かになる。
[0295] また、本発明の気体吸着デバイスは、欠損部が貫通孔であるものである。外力が加 えられることにより、貫通孔を通じて、内空間と外空間が通気可能となり、速やかに気 体吸着性能を発揮できる。
[0296] また、本発明の気体吸着デバイスは、欠損部がスリットであるものである。外力が加 えられることにより、スリットを通じて、内空間と外空間が通気可能となり、速やかに気 体吸着性能を発揮できる。
[0297] また、本発明の気体吸着デバイスは、所定の外力が大気圧であるものである。気体 吸着材を内包した容器を備えた気体吸着デバイスを真空断熱体へ適用した場合、 真空断熱体を真空包装後、大気中へ取り出した際に、真空断熱体へかかる大気圧 が外力として作用し、内空間と外空間が通気可能となり、速やかに気体吸着性能を 発揮できる。よって、気体吸着材は大気と接触することがなぐ真空封止された真空 断熱体の内部空間とのみ連通となる。このため、大気との接触による劣化がなぐ経 時的に真空断熱体へ浸透してくる微量の窒素や酸素などの主要な空気成分を安定 的に吸着し、長期にわたって真空度を維持でき、優れた断熱性能を提供できる。 [0298] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着材が空気に含まれる成分の少なくと ¾ 、ずれか 1種を吸着可能であるものである。この気体吸着デバイスを真空断熱体へ 適用した場合、真空断熱体内部の残存空気を吸着し、真空度を上げることが可能と なる。また、外被材を通過して外部から侵入してくる空気成分をも吸着可能である。
[0299] また、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着デバイスと芯材とを外被材で覆って その外被材内部を減圧にしてなり、その気体吸着デバイスと芯材とが通気状態にあ るものである。
[0300] 本発明の真空断熱体は、気体吸着材を内包した容器を備えた気体吸着デバイスを 、芯材と共に外被材の内部に配設して減圧密封したのち、大気圧下に取り出すプロ セスを含み、その減圧密閉された真空断熱体は大気圧により、垂直方向の力を受け る。その垂直方向の力が外力として作用し、欠損部を通じて、その容器の内空間と外 空間が通気可能となり、気体吸着材が、真空断熱体内部の残存気体を直ちに吸着 する。
[0301] 気体吸着材は、外力が作用するまで、外空間とは隔離されているため、大気中の 空気との接触は製造プロセスでは起こらず、気体吸着性能の劣化はない。よって、真 空断熱体の製造時間の長鶴こかかわらず、問題なく使用可能である。このため、空 気雰囲気での暴露による吸着性能バラツキはなくなり、安定的に製造でき、長期信頼 性も問題のない真空断熱体が得られるのである。
[0302] また、真空断熱体を大気中に設置する際に真空断熱体にかかる大気圧を外力とす れば、簡易に気体吸着能力を発揮するスイッチング機能として利用できる。
[0303] 本発明における気体吸着材は、容器の中に減圧封入されていることが好ましぐま た、微量のアルゴンやキセノンなど非吸着性ガスと共に封入されていても良い。アル ゴンゃキセノンは、気体熱伝導率が小さいため、微量であれば、断熱性能に大きな 影響は与えない。
[0304] また、本発明における芯材としては、ポリスチレンやポリウレタンなどのポリマー材料 の連通気泡体や、無機材料の連通気泡体、無機および有機の粉末、無機および有 機の繊維材料などが利用できる。またそれらの混合物であっても良い。
[0305] また、本発明における外被材は、ガスノリア性を有するものが利用でき、金属容器 やガラス容器、榭脂と金属が積層されたガスバリア容器、さらには表面保護層、ガス ノリア層、および熱溶着層によって構成されるラミネートフィルムなど、気体侵入を阻 害可能な種々の材料および複合材料が利用できる。
[0306] 以下、これらの発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、 この実施の形態によって発明が限定されるものではない。
[0307] (実施の形態 11)
図 20は本発明の実施の形態 11における気体吸着デバイスを構成する、気体吸着 材 402を内包した容器 401の密封状態を示す斜視図である。図 21は同実施の形態 における気体吸着材 402を内包した容器 401の内外連通状態を示す斜視図である
[0308] 図 20と図 21に示すように、気体吸着材 402を内包した容器 401は、気体吸着材 40 2と、両端が開口した円筒管と一端が開口し他端が塞がれた有底円筒状容器とが垂 直に交差したような三方が開口した十字状の分岐管の形の部材 403と、側面の一部 が部材 403における両端が開口した円筒管部分の内面に接する略円柱状の部材 4 04と力らなる。
[0309] 部材 403は、有底円筒状容器の底側部分であり気体吸着材 402を内包する容器 部 405と、両端が開口した円筒管状であり内面が部材 404と接する管部分 406とから なる。部材 404は、貫通孔である欠損部 407を有するコック 408付きの円柱状のもの である。欠損部 407の貫通孔の両端を部材 403の管部分 406の内面で塞ぎ、部材 4 03の有底円筒状容器開口部分と気体吸着材 402を内包する容器部 405とを部材 4 04で遮断し、気体吸着材 402を内包する容器部 405を密封した状態と、欠損部 407 の貫通孔を通じて部材 403の有底円筒状容器開口部分と気体吸着材 402を内包す る容器部 405とを連通させた状態とを、コック 408を外力で回すことにより切り替えるこ とができる。また、部材 403の管部分 406の内面と部材 404の外面とが接する部分に は、真空グリースが塗布されている。
[0310] 図 20に示す状態では、外力が付加されていない状態であるため、欠損部 407の貫 通孔の両端が部材 403の内面で塞がれ、部材 403の有底円筒状容器開口部分と気 体吸着材 402を内包する容器部 405とが部材 404で遮断されている。従って、容器 4 01の内外 (容器部 405の内外)は連通しておらず、容器 401の (容器部 405の)内空 間は真空に保たれている。
[0311] 図 21に示すように、コック 408に外力が付加されると、部材 404の欠損部 407の貫 通孔が部材 403の有底円筒状容器の管方向と平行になり、欠損部 407を通じて、容 器 401の (容器部 405の)内空間と外空間が通気可能となる。これによつて、容器部 4 05に内包されている気体吸着材 402は外空間の気体を吸着可能となる。
[0312] 実施の形態 11における気体吸着材 402を内包した容器 401は、気体吸着材 402 を覆う外郭 (部材 403と部材 404)と、外力の未付加時には外郭の内外を連通させず 、所定の外力の付加時に外郭の内外を連通させる連通部 (欠損部 407)とを有するも のである。従って、外力の付加時に内空間と外空間が通気可能となり、気体吸着材 4 02は気体吸着能力を発揮するが、外力の未付加時には空気など外空間の気体とは 接触しな!、ため、気体吸着材 402の劣化を抑制する。
[0313] このため、空気雰囲気での暴露による気体吸着性能の低下やバラツキが抑制され 、安定的に気体吸着能を発揮できる。
[0314] また、気体吸着材 402は、容器 401内において真空封入されていることが好ましい 力 微量のアルゴンやキセノンなど非吸着性ガスと共に減圧封入されて 、ても良!、。
[0315] 気体吸着材 402は、被吸着ガスに応じて選択することが可能であり、真空断熱体に 適用する場合には、空気成分を吸着可能な吸着材を選択する。たとえば、 Ba— Li合 金(SAES社製コンボゲッター)や、銅イオン交換した CuZSM— 5型ゼオライトから成 る空気成分吸着材などである。
[0316] 所定の外力とは、大気圧や、水圧などの圧力、磁力、人や装置による物理的な力 など特に限定するものではないが、真空断熱体への適用においては、断熱材を真空 包装した後に、真空断熱体へ掛カる大気圧を利用することが簡易である。
[0317] また、容器 401は気体吸着材 402を劣化させな 、ため、難気体透過性の材質を選 択することが望ましい。たとえば、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属容器や、気 体透過性の低いラミネートフィルム容器、アルミ箔をラミネートした榭脂容器、ガラス容 器などである。
[0318] また、気体吸着材 402を内包した容器 401は、部材 403と部材 404が気体遮蔽性 を有し、部材 403と部材 404の接合部分が真空グリースで気体透過を遮蔽され、力 つ、可動性を有することを特徴とするものである。気体遮蔽性を有する部材 403と部 材 404の接合部がグリース様のもので気体透過を遮蔽されて ヽることで、空気の侵入 をさらに抑制し、信頼性を向上することができる。また、グリース様のものを適用するこ とにより、外力による可動性がより滑らかになる。
[0319] また、実施の形態 11における気体吸着材 402を内包した容器 401は、欠損部 407 が貫通孔であることを特徴とするものであり、外力が加えられることにより、この貫通孔 を通じて内空間と外空間が通気可能となり、速やかに気体吸着能を発揮できる。
[0320] (実施の形態 12)
図 22は本発明の実施の形態 12における気体吸着デバイスを構成する、気体吸着 材 402を内包した容器 409の密封状態を示す斜視図である。図 23は同実施の形態 における気体吸着材 402を内包した容器 409の内外連通状態を示す斜視図である
[0321] 図 22と図 23に示すように、気体吸着材 402を内包した容器 409は、気体吸着材 40 2と、一端が開口し他端が塞がれた有底円筒状容器の形の部材 410と、一端が開口 し他端が塞がれた有底円筒状容器の形で内面が部材 410の外面と接する形で部材 410の開口部を覆う部材 411と力もなる。
[0322] 部材 410は、有底円筒状容器の底側部分で気体吸着材 402を内包し、かつ部材 4 11により外面が覆われる部分に貫通孔カもなる欠損部 412を有する。また、部材 41 1は、部材 410の外面を覆う部分で所定位置に回動した時に部材 410の欠損部 412 と重なる位置に貫通孔カもなる欠損部 413を有する、コック 414付きの蓋部である。 部材 410と部材 411とが接する部分には、真空グリースが塗布されている。
[0323] 図 22に示す状態では、外力の未付カ卩時であるため、部材 410の欠損部 412が部 材 411の内面で塞がれ、容器 409の内外は連通しておらず、容器 409の内空間は 真空に保たれている。
[0324] 図 23に示すように、コック 414に外力が付加された後、部材 410の欠損部 412と部 材 411の欠損部 413が合致し、欠損部 412と欠損部 413を通じて容器 409の内空間 と外空間が通気可能となり、気体吸着材 402は外空間の気体を吸着可能となる。 [0325] 実施の形態 12における気体吸着材 402を内包した容器 409は、気体吸着材 402 を覆う外郭 (部材 410と部材 411)と、外力の未付加時には外郭の内外を連通させず 、所定の外力の付加時に外郭の内外を連通させる連通部 (欠損部 412と欠損部 413 )とを有するものである。気体吸着材 402は、外力の付加時に内空間と外空間が通気 可能となり、気体吸着能力を発揮する。一方、気体吸着材 402は、外力の未付加時 には空気など外空間の気体とは接触しないため、気体吸着能力の劣化を抑制する。
[0326] このため、空気雰囲気での暴露による気体吸着性能の低下やバラツキが抑制され 、安定的に気体吸着性能を発揮できる。
[0327] また、気体吸着材 402は、容器 409内において真空封入されていることが好ましい 力 微量のアルゴンやキセノンなど非吸着性ガスと共に減圧封入されて 、ても良!、。
[0328] 気体吸着材 402は、被吸着ガスに応じて選択することが可能であるが、真空断熱体 に適用する場合、空気成分を吸着可能な吸着材を選択する。たとえば、 Ba— Li合金 (SAES社製コンボゲッター)や、銅イオン交換した CuZSM— 5型ゼオライトから成る 空気成分吸着材などである。
[0329] 所定の外力とは、大気圧や、水圧などの圧力、磁力、人や装置による物理的な力 など特に限定するものではないが、真空断熱体への適用においては、断熱材を真空 包装した後に、真空断熱体へ掛カる大気圧を利用することが簡易である。
[0330] また、容器 409は気体吸着材 402を劣化させな 、ため、難気体透過性の材質を選 択することが望ましい。たとえば、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属容器や、気 体透過性の低いラミネートフィルム容器、アルミ箔をラミネートした榭脂容器、ガラス容 器などである。
[0331] また、実施の形態 12における気体吸着材 402を内包した容器 409は、部材 410と 部材 411が気体遮蔽性を有し、部材 410と部材 411の接合部分が真空グリースで気 体透過を遮蔽され、かつ、可動性を有することを特徴とするものである。気体遮蔽性 を有する部材 410と部材 411の接合部がグリース様のもので気体透過を遮蔽されて いることで、空気の侵入をさらに抑制し、信頼性を向上することができる。また、ダリー ス様のものを適用することにより、外力による可動性がより滑らかになる。
[0332] また、実施の形態 12における気体吸着材 402を内包した容器 409は、欠損部 412 と欠損部 413が、貫通孔であることを特徴とするものであり、外力が加えられることに より、この貫通孔を通じて内空間と外空間が通気可能となり、速やかに気体吸着性能 を発揮できる。
[0333] (実施の形態 13)
図 24は本発明の実施の形態 13における気体吸着デバイスを構成する、気体吸着 材 402を内包した容器 415の密封状態を示す斜視図である。図 25は同実施の形態 における気体吸着材 402を内包した容器 415の内外連通状態を示す斜視図である
[0334] 図 24と図 25に示すように、気体吸着材 402を内包した容器 415は、気体吸着材 40 2と、一端が開口し他端が塞がれた有底円筒状容器の形の部材 416と、一端が開口 し他端が塞がれた有底円筒状容器の形で内面が部材 416の外面と接する形で部材 416の開口部を覆う部材 417と力 なる。
[0335] 部材 416は、有底円筒状容器の底側部分で気体吸着材 402を内包し、かつ外面 には、部材 416の開口部に達せず部材 417で覆われる部分カゝら部材 417で覆われ ない部分まで有底円筒状容器の管方向のスリット状 (部材 16の内外面を貫通しない 溝状)の欠損部 418を有する。また、部材 417は、その内面に部材 417の開口部に 達せず部材 416の外面を覆う部分カゝら部材 416の外面を覆わない部分まで有底円 筒状容器の管方向のスリット状 (部材 417の内外面を貫通しない溝状)の欠損部 419 を有する、コック 420付きの蓋部である。部材 416と部材 417とが接する部分には、真 空グリースが塗布されて 、る。
[0336] なお、部材 417を所定位置に回動した時に、欠損部 418における部材 416の開口 部側部分と欠損部 419における部材 417の開口部側部分とが対向して、容器 415の 内外が連通する。また、部材 417をそれ以外の位置に回動した時は、欠損部 418に おける部材 416の開口部側部分と欠損部 419における部材 417の開口部側部分と が対向せず、容器 415の内外が連通しない。
[0337] 図 24に示す状態は、外力の未付カ卩時であるため、部材 416の欠損部 418の位置 が部材 417の欠損部 419の位置に対して部材 417の回動方向にズレており、容器 4 15の内外は連通しておらず、容器 415の内空間は真空に保たれて 、る。 [0338] 図 25に示すように、コック 20に外力が付加された後、欠損部 418における部材 41 6の開口部側部分と欠損部 419における部材 417の開口部側部分とが重なる。そし て、部材 417の欠損部 419と部材 416の外面との間にできる隙間と、部材 416の欠 損部 418と部材 417の内面との間にできる隙間を通じて、容器 415の内空間と外空 間が通気可能となる。これによつて、気体吸着材 402は容器 415の外空間の気体を 吸着可能となる。
[0339] 実施の形態 13における気体吸着材 402を内包した容器 415は、気体吸着材 402 を覆う外郭 (部材 416と部材 417)と、外力の未付加時には外郭の内外を連通させず 、所定の外力の付加時に外郭の内外を連通させる連通部 (欠損部 418と欠損部 419 )とを有するものである。気体吸着材 402は、外力の付加時に内空間と外空間が通気 可能となり、気体吸着能力を発揮するが、外力の未付加時には空気など外空間の気 体とは接触しな 、ため、気体吸着材 402の劣化を抑制する。
[0340] このため、空気雰囲気での暴露による気体吸着性能の低下やバラツキが抑制され 、安定的に気体吸着性能を発揮できる。
[0341] また、気体吸着材 402は、容器 415内において真空封入されていることが好ましい 力 微量のアルゴンやキセノンなど非吸着性ガスと共に減圧封入されて 、ても良!、。
[0342] 気体吸着材 402は、被吸着ガスに応じて選択することが可能であるが、真空断熱体 に適用する場合、空気成分を吸着可能な吸着材を選択する。たとえば、 Ba— Li合金 (SAES社製コンボゲッター)や、銅イオン交換した CuZSM— 5型ゼオライトから成る 空気成分吸着材などである。
[0343] 所定の外力とは、大気圧や、水圧などの圧力、磁力、人や装置による物理的な力 など特に限定するものではないが、真空断熱体への適用においては、断熱材を真空 包装した後に、真空断熱体へ掛カる大気圧を利用することが簡易である。
[0344] また、容器 415は気体吸着材 402を劣化させな ヽため、難気体透過性の材質を選 択することが望ましい。たとえば、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属容器や、気 体透過性の低いラミネートフィルム容器、アルミ箔をラミネートした榭脂容器、ガラス容 器などである。
[0345] また、実施の形態 13における気体吸着材を内包した容器 415は、部材 416と部材 417が気体遮蔽性を有し、部材 416と部材 417の接合部分が真空ダリースで気体透 過を遮蔽され、かつ、可動性を有することを特徴とするものである。気体遮蔽性を有 する部材 416と部材 417の接合部がグリース様のもので気体透過を遮蔽されている ことで、空気の侵入をさらに抑制し、信頼性を向上することができる。また、グリース様 のものを適用することにより、外力による可動性がより滑らかになる。
[0346] また、実施の形態 13における気体吸着材 402を内包した容器 415は、欠損部 418 と欠損部 419が、スリットであることを特徴とするものである。外力が加えられることによ り、このスリットを通じて内空間と外空間が通気可能となり、速やかに気体吸着性能を 発揮できる。
[0347] (実施の形態 14)
図 26は本発明の実施の形態 14における真空断熱体 421の真空包装前の概略断 面図である。図 27は同実施の形態における真空包装後の大気中における真空断熱 体 421の概略断面図である。
[0348] 実施の形態 14における真空断熱体 421は、気体吸着材 402を内包した容器 (実施 の形態 11から実施の形態 13のいずれかにおける気体吸着材 402を内包した容器) を備えた気体吸着デバイス (実施の形態 11から実施の形態 13のいずれかにおける 気体吸着デバイス) 422と芯材 423とを気体難透過性のラミネートフィルムカゝらなる外 被材 424で覆って、外被材 424内部を減圧にしたものである。
[0349] 気体吸着デバイス 422を構成する気体吸着材 402を内包した容器は、銅イオン交 換した CuZSM— 5型ゼオライトから成る空気成分吸着材 (気体吸着材 402)を内包 しており、この容器内空間はわずかなアルゴンガスにより減圧に保たれている。外力 の未負荷時であるため、容器の内外は連通して 、な 、。
[0350] 図 26に示す状態の真空断熱体 421は、真空包装機を使用し、減圧チャンバ一内 において真空ポンプにより所定の真空排気が行なわれた後、開口部 425の熱溶着 が行なわれて、大気中に取り出される。
[0351] 図 27に示すように、真空包装後の大気中における真空断熱体 421は、気体吸着 材を内包した容器のコック 426に対して大気圧が外力として作用し、欠損部を通じて 容器の内空間と外空間と連通となるため外空間と通気可能となり、芯材 423を含む真 空断熱体 421の内部と真空空間でつながつている。
[0352] これによつて、芯材 423に残る残留微量空気や外部力も浸透してくる微量空気は芯 材 423と真空空間でつながって 、る空気成分吸着材 (気体吸着材 402)で吸着固定 化でき、内部圧力を所定以下の真空度に維持できるのである。
[0353] 経時特性を評価するために、促進テストとして 80°Cで 3ヶ月間、空気中に真空断熱 体 421を静置しても、熱伝導率の変化は 1〜2%であり、問題なく性能維持が図れる ことが明ら力となった。
[0354] また、本実施の形態では、真空断熱体 421を真空包装後、大気中へ取り出した際 に、真空断熱体 421にかかる大気圧が外力として作用し、容器の内空間と外空間が 通気可能となり、速やかに気体吸着性能を発揮できる。よって、気体吸着材 402は大 気と接触することがなぐ真空封止された真空断熱体 421の内部空間とのみ連通とな るため、大気との接触による劣化がなぐ経時的に真空断熱体 421へ浸透してくる微 量の窒素や酸素などの主要な空気成分を安定的に吸着し、長期にわたって真空度 を維持でき、優れた断熱性能を提供できる。
[0355] また、本実施の形態では、気体吸着材 402が、空気に含まれる成分の少なくともい ずれ力 1種を吸着可能であることを特徴とするものであり、真空断熱体 421へ適用し た場合、真空断熱体 421内部の残存空気を吸着し、真空度を上げることが可能とな る。また、外被材 424を通過して外部から侵入してくる空気成分をも吸着可能である
[0356] また、本実施の形態の真空断熱体 421は、実施の形態 11から実施の形態 13と同 一構成の気体吸着材 402を内包した容器を備えた気体吸着デバイス 422と、芯材 4 23とを外被材 424で覆って、外被材 424内部を減圧にしてなり、気体吸着材 402と 芯材 423とが通気状態にあることを特徴とするものである。
[0357] この真空断熱体 421は、気体吸着材 402を内包した容器を備えた気体吸着デバィ ス 422を、芯材 423と共に外被材 424の内部に配設して減圧密封したのち、大気圧 下に取り出すプロセスを含み、減圧密閉された真空断熱体 421は大気圧により、垂 直方向の力を受ける。その垂直方向の力が外力として作用し、欠損部を通じて、容 器の内空間と外空間が通気可能となり、気体吸着材 402が、真空断熱体 421内部の 残存ガスを直ちに吸着するものである。
[0358] 気体吸着材 402は、外力が作用するまで、外空間とは隔離されているため、大気中 の空気との接触は製造プロセスでは起こらず、気体吸着材 402の性能劣化はな 、。 よって、真空断熱体 421の製造時間の長鶴こかかわらず、問題なく使用可能である 。このため、空気雰囲気での暴露による吸着性能バラツキはなくなり、安定的に製造 でき、長期信頼性も問題のない真空断熱体 421が得られるのである。
[0359] また、真空断熱体 421を大気中に設置する際に真空断熱体 421にかかる大気圧を 外力とすれば、簡易に気体吸着能力を発揮するスイッチング機能として利用できる。
[0360] 気体吸着材 402は、容器の中に減圧封入されていることが好ましぐまた、微量の アルゴンやキセノンなど非吸着性ガスと共に封入されて ヽても良 ヽ。アルゴンゃキセ ノンは、気体熱伝導率が小さいため、微量であれば、断熱性能に大きな影響は与え ない。
[0361] 芯材 423としては、ポリスチレンやポリウレタンなどのポリマー材料の連通気泡体や 、無機材料の連通気泡体、無機および有機の粉末、無機および有機の繊維材料な どが利用できる。またそれらの混合物であっても良 、。
[0362] 外被材 424は、ガスノリア性を有するものが利用でき、金属容器やガラス容器、榭 脂と金属の積層されたガスバリア容器、さらには表面保護層、ガスノリア層、および熱 溶着層によって構成されるラミネートフィルムなど、気体侵入を阻害可能な種々の材 料および複合材料が利用できる。
[0363] また、本発明の真空断熱体の製造方法は、非吸着性ガスと共に吸着材充填体の中 にガス包装した空気成分吸着材を多孔質芯材と共に外被容器の内部に配設して減 圧し、その減圧により圧力差で膨らんだその吸着材充填体の一部を破裂させて形成 した開口部を通じてその吸着材充填体の中の非吸着性ガスを真空排気した後、その 外被容器を密閉封止するものである。空気成分吸着材は、非吸着性ガスとガス包装 されており、かつ真空雰囲気下で破裂させて多孔質芯材と真空包装するため、大気 中の空気との接触は製造プロセスでは起こらず、空気成分吸着材の劣化はな 、。
[0364] よって、真空断熱体の製造時間の長短にかかわらず、問題なく使用可能である。空 気雰囲気での暴露による吸着性能バラツキはなくなるので、安定的に製造でき、長 期信頼性も問題のない真空断熱体が得られるのである。
[0365] また、本発明の真空断熱体は、少なくとも、開口部を有する吸着材充填体の中に配 設された空気成分吸着材と、多孔質芯材と、これらを収納する外被容器とを備えた気 体吸着デバイスを有し、その空気成分吸着材はその開口部を通じて真空断熱体内 部と真空空間でつながつていることを特徴とするものである。これによつて、多孔質芯 材に残る残留微量空気や外部力 浸透してくる微量空気は多孔質芯材と真空空間 でつながっている空気成分吸着材で吸着固定化でき、内部圧力を所定以下の真空 度に維持できるのである。これにより、長期にわたって優れた断熱性を維持すること が可能となるのである。
[0366] 以下、これらの発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、 この実施の形態によって発明が限定されるものではない。
[0367] (実施の形態 15)
図 28は、本発明の実施の形態 15の真空断熱体の製造方法における、真空排気前 の真空包装機内部を示す断面図であり、図 29は真空排気中の断面図、図 30は真 空排気が終了直前時点での断面図、図 31は真空包装後の真空断熱体の断面図で ある。
[0368] 図 28に示すように、ラミネートフィルム力もなる外被容器 501は、多孔質芯材 502を 内包し覆っている。
[0369] 空気成分吸着材 503は、 Ba— Li合金(SAES社製コンボゲッター)や、銅イオン交 換した CuZSM— 5型ゼオライトから成り、少なくとも窒素を吸着する。
[0370] 空気成分吸着材 503は、 13. 5NZl5mm幅のヒートシール強度を有するトーセロ
(株)製のイージーオープンフィルムからなる吸着材充填体 4に、アルゴンガスなどの 非吸着性ガス 505と共にガス充填包装して ヽる。充填されて!ヽる非吸着性ガス 505 の圧力は常圧の 1気圧である。
[0371] 真空包装機 506の主要部は、減圧チャンバ一 507と、真空ポンプ 508と、所定の真 空排気が行なわれた後に熱溶着を行なうヒートシール機 509から成っている。
[0372] 図 29において、真空包装機 506が稼動し、減圧チャンバ一 507内が 500Paまで真 空引きされると、吸着材充填体 504は、内包されている 1気圧の非吸着ガス 505との 圧力差により、風船状に大きく破裂するまで膨らむ。
[0373] 図 30において、吸着材充填体 504は、 13. 5NZl5mm幅のヒートシール強度を 有するトーセロ (株)製のイージーオープンフィルムからなるため、熱溶着層で容易に 破裂して開口部 510を形成し、非吸着性ガス 509は開口部 510を通して、減圧チヤ ンバー 507内に排気される。その後、減圧チャンバ一 507内の真空度が所定の 10P aになった時点で、ヒートシール機 509で外被容器 501を熱溶着し、図 31の真空断 熱体 511を得る。
[0374] 以上のように、本実施の形態による真空断熱体 511の製造方法では、空気成分吸 着材 503は、真空雰囲気下で破裂させて真空包装するため、空気との接触は製造 プロセスでは極めて微量であり、製造時間が長くかかっても劣化はなぐ問題なく使 用可能である。空気雰囲気で暴露させる時間による吸着性能バラツキはなくなるので 、安定的に製造でき、長期信頼性も問題がないという効果が得られるのである。
[0375] この結果、長期にわたっての高断熱性能を活力して省エネルギーを実現し、地球 環境保護に寄与することができる。
[0376] (実施の形態 16)
次に、本発明の実施の形態 16の真空断熱体について説明するが、実施の形態 15 と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
[0377] 図 31において、真空断熱体 511は、外被容器 501と多孔質芯材 502と空気成分 吸着材 503からなり、空気成分吸着材 503は、吸着材充填体 504の開口部 510を通 じて、多孔質芯材 502を含む真空断熱体 511の内部と真空空間でつながつている。
[0378] これによつて、多孔質芯材 502に残る残留微量空気や外部力も浸透してくる微量 空気は多孔質芯材 502と真空空間でつながつている空気成分吸着材 503で吸着固 定化でき、内部圧力を所定以下の真空度に維持できるのである。
[0379] 経時特性を評価するために、促進テストとして 80°Cで 3ヶ月間、空気中に真空断熱 体 511を静置しても、熱伝導率の変化は 1〜2%であり、問題なく性能維持が図れる ことが明ら力となった。
[0380] 以上のように、本実施の形態では、優れた真空断熱体の性能をばらつきなく安定的 に長期にわたつて実現することが可能である。 [0381] また、本発明の真空断熱体の製造方法は、充填容器外の圧力が充填容器内の圧 力に比較して所定値以上小さくなると開口する充填容器に空気成分吸着材とその空 気成分吸着材に吸着されな ヽ非吸着性ガスとを封入し、その充填容器を多孔質芯 材と共に外被容器の内部に配設して、その充填容器外の圧力がその充填容器内の 圧力に比較して所定値以上小さくなるようにその外被容器内を減圧することにより、 その外被容器内の空気と共に、その充填容器にできた開口部を通じて、その充填容 器の中のその非吸着性ガスを排気した後、その外被容器を密閉封止するものである 。空気成分吸着材は、充填容器の中に非吸着性ガスと共に封入されており、かつ真 空雰囲気下で充填容器が開口して多孔質芯材とともに真空包装するため、大気中の 空気との接触は製造プロセスでは起こらず、空気成分吸着材の劣化はない。よって、 真空断熱体の製造時間の長鶴こかかわらず、問題なく使用可能である。空気雰囲気 での暴露による吸着性能バラツキはなくなるので、安定的に製造でき、長期信頼性の 問題のな!、真空断熱体が得られるのである。
[0382] また、本発明の真空断熱体の製造方法は、充填容器が、一方の容器の開口部を他 方の容器の開口部で塞ぐようにその開口部の大きさが異なる 2つの容器の開口部を 重ね合わせて接合した構成であり、その充填容器外の圧力がその充填容器内の圧 力に比較して所定値以上小さくなると、重ね合わせて接合した部分が外れるものであ る。このような充填容器としては、医薬品や健康食品に用いられるカプセルが利用で きる。
[0383] また、本発明の真空断熱体の製造方法は、充填容器が、重ね合わせて接合した部 分に潤滑剤があら力じめ塗布されてなるものである。これによつて、減圧による圧力差 によって変形が円滑に起こり、開口部を容易に形成することができる。
[0384] また、本発明の真空断熱体は、少なくとも、接合部が外れて開口部を形成する充填 容器の中に配設された空気成分吸着材と、多孔質芯材と、これらを収納する外被容 器とを備え、その空気成分吸着材はその開口部を通じてその外被容器内部と連続空 間でつながつていることを特徴とする。これによつて、多孔質芯材に残る残留微量空 気や外部から浸透してくる微量空気は、多孔質芯材と連続空間でつながって 、る空 気成分吸着材で吸着固定ィ匕でき、内部圧力を所定以下の真空度に維持できるので ある。これにより、長期にわたって優れた断熱性を維持することが可能となる。
[0385] 以下、これらの発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、 この実施の形態によって発明が限定されるものではない。
[0386] (実施の形態 17)
図 32は、本発明の実施の形態 17の真空断熱体の製造方法における真空排気前 の状態を示す断面図であり、図 33は、同実施の形態における真空断熱体に用いる 充填容器を示す拡大断面図である。図 34は、同実施の形態における真空断熱体の 製造方法における真空排気が終了直前時点での状態を示す断面図であり、図 35は 、同実施の形態における真空断熱体の製造方法における真空包装後の真空断熱体 の断面図である。
[0387] 図 32において、ラミネートフィルム力もなる外被容器 601は、多孔質芯材 602を内 包し覆っている。空気成分吸着材 603は、 Ba— Li合金(SAES社製コンボゲッター) や銅イオン交換した CuZSM— 5型ゼオライトから成る少なくとも窒素を吸着する吸着 材であり、汎用の医薬品用のカプセル力もなる充填容器 604にアルゴンガスなどの 空気成分吸着材 603に吸着されない非吸着性ガス 605と共に封入している。充填さ れている非吸着性ガス 605の圧力は常圧の 1気圧である。
[0388] 図 33の拡大図で示すように、医薬品用のカプセル力もなる充填容器 604は、ガス 透過性がないか、もしくは極めてガス透過性が小さいものであり、ボディ(一方の有底 円筒状の容器) 606とキャップ (他方の有底円筒状の容器) 607からなる。そして、ボ ディ 606の開口部をキャップ 607の開口部で塞ぐように、開口部の大きさが異なる 2 つの容器(ボディ 606とキャップ 607)の開口部を接合し、ボディ 606の開口部をキヤ ップ 607の開口部の中に押し込んで開口部を重ね合わせ、接合部 608で密着させ て、充填容器 604を形成している。
[0389] 接合部 608には、真空用オイルなどの潤滑剤 609が塗布されて 、る。充填容器 60 4外の圧力が充填容器 604内の圧力に比較して所定値以上小さくなると、重ね合わ せて接合した部分が外れて開口するように構成してある。
[0390] 図 32において、真空包装機 610の主要部は、減圧チャンバ一 611と、真空ポンプ 612と、所定の真空排気が行なわれた後に熱溶着を行なうヒートシール機 613から成 つている。
[0391] 図 34において、真空包装機 610が稼動し、減圧チャンバ一 611内が 500Paまで真 空引きされると、カプセル力 なる充填容器 604は、内包されている 1気圧の非吸着 ガス 605との圧力差により、ボディ 606とキャップ 607が外れて開口部 614を形成す る。そして、充填容器 604内の非吸着性ガス 605は、開口部 614を通して減圧チャン バー 611内に排気される。
[0392] その後、減圧チャンバ一 611内の真空度が所定の lOPaになった時点で、ヒートシ ール機 613で外被容器 601を熱溶着し、図 35の真空断熱体 615を得る。
[0393] 以上のように、本実施の形態による真空断熱体の製造方法では、空気成分吸着材 603は、真空雰囲気下で充填容器 604のボディ 606とキャップ 607が外れるため、空 気との接触は製造プロセスでは極めて微量であり、製造時間が長くかかっても劣化は なぐ問題なく使用可能である。空気雰囲気で暴露させる時間による吸着性能バラッ キはなくなるので、安定的に製造でき、長期信頼性も問題がないという効果が得られ る。
[0394] この結果、長期にわたっての高断熱性能を活力して省エネルギーを実現し、地球 環境保護に寄与することができる。
[0395] また、充填容器 604の接合部 608には、真空用オイルなどの潤滑剤 609があらかじ め塗布されているため、図 34で示すように真空引きされると、圧力差の力により、接 合部 608で容易に滑り外れて開口部 614を形成する。
[0396] 以上のように、充填容器 604のボディ 606とキャップ 607が潤滑剤 609によって、よ り確実に外れるため、空気吸着材 603が開口部 614を通して真空断熱体 615の内部 の微量空気を効果的に吸着除去できる。
[0397] 図 35において、真空断熱体 615は、外被容器 601と多孔質芯材 602と空気成分 吸着材 603からなり、空気成分吸着材 603は、カプセル力もなる充填容器 604の開 口部 614を通じて、多孔質芯材 602を含む外被容器 601の内部と真空の連続空間 でつながっている。
[0398] これによつて、多孔質芯材 602に残る残留微量空気や外部力も浸透してくる微量 空気は多孔質芯材 602と連続空間でつながつている空気成分吸着材 603で吸着固 定化でき、内部圧力を所定以下の真空度に維持できる。経時特性を評価するために
、促進テストとして 80°Cで 3ヶ月間、空気中に真空断熱体 615を静置しても、熱伝導 率の変化は 1〜2%であり、問題なく性能維持が図れることが明らかとなった。
[0399] 以上のように、本実施の形態では、優れた真空断熱体の性能を、ばらつきなく安定 的に長期にわたって実現することが可能である。
産業上の利用可能性
[0400] 本発明の気体吸着デバイスは、真空機器に適用する際、大気による気体吸着材の 劣化が起こらず、真空機器に適用後、本来の性能を発揮でき、真空機器の真空度を 高度に維持することができる。
[0401] また、本発明の真空断熱体は、高い断熱性能を安定的に実現し、長期信頼性を確 保することが可能で、例えば冷蔵庫、保温保冷容器、自動販売機、電気湯沸かし器 、自動車、鉄道車両、及び住宅等の断熱体として広く適用することができ、省エネル ギ一と地球温暖化などの環境問題解決に著しい効果を発揮することができる。
[0402] 従って、本発明の産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims

請求の範囲
[I] 少なくとも、気体吸着材を内包した密閉性を有する容器と、前記容器と隣接する突起 物とを備え、外力が加わることで、前記突起物により前記容器に貫通孔が生じ、前記 気体吸着材が外部と連通する気体吸着デバイス。
[2] 前記容器が、ガスノリア性を有するフィルムまたはシートを製袋したものである請求項
1に記載の気体吸着デバイス。
[3] 前記容器が、ガスバリア性を有するプラスチックの成型体である請求項 1に記載の気 体吸着デバイス。
[4] 前記容器の一部に開口部があり、前記開口部を弾性体の隔壁で覆ってあり、前記突 起物が前記隔壁に隣接している請求項 3に記載の気体吸着デバイス。
[5] 前記容器の一部に開口部があり、前記開口部をガスノリア性のフィルムで覆ってあり
、前記突起物が前記フィルムに隣接して 、る請求項 3に記載の気体吸着デバイス。
[6] 前記突起物が板状部材を介して固定されることにより、前記突起物の突起部が二次 元の面状に配列して 、る請求項 1に記載の気体吸着デバイス。
[7] 前記突起物の前記突起部から前記板状部材までの距離が前記容器の厚さより短い 請求項 6に記載の気体吸着デバイス。
[8] 前記気体吸着材が CuZSM— 5である請求項 1から請求項 7のいずれか 1項に記載 の気体吸着デバイス。
[9] 開口部を有する容器と、前記開口部を塞ぐ隔壁と、前記容器と前記隔壁に囲まれる 閉空間内に気体吸着材と前記気体吸着材に対して非吸着性の気体を有し、前記閉 空間内部の気体圧力が大気圧より小さい気体吸着デバイス。
[10] 前記容器と前記隔壁はいずれも気体難透過性である請求項 9に記載の気体吸着デ バイス。
[II] 前記容器または前記隔壁の少なくともいずれか一方の少なくとも一部が弾性体であ る請求項 9に記載の気体吸着デバイス。
[12] 前記気体吸着材が気体透過性の包材で覆われている請求項 9に記載の気体吸着デ バイス。
[13] 前記容器の前記開口部と前記気体吸着材との間に気体透過性の仕切りを有する請 求項 9に記載の気体吸着デバイス。
[14] 前記容器が気体難透過性の被覆材で覆われて ヽる請求項 9から請求項 13の 、ずれ 力 1項に記載の気体吸着デバイス。
[15] 一端に開口部を有する少なくとも一部が筒状である容器と、前記容器の筒状部内壁 に接する隔壁とを有し、前記容器と前記隔壁とにより囲まれる閉空間に気体吸着材と 前記気体吸着材に対して非吸着性の気体が封入されている気体吸着デバイス。
[16] 前記容器は筒状部と非筒状部が共に気体難透過性である請求項 15に記載の気体 吸着デバイス。
[17] 前記隔壁は気体難透過性である請求項 15に記載の気体吸着デバイス。
[18] 前記容器の前記筒状部または前記隔壁の少なくともいずれか一方の少なくとも一部 が弾性体である請求項 15に記載の気体吸着デバイス。
[19] 前記気体吸着材が気体透過性の包材で覆われている請求項 15に記載の気体吸着 デバイス。
[20] 前記隔壁と前記気体吸着材との間に気体透過性の仕切りを有する請求項 15に記載 の気体吸着デバイス。
[21] 前記容器が気体難透過性の被覆材で覆われている請求項 15に記載の気体吸着デ バイス。
[22] 前記容器の前記開口部を気体難透過性のフィルムで封止した請求項 15から請求項
21のいずれか 1項に記載の気体吸着デバイス。
[23] 気体吸着材を覆う外郭と、外力の未付加時には前記外郭の内外を連通させず、所定 の外力の付加時に前記外郭の内外を連通させる連通部とを有する容器を備え、前 記容器に気体吸着材を内包した気体吸着デバイス。
[24] 前記気体吸着材を内包した前記容器は 2つ以上の部材力 なり、前記部材の少なく とも 1つの部材に欠損部を設けて連通部を形成し、外力により前記欠損部を通じて前 記容器の内空間と外空間が通気可能となる請求項 23に記載の気体吸着デバイス。
[25] 前記気体吸着材を内包した前記容器は 2つ以上の部材力 なり、一方の部材と他方 の部材のそれぞれに欠損部を有し、外力により両者の前記欠損部を合致させて前記 容器の内空間と外空間が通気可能となる請求項 23に記載の気体吸着デバイス。
[26] 前記部材が気体遮蔽性を有し、少なくとも 2つ以上の部材の接合部分がグリース様 のもので気体透過を遮蔽され、かつ、可動性を有する請求項 24または請求項 25の V、ずれかに記載の気体吸着デバイス。
[27] 前記欠損部が貫通孔である請求項 24または請求項 25の 、ずれかに記載の気体吸 着デバイス。
[28] 前記欠損部がスリットである請求項 24または請求項 25の 、ずれかに記載の気体吸 着デバイス。
[29] 前記所定の外力が大気圧である請求項 23に記載の気体吸着デバイス。
[30] 前記気体吸着材が空気に含まれる成分の少なくとも!/、ずれか 1種を吸着可能である 請求項 23に記載の気体吸着デバイス。
[31] 請求項 30に記載の気体吸着デバイスと芯材とを外被材で覆って前記外被材内部を 減圧にしてなり、前記気体吸着デバイスと芯材とが通気状態にある真空断熱体。
[32] 非吸着性ガスと共に吸着材充填体の中にガス包装した空気成分吸着材を多孔質芯 材と共に外被容器の内部に配設して減圧し、前記減圧により圧力差で膨らんだ前記 吸着材充填体の一部を破裂させて形成した開口部を通じて前記吸着材充填体の中 の非吸着性ガスを真空排気した後、前記外被容器を密閉封止する真空断熱体の製 造方法。
[33] 少なくとも、開口部を有する吸着材充填体の中に配設された空気成分吸着材と、多 孔質芯材と、これらを収納する外被容器とを備えた気体吸着デバイスを有し、前記空 気成分吸着材は前記開口部を通じて真空断熱体内部と真空空間でつながつている 真空断熱体。
[34] 充填容器外の圧力が充填容器内の圧力に比較して所定値以上小さくなると開口す る充填容器に空気成分吸着材と前記空気成分吸着材に吸着されない非吸着性ガス とを封入し、前記充填容器を多孔質芯材と共に外被容器の内部に配設して、前記充 填容器外の圧力が前記充填容器内の圧力に比較して所定値以上小さくなるように前 記外被容器内を減圧することにより、前記外被容器内の空気と共に、前記充填容器 にできた開口部を通じて、前記充填容器の中の前記非吸着性ガスを排気した後、前 記外被容器を密閉封止する真空断熱体の製造方法。
[35] 前記充填容器は、一方の容器の開口部を他方の容器の開口部で塞ぐように前記開 口部の大きさが異なる 2つの容器の開口部を重ね合わせて接合した構成であり、前 記充填容器外の圧力が前記充填容器内の圧力に比較して所定値以上小さくなると、 重ね合わせて接合した部分が外れるものである請求項 34に記載の真空断熱体の製 造方法。
[36] 前記充填容器は、重ね合わせて接合した部分に潤滑材があら力じめ塗布されてなる 請求項 35に記載の真空断熱体の製造方法。
[37] 少なくとも、接合部が外れて開口部を形成する充填容器の中に配設された空気成分 吸着材と、多孔質芯材と、前記空気成分吸着材と前記多孔質芯材を収納する外被 容器とを備え、前記空気成分吸着材は前記開口部を通じて前記外被容器内部と連 続空間でつながつている真空断熱体。
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