JP6810377B2 - 折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱 - Google Patents

折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱 Download PDF

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Description

本発明は、折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱に関するものである。
従来、保冷又は保温した状態の収容物の保管や、運搬等に保冷保温箱が用いられている。このような保冷保温箱は、その内部が断熱パネルで囲まれており、箱内の温度が変化してしまうのを抑制している。また、このような保冷保温箱は、箱内の温度変化を極力抑制するために気密性が高いことが求められるため、各断熱パネルが隙間なく配置されている必要がある。一方で、このような保冷保温箱は、収容物の運搬後等において空になった後は、箱の保管空間を減らすことが求められる場合があり、種々の折り畳み式の保冷保温箱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような折り畳み式の保冷保温箱は、箱形状に形成された外装部材の内側に断熱パネルを展開して組み立てられる。特許文献1の保冷保温箱の場合、底面の断熱パネルを外装部材に配置しようとしたときに、外装部材と断熱パネルとの間に介在する空気が抜け難いため、断熱パネルを適正な位置に配置するまでに時間がかかってしまい、保冷保温箱の組み立て効率が低下してしまう場合があった。
特開平11−59739号公報
本発明の課題は、組み立て効率を向上させることができる折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱(100)であって、箱形状に形成される外装部材(101)と、前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置される平板状の断熱部材(111)とを備え、前記外装部材は、前記断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に通気口(101a)が設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第2の発明は、第1の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材の前記断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第3の発明は、第2の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)が設けられた前記外装部材(101)の内側の面と前記断熱部材(111)との間に配置される第2の断熱部材(116)を更に備え、前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口(118)を有すること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第4の発明は、第1の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材(101)の前記断熱部材(111)の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、複数設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、スリット状に形成されていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第9の発明は、組み立て可能な組み立て式保冷保温箱(100)であって、箱形状に組み立て可能な外装部材(101)と、前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置可能な平板状の断熱部材(111)とを備え、前記外装部材は、前記断熱部材が配置された状態で前記外装部材が前記断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に、通気口(101a)が設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第10の発明は、第9の発明の組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材の前記断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第11の発明は、第10の発明の組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)が設けられた前記外装部材(101)の内側の面と前記断熱部材(111)との間に配置される第2の断熱部材(116)を更に備え、前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口(118)を有すること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第12の発明は、第9の発明の組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材(101)の前記断熱部材(111)の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第13の発明は、第9の発明から第12の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、複数設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第14の発明は、第9の発明から第13の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、スリット状に形成されていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第15の発明は、第9の発明から第14の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第16の発明は、第9の発明から第15の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
本発明によれば、組み立て式保冷保温箱の組み立て効率を向上させることができる。
第1実施形態の搬送用パレット150に配置された保冷保温箱100を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100を説明する図である。 第1実施形態の箱部110に使用される各部材111〜117に用いられる断熱パネル120の詳細を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100に設けられた通気口を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100に設けられた通気口の別な形態を説明する図である。 第1実施形態の保冷保温箱100に設けられた通気口の別な形態を説明する図である。 第2実施形態の搬送用かご250に配置された保冷保温箱200を説明する図である。 第2実施形態の保冷保温箱200の組立工程を説明する図である。 第2実施形態の保冷保温箱200に設けられた通気口を説明する図である。 第3実施形態の折り畳み式保冷保温箱の一例を示す概略斜視図である。 第3実施形態の折り畳み式保冷保温箱の折り畳み状態(展開前)の例を示す概略上面図である。 第3実施形態の折り畳み式保冷保温箱の組み立て方法の一部を示す工程図である。 第3実施形態の折り畳み式保冷保温箱の組み立て方法の一部を示す工程図である。 従来の折り畳み式保冷保温箱の組み立て方法の一例を示す説明図である。 断熱パネルの一例を示す概略断面図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の搬送用パレット150に配置された保冷保温箱100を説明する図である。
図2は、本実施形態の保冷保温箱100を説明する図である。図2(a)は、保冷保温箱100の外観を示す斜視図であり、図2(b)は、保冷保温箱100の外装部材101を取り除いた箱部110を示す斜視図である。
なお、図1、図2及び以下の説明において、理解を容易にするために、保冷保温箱100の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向のうち前後方向をX方向とし、その前後方向に直交する左右方向をY方向とする。鉛直方向のうち鉛直上側を+Z側とし、鉛直下側を−Z側とし、前後方向のうち前側を+X側とし、後側を−X側とし、左右方向のうち右側を+Y側とし、左側を−Y側とする。
保冷保温箱100(折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱)は、冷凍品や、加熱品等の保温が必要な収容物を収容する断熱作用を有する箱である。本実施形態の保冷保温箱100は、図1に示すように、搬送用パレット150上に配置されており、複数の収容物を収容した保冷保温箱100をフォークリフト等により搬送することができる。
搬送用パレット150の側面には、反対側の側面に貫通する爪孔151が設けられており、この爪孔151にフォークリフトの爪部が挿入されることによって、搬送用パレット150と共に保冷保温箱100を移動することができる。
保冷保温箱100は、図1及び図2(a)に示すように、その前側(+X側)に2枚の扉が設けられた箱であり、箱部110と、箱部110の外周を覆うようにして設けられる外装部材101とから構成されている。保冷保温箱100は、収容物を収容していない場合において、箱の保管空間を減らす観点から、折り畳み可能であって組み立て可能に形成されている。
箱部110は、保冷保温箱100の箱形状を形成する直方体状の基礎部分であり、本実施形態では、図2(b)に示すように、底板部111、天板部112、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116、扉部117から構成されている。
底板部111、天板部112、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116、扉部117は、それぞれ断熱特性を有する断熱パネル(120、図3参照)により形成されている。
底板部111は、箱部110の底面(−Z側の面)を形成する矩形状の板部材である。ここで、底板部111は、後述するように保冷保温箱100の組み立てられる場合に、右側板部113、前板部116、左側板部114、背板部115に囲まれる領域に嵌め込まれて配置される。そのため、底板部111の鉛直方向(Z方向)から見た形状は、上記板部材の厚み分だけ、箱部110の外形形状よりも小さく形成されている。
天板部112は、箱部110の上面(+Z側の面)を形成する矩形状の板部材である。
右側板部113及び左側板部114は、それぞれ、箱部110の右側の側面(+Y側の面)及び左側の側面(−Y側の面)を形成する矩形状の板部材である。
背板部115は、箱部110の背面(−X側の面)を形成する矩形状の板部材である。
前板部116は、箱部110の前面(+X側の面)の鉛直下側(−Z側)を形成する矩形状の板部材である。
扉部117は、箱部110の前面の鉛直上側(+Z側)を形成する矩形状の板部材であり、箱部110に対して開閉可能に配置されている。本実施形態の扉部117は、2枚設けられており、一方の扉部117が、右側板部113に不図示の開閉部材により開閉可能に配置され、他方の扉部117が、左側板部114に不図示の開閉部材により開閉可能に配置されている。
ここで、箱部110を構成する各板部材(111〜117)は、所望の断熱特性を有する断熱部材を使用することができる。本実施形態では、箱部110を構成する各板部材(111〜117)には、上述したように断熱パネル120が用いられている。以下に断熱パネル120の詳細について説明する。
図3は、箱部110に使用される各部材111〜117に用いられる断熱パネル120の詳細を説明する図である。図3は、断熱パネル120の厚み方向に平行な断面である。
断熱パネル120は、図3に示すように、保護基材121、保護基材121により覆われる断熱材122、保護基材121及び断熱材122を接着する接着層123から構成されている。
保護基材121は、断熱パネル120に設けられる断熱材122を保護するとともに、箱部110を構成する部材として十分な剛性を持たせるために設けられている。保護基材121は、所望の剛性を得ることができる部材であれば特に制限されるものでなく、例えば、合板や、鉄板、発泡剤、樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等を用いることができる。保護基材121は、断熱パネル120の重量や、体積を低減させる観点から、樹脂板(例えば、プラスチックダンボールや、養生材等)を使用することが望ましい。
断熱材122は、所望の断熱特性を得られるものであれば、公知の材料を使用することができ、例えば、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボード等の繊維系断熱材、羊毛、炭化コルク等の天然素材系断熱材、押出法発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、硬質ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材、真空断熱材等を使用することができる。本実施形態では、特に薄い形状で高い断熱特性を発揮することができる真空断熱材により構成されている。そのため、高い断熱特性を有するとともに、収容物の収容容積が大きい保冷保温箱100を実現することができる。
本実施形態の断熱材122(真空断熱材)は、芯材122aと外装材122bとから構成されている。
芯材122aは、従来から使用される公知の真空断熱材の芯材に用いられる材料を使用することができ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体を使用することができる。熱伝導率の低い芯材とする観点から、上記多孔質体は、空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。
また上記芯材122aには、外部から浸入する微量の水分やガス等を吸着するためのゲッター剤を含んでいてもよい。ゲッター剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
上記芯材122aの厚みは、所望の断熱効果を発揮できれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
外装材122bは、芯材122aの外周を覆う部材であり、芯材から熱溶着層、ガスバリア層が順に積層された可撓性を有するシートである。
上記ガスバリア層は、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。ガスバリア層としては、金属箔、樹脂フィルムの片面に蒸着層が形成された蒸着フィルム等が挙げられる。
金属箔の金属材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等が挙げられる。
また、蒸着フィルムに用いられる樹脂フィルムを形成する樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等が挙げられる。蒸着層を構成する材料としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、酸化珪素等の無機化合物等が挙げられる。
上記蒸着フィルムは、蒸着層上にガスバリア性塗布膜が形成されていてもよい。上記ガスバリア性塗布膜としては、例えば、PVA等の水溶性高分子および金属アルコキシドを含み、ゾルゲル法により重縮合したバリア性組成物により形成された塗布膜等が挙げられる。
上記ガスバリア層は、単層であってもよく、同一組成または異なる組成から成る層を積層させた多層であってもよい。ガスバリア層の厚みは、ガスバリア性を発揮可能であれば特に限定されず、例えば9μm〜100μm程度である。
上記ガスバリア層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。上記表面処理により、ガスバリア性能の向上や他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。上記酸素および水蒸気透過度を上述の範囲内とすることにより、真空断熱材の内部に浸入した水分やガス等を芯材まで浸入しにくくすることができる。
なお、酸素透過度は、JIS K7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
上記熱溶着層は、外装材122bで芯材122aを封入する際に、上記外装材122bの周縁を熱溶着させて封止する機能を有する。上記熱溶着層の材料としては、例えばポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記熱溶着層は、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含んでいてもよい。
上記熱溶着層の融点は、使用環境下において貼り合せた面が剥離しない程度の接着力を有することが可能な温度であることが好ましい。上記融点は、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
上記外装材122bは、保護層を有することが好ましい。上記保護層を有することで、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護することができるからである。保護層は、ガスバリア層に対し熱溶着層側とは反対側に配置することで、真空断熱材の最外層とすることができる。
上記保護層は、十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れていることが好ましい。上記保護層の材料としては、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記保護層はシート状でもよく、一軸延伸または二軸延伸されたフィルム状でもよい。また、上記保護層は、単層であってもよく同一材料から成る層または異なる材料から成る層が積層された積層体であってもよい。
上記保護層は、他の層との密着性を向上させるために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚みは、熱溶着層およびガスバリア層を保護することが可能であれば特に限定されず、例えば5μm〜80μm程度とすることができる。
また、上記外装材122bは、上述の保護層の他、アンカーコート層、耐ピンホール層、層間接着層等の任意の層を有していてもよい。層間接着層に用いられる接着剤としては、例えば、特開2010−284854号公報で開示されるラミネート用接着剤を用いることができる。
上記外装材122bは、保護層やガスバリア層を複数有していてもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、ガスバリア層の上に保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
上記外装材122bを構成する各層は、上述した層間接着層を介して積層されていてもよく、隣接する層同士が直接接着して積層されていてもよい。
上記外装材は、透明性を有していてもよく有さなくてもよく、用途に応じて適宜設定することができる。外装材の透明性については、厳密な透過率で規定されず、用途等に応じて適宜決定することができる。
上記外装材のガスバリア性については、ガスバリア層のガスバリア性に因る。
上記真空断熱材は、外装材および上記真空断熱材を挟持する保護基材が透明である場合に、内部に検知剤を含んでいてもよい。検知剤の変化から内部の真空状態を確認できるからである。検知剤については、例えば特開2015−117801号公報に開示される酸素検知剤や水分検知剤等の気体検知剤、温度検知剤等を用いることができる。上記検知剤は真空断熱材の内部に分散されていてもよく、所望の位置に固定配置されていてもよい。
真空断熱材の内部真空度としては、所望の断熱性を発揮できればよく、例えば、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の空気の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
真空断熱材の熱伝導率(初期熱伝導率)は、例えば25℃環境下で15mW・m−1・K−1以下、中でも10mW・m−1・K−1以下、特に5mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなり、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、熱伝導率は、JIS A1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
ここで、真空断熱材は、外装材が破損した場合には、真空を維持することができなくなり、所望の断熱効果を得ることができなくなる。本実施形態の断熱材122(真空断熱材)は、上述したように保護基材121に挟まれる形態であるので、外傷等によって断熱材が傷付いてしまうのを極力回避することができ、上述の問題が生じてしまうのを抑止することができる。
接着層123は、保護基材121と断熱材122とを接着する接着剤で構成される層である。接着層123は、接着剤の他、粘着剤や、両面テープ等により構成されるようにしてもよい。また、接着層123は、保護基材121と断熱材122との間を充填する公知の充填材(例えば、発泡ウレタン、硬質ウレタンフォーム等)を使用することも可能である。
断熱パネル120の熱伝導率は、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されず、使用する断熱材にもよるが、例えば100mW/(m・K)以下、中でも50mW/(m・K)以下、特に25mW/(m・K)以下であることが好ましい。断熱パネルの熱伝導率は、上述の真空断熱材の熱伝導率と同様の測定方法により測定することができる。
また、断熱パネルの比熱は、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されず、使用する断熱材にもよるが、例えば、0.5kJ/(g・K)〜2.0kJ/(g・K)程度であり、なかでも0.8kJ/(g・K)〜1.5kJ/(g・K)の範囲内、特に1.0kJ/(g・K)〜1.4kJ/(g・K)の範囲内であることが好ましい。
断熱パネルの板厚は、所望の断熱性を有することが可能であれば特に限定されず、本実施形態の保冷保温箱100の用途やサイズ、箱部110の内容積、使用する断熱材、箱部110の構造等に応じて適宜設定することができる。本実施形態の箱部110を構成する板部材(111〜117)は、それぞれ断熱パネル120のみで構成されているが、これに限定されるものでなく、断熱パネルに加え他の構造体を有する形態としてもよい。
外装部材101は、図1に示すように、箱部110の外周を覆う直方体状に形成された可撓性を有する部材であり、所定の形態に折り畳み可能であって組み立て可能に形成されている。外装部材101は、箱部110に対する隙間を極力少なくした状態で配置されるため、箱部110の外形形状と同等の寸法、若しくは、外形形状よりも若干大きい寸法で形成されている。
外装部材101は、一体で形成されていてもよく、また、箱部110を構成する各板部材に応じて分離した外装材が縫合や接着等されて実質的に一体に形成されるようにしてもよい。本実施形態の外装部材101は、箱部110の天板部112を除く各板部材を覆うようにして、天板部112に対応する位置に開口部を有した直方体状に形成された部分と、天板部112を覆う部分とが別体で構成されている。
外装部材101は、箱部110を構成する各板材(111〜117)と不図示の接合部材により接合されている。接合部材は、例えば、接合及び分離が自在な、面ファスナーを使用することができる。
外装部材101は、保冷保温箱100の組み立て前は箱部110と共に折り畳まれており、保冷保温箱100の組み立て後は、箱部110と共に展開されて箱形状(直方体状)となる。外装部材101は、箱部110とは独立しており、直方体状の箱形状を有することができる。
ここで、外装部材101が可撓性を有するとは、保冷保温箱100を折り畳む際に、箱部110と共に外装部材101も折り畳むことが可能であり、折り畳まれた状態を維持することが可能であることをいう。
可撓性を有する部材としては、特に限定されないが、例えば樹脂フィルム、樹脂シート、不織布等が挙げられる。
樹脂フィルムや樹脂シートは、一般にカバー材として用いられるものを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂で形成されたフィルムやシートが挙げられる。
また、不織布としては、一般に外装部材として用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラスなどの繊維からなる不織布が挙げられる。
外装部材101は、上記材質のいずれか1種類からなる単層であってもよく、上記材質の層が複数積層されてなる多層構造体であってもよい。
また、外装部材101は、少なくとも一方の面に、アルミニウム等の金属が蒸着されて成る金属蒸着膜を有していてもよい。さらに、外装部材101が多層構造体である場合は、上記多層構造体を構成する層としてアルミニウム等の金属箔が含まれていてもよく、上記多層構造体を構成する層の表面に金属蒸着膜を有していてもよい。外装部材101の表面又は内部に有する金属蒸着膜や金属箔により直射日光等を反射することで日照により保冷保温機能が低下するのを防ぐことができるからである。
外装部材101の厚みは、可撓性を有することが可能であれば、特に限定されず、使用する材料等に応じて適宜設定することができる。
(保冷保温箱100の組み立て方法)
次に、本実施形態の保冷保温箱100の組み立て方法について説明する。
図4は、本実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。
図5は、本実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。図5の各図は、保冷保温箱100の2枚の扉部117の境界を通り、前後方向(X方向)に平行であり、かつ、鉛直方向(Z方向)に平行な断面(XZ面)における断面形状を示している。図4及び図5の各図は、保冷保温箱100が組み立てられるまでの過程を示す図である。
展開前の保冷保温箱100は、図4(a)に示すように、後側(−X側)から順に背板部115、底板部111、左側板部114、右側板部113、天板部112、前板部116(扉部117)が積層された状態であり、この積層体の底面と側面を囲むようにして外装部材101が配置されている。また、外装部材101の左右方向(X方向)の側面及び底面の一部は、天板部112と前板部116(扉部117)との間に折り畳まれている。
まず、右側板部113と前板部116(扉部117)との間に配置された天板部112を取り出す。そして、図4(b)に示すように、前板部116(扉部117)を前側(+X側)へ移動して(矢印A)、折り畳まれた外装部材101の側面及び底面を展開する。
それから、外装部材101内において、右側板部113を右側へ開いて(矢印B)、外装部材101の右側側面に沿うようにして配置する。続いて、左側板部114を左側へ開いて(矢印C)、外装部材101の左側側面に沿うようにして配置する。
次に、図5(a)に示すように、鉛直方向に立てられた底板部111を、鉛直下側(−Z側)の端部を支点にして、上側(+Z側)の端部を前側(+X側)へ倒して(矢印D)、外装部材101の底面に沿うようにして配置する。
ここで、図5(a)に示す状態である組み立て途中の保冷保温箱100は、上側に開口部を有する箱形状であるため、底板部111を外装部材101の底面に倒した場合に、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気が箱外へ抜け難くなり、底板部111を適正な位置に配置するまでに時間がかかってしまう場合がある。
そこで、本実施形態の保冷保温箱100は、上記問題を解決するために通気口が設けられている。通気口の詳細について、以下に説明する。
図6は、保冷保温箱100に設けられた通気口を説明する図である。図6(a)は、図5(a)のa部詳細を示す図であり、図6(b)は、保冷保温箱100の下側を前側(+X側)から見た図であり、図6(c)は、保冷保温箱100の下側を右側(+Y側)から見た図である。
本実施形態の保冷保温箱100は、図6に示すように、前板部116、右側板部113、左側板部114のそれぞれの底板部111と重なる領域に通気口118が形成されている。また、外装部材101の上記通気口118に対応する位置に通気口101aが形成されている。
このように、保冷保温箱100に通気口101a、118を設けることによって、組み立て時において、底板部111を外装部材101の底面に倒した場合に、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気されやすくなり、底板部111を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
本実施形態の前板部116には、図6(b)に示すように、底板部111と重なる領域の右側(+Y側)端部、左側(−Y側)端部、右側端部及び左側端部間の中央部の3カ所に通気口118が設けられている。すなわち、通気口118は、前板部116における、底板部111の前側の両角部と、その角部に挟まれる中央部とに対応する位置に設けられている。なお、底板部111の形状や、寸法に応じて、いずれかの通気口を省略してもよい。
このように前板部116の底板部111の左右方向(Y方向)における両端部(角部)と中央部とに対応する位置に通気口118が設けられることによって、底板部111及び外装部材101の底面との間の空気をより効率よく排気することができる。
また、前板部116の底板部111と重なる領域に通気口118を設けることによって、組み立て後の保冷保温箱100において、底板部111により通気口118が塞がれることとなり、保冷保温箱100の気密性を向上させることができる。
また、本実施形態の右側板部113には、図6(c)に示すように、底板部111と重なる領域の前側(+X側)端部と、前記領域の前後方向(X方向)における中央部との2カ所に通気口118設けられている。
左側板部114には、右側板部113と同様に、底板部111と重なる領域の前側(+X側)端部と、前記領域の前後方向における中央部との2カ所に通気口118設けられている。
本実施形態では、上述したように底板部111が後側(−X側)の端縁を支点として前側(+X側)に倒されるため、空気の排気効率を十分に維持しつつ、箱部110の気密性の低下を極力抑制する観点から、他の部位に比して排気効率の低くなる右側板部113及び左側板部114の後側端部には通気口が省略されている。
また、各側板部113、114の底板部111と重なる領域に通気口118を設けることによって、上述の前板部116の通気口118と同様に、組み立て後の保冷保温箱100において、底板部111により通気口118が塞がれることとなり、保冷保温箱100の気密性を向上させることができる。
本実施形態の保冷保温箱100に設けられた各通気口は、円形状の孔に形成されている。ここで、前板部116、右側板部113、左側板部114のそれぞれに設けられた通気口118の直径d2は、図6(a)に示すように、外装部材101に設けられた通気口101aの直径d1よりも小さくなる(d1>d2)ように形成されるのが望ましい。外装部材101に対して、前板部116や、右側板部113、左側板部114がずれた状態で配置されたとしても、通気口118が塞がれてしまうのを極力抑制することができるからである。
また、前板部116、右側板部113、左側板部114のそれぞれに設けられた通気口118の直径d2は、底板部111の厚みtよりも小さくなる(t>d2)ように形成されるのが望ましい。底板部111を適正な位置に配置した場合に、各板部材に設けられた各通気孔が、底板部111により塞がれることとなるので、組み立て後の箱部110の気密性を向上させることができるからである。
図5に戻って、底板部111が外装部材101の底面に適正に配置されたら、図5(b)に示すように、天板部112を、各側板部113、114、背板部115、扉部117の上側の端縁に配置し、不図示の固定部材により固定して、保冷保温箱100が完成する。
なお、各板部材は、保冷保温箱100の組み立て容易性を向上させる観点から、互いに接続部材により開閉可能に接続されるようにしてもよい。例えば、本実施形態の保冷保温箱100の場合、背板部115の右側端縁と右側板部113の後側端縁とが接合部材により開閉可能に接合されるようにしてもよい。同様に、背板部115の左側端縁と左側板部114の後側端縁とが、背板部115の下側端縁と底板部111の後側端縁とが、それぞれ接合部材により開閉可能に接合されるようにしてもよい。
(通気口の別な形態)
次に、保冷保温箱100に設けられる通気口の別な形態について説明する。
図7は、保冷保温箱100に設けられた通気口の別な形態を説明する図である。図7(a)は、図6(a)に対応する図であり、図7(b)は、図6(b)に対応する図である。
図8は、保冷保温箱100に設けられた通気口の別な形態を説明する図である。図8(a)は、図6(a)に対応する図であり、図8(b)は、前板部116及び扉部117間の境界における前後方向及び左右方向に平行な面(XY面)における保冷保温箱100の断面形状を、鉛直上側から見た図である。
外装部材101及び各板部材(右側板部113、左側板部114、前板部116)に設けられる通気口の形態は、上述の図6に示す形態に限定されるものでない。
例えば、通気口は、スリット状に形成されるようにしても良い。具体的には、図7に示すように、前板部116の底板部111に重なる領域に、左右方向に延在するスリット状の通気口118を複数(図7では3つ)設け、また、外装部材101の通気口118に対応する位置に、左右方向に延在するスリット状の通気口101aを1つ設けるようにしてもよい。この場合、外装部材101の通気口101aから内部へ塵や埃等の異物が侵入してしまうのを抑制する観点から、外装部材101には、通気口101aを覆う蓋部101bを設けるようにしてもよい。
また、図8に示すように、外装部材101の底面にのみ通気口101aを設けるようにしてもよい。この場合、箱部110の各板部材に通気口を設けることなく、組み立て時における底板部111及び外装部材101の底面間に介在する空気を、外装部材に設けた通気口101aのみによって排気することができる。
上述のように底板部111が後側(−X側)端縁を支点にして、前側(+X側)端縁が前側に倒される場合、底板部111及び外装部材101の底面間の空気の排気をより円滑にする観点から、通気口101aの位置は、外装部材101の底面の底板部111が重なる領域の前側と、前後方向における中央部に設けられるのが望ましい。図8においては、通気口101aは、外装部材101の底面の底板部111が重なる領域において、前側の右側端部(底板部111の右前側の角部に対応する部分)、左側端部(底板部111の左前側の角部に対応する部分)、左右端部間の中央部の3点と、前後方向の中央部における左右方向の中央部(底板部111の中心に対応する部分)の1点とに設けられている。
なお、通気口の設ける数や、位置は上述の形態に限定されるものでなく、保冷保温箱100のサイズや、組み立て手順、板部材の形状等に応じて、適宜設定することができる。
以上より、本実施形態の保冷保温箱100は、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の保冷保温箱100は、外装部材101に底板部111と重なる位置に通気口101aが設けられており、また、前板部116、右側板部113、左側板部114にもそれぞれ通気口118が設けられている。これにより、保冷保温箱100の組み立て時において、底板部111を外装部材101の底面に倒した場合に、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気されやすくなり、底板部111を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
(2)本実施形態の保冷保温箱100は、通気口101aが、外装部材101の底板部111の厚み方向(Z方向)に平行な面と重なる位置に設けられ、また、通気口118が、前板部116、右側板部113、左側板部114の底板部111の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられている(図6参照)。これにより、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気を、保冷保温箱100の水平方向に効率よく排気することができる。
(3)本実施形態の保冷保温箱100は、通気口101aが、外装部材101の底板部111の厚み方向(Z方向)に垂直な面(XY面)と重なる位置に設けられている場合(図8参照)、箱部110を構成する各板部材に通気口を設けることなく、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気を、保冷保温箱100から排気することができる。
(4)本実施形態の保冷保温箱100は、通気口が複数設けられているので、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気を、より効率よく排気することができる。
(5)本実施形態の保冷保温箱100は、通気口が底板部111の角部に対応する位置に設けられているので、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気を、より効率よく排気することができる。
(6)本実施形態の保冷保温箱100は、通気口が底板部111の角部間の中央部に対応する位置に設けられているので、組み立て時において、底板部111を外装部材101の底面へ他凹した場合に、底板部111の角部が先に到達しても、その角部間の中央部から空気を排気することができるので、より迅速に、底板部111を外装部材101の底面に適正に配置することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の保冷保温箱200について説明する。
図9は、第2実施形態の搬送用かご250に配置された保冷保温箱200を説明する図である。図9(a)は、搬送用かご250に配置された保冷保温箱200の斜視図であり、図9(b)は、保冷保温箱200から外装部材201を取り除いた箱部210を説明する図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の保冷保温箱200(折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱)は、図9に示すように、前板部が省略され、前側の面の全体が扉部217により形成されている点と、搬送用かご250に配置されている点と、組み立て手順が相違する点で、上述の第1実施形態の保冷保温箱100と相違する。
本実施形態の保冷保温箱200は、図9(a)に示すように、搬送用かご250上に配置されており、複数の収容物を収容した保冷保温箱200を自在に搬送することができる。
搬送用かご250は、保冷保温箱200を載置する台車部251、保冷保温箱200の右側面及び左側面を保持する柵部252等から構成されている。この台車部251の各角部には、床上を自在に移動することができる車輪251aが配置されている。
保冷保温箱200は、その前側(+X側)に1枚の扉が設けられた箱であり、箱部210と、箱部210の外周を覆うようにして設けられる外装部材201とから構成されている。保冷保温箱200は、収容物を収容していない場合において、箱の保管空間を減らす観点から、折り畳み可能であって組み立て可能に形成されている。
箱部210は、保冷保温箱200の箱形状を形成する直方体状の基礎部分であり、本実施形態では、図9(b)に示すように、底板部211、天板部212、右側板部213、左側板部214、背板部215、扉部217から構成されている。
底板部211、天板部212、右側板部213、左側板部214、背板部215、扉部217は、それぞれ断熱特性を有する断熱パネル(図3参照)により形成されている。
背板部215は、後述するように保冷保温箱200が組み立てられる場合に、右側板部213、天板部212、左側板部214、底板部211に囲まれる領域に嵌め込まれて配置される。そのため、背板部215の前後方向(X方向)から見た形状は、上記板部材の厚み分だけ、箱部210の外形形状よりも小さく形成されている。
扉部217は、箱部210の前面を形成する矩形状の板部材であり、箱部210に対して開閉可能に配置されている。本実施形態の扉部217は、右側板部213に不図示の開閉部材により開閉可能に配置されている。
(保冷保温箱200の組み立て方法)
次に、本実施形態の保冷保温箱200の組み立て方法について説明する。
図10は、本実施形態の保冷保温箱200の組立工程を説明する図である。図10の各図は、保冷保温箱200が組み立てられるまでの過程を示す図である。
組み立て前の保冷保温箱200は、図10(a)に示すように、右側(+Y側)から順に右側板部213、背板部215、底板部211、天板部212、左側板部214が積層された状態であり、この積層体の上面(+Z側の面)、底面(−Z側の面)、左右側面(+Y及び−Y側の面)、背面(−X側の面)を囲むようにして外装部材201が配置されている。また、外装部材201の上面、底面、背面は、その一部が、天板部212と左側板部214との間に折り畳まれている。
なお、扉部217は、外装部材201を介して右側板部214の右側(+Y側)に折り重ねられている。
まず、図10(b)に示すように、左側板部214を左側(−Y側)へ移動して(矢印A)、折り畳まれた外装部材201の上面、底面、背面を展開する。
それから、外装部材201内において、天板部212を左上側へ開いて(矢印B)、外装部材201の天面に沿うようにして配置する。続いて、底板部211を左下側へ開いて(矢印C)、外装部材201の底面に沿うようにして配置する。
次に、右側板部213に積層された背板部215を、後側(−X側)端縁を支点にして、前側(+X側)端縁を左後側へ倒して(矢印D)、外装部材201の背面に沿うようにして配置する。
ここで、図10(b)に示す状態の組み立て途中の保冷保温箱200は、前側(+X側)に開口部を有する箱形状であるため、背板部215を外装部材101の背面に倒した場合に、背板部215と外装部材101の背面との間に介在する空気が箱外へ抜け難くなり、背板部215を適正な位置に配置するまでに時間がかかってしまう場合がある。
そこで、本実施形態の保冷保温箱200は、上記問題を解決するために、上述の第1実施形態と同様に、通気口が設けられている。
図11は、保冷保温箱200に設けられた通気口を説明する図である。図11(a)は、保冷保温箱200の鉛直方向の中心を通り、前後方向(X方向)に平行であり、かつ、左右方向(Y方向)に平行な面(XY面)における断面形状を示している。図11(b)は、保冷保温箱200の後側(−X側)部分を左側(−Y側)から見た図であり、図6(c)は、保冷保温箱100の後側部分を上側(+Z側)から見た図である。
本実施形態の保冷保温箱200は、図11に示すように、左側板部214、天板部212、底板部211のそれぞれの背板部215と重なる位置に通気口218が形成されている。また、外装部材201の上記通気口218に対応する位置に通気口201aが形成されている。
このように、保冷保温箱100に通気口を設けることによって、組み立て時において、背板部215を外装部材201の背面に倒した場合に、背板部215と外装部材201の背面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気されやすくなり、背板部215を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
なお、通気口の形態は、第1実施形態の保冷保温箱100と同様に、スリット状に形成されてもよく、また、外装部材201の背面の背板部215と重なる位置にのみ設けるようにしてもよい(図7、図8参照)。
図10に戻って、背板部215が外装部材201の背面に適正に配置されたら、図10(c)に示すように、右側板部213に折り重ねられた扉部217を折り返して(矢印E)、各側板部213、214、天板部212、底板部211の前側(+X側)の端縁上に配置して、保冷保温箱200が完成する。
なお、各板部材は、保冷保温箱200の組み立て容易性を向上させる観点から、互いに接続部材により開閉可能に接続されるようにしてもよい。例えば、本実施形態の保冷保温箱200の場合、右側板部213の後側端縁と背板部215の右側端縁とが接合部材により開閉可能に接合されるようにしてもよい。同様に、右側板部213の上側端縁と天板部212の右側端縁とが、右側板部213の下側端縁と底板部211の右側端縁とが、それぞれ接合部材に開閉可能に接合されるようにしてもよい。
以上より、本実施形態の保冷保温箱200は、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、保冷保温箱200の組み立て時において、背板部215を外装部材201の背面に倒した場合に、背板部215と外装部材201の背面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気され易くなり、背板部215を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
(第3実施形態)
近年、深刻な地球温暖化に伴い、産業機械や、自動車等の車両分野、家電製品等の民生機器、住宅などの建築物、物流分野等の多岐の分野に渡る物品において省エネルギーが推進されている。
中でも、収容物の保温や保冷を行う保冷保温箱は、収容空間を一定の温度に保持するために使用されるエネルギーが、消費エネルギー全体の中で大きな割合を占めている。このため、保冷保温箱では、筐体を構成するパネルに断熱材を配置し、または、上記パネルを断熱パネルとすることで、消費エネルギーの低減を図っている。
また、収容物の非収容時の保管スペースの省スペース化、および、持ち運びの利便性の観点から、保冷保温箱は、折り畳み式構造を有するものが好適に用いられる。
例えば、特許文献1(特開平11−59739号公報)では、四角形の底壁面と、上記底壁面の4辺から略垂直に立設された相対向する一対の側壁面と、相対向する正面壁面および後面壁面とを備え、柔軟な材料で形成された容器本体、上記容器本体の後面壁面に取り付けられた蓋体、ならびに、上記容器本体の各壁面に配置された断熱パネル、を有する折り畳み式保冷保温ボックスが開示されている。上記容器本体の底壁面は、その一辺に平行な第1折り曲げ部で内側に折り込み可能な構造を有しており、上記底壁面の上記第1折り曲げ部と交差する相対向する一対の側壁面は、底壁面を折り曲げ部にて逆V字状に内側に折り込んだときに、共に内側に折り込めるような第2折り曲げ部を有している。また、正面壁面および後面壁面に配置された断熱パネルは固定されており、一対の側壁面に配置された断熱パネルは、屏風状に折り畳むことが可能な構造を有する。底壁面に配置された断熱パネルは、正面壁面に配置された断熱パネルの下端縁とヒンジを介して連結し、上記ヒンジの部分で傾倒可能となっている。
特許文献1で開示される折り畳み式保冷保温ボックスは、折り畳まれた状態(以下、折り畳み状態と称する場合がある。)では、容器本体は、第1折り曲げ部および第2折り曲げ部で内方に折り込まれ、正面壁面および後面壁面が近接した形状となる。このとき、側壁面に配置される断熱パネルは、後面壁面に配置された断熱パネルと重なるように折り畳まれており、底壁面に配置される断熱パネルは、正面壁面に配置される断熱パネルと重ねられている。
そして、折り畳み式保冷保温ボックスは、上述の折り畳み状態から、まず、相対向する正面壁面と後面壁面とを最大に引き離すようにして容器本体を拡張してボックス状とし、その後、折り畳まれている各断熱パネルを展開してそれぞれ側壁面に密着させ、最後に正面壁面に配置される断熱パネルと連結した、底壁面に配置するための断熱パネルを底壁面側へ傾倒することで、組み立てられる。
保冷保温箱は、収容空間の定温保持性能を長期間高く維持するために、気密性が高いことが求められる。しかし、特許文献1で開示される折り畳み式保冷保温箱の場合、各壁面に配置される断熱パネルを、隙間が生じないように密接して展開すると、最後に底壁面に配置するための断熱パネルを傾倒する際に、容器本体と傾倒する断熱パネルとの間に生じる閉空間に滞留する空気の圧力により、断熱パネルの傾倒が阻害されてしまい、組み立て性が低下するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、組み立て性および気密性の高い折り畳み式保冷保温箱を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、断熱パネルを有する複数の壁部により形成され、一面が開口面である筐体と、上記筐体の上記開口面を開閉する蓋体と、可撓性を有し、少なくとも上記筐体の外側表面を覆う筐体状のカバー材と、を有する折り畳み式保冷保温箱であって、上記筐体は、複数の上記壁部の少なくとも一つが上記カバー材に固定されており、上記カバー材に固定された上記壁部の、カバー材側表面とは反対側の面と重なるようにして、他の上記壁部を折り畳むことが可能であり、複数の上記壁部のうち、上記筐体の組み立て時に最後に展開する最終展開壁部の展開方向先に位置する対向壁部および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部の少なくとも1つの壁部、ならびに、上記少なくとも1つの壁部に接する上記カバー材の面には、上記最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間に滞留する空気を脱気するための通気孔が形成されており、上記筐体の組み立て後に、上記少なくとも1つの壁部に形成された上記通気孔が上記最終展開壁部により塞がれることを特徴とする折り畳み式保冷保温箱を提供する。
本発明によれば、筐体状のカバー材内にて、折り畳まれた複数の壁部をカバー材側に向けて展開して、上記カバー材に覆われた筐体を組み立てる際に、最後に展開する壁部である最終展開壁部の、展開方向先に位置する壁部である対向壁部および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部の少なくとも1つの壁部、ならびに上記少なくとも1つの壁部に接する上記カバー材の面に通気孔が形成されている。このため、最終展開壁部を展開する際に、閉空間に滞留する空気を上記通気孔から脱気しながら、上記最終展開壁部を展開することができる。これにより、上記閉空間に滞留する空気から圧力を受けて上記最終展開壁部の展開が阻害されるのを防ぐことができ、本発明の折り畳み式保冷保温箱は、高い組み立て性を有することができる。
また、筐体の組み立て後、上記少なくとも1つの壁部に形成された上記通気孔は、展開された上記最終展開壁部により塞がれるため、筐体の開口面を蓋体で閉じることで、本発明の折り畳み式保冷保温箱は、高い内部気密性を有することができ、筐体が有する断熱パネルにより優れた保冷保温機能を発揮することができる。
上記発明においては、上記筐体の形状が四角柱であり、上記最終展開壁部が、上記開口面の対向面に位置する壁部であることが好ましい。上述した本発明の課題が、他の壁部により四方囲まれて形成された枠内に最終展開壁部を展開する場合に特に生じやすいことから、対向壁部およびそれに隣接する2つの上記壁部の少なくとも1つに通気孔を設けることによる本発明の効果がより奏されやすくなるからである。
本発明においては、組み立て性および気密性の高い折り畳み式保冷保温箱を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の折り畳み式保冷保温箱について詳細に説明する。本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、断熱パネルを有する複数の壁部により形成され、一面が開口面である筐体と、上記筐体の上記開口面を開閉する蓋体と、可撓性を有し、少なくとも上記筐体の外側表面を覆う筐体状のカバー材と、を有する折り畳み式保冷保温箱であって、上記筐体は、複数の上記壁部の少なくとも一つが上記カバー材に固定されており、上記カバー材に固定された上記壁部の、カバー材側表面とは反対側の面と重なるようにして、他の上記壁部を折り畳むことが可能であり、複数の上記壁部のうち、上記筐体の組み立て時に最後に展開する最終展開壁部の展開方向先に位置する対向壁部および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部の少なくとも1つの壁部、ならびに、上記少なくとも1つの壁部に接する上記カバー材の面には、上記最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間に滞留する空気を脱気するための通気孔が形成されており、上記筐体の組み立て後に、上記少なくとも1つの壁部に形成された上記通気孔が上記最終展開壁部により塞がれることを特徴とするものである。
本実施形態において、壁部のカバー材側表面とは、上記壁部の平面(以下、板面と称する場合がある。)のうち、カバー材に固定された面、もしくは、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、筐体の外側表面を担うカバー材と接する面をいい、壁部の外面と称する場合がある。
また、上記壁部のカバー材側表面とは反対側の面を、非カバー材側表面と称する場合がある。壁部の非カバー材側表面は、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、折り畳み式保冷保温箱の収容空間側を向く面をいい、壁部の内面と称する場合がある。蓋体についても同様に、折り畳み式保冷保温箱の収容空間側を向く面を蓋体の内面、その反対側の面を外面と称する場合がある。
さらに、本実地形態における通気孔について、壁部に形成される通気孔を「壁部用通気孔」と称し、カバー材の面に形成されている通気孔を「カバー材用通気孔」と称して、区別して説明する場合がある。
本実施形態の折り畳み式保冷保温箱について図を参照して説明する。図1(a)は、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の一例を示す概略斜視図であり、組み立て状態(壁部の展開後の状態)を例示しており、図1(b)は図1(a)の折り畳み式保冷保温箱におけるカバー材を省略した例である。
図1(a)、(b)で示すように、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱10は、断熱パネルを有する複数の壁部11A〜11Eにより形成され、一面が開口面である筐体1と、筐体1の開口面を開閉する蓋体2と、可撓性を有し、少なくとも筐体1の外側表面を覆う筐体状のカバー材3と、を有する。図1で例示する筐体1は、正面壁部11A、底面壁部11B、後面壁部11C、一対の側面壁部11Dおよび11Eから構成される四角柱の形状を有する。壁部11A〜11Eは、少なくとも1つがカバー材3に固定されており、後述する図2、図3および図4で説明するように、折り畳むことが可能である。また、壁部11A〜11Eの少なくとも1つの壁部、ならびに上記少なくとも1つの壁部11に接するカバー材3の面には、それぞれ通気孔12(12A、12B)が形成されている。図1(a)、(b)に示す例では、正面壁部11Aに通気孔(壁部用通気孔)12Aが形成され、正面壁部11Aと接するカバー材3の面に通気孔(カバー材用通気孔)12Bが形成されている。
なお、本発明の折り畳み式保冷保温箱は、図1で示した本実施形態の例に限定されない。
図2(a)、(b)は、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の折り畳み状態(壁部の展開前の状態)の例を説明する概略上面図、すなわち、組み立てる際に開口面が形成される側から見た図である。なお、本発明の折り畳み式保冷保温箱の折り畳み状態は、図2で示す本実施形態の例に限定されない。
図2(a)、(b)で示すように、筐体1は、複数の壁部11A〜11Eの少なくとも一つ(図2では、正面壁部11Aおよび後面壁部11C)がカバー材3に固定されており、カバー材3に固定された後面壁部11Cのカバー材側表面(すなわち、外面)とは反対側の面(すなわち、内面)と重なるように、他の壁部(正面壁部11A、底面壁部11B、側面壁部11Dおよび11E)を折り畳むことが可能な、折り畳み構造を有する。
正面壁部11Aは、後面壁部11Cとの配置間隔を調整して移動することができ、後面壁部11Cの内面と最近接する位置に移動することで折り畳まれる。
底面壁部11Bは、底面壁部11Bの内面と後面壁部11Cの内面とが対向するようにして折り畳むことができる。側面壁部11Dは、後面壁部11Cの一辺に、連結部材Zを介して回動可能に連結しており、側面壁部11Dの内面と後面壁部11Cの内面とが対向するようにして折り畳むことができる。側面壁部11Eは、後面壁部11Cの、側面壁部11Dと連結する辺と対向する辺に、連結部材Zを介して回動可能に連結しており、側面壁部11Eの内面と後面壁部11Cの内面とが対向するようにして折り畳むことができる。
筐体1を折り畳む際に、カバー材3も共に折り畳むことが可能である。例えば、図2(a)、(b)で例示するように、カバー材3は、その一部が側面壁部11Eと正面壁部11Aとの間でV形状となるように、カバー材の面に対して内向きに折り畳むことができる。
本実施形態においては、蓋体2は筐体1から着脱可能であり、折り畳み式保冷保温箱10の折り畳み状態においては、図2(a)で例示するように、後面壁部11Cから取外して板面が後面壁部11Cの内面と対向するようにして筐体1の折り畳み構造内に入れることができる。また、蓋体2は、図2(b)で例示するように、蓋体2の外面と後面壁部11Cの外面とが対向するようにして重ねて折り畳むこともできる。
このように、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、不使用時には折り畳んでコンパクト化することができる。
図3および図4は、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の折り畳み状態(壁部の展開前)から組み立て状態(壁部の展開後)までの組み立て方法の一例を示す工程図である。図3は上面図である。また、図4(a)および図4(b)は、それぞれ、図3(c)および図3(d)の側面壁部11E側から見た側面図である。図3および図4では、蓋体の図示は省略する。また、図4では、側面壁部11Dおよび11E、ならびにカバー材の図示を一部省略する。なお、本発明の折り畳み式保冷保温箱の折り畳み状態は、図3および図4で示す本実施形態の例に限定されない。
本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、以下の手順で各壁部を展開して組み立てることができる。まず、図3(a)で示すように、カバー材3に固定された後面壁部11Cとの間隔が最大となる方向Xに正面壁部11Aを引き出し、図3(b)で示すようにカバー材3を筐体状にする(カバー材展開工程)。次に、図3(b)で示すように、筐体状のカバー材3内において、後面壁部11Cの内面と対向して折り畳まれていた側面壁部11Dおよび11Eを、それぞれカバー材3側に向けて展開し、側面壁部11Dおよび11Eの外面をそれぞれカバー材3に密着させる。これにより、図3(c)で示すように、正面壁部11A、後面壁部11Cおよび1対の側面壁部11Dおよび11Eで囲まれた枠を形成する(壁部展開工程)。
続いて、図3(c)および図4(a)で示すように、後面壁部11Cの底辺に回動可能に連結し、後面壁部11Cと内面同士が対向するようにして折り畳まれていた底面壁部11Bを傾倒して、上記枠に嵌め込み、底面壁部11Bの外面をカバー材3に密着させる(最終展開壁部展開工程)。これにより、図3(d)および図4(b)で示すように、筐体状のカバー材3内に、一面が開口面となる四角柱状の筐体を形成される。
このように、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、上述の工程を経て組み立て状態とすることができる。
折り畳まれた複数の壁部を展開して筐体を組み立てる場合、気密性を高くするために、展開した壁部間に隙間が生じないように密接して組み立てる必要がある。例えば、図5(a)で示すように、先に一対の側面壁部(図示せず)、正面壁部11A、および後面壁部11Cを展開して枠を形成し、最後に最終展開壁部として、後面壁部11C側に折り畳まれていた底面壁部11Bを傾倒して上記枠に嵌め込むことで、気密性の高い筐体を組み立てることができる。
しかし、図5(b)で示すように、筐体状のカバー材3内にて、折り畳まれた複数の壁部をカバー材側に向けて展開する場合、最終展開壁部である底面壁部11Bを傾倒しようとすると、底面壁部11Bと、底面壁部11Bの側面と接し、底面壁部11Bを囲う正面壁部11Aおよび一対の側面壁部(図示せず)と、傾倒した底面壁部11Bが接するカバー材3と、で少なくとも囲まれて生じる閉空間Sに空気が溜まってしまう。そして、閉空間Sに溜まった空気は脱気されないため、底面壁部11Bを傾倒しようと押圧するほど、溜まった空気の反発力Pが大きくなり、底面壁部11Bを傾倒することが困難となる。このため、折り畳み式保冷保温箱の組み立て性が阻害されてしまう。
これに対し、本実施形態では、図4(a)、(b)で示すように、筐体1を構成する複数の壁部11A〜11Eのうち、筐体1の組み立て時に最後に展開する最終展開壁部(図4(a)では、底面壁部11B)の、展開方向先に位置する対向壁部(図4(a)では、正面壁部11A)および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部(図示しないが、一対の側面壁部)の少なくとも1つの壁部、ならびに上記少なくとも1つの壁部に接するカバー材3の面には、通気孔12(12A、12B)が形成されている。図4では、対向壁部である正面壁部11Aおよびそれに接するカバー材3の面に、それぞれ壁部用通気孔12Aおよびカバー材用通気孔12Bが形成されている例を示す。また、図4(a)において、最終展開壁部(底面壁部11B)と、最終展開壁部の側面と接し、最終展開壁部を囲う対向壁部(正面壁部11A)および2つの対向隣接壁部(図示しないが、一対の側面壁部)と、最終展開壁部が展開して接するカバー材3と、で囲まれた空間が閉空間Sである。
本実施形態によれば、筐体状のカバー材3内にて折り畳まれた複数の壁部11A〜11Eを展開して、カバー材3に覆われた筐体を組み立てる際に、閉空間Sに滞留する空気を通気孔12から脱気Aしながら、最終展開壁部を展開することができる(図4(b))。これにより、閉空間に滞留する空気から受ける圧力により上記最終展開壁部の展開が阻害されるのを防ぐことができ、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、高い組み立て性を有することができる。
また、本実施形態によれば、筐体の組み立て後は、図4(b)で示すように、正面壁部11Aに形成された壁部用通気孔12Aは、最終展開壁部(図4(b)では、底面壁部11B)により塞がれる。このとき、正面壁部11Aに接するカバー材3の面に形成されたカバー材用通気孔12Bも、同時に最終展開壁部により塞がれる。これにより、筐体内部の気密性を高くすることができる。そして、上記筐体の開口面を蓋体で閉じることで、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、高い内部気密性を有することができ、筐体が有する断熱パネルにより優れた保冷保温機能を発揮することができる。
以下、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の各構成について説明する。
A.通気孔
本実施形態における通気孔は、複数の上記壁部のうち、上記筐体の組み立て時に最後に展開する最終展開壁部の展開方向先に位置する対向壁部および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部の少なくとも1つの壁部、ならびに、上記少なくとも1つの壁部に接する上記カバー材の面に形成されているものである。
上記通気孔は、上記最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間に滞留する空気を脱気する機能を有する。
上記筐体において、壁部用通気孔は、対向壁部および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部の少なくとも1つに形成されるが、中でも、少なくとも対向壁部に形成されていることが好ましく、特に、上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部のそれぞれに形成されていることが好ましい。対向壁部は最終展開壁部と最後に接触することから、少なくとも対向壁部に形成されていることで、閉空間の空気を十分に脱気することができるからである。また、上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部のそれぞれに壁部用通気孔が形成されていることで、閉空間の空気の脱気経路が多くなり、最終展開壁部の展開の際に、より高効率で脱気することが可能となり、組み立て性がより向上するからである。
対向壁部および2つの対向隣接壁部のそれぞれに壁部用通気孔が形成されているとき、上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部に接するカバー材のそれぞれの面にも、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、それぞれの壁部に形成された壁部用通気孔と平面視上重なる位置にカバー材用通気孔が形成される。
対向壁部は、後述するように、上記最終展開壁部を展開した際に、上記最終展開壁部の側面と最後に接する壁部であるところ、上記筐体の形状や壁部の展開順によっては、最終展開壁部の展開方向先に複数の対向壁部を有する場合もある。例えば、上記筐体が三角柱であり、三角形の壁部を最終展開壁部として、上記三角形の他の壁部と連結する一辺において展開するとき、最終展開壁部の展開方向先に2つの対向壁部が位置し、上記対向壁部に隣接する対向隣接壁部を有さない場合がある。このような場合は、通気孔は、2つの対向壁部の少なくとも1つおよびそれに接するカバー材の面に形成される。そして、上記通気孔から、上記最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記2つの対向壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間に滞留する空気を脱気する。
通気孔は、壁部およびカバー材の厚み(板厚)方向を貫通していればよい。壁部が断熱パネル単体から構成されたものであれば、壁部用通気孔は、断熱パネルを貫通して形成される。また、壁部が壁板と壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成されたものであれば、壁部用通気孔は、断熱パネルの配置位置に応じて、壁板のみを貫通して形成されていてもよく、断熱パネルおよび壁板の平面視上重なる位置で貫通していてもよい。壁部の構成については後述する。
上記通気孔の形状は特に限定されず、円形、三角形や四角形等の多角形等、適宜設計することができる。壁部およびそれに接するカバー材の面において、壁部用通気孔の形状とカバー材用通気孔の形状とは、同一であってもよく異なってもよい。
上記通気孔の数は、壁部一面あたり1つ以上であればよく、適宜設定することができる。壁部およびそれに接するカバー材の面において、壁部用通気孔の数とカバー材用通気孔の数とは、同数であってもよく異なってもよいが、通常、同数である。
壁部およびそれに接するカバー材の面において、上記壁部用通気孔は、上記筐体の組み立て後に、最終展開壁部により塞ぐことが可能な大きさであればよい。通常、上記壁部用通気孔は、最終展開壁部の側面により塞がれることから、上記壁部用通気孔の高さが最終展開壁部の厚みよりも小さいことが好ましい。壁部用通気孔の高さは、筐体を組み立てたときの、最終展開壁部の板面に対して垂直方向の幅(図1(b)におけるT)をいう。
また、上記壁部用通気孔に対応する上記カバー材用通気孔は、上記壁部用通気孔と連結して脱気経路を確保することが可能な大きさであることが好ましく、上記壁部用通気孔と同一であってもよく異なってもよい。
壁部およびそれに接するカバー材の面において、壁部用通気孔は、最終展開壁部により塞ぐことが可能な位置に形成されていればよく、壁部用通気孔が形成される壁部に応じて上記位置を適宜設定することができる。例えば、壁部用通気孔が対向壁部に形成される場合は、上記壁部用通気孔の位置は、筐体の組み立て時に、対向壁部の板面上の、上記最終展開壁部の側面と接触する領域内であればよい。また、壁部用通気孔が2つの対向隣接壁部の一方または両方に形成される場合は、上記壁部用通気孔の位置は、対向隣接壁部の板面上の上記最終展開壁部の側面と接触する領域内であればよく、上記領域内の上記対向壁部に近接する位置であることがより好ましい。最終展開部を展開する際に、早い段階で壁部用通気孔が塞がれるのを防ぎ、閉空間の空気を十分に脱気することができるからである。
一方、カバー材用通気孔は、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、壁部用通気孔と連結して脱気経路を確保することが可能な位置に形成されていればよい。具体的には、カバー材用通気孔の形成位置は、上記カバー材用通気孔に対応する壁部用通気孔の少なくとも一部と平面視上重なる位置であることが好ましく、中でも上記カバー材用通気孔に対応する壁部用通気孔を包含して平面視上重なることが好ましい。1つの通気孔あたりの脱気経路の面積を大きくすることができ、脱気効率を高めることができるからである。
B.筐体
本実施形態における筐体は、断熱パネルを有する複数の壁部により形成され、一面が開口面である。
また、上記筐体は、複数の上記壁部の少なくとも一つが上記カバー材に固定されており、上記カバー材に固定された上記壁部(以下、カバー材固定壁部と称する場合がある。)の、カバー材側表面とは反対側の面と重なるようにして、他の上記壁部を折り畳むことが可能である。
折り畳み式保冷保温箱を折り畳む際に、他の上記壁部は、カバー材固定壁部の非カバー材側表面と重なるようにして折り畳まれる。他の上記壁部がカバー材固定壁部の非カバー材側表面と重なるようにして折り畳まれるとは、他の上記壁部の内面が、カバー材固定壁部のカバー材側表面に直接接して重なる場合の他、カバー材固定壁部のカバー材側表面と対向し、平面視上重なる場合も含む。
また、折り畳み式保冷保温箱を組み立てるときは、折り畳まれた複数の壁部は、カバー材固定壁部から上記筐体状のカバー材に向かって展開する。
1.壁部
筐体を形成する複数の上記壁部のうち、上記筐体の組み立て時に最後に展開する壁部が、最終展開壁部である。
また、筐体を形成する複数の上記壁部のうち、上記最終展開壁部の展開方向先に位置する壁部が、対向壁部となる。上記対向壁部は、通常、展開前の上記最終展開壁部と対向する位置にある。上記対向壁部は、筐体の形状にもよるが、通常、他の2つの壁部と隣接する。上記対向壁部に隣接する2つの壁部が、対向隣接壁部となる。上記対向隣接壁部には、最終展開壁部の展開後の筐体の組み立て状態において上記対向壁部と対向位置にある壁部は含まれない。
上記対向壁部および2つの対向隣接壁部の少なくとも1つには、壁部用通気孔が形成されている。壁部用通気孔については、上述の「A.通気孔」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
上記最終展開壁部は、展開時に少なくとも上記対向壁部および2つの対向隣接壁部により囲まれ、上記最終展開壁部の側面と、上記対向壁部および2つの対向隣接壁部の内面とが接触する。筐体の形状に応じて、上記最終展開壁部は、展開時に対向壁部および2つの対向隣接壁部以外の他の壁部にも囲まれる場合があり、この場合は、上記最終展開壁部の側面は、上記他の壁部の内面とも接触する。上記対向壁部は、上記最終展開壁部を展開した際に、上記最終展開壁部の側面と最後に接する。
上記最終展開壁部および対向壁部となる壁部は、筐体の形状や、開口面の位置、組み立ての際の壁部の展開順に応じて適宜設定することができる。例えば、上記開口面と対向する面を、最終展開壁部とすることができる。例えば、上面が開口面であり、正面壁部、後面壁部、一対の側面壁部、および底面壁部から構成される四角柱形状の筐体であれば、底面壁部を最終展開壁部とし、正面壁部または後面壁部を対向壁部とすることができる。
また、後面が開口面であり、正面壁部、一対の側面壁部、底面壁部、および上面壁部から構成される四角柱形状の筐体であれば、正面壁部を最終展開壁部とし、上面壁部または底面壁部を対向壁部とすることができる。
本実施形態における壁部は、断熱パネルを有すればよく、断熱パネル単体から構成されていてもよく、壁板と上記壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成されていてもよい。壁部が、壁板と上記壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成される場合、上記壁板の一方の板面がカバー材と接し、上記断熱パネルは、上記壁板の上記一方の板面と反対側の面に配置され、筐体の収容空間側に位置する。
(1)断熱パネル
壁部が有する断熱パネルは、所望の断熱性を示すものであればよい。また、壁部が断熱パネル単体から成る場合、上記断熱パネルは、筐体の形状を保持するために十分な強度や剛性を有することが好ましい。
上記断熱パネルは、断熱材単体から構成されていてもよく、一対の保護基材および上記一対の保護基材の間に配置された断熱材で構成されていてもよい。中でも、断熱パネルが高い剛性を示すことができることから、上記断熱パネルが、一対の保護基材および上記一対の保護基材の間に配置された断熱材で構成されていることが好ましい。
以下、断熱パネルを構成する断熱材および保護基材について説明する。
(a)断熱材
断熱パネルに用いられる断熱材は、所望の断熱性を発揮するものであればよく、例えば、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボード等の繊維系断熱材、羊毛、炭化コルク等の天然素材系断熱材、押出法発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、硬質ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材、真空断熱材等を挙げることができる。
中でも、上記断熱材が真空断熱材であることが好ましい。すなわち、上記断熱パネルが、一対の保護基材および上記一対の保護基材の間に配置された真空断熱材で構成されていることが好ましい。真空断熱材は小さい厚みで高断熱性を発揮することができるため、収容空間の内容積が大きく、断熱性に優れた保冷保温用箱体とすることができるからである。
また、真空断熱材は、外傷等で亀裂やしわ、貫通が生じやすく、単独で用いると損傷しやすく、いったん真空断熱材の外装材が破壊されると内部真空度の低下により所望の断熱性が維持できなくなる。しかし、一対の保護基材で真空断熱材が挟持されているため、上記真空断熱材の破損を防ぐことができ、長期にわたり高断熱性能を発揮することができるからである。
図6は、一対の保護基材21と、一対の保護基材21の間に配置された真空断熱材22と、を有する構造の断熱パネルの例を示している。
真空断熱材は、図6で示すように、芯材31および芯材31を被覆する外装材32を有する。真空断熱材は、上記芯材が上記外装材により封入され、上記外装材の内部が減圧密封されており、内部が高真空度を示す。
以下、真空断熱材の各構成について説明する。
(i)芯材
芯材としては、従来より真空断熱材の芯材に用いられる材質が挙げられ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体が挙げられる。上記多孔質体は空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材とすることができるからである。
また上記芯材は、外部から浸入する微量の水分やガス等を吸着するためのゲッター剤を含んでいても良い。ゲッター剤としては、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
上記芯材の厚みは、所望の断熱効果を発揮できれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
(ii)外装材
外装材としては、熱溶着層およびガスバリア層を少なくとも有する積層体が用いられる。真空断熱材においては、上記外装材を構成する上記2層が、芯材側から上述の順で積層されている。外装材は、通常、可とう性があるフィルムまたはシートである。
<ガスバリア層>
上記ガスバリア層は、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。
上記ガスバリア層としては、金属箔、樹脂フィルムの片面に蒸着層が形成された蒸着フィルム等が挙げられる。
金属箔の金属材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等が挙げられる。
また、蒸着フィルムにおける、樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等が挙げられる。蒸着層を構成する材料としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、酸化珪素等の無機化合物等が挙げられる。
上記蒸着フィルムは、蒸着層上にガスバリア性塗布膜が形成されていてもよい。上記ガスバリア性塗布膜としては、例えば、PVA等の水溶性高分子および金属アルコキシドを含み、ゾルゲル法により重縮合したバリア性組成物により形成された塗布膜等が挙げられる。
上記ガスバリア層は、単層であってもよく、同一組成または異なる組成から成る層を積層させた多層であってもよい。ガスバリア層の厚みは、ガスバリア性を発揮可能であれば特に限定されず、例えば9μm〜100μm程度である。
上記ガスバリア層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。上記表面処理により、ガスバリア性能の向上や他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。上記酸素および水蒸気透過度を上述の範囲内とすることにより、真空断熱材の内部に浸入した水分やガス等を芯材まで浸入しにくくすることができる。
なお、酸素透過度は、JIS K7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの
条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
<熱溶着層>
上記熱溶着層は、外装材で芯材を封入する際に、上記外装材の周縁を熱溶着させて封止する機能を有する。上記熱溶着層の材料としては、例えばポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記熱溶着層は、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含んでいてもよい。
上記熱溶着層の融点は、使用環境下において貼り合せた面が剥離しない程度の接着力を有することが可能な温度であることが好ましい。上記融点は、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
<任意の層>
上記外装材は、保護層を有することが好ましい。上記保護層を有することで、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護することができるからである。保護層は、ガスバリア層に対し熱溶着層側とは反対側に配置することで、真空断熱材の最外層とすることができる。
上記保護層は、十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れていることが好ましい。上記保護層の材料としては、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記保護層はシート状でもよく、一軸延伸または二軸延伸されたフィルム状でもよい。また、上記保護層は、単層であってもよく同一材料から成る層または異なる材料から成る層が積層された積層体であってもよい。
上記保護層は、他の層との密着性を向上させるために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚みは、熱溶着層およびガスバリア層を保護することが可能であれば特に限定されず、例えば5μm〜80μm程度とすることができる。
また、上記外装材は、上述の保護層の他、アンカーコート層、耐ピンホール層、層間接着層等の任意の層を有していてもよい。層間接着層に用いられる接着剤としては、例えば、特開2010−284854号公報で開示されるラミネート用接着剤を用いることができる。
<その他>
上記外装材は、保護層やガスバリア層を複数有していてもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、ガスバリア層の上に保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
上記外装材を構成する各層は、上述した層間接着層を介して積層されていてもよく、隣接する層同士が直接接着して積層されていてもよい。
上記外装材は、透明性を有していてもよく有さなくてもよく、用途に応じて適宜設定することができる。外装材の透明性については、厳密な透過率で規定されず、用途等に応じて適宜決定することができる。
上記外装材のガスバリア性については、ガスバリア層のガスバリア性に因る。
(iii)その他
上記真空断熱材は、外装材および上記真空断熱材を挟持する保護基材が透明である場合に、内部に検知剤を含んでいてもよい。検知剤の変化から内部の真空状態を確認できるからである。検知剤については、例えば特開2015−117801号公報に開示される酸素検知剤や水分検知剤等の気体検知剤、温度検知剤等を用いることができる。上記検知剤は真空断熱材の内部に分散されていてもよく、所望の位置に固定配置されていてもよい。
真空断熱材の内部真空度としては、所望の断熱性を発揮できればよく、例えば、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の空気の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
真空断熱材の熱伝導率(初期熱伝導率)は、例えば25℃環境下で15mW・m−1・K−1以下、中でも10mW・m−1・K−1以下、特に5mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなり、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、熱伝導率は、JIS A1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
(b)保護基材
保護基材は、断熱材を外部衝撃から保護することができ、断熱パネルに所望の剛性を付与することが可能なものであれば特に制限されず、例えば、合板、鋼板、発泡材、樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等が挙げられる。断熱パネルの重量や体積が低減することができるという観点から、上記保護基材としては、樹脂板が好ましい。樹脂板は、樹脂から形成されたものであれば特に限定されない。
上記保護基材として具体的には、養生材、プラスチックダンボール、あるいはその複合材等が挙げられる。
保護基材の厚みは、断熱パネルに所望の剛性を付与することが可能な厚みであればよく、断熱パネルの厚みが所望の大きさとなる範囲内で適宜設定することができる。
保護基材は、透明であってもよく、不透明であってもよい。また、一対の保護基材は、同一の材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
(c)その他
上記断熱パネルにおいて、断熱材と一対の保護基材とは、接着剤層、粘着剤層、両面テープ等を介して接着されていてもよく、図6に示すように、断熱材(図6では、真空断熱材22)と一対の保護基材21との間に充填された充填材23を介して接着されていてもよい。上記充填材は、接着性を示すものが好ましく、例えば、発泡ウレタン、硬質ウレタンフォーム等の従来公知の充填材を用いることができる。
断熱パネルの熱伝導率は、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されず、使用する断熱材にもよるが、例えば100mW/(m・K)以下、中でも50mW/(m・K)以下、特に25mmW/(m・K)以下であることが好ましい。断熱パネルの熱伝導率は、上述の真空断熱材の熱伝導率と同様の測定方法により測定することができる。
また、断熱パネルの比熱は、所望の断熱性を示すことができれば特に限定されず、使用する断熱材にもよるが、例えば、0.5kJ/(g・K)〜2.0kJ/(g・K)程度
であり、なかでも0.8kJ/(g・K)〜1.5kJ/(g・K)の範囲内、特に1. 0kJ/(g・K)〜1.4kJ/(g・K)の範囲内であることが好ましい。
断熱パネルの板厚は、所望の断熱性を有することが可能であれば特に限定されず、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の用途やサイズ、筐体の内容積、使用する断熱材、壁部の構造等に応じて適宜設定することができる。壁部が断熱パネル単体で構成される場合、断熱パネルの板厚は、壁部の厚みと同様である。
断熱パネルの大きさは、所望の断熱性を有することができれば特に限定されず、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の用途やサイズ、内容積、壁部の構造等に応じて適宜設定することができる。壁部が断熱パネル単体で構成される場合、断熱パネルの大きさは、壁部の大きさと同様である。
断熱パネルの平面(板面)形状は、例えば、正方形や長方形等、筐体の壁部の形状に応じて適宜選択することができる。壁部が断熱パネル単体で構成される場合は、上記断熱パネルの板面形状は、壁部の板面形状と同様である。
(2)壁板
上記壁部が、壁板と上記壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成される場合、上記壁板は、断熱パネルを支持することが可能であり、筐体の形状を保持するために十分な強度や剛性を有することが好ましい。
壁板としては、例えば、金属板、木材板、樹脂板等が挙げられる。中でも蓋体の重量や体積の低減を図ることができるという理由から、上記壁板が樹脂板であることが好ましい。樹脂板を形成する樹脂の種類は特に限定されない。
上記壁板の板厚は、筐体として機能するのに十分な強度を有することが可能となるように、用途に応じて適宜設定することができる。
また、上記壁板の板面形状および寸法は、壁部の板面形状および寸法と同様である。このとき、断熱パネルの板面形状および寸法も同じであることが好ましい。断熱パネルが、壁板の内面全域に配置されることになるからである。
上記壁部が、壁板と壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成される場合、上記断熱パネルは、壁板の一方の板面上に、接着剤や粘着剤、両面テープ等を用いて固定されていてもよく、ネジ等の治具により固定されていてもよい。
(3)その他
壁部の板面形状は、筐体の形状に応じて適宜設計することでき、例えば、正方形、長方形等の四角形が挙げられる。壁部は、筐体の形状に応じて全てが同一形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
また、壁部は、通常、一枚板であるが、板面上に、上記壁部をカバー材固定壁部の内面と重なるように折り畳む際の、上記カバー材固定壁部との連結部分と平行する板厚方向の折り畳み線を有し、上記折り畳み線において折り畳み可能であってもよい。壁部を折り畳む作業を容易に行うことができるからである。
壁部の厚みは、筐体の形状等に応じて適宜設定することができる。通常、上記筐体を構成する複数の壁部は、同じ厚みを有するが、厚みが異なってもよい。
2.筐体の仕様
上記筐体は、一面が開口面であり、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱に要求される所望の内容積を有することが可能な形状であればよく、例えば、立方体、直方体等の四角柱、三角柱、その他角柱等の立体形状が挙げられる。
中でも、上記筐体の形状が四角柱であり、上記最終展開壁部が、上記開口面の対向面に位置する壁部であることが好ましい。本発明の課題が、他の壁部により四方囲まれて形成された枠内に最終展開壁部を展開する場合に特に生じやすいことから、通気孔を設けることによる効果がより奏されやすくなるからである。
上記筐体の開口面の位置は、特に限定されず、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の仕様に応じて適宜設計することができる。例えば、上記筐体が四角柱の形状であれば、図1で例示したように、筐体の天面を開口面としてもよく、正面、後面、側面のいずれか一面を開口面としてもよい。
上記筐体は、カバー材固定壁部以外の他の壁部が、カバー材固定壁部の内面と重なるようにして折り畳むことが可能である。
上記他の壁部のうち、少なくともカバー材固定壁部と隣接する上記壁部は、上記カバー材固定壁部と連結部材を介して回動可能に連結していることが好ましい。
また、上記他の壁部のうち、筐体の組み立て状態においてカバー材固定壁部と対向位置にある壁部(例えば、図3における正面壁部11A)は、カバー材固定壁部との間隔が調整可能となるように、連結部材を介して連結していてもよく、上記カバー材固定壁部と共にカバー材に固定され、上記カバー材を介して連結していてもよく、カバー材固定壁部と連結していなくてもよい。
上記連結部材としては、例えばヒンジ、ゴム、紐、樹脂フィルム、樹脂シート、織布、不織布等を用いることができる。
C.カバー材
本実施形態におけるカバー材は、可撓性を有し、上記筐体の外側表面を覆う筐体状のものである。また、上記カバー材は、壁部用通気孔が形成された壁部と接する面に、カバー材用通気孔が形成されている。カバー材用通気孔については、上述の「A.通気孔」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
上記カバー材は、折り畳み式保冷保温箱の組み立て前は筐体と共に折り畳まれており、折り畳み式保冷保温箱の組み立て後は、筐体と共に展開されて筐体状となる。
上記カバー材は、筐体とは独立して、筐体形状を有することができる。
カバー材は、可撓性を有する。ここで、カバー材が可撓性を有するとは、折り畳み式保冷保温箱を折り畳む際に、筐体と共にカバー材も折り畳むことが可能であり、折り畳まれた状態を維持することが可能であることをいう。
可撓性を有するカバー材としては、特に限定されないが、例えば樹脂フィルム、樹脂シート、不織布等が挙げられる。
樹脂フィルムや樹脂シートは、一般にカバー材として用いられるものを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂で形成されたフィルムやシートが挙げられる。
また、不織布としては、一般にカバー材として用いられるものを用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラスなどの繊維からなる不織布が挙げられる。
カバー材は、上記材質のいずれか1種類からなる単層であってもよく、上記材質の層が複数積層されてなる多層構造体であってもよい。
また、カバー材は、少なくとも一方の表面に、アルミニウム等の金属が蒸着されて成る金属蒸着膜を有していてもよい。さらに、上記カバー材が多層構造体である場合は、上記多層構造体を構成する層としてアルミニウム等の金属箔が含まれていてもよく、上記多層構造体を構成する層の表面に金属蒸着膜を有していてもよい。カバー材の表面または内部に有する金属蒸着膜や金属箔により直射日光等を反射することで日照により保冷保温機能が低下するのを防ぐことができるからである。
上記カバー材の厚みは、可撓性を有することが可能であれば、特に限定されず、上記カバー材の材質等に応じて適宜設定することができる。
上記カバー材の通気度は、特に限定されないが、通気度が低いほど、最終展開壁部を展開する際に閉空間の脱気が困難となることから、通気孔を設けることによる効果がより発揮されやすくなる。
D.蓋体
本実施形態における蓋体は、上記筐体の上記開口面を開閉するものである。
上記蓋体は、筐体を構成する壁部の1つと回動可能に連結していてもよく、筐体に対して着脱可能であってもよい。
上記蓋体が壁部の1つと回動可能に連結しているとは、上記蓋体と壁部の1つと上記連結部材を介して連結していてもよく、カバー材を介して連結していてもよい。連結部材については、先に述べた筐体に用いられるものと同様とすることができる。
蓋体は、上記筐体の上記開口面を開閉可能なものであれば特に限定されず、例えば、金属板、木材板、樹脂板等を用いることができる。
また、上記蓋体は、断熱パネルを有することが好ましい。断熱性の高い断熱パネルを有する蓋体で上記筐体の上記開口面を塞ぐことで、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の定温保持機能をより高めることができるからである。上記断熱パネルとしては、例えば、上述の「B.筐体 1.壁部」の項で説明した断熱パネルと同様とすることができる。
上記蓋体は、断熱パネル単体で構成されていてもよく、壁板と上記壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成されていてもよい。
上記蓋体が有する断熱パネルは、壁部が有する断熱パネルと同一であってもよく異なってもよい。また、上記断熱パネルは、一対の保護基材および上記一対の保護基材の間に配置された真空断熱材で構成されていることが好ましい。その理由については、上述の「B.筐体 1.壁部」の項で説明した理由と同様である。
上記蓋体の平面視形状は、上記筐体の上記開口面を塞ぐことが可能な形状であればよく、通常は、上記開口面の形状と同形状である。
また、上記蓋体の厚みは特に限定されず、上述の筐体を構成する壁部の厚みと同様とすることができる。
上記蓋体は、折り畳み部を有していてもよい。蓋体を折り畳み部にて折り畳むことで、開口面の一部について開閉を行うことができ、例えば、保冷保温箱の収容空間内を低温状態または高温状態に保っている場合に、上記収容空間内の冷気や熱気の逃げ量を抑えることができるからである。
上記折り畳み部を有する蓋体としては、例えば、壁部と回動可能に連結した第1蓋部と、上記第1蓋部と回動可能に連結した第2蓋部とを有する構造が挙げられる。
E.その他
本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、組み立てる際に、筐体を構成する最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間が形成される。上記閉空間を形成する壁部には、上記筐体の形状に応じて、上記の4つの壁部以外の壁部が含まれていてもよい。
本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、保冷保温が要求される収容物の収容用途全般に広く用いることができる。具体的には、建築物、自動車、電車、船舶、飛行機、電化製品、物流関連の保温保冷手段、あるいはコンテナ、保温保冷庫、保温保冷機能を備えた搬送用パレット等が挙げられる。また、仮設住宅等の建築用途として用いることも可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の第1実施形態において、底板部111を、一端縁を支点として倒して、外装部材101の底面に配置させる例を示し、また、上述の第2実施形態において、背板部215を、一端縁を支点として倒して、外装部材201の背面に配置させる例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、第1実施形態の保冷保温箱において、底板部111を、外装部材101の底面(XY面)に平行な状態で、底面側へ落下させるようにして配置してもよい。この場合、底板部111と外装部材101の底面との間の空気を均等に排気する観点から、通気口118は、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116のそれぞれの底板部111と重なる位置に等間隔に複数設け、また、各板材の通気口118に対応する位置に外装部材の通気口101aを設けるようにしてもよい。
(2)上述の第1実施形態及び第2実施形態において、通気口は、円形形状に形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、通気口は、楕円や、矩形等の多角形状に形成されるようにしてもよい。この場合、外装部材101の通気口101aに対して、各板部材の通気口118がずれた状態で配置されたとしても、各板部材の通気口118が塞がれてしまうのを抑制する観点から、外装部材の通気口は、各板部材に設けられる通気口よりも開口面積が大きく形成されるのが望ましい。
また、外装部材101の通気口101aには、リング状の金具(いわゆる、ハトメ部材)等を取り付けて、通気口の開口端縁を補強するようにしてもよい。更に、通気口101aから外装部材101の内部へ塵等の異物の侵入を抑制する観点から、各通気口101aに蓋部材を設けるようにしてもよい。
100、200 保冷保温箱
101、201 外装部材
101a、201a 通気口
110、210 箱部材
111、221 底板部
112、222 天板部
113、223 右側板部
114、224 左側板部
115、225 背板部
116 前板部
117、227 扉部
118、228 通気口
150 搬送用パレット
250 搬送用かご
1 筐体
2 蓋板
3 カバー材
10 折り畳み式保冷保温箱
11A〜11E 壁部
12、12A、12B 通気孔

Claims (16)

  1. 折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱であって、
    箱形状に形成される外装部材と、
    前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置される平板状の第1の断熱部材とを備え、
    前記外装部材は、前記折り畳み式保冷保温箱が組み立てられたときに前記第1の断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に通気口が設けられており、
    前記通気口は、前記折り畳み式保冷保温箱を組み立てる途中で、前記第1の断熱部材と重ならない状態から前記第1の断熱部材と重なる状態になり、
    前記外装部材は、前記通気口の前記第1の断熱部材と重ならない側を覆う蓋部、を備えること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  2. 請求項1に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  3. 請求項2に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口が設けられた前記外装部材の内側の面と前記第1の断熱部材との間に配置される第2の断熱部材を更に備え、
    前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口を有すること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  4. 請求項1に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口は、複数設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口は、スリット状に形成されていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部に対応する位置に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、
    を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。
  9. 組み立て可能な組み立て式保冷保温箱であって、
    箱形状に組み立て可能な外装部材と、
    前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置可能な平板状の第1の断熱部材とを備え、
    前記外装部材は、前記組み立て式保冷保温箱が組み立てられたときに前記第1の断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に通気口が設けられており、
    前記通気口は、前記組み立て式保冷保温箱を組み立てる途中で、前記第1の断熱部材と重ならない状態から前記第1の断熱部材と重なる状態になり、
    前記外装部材は、前記通気口の前記第1の断熱部材と重ならない側を覆う蓋部、を備えること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  10. 請求項9に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  11. 請求項10に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口が設けられた前記外装部材の内側の面と前記第1の断熱部材との間に配置される第2の断熱部材を更に備え、
    前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口を有すること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  12. 請求項11に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  13. 請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口は、複数設けられていること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  14. 請求項9から請求項13までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口は、スリット状に形成されていること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  15. 請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部に対応する位置に設けられていること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
  16. 請求項9から請求項15までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
    前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、
    を特徴とする組み立て式保冷保温箱。

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