JP6810377B2 - 折り畳み式保冷保温箱、組み立て式保冷保温箱 - Google Patents
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Description
このような折り畳み式の保冷保温箱は、箱形状に形成された外装部材の内側に断熱パネルを展開して組み立てられる。特許文献1の保冷保温箱の場合、底面の断熱パネルを外装部材に配置しようとしたときに、外装部材と断熱パネルとの間に介在する空気が抜け難いため、断熱パネルを適正な位置に配置するまでに時間がかかってしまい、保冷保温箱の組み立て効率が低下してしまう場合があった。
第1の発明は、折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱(100)であって、箱形状に形成される外装部材(101)と、前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置される平板状の断熱部材(111)とを備え、前記外装部材は、前記断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に通気口(101a)が設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第2の発明は、第1の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材の前記断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第3の発明は、第2の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)が設けられた前記外装部材(101)の内側の面と前記断熱部材(111)との間に配置される第2の断熱部材(116)を更に備え、前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口(118)を有すること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第4の発明は、第1の発明の折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材(101)の前記断熱部材(111)の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、複数設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、スリット状に形成されていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの折り畳み式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする折り畳み式保冷保温箱である。
第9の発明は、組み立て可能な組み立て式保冷保温箱(100)であって、箱形状に組み立て可能な外装部材(101)と、前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置可能な平板状の断熱部材(111)とを備え、前記外装部材は、前記断熱部材が配置された状態で前記外装部材が前記断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に、通気口(101a)が設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第10の発明は、第9の発明の組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材の前記断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第11の発明は、第10の発明の組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)が設けられた前記外装部材(101)の内側の面と前記断熱部材(111)との間に配置される第2の断熱部材(116)を更に備え、前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口(118)を有すること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第12の発明は、第9の発明の組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記外装部材(101)の前記断熱部材(111)の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第13の発明は、第9の発明から第12の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、複数設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第14の発明は、第9の発明から第13の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、スリット状に形成されていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第15の発明は、第9の発明から第14の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
第16の発明は、第9の発明から第15の発明までのいずれかの組み立て式保冷保温箱(100)において、前記通気口(101a)は、前記断熱部材(111)の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、を特徴とする組み立て式保冷保温箱である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の搬送用パレット150に配置された保冷保温箱100を説明する図である。
図2は、本実施形態の保冷保温箱100を説明する図である。図2(a)は、保冷保温箱100の外観を示す斜視図であり、図2(b)は、保冷保温箱100の外装部材101を取り除いた箱部110を示す斜視図である。
なお、図1、図2及び以下の説明において、理解を容易にするために、保冷保温箱100の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向のうち前後方向をX方向とし、その前後方向に直交する左右方向をY方向とする。鉛直方向のうち鉛直上側を+Z側とし、鉛直下側を−Z側とし、前後方向のうち前側を+X側とし、後側を−X側とし、左右方向のうち右側を+Y側とし、左側を−Y側とする。
搬送用パレット150の側面には、反対側の側面に貫通する爪孔151が設けられており、この爪孔151にフォークリフトの爪部が挿入されることによって、搬送用パレット150と共に保冷保温箱100を移動することができる。
保冷保温箱100は、図1及び図2(a)に示すように、その前側(+X側)に2枚の扉が設けられた箱であり、箱部110と、箱部110の外周を覆うようにして設けられる外装部材101とから構成されている。保冷保温箱100は、収容物を収容していない場合において、箱の保管空間を減らす観点から、折り畳み可能であって組み立て可能に形成されている。
底板部111、天板部112、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116、扉部117は、それぞれ断熱特性を有する断熱パネル(120、図3参照)により形成されている。
天板部112は、箱部110の上面(+Z側の面)を形成する矩形状の板部材である。
右側板部113及び左側板部114は、それぞれ、箱部110の右側の側面(+Y側の面)及び左側の側面(−Y側の面)を形成する矩形状の板部材である。
背板部115は、箱部110の背面(−X側の面)を形成する矩形状の板部材である。
前板部116は、箱部110の前面(+X側の面)の鉛直下側(−Z側)を形成する矩形状の板部材である。
扉部117は、箱部110の前面の鉛直上側(+Z側)を形成する矩形状の板部材であり、箱部110に対して開閉可能に配置されている。本実施形態の扉部117は、2枚設けられており、一方の扉部117が、右側板部113に不図示の開閉部材により開閉可能に配置され、他方の扉部117が、左側板部114に不図示の開閉部材により開閉可能に配置されている。
図3は、箱部110に使用される各部材111〜117に用いられる断熱パネル120の詳細を説明する図である。図3は、断熱パネル120の厚み方向に平行な断面である。
保護基材121は、断熱パネル120に設けられる断熱材122を保護するとともに、箱部110を構成する部材として十分な剛性を持たせるために設けられている。保護基材121は、所望の剛性を得ることができる部材であれば特に制限されるものでなく、例えば、合板や、鉄板、発泡剤、樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等を用いることができる。保護基材121は、断熱パネル120の重量や、体積を低減させる観点から、樹脂板(例えば、プラスチックダンボールや、養生材等)を使用することが望ましい。
芯材122aは、従来から使用される公知の真空断熱材の芯材に用いられる材料を使用することができ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体を使用することができる。熱伝導率の低い芯材とする観点から、上記多孔質体は、空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。
また上記芯材122aには、外部から浸入する微量の水分やガス等を吸着するためのゲッター剤を含んでいてもよい。ゲッター剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
上記芯材122aの厚みは、所望の断熱効果を発揮できれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
上記ガスバリア層は、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。ガスバリア層としては、金属箔、樹脂フィルムの片面に蒸着層が形成された蒸着フィルム等が挙げられる。
金属箔の金属材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等が挙げられる。
上記蒸着フィルムは、蒸着層上にガスバリア性塗布膜が形成されていてもよい。上記ガスバリア性塗布膜としては、例えば、PVA等の水溶性高分子および金属アルコキシドを含み、ゾルゲル法により重縮合したバリア性組成物により形成された塗布膜等が挙げられる。
上記ガスバリア層は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。上記表面処理により、ガスバリア性能の向上や他の層との密着性の向上を図ることができるからである。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。上記酸素および水蒸気透過度を上述の範囲内とすることにより、真空断熱材の内部に浸入した水分やガス等を芯材まで浸入しにくくすることができる。
上記熱溶着層は、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含んでいてもよい。
上記熱溶着層の融点は、使用環境下において貼り合せた面が剥離しない程度の接着力を有することが可能な温度であることが好ましい。上記融点は、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
上記保護層は、十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れていることが好ましい。上記保護層の材料としては、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記保護層は、他の層との密着性を向上させるために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚みは、熱溶着層およびガスバリア層を保護することが可能であれば特に限定されず、例えば5μm〜80μm程度とすることができる。
また、上記外装材122bは、上述の保護層の他、アンカーコート層、耐ピンホール層、層間接着層等の任意の層を有していてもよい。層間接着層に用いられる接着剤としては、例えば、特開2010−284854号公報で開示されるラミネート用接着剤を用いることができる。
上記外装材122bを構成する各層は、上述した層間接着層を介して積層されていてもよく、隣接する層同士が直接接着して積層されていてもよい。
上記外装材は、透明性を有していてもよく有さなくてもよく、用途に応じて適宜設定することができる。外装材の透明性については、厳密な透過率で規定されず、用途等に応じて適宜決定することができる。
上記外装材のガスバリア性については、ガスバリア層のガスバリア性に因る。
真空断熱材の内部真空度としては、所望の断熱性を発揮できればよく、例えば、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の空気の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
ここで、真空断熱材は、外装材が破損した場合には、真空を維持することができなくなり、所望の断熱効果を得ることができなくなる。本実施形態の断熱材122(真空断熱材)は、上述したように保護基材121に挟まれる形態であるので、外傷等によって断熱材が傷付いてしまうのを極力回避することができ、上述の問題が生じてしまうのを抑止することができる。
外装部材101は、一体で形成されていてもよく、また、箱部110を構成する各板部材に応じて分離した外装材が縫合や接着等されて実質的に一体に形成されるようにしてもよい。本実施形態の外装部材101は、箱部110の天板部112を除く各板部材を覆うようにして、天板部112に対応する位置に開口部を有した直方体状に形成された部分と、天板部112を覆う部分とが別体で構成されている。
外装部材101は、保冷保温箱100の組み立て前は箱部110と共に折り畳まれており、保冷保温箱100の組み立て後は、箱部110と共に展開されて箱形状(直方体状)となる。外装部材101は、箱部110とは独立しており、直方体状の箱形状を有することができる。
可撓性を有する部材としては、特に限定されないが、例えば樹脂フィルム、樹脂シート、不織布等が挙げられる。
また、不織布としては、一般に外装部材として用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラスなどの繊維からなる不織布が挙げられる。
外装部材101は、上記材質のいずれか1種類からなる単層であってもよく、上記材質の層が複数積層されてなる多層構造体であってもよい。
外装部材101の厚みは、可撓性を有することが可能であれば、特に限定されず、使用する材料等に応じて適宜設定することができる。
次に、本実施形態の保冷保温箱100の組み立て方法について説明する。
図4は、本実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。
図5は、本実施形態の保冷保温箱100の組立工程を説明する図である。図5の各図は、保冷保温箱100の2枚の扉部117の境界を通り、前後方向(X方向)に平行であり、かつ、鉛直方向(Z方向)に平行な断面(XZ面)における断面形状を示している。図4及び図5の各図は、保冷保温箱100が組み立てられるまでの過程を示す図である。
まず、右側板部113と前板部116(扉部117)との間に配置された天板部112を取り出す。そして、図4(b)に示すように、前板部116(扉部117)を前側(+X側)へ移動して(矢印A)、折り畳まれた外装部材101の側面及び底面を展開する。
次に、図5(a)に示すように、鉛直方向に立てられた底板部111を、鉛直下側(−Z側)の端部を支点にして、上側(+Z側)の端部を前側(+X側)へ倒して(矢印D)、外装部材101の底面に沿うようにして配置する。
ここで、図5(a)に示す状態である組み立て途中の保冷保温箱100は、上側に開口部を有する箱形状であるため、底板部111を外装部材101の底面に倒した場合に、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気が箱外へ抜け難くなり、底板部111を適正な位置に配置するまでに時間がかかってしまう場合がある。
図6は、保冷保温箱100に設けられた通気口を説明する図である。図6(a)は、図5(a)のa部詳細を示す図であり、図6(b)は、保冷保温箱100の下側を前側(+X側)から見た図であり、図6(c)は、保冷保温箱100の下側を右側(+Y側)から見た図である。
このように、保冷保温箱100に通気口101a、118を設けることによって、組み立て時において、底板部111を外装部材101の底面に倒した場合に、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気されやすくなり、底板部111を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
このように前板部116の底板部111の左右方向(Y方向)における両端部(角部)と中央部とに対応する位置に通気口118が設けられることによって、底板部111及び外装部材101の底面との間の空気をより効率よく排気することができる。
また、前板部116の底板部111と重なる領域に通気口118を設けることによって、組み立て後の保冷保温箱100において、底板部111により通気口118が塞がれることとなり、保冷保温箱100の気密性を向上させることができる。
左側板部114には、右側板部113と同様に、底板部111と重なる領域の前側(+X側)端部と、前記領域の前後方向における中央部との2カ所に通気口118設けられている。
また、各側板部113、114の底板部111と重なる領域に通気口118を設けることによって、上述の前板部116の通気口118と同様に、組み立て後の保冷保温箱100において、底板部111により通気口118が塞がれることとなり、保冷保温箱100の気密性を向上させることができる。
また、前板部116、右側板部113、左側板部114のそれぞれに設けられた通気口118の直径d2は、底板部111の厚みtよりも小さくなる(t>d2)ように形成されるのが望ましい。底板部111を適正な位置に配置した場合に、各板部材に設けられた各通気孔が、底板部111により塞がれることとなるので、組み立て後の箱部110の気密性を向上させることができるからである。
なお、各板部材は、保冷保温箱100の組み立て容易性を向上させる観点から、互いに接続部材により開閉可能に接続されるようにしてもよい。例えば、本実施形態の保冷保温箱100の場合、背板部115の右側端縁と右側板部113の後側端縁とが接合部材により開閉可能に接合されるようにしてもよい。同様に、背板部115の左側端縁と左側板部114の後側端縁とが、背板部115の下側端縁と底板部111の後側端縁とが、それぞれ接合部材により開閉可能に接合されるようにしてもよい。
次に、保冷保温箱100に設けられる通気口の別な形態について説明する。
図7は、保冷保温箱100に設けられた通気口の別な形態を説明する図である。図7(a)は、図6(a)に対応する図であり、図7(b)は、図6(b)に対応する図である。
図8は、保冷保温箱100に設けられた通気口の別な形態を説明する図である。図8(a)は、図6(a)に対応する図であり、図8(b)は、前板部116及び扉部117間の境界における前後方向及び左右方向に平行な面(XY面)における保冷保温箱100の断面形状を、鉛直上側から見た図である。
例えば、通気口は、スリット状に形成されるようにしても良い。具体的には、図7に示すように、前板部116の底板部111に重なる領域に、左右方向に延在するスリット状の通気口118を複数(図7では3つ)設け、また、外装部材101の通気口118に対応する位置に、左右方向に延在するスリット状の通気口101aを1つ設けるようにしてもよい。この場合、外装部材101の通気口101aから内部へ塵や埃等の異物が侵入してしまうのを抑制する観点から、外装部材101には、通気口101aを覆う蓋部101bを設けるようにしてもよい。
上述のように底板部111が後側(−X側)端縁を支点にして、前側(+X側)端縁が前側に倒される場合、底板部111及び外装部材101の底面間の空気の排気をより円滑にする観点から、通気口101aの位置は、外装部材101の底面の底板部111が重なる領域の前側と、前後方向における中央部に設けられるのが望ましい。図8においては、通気口101aは、外装部材101の底面の底板部111が重なる領域において、前側の右側端部(底板部111の右前側の角部に対応する部分)、左側端部(底板部111の左前側の角部に対応する部分)、左右端部間の中央部の3点と、前後方向の中央部における左右方向の中央部(底板部111の中心に対応する部分)の1点とに設けられている。
なお、通気口の設ける数や、位置は上述の形態に限定されるものでなく、保冷保温箱100のサイズや、組み立て手順、板部材の形状等に応じて、適宜設定することができる。
(1)本実施形態の保冷保温箱100は、外装部材101に底板部111と重なる位置に通気口101aが設けられており、また、前板部116、右側板部113、左側板部114にもそれぞれ通気口118が設けられている。これにより、保冷保温箱100の組み立て時において、底板部111を外装部材101の底面に倒した場合に、底板部111と外装部材101の底面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気されやすくなり、底板部111を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
(6)本実施形態の保冷保温箱100は、通気口が底板部111の角部間の中央部に対応する位置に設けられているので、組み立て時において、底板部111を外装部材101の底面へ他凹した場合に、底板部111の角部が先に到達しても、その角部間の中央部から空気を排気することができるので、より迅速に、底板部111を外装部材101の底面に適正に配置することができる。
次に、第2実施形態の保冷保温箱200について説明する。
図9は、第2実施形態の搬送用かご250に配置された保冷保温箱200を説明する図である。図9(a)は、搬送用かご250に配置された保冷保温箱200の斜視図であり、図9(b)は、保冷保温箱200から外装部材201を取り除いた箱部210を説明する図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の保冷保温箱200は、図9(a)に示すように、搬送用かご250上に配置されており、複数の収容物を収容した保冷保温箱200を自在に搬送することができる。
搬送用かご250は、保冷保温箱200を載置する台車部251、保冷保温箱200の右側面及び左側面を保持する柵部252等から構成されている。この台車部251の各角部には、床上を自在に移動することができる車輪251aが配置されている。
箱部210は、保冷保温箱200の箱形状を形成する直方体状の基礎部分であり、本実施形態では、図9(b)に示すように、底板部211、天板部212、右側板部213、左側板部214、背板部215、扉部217から構成されている。
底板部211、天板部212、右側板部213、左側板部214、背板部215、扉部217は、それぞれ断熱特性を有する断熱パネル(図3参照)により形成されている。
背板部215は、後述するように保冷保温箱200が組み立てられる場合に、右側板部213、天板部212、左側板部214、底板部211に囲まれる領域に嵌め込まれて配置される。そのため、背板部215の前後方向(X方向)から見た形状は、上記板部材の厚み分だけ、箱部210の外形形状よりも小さく形成されている。
扉部217は、箱部210の前面を形成する矩形状の板部材であり、箱部210に対して開閉可能に配置されている。本実施形態の扉部217は、右側板部213に不図示の開閉部材により開閉可能に配置されている。
次に、本実施形態の保冷保温箱200の組み立て方法について説明する。
図10は、本実施形態の保冷保温箱200の組立工程を説明する図である。図10の各図は、保冷保温箱200が組み立てられるまでの過程を示す図である。
なお、扉部217は、外装部材201を介して右側板部214の右側(+Y側)に折り重ねられている。
それから、外装部材201内において、天板部212を左上側へ開いて(矢印B)、外装部材201の天面に沿うようにして配置する。続いて、底板部211を左下側へ開いて(矢印C)、外装部材201の底面に沿うようにして配置する。
次に、右側板部213に積層された背板部215を、後側(−X側)端縁を支点にして、前側(+X側)端縁を左後側へ倒して(矢印D)、外装部材201の背面に沿うようにして配置する。
ここで、図10(b)に示す状態の組み立て途中の保冷保温箱200は、前側(+X側)に開口部を有する箱形状であるため、背板部215を外装部材101の背面に倒した場合に、背板部215と外装部材101の背面との間に介在する空気が箱外へ抜け難くなり、背板部215を適正な位置に配置するまでに時間がかかってしまう場合がある。
図11は、保冷保温箱200に設けられた通気口を説明する図である。図11(a)は、保冷保温箱200の鉛直方向の中心を通り、前後方向(X方向)に平行であり、かつ、左右方向(Y方向)に平行な面(XY面)における断面形状を示している。図11(b)は、保冷保温箱200の後側(−X側)部分を左側(−Y側)から見た図であり、図6(c)は、保冷保温箱100の後側部分を上側(+Z側)から見た図である。
このように、保冷保温箱100に通気口を設けることによって、組み立て時において、背板部215を外装部材201の背面に倒した場合に、背板部215と外装部材201の背面との間に介在する空気が、各通気口を介して箱外へと排気されやすくなり、背板部215を適正な位置に迅速に容易に配置することができる。
なお、通気口の形態は、第1実施形態の保冷保温箱100と同様に、スリット状に形成されてもよく、また、外装部材201の背面の背板部215と重なる位置にのみ設けるようにしてもよい(図7、図8参照)。
なお、各板部材は、保冷保温箱200の組み立て容易性を向上させる観点から、互いに接続部材により開閉可能に接続されるようにしてもよい。例えば、本実施形態の保冷保温箱200の場合、右側板部213の後側端縁と背板部215の右側端縁とが接合部材により開閉可能に接合されるようにしてもよい。同様に、右側板部213の上側端縁と天板部212の右側端縁とが、右側板部213の下側端縁と底板部211の右側端縁とが、それぞれ接合部材に開閉可能に接合されるようにしてもよい。
近年、深刻な地球温暖化に伴い、産業機械や、自動車等の車両分野、家電製品等の民生機器、住宅などの建築物、物流分野等の多岐の分野に渡る物品において省エネルギーが推進されている。
そして、折り畳み式保冷保温ボックスは、上述の折り畳み状態から、まず、相対向する正面壁面と後面壁面とを最大に引き離すようにして容器本体を拡張してボックス状とし、その後、折り畳まれている各断熱パネルを展開してそれぞれ側壁面に密着させ、最後に正面壁面に配置される断熱パネルと連結した、底壁面に配置するための断熱パネルを底壁面側へ傾倒することで、組み立てられる。
また、筐体の組み立て後、上記少なくとも1つの壁部に形成された上記通気孔は、展開された上記最終展開壁部により塞がれるため、筐体の開口面を蓋体で閉じることで、本発明の折り畳み式保冷保温箱は、高い内部気密性を有することができ、筐体が有する断熱パネルにより優れた保冷保温機能を発揮することができる。
また、上記壁部のカバー材側表面とは反対側の面を、非カバー材側表面と称する場合がある。壁部の非カバー材側表面は、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、折り畳み式保冷保温箱の収容空間側を向く面をいい、壁部の内面と称する場合がある。蓋体についても同様に、折り畳み式保冷保温箱の収容空間側を向く面を蓋体の内面、その反対側の面を外面と称する場合がある。
さらに、本実地形態における通気孔について、壁部に形成される通気孔を「壁部用通気孔」と称し、カバー材の面に形成されている通気孔を「カバー材用通気孔」と称して、区別して説明する場合がある。
図1(a)、(b)で示すように、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱10は、断熱パネルを有する複数の壁部11A〜11Eにより形成され、一面が開口面である筐体1と、筐体1の開口面を開閉する蓋体2と、可撓性を有し、少なくとも筐体1の外側表面を覆う筐体状のカバー材3と、を有する。図1で例示する筐体1は、正面壁部11A、底面壁部11B、後面壁部11C、一対の側面壁部11Dおよび11Eから構成される四角柱の形状を有する。壁部11A〜11Eは、少なくとも1つがカバー材3に固定されており、後述する図2、図3および図4で説明するように、折り畳むことが可能である。また、壁部11A〜11Eの少なくとも1つの壁部、ならびに上記少なくとも1つの壁部11に接するカバー材3の面には、それぞれ通気孔12(12A、12B)が形成されている。図1(a)、(b)に示す例では、正面壁部11Aに通気孔(壁部用通気孔)12Aが形成され、正面壁部11Aと接するカバー材3の面に通気孔(カバー材用通気孔)12Bが形成されている。
なお、本発明の折り畳み式保冷保温箱は、図1で示した本実施形態の例に限定されない。
図2(a)、(b)で示すように、筐体1は、複数の壁部11A〜11Eの少なくとも一つ(図2では、正面壁部11Aおよび後面壁部11C)がカバー材3に固定されており、カバー材3に固定された後面壁部11Cのカバー材側表面(すなわち、外面)とは反対側の面(すなわち、内面)と重なるように、他の壁部(正面壁部11A、底面壁部11B、側面壁部11Dおよび11E)を折り畳むことが可能な、折り畳み構造を有する。
底面壁部11Bは、底面壁部11Bの内面と後面壁部11Cの内面とが対向するようにして折り畳むことができる。側面壁部11Dは、後面壁部11Cの一辺に、連結部材Zを介して回動可能に連結しており、側面壁部11Dの内面と後面壁部11Cの内面とが対向するようにして折り畳むことができる。側面壁部11Eは、後面壁部11Cの、側面壁部11Dと連結する辺と対向する辺に、連結部材Zを介して回動可能に連結しており、側面壁部11Eの内面と後面壁部11Cの内面とが対向するようにして折り畳むことができる。
このように、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、不使用時には折り畳んでコンパクト化することができる。
本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、以下の手順で各壁部を展開して組み立てることができる。まず、図3(a)で示すように、カバー材3に固定された後面壁部11Cとの間隔が最大となる方向Xに正面壁部11Aを引き出し、図3(b)で示すようにカバー材3を筐体状にする(カバー材展開工程)。次に、図3(b)で示すように、筐体状のカバー材3内において、後面壁部11Cの内面と対向して折り畳まれていた側面壁部11Dおよび11Eを、それぞれカバー材3側に向けて展開し、側面壁部11Dおよび11Eの外面をそれぞれカバー材3に密着させる。これにより、図3(c)で示すように、正面壁部11A、後面壁部11Cおよび1対の側面壁部11Dおよび11Eで囲まれた枠を形成する(壁部展開工程)。
続いて、図3(c)および図4(a)で示すように、後面壁部11Cの底辺に回動可能に連結し、後面壁部11Cと内面同士が対向するようにして折り畳まれていた底面壁部11Bを傾倒して、上記枠に嵌め込み、底面壁部11Bの外面をカバー材3に密着させる(最終展開壁部展開工程)。これにより、図3(d)および図4(b)で示すように、筐体状のカバー材3内に、一面が開口面となる四角柱状の筐体を形成される。
このように、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、上述の工程を経て組み立て状態とすることができる。
しかし、図5(b)で示すように、筐体状のカバー材3内にて、折り畳まれた複数の壁部をカバー材側に向けて展開する場合、最終展開壁部である底面壁部11Bを傾倒しようとすると、底面壁部11Bと、底面壁部11Bの側面と接し、底面壁部11Bを囲う正面壁部11Aおよび一対の側面壁部(図示せず)と、傾倒した底面壁部11Bが接するカバー材3と、で少なくとも囲まれて生じる閉空間Sに空気が溜まってしまう。そして、閉空間Sに溜まった空気は脱気されないため、底面壁部11Bを傾倒しようと押圧するほど、溜まった空気の反発力Pが大きくなり、底面壁部11Bを傾倒することが困難となる。このため、折り畳み式保冷保温箱の組み立て性が阻害されてしまう。
本実施形態によれば、筐体状のカバー材3内にて折り畳まれた複数の壁部11A〜11Eを展開して、カバー材3に覆われた筐体を組み立てる際に、閉空間Sに滞留する空気を通気孔12から脱気Aしながら、最終展開壁部を展開することができる(図4(b))。これにより、閉空間に滞留する空気から受ける圧力により上記最終展開壁部の展開が阻害されるのを防ぐことができ、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、高い組み立て性を有することができる。
本実施形態における通気孔は、複数の上記壁部のうち、上記筐体の組み立て時に最後に展開する最終展開壁部の展開方向先に位置する対向壁部および上記対向壁部に隣接する2つの対向隣接壁部の少なくとも1つの壁部、ならびに、上記少なくとも1つの壁部に接する上記カバー材の面に形成されているものである。
上記通気孔は、上記最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間に滞留する空気を脱気する機能を有する。
対向壁部および2つの対向隣接壁部のそれぞれに壁部用通気孔が形成されているとき、上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部に接するカバー材のそれぞれの面にも、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、それぞれの壁部に形成された壁部用通気孔と平面視上重なる位置にカバー材用通気孔が形成される。
また、上記壁部用通気孔に対応する上記カバー材用通気孔は、上記壁部用通気孔と連結して脱気経路を確保することが可能な大きさであることが好ましく、上記壁部用通気孔と同一であってもよく異なってもよい。
一方、カバー材用通気孔は、折り畳み式保冷保温箱の組み立て状態において、壁部用通気孔と連結して脱気経路を確保することが可能な位置に形成されていればよい。具体的には、カバー材用通気孔の形成位置は、上記カバー材用通気孔に対応する壁部用通気孔の少なくとも一部と平面視上重なる位置であることが好ましく、中でも上記カバー材用通気孔に対応する壁部用通気孔を包含して平面視上重なることが好ましい。1つの通気孔あたりの脱気経路の面積を大きくすることができ、脱気効率を高めることができるからである。
本実施形態における筐体は、断熱パネルを有する複数の壁部により形成され、一面が開口面である。
また、上記筐体は、複数の上記壁部の少なくとも一つが上記カバー材に固定されており、上記カバー材に固定された上記壁部(以下、カバー材固定壁部と称する場合がある。)の、カバー材側表面とは反対側の面と重なるようにして、他の上記壁部を折り畳むことが可能である。
また、折り畳み式保冷保温箱を組み立てるときは、折り畳まれた複数の壁部は、カバー材固定壁部から上記筐体状のカバー材に向かって展開する。
筐体を形成する複数の上記壁部のうち、上記筐体の組み立て時に最後に展開する壁部が、最終展開壁部である。
また、筐体を形成する複数の上記壁部のうち、上記最終展開壁部の展開方向先に位置する壁部が、対向壁部となる。上記対向壁部は、通常、展開前の上記最終展開壁部と対向する位置にある。上記対向壁部は、筐体の形状にもよるが、通常、他の2つの壁部と隣接する。上記対向壁部に隣接する2つの壁部が、対向隣接壁部となる。上記対向隣接壁部には、最終展開壁部の展開後の筐体の組み立て状態において上記対向壁部と対向位置にある壁部は含まれない。
上記対向壁部および2つの対向隣接壁部の少なくとも1つには、壁部用通気孔が形成されている。壁部用通気孔については、上述の「A.通気孔」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
また、後面が開口面であり、正面壁部、一対の側面壁部、底面壁部、および上面壁部から構成される四角柱形状の筐体であれば、正面壁部を最終展開壁部とし、上面壁部または底面壁部を対向壁部とすることができる。
壁部が有する断熱パネルは、所望の断熱性を示すものであればよい。また、壁部が断熱パネル単体から成る場合、上記断熱パネルは、筐体の形状を保持するために十分な強度や剛性を有することが好ましい。
上記断熱パネルは、断熱材単体から構成されていてもよく、一対の保護基材および上記一対の保護基材の間に配置された断熱材で構成されていてもよい。中でも、断熱パネルが高い剛性を示すことができることから、上記断熱パネルが、一対の保護基材および上記一対の保護基材の間に配置された断熱材で構成されていることが好ましい。
以下、断熱パネルを構成する断熱材および保護基材について説明する。
断熱パネルに用いられる断熱材は、所望の断熱性を発揮するものであればよく、例えば、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、インシュレーションボード等の繊維系断熱材、羊毛、炭化コルク等の天然素材系断熱材、押出法発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、硬質ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、フェノールフォーム等の発泡プラスチック系断熱材、真空断熱材等を挙げることができる。
また、真空断熱材は、外傷等で亀裂やしわ、貫通が生じやすく、単独で用いると損傷しやすく、いったん真空断熱材の外装材が破壊されると内部真空度の低下により所望の断熱性が維持できなくなる。しかし、一対の保護基材で真空断熱材が挟持されているため、上記真空断熱材の破損を防ぐことができ、長期にわたり高断熱性能を発揮することができるからである。
真空断熱材は、図6で示すように、芯材31および芯材31を被覆する外装材32を有する。真空断熱材は、上記芯材が上記外装材により封入され、上記外装材の内部が減圧密封されており、内部が高真空度を示す。
以下、真空断熱材の各構成について説明する。
芯材としては、従来より真空断熱材の芯材に用いられる材質が挙げられ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体が挙げられる。上記多孔質体は空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材とすることができるからである。
外装材としては、熱溶着層およびガスバリア層を少なくとも有する積層体が用いられる。真空断熱材においては、上記外装材を構成する上記2層が、芯材側から上述の順で積層されている。外装材は、通常、可とう性があるフィルムまたはシートである。
上記ガスバリア層は、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。
上記ガスバリア層としては、金属箔、樹脂フィルムの片面に蒸着層が形成された蒸着フィルム等が挙げられる。
金属箔の金属材料としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等が挙げられる。
また、蒸着フィルムにおける、樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等が挙げられる。蒸着層を構成する材料としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、酸化珪素等の無機化合物等が挙げられる。
なお、酸素透過度は、JIS K7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの
条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
上記熱溶着層は、外装材で芯材を封入する際に、上記外装材の周縁を熱溶着させて封止する機能を有する。上記熱溶着層の材料としては、例えばポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記外装材は、保護層を有することが好ましい。上記保護層を有することで、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護することができるからである。保護層は、ガスバリア層に対し熱溶着層側とは反対側に配置することで、真空断熱材の最外層とすることができる。
上記外装材は、保護層やガスバリア層を複数有していてもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、ガスバリア層の上に保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
上記真空断熱材は、外装材および上記真空断熱材を挟持する保護基材が透明である場合に、内部に検知剤を含んでいてもよい。検知剤の変化から内部の真空状態を確認できるからである。検知剤については、例えば特開2015−117801号公報に開示される酸素検知剤や水分検知剤等の気体検知剤、温度検知剤等を用いることができる。上記検知剤は真空断熱材の内部に分散されていてもよく、所望の位置に固定配置されていてもよい。
保護基材は、断熱材を外部衝撃から保護することができ、断熱パネルに所望の剛性を付与することが可能なものであれば特に制限されず、例えば、合板、鋼板、発泡材、樹脂板、エンボス樹脂シート、板紙等が挙げられる。断熱パネルの重量や体積が低減することができるという観点から、上記保護基材としては、樹脂板が好ましい。樹脂板は、樹脂から形成されたものであれば特に限定されない。
上記保護基材として具体的には、養生材、プラスチックダンボール、あるいはその複合材等が挙げられる。
上記断熱パネルにおいて、断熱材と一対の保護基材とは、接着剤層、粘着剤層、両面テープ等を介して接着されていてもよく、図6に示すように、断熱材(図6では、真空断熱材22)と一対の保護基材21との間に充填された充填材23を介して接着されていてもよい。上記充填材は、接着性を示すものが好ましく、例えば、発泡ウレタン、硬質ウレタンフォーム等の従来公知の充填材を用いることができる。
であり、なかでも0.8kJ/(g・K)〜1.5kJ/(g・K)の範囲内、特に1. 0kJ/(g・K)〜1.4kJ/(g・K)の範囲内であることが好ましい。
断熱パネルの大きさは、所望の断熱性を有することができれば特に限定されず、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱の用途やサイズ、内容積、壁部の構造等に応じて適宜設定することができる。壁部が断熱パネル単体で構成される場合、断熱パネルの大きさは、壁部の大きさと同様である。
断熱パネルの平面(板面)形状は、例えば、正方形や長方形等、筐体の壁部の形状に応じて適宜選択することができる。壁部が断熱パネル単体で構成される場合は、上記断熱パネルの板面形状は、壁部の板面形状と同様である。
上記壁部が、壁板と上記壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成される場合、上記壁板は、断熱パネルを支持することが可能であり、筐体の形状を保持するために十分な強度や剛性を有することが好ましい。
壁板としては、例えば、金属板、木材板、樹脂板等が挙げられる。中でも蓋体の重量や体積の低減を図ることができるという理由から、上記壁板が樹脂板であることが好ましい。樹脂板を形成する樹脂の種類は特に限定されない。
また、上記壁板の板面形状および寸法は、壁部の板面形状および寸法と同様である。このとき、断熱パネルの板面形状および寸法も同じであることが好ましい。断熱パネルが、壁板の内面全域に配置されることになるからである。
壁部の板面形状は、筐体の形状に応じて適宜設計することでき、例えば、正方形、長方形等の四角形が挙げられる。壁部は、筐体の形状に応じて全てが同一形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
上記筐体は、一面が開口面であり、本実施形態の折り畳み式保冷保温箱に要求される所望の内容積を有することが可能な形状であればよく、例えば、立方体、直方体等の四角柱、三角柱、その他角柱等の立体形状が挙げられる。
上記他の壁部のうち、少なくともカバー材固定壁部と隣接する上記壁部は、上記カバー材固定壁部と連結部材を介して回動可能に連結していることが好ましい。
また、上記他の壁部のうち、筐体の組み立て状態においてカバー材固定壁部と対向位置にある壁部(例えば、図3における正面壁部11A)は、カバー材固定壁部との間隔が調整可能となるように、連結部材を介して連結していてもよく、上記カバー材固定壁部と共にカバー材に固定され、上記カバー材を介して連結していてもよく、カバー材固定壁部と連結していなくてもよい。
上記連結部材としては、例えばヒンジ、ゴム、紐、樹脂フィルム、樹脂シート、織布、不織布等を用いることができる。
本実施形態におけるカバー材は、可撓性を有し、上記筐体の外側表面を覆う筐体状のものである。また、上記カバー材は、壁部用通気孔が形成された壁部と接する面に、カバー材用通気孔が形成されている。カバー材用通気孔については、上述の「A.通気孔」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
上記カバー材は、筐体とは独立して、筐体形状を有することができる。
可撓性を有するカバー材としては、特に限定されないが、例えば樹脂フィルム、樹脂シート、不織布等が挙げられる。
また、不織布としては、一般にカバー材として用いられるものを用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラスなどの繊維からなる不織布が挙げられる。
カバー材は、上記材質のいずれか1種類からなる単層であってもよく、上記材質の層が複数積層されてなる多層構造体であってもよい。
本実施形態における蓋体は、上記筐体の上記開口面を開閉するものである。
上記蓋体は、筐体を構成する壁部の1つと回動可能に連結していてもよく、筐体に対して着脱可能であってもよい。
上記蓋体が壁部の1つと回動可能に連結しているとは、上記蓋体と壁部の1つと上記連結部材を介して連結していてもよく、カバー材を介して連結していてもよい。連結部材については、先に述べた筐体に用いられるものと同様とすることができる。
上記蓋体は、断熱パネル単体で構成されていてもよく、壁板と上記壁板の一方の面に配置された断熱パネルとから構成されていてもよい。
また、上記蓋体の厚みは特に限定されず、上述の筐体を構成する壁部の厚みと同様とすることができる。
上記折り畳み部を有する蓋体としては、例えば、壁部と回動可能に連結した第1蓋部と、上記第1蓋部と回動可能に連結した第2蓋部とを有する構造が挙げられる。
本実施形態の折り畳み式保冷保温箱は、組み立てる際に、筐体を構成する最終展開壁部と、上記最終展開壁部の側面と接し、上記最終展開壁部を囲う上記対向壁部および上記2つの対向隣接壁部と、上記最終展開壁部が展開して接する上記カバー材と、で少なくとも囲まれた閉空間が形成される。上記閉空間を形成する壁部には、上記筐体の形状に応じて、上記の4つの壁部以外の壁部が含まれていてもよい。
(1)上述の第1実施形態において、底板部111を、一端縁を支点として倒して、外装部材101の底面に配置させる例を示し、また、上述の第2実施形態において、背板部215を、一端縁を支点として倒して、外装部材201の背面に配置させる例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、第1実施形態の保冷保温箱において、底板部111を、外装部材101の底面(XY面)に平行な状態で、底面側へ落下させるようにして配置してもよい。この場合、底板部111と外装部材101の底面との間の空気を均等に排気する観点から、通気口118は、右側板部113、左側板部114、背板部115、前板部116のそれぞれの底板部111と重なる位置に等間隔に複数設け、また、各板材の通気口118に対応する位置に外装部材の通気口101aを設けるようにしてもよい。
また、外装部材101の通気口101aには、リング状の金具(いわゆる、ハトメ部材)等を取り付けて、通気口の開口端縁を補強するようにしてもよい。更に、通気口101aから外装部材101の内部へ塵等の異物の侵入を抑制する観点から、各通気口101aに蓋部材を設けるようにしてもよい。
101、201 外装部材
101a、201a 通気口
110、210 箱部材
111、221 底板部
112、222 天板部
113、223 右側板部
114、224 左側板部
115、225 背板部
116 前板部
117、227 扉部
118、228 通気口
150 搬送用パレット
250 搬送用かご
1 筐体
2 蓋板
3 カバー材
10 折り畳み式保冷保温箱
11A〜11E 壁部
12、12A、12B 通気孔
Claims (16)
- 折り畳み可能な折り畳み式保冷保温箱であって、
箱形状に形成される外装部材と、
前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置される平板状の第1の断熱部材とを備え、
前記外装部材は、前記折り畳み式保冷保温箱が組み立てられたときに前記第1の断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に通気口が設けられており、
前記通気口は、前記折り畳み式保冷保温箱を組み立てる途中で、前記第1の断熱部材と重ならない状態から前記第1の断熱部材と重なる状態になり、
前記外装部材は、前記通気口の前記第1の断熱部材と重ならない側を覆う蓋部、を備えること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項1に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項2に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口が設けられた前記外装部材の内側の面と前記第1の断熱部材との間に配置される第2の断熱部材を更に備え、
前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口を有すること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項1に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口は、複数設けられていること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口は、スリット状に形成されていること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部に対応する位置に設けられていること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の折り畳み式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、
を特徴とする折り畳み式保冷保温箱。 - 組み立て可能な組み立て式保冷保温箱であって、
箱形状に組み立て可能な外装部材と、
前記外装部材の内側の面に沿うようにして配置可能な平板状の第1の断熱部材とを備え、
前記外装部材は、前記組み立て式保冷保温箱が組み立てられたときに前記第1の断熱部材と重なる領域の少なくとも一部に通気口が設けられており、
前記通気口は、前記組み立て式保冷保温箱を組み立てる途中で、前記第1の断熱部材と重ならない状態から前記第1の断熱部材と重なる状態になり、
前記外装部材は、前記通気口の前記第1の断熱部材と重ならない側を覆う蓋部、を備えること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項9に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に平行な面と重なる位置に設けられていること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項10に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口が設けられた前記外装部材の内側の面と前記第1の断熱部材との間に配置される第2の断熱部材を更に備え、
前記第2の断熱部材は、前記外装部材の前記通気口に対応する位置に通気口を有すること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項11に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記外装部材の前記第1の断熱部材の厚み方向に垂直な面と重なる位置に設けられていること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口は、複数設けられていること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項9から請求項13までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口は、スリット状に形成されていること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部に対応する位置に設けられていること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。 - 請求項9から請求項15までのいずれか1項に記載の組み立て式保冷保温箱において、
前記通気口は、前記第1の断熱部材の角部間の中央部に対応する位置に設けられていること、
を特徴とする組み立て式保冷保温箱。
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