JP2015169372A - 断熱容器および断熱容器の製造方法 - Google Patents

断熱容器および断熱容器の製造方法 Download PDF

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修弘 吉野
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Abstract

【課題】本発明は、容器の開口部側からの熱漏れを抑制し、高い断熱性能を発揮することが可能な断熱容器および断熱容器の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、少なくとも一つの面に開口部を有する断熱容器であって、上記壁部は、上記内壁および上記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、さらに上記壁部の開口部側側面では、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、上記壁部の上記開口部側側面が、上記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われていることを特徴とする断熱容器を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1

Description

本発明は、外壁と内壁との間に真空断熱材を備える断熱容器に関する。
近年、地球温暖化防止のため温室効果ガスの削減が推進されており、容器、乗り物、建物、設備機器、および電気製品等の様々な物品に対して省エネルギー化が求められている。
物品の省エネルギー対策の一つの方法として、上記の物品に断熱材を用いる方法が採用されている。
例えば、冷蔵庫、コンテナ等の容器では、収納物の保冷、保温を行うために電力の消費を必要とするところ、容器内外間での熱伝導等の熱伝達により、内部の温度変化が生じやすく、内部温度を保つためにはさらに多くの電力消費が必要となる。そこで、このような保冷、保温を行う容器においては、熱伝達を抑えるために断熱材が用いられている。中でも真空断熱材は、発泡断熱材等の他の断熱材と比較して、省エネルギー化、省スペース且つ大容量化の要請に対して特に有効であるとされる。
ここで、真空断熱材とは、周縁が熱溶着された袋状の外装材に、発泡樹脂や繊維材等の芯材が内包されたものである。上記真空断熱材は内部が減圧されて真空状態となっていることから、熱拡散が遮断されるため高い断熱性能を発揮することができる。
よって、発泡断熱材等の従来の断熱材では、高い断熱性能を発揮するために断熱材の板厚を大きくする必要があるところ、真空断熱材では板厚が小さくても高い断熱性能を発揮することができるという特長を有する。
真空断熱材を備えた断熱容器としては、例えば図8で示すように、断熱容器110を形成する壁部100を内壁111Aおよび外壁111Bの二重構造とし、内壁111Aと外壁111Bとの間の空間に発泡断熱材114が充填され、さらに上記空間の外壁111Bの表面に真空断熱材113が配置されたものが開示されている(特許文献1および2参照)。
特開2012−62904号公報 特許第3213454号公報
しかし、断熱容器には、保冷、保温させる収納物を出し入れするための開口部を有するところ、図8で示すように、壁部100の開口部O側の側面E’においては、真空断熱材113が配置されない領域が生じるため、側面E’からの熱漏れHが生じて容器の断熱性能が低下するという問題がある。
ここで、真空断熱材が配置されない領域には、特許文献1および2に開示されるように通常、発泡断熱材が充填されるが、発泡断熱材は真空断熱材よりも断熱性能が低いことから、真空断熱材を配置する場合と比較して、壁部の開口部側側面からの熱漏れを抑制する効果が劣る。また、壁部の開口部側側面において、内壁および外壁間の間隙を塞ぐようにして別途、真空断熱材を配置する場合であっても、2つの真空断熱材間に生じる隙間から熱漏れが生じる場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、容器の開口部側からの熱漏れを抑制し、高い断熱性能を発揮することが可能な断熱容器、および断熱容器の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、少なくとも一つの面に開口部を有する断熱容器であって、上記壁部は、上記内壁および上記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、さらに上記壁部の開口部側側面では、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、上記壁部の上記開口部側側面が、上記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われていることを特徴とする断熱容器を提供する。
本発明によれば、壁部の開口部側側面において、上記壁部の内壁および外壁間の空間に配置された真空断熱材の端部が折り曲げられ、折り曲げ部として内壁および外壁間の間隙を塞ぐように配置されることで、壁部の開口部側側面からの熱漏れが抑制されるため、高い断熱性能を有する断熱容器とすることができる。
上記発明においては、上記真空断熱材が、少なくとも一方の平面に折り目線部を有し、上記折り曲げ部が、上記折り目線部において上記真空断熱材が折り曲げられて形成されていることが好ましい。真空断熱材は折り目線部を有することで屈曲しやすくなることから、上記折り目線部において真空断熱材を折り曲げることで、折り曲げ部を容易に形成することができる。このため、上記折り曲げ部により内壁および外壁間の間隙を容易に塞ぐことができるからである。
また、本発明は、内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、少なくとも一つの面に開口部を有し、上記壁部は、上記内壁および上記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、さらに上記壁部の開口部側側面では、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、上記壁部の上記開口部側側面が、上記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われた断熱容器の製造方法であって、上記真空断熱材の端部が上記壁部の上記開口部側側面から突出するように、上記内壁および上記外壁間の空間に上記真空断熱材が配置された上記壁部を準備する準備工程と、上記壁部の上記開口部側側面から突出した上記真空断熱材を折り曲げて、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように上記折り曲げ部を配置する折り曲げ工程と、上記折り曲げ部の外側に上記蓋部を配置し、上記壁部の上記開口部側側面を覆う被覆工程とを有することを特徴とする断熱容器の製造方法を提供する。
本発明によれば、折り曲げ工程において壁部の開口部側側面から突出した真空断熱材の端部を折り曲げることで、折り曲げ部により内壁および外壁間の間隙を塞ぐことにより、壁部の開口部側側面からの熱漏れが抑制された断熱性能の高い断熱容器を製造することができる。
本発明の断熱容器は、開口部側からの熱漏れを抑制でき、高い断熱性能を発揮することが可能であるといった作用効果を奏する。
本発明の断熱容器の一例を示す概略斜視図および断面図である。 本発明における真空断熱材の一例を示す概略斜視図および断面図である。 本発明における真空断熱材の他の例を示す概略断面図である。 本発明における折り曲げ部の配置方法を説明する説明図である。 本発明の断熱容器の他の例を示す概略断面図である。 本発明の断熱容器の他の例を示す概略断面図である。 本発明の断熱容器の製造方法の一例を示す工程図である。 従来の断熱容器の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の断熱容器および断熱容器の製造方法について説明する。
A.断熱容器
まず、本発明の断熱容器について説明する。本発明の断熱容器は、内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、少なくとも一つの面に開口部を有するものであって、上記壁部は、上記内壁および上記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、さらに上記壁部の開口部側側面では、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、上記壁部の上記開口部側側面が、上記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われていることを特徴とするものである。
本発明の断熱容器について図を参照して説明する。図1(a)は本発明の断熱容器の一例を示す概略斜視図であり、図1(b)は図1(a)のX−X線断面図である。図1で示すように、本発明の断熱容器10は、内壁11A、外壁11Bを有する壁部1により周囲を囲うことにより形成されたものであり、少なくとも一つの面に開口部Oを有するものである。壁部1は、内壁11Aおよび外壁11B間に有する空間12に真空断熱材3が配置されており、開口部側側面Eが外側から蓋部2により覆われている。
また、壁部1の開口部側側面Eにおいて、この真空断熱材3の端部が折り曲げられて、折り曲げ部Pとして内壁11Aおよび外壁11B間の間隙を塞ぐように配置されている。
なお、図1(a)においては、蓋部の図示を省略するものとする。
本発明によれば、壁部の開口部側側面において、上記壁部の内壁および外壁間の空間に配置された真空断熱材の端部が折り曲げられ、折り曲げ部として内壁および外壁間の間隙を塞ぐように配置されることで、壁部の開口部側側面からの熱漏れが抑制されるため、高い断熱性能を有する断熱容器とすることができる。
以下、本発明の断熱容器における各構成について説明する。
1.壁部
本発明における壁部は、内壁および外壁を有するものである。また、上記壁部は、内壁および外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、さらに上記壁部の開口部側側面では、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されている。
なお、上記壁部の上記開口部側側面は、上記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われている。
(1)真空断熱材
本発明における真空断熱材は、通常、芯材と、上記芯材を収納するとともに内部が減圧された袋状の外装材とを備えた構造を有するものである。
図2(a)は、本発明における真空断熱材の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のX−X線断面図である。真空断熱材3は、対向する2枚の外装材22の周縁が熱溶着されてなる袋体の中に芯材23が封入されたものであり、内部が減圧されて真空状態となっている。熱溶着された外装材22の周縁部分は、真空断熱材の熱溶着部24となる。
真空断熱材3の表面のうち、熱溶着部24の溶着面と平行する表面を真空断熱材の平面Qとし、熱溶着部24が形成された表面を真空断熱材の側面Sとする。
なお、図2および図3以外の図において、真空断熱材の各構成および熱溶着部については図示を省略する。
本発明において真空断熱材を配置する場合、真空断熱材の熱溶着部は、通常、真空断熱材の側面および平面に沿って折り曲げられた状態で配置される。したがって、本発明における真空断熱材の端部とは、上記熱溶着部が真空断熱材の側面および平面に沿って折り曲げられた状態での端部をいう。
(a)芯材
真空断熱材における芯材としては、一般に断熱材の芯材として使用される材料を用いることができる。例えばシリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体が挙げられる。なお上記多孔質体は空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材とすることができるからである。
上記芯材は、外部から浸入する微量の水分やガス等を吸着するためのゲッター剤を含んでいても良い。ゲッター剤としては、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
上記芯材の厚さとしては、所望の断熱効果を発揮できる厚さであれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
(b)外装材
真空断熱材における外装材は、可とう性があるフィルムまたはシートであり、少なくとも保護層、ガスバリア層、および熱溶着層が、真空断熱材の表面側からこの順番で積層された積層体が好適に用いられる。
(保護層)
上記保護層は、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護する機能を有する。そのため、上記保護層は十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
上記保護層の材料としては、熱溶着層よりも高融点の樹脂であればよく、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記保護層はシート状でもよく、一軸延伸または二軸延伸されたフィルム状でもよい。また上記保護層は、単層であってもよく同一材料から成る層または異なる材料から成る層を積層させて多層としてもよい。
また上記保護層は、他の層との密着性の向上を図るために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚さとしては、熱溶着層およびガスバリア層を保護することが可能な厚さであれば特に限定されず、例えば5μm〜80μm程度である。
(ガスバリア層)
上記ガスバリア層は、熱溶着層と保護層との間に形成される層であり、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。
上記ガスバリア層の材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等の金属箔等が挙げられる。上記金属箔の膜厚としては、例えば5μm〜40μm程度であることが好ましい。周囲からの熱伝導を回避し、真空断熱材の断熱性能を高く維持することができるからである。
また上記ガスバリア層として、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等の樹脂フィルムを基材として、片面に金属、金属酸化物、酸化珪素等の蒸着層を積層した蒸着フィルム等を用いることもできる。
さらに、上述の蒸着フィルムにポリビニルアルコール系樹脂およびエチレンビニルアルコール共重合体の少なくともいずれかを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたもの等を用いることもできる。
上記ガスバリア層は、単層であってもよく、同一材料から成る層または異なる材料から成る層を積層させた多層状であってもよい。
ガスバリア層の厚さとしては、ガスバリア性を発揮可能な厚さであれば特に限定されず、例えば9μm〜100μm程度である。
上記ガスバリア層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。上記表面処理により、ガスバリア性能の向上や他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。上記酸素および水蒸気透過度を上述の範囲内とすることにより、真空断熱材の内部に浸入した水分やガス等を芯材まで浸入しにくくすることができる。
なお、酸素透過度は、JIS−K−7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。 また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
(熱溶着層)
上記熱溶着層は、芯材を介して対向する外装材の周縁を熱溶着により貼合し、内部を封止する機能を有する。
上記熱溶着層の材料としては、一般に使用される樹脂を用いることができ、例えばポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記熱溶着層は、上記樹脂の他にアンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含むものであってもよい。
上記熱溶着層の融点としては、使用環境下において真空断熱材の熱溶着部が剥離しない程度の接着力を有する温度であることが好ましい。上記融点としては、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
(その他)
上記外装材は、保護層またはガスバリア層を複数有するものであってもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、熱溶着層およびガスバリア層の上に、保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
また、上記外装材は、熱溶着層と保護層との間にアンカーコート層や耐ピンホール層等の任意の層を有していてもよい。
上記外装材を構成する各層は、直接接触して積層してもよく、層間接着剤を介して積層してもよい。
上記外装材は、屈曲に耐え得る強度を有することが好ましく、引張強度が50N以上、中でも80N以上であることが好ましい。なお、上記引張強度は、JIS−Z−1707に基づいて測定した値である。
(c)折り曲げ部
本発明における真空断熱材は、その一方の端部に折り曲げ部を有する。上記折り曲げ部は、壁部の開口部側側面において、内壁および外壁間の間隙を塞ぐように、真空断熱材の端部が折り曲げられてなるものである。
真空断熱材の折り曲げ部の長さとしては、内壁および外壁間の間隙の少なくとも一部を塞ぐことが可能な長さ以上を有していればよく、中でも内壁および外壁間の間隙の幅(以下、間隙幅と称する場合がある。)と同等の長さを有すること好ましい。
具体的には、真空断熱材の折り曲げ部の長さが、内壁および外壁間の間隙幅に対して70%以上の長さを有することが好ましく、中でも80%以上、特に90%以上の長さを有することが好ましい。また、真空断熱材の折り曲げ部の長さの上限としては、内壁および外壁間の間隙を塞ぐようにして折り曲げた際に生じた余剰部分が、更に折り曲げられることで内壁および外壁間の空間内に挿入可能な長さであることが好ましい。
なお、本発明において折り曲げ部の長さとは、真空断熱材の開口部側の側面から、折り曲げた位置(折り曲げ箇所)までの長さをいう。折り曲げ箇所を複数有する場合は、上記開口部側側面から最も離れて位置する折り曲げ箇所までの長さをいう。例えば、内壁および外壁間の間隙を塞ぐようにして折り曲げ、その際に生じた余剰部分を更に折り曲げて内壁および外壁間の空間内に挿入する場合であれば、間隙を塞ぐ部分の長さと余剰部分の長さの和が折り曲げ部の長さとなる。
なお、内壁および外壁間の間隙幅とは、図1(b)においてLで示す部分の長さをいう。
また、上記真空断熱材は、図3で示すように少なくとも一方の平面に折り目線部Aを有することが好ましい。通常、真空断熱材は剛性を有し、屈曲しにくいものであるが、平面に折り目線部を有することで、上記折り目線部において容易に折り曲げることができる。すなわち、図4に示すように、真空断熱材3を折り目線部Aにおいて屈曲させて折り曲げ部Pとし、折り曲げ部Pにより内壁11Aおよび外壁11B間の間隙を塞ぐことが可能となる。
中でも真空断熱材の両平面に折り目線部を有することが好ましい。両平面に折り目線部を有することで、真空断熱材を折り目線部において所望の方向に屈曲させることができるからである。真空断熱材の両平面に折り目線部を有する場合、平面ごとの折り目線部が芯材を介して対向位置に形成されていてもよく、対向位置に無くても良い。
上記折り目線部の位置としては、真空断熱材の開口部側の側面から上記折り目線部までの長さが、上記折り目線部において真空断熱材を折り曲げたときに、内壁および外壁間の間隙幅の少なくとも一部を塞ぐことが可能な長さとなる位置であればよく、好ましくは上記間隙幅と同等の長さとなる位置であればよい。真空断熱材の側面から折り目線部までの具体的な長さについては、上述した折り曲げ部の長さと同様とすることができる。
また、折り目線部は、必要に応じて上記の位置以外の他の位置にも有していても良い。上記他の位置については特に限定されないが、例えば、壁部の一部に屈曲部分を有する場合、上記屈曲部分に相当する位置に折り目線部を有することで、上記屈曲部分の形状に追従するようにして真空断熱材を屈曲させることができる。
上記折り目線部の本数については特に限定されず、少なくとも一方の平面に、内壁および外壁間の間隙を塞ぐための折り曲げ部を形成可能な1本の折り目線部を有していればよく、屈曲性を向上させるために複数本有していてもよい。
上記折り目線部は、真空断熱材の平面に対して凹型形状であってもよく、凸型形状であってもよい。上記折り目線部を複数有する場合は、全てが凹型形状または凸型形状であってもよく、凸型形状および凹部形状を交互に有する蛇腹形状であっても良い。
また、真空断熱材の側面から見た折り目線部の形状としては、例えば三角形、四角形、半円形状等が挙げられるが、中でも、折り目線部において折り曲げた際にピンホール等が生じにくいことから半円形状が好ましい。
真空断熱材の平面視上における上記折り目線部のパターンとしては、隙間が生じないように折り曲げることができるパターンであれば特に限定されないが、通常、直線状のパターンである。
(d)その他
本発明における真空断熱材の内部の真空度としては、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の気体の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
また、上記真空断熱材の熱伝導率(初期熱伝導率)としては、例えば25℃環境下で15mW・m−1・K−1以下、中でも10mW・m−1・K−1以下、特に5mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなることから、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、上記熱伝導率はJIS−A−1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
上記真空断熱材は、ガスバリア性が高いことが好ましい。外部からの水分や酸素等の浸入による真空度の低下を防止できるからである。上記真空断熱材のガスバリア性については、上述のガスバリア層のガスバリア性と同様とすることができる。
(2)内壁および外壁
本発明における内壁および外壁は、壁部を形成するものである。また、内壁および外壁間には空間を有する。
なお、本発明において内壁および外壁は、断熱容器の形状に成型されたものであることが好ましい。
内壁および外壁の材質としては、特に限定されず、本発明の断熱容器の用途に応じて適宜選択される。上記材質としては、例えば、金属、プラスチック、木材等、一般に容器に使用されるものであれば特に限定されない。
内壁および外壁の板厚、および形状については、特に限定されず、本発明の断熱容器の用途に応じて適宜設計することができる。
内壁および外壁間の間隙幅としては、真空断熱材を配置でき、壁部が所望の断熱性能を発揮できる大きさであればよく、例えば1cm〜15cmの範囲内が好ましく、中でも3cm〜10cmの範囲内が好ましい。
(3)蓋部
本発明における蓋部は、壁部の開口部側側面を覆うものであり、上記折り曲げ部の外側に配置されるものである。
上記蓋部は、開口部側側面における真空断熱材の折り曲げ部の露出を防ぐものであり、外部衝撃による上記折り曲げ部および壁部内部の真空断熱材の破損を抑制する機能を有する。
蓋部としては、開口部側側面を覆うことが可能なものであれば特に限定されないが、例えば、金属製、ガラス製等のものが挙げられる。
蓋部の幅については、少なくとも内壁および外壁間の間隙幅以上であることが好ましく、中でも内壁の板厚、外壁の板厚、および上記間隙幅の総和、すなわち、壁部の板厚以上であることが好ましい。
また、蓋部の板厚については特に限定されず、適宜設計することができる。
壁部の開口部側側面の被覆態様としては、開口部を構成する各壁部の開口部側側面が、個々に蓋部により覆われていてもよく、開口部の形状に合わせた枠型の蓋部を用いて、上記壁部の開口部側側面が一括に覆われていてもよい。また、蓋部が凹形状を成し、上記壁部を上記蓋部に嵌め込むことにより開口部側側面が覆われていてもよい。
(4)その他
本発明における壁部は、真空断熱材が内壁および外壁間の空間に配置されたものである。このとき、上記真空断熱材は、上記空間における外壁表面に配置されても良く、上記空間の内部に配置されても良いが、通常、上記空間における外壁表面に配置される。
上記真空断熱材の固定方法については限定されないが、例えば、外壁の表面に粘着層を介して真空断熱材が固定されていてもよく、外壁の表面に真空断熱材が配置され、上記真空断熱材の表面が発泡断熱材等で被覆されることにより固定されていてもよい。また、内壁および外壁間の空間に真空断熱材が配置され、真空断熱材の周囲の空間に発泡断熱材等の他の断熱材が充填されて固定されていてもよい。
なお、壁部における真空断熱材の配置態様としては、壁部の各面ごとに複数の真空断熱材が個々に配置されていてもよく、壁部の各面を単一の真空断熱材で覆うようにして配置されていてもよい。
また、本発明における壁部は、開口部側側面において、内壁および外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の一部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置される。このとき、上記折り曲げ部は、所望の方法により蓋部と固定されることが好ましい。
上記折り曲げ部の固定方法については、内壁および外壁間の間隙を塞いだ状態で固定できれば特に限定されないが、例えば、内壁および外壁間の空間に充填された発泡断熱材等の他の断熱材と蓋部とで上記折り曲げ部を挟持して固定されていても良く、蓋部または上記折り曲げ部に粘着層を設けて、上記粘着層を介して固定されていてもよい。
また、上記真空断熱材が、少なくとも一方の平面に折り目線部を有する場合は、上記折り曲げ部が、上記折り目線部において上記真空断熱材が折り曲げられて形成されており、開口部側側面において、上記折り曲げ部により内壁および外壁間の間隙を塞がれることが好ましい。その理由については、「(1)真空断熱材」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における壁部は、図5で示すように、内壁11Aおよび外壁11B間の空間に真空断熱材3以外の他の断熱材4が充填されていてもよい。他の断熱材を充填することで、上述したように、内壁および外壁間の空間内で真空断熱材を固定することができ、また、壁部の断熱性能をさらに向上させることができるからである。
他の断熱材としては、上記空間を充填可能なものであればよく、例えば、発泡ウレタン、ポリスチレンフォーム(押し出し型、ビーズ型)、高発泡ポリエチレン等の発泡プラスチック系断熱材、グラスウール、セラミックウール等の無機系断熱材等が挙げられる。
本発明における壁部の板厚については、外壁の板厚と、内壁の板厚と、上記内壁および上記外壁間の間隙幅との総和により、適宜設定することができる。
また、壁部の平面視上の形状は、本発明の断熱容器の形状等に応じて、適宜設計することができる。
2.断熱容器の構造
本発明の断熱容器は、上述した壁部で周囲を囲うことにより形成されるものであるが、開口部を有する面以外の全ての面が上記壁部により囲まれて成るものであってもよく、開口部を有する面以外の面の一部が上記壁部により囲まれて成るものであってもよい。
本発明の断熱容器は、少なくとも一つの面に開口部を有するものであるが、上記断熱容器の一つの面の全面が開口部であってもよく、図6で示すように、断熱容器10の一つの面の一部に開口部Oを有していても良い。この場合の壁部の開口部側側面とは、図6においてEで示す部分である。
なお、開口部の形状については特に限定されない。
本発明の断熱容器は、通常、開口部の開閉を行うための開閉用蓋部を有する。開閉用蓋部の材質については特に限定されず、断熱容器の用途等に応じて適宜選択されるが、例えば、金属、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
また、開閉用蓋部は断熱性能を有していても良く、有さなくてもよい。断熱性能を有する開閉用蓋部としては、断熱材を有する一般的なパネル等を用いてもよく、本発明における壁部をパネル状としたものを開閉用蓋部として用いてもよい。
上記開閉用蓋部は、少なくとも開口部の開閉を行うことが可能な大きさを有していれば良く、上記開口部を有する断熱容器の面と同等の大きさを有することが好ましい。
開閉用蓋部の開閉態様としては特に限定されず、例えばスライド型、扉型、嵌め込み型等の開閉態様が挙げられる。
本発明の断熱容器は、必要に応じて他の任意部材を有していても良い。例えば、断熱容器を移動させるための車輪、輸送用取っ手、内部温度を測定する温度計、および内部温度の変化を記録するデータ保存装置等が挙げられる。
本発明の断熱容器の形状としては、少なくとも一つの面に開口部を有し、上記開口部から物の出し入れが可能な形状であれば特に限定されず、立方体、直方体、円柱等、用途に応じて適宜設計することが可能である。
また、上記断熱容器の大きさ等についても特に限定されず、用途等に応じて適宜設定することができる。
本発明の断熱容器は、長期にわたる収納物の保冷、保温が可能であることから、冷蔵庫等の家電、ショーケース、冷蔵コンテナ、輸送用コンテナ、自動販売機、かご車、貯蔵庫等に用いることができる。
B.断熱容器の製造方法
次に、本発明の断熱容器の製造方法について説明する。本発明の断熱容器は、内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、少なくとも一つの面に開口部を有し、上記壁部は、上記内壁および上記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、さらに上記壁部の開口部側側面では、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように、上記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、上記壁部の上記開口部側側面が、上記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われた断熱容器の製造方法であって、上記真空断熱材の端部が上記壁部の上記開口部側側面から突出するように、上記内壁および上記外壁間の空間に上記真空断熱材が配置された上記壁部を準備する準備工程と、上記壁部の上記開口部側側面から突出した上記真空断熱材を折り曲げて、上記内壁および上記外壁間の間隙を塞ぐように上記折り曲げ部を配置する折り曲げ工程と、上記折り曲げ部の外側に上記蓋部を配置し、上記壁部の上記開口部側側面を覆う被覆工程とを有することを特徴とする。
本発明の断熱容器の製造方法について、図を参照して説明する。図7は本発明の断熱容器の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、準備工程として、一つの面に開口部Oを有する所望の断熱容器の形状に成型された外壁11Bを準備し、外壁11Bの内側に、面ごとに真空断熱材3を配置する。さらに真空断熱材3の上から、所望の間隙幅を有するように内壁11Aを配置して、壁部1を準備する(図7(a))。このとき、壁部1の開口部Oを構成する面に配置される真空断熱材3は、端部P’が開口部側側面Eから突出した状態で配置される。
次に、折り曲げ工程として、壁部1の開口部側側面Eから突出した真空断熱材の端部P’を折り曲げて折り曲げ部Pとし、折り曲げ部Pにより内壁11Aおよび外壁11B間の間隙を塞ぐ(図7(b))。これにより、内壁11Aと外壁11Bとの間には空間12を有することとなる。
次に、被覆工程として、折り曲げ部Pの外側に蓋部2を配置し、壁部1の開口部側側面Eを覆うことにより、本発明の断熱容器10が得られる(図7(c))。
本発明によれば、折り曲げ工程により、壁部の開口部側側面から突出した真空断熱材の端部を折り曲げることで、折り曲げ部により内壁および外壁間の間隙を塞ぐことができる。また被覆工程により真空断熱材の折り曲げ部を蓋部で覆い固定することにより、真空断熱材の破損を防止することができる。
よって、壁部の開口部側側面からの熱漏れが抑制された断熱性能の高い断熱容器を製造することができる。
以下、本発明の断熱容器の製造方法の各工程について説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、真空断熱材の端部が壁部の開口部側側面から突出するように、内壁および外壁間の空間に真空断熱材が配置された壁部を準備する工程である。
ここで、真空断熱材の端部が壁部の開口部側側面から突出するとは、内壁および外壁間の間隙を塞ぐことが可能な長さ分が、壁部の開口部側側面から突出していることをいう。なお、壁部の開口部側側面から突出する真空断熱材の長さについては、上述の「A.断熱容器」の項で説明した折り曲げ部の長さと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程において使用される内壁、外壁、および真空断熱材の詳細については、「A.断熱容器」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程における壁部の形成方法は、真空断熱材の端部が開口部側側面から突出するように内壁および外壁間の空間に配置可能な方法であれば特に限定されない。通常、真空断熱材の端部が開口部側側面から突出するように外壁表面に配置可能な方法が好ましい。
壁部の形成方法としては、例えば、外壁の表面に、開口部側側面から所望の長さ分端部を突出させるようにして真空断熱材を配置し、上記真空断熱材側に外壁と重なるようにして内壁を配置することにより、壁部を形成することができる。
また、外壁の表面に、開口部側側面から所望の長さ分端部を突出させるようにして真空断熱材を配置し、発泡断熱材等の他の断熱材を上記真空断熱材の表面に設けて真空断熱材を固定し、上記他の断熱材の上から内壁を配置することにより、壁部を形成することができる。
さらに、内壁および外壁間の空間の内部に、開口部側側面から所望の長さ分、端部を突出させるようにして真空断熱材を配置し、真空断熱材の周囲の空間に発泡断熱材等の他の断熱材を充填させることにより、壁部を形成することができる。
本工程において、壁部の各面ごとに真空断熱材を個々に配置してもよく、単一の真空断熱材を壁部の全面に配置してもよい。どちらの配置態様においても、真空断熱材は、壁部の開口部側側面において、端部が突出した状態で配置される。
なお、壁部の面のうち開口部を構成する面以外の面(例えば、容器の底面)においては、壁部の面よりも大きい真空断熱材が配置されてもよい。その場合、上記真空断熱材の端部は、折り曲げられて内壁および外壁間の空間に収納されていることが好ましい。
2.折り曲げ工程
本発明における折り曲げ工程は、壁部の開口部側側面から突出した真空断熱材を折り曲げて、内壁および外壁間の間隙を塞ぐように折り曲げ部を配置する工程である。
真空断熱材を折り曲げる方法については、内壁および外壁間の間隙の少なくとも一部を塞ぐように、真空断熱材を折り曲げることが可能な方法であれば特に限定されない。
また、真空断熱材が平面に折り目線部を有する場合は、上記折り目線部において折り曲げることが好ましい。真空断熱材は上記折り目線部において屈曲しやすいことから、内壁および外壁間の間隙を容易に塞ぐことが可能となるからである。
本工程において、壁部の開口部側側面から突出した真空断熱材の端部は、折り曲げられて折り曲げ部となる。上記折り曲げ部の詳細については、上述の「A.断熱容器」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.被覆工程
本発明における被覆工程は、折り曲げ部の外側に蓋部を配置し、壁部の開口部側側面を覆う工程である。
本工程において、折り曲げ工程において形成された真空断熱材の折り曲げ部の外部に蓋部を配置することで、上記折り曲げ部を固定することができる。また、壁部の開口部側側面を蓋部で覆うことで、上記折り曲げ部の表面が露出することによる破損を防止でき、これにより、壁部に配置された真空断熱材の断熱性能を長時間維持することができる。
本工程において使用される蓋部については、上述の「A.断熱容器」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、蓋部による上記折り曲げ部の固定方法については、上述の「A.断熱容器」の項で説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.任意の工程
本発明は、上述の工程の他に、任意の工程を有していてもよい。任意の工程としては、内壁および外壁間の空間に発泡断熱材等の他の断熱材を充填させる充填工程、断熱容器の開口部を有する面において開閉を行うための開閉用蓋部を設置する開閉用蓋部設置工程等が挙げられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
以下の方法により、1面に開口部を有する開閉用蓋部付きの冷蔵冷凍用ショーケースを作製した。
冷蔵冷凍用ショーケースを形成する壁部は、外壁を構成する外箱の内寸(開口部を上面とした場合の開口部側側面から底面までの距離)が500cm、内壁を構成する内箱と外箱との間隙幅が5cmとなるように設計した。
内壁および外壁間の空間に配置する真空断熱材を以下の方法により作製した。まず、外装材の一辺から、密閉する際に熱溶着される領域幅を除いて1cmおよび6cmにあたる位置に、あらかじめ折り目線部が数本形成された袋状の外装材を準備する。上記外装材の内部に芯材を入れて封止し減圧密封することで、側面から1cmの位置に折り目線部A、側面から6cmの位置に折り目線部Bを有し、長さが506cmの真空断熱材を作製した。
次に、真空断熱材の折り目線部Bが外箱の開口部側側面の位置に当たるように、真空断熱材を外箱の内側表面に粘着層を介して固定し、折り目線部Bの部分で真空断熱材を折り曲げて間隙を塞ぎ、さらに折り目線部Aで折り曲げて余剰部分を内壁および外壁間の空間内に挿入することで、開口部側側面に折り曲げ部を配置した。
次に、粘着層を介して蓋部を折り曲げ部の外側に配置して開口部側側面を覆い、折り曲げ線部を固定した。固定後、あらかじめ形成しておいた注入口から発泡断熱材を流し込み、内壁と真空断熱材との間の空間を充填した。開口部に開閉用蓋部を取り付けて冷蔵冷凍用ショーケースを得た。
得られた冷蔵冷凍用ショーケースは、真空断熱材を折り曲げずに固定した場合と比較して、断熱性能が向上した。
1 … 壁部
2 … 蓋部
3 … 真空断熱材
10 … 断熱容器
11A … 内壁
11B … 外壁
12 … 空間
E … 開口部側側面
O … 開口部
P … 折り曲げ部

Claims (3)

  1. 内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、
    少なくとも一つの面に開口部を有する断熱容器であって、
    前記壁部は、前記内壁および前記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、
    さらに前記壁部の開口部側側面では、前記内壁および前記外壁間の間隙を塞ぐように、前記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、
    前記壁部の前記開口部側側面が、前記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われていることを特徴とする断熱容器。
  2. 前記真空断熱材が、少なくとも一方の平面に折り目線部を有し、前記折り曲げ部が、前記折り目線部において前記真空断熱材が折り曲げられて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
  3. 内壁および外壁を有する壁部で周囲を囲うことにより形成され、
    少なくとも一つの面に開口部を有し、
    前記壁部は、前記内壁および前記外壁間の空間に真空断熱材が配置されており、
    さらに前記壁部の開口部側側面では、前記内壁および前記外壁間の間隙を塞ぐように、前記真空断熱材の端部が折り曲げられてなる折り曲げ部が配置されており、
    前記壁部の前記開口部側側面が、前記折り曲げ部の外側に配置された蓋部により覆われた断熱容器の製造方法であって、
    前記真空断熱材の端部が前記壁部の前記開口部側側面から突出するように、前記内壁および前記外壁間の空間に前記真空断熱材が配置された前記壁部を準備する準備工程と、
    前記壁部の前記開口部側側面から突出した前記真空断熱材を折り曲げて、前記内壁および前記外壁間の間隙を塞ぐように前記折り曲げ部を配置する折り曲げ工程と、
    前記折り曲げ部の外側に前記蓋部を配置し、前記壁部の前記開口部側側面を覆う被覆工程と
    を有することを特徴とする断熱容器の製造方法。
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