JP2009293708A - 真空断熱材およびそれを備えた機器並びに真空断熱材の製造方法 - Google Patents

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Daigoro Kamoto
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Abstract

【課題】安価な構成で、高温雰囲気での使用が可能であって、アウトガスによる熱伝導率の劣化を抑制でき、熱溶着層の溶着信頼性の高い外包材を有する真空断熱材を得ること。
【解決手段】真空断熱材6は、高温雰囲気で使用されるものであって、無機繊維集合体からなる芯材2と、水分やガス成分を吸着する吸着剤3と、金属層9及び熱溶着層8を有して芯材2及び吸着剤3を収納した外包材7とを備える。外包材7の熱溶着層8は脂肪族ジアミンを含む重合体からなる有機溶媒可溶性の高分子塗膜が用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱材およびそれを備えた機器、並びに真空断熱材の製造方法に係り、特に、120〜200℃の高温雰囲気で使用される真空断熱材およびそれを備えた機器並びに真空断熱材の製造方法に好適なものである。
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品を含め種々の機器に対して消費電力等のエネルギー削減が望まれている。例えば、冷蔵庫の消費電力は庫内の負荷量が一定であれば、冷却用圧縮機の効率および熱漏洩量に関与する断熱材の断熱性能が重要である。そこで、熱伝導率の低い高性能な真空断熱材が開発され、冷蔵庫や冷凍庫等に多く使用されてきた。
真空断熱材は発泡ウレタン等の断熱材に比べ熱伝導率が非常に優れているため、耐熱性を要する種々の機器への適用が望まれている。例えば、恒温槽、オーブンレンジ、加熱調理機、電子レンジ、複写機、レーザープリンタ、車等の機器における高温雰囲気で使用が可能な高温用の真空断熱材が求められている。高温用の真空断熱材では、無機繊維重合体からなる芯材及びアウトガスを吸着する吸着剤を収納する外包材の耐熱化が必要になる。
現時点では、レトルト食品を包む高温用の外包材として、熱溶着層にプロピレンホモポリマー(CPP)を用いたラミネートフィルムの外包材が市販されている。しかし、CPPを熱溶着層に用いた外包材は、耐熱温度が約120℃未満であり、120℃以上の高温度雰囲気で使用するのは困難であった。
冷蔵庫等の真空断熱材に用いられている従来の外包材は、アルミ箔またはアルミ蒸着フィルムと有機フィルムとを接着剤を使用して組み合わせたラミネートフィルムで作製されている。具体的には、ガスバリヤ層にアルミ箔(箔厚:5〜8μm)やアルミ蒸着フィルム(蒸着膜厚:300〜600Å)を用い、このガスバリヤ層にエチレンビニルアルコール共重合体フィルムやポリエステルフィルムを接着剤で貼り合わせ、溶着層にポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムを用い、保護層にナイロンフィルムを用いた外包材が使用されている。このように、現行の冷蔵庫等の真空断熱材の外包材は、耐熱性が不用なため、安価な汎用フィルムをガスバリヤ層の全面に貼り付けたラミネートフィルムで構成している。
一方、120〜200℃の高温雰囲気で使用される真空断熱材は、全ての素材で耐熱性が必要である。金属箔やアルミ蒸着フィルムの全面に溶着層となる耐熱フィルムをラミネートする外包材では、耐熱フィルムが高価であるため、外包材が高コストになるという問題がある。また、耐熱フィルムは融点が高く真空封止の熱溶着時に高温での封着が必要であること、また、各層ごとに接着剤を用いてラミネート化する必要があるため、高温ではアウトガスが多く発生し、真空断熱材の熱伝導率劣化を促進してしまう問題がある。
これまで提案された高温用の真空断熱材としては、特開2004−332929号公報(特許文献1)、特開平8−159376号公報(特許文献2)、特開2005−114014号公報(特許文献3)及び特開2001−141179号公報(特許文献4)に開示されたものがある。
特許文献1には、熱溶着層とガスバリヤ層と保護層とを有するラミネートフィルムの外包材を備え、熱溶着層に融点が200℃以上のフィルムを用い、ガスバリヤ層および保護層に融点が熱溶着層に用いたフィルムの融点よりも高いフィルムを用いた真空断熱材が開示されている。そして、熱溶着層の融点が200℃以上の場合には熱溶着層としてフッ素系フィルムを用い、また、熱溶着層が200℃未満の場合には熱溶着層としてポリプロピレンフィルムを用い、ガスバリヤ層としてポリエチレンナフタレートフィルムに金属蒸着したものを用い、保護層としてフッ素系フィルムまたはイミド系フィルムを用いた真空断熱材で構成し、100℃を超える温度で用いる真空断熱材の記載がある。
特許文献2には、無機材料または有機材料からなる粉末または発泡体を芯材とし、この芯材をガス不透過性に優れた被覆材によって被覆すると共に、その内部を真空状態とした真空断熱材において、被覆材が厚さ0.3mm以下のステンレス箔によって構成され、被覆材の突き合わせ部をシーム溶接で封止することが記載されている。
特許文献3には、芯材と熱溶着層とガスバリヤ層と保護層とを有するラミネートフィルムの外包材を備え、熱溶着層として融点200℃以上のフッ素系フィルムを用い、ガスバリヤ層および保護層フィルムとして融点が熱溶着層フィルムの融点よりも高いものを用い、各フィルム積層の接着剤としてアクリル、ポリエステル、エポキシ、シリコーン系のものを用いた真空断熱材が記載されている。また、熱溶着層が融点200℃未満のフィルムの場合には、保護層が融点200℃以上のフィルムで構成され、接着剤と熱溶着層がポリプロピレンフィルム、保護層がフッ素系フィルムまたはイミド系フィルムの真空断熱材で構成され、100℃を超える温度で用いる真空断熱材の記載がある。
特許文献4には、ガスバリヤ層と保護層とシール層とを積層したラミネートフィルムの包装材に芯材を収納させて真空排気した真空断熱材において、ガスバリヤ層が延性を有し、ガスバリヤ層として熱伝導率が300Kで100(W/m・K)以下の金属を使用することが記載されている。ガスバリヤ層として磁界を透過する金属の金属箔であって厚さ50μm以下のステンレス箔やチタン箔を用い、保護層として耐熱性の有機ラミネートフィルムであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリフェニルサルファイドを用いた真空断熱材の記載がある。
特開2004−332929号公報 特開平8−159376号公報 特開2005−114014号公報 特開2001−141179号公報
しかしながら、上記の特許文献1の真空断熱材は、耐熱フィルムをラミネートする構成で高コストの耐熱フィルムを全面に使用しているので、外包材のコストが大幅に高くなってしまう。また、接着剤を全面にラミネートすることで、高温雰囲気で使用される際にアウトガスが多く発生し、熱伝導率特性の劣化を促進する問題がある。なお、本発明者らの実験結果では、接着剤使用のラミネートフィルムの場合には80℃程の昇温時からメチルアルコール、エチルアセテート、トルエン、スチレン等の溶剤系ガスが脱離することが確認され、ラミネートフィルムの接着剤が有機のアウトガスを脱離する現象が見られた。また、熱溶着層に用いた融点が200℃以上のフッ素系フィルムは、耐熱性や難燃性に優れるが、フッ素系フィルムは一般に非粘着性(接触角が100〜115度)で外包材の熱溶着層として溶着強度が劣る。さらには、200℃未満のポリプロピレンフィルムの熱溶着層は融点が約120℃であり、高温用の真空断熱材を作製するのは困難であった。このことから、特許文献1の真空断熱材では、高温環境、例えば、長期信頼性試験の160℃/90日間放置の場合等に、未だ、高性能の真空断熱材を得るには至っていない。
上記の特許文献2の真空断熱材は、ステンレス箔の両被覆材の突き合わせ部をシーム溶接で封着するものであるが、真空断熱材をシーム溶接で製品化するのは問題が多い。例えば、被覆材の金属箔が厚くなるに従って熱伝導率特性が高くなるため、被覆材に使用するステンレス箔の厚みとして0.3mm以下にすることが必要である。シーム溶接の場合には、金属箔が薄箔および大形状になるに従い、溶接部分の平行度保持や有機物除去および曲げや衝撃の応力集中で発生するクラックやピンホール等の問題があるため、大形状(500×1500mm)の真空断熱材を得るには至っていない。
上記の特許文献3、4の真空断熱材は、耐熱フィルムを用いたラミネート構成であり、高コストの耐熱フィルムを全面に使用することでコストが大幅に高騰してしまう。また、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、シリコーン系の接着剤が高温雰囲気でアウトガスを発生し、この影響により熱伝導率特性の劣化を促進させる問題がある。このことから、特許文献3、4の真空断熱材では、高温環境、例えば、長期信頼性試験の160℃/90日間放置の場合等では、未だ、高性能の真空断熱材を得るには至っていない。
本発明の目的は、安価な構成で、高温雰囲気での使用が可能であって、アウトガスによる熱伝導率の劣化を抑制でき、熱溶着層の溶着信頼性の高い外包材を有する真空断熱材およびそれを備えた機器並びに真空断熱材の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、無機繊維集合体からなる芯材と、水分やガス成分を吸着する吸着剤と、金属層及び熱溶着層を有して前記芯材及び前記吸着剤を収納した外包材と、を備え、高温雰囲気で使用される真空断熱材において、前記外包材の熱溶着層として脂肪族ジアミンを含む重合体からなる有機溶媒可溶性の高分子塗膜を用いたことにある。
即ち、本発明では、外包材の金属箔の熱溶着層として、脂肪族ジアミンを含む重合体からなる有機溶媒可溶性の高分子塗膜(特にその中で可溶性ポリイミド系の塗膜が最適)を、金属箔両面の必要最少部に直接塗膜した耐熱外包材を用いた真空断熱材を提供する。本発明は、ラミネートフィルムの構成と異なり、高価格の耐熱フィルムを全面に使用せず、また、フィルムを接着剤を用いて貼り合わせることもなく、高温環境下の配設でもアウトガスの発生が抑えられる効果を有する。その結果、長期信頼性試験、例えば、160℃/90日間放置の場合等でも熱伝導率特性の劣化が少ない。また、従来のアルミ箔に比べ熱伝導率が低いステンレス箔等の厚い(15〜100μm)材料を用いることが可能となり、真空断熱材の一方面側から他方面側へのヒートブリッジが小さくでき、恒温槽等の高温部における熱遮断の真空断熱材を配設することで、省スペース化と熱漏洩量が低減された機器とすることが可能となる。さらには、金属箔が厚くても良いため、真空断熱材の表面部における突き刺しや切り裂き性も高強度化し、金属箔材の周縁部塗膜でのコスト低減が図れ、高温環境下の使用でも高性能な真空断熱材を提供することにある。
そして、有機高分子としては、ポリイミド系、ポリイミド−ポリアミド酸系、ポリアミドイミド系、ポリイミドシロキサン系が用いられ、その高分子は溶剤に可溶性のワニス、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、スルホラン、アニソール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルラクトン等が用いられる。これらの溶剤中で、ジアミン成分と酸成分とをほぼ等モルで合成を行う。その際、約180℃の温度を加え、且つ、触媒等を使用せずにポリイミド系等のワニスを合成するものであり、熱溶着層としての接着強度が低下する触媒等の添加を行わない。ポリイミド系等のワニスの状態でほぼイミド閉環が完了した有機溶媒可溶の高分子である。
ジアミン成分として、例えば脂肪族ジアミンは、1、3−ジアミノプロパン、1、4−ジアミノブタン、1、5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,18−ジアミノオクタデカン等があり、メタ結合ジアミンは、3,4´―ジアミノジフェニルエーテル、3,3´―ジアミノジフェニルエーテル、m―フェニレンジアミン、3,3´―ジアミノジフェニルメタン、3,3´―ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等がある。その他ジアミンは、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、p―フェニレンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルー1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン等をあげることができる。
また、酸成分として、例えば、脂環式酸無水物は、ビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物、1,2,3,4―ブタンテトラカルボン酸ニ無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸ニ無水物等がある。その他酸無水物は、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ニ無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ニ無水物等をあげることができる。
これらの有機溶媒可溶性の高分子塗膜は、耐熱性を有し、脂肪族ジアミンを含むことにより、ガラス転移温度が比較的低い高分子等になり、約200〜300℃の温度で短時間の熱圧着による封着においても外包材の接着強度が高く、高温環境下でも高性能と長期信頼性を両立可能な真空断熱材が得られる効果を有する。
また、本発明は、前記無機繊維積層体がバインダーを含まない平均繊維径が3〜5μmのグラスウールを芯材として用い、前記外包材の熱溶着層に用いる高分子塗膜が可溶性ポリイミド系を用いたことを特徴とする真空断熱材である。芯材には、バインダーを含まない平均繊維径が3〜5μmのグラスウールを選定したことにより、熱伝導率特性が低く抑えられる効果を有する。芯材の平均繊維径により熱伝導率やコストが大きく変わり、例えば、平均繊維径が5μm以上のグラスウールではコストが安価であるが、接触熱抵抗が小さく熱伝導率が高くなる。一方、平均繊維径が3μm未満の繊維は熱伝導率が低くなるがコストが高価である。グラスウール以外としてはシリカ繊維、シリカアルミナ繊維、セラミック繊維等の併用も可能である。また、熱溶着層に用いる高分子塗膜は可溶性ポリイミド系を用いることにより接着強度が高くなり好ましい。ポリイミドはジアミン成分と酸成分とから合成され、室温付近の温度で重合させるとポリイミド前駆体ワニスのポリアミド酸が得られる。また、180℃付近の温度で重合させるとイミド閉環がほぼ完了したポリイミドワニスが得られる。これまで、例えば銅箔積層基板のフレキシブルプリント配線板や半導体パッシベーション等に用いるポリイミドは、塗膜形成後に250℃以上で加熱脱水閉環したポリイミド前駆体ワニスのポリアミド酸が容易に使用し易く、種々の製品に適用されている。しかし、真空断熱材の場合には、ポリイミド前駆体ワニスでは熱溶着層の接着強度が低く、ポリイミドワニスでは接着強度が高くなり好適であった。この理由は明らかではないが、ポリイミドの性質により、前駆体ワニスはイミド閉環時の脱水や凝集構造の影響により接着強度が劣り、可溶性ポリイミド系は凝集構造(ドメイン)の発生により接着強度が高くなるものと推察され、可溶性ポリイミド系において高性能な真空断熱材が得られる効果を有する。
また、本発明は、前記金属外包材がステンレス箔またはアルミ合金箔を用い、前記金属箔同士が可溶性ポリイミド系の熱溶着層を挟み、重量平均分子量が20000〜80000の重合体の塗膜を用いたことを特徴とする真空断熱材である。外包材の金属箔は従来のアルミ箔に比べ、ステンレス箔やアルミ合金箔は厚くても熱伝導率が約5(mW/m・K)以下の真空断熱材が得られる。また、熱溶着層の可溶性ポリイミドの重量平均分子量が20000未満では塗膜が流動し易くなり、80000を超えると流動し難くなり、両者共に不均一な塗膜で熱溶着層には好ましくない。また、金属箔を伝わって流れ込む熱量が少ないその他の金属には、鉄、ニッケル、スズ、チタン、炭素鋼、コバルト、ニッケル、亜鉛等の併用も可能である。更に、可溶性ポリイミド系の塗膜を形成し易くするため、アエロジル、シリカ、タルク、酸化チタン等のフィラー混入も可能であり、伝熱抵抗の相乗効果による外包材を通した熱伝導量が抑制されてヒートブリッジが小さくなり、熱伝導率を低く抑えられる効果を有する。
また、本発明は、前記金属外包材が15〜100μm厚の箔基材で、その箔基材の間に熱溶着層を挟み、互いに向い合わせて貼り合わせる可溶性のポリイミド系が少なくともメタ結合ジアミンおよび脂環式酸無水物からなる重合体の塗膜を用いたことを特徴とする真空断熱材である。金属外包材が、例えば5(mW/m・K)以下の熱伝導率を示す真空断熱材は、アルミ箔の場合には10μm以下が必須であり、ステンレス箔やアルミ合金箔においては15〜100μmに拘らず熱伝導率が約5(mW/m・K)以下となることがわかった。また、メタ結合ジアミンおよび脂環式酸無水物からなる可溶性のポリイミド系塗膜は、高温時でも溶着部の接着強度が優れ、高温化でも熱伝導率の経時劣化特性が維持できる効果が得られる。
また、本発明は、前記吸着剤が疎水性合成ゼオライトの吸着剤を含むことを特徴とする真空断熱材である。疎水性合成ゼオライトは、不燃性の吸着剤で有機溶剤系のガスを吸着するハイシリカゼオライト等を選定したものである。吸着剤として、必要に応じてドーソナイト、ハイドロタルサイト、金属水酸化物のガス吸着剤等、またはモレキュラシーブ、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライト、活性炭、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水分吸着剤等を併用することが可能である。真空断熱材を高温環境下で使用する場合は疎水性吸着剤が好ましく、外包材からの有機ガス成分を優先的に吸着して長期間断熱性能を維持できる効果が得られる。
また、本発明は、バインダーを含まない繊維積層体からなる芯材および吸着剤と、熱溶着層を有する一対の金属箔で構成した外包材中で真空封止した真空断熱材において、前記金属箔の周縁部を封着させる熱溶着層として、脂肪族ジアミンを含む重合体からなる可溶性ポリイミド系の塗膜を用い、密閉封止したことを特徴とする真空断熱材の製造方法である。上記いずれかの最適な材料選定を行い、外包材として金属箔の両面に溶液塗布等を用い、熱圧着を行い作製した。溶液塗布法や熱圧着の手段としては、特に制限はなくコーターや印刷等および熱プレス、熱ロール等を例示することができる。また、金属箔外包材の上面に引っ掻き傷等の支障がある場合には、フィルムや塗膜でカバーも可能である。金属外包材の全面に耐熱フィルムと接着剤を使用しない製造方法であり、高温用の真空断熱材であっても、低アウトガスおよび低コスト化が図れる効果を有する。
また、本発明は、外郭と内郭とによって形成される空間の被保温部と、前記被保温部の温度状態を保つ断熱体であって、前記断熱体は繊維積層体からなる芯材および吸着剤と、熱溶着層を有する一対の金属箔で構成した外包材中で真空封止した真空断熱材において、前記金属箔の周縁部を封着させる熱溶着層として、脂肪族ジアミンを含む重合体からなる可溶性ポリイミド系の塗膜を用い、密閉封止した真空断熱材を空間部に配設したことを特徴とする恒温槽である。上記いずれかの高温用の真空断熱材を少なくとも恒温槽の高温外周に沿うように配設し、真空断熱材を隙間無く配置することで省スペース化と熱漏洩量を低減し、長期間の断熱性能を維持できる効果を有する。
また、本発明は、真空断熱材が外郭に着脱可能な取付け部に設けられた平板状空間内に収容配置したことを特徴とする機器である。上記いずれかの高温用の真空断熱材を少なくとも、オーブンレンジ、IHクッキング等の高温外周に沿うように配設し、真空断熱材を隙間無く配置することで省スペース化と熱漏洩量を低減し、長期間の断熱性能を維持できる効果を有する。
本発明によれば、安価な構成で、高温雰囲気での使用が可能であって、アウトガスによる熱伝導率の劣化を抑制でき、熱溶着層の溶着信頼性の高い外包材を有する真空断熱材およびそれを備えた機器並びに真空断熱材の製造方法を提供することができる。
なお、本発明によれば、高温発熱体部(120〜200℃)に使用する真空断熱材で、高温環境でも高性能な真空断熱材が得られるため、恒温槽、オーブンレンジ、IHクッキング等に配設して省スペース化と熱漏洩量の低減が可能な機器を実現できる。真空断熱材は、ステンレス箔やアルミ合金箔の金属外包材に、熱溶着層が脂肪族ジアミンを含む重合体からなる有機溶媒可溶性の高分子塗膜で、特に、可溶性ポリイミド系が最適で金属箔両面の周縁部に直接設ける構成とした耐熱外包材を提供する。その結果、高温環境下でもアウトガスの発生が抑えられ、長期信頼性試験、例えば、160℃/90日間放置した場合等の真空断熱材においても熱伝導率特性の劣化が少なく、外包材を通した真空断熱材の一方面側から他方面側へのヒートブリッジも小さくなり、恒温槽等の高温部機器に真空断熱材を配設して省スペース化と熱漏洩量の低減が実現される。また、ステンレス箔やアルミ合金箔の金属箔が厚くても使用可能で、真空断熱材の表面部の突き刺し切り裂き性の高強度化を有し、周縁部のみに熱溶着層を塗膜化することで全面ラミネートフィルムの外包材に比べ、低コストが図れ、高温環境でも高性能な真空断熱材を提供することにある。
以下、本発明の一実施形態の真空断熱材および該真空断熱材を備えた機器の構造と作製について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の真空断熱材を示す図であり、図1(a)は真空断熱材全体の断面図、図1(b)は真空断熱材の要部拡大図、図1(c)は真空断熱材の外包材の溶着前の一枚を示す斜視図である。
真空断熱材6は、無機繊維集合体からなる芯材2と、水分やガス成分を吸着する吸着剤3と、金属層を構成する金属箔9及び熱溶着層を構成する高分子膜8を有して芯材2及び吸着剤3を収納した外包材7とを備えて構成されている。真空断熱材6の外包材7の内部は真空封止されている。金属箔9はステンレス箔またはアルミ合金箔で構成されている。外包材7は、2枚の金属箔9を重ね合わせて構成され、金属箔9の外側には保護層である保護フィルムを備えていない。高分子膜8は、金属箔9の周縁部に額縁状に形成され、2枚の金属箔9を重ね合わせた際に互いに接触して熱溶着可能となる。
図2は図1の構成の真空断熱材を備えた恒温槽の断面模式図である。この恒温槽は、恒温槽扉10と庫内スペース12の周辺とに、図1の構成の真空断熱材6を挿入して構成されている。
図3は図1の構成の真空断熱材を備えたオーブンレンジの断面模式図である。このオーブンレンジは、オーブンレンジ扉14と庫内スペース13の周辺とに、図1の構成の真空断熱材6を挿入して構成されている。
図4は図1の構成の真空断熱材を備えたIHクッキングヒータの断面模式図である。このIHクッキングヒータは、グリル周辺部に挿入された図1の構成の真空断熱材6、トッププレート15、インダクションヒータ16、グリル扉17、グリルガラス18、グリルハンドル19、制御回路20を備えて構成されている。
(実施例)
以下に、各実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、熱溶着材の接着強度、ガラス転移温度の測定は次の方法で行った。
[接着強度]
幅15mmの試料フィルムをステンレス箔の上に載せ、これを熱プレスにセットしてプレスを閉じて0.3〜1.0(kgf/cm)の圧力のもとに200〜250℃で5〜30分加圧し、その後、冷却することによって得られた試験試料を用いて90°剥離力の測定を行った。測定はJISC6481に準拠して行い、試験機としてはオリエンテック社製のテンシロンMPW−300Sを使用した。
[ガラス転移温度]
セイコー電子工業製の熱機械分析装置TMAを用いて、試験作製したフィルムに円筒石英ブローブを用い荷重をかけながら、昇温速度10(℃/min)の条件で室温より300℃の範囲内で測定した。
次に、本発明に使用したポリイミド系、ポリイミドーポリアミド酸系、ポリアミドイミド系、ポリイミドシロキサン系について、合成方法、真空断熱材の作製および熱伝導率の評価、それを用いた機器等につい説明する。
(実施例1)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル12g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、更に3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1gおよび脂肪族ジアミンの1、7−ジアミノヘプタン10.4g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、再度180℃に昇温させた状態で2時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、生成する水はシリコンコックから排除して可溶性のポリイミド系ワニスを合成し、外包材の熱溶着層に使用した。ワニスの重量平均分子量(Mw)は、東ソー社製TSK gel GMH−M型ゲルカラムおよびUV−8020型検出器を使用し測定した結果、重量平均分子量が42000、樹脂分含有量が23.2重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が176℃、温度150℃における接着強度が15.8(N/15mm)あった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が3μmのグラスウールを200℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔に、スクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリイミドワニスを約50μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約200℃の温度と0.83(kg/cm)の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリイミド塗布し、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)とを詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気し、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約10mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が3.6(mW/m・K)で、200℃で約90日間放置後の熱伝導率経時劣化が7.2(mW/m・K)を示した。このことから、実施例1の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
また、上記で得た真空断熱材6を高温で使用する恒温槽について、周辺部および扉背面に挿入して効果を見た。従来、高温で真空断熱材を敷設できなかったところを断熱することにより、約5%の熱漏洩量の削減が図れ、その性能を長期間維持することができた。また、真空断熱材を用いることで装置容積に対して庫内スペースを広くすることができた。
(実施例2)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル12g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、更に3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1g、脂肪族ジアミンの1、9−ジアミノノナン13g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、再度180℃に昇温させた状態で2時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、生成する水はシリコンコックから排除して可溶性ポリイミドワニスを合成した。ワニスの重量平均分子量が62000、樹脂分含有量が20重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が180℃、温度150℃における接着強度が15.4(N/15mm)あった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が3.5μmのグラスウールを180℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔に、スクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリイミドワニスを約50μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約230℃の温度と0.83(kg/cm)の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリイミド塗布、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)及び親水性吸着剤(商品名 モレキュラシーブ13X:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気させて、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約12mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が3.6(mW/m・K)で、200℃で90日放置後の熱伝導率の経時劣化が7.8(mW/m・K)を示した。このことから、実施例2の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
また、上記で得た真空断熱材6を高温で使用されるオーブンレンジについて、周辺部および扉背面に挿入して効果を見た。従来、高温となり真空断熱材を敷設できなかったところを断熱することにより、約3%の熱漏洩量の削減が図れ、その性能を長期間維持することができた。また、真空断熱材を用いることで装置容積に対して庫内スペースを広くすることができた。
(実施例3)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けることにより反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル4gと脂肪族ジアミンの1、7−ジアミノヘプタン5.2g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、更に3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ニ無水物15.5g、1、7−ジアミノヘプタン10.4g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、再度180℃に昇温させた状態で2.2時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、生成する水はシリコンコックから排除して、可溶性のポリイミドワニスを合成した。ワニスの重量平均分子量が85000、樹脂分含有量が20重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が161℃、温度150℃における接着強度が14.5(N/15mm)あった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が4.5μmのグラスウールを200℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔にスクリーン印刷機を用いて、上記で合成した可溶性ポリイミドワニスを約50μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約220℃の温度と0.83kg/cm2の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリイミド塗布、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気させて、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約8mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が3.9(mW/m・K)で、160℃で90日間の熱伝導率経時劣化が7.5(mW/m・K)を示した。このことから、実施例3の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
また、上記で得た真空断熱材6を高温で使用されるIHクッキングヒータについて、周辺部および扉背面に挿入して効果を見た。従来、高温となり真空断熱材を敷設できなかったところを断熱することにより、約5%の熱漏洩量の削減が図れその性能を長期間維持することができた。また、グリル周辺を断熱することにより制御回路への熱影響を排除することができた。
(実施例4)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル4g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、更に3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1g、イソフタル酸ジヒドラジド15.5g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。再度180℃に昇温させた状態で2時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、生成する水はシリコンコックから排除して、可溶性のポリアミドイミドワニスを合成した。ワニスの重量平均分子量が25000、樹脂分含有量が20重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が170℃、温度150℃における接着強度が12.8N/15mmあった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が3μmのグラスウールを220℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔に、スクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリアミドイミドワニスを約30μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約220℃の温度と0.83kg/cm2の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリアミドイミド塗布、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気させて、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約12mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が4.3(mW/m・K)で、160℃で90日間放置の熱伝導率の経時劣化が8.0(mW/m・K)を示した。このことから、実施例4の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
また、上記で得た真空断熱材6を高温で使用されるIHクッキングヒータについて、周辺部および扉背面に挿入して効果を見た。従来、高温となり真空断熱材を敷設できなかったところを断熱することにより、約5%の熱漏洩量の削減が図れ、その性能を長期間維持することができた。また、グリル周辺を断熱することにより制御回路への熱影響を排除することができた。
(実施例5)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル4g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、更に3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1g、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン19.8g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、再度180℃に昇温させた状態で2.5時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、生成する水はシリコンコックから排除して可溶性のポリイミドシロキサンワニスを合成し、外包材の熱溶着層に使用した。ワニスの重量平均分子量が35000、樹脂分含有量が21.3重量%であった。また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が165℃、温度150℃における接着強度が13.9(N/15mm)あった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が3μmのグラスウールを250℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔に、スクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリイミドシロキサンワニスを約40μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約200℃の温度と0.83(kg/cm)の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。その後、最終封着部にポリイミドシロキサン塗布、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気させて、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約10mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が4.1(mW/m・K)で、160℃で90日間放置の熱伝導率の経時劣化が8.3(mW/m・K)を示した。このことから、実施例5の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
(実施例6)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル12g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1gおよび脂肪族ジアミンの1、7−ジアミノヘプタン10.4g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、再度180℃に昇温させた状態で2時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpm、生成する水はシリコンコックから排除した。更に、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物5.9gとp−フェニレンジアミン2.2gとN−メチルー2−ピロリドン120gを入れ室温で4時間反応させて、可溶性のポリイミドーポリアミド酸系ワニスを合成し外包材の熱溶着層に使用した。ワニスの重量平均分子量(Mw)は、東ソー社製TSK gel GMH−M型ゲルカラムおよびUV−8020型検出器を使用し測定した結果、重量平均分子量が42000、樹脂分含有量が15.2重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して物性値を測定した結果、ガラス転移温度が185℃、温度150℃における接着強度が19.8(N/15mm)であった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が3μmのグラスウールを250℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔に、スクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリイミドーポリアミド酸ワニスを約50μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約250℃の温度と0.83(kg/cm)の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリイミドーポリアミド酸塗布、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気して、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約10mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が4.2(mW/m・K)で、160℃で約90日間放置の熱伝導率経時劣化が8.1(mW/m・K)を示した。このことから、実施例6の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
(実施例7)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料である脂環式酸無水物のビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9gとメタ結合ジアミンの3,4´―ジアミノジフェニルエーテル12g、N−メチルー2−ピロリドン200gおよびトルエン30gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に10分間撹拌した後、反応槽の内容物を180℃に昇温させ、撹拌機の回転数を180rpmに設定して1時間反応させた。
その後、反応液を空冷し、更に3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1gおよび脂肪族ジアミンの1、7−ジアミノヘプタン10.4g、N−メチルー2−ピロリドン160gおよびトルエン30gを加え、再度180℃に昇温させた状態で2時間の撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、生成する水はシリコンコックから排除して可溶性のポリイミド系ワニスを合成し、外包材の熱溶着層に使用した。ワニスの重量平均分子量(Mw)は、東ソー社製TSK gel GMH−M型ゲルカラムおよびUV−8020型検出器を使用し測定した結果、重量平均分子量が40000、樹脂分含有量が23.2重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が176℃、温度150℃における接着強度が12.8N/15mmあった。
真空断熱材6の芯材2として、平均繊維径が3μmのグラスウールを200℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約15μmのアルミ合金箔にスクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリイミドワニスを約50μmになるように塗膜8を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約200℃の温度と0.83kg/cm2の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリイミド塗布、半固化させた袋状の外包材に芯材のグラスウールとガス吸着の疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気して、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約10mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が4.2(mW/m・K)で、160℃で約90日間放置後の熱伝導率経時劣化が7.4(mW/m・K)を示した。このことから、実施例7の真空断熱材は高温環境下においても熱伝導率の経時劣化維持が可能であることがわかった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で真空断熱材を作製した。用いたグラスウール材は平均繊維径が6μmである。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約8mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が6.2(mW/m・K)で、160℃で90日間放置の熱伝導率の経時劣化が12.8(mW/m・K)を示した。このことから、グラスウールの平均繊維径を6μmとすると熱伝導率の初期値が大きくなり好ましくないが、高温環境下における熱伝導率の経時劣化抑制は可能であることがわかった。
(比較例2)
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、シリコンコック付きトラップを備えた冷却管を取り付けて反応槽を構成し、この反応槽に、原料であるビシクロ(2,2,2)オクター7−エンー2,3,5,6−テトラカルボン酸ニ無水物9.9g、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物14.7g、3,3´、4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無水物16.1gと3,4´―ジアミノジフェニルエーテル12g、1、7−ジアミノヘプタン10.4gにN−メチルー2−ピロリドン120gを入れ、常温で窒素ガス雰囲気下に6間撹拌反応を行った。この間、撹拌機の回転数は180rpmとし、ポリアミド酸ワニスを合成した。ワニスの重量平均分子量が32000、樹脂分含有量が15重量%であった。
また、約25μmのフィルムを作製して、物性値を測定した結果、ガラス転移温度が173℃、温度150℃における接着強度が6.5(N/15mm)あった。
真空断熱材の芯材として、平均繊維径が3μmのグラスウールを200℃で1時間のエージング処理を行い作製した。
約30μmのステンレス箔に、スクリーン印刷機を用いて、上記で合成したポリアミド酸ワニスを約30μmになるように塗膜を額縁状に形成した。その後、塗膜を約70〜90℃で半固化し、一対のステンレス箔同士を熱プレス機に設置して、約250℃の温度と0.83(kg/cm)の圧力をかけて三方を密閉シールした外包材を作製した。
その後、最終封着部にポリアミド酸塗布後、イミド閉環して袋状の外包材に芯材のグラスウールと疎水性吸着剤(商品名HiSiv−3000:ユニオン昭和製)と親水性吸着剤(商品名 モレキュラシーブ13X:ユニオン昭和製)を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空断熱材の内部圧力が1.3Paになるまで排気させて、外包材の端部をヒートシールで封止した。
このようにして得られた真空断熱材6(厚み:約10mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が6.8(mW/m・K)で、160℃で90日間放置の熱伝導率の経時劣化が18.5(mW/m・K)を示した。このことから、温度150℃における接着強度が10(N/15mm)以下となると、加温により接着力が低下して真空断熱材が破壊し熱伝導率の劣化を抑制できないことがわかった。
(比較例3)
実施例1と同様の方法で真空断熱材を作製した。用いた溶着層はガラス転移温度140℃、接着強度6.2(N/15mm)のエポキシ樹脂である。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約10mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、初期熱伝導率が6.5(mW/m・K)で、160℃で90日間放置の熱伝導率の経時劣化が18.4(mW/m・K)を示した。このことから、溶着層にエポキシ樹脂を用いるとステンレス箔と接着性が低く、加温により真空断熱材が破壊し熱伝導率の劣化を抑制できないことがわかった。
(比較例4)
実施例1と同様の方法で真空断熱材を作製した。用いた外包材は従来真空断熱材に用いられているポリプロピレンホモポリマーを溶着層としたものである。
このようにして得られた真空断熱材(厚み:約12mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した結果、初期熱伝導率が5.8(mW/m・K)であった。しかし、160℃で90日間放置の劣化試験を行ったところ、溶着部が破壊してしまい熱伝導率の測定は困難な状態であった。このことから、溶着層樹脂のガラス転移温度より高い温度での真空断熱材の使用は不可能であることがわかった。
Figure 2009293708
表1に上述した各実施例および各比較例について、真空断熱材に用いた芯材、外包材、溶着層、接着強度、ガラス転移温度、初期熱伝導率、経時劣化後の熱伝導率を示す。
本発明によれば、金属外包材の熱溶着層に脂肪族ジアミンを含む重合体からなる有機溶媒可溶性の高分子塗膜、特に可溶性ポリイミド系の塗膜を金属箔の周縁部に形成した構成とすることで、アウトガスの発生を抑え、熱伝導率特性の経時劣化抑制および厚い金属箔でも使用が可能となり、突き刺しや切り裂き性の高強度化およびコスト低減も図れる高性能な真空断熱材を実現できる。その結果、高温対応の真空断熱材を達成でき、特に、機器または機器内部が120〜200℃発熱体部の熱影響を遮断することにより、省スペース化や熱漏洩量が低減された恒温槽、オーブンレンジ、IHクッキングヒータ等が得られる。
本発明の一実施形態の真空断熱材を示す図である。 図1の構成の真空断熱材を備えた恒温槽の断面模式図である。 図1の構成の真空断熱材を備えたオーブンレンジの断面模式図である。 図1の構成の真空断熱材を備えたIHクッキングヒータの断面模式図である。
符号の説明
2…芯材、3…吸着剤、6…真空断熱材、7…外包材、8…高分子膜(熱溶着層)、9…金属箔、10…恒温槽扉、11…仕切り板、12…恒温槽庫内スペース、13…オーブンレンジ庫内スペース、14…オーブンレンジ扉、15…トッププレート、16…インダクションヒータ、17…グリル扉、18…グリルガラス、19…グリルハンドル、20…制御回路。

Claims (9)

  1. 無機繊維集合体からなる芯材と、
    水分やガス成分を吸着する吸着剤と、
    金属層及び熱溶着層を有して前記芯材及び前記吸着剤を収納した外包材と、を備え、
    高温雰囲気で使用される真空断熱材において、
    前記外包材の熱溶着層として脂肪族ジアミンを含む重合体からなる有機溶媒可溶性の高分子塗膜を用いた
    ことを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1において、前記無機繊維集合体としてバインダーを含まない平均繊維径が3〜5μmのグラスウールを用い、前記外包材の熱溶着層に用いる高分子塗膜として可溶性ポリイミド系高分子塗膜を用いたことを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1または2において、前記外包材の金属層としてステンレス箔またはアルミ合金箔からなる金属箔を用い、前記金属箔同士が可溶性ポリイミド系の熱溶着層を挟み、前記高分子塗膜として重量平均分子量が20000〜80000の重合体の塗膜を用いたことを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1から3の何れかにおいて、前記外包材として15〜100μm厚の箔基材を用い、その箔基材の間に熱溶着層を挟み、互いに向い合わせて貼り合わせる可溶性ポリイミド系が少なくともメタ結合ジアミンおよび脂環式酸無水物からなる重合体の塗膜を用いたことを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1から4の何れかにおいて、前記吸着剤は疎水性合成ゼオライトを含むことを特徴とする真空断熱材。
  6. 無機繊維集合体からなる芯材と、
    水分やガス成分を吸着する吸着剤と、
    金属層及び熱溶着層を有して前記芯材及び前記吸着剤を収納した外包材と、を備え、
    高温雰囲気で使用される真空断熱材において、
    前記外包材の熱溶着層として有機溶媒可溶性の高分子塗膜を前記金属層の周縁部に額縁状に形成した
    ことを特徴とする真空断熱材。
  7. バインダーを含まない無機繊維積層体からなる芯材および吸着剤を、熱溶着層を有する一対の金属箔で構成した外包材中で真空封止する真空断熱材の製造方法において、
    前記熱溶着層として脂肪族ジアミンを含む重合体からなる可溶性ポリイミド系の塗膜を用いて前記金属箔の周縁部を封着し、前記外包材の内部を密閉する
    ことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  8. 外郭と内郭とによって形成される空間の被保温部と、前記被保温部の温度状態を保つ断熱体とを備えた恒温槽において、
    前記断熱体は、無機繊維積層体からなる芯材および吸着剤を熱溶着層を有する一対の金属箔で構成した外包材中に真空封止した真空断熱材を備え、前記金属箔の周縁部を封着させる熱溶着層として脂肪族ジアミンを含む重合体からなる可溶性ポリイミド系の塗膜を用いた
    ことを特徴とする恒温槽。
  9. 請求項1から8の何れかの真空断熱材を平板状に形成し、外郭に設けられた平板状空間内に前記真空断熱材を収容配置したことを特徴とする真空断熱材を備えた機器。
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