JPH11304083A - 真空断熱パネル及びその製造方法 - Google Patents

真空断熱パネル及びその製造方法

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JPH11304083A
JPH11304083A JP10113635A JP11363598A JPH11304083A JP H11304083 A JPH11304083 A JP H11304083A JP 10113635 A JP10113635 A JP 10113635A JP 11363598 A JP11363598 A JP 11363598A JP H11304083 A JPH11304083 A JP H11304083A
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adhesive
sheet
vacuum
resin
packaging material
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JP10113635A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nishimoto
芳夫 西本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2201/00Insulation
    • F25D2201/10Insulation with respect to heat
    • F25D2201/14Insulation with respect to heat using subatmospheric pressure

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Refrigerator Housings (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミ箔と融着層を成す高密度ポリエチレン
などのプラスチックフィルムの界面における剥離やデラ
ミ現象の発生があり、真空断熱パネル内部にあって、外
部からのガスや水分の透過による侵入による真空度の低
下を生み出す。 【解決手段】 アルミ箔との接着性に優れた熱硬化性樹
脂を接着層に用いたことによって、従来用いていた高密
度ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂と比較して、遥
かに優れた接着性が確保でき、冷熱の温度差がある雰囲
気に投入した場合に発生する剥離への耐性が向上して欠
陥が発生し難い接着層を得ることが出来るので、内部の
真空度の低下に基づく断熱性能の悪化の少ない真空断熱
パネルが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、冷蔵庫
などの断熱を要する壁面の金属製薄板や樹脂成型品など
で構成された間隙に断熱材として配設して用いる真空断
熱パネルに係り、さらに詳しくは、芯材により形状が保
持され、内部の真空を保持する目的で用いる不透気性の
フィルムの外周が接着によって構成された包装材を用い
て成る真空断熱パネルとその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫などに用いる断熱体の壁面
は、外郭を鉄板などの金属製薄板で覆い内面部分を樹脂
成形品で形成して、その間隙に発泡ウレタンを注入発泡
して充填させたものが用いられてきた。断熱材である発
泡ウレタンの発泡剤には、ハイドロクロロフルオロカー
ボン類である1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(H
CFC141b)が用いられてきたが、近年、オゾン層破壊の原
因となる塩素を分子中に含まないハイドロフルオロカー
ボン類やハイドロカーボン類を用いることが提案されて
いる。
【0003】例えば、特開平2−235982号公報で
は1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa
)や 1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン(HFC35
6mffm)のようなハイドロフルオロカーボン類を、特開
平3−152160号公報ではシクロペンタンなどのハ
イドロカーボンを、発泡剤に適用した発泡ウレタンの製
造方法が開示されている。
【0004】しかしながら、これら発泡ウレタンの断熱
性は19〜20mw/mK であり、オゾン層破壊物質の仕様
規制前に用いていたクロロフルオロカーボン類を用いた
場合の16mw/mK の断熱性に比較すれば明らかに劣る。
【0005】このため、各断熱材の性能を比較した図1
2に示すように、従来の発泡ウレタンの2倍以上の断熱
性能が得られる真空断熱パネルを応用する技術が提案さ
れている。このような真空断熱パネルの芯材は、大気圧
相当以上の強度を有し、熱伝導と輻射伝熱の量を抑制す
ることが必要になり、従って、芯材には伝熱量が小さい
物質で作られた多孔質物質の板を用いることが有効であ
り、例えば、特開昭60−205164号公報では連通
気泡の発泡ウレタンが用いられている。
【0006】この様な多孔体が有する伝熱の構成要素と
しては、気孔内にあるガスと気孔を形成する樹脂を伝わ
る熱と、輻射による伝熱から成り立っている。このう
ち、気孔内のガスを排除した真空断熱パネルが有する伝
熱量としては、ガスを伝わる熱量に相当する熱伝導率が
無視できるほど小さくなり、樹脂の伝熱と輻射によって
伝熱のみになるので、優れた断熱性能が発揮される。従
って、真空断熱パネルの真空度は、ガスによる伝熱を無
視できるまで向上させることが、優れた断熱性能を確保
するうえで重要となる。
【0007】真空断熱パネルの製造方法は、一般に、図
13に示す如き工程を経て成されるものである。つま
り、まず、ステップS1にて包装材を形成する。包装材
は、各種ガスが透過しないかまたは非常に透過し難い特
性を有すると共に、内面に相当する層に接着が可能な部
材を用いた多層シートを用い、その端辺を狭い幅で接着
が可能な部材を用いてシールを行うことによって袋状に
成形する。
【0008】次いで、ステップS2では、ステップS1
で得られた包装材に芯材を挿入する。芯材の挿入には作
業性と過剰なシワの発生を抑止するための裕度を包装材
に設けていることが必要であり、芯材の挿入とその次の
「真空引き」工程を効率的に行う上で有効となる。
【0009】ステップS3では、真空溶着機に芯材を挿
入した包装材を固定して真空雰囲気を形成し、芯材の気
孔内に残存する空気などのガスを排気する。真空度は1
torr以下、好ましくは10-2torrを確保する。
気孔内にあるガスの排気には包装材と芯材の間に隙間を
設けてあるので、挿入口端部のみならず芯材の表面から
も排気が出来るので、前記真空度への到達が容易に行わ
れる。
【0010】ステップS4では芯材の挿入口をシール
し、最後のステップS5で真空溶着機の内部の真空を解
除して常圧に戻せば、完成した真空断熱パネルを取り出
せる。
【0011】このときに用いる包装材として、例えば特
開昭58−145488号公報では金属箔の両面にプラ
スチックスフィルムを貼り合わせたラミネートシートを
用いて成り、表面にある熱融着フィルムを重ね合わせて
その端辺を熱融着することによって芯材を包装した真空
断熱パネルが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】熱融着に供する熱融着
フィルムは、図14に示すラミネートシート5の断面構
造の如く、ポリエチレンテレフタレートなどに場合によ
ってはアルミ蒸着などを施した基材1となるフィルムの
上面に表面を保護するために、例えばナイロンなどの耐
傷性に優れた表面層2となるフィルムを載置し、その反
対面にはガスバリヤー層3となるアルミ箔を配設し、溶
着または接着剤を用いて積層した上に接着層4を形成し
たものである。ここで用いる熱融着が容易なフィルムと
してはポリエチレンなどが多く用いられている。
【0013】しかし、熱融着した端辺部分からは、水蒸
気などのガスが透過して真空断熱パネル内部に侵入して
真空度を低下させ、断熱性能を悪化させるという問題が
あり、端辺シール部分の構造および融着に用いるプラス
チックフィルムの種類を適正化した多くの提案が挙げら
れている。
【0014】例えば、特開昭61−240084号公報
では、その両端を金属箔を被せたシール構成によりガス
の侵入経路を遮断する方法が提案され、さらに特開平4
−151487号公報では耐薬品性に優れたアクリロニ
トリルを接着層(4)に用い、真空断熱パネルに積層して
固定する目的で用いる発泡ウレタンの発泡剤であるHC
FC141b等のハイドロクロロカーボン類の侵入に起
因するガスバリヤー層3である金属箔層との間で生じる
剥離現象(デラミ現象)を防止している。
【0015】また、アクリロニトリルでは十分に抑制し
得なかった水分の侵入を特開平5−57105号公報で
は、接着層4に高密度ポリエチレンを用いて抑制してい
る。
【0016】さらに、外部からのガスや水分の侵入経路
である接着層4の厚さを削減する効果とラミネートシー
ト5の厚さ方向における熱伝達低減するための接着層4
の厚さを増すことの効果の相関から求めた接着層4厚さ
の適正化については特開平8−303685号公報では
50〜150ミクロンを提案している。
【0017】しかしながら、これらの開示された方法に
基づいた真空断熱パネルの接着層4は、熱融着に伴う高
温と高圧の樹脂溶融条件のもとで接着層4を成す樹脂を
流動させながら融着させる方法なので、接着層4には接
着不良に伴うピンホールの発生以外に、ガスバリヤー層
3であるアルミ箔と接着層4を成す高密度ポリエチレン
などのプラスチックフィルムの界面における剥離やデラ
ミ現象の発生があり、真空断熱パネル内部にあって、透
過したガスや水分を吸着させるゲッター剤のみでは、真
空度の維持が困難な状態を生み出する。
【0018】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、真空断熱パネルの包装材において、
端辺をシールして内部を真空に維持するための融着層に
相当する接着部を、包装材の構成物質であるアルミ箔と
十分に接着して欠陥を発生させ難くして、外部からのガ
スや水分の透過などによる侵入による真空度の低下を抑
制できる真空断熱パネルおよびその製造方法を得ること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る真空断熱
パネルは、内部に形状を維持するための芯材を有し、ア
ルミ箔と表面保護フィルムから成るシートに接着剤を備
えたシートとをラミネートしたラミネートシートを重ね
合わせて端辺を接着して成形した包装材を具備したもの
において、接着剤を備えたシートが、アルミ箔との接着
に供するものである。
【0020】また、少なくとも外周部分にある端辺が接
着剤を備えたシートを挟み込んでシールされたものであ
る。
【0021】この発明に係る真空断熱パネルの製造方法
は、アルミ箔と表面保護フィルムから成るシートに接着
剤を備えたシートをラミネートしてラミネートシートを
得る工程と、ラミネートシートを重ね合わせて端辺を接
着して袋状の包装材を得る工程と、包装材内に芯材を挿
入する工程と、残りの解放された端辺を真空中で接着す
る工程とを具備するものである。
【0022】また、接着剤を備えたシートが、接着剤の
熱処理工程において変形を来さない不織布に含浸させる
ことによって得たものである。
【0023】また、接着剤を備えたシートが、接着剤の
熱処理工程において変形を来さない樹脂フィルム上に塗
布することによって得たものである。
【0024】また、接着剤が、半硬化状態の熱硬化性樹
脂で構成されたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】実施の形態1. [包装材の作製]以下に、真空断熱パネルの製造方法に
おける端辺のシールに接着シートを適用する方法の概略
を述べる。図1は実施の形態1における真空断熱パネル
の製造工程を示す説明図である。図1の製造工程の如
く、まず、ステップS11で樹脂の調整を行った後、ス
テップS12で樹脂をフィルムに塗布し、ステップS1
3で熱処理を行って安定状態を確保した後、ステップS
14で各種ガスを殆ど透過しないガスバリヤー性に優れ
たシートに貼り合わせて包装材を作製する。さらに、得
られた包装材を用いた以降の工程は、図2に示した製造
工程に従って芯材の真空包装を行う。以下に、各工程の
詳細内容について述べる。
【0026】(ステップS11;接着樹脂の調整)フィ
ルムに塗布する熱硬化性樹脂には、端辺のシールを加熱
硬化する際に適度に流動して上下の接着層の接合時に形
成したボイドなどの空隙を排除するとともに、接着強度
を確保するに足りる十分な樹脂量を残存させることが必
要となる。そのためには、例えば、低粘度の樹脂であれ
ば硬化を速くし、高粘度の樹脂であれば硬化を遅くする
など、適度な粘度とそれに見合った硬化速度の調整が可
能な樹脂組成を選択することが肝要である。
【0027】熱硬化性樹脂には、溶剤タイプあるいは無
溶剤タイプのエポキシ樹脂、トリアジン樹脂、マレイミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、キシレ
ン樹脂、アルキルベンゼン樹脂およびこれらの変性樹脂
を適宜選んで用いることが出来る。
【0028】例えば、表1に示すエポキシ樹脂の原液を
用いて適度な粘度と硬化速度により発現する接着層を形
成することによって、端辺の接着時の加熱時に好ましい
流動挙動を有する樹脂が得られる。
【0029】
【表1】
【0030】(ステップS12;接着剤の塗布)シール
時の加熱によって著しい収縮などの変形を来すことのな
い耐熱性に優れた例えばアミドイミド樹脂繊維の不織布
であるノーメックスペーパ(デュポン(株)社製)を母
材とし、この表面にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の
樹脂液中に一定時間浸漬する。図4の概念図で示すよう
に、母材6に付着した過剰な樹脂液7は、ナイフ状のス
キージ8aを用いて削ぎ落とすことによって樹脂液7の
安定した塗布量を母材6に含浸した接着剤を備えたシー
トの前駆体が得られる。
【0031】この時、母材6への塗布形状は、耐傷性に
優れる表面材と各種気体を透過させないアルミなどのガ
スバリヤー層との複素体に加え、それらを接合するため
の接着層から成る包装材の基本構成を確保するうえで、
得ようとする種々の形態に応じて変化させることが好ま
しい。例えば、接着層を全面に設ける従来の包装材の態
様であれば全面に塗布をすればよいし、図5の断面図に
示す如く、接着に供する母材6の端辺部のみを熱硬化性
樹脂の原液中に浸漬して樹脂を含浸させた接着部9を形
成しても良い。
【0032】接着剤の塗布形態に関し、後者の形態は前
者の形態に比較して母材6に付着する樹脂液7の量を最
小限に少なくできるので、価格の低減と余分な接着剤を
排除でき、従って、接着剤に残存する低分子有機物の揮
散を抑制して真空度の悪化を抑制できるという特長を有
するうえに、単一の接着層、つまり接着剤を備えたシー
トが1枚であっても、十分に目的を達成することが出来
る。
【0033】また、塗布方法が、母材6であるシートを
接着剤の樹脂原液中に浸漬するのみの方法であっても、
目的を達成できる適度な塗布量が確保でき、特に端辺の
接着部9のみに塗布する場合にはスキージ8aを用いる
方法に比べて簡易で効率的な方法である。また、繊維の
集合体である紙状物質に替えて樹脂フィルムを用いれ
ば、樹脂をその表面に薄い層を形成して保持できる。
【0034】これらの塗布形態において、樹脂粘度は接
着層の厚さおよび塗布量を決定するうえで重要な要素で
あり、ボイドなどの欠陥を排除して接着を行うために必
要とする適度な樹脂量を確保するうえで、樹脂フィルム
上に塗布するのみでは比較的低い粘度でも良いが、浸漬
する場合では高粘度のものが必要であり、樹脂フィルム
に変えて不織布などの紙状の物質を用いればそれらより
も低粘度に調整することが好ましい。この粘度の調整に
はメチルセロソルブなどの溶剤量で調整することが最も
容易である。
【0035】(ステップS13;熱処理)母材に含浸し
た樹脂液は、溶剤によって希釈されて適度な粘度を呈す
るように調整されているので、この溶剤を完全に排除し
て固体状態として不織繊維間または母材上に固定化する
ことが肝要である。例えば、表1に示したエポキシ樹脂
の場合には、メテルセロソルブを用いているので、これ
の沸点である124.5℃よりも十分に高い温度である
160℃の温度雰囲気を有して溶剤が滞留しない十分に
広い空間内に10分間、放置して乾燥を行うことによっ
て完全に除去した。この時、同時に低分子である原料の
官能基のうち、高活性な官能基である第1級の水酸基や
アミノ基などが反応して容易に気散しない高分子状態を
確保することができる。つまり、この熱処理によって、
溶剤が除去(乾燥)されて液状であった熱硬化性樹脂の
接着剤を固体状態としてフィルム上に固定化され、同時
に、低分子であった原料を反応させて高分子化させるこ
とによる溶融粘度を上昇させることによって、次工程で
行う包装材の作製に好ましい形態を確保することが出来
る。
【0036】また、前記熱処理において流動性を有する
高分子状態に達するので熱処理時間を短くしたり、熱処
理温度を母材の変形に対処するために低温化する、など
によって充分な乾燥を得るに至らない条件下でも、溶剤
の飛散が充分に行われるように、樹脂の反応が過剰に進
行しない加温下の真空雰囲気中で溶剤の飛散を促す追加
の乾燥を行うと、より好ましい接着層を得ることが出来
る。
【0037】(ステップS14;包装材の成形)ポリエ
チレンテレフタレートなどのフィルムに、場合によって
はアルミ蒸着などを施した基材とラミネートシートの表
面を保護するために例えばナイロンなどの耐傷性に優れ
たフィルムを、接着剤などを用いて貼り付け、その反対
面にガスバリヤー層となるアルミ箔を配設した多層シー
トを作製しておく。さらに、これらの各種フィルムをラ
ミネートした多層シートを、内面層であるポリエチレン
テレフタレートを向かい合わせた間に、接着層としてエ
ポキシ樹脂を含浸したノーメックスペーパを挟み込んだ
後、3方の端辺を線状に加熱しながら加圧することによ
ってシールをして、袋状に成形する。この時、加圧力を
20kg/cm2以上の範囲内で保持しながら160〜200
℃の温度条件下で5〜20分間、好ましくは190℃で
5〜8分間の保持をすれば、接着剤であるエポキシ樹脂
の完全硬化が得られ、包装材の端辺を強固に接着でき
る。
【0038】[真空断熱パネルの作製]図2は、真空断
熱パネルの製造工程の概略を示す説明図であり、図に示
すように、まず、ポリオール液、触媒、連通化材、発泡
剤等から調製したプレミックス液Bと、イソシアネート
液Cとを混合することによって発泡した成型品(ステッ
プS21)から表面層を削除した(ステップS22)の
ちに、外周を切断して削除した板状の加工品を得る(ス
テップS−23)。
【0039】次いで、これを包装材に挿入し(ステップ
S24)、真空パネル成形機によって、真空引き(ステ
ップS25a)、および端片溶着をし(ステップS25
b)、取り出す(ステップS26)。上記のような真空
断熱パネルの製造工程を、芯材の作成(ステップS21
〜ステップS23)と真空断熱パネルの作成(ステップ
S24〜ステップS26)の各方法に分けて詳述する。
【0040】(ステップS21〜ステップS23;芯材
の作成)連通した気泡を有する発泡ウレタン発泡成形品
から得た板状の芯材を例として、まず、その芯材の作成
方法を詳述すると、まず、発泡ウレタンの原料液には、
ポリオールを中心に、触媒、整泡剤、破泡剤、発泡剤な
どが混合されているプレミックス液とイソシアネートが
主成分であるイソシアネート液の2液があり、各々の規
定量を混合することによって発泡が開始するので、これ
らの原料をインペラー式のミキサーを用いて混合し、数
秒後に開始される発泡に間に合うように上面を解放した
金型内に投入する。このときの金型は薄板状であり、具
体的には一辺が350mmで深さが40mmのアルミ製であ
り、温度は30℃〜60℃が好ましく、40℃〜50℃
が特に好ましい。原料の混合液を投入して完全硬化する
まで静置する。硬化が完了する5分以上の放置後にボー
ド状の成型品を確保した(ステップS21)。
【0041】つぎに、得られた発泡成型品の表面にはス
キン層と称する薄い樹脂膜や連通せずに独立したままの
気泡が多く残存しているので、これを切断して削除する
(ステップS22)。削除する厚さは5mm以上が好ま
しく、10mm以上が特に好ましい。また、所定の大き
さを得るために、さらに外周を切断する(ステップS2
3)。
【0042】(ステップS24〜ステップS26;真空
断熱パネルの作成)芯材は、多層シートの包装材内に格
納し、次いで、真空雰囲気下で挿入口を加熱および加圧
することにより得られる。以下に、真空断熱パネルの形
成方法を述べる。芯材12には、所定の面大きさを得る
ために裁断して調整したものを用いる。真空断熱パネル
16は、この芯材12をステップS14で作製した3方
向をシールした包装材11の内に挿入した後(ステップ
S24)、図6に示す装置(真空包装機10)に装填し
て所定の真空度の雰囲気を確保し、この中で残った1方
向を、加熱加圧を行うシールバーによってシールをし
た。真空度は、1×10-2〜10-3Torrの間の任意
の値とした。すなわち、図6に示すように、包装材11
内に芯材12を挿入したものを上・下融着ヒータ13の
間に包装材11の端辺14を装着した後、真空包装機1
0内を所定の真空度になるように、真空調整用バルブ
(図示せず)によって調整する(ステップS25a)。
その後、シール用加圧装置15を用いて挿入口を固定
し、10kg/cm2以上の圧力、好ましくは500kg/cm2
加圧下で160〜200℃、好ましくは190℃での温
度条件下で5〜20分間、好ましくは5〜8分の保持に
よって硬化が完了する(ステップS25b)ので、その
後、ヒータを切って冷却した後に真空を解放して取り出
せば(ステップS26)、真空断熱パネル16が得られ
る。
【0043】なお、以降の真空断熱パネル16を用いた
包装材11の端辺14のシールについて、断熱性を中心
とした各種評価に用いる試料は、シール面が本発明によ
る溶融する熱硬化性樹脂、中間層が外気の侵入を完全に
遮断するためのアルミ箔などの金属箔、さらに最外層が
傷付きなどに耐性のあるナイロンやポリエステルなどの
樹脂を用いた多層シートである。なお、芯材12は、厚
さが20mm、面が180×180mmのものを用い
た。また、芯材12と包装材11は100℃以上の温度
で乾燥を行った後に使用することとした。
【0044】[断熱箱体への適用]図3は、真空断熱パ
ネル16を用いて製品(この場合は冷蔵庫)を組み立て
る工程の概略を示す説明図、図7は組み立てた製品の使
用状態を示す斜視図、図8はその要部イの縦断面図であ
る。図3に基づいて説明すると、外箱17に真空断熱パ
ネル16を貼り付けた後(ステップS31)、内箱18
を外箱17の嵌合部に挿入して合体させ(ステップS3
2)、その他の部材も含めて箱体の組み立てを終える
(ステップS33)。
【0045】次に、外箱17と内箱18の間に形成され
た空間部に発泡ウレタン18の原料混合液を注入して発
泡充填させることにより断熱層を形成する(ステップS
34)。その後、内部部品と冷媒回路部品を用いて内部
部品の配置や冷媒回路の製品組立を行い(ステップS3
5)、製品検査を完了すれば(ステップS36)、製品
として完成する(ステップS37)。
【0046】本実施の形態に基づく包装材11のシート
構成によれば、製造の工数削減が可能であるとともに、
真空断熱パネル16の内面にあたる接着層部分のシート
のみが独立しているので、これら包装材11を形成する
各部材は保管しやすいという利点が得られる。
【0047】実施の形態2.端辺のシールに用いる接着
剤を備えた別な形態のシートとその作成方法について、
以下に述べる。実施の形態1では不織布に樹脂を含浸さ
せたものを用いたが、それに替えて、本実施の形態では
耐熱樹脂フィルム上に樹脂を塗布したものを用いる。以
下に、前記実施の形態1と異なる工程部分について述べ
る。
【0048】(ステップS12;接着剤の塗布)シール
時の加熱によって著しい収縮などの変形を来すことのな
い耐熱性に優れた非晶性ポリエチレンテレフタレート樹
脂のフィルムであるNOVAPEX(三菱化学(株)社
製)、場合によっては、包装材の表面を保護するために
耐傷性に優れた例えばナイロンなどのフィルムを備え、
これにガスバリヤー層となるアルミ箔を接着剤などを用
いて貼り付けた多層フィルムを母材6bとして用い、そ
の表面にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の樹脂液7を
均一に塗布する。母材6bへの塗布は、樹脂液7の概略
塗布量を母材6b上に散布後、図9(a)の斜視図に示
すような、任意の一定間隙を形成して過剰な樹脂液7を
排除できるナイフ状のスキージ8bを用いて均一にする
ことによって達成する。
【0049】接着剤の塗布形態に関しては、既に述べた
ように全面に塗布をしても良く、また塗布方法も樹脂液
7中に浸漬することによって達成することも可能であ
る。また、塗布量に関しても、図9(b)の塗布状態の
断面を示す説明図に示すように、スキージ8bを用いて
母材6bを水平に保持した状態を維持して塗布するので
あれば、接着剤となる樹脂液7の粘度にはあまり影響さ
れないが、前記の樹脂中に浸漬する方法であれば樹脂の
粘度を適正化して、所望の厚み、つまり付着量を得られ
るようにすることが肝要である。
【0050】(ステップS13;熱処理)母材6b上に
塗布した樹脂液7は、溶剤によって希釈されて流動状態
を呈するので、この溶剤を排除して固体状態として多層
フィルム上に固定化する。ここでは、溶剤としてメチル
エチルケトンを用いているので、これの沸点である7
9.6℃よりも十分に高い温度である130℃の温度雰
囲気を有して溶剤が滞留しない十分に広い空間内に20
分間、放置して乾燥を行うことによって完全に除去し、
同時に流動性を有して容易に気散することのない高分子
状態を確保することができる。つまり、この熱処理によ
って、溶剤が除去(乾燥)された固体状態として多層フ
ィルム上に固定化され、同時に低分子であった原料を反
応させて高分子化させることによる溶融粘度を上昇させ
ることによって、次の工程で行う包装材の作製に好まし
い形態を確保することが出来る。
【0051】このように、多層フィルム20上への塗布
形状は、図10の端辺接着部における断面図に示すよう
に、耐傷性に優れる表面層2と各種気体を透過させない
アルミ箔などのガスバリヤー層3などを備えた多層フィ
ルム20を母材6bとし、その上に接着剤を塗布して接
着層4を確保するが、この時用いる母材6bの種類を、
特に耐熱性に応じて変化させることが好ましい。例え
ば、熱変形温度や融点の低い樹脂を母材6bに用いた場
合には、樹脂の反応が過剰に進行しない比較的低温下の
真空雰囲気中で溶剤の気散を促して追加の乾燥を行う
と、より好ましい接着剤を得ることが出来るので、耐熱
性の低い母材6bを用いても良い。さらに、耐熱性に優
れた別の母材6b上に薄く塗布したものであれば、より
高温で乾燥させて予め樹脂化させることもでき、また、
別な態様として、例えば粉末状にしたものを母材6b上
に適度の量を載置した後、比較的低温の溶融温度である
80℃に加熱して固定化する方法を用いれば、得られた
真空断熱パネル内部の真空度を悪化させる要因となる溶
剤の残存量を抑制するうえで有効である。
【0052】(ステップS14;包装材の成形)ステッ
プS13にて得られた接着層4を備えた多層フィルム2
0の接着層4同志を重ね合わせて端辺を線状に加熱しな
がら3方向の端辺を加圧することによってシールをして
袋状に成形する。この時、加圧力を1〜30kg/cm2の範
囲内で保持しながら150〜180℃の温度条件下で3
〜10分間、好ましくは175℃で5分間の保持によっ
て完全硬化が得られ、包装材の端辺を強固に接着でき
る。
【0053】このとき、半硬化状態の接着剤は、高温状
態における粘度の急激な低下によって、加圧した部分か
らの流失を来たして接着強度の低下を来たし易いので、
高粘度で高反応性の性状に調整するが好ましい。また、
加圧部分が二本である端辺のシール方法を用いることに
よって、加圧部分の間隙に樹脂を滞留させて流出しない
ようにすることによって、本来の接着強度を確保し易く
なる。
【0054】以上、ステップS12の接着剤の塗布、ス
テップS13の熱処理、ステップS14の包装材の作製
に関して述べたが、その前後の工程に関しては、図1
(ステップS11)および図2(ステップS5〜ステッ
プS16)に記載された工程内容と同様の取り扱いをす
る。
【0055】本実施の形態に基づく包装材のシート構成
によれば、端辺をシールして包装材を形成する為に積層
する際に、包装材の部材として用いるシートの数が少な
くてすむので、わずらわしさがなくなるという利点があ
る。
【0056】
【実施例】前記実施の形態1および実施の形態2に基づ
いて作製した接着シートを用いて端辺をシールした真空
断熱パネルの断熱性能の経時変化と端辺シール部におけ
る接着強さとし、端辺のシール部における相対する包装
材同志の接着性について、JIS−K6854(接着剤
のはく離接着強さ試験方法)におけるT形はく離試験に
準じた方法で評価した。試料は、真空断熱パネルの端辺
をシール線の直角方向、つまり芯材の挿入方向に10m
mの幅で中央部付近から10本を採取し、これらを引っ
張り試験機を用いて剥離開始から全面剥離までの応力−
歪み曲線を測定した。その一例を図11に示す。はく離
強さは、剥離領域における平均値を求め、さらに10本
の中間値である6点の平均値で示した。断熱性能の評価
は、栄弘精機(株)社製の「オートラムダ」を用いて測
定した熱伝導率を用いて、作製4時間後と50℃の雰囲
気中に任意の時間放置した後の真空断熱パネルを各々試
料としたときの熱伝導率の変化を、断熱性能の経時変化
として評価した。
【0057】実施例1〜4.以下に、本発明における真
空断熱パネルに、実施の形態1に基づく実施例1および
実施例2の端辺シールを用いたシート組成を表2に、ま
た本発明の実施の形態2に基づく実施例3および実施例
4の端辺シールを用いたシート組成を表3に示す。ここ
で、母材の厚さは、マイクロメータで測定した接着剤で
ある熱硬化性樹脂塗布前のシート厚さであり、樹脂保持
量は、熱硬化性樹脂を塗布した後のシート重量に占める
熱硬化性樹脂の重量の割合(重量比;wt%)である。ま
た、表2に示したシートの母材である不織布であるノー
メックスシートは、50ミクロンの厚さで坪量(1m2
のあたりの試料重量)が40g程度のものを用いた。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】また、試料である真空断熱パネルに用いた
包装材の構成は、シール層部分が本発明に基づく熱溶融
する熱硬化性樹脂、中間層部分が外気の侵入を遮断する
6ミクロンの厚さのアルミ箔、最外層部分が傷付きに耐
性のある50ミクロンの厚さを有するナイロン樹脂を用
いた。実施の形態1に基づく包装材のシート構成は、シ
ール層部分と中間層部分および最外装部分を積層したシ
ートとを袋状に成形する段階で融着と接着を同時に行う
ものであり、実施の形態2に基づく包装材のシート構成
は接着層部分と中間層部分および最外装部分を予め積層
したシートとを予め融着した後に袋状に成形してする段
階で接着するものである。
【0061】前記、袋状に成形した残りの端辺のシール
は、真空包装機の内部における真空度を1×10-2to
rrで2分間の保持した後、包装材の端辺にシール用加
圧装置を用いて、190℃の温度下で50kg/cm2の加圧
を7分間の保持をすることによって実施例1および実施
例2を、180℃の温度で1.5kg/cm2の加圧下で5分
間の保持をすることによって実施例3および実施例4
を、各々の接着剤を硬化させるものである。
【0062】実施例5.また、同様にして、2本のシー
ル用加圧装置を用いて2本の加熱加圧を行ってシールを
した真空断熱パネルを作製した。この時に用いたシート
組成は実施例3と同じとする表3に示す組成のシートで
あり、中間層が外気の侵入を完全に遮断するための厚さ
が5ミクロンのアルミ箔、さらに最外層が傷付きなどに
耐性のある厚さが50ミクロンのナイロン樹脂を用いた
多層シートである。実施例3との違いは、真空包装機内
部の真空度を1×10-2torrで2分間の保持後に行
うシールの方法が、包装材の端辺に2mmの間隔を有して
2本のシール用加圧装置を同時に動作させることにあ
り、この時の加熱加圧条件を175℃の温度下で2kg/c
m2の加圧を7分間の保持とした。
【0063】比較例1.比較例に用いた包装材の構成
は、シール面が熱溶着の可能な熱可塑性樹脂である40
ミクロン厚さの高密度ポリエチレンである他は、前記実
施例と同じ構成である中間層が外気の侵入を完全に遮断
するための5ミクロンの厚さを有するアルミ箔、さらに
最外層が傷付きなどに耐性のある50ミクロンの厚さを
有するナイロン樹脂を用いた多層シートを用いたもので
ある。
【0064】なお、試料とする真空断熱パネルは、密度
が65kg/m3 、セルサイズが130μmのものを用
い、各芯材の厚さを20mm、面大きさを180×18
0mmの大きさに切断、これを150℃で1時間程度乾
燥した後に使用した。試料とする真空断熱パネルは、1
10℃で30分乾燥した多層シートで作った包装材内に
挿入後、10-1Torrの任意の真空雰囲気中で熱シー
ルすることによって得た。これら試料の作製から4時間
後の断熱性能と、−20℃と50℃の雰囲気中を交互に
6時間ずつの放置下で30日間放置した後の経時変化の
評価結果を表4に示した。
【0065】
【表4】
【0066】以上の結果から、不織布状の母材に樹脂を
含浸させることによって形成した接着剤を備えたシート
を用いた実施例1と実施例2において、比較例1に比較
して強固な剥離強さを有して成り、さらに熱伝導率の経
時変化も殆どなかった。また、樹脂シート上に樹脂を塗
布して接着層を形成したシートを用いた実施例3と実施
例4においても、同様の結果を得た。さらに、実施例5
においては、同様の樹脂シートを用いた実施例3および
実施例4に比較しても、有意に高い接着力を得ることが
できた。
【0067】さらに、図11に示した剥離部分と剥離強
度の関係図に基づいて、接着面の構造とその作用を予測
すると以下のようになる。まず、実施例1と実施例2で
は、ノーメックスのような不織布を母材に用いたことに
よって、不織布を構成する繊維間に備えられた樹脂が、
繊維間を通って流出する際の抵抗となって作用する。こ
の時、加圧力に比例して繊維間の空隙も狭くなるので、
加圧条件を調整するだけで適度に樹脂を保持して残存量
を確保した状態を得て、シール用加圧装置によって加圧
加熱したシール部分21にて、必要な接着力が確保で
き、剥離の最初と最後にある非加圧部分23において剥
離強度の低下を示した。
【0068】また、平滑な面上に接着剤を載置した実施
例3と実施例4の場合には、加熱によって接着剤である
半硬化状態のエポキシ樹脂が流動してシール用加圧装置
によって加圧したシール部分21に残存する樹脂量が非
常に少なくなることに伴う接着強度の低下を防止するた
めに、容易に流動を来さない高粘度で高反応性に調整し
て、前記不具合を防止している。さらに、流動した樹脂
が加圧部分の両端に残存して剥離発生の開始点22およ
び終点24を形成している。
【0069】実施例5においては、前記の樹脂シートの
接着層にある樹脂が加熱加圧する場合に1本のシール用
加圧装置のみで流出する樹脂を、2本のシール用加圧装
置の間に閉じ込めて充分な樹脂量を確保することができ
るので、同様の樹脂シートを用いた実施例3および実施
例4に比較しても、有意に高い接着力を得ることができ
た。
【0070】以上の如く、本発明によれば、アルミ箔と
の接着性に優れた熱硬化性樹脂を接着層に用いたことに
よって、従来に用いていた高密度ポリエチレンなどのオ
レフィン系樹脂と比較して、遥かに優れた接着性が確保
できた。これによって、冷熱の温度差がある雰囲気に投
入した場合に接着層とその他の層の間の膨張率の差に基
づいて発生する歪みを繰り返して受けることによって発
生する剥離への耐性が向上し、欠陥が発生し難い接着層
を得ることが出来る。このことは、真空断熱パネル内に
外部ガスである空気の侵入を抑制できて、内部の真空度
の低下に基づく断熱性能の悪化の少ない結果を得ること
が出来た。
【0071】上述の実施の形態では、冷蔵庫について説
明したが、これに限定されるものではなく、例えば、車
載用小型冷蔵庫やプレハブ式簡易冷蔵庫、保冷車やパイ
プや建築物の保温材など、保温および保冷用製品の断熱
用部品としての応用も可能であり、その要旨を脱し得な
い範囲で種々変形して実施することができる。
【0072】
【発明の効果】この発明に係る真空断熱パネルは、接着
剤を備えたシートを用いてアルミ箔を接着したので、簡
便に強固な接着層を得ることが出来るので、断熱性能の
経時変化を抑制することが出来る。
【0073】また、少なくとも外周部分にある端辺が接
着剤を備えたシートを挟み込んでシールされたものであ
り、揮発性ガスの発生要素となる接着剤を接着部分のみ
の使用を可能とせしめ、断熱性能の経時変化抑制と経済
性の向上を達成できる。
【0074】この発明に係る真空断熱パネルの製造方法
は、アルミ箔と表面保護フィルムから成るシートに接着
剤を備えたシートをラミネートしてラミネートシートを
得る工程と、ラミネートシートを重ね合わせて端辺を接
着して袋状の包装材を得る工程と、包装材内に芯材を挿
入する工程と、残りの解放された端辺を真空中で接着す
る工程とを具備するので、ガスの発生と侵入を抑制でき
る強固な接着層を簡便に得ることが出来る。
【0075】また、接着剤を備えたシートが接着剤の熱
処理工程において変形を来さない不織布に含浸させるこ
とによって得たので、容易に均一で任意の樹脂量を備え
る接着シートを得ることが出来る。
【0076】また、接着剤を備えたシートが接着剤の熱
処理工程において変形を来さない樹脂フィルム上に塗布
することによって得たので、シートが備える接着剤の量
を容易に決定することが出来る。
【0077】また、接着剤が半硬化状態の熱硬化性樹脂
であるから、低分子物を真空断熱パネルの製造工程にお
ける真空雰囲気中に持ち込むことがないので、それを用
いた接着シートの取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における真空断熱パ
ネルの製造工程を示す図である。
【図2】 実施の形態1における真空断熱パネルの製造
工程を示す図である。
【図3】 実施の形態1における真空断熱パネルを用い
た冷蔵庫組立工程を示す図である。
【図4】 実施の形態1における不織布を母材として樹
脂を含浸状態の概念を示す斜視図である。
【図5】 実施の形態1における端辺のみを接着部とし
た接着層部材の概念を示す斜視図である。
【図6】 実施の形態1における端辺を真空中でシール
する装置(真空包装機)の内部構造を示す図である。
【図7】 実施の形態1における真空断熱パネルを組込
んだ冷蔵庫の斜視図である。
【図8】 図7における要部イの縦断面図である。
【図9】 実施の形態2における樹脂原液を母材上に塗
布する状態を示す斜視図である。
【図10】 実施の形態2におけるフィルム上への塗布
形状を示す断面図である。
【図11】 実施の形態2における包装材の端辺におけ
る剥離部分(断面図)と剥離強度の関係を示す図であ
る。
【図12】 各断熱材の断熱性能を比較した説明図であ
る。
【図13】 従来の真空断熱パネルの製造工程を示す説
明図である。
【図14】 従来の熱融着フィルムの構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
2 表面層、3 ガスバリヤー層、4 接着層、5 ラ
ミネートシート、6,6b 母材、7 樹脂液、8a,
8b スキージ、9 接着部、10 真空包装機、11
包装材、12 芯材、14 端辺、16 真空断熱パ
ネル、17 外箱、18 内箱、19 発泡ウレタン、
20 多層シート、21 シール部分、22 剥離の開
始点、23 非加圧部分、24 剥離の終点。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に形状を維持するための芯材を有
    し、アルミ箔と表面保護フィルムから成るシートに接着
    剤を備えたシートとをラミネートしたラミネートシート
    を重ね合わせて端辺を接着して成形した包装材を具備し
    た真空断熱パネルにおいて、 前記接着剤を備えたシートが、前記アルミ箔との接着に
    供することを特徴とする真空断熱パネル。
  2. 【請求項2】 少なくとも外周部分にある端辺が前記接
    着剤を備えたシートを挟み込んでシールされたことを特
    徴とする請求項1記載の真空断熱パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の真空断熱パネルの製造方
    法であって、 アルミ箔と表面保護フィルムから成るシートに接着剤を
    備えたシートをラミネートしてラミネートシートを得る
    工程と、 前記ラミネートシートを重ね合わせて端辺を接着して袋
    状の包装材を得る工程と、 前記包装材内に芯材を挿入する工程と、 残りの解放された端辺を真空中で接着する工程と、を具
    備する真空断熱パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記接着剤を備えたシートが、接着剤の
    熱処理工程において変形を来さない不織布に含浸させる
    ことによって得たものであることを特徴とする請求項3
    記載の真空断熱パネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤を備えたシートが、接着剤の
    熱処理工程において変形を来さない樹脂フィルム上に塗
    布することによって得たものであることを特徴とする請
    求項3に記載の真空断熱パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記接着剤が、半硬化状態の熱硬化性樹
    脂で構成されたことを特徴とする請求項3記載の真空断
    熱パネルの製造方法。
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