JP2017110728A - 真空断熱材用外装材とその製造方法、真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材用外装材とその製造方法、真空断熱材 Download PDF

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【課題】高温・高湿環境下であっても、接着層を通して水分が侵入してくることを抑制することができる真空断熱材用外装材とその製造方法、及び該真空断熱材用外装材を用いることで断熱性を長期間保持できる真空断熱材を提供する。【解決手段】少なくとも、バリア層15と、熱溶着層17と、バリア層と熱溶着層を接着するための第1の接着層16と、を備え、第1の接着層が酸変性ポリオレフィン系とイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物の硬化物を含む真空断熱材用外装材。【選択図】図2

Description

本発明は真空断熱材用外装材とその製造方法、及び前記真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材に関するものである。
現在、真空断熱材は、住宅、ビル、電化製品、低温コンテナ、自動車など多く場所で用いられている。真空断熱材は従来の断熱材に比べ、空気の対流における熱伝導を低減させることができるため、断熱性に優れる材料となる。特に住宅用途としては、夏や冬の冷暖房の省エネルギー化に有効である。さらに、高齢化社会で懸念される風呂場、トイレ、脱衣所などでの温度差による心臓への負荷から発生する心筋梗塞や脳梗塞のリスクを低減させることができる。
真空断熱材1は、図1に示すように、基材層12と熱溶着層17からなる外装材11を熱溶着層17同士が対向するように重ね合わせ、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材10を充填して、内部を排気し、その周縁部をヒートシール部18とすることで作製することができる。
真空断熱材の真空度を維持する方法として、真空断熱材内部に芯材とともに吸着剤を密封する方法が用いられている。吸着剤は、芯材や外装材から発生する水分を吸着することができる。さらに、外装材の外部から侵入し、経時的に真空断熱材を劣化させる水分(水蒸気)やガス(空気、酸素等)なども除去することが可能である。
しかしながら、吸着剤の吸着性能には限界があり、より長期的に真空断熱材の性能を維持させるために、外装材は高度なバリア性を有することが求められる。
真空断熱材1は図1のような形態となっているが、外装材11のヒートシール部18の端面19では、基材層12に挟まれた熱溶着層17が外気に露出している。シール性を重視した熱溶着層17のバリア性は、基材層12と比較して低い。
また、基材層12は、図2に例示するように多層構成となっている場合があり、層間の必要な箇所には接着剤による接着層14、16が設けられている。接着層は熱溶着層17同様、ヒートシール部18の端面19で外気に露出しており、接着層のバリア性も基材層12と比較して低い。
このため、露出した熱溶着層や接着層の端部から、水分や空気などの気体が真空断熱材の内部に侵入して、真空が甘くなってしまい、真空断熱材の断熱性が低下してしまう問題がある。また、内部への侵入に伴い、接着層の接着力が低下してしまうことがある。従って、真空断熱材の断熱性を長期間保持するためには、接着層、熱溶着層のバリア性を高める必要がある。
例えば、端面に起因するバリア性を向上させるために、ヒートシール部に凹凸をつけ、熱溶着層を部分的に薄くする方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法ではシール部分を凹凸にするために、別途シールバーを用意する必要があり、外装材の材料、構成によっては凹凸形状が形成されない、もしくは長期間にわたって維持されないという問題がある。
また、接着層にバリア性のある接着剤を用いることで、端面から接着層を透過するガス
を抑制する提案もなされている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2で提案されている接着剤は、水酸基を介して水分が透過してしまい、水分のバリア性が低いという問題があった。
特開2010−261517号公報 特開2014−35011号公報
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、高温・高湿環境下であっても、端面に露出した接着層を通して水分が侵入してくることを抑制することができる真空断熱材用外装材とその製造方法、及び該真空断熱材用外装材を用いることで断熱性を長期間保持できる真空断熱材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、真空断熱材を作製するための外装材であって、
少なくとも、バリア層と、熱溶着層と、前記バリア層と前記熱溶着層を接着するための第1の接着層と、を備え、
前記第1の接着層が酸変性ポリオレフィン系とイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物の硬化物を含むことを特徴とする真空断熱材用外装材としたものである。
請求項2に記載の本発明は、前記真空断熱材用外装材が、さらに保護層と、前記バリア層と前記保護層を接着するための第2の接着層と、を備え、
該真空断熱材用外装材により下記形態のパウチを作製し、温度60℃、湿度90%の環境下に静置したとき、前記パウチ内への1日あたりの水分透過量が40(μg/day)以下であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用外装材としたものである。
ここで、前記パウチの形態は、該真空断熱材用外装材を60mm×120mmに裁断した後、30mm×120mmの形状に折り、折り辺以外の三辺を7mm幅でヒートシールしたものとする。
請求項3に記載の本発明は、前記熱溶着層を構成する高分子がポリオレフィンであり、該ポリオレフィンの主モノマーと、
前記第1の接着層に含まれる酸変性ポリオレフィンの主モノマーが同じオレフィンであることを特徴とする請求項1、または2に記載の真空断熱材用外装材としたものである。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材用外装材を製造するための方法であって、
バリア層と熱溶着層を接着するために第1の接着層のガラス転移温度以上で加熱し加圧する工程を含むことを特徴とする真空断熱材用外装材の製造方法としたものである。
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材用外装材を備えることを特徴とする真空断熱材としたものである。
本発明の真空断熱材用外装材によれば、高温・高湿環境下であっても、端面に存在する
接着層を通して水分が侵入することを抑制し、接着力の低下も抑えることができるため、該真空断熱材用外装材を用いて作製した真空断熱材は、長期間にわたって優れた断熱性を保持することができる。
本発明の真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材の実施形態例を示す模式断面図である。 本発明の真空断熱材用外装材の実施形態例を示す断面模式図である。 本発明の真空断熱材用外装材の実施例、比較例における、水分透過量測定を行うためのパウチを示す模式平面図である。 本発明の真空断熱材用外装材の実施例、比較例における、水分透過量測定の結果を説明するための特性図である。
本発明の真空断熱材用外装材は、少なくともバリア層と、熱溶着層と、前記バリア層と前記熱溶着層を接着するための第1の接着層と、を備えた積層体の形態となっている。前記3層に加えて、保護層がさらに別の接着層を介して前記バリア層と積層する形態であってもよい。後者の形態を図示すると、図2のように、保護層13、第2の接着層14、バリア層15、第1の接着層16、熱溶着層17の順に積層された積層体となっている。
以下、本発明の真空断熱材用外装材を各層ごとに説明するが、本発明に係る主要な部分はバリア層15と熱溶着層17を接着する第1の接着層16であるので、これらの3層を先に記述する。
(バリア層15)
本発明の外装材におけるバリア層15は、ガス及び水分が真空断熱材の内部へ侵入することを防ぐための層であり、バリア層単体のピンホール、及び真空断熱材の充填加工を行ったときに発生するピンホールを防ぐために、厚み5μm以上のアルミニウムなどの延展性を有する金属が好ましい。より好ましくは7μmから40μm厚のアルミニウムである。ピンホールの発生を改善させるためには、アルミニウムの材質に鉄を0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%含有することが望ましい。さらに、焼きなましを行った柔軟性のある軟質処理品が好ましい。
(熱溶着層17)
本発明の外装材における熱溶着層17としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸コモノマー、エチレン−プロピレン共重合体等の熱可塑性を有する高分子を好ましく使用できる。それらは真空断熱材が用いられる環境によって選択される。100℃以上の耐熱性を求められる場合は、キャストポリプロピレンを含む樹脂であることが好ましい。熱溶着層の厚みは10μmから100μm、樹脂の融点が70℃以上のものが好ましい。
(第1の接着層16)
第1の接着層16はバリア層15と熱溶着層17を接着させることを目的として用いられる。本発明の外装材では、第1の接着層は、酸変性オレフィン系とイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物の硬化物を含んで構成される。
第1の接着層で用いる酸変性ポリオレフィン樹脂は、酸性基をポリオレフィン樹脂に導入したものである。酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基などが挙げられ、カルボキシ基が特に好ましい。カルボキシ基をポリオレフィン樹脂に導入した酸変性ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂に対し、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物、又は不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のエステルをラジカル開始剤の存在下でグラフト変性してなる酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。以下、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物と、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のエステルを合わせてグラフト化合物ということがある。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のエステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂中のグラフト化合物の割合は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、0.2〜100質量部が好ましい。 グラフト反応の温度条件は、50〜250℃が好ましく、60〜200℃がより好ましい。反応時間は製造方法にも左右されるが、二軸押出機による溶融グラフト反応の場合、押出機の滞留時間内が好ましい。具体的には、2〜30分が好ましく、5〜10分がより好ましい。グラフト反応は、常圧、加圧いずれの条件下においても実施できる。ラジカル開始剤としては、有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物としては、例えばアルキルパーオキサイド、アリールパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。これらの有機過酸化物は、温度条件と反応時間によって適宜選択できる。前記した二軸押出機による溶融グラフト反応の場合、アルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステルが好ましく、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシ−ヘキシン−3、ジクミルペルオキシドがより好ましい。
また、第1の接着層には難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等の各種添加剤を配合してもよい。
バリア層と熱溶着層とを接着させるために用いる接着剤には、シランカップリング剤が含まれる場合がある。これは、シランカップリング剤を配合することで接着を促進し、接着強度を高めるためである。しかし、シランカップリング剤を配合した接着剤を用いると、シランカップリング剤に含まれる官能基の種類によっては、接着剤に含まれるシランカップリング剤以外の成分とシランカップリング剤とが副反応を起こし、本来の目的の架橋反応に弊害が生じるおそれがある。そのため、反応に弊害が生じるおそれがある場合には、シランカップリング剤を含まないことが好ましい。
第1の接着層の厚さは、1〜30μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。第1の接着層の厚さが1μm以下であれば、接着性が不足するおそれがある。第1の接着層の厚さが30μm以上であれば、端面から侵入する水分量が増えバリア性が低下する。
(熱溶着層と第1の接着層の主モノマー)
本発明における外装材では、熱溶着層を構成する高分子がポリオレフィンであり、該ポ
リオレフィンの主モノマーと、第1の接着層に含まれる酸変性ポリオレフィンの主モノマーが同じオレフィンであることが、接着性の観点から好ましい。
(バリア層と熱溶着層の接着)
バリア層と熱溶着層を第1の接着層により接着する際は、第1の接着層のガラス転移温度以上で加熱し加圧する工程を含むことが、バリア性向上の観点から好ましい。
(保護層13)
本発明における外装材の保護層13は、延伸ナイロンもしくは延伸ポリエステルからなる。ナイロンとしては、ポリアミド樹脂を基本骨格とした、ナイロン6、ナイロン6、6、ナイロン6、6とナイロン6との共重合体、メタキシリレンアジパミド(MXD6)などが挙げられる。また延伸ポリエステルはポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネートなどが挙げられる。
(第2の接着層14)
保護層13とバリア層15を積層させる第2の接着層14は樹脂フィルムと金属箔のラミネートに用いられる接着剤として公知のものを用いることができる。該接着剤としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどのポリオールからなる主剤と、2官能以上のイソシアネート化合物からなる硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤が挙げられる。前記主剤に対し前記硬化剤を作用させることでポリウレタン系樹脂が形成される。
ポリエステルポリオールとしては、少なくとも1種の多塩基酸と、少なくとも1種のジオールを反応させて得られるものを用いることが可能である。多塩基酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系二塩基酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系二塩基酸等の二塩基酸などが挙げられる。
ジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等の脂肪族系ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコール等の脂環式系ジオール、キシリレングリコール等の芳香族系ジオールなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、上記ポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、イソシアネート化合物の単体、または少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体もしくはイソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)またはその水素添加物、クルードTDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)またはその水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはその水素添加物、クルードMDI、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等のジイソシアネート類などが挙げられる。
これらのイソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
(端面からの水分透過量)
本発明の外装材は、少なくとも保護層13、第2の接着層14、バリア層15、第1の接着層16、熱溶着層17を有し、該外装材を用いてパウチを作製したときの、温度60℃、湿度90%の環境下における、外部からの水分透過量が40μg/day以下であることを特徴とする。詳しい測定条件は実施例において示す。
以下、本発明における外装材の実施例と作製方法、及び比較例との比較による本発明の有効性を示す。
<実施例及び比較例の外装材作製における共通条件>
実施例及び比較例ともに、外装材の全構成は
保護層/第2の接着層/バリア層/第1の接着層/熱溶着層
とした。以下の条件も共通である。
保護層:延伸ナイロン 15μm厚(出光ユニテック社製)
第2の接着層:ポリウレタン系接着剤(三井化学社製)
バリア層:アルミニウム箔 40μm厚(東洋アルミ社製)
保護層上に第2の接着層をドライラミネート法により、ドライ塗工量4〜5mg/mで塗工し、バリア層を積層した。
前記の積層後、第1の接着層により熱溶着層を積層した方法は、個々の実施例、比較例ごとに異なるので、以下に述べる。
<実施例1>
第1の接着層として、プロピレンを主モノマーとする無水マレイン酸変性ポリオレフィン(日本製紙社製、アウローレン100S(商品名))100重量部に対し、イソシアヌレート構造のポリイソシアネート化合物(東洋モートン社製、CAT10L(商品名))を10質量部(固形分比)で配合した接着剤組成物をトルエンに溶解させ、乾燥時に3〜4g/mになるように塗布した。その後、熱溶着層としてポリプロピレンフィルム(東セロ社製)40μm厚を、第1の接着層のガラス転移温度以上の80℃のニップヒーターで押し当てることでラミネートさせ、実施例1の外装材を作製した。
<実施例2>
第1の接着層として、エチレンを主モノマーとする無水マレイン酸変性ポリオレフィン(日本製紙社製、アウローレン200S(商品名))100重量部に対し、イソシアヌレート構造のポリイソシアネート化合物(東洋モートン社製、CAT10L(商品名))を10質量部(固形分比)で配合した接着剤組成物をトルエンに溶解させ、乾燥時に3〜4g/mになるように塗布した。その後、熱溶着層としてポリエチレンフィルム(東セロ社製)40μm厚を、第1の接着層のガラス転移温度以上の80℃のニップヒーターで押し当てることでラミネートさせ、実施例2の外装材を作製した。
<比較例1>
第1の接着層として、第2の接着層と同じポリウレタン系接着剤を3〜4mg/m塗布し、熱溶着層としてポリプロピレンフィルム(東セロ社製)40μm厚をドライラミネートし、比較例1の外装材を作製した。
<比較例2>
第1の接着層として、第2の接着層と同じポリウレタン系接着剤を3〜4mg/m塗布し、熱溶着層としてポリエチレンフィルム(東セロ社製)40μm厚をドライラミネー
トし、比較例2の外装材を作製した。
<評価項目1:端面からの水分透過量測定>
上記のように作製した各外装材を60mm×120mm(長手方向×幅方向)の短冊片に裁断し、長手方向に平行に二つ折りし、対向する二辺を7mm幅でヒートシールして一方に開口を有する30mm×120mmの形状とした。その開口部から2gの炭酸ジメチル電解液(電気化学用グレードであり、含水率の少ない溶液)を注入した後、開口部を7mm幅でヒートシールを行い、パウチを作製した(図3参照)。作製したパウチを温度60℃、湿度90%の環境下に静置した後、電解液中の水分含有量(電解液に対する重量比:ppm)をカールフィッシャー法で測定した。
図4に、注入前に求めておいた初期の電解液中の水分含有量と、7、14、28日経過後の水分含有量をプロットし直線近似した図を示す。1日あたりの水分透過量(ppm/day)は、近似直線の傾きから求めた。このようにして求めた各パウチの経過日数ごとの水分含有量と、1日あたりの水分透過量を表1に示す。
Figure 2017110728
表1の結果から、第1の接着層として酸変性ポリオレフィン系とイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物を含む接着剤を用いた実施例1及び実施例2のパウチでは、第2の接着層として従来の接着剤を使用していても、1日あたりの水分透過量が十分低いことが分る。これに対し、従来の接着剤のみを用いた比較例1及び比較例2のパウチでは、1日あたりの水分透過量が20ppm/dayを越え、実施例に比べ大きく劣ることが分った。
尚、電解液の重量は2gであるため、20ppm/dayは、
2×20×10−6=40(μg/day)
に相当する。
<評価項目2:接着強度の測定>
実施例1、2及び比較例1、2と同じ方法で作製した各外装材を温度60℃、湿度90%の環境下に28日間静置した後、各外装材から15mm幅に切り出した試験片について、テンシロン型万能試験機を使用し、JISK6854の試験方法であるT字剥離試験を行って、バリア層と熱溶着の間のラミネート強度(N/15mm幅)を測定した。初期と28日経過後の測定結果を表2に示す。
Figure 2017110728
表2の結果から、熱溶着層を構成する高分子がポリオレフィンであり、該ポリオレフィンの主モノマーと、第1の接着層に含まれる酸変性ポリオレフィンの主モノマーが同じオレフィン(実施例1ではプロピレン、実施例2ではプロエチレン)からなる実施例1及び実施例2の外装材では、初期の接着強度が高く、温度60℃、湿度90%の環境下に28日間静置した後も十分な接着強度を保持することが確認できた。これに対し、比較例1、比較例2の外装材では初期の接着強度が低いだけでなく、28日経過後の接着強度低下も大きいことが分った。
1・・・・真空断熱材
10・・・芯材
11・・・外装材
12・・・基材層
13・・・保護層
14・・・第2の接着層
15・・・バリア層
16・・・第1の接着層
17・・・熱溶着層
18、18a・・・ヒートシール部
19・・・端面
20・・・折り辺
21・・・水分透過量測定用パウチ

Claims (5)

  1. 真空断熱材を作製するための外装材であって、
    少なくとも、バリア層と、熱溶着層と、前記バリア層と前記熱溶着層を接着するための第1の接着層と、を備え、
    前記第1の接着層が酸変性ポリオレフィン系とイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物の硬化物を含むことを特徴とする真空断熱材用外装材。
  2. 前記真空断熱材用外装材が、さらに保護層と、前記バリア層と前記保護層を接着するための第2の接着層と、を備え、
    該真空断熱材用外装材により下記形態のパウチを作製し、温度60℃、湿度90%の環境下に静置したとき、前記パウチ内への1日あたりの水分透過量が40(μg/day)以下であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用外装材。
    ここで、前記パウチの形態は、該真空断熱材用外装材を60mm×120mmに裁断した後、30mm×120mmの形状に折り、折り辺以外の三辺を7mm幅でヒートシールしたものとする。
  3. 前記熱溶着層を構成する高分子がポリオレフィンであり、
    該ポリオレフィンの主モノマーと、
    前記第1の接着層に含まれる酸変性ポリオレフィンの主モノマーが同じオレフィンであることを特徴とする請求項1、または2に記載の真空断熱材用外装材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材用外装材を製造するための方法であって、バリア層と熱溶着層を接着するために第1の接着層のガラス転移温度以上で加熱し加圧する工程を含むことを特徴とする真空断熱材用外装材の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材用外装材を備えることを特徴とする真空断熱材。
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