JP2017141053A - 折り畳み式保冷保温箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性を向上させることができる折り畳み式保冷保温箱を提供する。【解決手段】折り畳み式保冷保温箱100は、折り畳み可能な箱であり、箱形状に形成される外装部材101と、外装部材101の内側の第1面に沿うようにして配置される第1断熱部材113と、外装部材101の内側の第1面に連接する第2面に沿うようにして配置される第2断熱部材115と、第1断熱部材113と第2断熱部材115との間に設けられる弾性部材118Aとを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱に関するものである。
従来、保冷又は保温した状態の収容物の保管や、運搬等に保冷保温箱が用いられている。このような保冷保温箱は、その内部が断熱パネルで囲まれており、箱内の温度が変化してしまうのを抑制している。また、このような保冷保温箱は、箱内の温度変化を極力抑制するために気密性が高いことが求められるため、各断熱パネルが隙間なく配置されている必要がある。一方で、このような保冷保温箱は、収容物の運搬後等において空になった後は、箱の保管空間を減らすことが求められる場合があり、種々の折り畳み式の保冷保温箱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような折り畳み式の保冷保温箱は、箱形状に形成された外装部材の内側の各面に、断熱パネルを配置して組み立てられるが、各断熱パネルの間に隙間が存在すると、組み立てられた保冷保温箱の気密性が低くなり、断熱効果が低下してしまう場合があった。
特開平11−59739号公報
本発明の課題は、気密性を向上させることができる折り畳み式保冷保温箱を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱(100)であって、箱形状に形成される外装部材(101)と、前記外装部材の内側の第1面に沿うようにして配置される第1断熱部材(113)と、前記外装部材の内側の前記第1面に連接する第2面に沿うようにして配置される第2断熱部材(115)と、前記第1断熱部材と前記第2断熱部材との間に設けられる弾性部材(118A)と、を備える折り畳み式保冷保温箱である。
第2の発明は、第1の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記弾性部材(118A)は、前記第1断熱部材(113)と前記第2断熱部材(115)との間で圧縮されていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記弾性部材(118A)は、前記第1断熱部材(113)に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記弾性部材(118A、118D)は、前記第1断熱部材(113)及び前記第2断熱部材(115)に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第5の発明は、第4の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記第1断熱部材(113)と前記第2断熱部材(114)とは、折り込み部を挟んで連接しており、前記弾性部材(118A、118D)は、前記折り込み部を挟むようにして、前記第1断熱部材及び前記第2断熱部材の一方の面に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
本発明によれば、折り畳み式保冷保温箱の気密性を向上させることができる。
第1実施形態の搬送用パレット150に配置された保冷保温箱100を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100を説明する図である。 第1実施形態の箱部110に使用される各部材111〜117に用いられる断熱パネル120の詳細を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。 箱部110に用いられる右側板部113(左側板部114)と底板部111の詳細を説明する図である。 組み立て後の箱部110の詳細を示す図である。 各板部材に設けられる弾性部材の別な形態を示す図である。 第2実施形態の搬送用かご250に配置された保冷保温箱200を説明する図である。 第2実施形態の保冷保温箱200の組立工程を説明する図である。 箱部210に用いられる底板部211(天板部212)と背板部215の詳細を説明する図である。 組み立て後の箱部210の詳細を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の搬送用パレット150に配置された保冷保温箱100を説明する図である。
図2は、本実施形態の保冷保温箱100を説明する図である。図2(a)は、保冷保温箱100の外観を示す斜視図であり、図2(b)は、保冷保温箱100の外装部材101を取り除いた箱部110を示す斜視図である。
なお、図1、図2及び以下の説明において、理解を容易にするために、保冷保温箱100の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向のうち前後方向をX方向とし、その前後方向に直交する左右方向をY方向とする。鉛直方向のうち鉛直上側を+Z側とし、鉛直下側を−Z側とし、前後方向のうち前側を+X側とし、後側を−X側とし、左右方向のうち右側を+Y側とし、左側を−Y側とする。
保冷保温箱100は、冷凍品や、加熱品等の保温が必要な収容物を収容する断熱作用を有する箱である。本実施形態の保冷保温箱100は、図1に示すように、搬送用パレット150上に配置されており、複数の収容物を収容した保冷保温箱100をフォークリフト等により搬送することができる。
搬送用パレット150の側面には、反対側の側面に貫通する爪孔151が設けられており、この爪孔151にフォークリフトの爪部が挿入されることによって、搬送用パレット150と共に保冷保温箱100を移動することができる。
保冷保温箱100は、図1及び図2(a)に示すように、その前側(+X側)に2枚の扉が設けられた箱であり、箱部110と、箱部110の外周を覆うようにして設けられる外装部材101とから構成されている。保冷保温箱100は、収容物を収容していない場合において、箱の保管空間を減らす観点から、折り畳み可能に形成されている。
箱部110は、保冷保温箱100の箱形状を形成する直方体状の基礎部分であり、本実施形態では、図2(b)に示すように、底板部111、天板部112、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116、扉部117から構成されている。
底板部111、天板部112、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116、扉部117は、それぞれ断熱特性を有する断熱パネル(120、図3参照)により形成されている。
底板部111は、箱部110の底面(−Z側の面)を形成する矩形状の板部材である。ここで、底板部111は、後述するように保冷保温箱100の組み立てられる場合に、右側板部113、前板部116、左側板部114、背板部115に囲まれる領域に嵌め込まれて配置される。そのため、底板部111の鉛直方向(Z方向)から見た形状は、上記板部材の厚み分だけ、箱部110の外形形状よりも小さく形成されている。
天板部112は、箱部110の上面(+Z側の面)を形成する矩形状の板部材である。
右側板部113及び左側板部114は、それぞれ、箱部110の右側の側面(+Y側の面)及び左側の側面(−Y側の面)を形成する矩形状の板部材である。
背板部115は、箱部110の背面(−X側の面)を形成する矩形状の板部材である。
前板部116は、箱部110の前面(+X側の面)の鉛直下側(−Z側)を形成する矩形状の板部材である。
扉部117は、箱部110の前面の鉛直上側(+Z側)を形成する矩形状の板部材であり、箱部110に対して開閉可能に配置されている。本実施形態の扉部117は、2枚設けられており、右側の扉部117が、右側板部113に不図示の接続部材により開閉可能に配置され、左側の扉部117が、左側板部114に不図示の接続部材により開閉可能に配置されている。
ここで、箱部110を構成する各板部材(111〜117)は、所望の断熱特性を有する断熱部材を使用することができる。本実施形態では、箱部110を構成する各板部材(111〜117)には、上述したように断熱パネル120が用いられている。以下に断熱パネル120の詳細について説明する。
図3は、箱部110に使用される各部材111〜117に用いられる断熱パネル120の詳細を説明する図である。図3は、断熱パネル120の厚み方向に平行な断面である。
断熱パネル120は、図3に示すように、保護基材121、保護基材121により覆われる断熱材122、保護基材121及び断熱材122を接着する接着層123から構成されている。
保護基材121は、断熱パネル120に設けられる断熱材122を保護するとともに、箱部110を構成する部材として十分な剛性を持たせるために設けられている。保護基材121は、所望の剛性を得ることができる部材であれば特に制限されるものでなく、例えば、合板や、鉄板、発泡剤、樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等を用いることができる。保護基材121は、断熱パネル120の重量や、体積を低減させる観点から、樹脂板(例えば、プラスチックダンボールや、養生材等)を使用することが望ましい。
断熱材122は、所望の断熱特性を得られるものであれば、公知の材料を使用することができ、例えば、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボード等の繊維系断熱材、羊毛、炭化コルク等の天然素材系断熱材、押出法発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、硬質ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材、真空断熱材等を使用することができる。本実施形態では、特に薄い形状で高い断熱特性を発揮することができる真空断熱材により構成されている。そのため、高い断熱特性を有するとともに、収容物の収容容積が大きい保冷保温箱100を実現することができる。
本実施形態の断熱材122(真空断熱材)は、芯材122aと外装材122bとから構成されている。
芯材122aは、従来から使用される公知の真空断熱材の芯材に用いられる材料を使用することができ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体を使用することができる。熱伝導率の低い芯材とする観点から、上記多孔質体は、空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。
また上記芯材122aには、外部から浸入する微量の水分やガス等を吸着するためのゲッター剤を含んでいてもよい。ゲッター剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
上記芯材122aの厚みは、所望の断熱効果を発揮できれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
外装材122bは、芯材122aの外周を覆う部材であり、芯材から熱溶着層、ガスバリア層が順に積層された可撓性を有するシートである。
上記ガスバリア層は、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。ガスバリア層としては、金属箔、樹脂フィルムの片面に蒸着層が形成された蒸着フィルム等が挙げられる。
金属箔の金属材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等が挙げられる。
また、蒸着フィルムに用いられる樹脂フィルムを形成する樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等が挙げられる。蒸着層を構成する材料としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、酸化珪素等の無機化合物等が挙げられる。
上記蒸着フィルムは、蒸着層上にガスバリア性塗布膜が形成されていてもよい。上記ガスバリア性塗布膜としては、例えば、PVA等の水溶性高分子および金属アルコキシドを含み、ゾルゲル法により重縮合したバリア性組成物により形成された塗布膜等が挙げられる。
上記ガスバリア層は、単層であってもよく、同一組成または異なる組成から成る層を積層させた多層であってもよい。ガスバリア層の厚みは、ガスバリア性を発揮可能であれば特に限定されず、例えば9μm〜100μm程度である。
上記ガスバリア層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。上記表面処理により、ガスバリア性能の向上や他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。上記酸素および水蒸気透過度を上述の範囲内とすることにより、真空断熱材の内部に浸入した水分やガス等を芯材まで浸入しにくくすることができる。
なお、酸素透過度は、JIS K7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
上記熱溶着層は、外装材122bで芯材122aを封入する際に、上記外装材122bの周縁を熱溶着させて封止する機能を有する。上記熱溶着層の材料としては、例えばポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記熱溶着層は、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含んでいてもよい。
上記熱溶着層の融点は、使用環境下において貼り合せた面が剥離しない程度の接着力を有することが可能な温度であることが好ましい。上記融点は、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
上記外装材122bは、保護層を有することが好ましい。上記保護層を有することで、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護することができるからである。保護層は、ガスバリア層に対し熱溶着層側とは反対側に配置することで、真空断熱材の最外層とすることができる。
上記保護層は、十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れていることが好ましい。上記保護層の材料としては、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記保護層はシート状でもよく、一軸延伸または二軸延伸されたフィルム状でもよい。また、上記保護層は、単層であってもよく同一材料から成る層または異なる材料から成る層が積層された積層体であってもよい。
上記保護層は、他の層との密着性を向上させるために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚みは、熱溶着層およびガスバリア層を保護することが可能であれば特に限定されず、例えば5μm〜80μm程度とすることができる。
また、上記外装材122bは、上述の保護層の他、アンカーコート層、耐ピンホール層、層間接着層等の任意の層を有していてもよい。層間接着層に用いられる接着剤としては、例えば、特開2010−284854号公報で開示されるラミネート用接着剤を用いることができる。
上記外装材122bは、保護層やガスバリア層を複数有していてもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、ガスバリア層の上に保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
上記外装材122bを構成する各層は、上述した層間接着層を介して積層されていてもよく、隣接する層同士が直接接着して積層されていてもよい。
上記外装材は、透明性を有していてもよく有さなくてもよく、用途に応じて適宜設定することができる。外装材の透明性については、厳密な透過率で規定されず、用途等に応じて適宜決定することができる。
上記外装材のガスバリア性については、ガスバリア層のガスバリア性に因る。
上記真空断熱材は、外装材および上記真空断熱材を挟持する保護基材が透明である場合に、内部に検知剤を含んでいてもよい。検知剤の変化から内部の真空状態を確認できるからである。検知剤については、例えば特開2015−117801号公報に開示される酸素検知剤や水分検知剤等の気体検知剤、温度検知剤等を用いることができる。上記検知剤は真空断熱材の内部に分散されていてもよく、所望の位置に固定配置されていてもよい。
真空断熱材の内部真空度としては、所望の断熱性を発揮できればよく、例えば、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の空気の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
真空断熱材の熱伝導率(初期熱伝導率)は、例えば25℃環境下で15mW・m−1・K−1以下、中でも10mW・m−1・K−1以下、特に5mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなり、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、熱伝導率は、JIS A1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
ここで、真空断熱材は、外装材が破損した場合には、真空を維持することができなくなり、所望の断熱効果を得ることができなくなる。本実施形態の断熱材122(真空断熱材)は、上述したように保護基材121に挟まれる形態であるので、外傷等によって断熱材が傷付いてしまうのを極力回避することができ、上述の問題が生じてしまうのを抑止することができる。
接着層123は、保護基材121と断熱材122とを接着する接着剤で構成される層である。接着層123は、接着剤の他、粘着剤や、両面テープ等により構成されるようにしてもよい。また、接着層123は、保護基材121と断熱材122との間を充填する公知の充填材(例えば、発泡ウレタン、硬質ウレタンフォーム等)を使用することも可能である。
断熱パネル120の熱伝導率は、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されず、使用する断熱材にもよるが、例えば100mW/(m・K)以下、中でも50mW/(m・K)以下、特に25mW/(m・K)以下であることが好ましい。断熱パネルの熱伝導率は、上述の真空断熱材の熱伝導率と同様の測定方法により測定することができる。
また、断熱パネルの比熱は、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されず、使用する断熱材にもよるが、例えば、0.5kJ/(g・K)〜2.0kJ/(g・K)程度であり、なかでも0.8kJ/(g・K)〜1.5kJ/(g・K)の範囲内、特に1.0kJ/(g・K)〜1.4kJ/(g・K)の範囲内であることが好ましい。
断熱パネルの板厚は、所望の断熱性を有することが可能であれば特に限定されず、本実施形態の保冷保温箱100の用途やサイズ、箱部110の内容積、使用する断熱材、箱部110の構造等に応じて適宜設定することができる。本実施形態の箱部110を構成する板部材(111〜117)は、それぞれ断熱パネル120のみで構成されているが、これに限定されるものでなく、断熱パネルに加え他の構造体を有する形態としてもよい。
外装部材101は、図1に示すように、箱部110の外周を覆う直方体状に形成された可撓性を有する部材である。外装部材101は、箱部110に対する隙間を極力少なくした状態で配置されるため、箱部110の外形形状と同等の寸法、若しくは、外形形状よりも若干大きい寸法で形成されている。
外装部材101は、一体で形成されていてもよく、また、箱部110を構成する各板部材に応じて分離した外装材が縫合や接着等されて実質的に一体に形成されるようにしてもよい。本実施形態の外装部材101は、箱部110の天板部112を除く各板部材を覆うようにして、天板部112に対応する位置に開口部を有した直方体状に形成された部分と、天板部112を覆う部分とが別体で構成されている。
外装部材101は、箱部110を構成する各板材(111〜117)と不図示の接合部材により接合されている。接合部材は、例えば、接合及び分離が自在な、面ファスナーを使用することができる。
外装部材101は、保冷保温箱100の組み立て前は箱部110と共に折り畳まれており、保冷保温箱100の組み立て後は、箱部110と共に展開されて箱形状(直方体状)となる。外装部材101は、箱部110とは独立しており、直方体状の箱形状を有することができる。
ここで、外装部材101が可撓性を有するとは、保冷保温箱100を折り畳む際に、箱部110と共に外装部材101も折り畳むことが可能であり、折り畳まれた状態を維持することが可能であることをいう。
可撓性を有する部材としては、特に限定されないが、例えば樹脂フィルム、樹脂シート、不織布等が挙げられる。
樹脂フィルムや樹脂シートは、一般にカバー材として用いられるものを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂で形成されたフィルムやシートが挙げられる。
また、不織布としては、一般に外装部材として用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラスなどの繊維からなる不織布が挙げられる。
外装部材101は、上記材質のいずれか1種類からなる単層であってもよく、上記材質の層が複数積層されてなる多層構造体であってもよい。
また、外装部材101は、少なくとも一方の面に、アルミニウム等の金属が蒸着されて成る金属蒸着膜を有していてもよい。さらに、外装部材101が多層構造体である場合は、上記多層構造体を構成する層としてアルミニウム等の金属箔が含まれていてもよく、上記多層構造体を構成する層の表面に金属蒸着膜を有していてもよい。外装部材101の表面又は内部に有する金属蒸着膜や金属箔により直射日光等を反射することで日照により保冷保温機能が低下するのを防ぐことができるからである。
外装部材101の厚みは、可撓性を有することが可能であれば、特に限定されず、使用する材料等に応じて適宜設定することができる。
(保冷保温箱100の組み立て方法)
次に、本実施形態の保冷保温箱100の組み立て方法について説明する。
図4は、本実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。
図5は、本実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。図5の各図は、保冷保温箱100の2枚の扉部117の境界を通り、前後方向(X方向)に平行であり、かつ、鉛直方向(Z方向)に平行な断面(XZ面)における断面形状を示している。図4及び図5の各図は、保冷保温箱100が組み立てられるまでの過程を示す図である。
図6は、本実施形態の箱部110に用いられる右側板部113(左側板部114)と底板部111の詳細を説明する図である。図6(a)は、右側板部113(左側板部114)の詳細を示す斜視図であり、図6(b)は、底板部111の詳細を示す斜視図である。
図7は、組み立て後の箱部110の詳細を示す図である。図7(a)は、天板部112を外した箱部110の斜視図である。図7(b)及び図7(c)は、それぞれ図7(a)のb部、c部を右側から見た拡大図である。図7(d)は、図7(a)のd部拡大図である。
なお、以下の説明において、各板部材(111〜117)の表面とは、各板部材の外側の面(外装部材101と接触する側の面)をいい、各板部材(111〜117)の裏面とは、各板部材の内側の面(箱部110の内側の面)をいうものとする。また、各板部材(111〜117)の側面とは、各板部材の厚み方向に平行な面(各板部材の表面及び裏面に直交する面)をいうものとする。
展開前の保冷保温箱100は、図4(a)に示すように、後側(−X側)から順に背板部115、底板部111、左側板部114、右側板部113、天板部112、前板部116(扉部117)が積層された状態であり、この積層体の底面と側面を囲むようにして外装部材101が配置されている。また、外装部材101の左右方向(X方向)の側面及び底面の一部は、天板部112と前板部116(扉部117)との間に折り畳まれている。
まず、右側板部113と前板部116(扉部117)との間に配置された天板部112を取り出す。そして、図4(b)に示すように、前板部116(扉部117)を前側(+X側)へ移動して(矢印A)、折り畳まれた外装部材101の側面及び底面を展開する。
それから、外装部材101内において、右側板部113を右側へ開いて(矢印B)、外装部材101の右側側面に沿うようにして配置する。続いて、左側板部114を左側へ開いて(矢印C)、外装部材101の左側側面に沿うようにして配置する。
右側板部113及び左側板部114がそれぞれ外装部材101の右側面、左側面に適正に配置されたら、右側板部113及び右側の扉部117と、左側板部114及び左側の扉部117とを、不図示の接続部材により開閉自在に接続する。
なお、図4(a)に示すように、保冷保温箱100の折り畳み時において扉部117と各側板部113、114とが分離されてしまうので、接続部材は、各板部材に対して、取り付け及び取り外しが繰り返し可能な部材(例えば、面ファスナー)により固定されている。
また、前板部116も上述の扉部117と同様に、各側板部113、114に対して接続部材により取り付け及び取り外しが繰り返し可能に接続されている。
次に、図5(a)に示すように、鉛直方向に立てられた底板部111を、鉛直下側(−Z側)の端部を支点にして、上側(+Z側)の端部を前側(+X側)へ倒して(矢印D)、外装部材101の底面に沿うようにして配置する。
続いて、底板部111が外装部材101の底面に適正に配置されたら、図5(b)に示すように、天板部112を、各側板部113、114、背板部115、扉部117の上側の端縁(側面)に配置し、不図示の固定部材(例えば、面ファスナー)により固定して、保冷保温箱100が完成する。
ここで、図6(a)に示すように、右側板部113の前側(+X側)と後側(−X側)の各側面には、弾性部材118Aが設けられている。また、同様に、左側板部114の前側(+X側)と後側(−X側)の各側面には、弾性部材118Bが設けられている。
また、底板部111の各側面には、図6(b)に示すように、弾性部材118Cが設けられている。
そのため、箱部110を組み立て場合に、右側板部113と、背板部115及び前板部116(扉部117)とのそれぞれの間に、図7(a)及び図7(b)に示すように、弾性部材118Aが介在することとなり、各板部材の接触部分に隙間が生じてしまうのを抑制することができる。
同様に、左側板部114と、背板部115及び前板部116(扉部117)との間に、図7(a)及び図7(c)に示すように、弾性部材118Bが介在することとなり、各板部材の接触部分に隙間が生じてしまうのを抑制することができる。
また、底板部111と、各側板部113、114、背板部115、前板部116との間に、図7(a)及び図7(c)に示すように、弾性部材118Cが介在することとなり、各板部材の接触部分に隙間が生じてしまうのを抑制することができる。
これにより、箱部110の気密性を高くすることができ、保冷保温箱100の断熱効果を向上させることができる。
この各側板部113、114、底板部111に設けられる弾性部材118A、118B、118Cは、弾性を有するものであれば公知の材料を用いることができ、例えば、樹脂、ゴム、発泡体等が挙げられる。
樹脂としては、例えば、シリコン樹脂や、オレフィン樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化物、フッ素樹脂や、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
ゴムとしては、例えば、シリコンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
また、発泡体としては、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエステル発泡体、メラミン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、天然ゴム発泡体、合成ゴム発泡体、エラストマー発泡体等が挙げられる。
これらの材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、弾性部材は、単層であってもよく、同一または異なる種類の弾性部材を積層させたものであってもよい。
上記弾性部材は、それ自体が所望の断熱性を示す断熱材であってもよく、内部に断熱材を含んでいてもよい。
断熱材である弾性部材としては、上述の断熱パネルと同程度の熱伝導率を示す弾性体が挙げられ、例えば、上述した発泡体である。
また、内部に断熱材を含む弾性部材としては、例えば、上述の断熱材の表面が、上述の弾性部材の材料で覆われた構造を有する複合体が挙げられる。中でも上記複合体の上記断熱材の表面を覆う上記弾性部材が発泡体であることが好ましい。発泡体による断熱性能および内部に含まれる断熱材による断熱性能により、弾性部材全体でより高い断熱性能を発揮することができるからである。
この各弾性部材118A〜118Cは、互いに接触する板部材間の隙間を埋め、保冷保温箱100の気密性を向上させる観点から、各板部材の側面の全面に設けられるのが望ましい。すなわち、各側板部113、114の場合、前側及び後側の側面の上端縁から下端縁にかけて弾性部材118A、118Bが設けられ、底板部111の場合、底板部111を囲む側面の全周囲に弾性部材118Cが設けられるのが望ましい。
また、外装部材101の内側の寸法は、箱部110の外形寸法よりも若干小さい寸法(弾性部材を十分に圧縮できる程度の寸法)に形成されるのが望ましい。外装部材101内において、各板部材間に存在する弾性部材を寸法差分だけ圧縮することができ、箱部110の気密性を更に高くし、保冷保温箱100の断熱効果を更に向上させることができるからである。
(弾性部材の別な形態)
次に、各板部材に設けられる弾性部材の別な形態について説明する。
図8は、各板部材に設けられる弾性部材の別な形態を示す図である。図8の各図は、それぞれ、天板部112を外した箱部110の後側を上側から見た図である。
なお、以下の説明では、各側板部と背板部との間に設けられる弾性部材について、説明するが、他の板部材間に設けられる弾性部材について適用してもよい。
上述の説明では、各側板部113、114と背板部115との間に設けられる弾性部材は、各側板部の後側の側面に弾性部材118A、118Bが設けられる例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、図8(a)に示すように、背板部115の裏面115aの各側板部113、114と接触する領域に弾性部材118Dを設け、各側板部113、114に設けられる弾性部材118Aを省略するようにしてもよい。このような形態としても、保冷保温箱100は、上述の形態と同様の効果を奏することができる。
また、図8(b)に示すように、各側板部113、114の弾性部材118A、118Bに加え、背板部115の裏面115aの各側板部113、114と接触する領域に弾性部材118Dを更に設けるようにしてもよい。この場合、各側板部113、114と背板部115との間における弾性部材の厚みを上述の例に比して厚くすることができ、また、弾性部材同士を接触させるので、箱部110の気密性を更に向上させることができる。
更に、図8(c)の左図に示すように、各側板部113、114を、可撓性を有するシート状の弾性部材118A’、118B’により、所定の距離離れるようにして背板部115に固定してもよい。この場合、箱部110を組み立てた場合、図8(c)の右図のように、シート状の弾性部材118A’、118B’を、各側板部113、114と背板部115との間に折り畳むことができ、各板部材間の隙間を埋め、箱部110の気密性を向上させることができる。
また、各側板部113、114が、弾性部材によって背板部115に接続されているので、保冷保温箱100の組み立て時において板部材の配置位置を間違えてしまうのを防ぐことができ、保冷保温箱100の組み立てを容易にするとともに、組み立て効率を向上させることができる。
また、図8(d)に示すように、各側板部113、114の裏面113a、113bの後側に、弾性部材118A、118Bを設け、また、背板部115の裏面115aの左右両端に、弾性部材118Dを設け、各側板部113、114と背板部115とが、弾性部材を介して接触するようにしてもよい。この場合、弾性部材同士が接触するので、箱部110の気密性を更に向上させることができる。
上述の図8(d)に示す弾性部材の接触形態を適用する場合、例えば、各側板部113、114と背板部115は、それぞれが連接する形態としてもよい。具体的には、図8(e)に示すように、左側板部114、背板部115、右側板部113が順に連接し、各板部材の裏面の境界に折り目となる溝(折り込み部)が設けられ、この溝の両脇に各板部材の弾性部材が設けられるようにしてもよい。このような形態にすることで、箱部110の気密性を更に向上させるとともに、背板部115に対する各側板部113、114の組み立てをより容易にすることができる。
以上より、本実施形態の保冷保温箱100は、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の保冷保温箱100は、各側板部113、114と背板部115との間、各側板部113、114と前板部116(扉部117)との間、底板部111とそれを囲む背板部115、各側板部113、114、前板部116との間のそれぞれに弾性部材が設けられている。これにより、外装部材101内において、各板部材が組み立てられることにより、各板部材間の隙間が弾性部材により埋められて、箱部110の気密性を高くすることができ、保冷保温箱100の断熱効果を向上させることができる。
(2)本実施形態の保冷保温箱100は、各側板部113、114の弾性部材118A、118Bに加え、背板部115の裏面115aの各側板部113、114と接触する領域に弾性部材118Dを更に設けることができる(図8(b)〜図8(e)参照)。これにより、弾性部材の厚みを厚くすることができるとともに、弾性部材同士を接触させることができるので、箱部110の気密性を更に向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の保冷保温箱200について説明する。
図9は、第2実施形態の搬送用かご250に配置された保冷保温箱200を説明する図である。図9(a)は、搬送用かご250に配置された保冷保温箱200の斜視図であり、図9(b)は、保冷保温箱200から外装部材201を取り除いた箱部210を説明する図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の保冷保温箱200は、図9に示すように、前板部が省略され、前側の面の全体が扉部217により形成されている点と、搬送用かご250に配置されている点と、組み立て手順が相違する点で、上述の第1実施形態の保冷保温箱100と相違する。
本実施形態の保冷保温箱200は、図9(a)に示すように、搬送用かご250上に配置されており、複数の収容物を収容した保冷保温箱200を自在に搬送することができる。
搬送用かご250は、保冷保温箱200を載置する台車部251、保冷保温箱200の右側面及び左側面を保持する柵部252等から構成されている。この台車部251の各角部には、床上を自在に移動することができる車輪251aが配置されている。
保冷保温箱200は、その前側(+X側)に1枚の扉が設けられた箱であり、箱部210と、箱部210の外周を覆うようにして設けられる外装部材201とから構成されている。保冷保温箱200は、収容物を収容していない場合において、箱の保管空間を減らす観点から、折り畳み可能に形成されている。
箱部210は、保冷保温箱200の箱形状を形成する直方体状の基礎部分であり、本実施形態では、図9(b)に示すように、底板部211、天板部212、右側板部213、左側板部214、背板部215、扉部217から構成されている。
底板部211、天板部212、右側板部213、左側板部214、背板部215、扉部217は、それぞれ断熱特性を有する断熱パネル(図3参照)により形成されている。
背板部215は、後述するように保冷保温箱200が組み立てられる場合に、右側板部213、天板部212、左側板部214、底板部211に囲まれる領域に嵌め込まれて配置される。そのため、背板部215の前後方向(X方向)から見た形状は、上記板部材の厚み分だけ、箱部210の外形形状よりも小さく形成されている。
扉部217は、箱部210の前面を形成する矩形状の板部材であり、箱部210に対して開閉可能に配置されている。本実施形態の扉部217は、右側板部213に不図示の接続部材により開閉可能に配置されている。
(保冷保温箱200の組み立て方法)
次に、本実施形態の保冷保温箱200の組み立て方法について説明する。
図10は、本実施形態の保冷保温箱200の組立工程を説明する図である。図10の各図は、保冷保温箱200が組み立てられるまでの過程を示す図である。
図11は、本実施形態の箱部210に用いられる底板部211(天板部212)と背板部215の詳細を説明する図である。図11(a)は、底板部211(天板部212)の詳細を示す斜視図であり、図11(b)は、背板部215の詳細を示す斜視図である。
図12は、組み立て後の箱部210の詳細を示す図である。図12(a)は、扉部217を除いた箱部210の斜視図である。図12(b)及び図12(c)は、それぞれ図12(a)のb部、c部を前側から見た拡大図である。図12(d)は、図12(a)のd部拡大図である。
なお、以下の説明において、各板部材(211〜217)の表面とは、各板部材の外側の面(外装部材201と接触する側の面)をいい、各板部材(211〜217)の裏面とは、各板部材の内側の面(箱部210の内側の面)をいうものとする。また、各板部材(211〜217)の側面とは、各板部材の厚み方向に平行な面(各板部材の表面及び裏面に直交する面)をいうものとする。
組み立て前の保冷保温箱200は、図10(a)に示すように、右側(+Y側)から順に右側板部213、背板部215、底板部211、天板部212、左側板部214が積層された状態であり、この積層体の上面(+Z側の面)、底面(−Z側の面)、左右側面(+Y及び−Y側の面)、背面(−X側の面)を囲むようにして外装部材201が配置されている。また、外装部材201の上面、底面、背面は、その一部が、天板部212と左側板部214との間に折り畳まれている。
なお、扉部217は、外装部材201を介して右側板部213の右側(+Y側)に折り重ねられている。
まず、図10(b)に示すように、左側板部214を左側(−Y側)へ移動して(矢印A)、折り畳まれた外装部材201の上面、底面、背面を展開する。
それから、外装部材201内において、天板部212を左上側へ開いて(矢印B)、外装部材201の天面に沿うようにして配置する。続いて、底板部211を左下側へ開いて(矢印C)、外装部材201の底面に沿うようにして配置する。
次に、右側板部213に積層された背板部215を、後側(−X側)端縁を支点にして、前側(+X側)端縁を左後側へ倒して(矢印D)、外装部材201の背面に沿うようにして配置する。
背板部215が外装部材201の背面に適正に配置されたら、図10(c)に示すように、右側板部213に折り重ねられた扉部217を折り返して(矢印E)、各側板部213、214、天板部212、底板部211の前側(+X側)の端縁(側面)上に配置して、保冷保温箱200が完成する。
ここで、図11(a)に示すように、底板部211の右側(+Y側)と左側(−Y側)の各側面には、弾性部材218Aが設けられている。また、同様に、天板部212の右側(+Y側)と左側(−Y側)の各側面には、弾性部材218Bが設けられている。
また、背板部115の各側面には、図11(b)に示すように、弾性部材218Cが設けられている。
そのため、箱部210を組み立て場合に、底板部211と、各側板部213、214との間に、図12(a)及び図12(b)に示すように、弾性部材218Aが介在することとなり、各板部材の接触部分に隙間が生じてしまうのを抑制することができる。
同様に、天板部212と、各側板部213、214との間に、図12(a)及び図12(c)に示すように、弾性部材218Bが介在することとなり、各板部材の接触部分に隙間が生じてしまうのを抑制することができる。
また、背板部215と、底板部211、各側板部213、214、天板部212との間に、図12(a)及び図12(d)に示すように、弾性部材218Cが介在することとなり、各板部材の接触部分に隙間が生じてしまうのを抑制することができる。
これにより、箱部210の気密性を高くすることができ、保冷保温箱200の断熱効果を向上させることができる。
この底板部211、天板部212、背板部215に設けられる弾性部材218A、218B、218Cは、弾性を有するものであれば公知の材料を用いることができ、上述の第1実施形態の弾性部材と同様の材料を使用することができる。
この各弾性部材218A〜218Cは、互いに接触する板部材間の隙間を埋め、箱部210の気密性を向上させる観点から、各板部材の側面の全面に設けられるのが望ましい。すなわち、底板部211、天板部212の場合、右側及び左側の側面の前側端縁から後側端縁にかけて弾性部材218A、218Bが設けられ、背板部215の場合、背板部215を囲む側面の全周囲に弾性部材218Cが設けられるのが望ましい。
また、外装部材201の内側の寸法は、箱部200の外形寸法よりも若干小さい寸法(弾性部材を十分に圧縮できる程度の寸法)に形成されるのが望ましい。外装部材201内において、各板部材間に存在する弾性部材を寸法差分だけ圧縮することができ、箱部210の気密性を更に向上させ、保冷保温箱200の断熱効果を更に向上させることができるからである。
以上より、本実施形態の保冷保温箱200は、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、外装部材201内において、各板部材が組み立てられることにより、各板部材間の隙間が弾性部材により埋められて、箱部210の気密性を高くすることができ、保冷保温箱200の断熱効果を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
上述の第1実施形態において、保冷保温箱100は、各側板部113、114、背板部115、扉部117の上側の側面と天板部112の裏面との間に弾性部材を設けるようにしてもよい。これにより、箱部110の気密性を更に高くすることができ、保冷保温箱100の断熱効果を更に向上させることができる。
なお、この場合、弾性部材は、各側板部113、114、背板部115、扉部117の上側の側面に設けるようにしてもよく、天板部112の裏面の各板部材と接触する面に設けるようにしてもよく、上記各板部材の上側側面と天板部112の裏面の各板部材と接触する面の両方に設けるようにしてもよい。
また同様に、第2実施形態においても、保冷保温箱200は、底板部211、天板部212、各側板部213、214の前側の側面と、扉部217の裏面との間に弾性部材を設けるようにしてもよい。これにより、箱部210の気密性を更に高くすることができ、保冷保温箱200の断熱効果を更に向上させることができる。
100、200 保冷保温箱
101、201 外装部材
101a、201a 通気口
110、210 箱部材
111、221 底板部
112、222 天板部
113、223 右側板部
114、224 左側板部
115、225 背板部
116 前板部
117、227 扉部
118、228 弾性部材
150 搬送用パレット
250 搬送用かご

Claims (5)

  1. 折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱であって、
    箱形状に形成される外装部材と、
    前記外装部材の内側の第1面に沿うようにして配置される第1断熱部材と、
    前記外装部材の内側の前記第1面に連接する第2面に沿うようにして配置される第2断熱部材と、
    前記第1断熱部材と前記第2断熱部材との間に設けられる弾性部材と、
    を備える折り畳み式保冷保温箱。
  2. 請求項1に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記弾性部材は、前記第1断熱部材と前記第2断熱部材との間で圧縮されていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記弾性部材は、前記第1断熱部材に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記弾性部材は、前記第1断熱部材及び前記第2断熱部材に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  5. 請求項4に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記第1断熱部材と前記第2断熱部材とは、折り込み部を挟んで連接しており、
    前記弾性部材は、前記折り込み部を挟むようにして、前記第1断熱部材及び前記第2断熱部材の一方の面に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
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