JP5256596B2 - 気体吸着デバイスおよび真空断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、高真空を必要とする機器、例えば真空断熱材、ブラウン管、プラズマディスプレーパネル等の分野に関するものである。
近年、高真空を必要とする工業技術への期待が高まりつつある。例えば、地球温暖化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機等の保温保冷機器では熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱材が求められている。
一般的な断熱材として、グラスウールなどの繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられている。しかし、これらの断熱材の断熱性能を向上するためには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填できる空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
そこで、高性能な断熱材として、真空断熱材が提案されている。これは、スペーサの役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材中に挿入し内部を減圧して封止した断熱体である。
真空断熱材内部の真空度を上げることにより、高性能な断熱性能を得ることができるが、真空断熱材内部に存在する気体には大きく分けて次の3つがある。ひとつは、真空断熱材作製時、排気できずに残存する気体、ひとつは、減圧封止後、芯材や外被材から発生する気体(芯材や外被材に吸着している気体や、芯材の未反応成分が反応することによって発生する反応ガス等)、ひとつは、外被材を通過して外部から侵入してくる気体である。
これらの気体を吸着するため、吸着材を真空断熱材に充填する方法が考案されている。
例えば、真空断熱材内の気体を、Ba−Li合金を用いて吸着するものがある(例えば、特許文献1参照)。真空断熱材内の吸着材が吸着すべき気体のうち、吸着困難な気体のひとつが窒素である。これは、窒素分子が約940kJ/molという大きい結合エネルギーを有する非極性分子であるから、活性化させるのが困難なためである。しかし、Ba−Li合金により窒素を吸着可能とし、真空断熱材内部の真空度を維持するのである。
真空断熱材の性能の更なる向上を目的として、真空断熱材内部の真空度をさらに低下させることや、プラズマディスプレーパネル等の様に、高真空を必要とする機器のためBa−Liより高活性な気体吸着材の実用化が望まれている。
特表平9−512088号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の構成では、活性化のための熱処理を必要とせず、常温下でも窒素吸着可能であり、数分間は空気雰囲気で取扱い可能と記載されているが、気体吸着材を用いる機器を工業的に製造する条件では、取扱い上、より長い許容時間が望ましい。これは、窒素吸着能力の多くが空気と接触する製造プロセスで消耗することによって、気体吸着材を用いる機器の経時的な性能維持のための吸着能力が乏しくなり、性能劣化や性能ばらつきが大きくなることを防止するためである。真空断熱材等のさらなる高性能化が望まれている中で、機器内部の真空度維持を図るために、吸着材をより安定的に高効率に使いこなすことが大きな課題であった。
さらに、上記の構造ではBa−Liより高活性な気体吸着材を用いた場合は、大気に接触可能時間が非常に短くなる可能性がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高活性気体吸着材を空気雰囲気で取り扱っても大気との接触による性能の劣化を抑制できる気体吸着デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の気体吸着デバイスは容器内部に、気体吸着材と共に、気体吸着材に対して非吸着性気体を封入して気体吸着材と大気との接触を抑制するものである。
真空機器内部の気体を吸着するため、容器内の気体吸着材は、真空断熱材の内部等、真空機器の内部空間とつながる必要がある。次のようなメカニズムにより気体吸着材を、1気圧付近の大気と接触させることなく真空機器の内部空間に設置することができる。
なお、真空機器とは、真空断熱材、ブラウン管、プラズマディスプレーパネル、蛍光灯等の様に、真空にすることで機能を発現する機器のことである。
容器は開口部を有し、容器の開口部を隔壁で覆うことにより閉空間を形成している。容器の内部の気体は容器の内壁と隔壁の内側に圧力を加える。一方、大気は容器の外壁及び隔壁の外側に大気圧を加える。
通常、大気圧は1013hPaであり、容器内部の圧力は1013hPa未満である。従って、隔壁に加わる圧力差は大気圧から、容器内部の圧力を差し引いた値になる。この圧力差により、隔壁は容器開口部に押し付けられているため、容器内外の気体の通気がなされず、気体吸着材の劣化を防ぐことができる。
一方、容器外部が減圧されると、ある時点で、容器内部と外部の圧力が等しくなり、さらには容器外部の圧力が容器内部の圧力より小さくなる。容器内部の圧力と、容器外部の圧力が等しくなった時点で、隔壁が容器に押し付けられる圧力が働かなくなり、容器と隔壁が分離する。容器から隔壁が分離することにより、容器の開口部を通じて容器内外の気体の通気が可能になる。以上のようなメカニズムにより、気体吸着材を大気圧下での空気と接触することなく真空機器の内部へ設置される。
本発明の気体吸着デバイスは、大気圧下では気体吸着材と大気との接触を防止し、減圧下でデバイス外部の雰囲気と接触する。大気圧下で、気体吸着材を真空機器に適用する際、大気による気体吸着材の劣化が起こらないため、気体吸着材は真空機器に適用後、本来の性能を発揮できる。
本発明記載の気体吸着デバイスの発明は、開口部を有する容器と、前記開口部を塞ぐ隔壁と、前記容器と前記隔壁に囲まれる閉空間内に気体吸着材と前記気体吸着材に対して非吸着性の非吸着性気体を有し、前記閉空間内部の気体圧力が、大気圧より小さいものである。
ここで、大気圧とは、空気吸着デバイスを保管する雰囲気または、気体吸着デバイスを真空機器へ設置する作業を行う雰囲気の気体圧力である。前記大気圧は、海抜0メートル付近においては1013hPa前後であるが、海抜が高い環境または、航空機などの内部においては1013hPaより小さくなると考えられる。また、海抜0メートル付近であっても、低気圧、高気圧等の気象条件により多少変動する。
閉空間内部の気体圧力は、大気圧より僅かでも小さければ、気体吸着デバイスとして使用可能である。しかし、保存時や、真空機器への設置作業の際に、外部からの衝撃が加わると、大気中で容器から隔壁が離脱し、空気吸着材が劣化する。
従って、隔壁を容器に押し付ける力は強いほうが望ましく、閉空間内の気体圧力は500hPa以下が望ましく、更には300hPa以下が望ましい。
閉空間とは、球殻の内部のように一定の形状を有する物体を通過せずには他の空間とつながることがない空間である。
隔壁は、容器の開口部と大きさと形状が同一であり、隔壁と容器の開口部間に隙間が生じないようになっているか、容器の開口部に比較して隔壁が大きく、隔壁が開口部を完全に覆い被さることにより閉空間を形成している。
気体に接触している物質表面には、気体の圧力が加わる。圧力は多方向から加わるため、均一圧力の雰囲気に置かれている場合は、気体から受ける力の総和はゼロとなり、物質に正味の力は働かない。
一方、物質が接触している気体の圧力が均一でない場合は気体から受ける力の総和はゼロでなくなり、物質には正味の力が働く。例えば、板状物質の一方の面と他方の面に接触する気体の圧力が異なる場合、板状物質には、高い圧力の面から、低い圧力の面方向への力が生じる。
以上の物理的メカニズムにより、空気吸着デバイスにおいて、空気吸着材と外部空間の不連続から連続への切り替えがなされる。以下、空気吸着デバイスを真空機器に設置する際、空気吸着材と外部空間の不連続から連続への切り替えの詳細を説明する。
まず、空気吸着デバイスにおいて、閉空間内は、空気吸着材に対する非吸着性気体で満たされており、この気体圧力は大気圧より小さい。
従って、隔壁は、大気から容器開口部に対して押し付ける力を受けているため、容器内外の気体の通気を抑制している。
次に、空気吸着デバイスを設置した真空機器の内部を減圧し、空気吸着デバイスの閉空間内外の圧力が同一になると、隔壁が容器に対して押し付けられている力が働かなくなり、隔壁が容器から離脱する。このようにして、空気吸着材と空気吸着デバイスの外部空間が連続して、気体吸着材を機能させることができる。
また、本発明の気体吸着デバイスの発明は、容器、隔壁のいずれも気体難透過性であるものである。
ここでの気体難透過性とは、物質固有の性質である気体透過度が小さいため、当該物質で作製した容器、隔壁の気体透過度が、104[cm/m・day・atm]以下となるものであり、より望ましくは103[cm/m・day・atm]以下のものである。
具体的には、銅、鉄、アルミニウム等の金属類、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン―テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアセテート、ポリスチレン、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック類等がこれに相当するが、これらに限定するものではない。
容器、隔壁のいずれも気体難透過性であるため、気体吸着デバイスが、気体吸着材が吸着する気体を含む雰囲気下にあっても、容器を通して気体吸着材が吸着する気体の浸入が少ないため、気体吸着材の劣化を抑制することができる。
また、本発明の気体吸着デバイスの発明は、容器または隔壁の少なくともいずれか一方の少なくとも一部が弾性体であるものである。
弾性体とは、外部からの応力に略比例して変形し応力が働かなくなると応力が加わっていない常態に戻るものであり、ゴム等がこれに相当する。
容器または隔壁の少なくともいずれか一方の少なくとも一部が弾性体であるため、圧力が加わらない状態では、容器の開口部と隔壁の形状が異なる場合であっても、圧力が加わると変形して密閉性が向上する。
従って、気体吸着デバイスが、気体吸着材が吸着する気体を含む雰囲気下にあっても気体吸着デバイス外部の気体の浸入による気体吸着材の劣化を抑制することができる。
金属、プラスチック等も僅かな歪では弾性変形をするため、広い意味での弾性体と考えられるが、応力に対する歪みの割合が大きい材料がより望ましい。
さらに、吸着デバイスは、真空機器に設置するまでは、取り扱いにおいて外力を受けることになる。従って、容器は歪による変形が小さいことが望ましく、隔壁が弾性体であるほうがより望ましい。
また、本発明の気体吸着デバイスの発明は、気体吸着材が、気体透過性の包材で覆われているものである。
ここでの気体透過性とは、気体透過度が108[cm/m・day・atm]以上のものであるが、1010[cm/m・day・atm]以上のものが望ましい。
包材とは、繊維を編み込んだり、バインダーで集積してフィルムまたはシートにしたものであり、マクロな観点からは連続体であるが、ミクロな観点からは無数の貫通孔が開いているものである。
さらに、包材を袋状に成形して、気体吸着材を内包してもよい。この際、袋の形態は、ピロー袋、ガゼット袋等を用いることができるが、これらに限定するものではない。また、包材は全ての辺が閉じられている必要は無く、開いた辺があっても良い。
容器内外の気体が通気する速度は、気体吸着デバイスの製造条件、気体吸着デバイスを真空機器に設置する際の減圧条件等により変化する。この速度が大きい場合、気体吸着材が粉状であれば、急激な気体の流れにより、気体吸着材が飛散する可能性がある。しかし、包材の貫通孔を気体吸着材の粒径より小さくすることで、気体吸着材の飛散を抑制することができる。なお、包材に開いている辺がある場合は、開いている辺を、容器の開口部と反対方向にすることが望ましい。
一方、上に示したように、包材の気体透過度は非常に大きいので、気体が透過する空間の連続性を妨げることが無く、気体吸着デバイスの吸着特性は劣化しない。
気体透過性の包材としては、不織布、ガーゼ、金網等があるが、これらに限定するものではなく、マクロな観点からは連続体であり、ミクロな観点からは貫通孔が多数開いているものであれば良い。
また、本発明の気体吸着デバイスの発明は、容器の開口部と気体吸着材との間に気体透過性の仕切りを有するものである。
ここでの気体透過性とは気体透過度が108[cm/m・day・atm]以上のものであるが、1010[cm/m・day・atm]以上のものが望ましい。
仕切りとは、マクロな観点からは空間を複数に分けるが、ミクロな観点からは空間的につながっており、気体の透過性を有するものである。
仕切りは、気体吸着材と容器の開口部の間に設置し、容器内壁と接するようにする。
容器から隔壁が分離する際の、容器内外の気体の通気速度は、気体吸着デバイスの製造条件、気体吸着デバイスを真空機器に設置する際の減圧条件により変化する。気体の通気速度が大きい場合は、気体吸着デバイスの容器内部で急激な気流が生じる。気体吸着材が粉状であれば、急激に流入した気体により飛散する可能性がある。しかし、仕切りの貫通孔を気体吸着材の粒径より小さくすることで、気体吸着材の飛散を抑制することができる。
一方、上に示したように、仕切りの気体透過度は非常に大きいので、気体が透過する空間の連続性を妨げることが無く、気体吸着デバイスの吸着特性は劣化しない。
気体透過性の仕切りとしてはグラスウール、プラスチックの発泡体、不織布、金網等があるが、これらに限定するものではなく、マクロな観点からは連続体であり、ミクロな観点からは貫通孔が多数開いているものであれば良い。
また、本発明の気体吸着デバイスの発明は、容器が気体難透過性の被覆材で覆われているものである。
被覆材の中を、気体吸着材に対して非吸着性気体で満たすことにより、容器の外部空間は、気体吸着材に対して非吸着性気体で満たされる。従って、容器の内壁と隔壁に僅かな隙間があり、これらで形成される閉空間と、容器の外部空間の気体が通気しても、気体吸着材が劣化しない。従って、気体吸着デバイスを長時間大気中に放置することができる。
ここでの気体難透過性の被覆材とは、気体透過度が104[cm/m・day・atm]以下の被覆材であるが、102[cm/m・day・atm]以下のものがより望ましい。
具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックのフィルムあるいはシートを製袋したものであるが、これらに限定するものではない。さらに、プラスチックフィルムに金属箔をラミネート、または、金属を蒸着してガスバリア性をより高めたものが望ましい。金属箔または、蒸着に適用できる金属は、金、銅、アルミ等を用いることができるが、これらに限定するものではない。なお、気体透過度は物質固有の値であるため、被覆材として上記の条件を満たさない場合があるため、厚さを適性化して、被覆材として上記の条件を満たすようにする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における大気圧下での気体吸着デバイスの断面図である。図2は本発明の実施の形態1における気体吸着デバイスを適用した真空断熱材の断面図である。図3は本発明の実施の形態1における減圧下での気体吸着デバイスの断面図である。
図1に示すように、気体吸着デバイス1は、開口部2を有する容器3と、開口部2を塞ぐゴム製の隔壁4と、容器3と隔壁4に囲まれる閉空間内にZSM−5型ゼオライトから成る気体吸着材5と気体吸着材5に対して非吸着性の非吸着性気体6を有し、閉空間内部の気体圧力が、大気圧より小さいものである。
図2に示すように、真空断熱材7は、気体吸着デバイス1と芯材8とを外被材9で覆い外被材9の内部を減圧密封したものである。
以上のように構成された気体吸着デバイス1を真空断熱材7に適用した場合について、以下その動作、作用について説明する。
図1に示してあるように、容器3と隔壁4で形成される閉空間に非吸着性気体6が封入されており、非吸着性気体6の圧力は大気圧より小さくなっている。大気圧が容器3内部の圧力より大きいため、隔壁4は大気圧と容器3内部の圧力差に相当する圧力で容器3の開口部2に押し付けられる。隔壁4はゴム製であるため、開口部2に押し付けられた際、変形して密着する。このようにして、容器3と隔壁4とで閉空間を形成し、容器3内部への空気の浸入が抑制され、気体吸着デバイス1保存時における気体吸着材5の劣化が抑制される。
一方、真空断熱材7内部に設置の際は、気体吸着材5が真空断熱材7内部の気体を吸着するため、気体吸着材5は容器3の外部空間と連続する必要がある。これは以下に示す過程により実現される。
まず、気体吸着デバイス1が大気圧下に置かれている場合は、大気圧と容器3内部の圧力が大気圧より小さいため、隔壁4は容器3に押し付けられている。
気体吸着デバイス1を真空断熱材7の外被材9内部に設置後、減圧を行うことにより、容器3内部の圧力と容器3外部の圧力差が小さくなる。更に減圧を行うと、容器3内部の圧力と容器3外部の圧力差がなくなり、隔壁4が容器3に押し付けられる力が働かなくなる。従って、隔壁4は容器3から離脱する。
図3に示してあるように、容器3と隔壁4が分離することにより、開口部2を通して気体吸着デバイス1の外部空間と気体吸着材5がつながり、気体の吸着が可能となる。
以上の様に、容器3と隔壁4が分離する圧力は、容器3内部の圧力と容器3外部の圧力が同一になった時点である。従って、空気吸着デバイス1作製時に、容器3内部に封入する非吸着性気体の圧力を制御することで、容器3と隔壁4が分離する圧力を任意に制御することが可能である。
真空断熱材7は、気体吸着デバイス1、芯材8を予め3方をシールして製袋した外被材9に挿入して真空チャンバー内に設置して減圧後、外被材9の未シール部を熱溶着により封止して作製される。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における気体吸着デバイスの断面図である。
図4に示されているように、気体吸着デバイス1において、気体吸着材5は包材10で覆われており、容器3は被覆材11に覆われている。図4において、包材10は不織布であり、被覆材11は、プラスチックラミネートフィルムを熱溶着したものからなり、低密度ポリエチレン、アルミ箔、ナイロンの順にラミネートされたフィルムの低密度ポリエチレン同士を対向させ、4辺を熱溶着しして被覆材11の内外の空間を分離している。
被覆材11はアルミニウム箔を含むため、気体透過度が非常に小さく、被覆材11内部に侵入する気体は極めて少なくなる。従って、気体吸着デバイス1を長時間大気中に放置しても気体吸着材5の劣化は極めて小さく、本来の吸着特性を得ることができる。
さらに、容器3内部が減圧されると、気体吸着材5周囲の気体は包材10を通過して容器の外部に排出される。この排出速度が速い場合は、気体吸着材5の飛散が懸念されるが、気体吸着材5は、包材10内部で留まるため、飛散することがない。
この気体吸着デバイス1を真空断熱材7に適用すると、外被材内部において気体吸着材5が飛散せず、真空断熱材7のリサイクルを容易にすることができる。
なお、本実施の形態における気体吸着デバイス1の機能を発現させるためには、使用の際に被覆材11を破断させ取り除いてから使用する。また、減圧下における気体吸着デバイス1の動作は実施の形態1と同等である。
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3における気体吸着デバイスの断面図である。
図5に示されているように、気体吸着デバイス1において、気体吸着材5と隔壁4の間には仕切り12が設置されている。図5において、仕切り12はグラスウールである。
容器3内部が減圧されると、気体吸着材5周囲の気体は包材10を通過して容器の外部に排出される。この排出速度が速い場合は、気体吸着材5の飛散が懸念されるが、気体吸着材5は、仕切り12の内部で留まるため、飛散することがない。
この気体吸着デバイス1を真空断熱材7に適用すると、外被材内部において気体吸着材5が飛散せず、真空断熱材7のリサイクルを容易にすることができる。
なお、減圧下における気体吸着デバイス1の動作は実施の形態1と同等である。
(実施例1)
容器として、内容積が10mlのガラス瓶を用いた。隔壁として円形のゴム板を用いた。気体吸着材として、ZSM−5型ゼオライトを用い、非吸着性ガスとしてArガスを用いた。ここで、ガラス瓶の開口部の直径は10mmであり、ゴム板の直径は15mmである。容器の開口部の中心と、ゴム板の中心を合わせて作製を行った。Arガスは500hPaになるように充填した。このようにして作製した気体吸着デバイスを、真空チャンバーに設置して動作を確認した。
真空チャンバー内部を減圧し、500hPaに到達すると、容器から隔壁が離脱した。このように、容器から隔壁が離脱する圧力は容器内部の圧力と同一である。従って、容器内部の圧力を調整することにより、気体吸着材と外部雰囲気が繋がる圧力を任意に制御可能である。
また、気体吸着材が大気保存されている際に、隔壁と容器が押し付けられている力を評価するために、大気圧下において、容器と隔壁の引張り強度の測定を行った。ここで、引っ張る方向は、隔壁の面方向に垂直な方向ある。
容器と隔壁の引張り強度は4.08Nであった。この値は、開口部の面積に、容器内外の圧力差をかけた値である。
(実施例2)
容器内部の圧力が300hPaである空気吸着デバイスの動作の確認を行った。真空チャンバー内部に空気吸着デバイスを設置し、減圧を行った。この結果、真空チャンバー内部が300hPaに到達すると、容器から隔壁が離脱した。
(実施例3)
本実施例では、容器をナイロン−アルミ箔−ポリエチレンテレフタレートの順にラミネートした被覆材で被った。気体吸着デバイス作製後一ヶ月経過後に気体吸着材の吸着特性を評価したところ、吸着能力の劣化は認められなかった。これは、被覆材で被ってあるため、容器に気体が浸入しないためである。
以上のように、本発明にかかる気体吸着デバイスは、高活性の気体吸着材を大気圧下で劣化することなく取り扱うことが可能となる。
本発明の実施の形態1における大気圧下での気体吸着デバイスの断面図 本発明の実施の形態1における気体吸着デバイスを適用した真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態1における減圧下での気体吸着デバイスの断面図 本発明の実施の形態2における気体吸着デバイスの断面図 本発明の実施の形態3における気体吸着デバイスの断面図
符号の説明
1 気体吸着デバイス
2 開口部
3 容器
4 隔壁
5 気体吸着材
6 非吸着性気体
10 包材
11 被覆材
12 仕切り

Claims (8)

  1. 開口部を有する容器と、前記開口部を塞ぐ隔壁と、前記容器と前記隔壁に囲まれる閉空間内に気体吸着材と前記気体吸着材に対して非吸着性の非吸着性気体を有し、前記閉空間内部の気体圧力が、大気圧より小さいことで前記隔壁が前記容器に押し付けられることにより前記閉空間を形成することを特徴とする気体吸着デバイス。
  2. 容器、隔壁のいずれも気体難透過性である請求項1に記載の気体吸着デバイス。
  3. 容器または隔壁の少なくともいずれか一方の少なくとも一部が弾性体である請求項1または請求項2に記載の気体吸着デバイス。
  4. 気体吸着材が気体透過性の包材で覆われている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の気体吸着デバイス。
  5. 容器の開口部と気体吸着材との間に気体透過性の仕切りを有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の気体吸着デバイス。
  6. 容器が気体難透過性の被覆材で覆われている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の気体吸着デバイス。
  7. 前記容器の外部が減圧された場合、前記隔壁が前記容器と分離することで前記開口部を通じて前記容器内外の気体の通気が可能となることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の気体吸着デバイス。
  8. 芯材と前記芯材を覆う外被材と有する真空断熱材であって、前記外被材は、前記芯材と請求項1から7のいずれか一項に記載の気体吸着デバイスとを覆い内部を減圧密封した真空断熱材。
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