JP4281607B2 - 真空断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、真空断熱材関するものである。
真空断熱材は、発泡樹脂や粉末、又は繊維材等を芯材として外被材内に入れ、外被材内部を真空にすることにより気体の熱伝導率を著しく低下させた断熱材であり、その断熱性能を長期間に渡って維持するために断熱材内部を真空に保ち続けている。
この真空断熱材を家電製品である電気湯沸し器の貯水容器外周に設けて断熱し、保温電力を非常に少なくしたものがある。これは、真空断熱材を構成する積層フィルム中のガスバリア層において、高温にさらされる側に金属箔を用い、低温側は蒸着層を用いるもので、高温側では100℃程度の温度において、ガスバリア性が良好で真空状態を保持することができ、断熱性が長期間保たれ、低温側では蒸着層を用いることにより金属箔を伝って流れ込む熱を抑えることができ、真空断熱材全体の断熱性能を向上させたものである(例えば、特許文献1参照)。
反面、一般的な樹脂フィルムを外被材として構成する従来の真空断熱材は、100℃をわずかに上回る温度までしか使えず、たとえば複写機等の定着装置においては、断熱耐熱性を有するエンジニアリング樹脂を用いて、定着ローラ、排紙ローラ等の定着部を有する外枠部を設けている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−8828号公報 特開昭57−155570号公報
このように従来の真空断熱材は、電気湯沸し器のように使用部位の温度が100℃以下のときは、長期間に渡って充分に断熱性能を維持することができたが、電器湯沸し器でも、貯湯容器の底面のヒーターが配設された部位や、複写機やレーザープリンタに用いられる定着装置のように、使用部位の温度が150℃程度になるときには、耐熱性が不足する部分から少しずつ真空度が低下し、長期間に渡って所定の断熱性能を維持することができなかった。
また、従来の真空断熱材の外被材はナイロンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムのような非難燃性フィルムにより構成されて難燃の性質をもたないが、電子機器等への適用においては他の部品同様、真空断熱材にも難燃性が求められていた。特にノート型パソコン内部のような小スペースに配設する場合には、厚みを抑えた真空断熱材でもパソコン内部の精密部品と近接するため、難燃性が必要であった。
本発明は、外被材のラミネート構成に耐熱性を持たせることにより、150℃以上の高温領域においても長期間に渡って断熱性能を維持することができる真空断熱材を提供することを目的とする。
これは、特許文献2において、断熱層として金属薄板を用いた減圧二重壁構造や、セラミックの断熱性の利用を示唆しているが、これを真空断熱材で具現化したものといえる。
本発明は、芯材と、熱溶着層とガスバリア層と保護層とを有するラミネート構造の外被材とを備えた真空断熱材において、前記熱溶着層が融点200℃未満の樹脂フィルムからなり、前記保護層が融点200℃以上のフィルムからなるもので、前記芯材を前記外被材で覆って内部を減圧して芯材周囲を熱溶着により封止したときに形成される外被材のヒレ部を、相対する断熱面の低温側に折り曲げたことを特徴とする。
これにより、芯材を前記外被材で覆って内部を減圧して芯材周囲を熱溶着により封止したときに、この熱溶着部と内部に芯材が存在せずに密着した部分とからなる外被材のヒレ部を、相対する断熱面の低温側、換言すれば発熱部とは反対側に折り曲げているため、熱溶着部を高温から保護することができる。例えば、真空断熱材の高温部側面が150℃になっても、低温側断熱面に位置する熱溶着部は100℃以下に維持することができる。従って、150℃程度の高温雰囲気に曝される製品部位等への使用においても長期間真空断熱材の断熱性能を維持することができ、熱溶着層には融点200℃以上のフィルムを用いなくても良く、安価な材料で真空断熱材を構成することができる。
本発明によれば、芯材を前記外被材で覆って内部を減圧して芯材周囲を熱溶着により封止したときに、この熱溶着部と内部に芯材が存在せずに密着した部分とからなる外被材のヒレ部を、相対する断熱面の低温側、換言すれば発熱部とは反対側に折り曲げているため、熱溶着部を高温から保護することができる。例えば、真空断熱材の高温部側面が150℃になっても、低温側断熱面に位置する熱溶着部は100℃以下に維持することができる。従って、150℃程度の高温雰囲気に曝される製品部位等への使用においても長期間真空断熱材の断熱性能を維持することができ、熱溶着層には融点200℃以上のフィルムを用いなくても良く、安価な材料で真空断熱材を構成することができる。
本発明の請求項に記載の真空断熱材の発明は、芯材と、熱溶着層とガスバリア層と保護層とを有するラミネート構造の外被材とを備え、前記熱溶着層が融点200℃未満の樹脂フィルムからなり、前記保護層が融点200℃以上のフィルムからなるもので、前記芯材を前記外被材で覆って内部を減圧して芯材周囲を熱溶着により封止したときに形成される外被材のヒレ部を、相対する断熱面の低温側に折り曲げたことを特徴とする。
芯材を前記外被材で覆って内部を減圧して芯材周囲を熱溶着により封止したときに、この熱溶着部と内部に芯材が存在せずに密着した部分とからなる外被材のヒレ部を、相対する断熱面の低温側、換言すれば発熱部とは反対側に折り曲げているため、熱溶着部を高温から保護することができる。例えば、真空断熱材の高温部側面が150℃になっても、低温側断熱面に位置する熱溶着部は100℃以下に維持することができる。従って、150℃程度の高温雰囲気に曝される製品部位等への使用においても長期間真空断熱材の断熱性能を維持することができ、熱溶着層には融点200℃以上のフィルムを用いなくても良く、安価な材料で真空断熱材を構成することができる。
本発明の請求項に記載の真空断熱材の発明は、請求項記載の発明において、ガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルムに金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われ、その上にアクリル酸のコーティングを行ったものであり、このガスバリヤ層は基材が連続最高使用温度160℃であるポエチレンテレフタレートであり、蒸着及びアクリル酸のコーティングの耐熱性は200℃以上あるため耐熱性に優れ、ポエチレンテレフタレートにガスバリヤ性向上を目的として処理された蒸着層とアクリル酸のコーティング層を有しているためガスバリヤ性が飛躍的に向上するため、高温側に使用する金属箔の代替として使用できると共に、これを低温側に使用することにより更にそのガスバリヤ性を向上することができる。また、アクリル酸のコーティングは耐屈曲性が非常に良好であるため、ヒレ部の折り曲げによるガス侵入量の増大、ピンホールの発生を抑制できる効果も得られる。
本発明の請求項に記載の真空断熱材の発明は、請求項記載の発明において、ガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルムにアクリル酸のコーティングを行い、その上に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われたものであり、前記したように金属箔の代替として使用できる、これを低温側に使用することによりその優ガスバリヤ性効果によりラミネートフィルムのガスバリヤ性を向上することができると共に、前記アクリル酸のコーティングは剥がれ難いため蒸着層の上に構成することにより蒸着層を保護できる効果も得られる。また、アクリル酸のコーティングは耐屈曲性が非常に良好であるため、ヒレ部の折り曲げによるガス侵入量の増大、ピンホールの発生を抑制できる効果も得られる。
本発明の請求項に記載の真空断熱材の発明は、請求項記載の発明において、少なくとも一方の面のガスバリア層を、アラミド系フィルムに、金属、金属酸化物、シリカのいずれかを蒸着したフィルムとしたものである。
高温側のガスバリア層の蒸着を施したフィルムの基材に、ガラス転移温度が270℃で高温においてもガスバリア性に優れたアラミド系のフィルムを使用すると、150℃程度の熱源に、ガスバリア層が蒸着フィルムの面を装着しても、真空断熱材内部へのガス浸入を少なく抑えることができ、断熱性能を維持することができる。そのため、金属を伝わる熱による断熱性能の低下を少なく抑えることができ、150℃程度の高温においても断熱性能を維持することができる。
また、ガスバリア層に機械特性の半減期から算出するUL746Bの長期耐熱温度が180℃のアラミド系のフィルムを使用しているため、従来のエチレンビニルアルコール共重合体のフィルムを熱源側のガスバリア層に使用していた場合と比較して、高温においてもガスバリア層の機械強度の劣化が少なく、真空断熱材内部、又は外部からの耐衝撃性を向上させることができる。
本発明の請求項に記載の真空断熱材の発明は、請求項から請求項のうちいずれか一項記載の発明において、外被材の熱溶着層を無延伸ポリプロピレンフィルムとしたものであり、同じく一般的な高密度ポリエチレンフィルムや低密度ポリエチレンフィルムよりも融点が高いため、より高い温度まで使用することができる。
本発明の請求項に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から請求項のうちいずれか一項記載の発明において、外被材の外層の樹脂フィルムをフッ素系樹脂又はイミド系樹脂のフィルムとしたものであり、これらのフィルムは融点がより高いか或いは存在しないとともに、難燃性も有する。
以下、本発明による真空断熱材の実施の形態と参考例について図面を用いて説明する。
参考例1)
図1は参考例1における真空断熱材の断面図、図2は真空断熱材のヒレ部を示す要部断面図である。
図1,図2において、真空断熱材1は2枚の外被材2を向かい合わせて芯材3を覆い、内部を真空まで減圧して周囲を熱溶着により封止したものである。
外被材2は2種類のラミネートフィルム2a,2bを組み合わせて用い、内側からそれぞれ熱溶着層4a,4b、ガスバリア層5a,5b、第一の保護層6a,6b、及び第二の保護層7a,7bの各4層により構成しており、また、いずれのフィルムも少なくともUL94規格でVTM−2以上の難燃性を有するものである。
ラミネートフィルム2aは断熱面の高温側として用い、熱溶着層4aに融点が210℃のポリクロロ3フッ化エチレン(厚さ50μm)、ガスバリア層5aには高温側に配設することを考慮して厚さ6μmのアルミ箔、第二の保護層7aには融点260℃の4フッ化エチレン−エチレン共重合体(厚さ25μm)とした。ポリクロロ3フッ化エチレンは、フッ素系樹脂フィルムの中でも融点が低く使いやすい上、ガスバリア性も優れるものである。
また、ラミネートフィルム2bは断熱面の低温側として用い、熱溶着層4bにラミネートフィルム2aと同じポリクロロ3フッ化エチレン(厚さ50μm)、ガスバリア層5bにはポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われ、その上にアクリル酸のコーティングを行ったフィルムあるいはポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)にアクリル酸のコーティングを行い、その上に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われたフィルム、第一の保護層6bにはガスバリア性の強化のために内側に500Åの厚さにアルミニウムを蒸着したポリエチレンナフタレート(厚さ12μm)、第二の保護層7bは融点260℃の4フッ化エチレン−エチレン共重合体(厚さ25μm)とした。
真空断熱材1の作製にあたってはラミネートフィルム2a,2bを向かい合わせにして三辺を熱溶着し、芯材を挿入するための袋を作成しておく。
芯材3は、平均一次粒子径7nmであるヒュームドシリカに粉体比抵抗値が0.6cm/Ωのカーボンブラックが均一分散され、充填されているものである。カーボンブラックの添加量は5wt%とした。
この芯材3を水分吸着剤である酸化カルシウムと共に外被材2の袋内に挿入し、内部を10Paまで減圧して残りの一辺を熱溶着により封止して厚さ6mmの真空断熱材1を作製した。
これら材料を使用した真空断熱材1の熱伝導率を測定したところ、0.0044W/mKであった。この真空断熱材1を150℃の雰囲気に5年間放置したと見込まれる加速試験を行った後の熱伝導率を測定したところ、低温側のガスバリヤ層5bが500Åの厚さにアルミニウムを蒸着したポリエチレンナフタレート(厚さ12μm)の場合に比較し0.0010W/mK低減できた。
これは、ガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルムに金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われ、その上にアクリル酸のコーティングを行ったものあるいはガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルムにアクリル酸のコーティングを行い、その上に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われたものであり、このガスバリヤ層は基材がUL746Bで規定されている連続最高使用温度160℃であるポエチレンテレフタレートであり、蒸着及びアクリル酸のコーティングの耐熱性は200℃以上あるため耐熱性に優れ、ポエチレンテレフタレートにガスバリヤ性向上を目的として処理された蒸着層とアクリル酸のコーティング層を有しているためガスバリヤ性が飛躍的に向上するため、これを低温側に使用することにより更にそのガスバリヤ性を向上することができためである。
アクリル酸のコーティングガスバリヤ性に関しては、樹脂フィルムの中でガスバリヤ性が良好なエチレン・ポリビニルアルコールの共重合樹脂フィルムとポエチレンテレフタレートフィルムにアクリル酸のコーティングを行ったフィルムでは、アクリル酸のコーティングを行ったフィルムの方がそのガス透過度は1/2以下と良好である。
また、UL94安全規格の機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験に準拠して燃焼性を確認したところ、ヒレ部端面においてもV−0相当の結果が得られた。
このように、150℃の高温雰囲気においても熱溶着層のガスバリア性の低下を少なく抑えることができるため熱伝導率の劣化は小さく、長期間真空断熱材の断熱性能を維持することができる。また、ラミネート構造を有する外被材2として、更には真空断熱材1としても難燃性を付与することができ、真空断熱材使用時の安全性を向上することができる。
また、アクリル酸のコーティングは耐屈曲性が非常に良好であるため、ヒレ部の折り曲げによるガス侵入量の増大、ピンホールの発生を抑制できる効果も得られる。更に、前記アクリル酸のコーティングは剥がれ難いため蒸着層の上に構成することにより蒸着層を保護できる効果も得られる。
前記したアクリル酸のコーティングは呉羽化学工業性のコーティング材であり、ポエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムに前記アクリル酸のコーティングを行ったフィルムはベセーラと称されている。
なお、熱溶着層4a,4bに使用する樹脂フィルムは融点が200℃以上で熱溶着できる樹脂フィルムであれば特に指定するものではない。例えば、フッ素系樹脂フィルムである融点210℃のポリクロロ3フッ化エチレン、融点260℃の4フッ化エチレン−エチレン共重合体、融点285℃の4フッ化エチレン−6フッ化ポリプロピレン共重合体などが望ましい。
ガスバリア層5aは熱溶着層4a,4bで使用したフィルムよりも融点が高い、金属箔や金属蒸着又は無機酸化物蒸着を施したフィルム、又は樹脂フィルムでもガスバリア性の高いものであれば特に指定するものではない。
例えば、金属箔としてはアルミニウム箔がよく使用され、他にも真空断熱材周囲の金属箔を伝って流れ込む熱量が少ない金属として、鉄,ニッケル,プラチナ,スズ,チタン,ステンレス及び炭素鋼が使用できる。また、金属蒸着の材料は、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、或いはそれらの混合物等が使用でき、無機酸化物蒸着の材料は、シリカ、アルミナ等が使用できる。
ガスバリア層5aの基材はポリフェニレンサルファイドフィルムでも良い。
ガスバリア層5aには、500Åの厚さにアルミニウムを蒸着したガラス転移点270℃のアラミド系フィルム(厚さ12μm)を使用しても良い。高温側のガスバリア層5aの蒸着を施したフィルムの基材に、ガラス転移温度が270℃で高温においてもガスバリア性に優れたアラミド系のフィルムを使用すると、150℃程度の熱源に、ガスバリア層が蒸着フィルムの面を装着しても、真空断熱材内部へのガス浸入を少なく抑えることができ、断熱性能を維持することができる。そのため、金属を伝わる熱による断熱性能の低下を少なく抑えることができ、150℃程度の高温においても断熱性能を維持することができる。
また、ガスバリア層に機械特性の半減期から算出するUL746Bの長期耐熱温度が180℃のアラミド系のフィルムを使用しているため、従来のエチレンビニルアルコール共重合体のフィルムを熱源側のガスバリア層に使用していた場合と比較して、高温においてもガスバリア層の機械強度の劣化が少なく、真空断熱材内部、又は外部からの耐衝撃性を向上させることができる。また、真空断熱材内部からの耐衝撃性を更に向上させる方法としては、例えば熱溶着層とガスバリア層の間にポリエチレンナフタレートなどの層をもう一層加えるという方法もある。
また、保護層6a,6b,7a,7bは熱溶着層4a,4bで使用したフィルムよりも融点が高いフィルムであれば良く、具体的には、熱溶着層4a,4bに融点が260℃の4フッ化エチレン−エチレン共重合体を使用した場合は、融点が310℃の4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、融点が330℃の4フッ化エチレン、融点が330℃のポリエーテルケトンなどが使用でき、他にもポリサルフォンやポリエーテルイミドなどが使用できる。
芯材3は、無機及び有機の粉末材料、無機及び有機の繊維材料などが利用でき、特に指定するものではないが、例えば、粉末材料としては凝集シリカ粉末、発泡パーライト粉砕粉末、珪藻土粉末、珪酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、クレー及びタルクなどの無機粉末が使用でき、繊維材料としてはグラスウール、セラミックファイバーなどの無機繊維が好ましい。その中でも二次凝集粒子径が20μm以下の無機粉末が望ましく、これら粉末材料は粒子が非常に細かいため粒子間の接触熱抵抗が増加して固体熱伝導率が小さくなり、更に10Torr以下の圧力下では圧力に関係せずに非常に小さな熱伝導率を示すものである。このため、空気分子の運動の大きい高温条件での使用に最適な材料である。
(実施の形態
図3は本発明の実施の形態における真空断熱材の断面図で、高温部である発熱体に接している状態を示す。
図3において、真空断熱材8の外被材9は、参考例1の構成に対して熱溶着層4a,4bを融点が160℃の無延伸ポリプロピレンフィルム、ガスバリヤ層5aポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われ、その上にアクリル酸のコーティングを行ったフィルムあるいはポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)にアクリル酸のコーティングを行い、その上に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われたフィルム、ガスバリヤ層5bはエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムにアルミ蒸着を行ったフィルムとしたもので、外被材9の内部に芯材3が存在しない密着部10と熱溶着部11とからなるヒレ部12を高温である発熱体13とは反対側となる低温側断熱面8bに沿うように折り曲げ、熱溶着部11を保護するようにしている。外被材9の保護層及び芯材3の構成については参考例1と同様である。
ここで、発熱体13の温度を150℃としたときでも、低温側断熱面8bに沿う熱溶着部11の温度は80℃以下を維持することができた。すなわち、熱溶着層に融点200℃以上の樹脂フィルムを使用せずに従来の融点200℃未満の安価な樹脂フィルムを使用しても劣化することがなく、熱溶着部11からガスが浸入して真空断熱材の断熱性能が低下することなく、150℃の発熱体13から断熱することができる。この時に、ガスバリヤ層5aをポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われ、その上にアクリル酸のコーティングを行ったものあるいはガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ12μm)にアクリル酸のコーティングを行い、その上に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われたものであり、このガスバリヤ層は基材が連続最高使用温度160℃であるポエチレンテレフタレートであり、蒸着及びアクリル酸のコーティングの耐熱性は200℃以上あるため耐熱性に優れ、ポエチレンテレフタレートにガスバリヤ性向上を目的として処理された蒸着層とアクリル酸のコーティング層を有しているためガスバリヤ性が飛躍的に向上するため、金属箔の代わりに使用することができる。
これにより、金属箔では問題であったヒートリークを低減することができる。また、アクリル酸のコーティングは耐屈曲性が非常に良好であるため、ヒレ部の折り曲げによるガス侵入量の増大、ピンホールの発生を抑制できる効果も得られる。更に、前記アクリル酸のコーティングは剥がれ難いため蒸着層の上に構成することにより蒸着層を保護できる効果も得られる。
このとき、融点が200℃未満のフィルムとしては、無延伸ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、及びエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等を使用しても何等問題はなく、安価な材料からなる外被材で長期間真空断熱材内部への空気及び水蒸気の浸入を防ぐことができ、断熱性能を維持することができる。
参考例2
図4は参考例2における真空断熱材の平面図である。
図4において、真空断熱材8の構成は実施の形態と同様であり、ヒレ部12の折り曲げを維持するように難燃性テープ14で固定している。このとき、外被材9の端面が露出しないようにヒレ部12の先端を完全に覆うように難燃性テープ14を貼り付けた。
この真空断熱材8の熱伝導率を測定したところ、0.0049W/mKであった。この真空断熱材8を150℃の雰囲気に5年間放置したと見込まれる加速試験を行った後の熱伝導率を測定したところ、0.0125W/mKであった。
また、UL94安全規格の機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験に準拠して燃焼性を確認したところ、V−0相当の結果が得られた。
すなわち、外被材9の端面に露出する熱溶着層を構成する無延伸ポリプロピレンフィルム等の非難燃性フィルムが難燃性テープ14で覆われているため、真空断熱材としても難燃性を付与することができる。従って、真空断熱材使用時の安全性を向上することができる。
参考例3
図5は参考例3における印刷装置の断面図である。
定着装置15を有する印刷装置16における記録紙17への印刷は、感光ドラム18の表面に静電荷画像を形成し、そこにトナー収容部19からトナーを吸着させた後、転写ドラム20を介して記録紙17に転写する。このトナー像が転写された記録紙17を定着装置15に搬入し、高温に保たれた熱定着ローラー21と加圧ローラー22の間に記録紙17を通過させることによりトナーを溶融定着させる。
熱定着ローラー21と加圧ローラー22の周囲には、所定の高い温度を保つために保温用真空断熱材23aを配設した。また、定着装置15の外枠には、周囲に熱影響を与えないように遮断用真空断熱材23bを側面全体及び上面に配設した。遮断用には真空断熱材23cのように配設してもよい。これらの真空断熱材23a,23b,23cは参考例1に示す構成とし、更にヒレ部を熱定着ローラー21とは反対側に折り曲げて使用した。
これにより、印字品質が向上するとともに、制御装置(図示せず)やトナー収容部19及び感光ドラム18等の転写装置は、トナーに悪影響が及ばない45℃以下に長期間維持することができた。
なお、参考例3による真空断熱材は、印刷装置である複写機やレーザープリンタの定着装置以外にも、同じように150℃以下の発熱体を断熱したり、保温したりする必要がある製品においても使用することができる。
参考例4
図6は参考例4におけるノート型パソコンの断面図である。
図6において、ノート型パソコン24は本体内にプリント基板25を有し、CPU26及びその他各チップを実装している。CPU26の冷却装置27は、CPU26に接する伝熱ブロック28と、熱を移送するヒートパイプ29とにより構成される。放熱板30は内部の熱を拡散し、かつパソコン底面31に伝えて放熱する。真空断熱材32は、参考例1で示した構成で厚さを2mmとした難燃性を有するもので、CPU26真下のパソコ
ン底面31の内側、及びCPU26真上のキーボード33の裏面に接着剤で密着させて装着している。
これにより、パソコン底面31及びCPU26真上のキーボード33表面の高温部において、最大6℃低下することができた。すなわち、パソコンの表面の一部が異常に熱せられて利用者に不快感を与えることを、ノート型パソコン24の安全性を向上させつつ長期間防止することができる。
なお、参考例4の真空断熱材はノート型パソコンに内蔵されたハードディスク装置等を高温から断熱保護するために使用することもでき、また、ノート型パソコン以外にも難燃性が要求される各種精密機器等においても同様に使用することができる。
参考例5
図7は参考例5における電気湯沸し器の断面図である。
図7において、電気湯沸し器34は本体の内部に湯を沸かすとともに貯湯する貯湯容器35を有し、上部を開閉可能な上蓋36で覆っている。
貯湯容器35の底面にはドーナツ状のヒーター37が密接して装着されており、湯温は制御装置38が温度検知器39からの信号を取り込み、ヒーター37を制御して所定の温度を保つ。また、同じく底面に設けた吸込口40からモーター41により駆動されるポンプ42を経て、お湯の出口である吐出口43までが出湯管44により連通しており、出湯は押しボタン45を押してモーター41を起動することにより行う。
更に、貯湯容器35の側面には真空断熱材46が巻かれており、同じく底面のヒーター37の外側には高温用真空断熱材47が配設され、貯湯容器35の熱が逃げて湯温が低下することを抑えている。側面の真空断熱材46は100℃に耐えられる構成で従来から配設されていたものであり、底面の真空断熱材47は参考例2に示した構成のものを新たに配設したものである。
従来から高温となるために断熱材を配設できなかったところを断熱することにより、約3%の消費電力量の低減が図れ、その性能を長期間維持することができた。また、本体底面においても空間を設けて断熱する必要がなくなり、貯湯容器より下部の体積を小さくすることができ、給湯装置を小型化することができた。
本発明の真空断熱材は、150℃程度の高温雰囲気においてもガスバリア性の低下を少なく抑えることができ、長期間真空断熱材の断熱性能を維持することができるので、複写機やレーザープリンタ等の印刷装置、コンピュータ等の電子機器、更には給湯機器等、特に高温部分を有する機器の断熱及び保温に適用できる。
参考例1における真空断熱材の断面図 参考例1における真空断熱材のヒレ部を示す要部断面図 本発明の実施の形態における真空断熱材の部断面図 参考例2における真空断熱材の平面図 参考例3における印刷装置の断面図 参考例4におけるノート型パソコンの断面図 参考例5における電気湯沸し器の断面図
符号の説明
3 芯材
4a,4b 熱溶着層
5a,5b ガスバリア層
8 真空断熱材
8b 低温側断熱面
9 外被材
10 密着部
11 熱溶着部
12 ヒレ部
13 発熱

Claims (6)

  1. 芯材と、熱溶着層とガスバリア層と保護層とを有するラミネート構造の外被材とを備え、前記熱溶着層が融点200℃未満の樹脂フィルムからなり、前記保護層が融点200℃以上のフィルムからなるもので、前記芯材を前記外被材で覆って内部を減圧して芯材周囲を熱溶着により封止したときに形成される外被材のヒレ部を、相対する断熱面の低温側に折り曲げたことを特徴とする真空断熱材。
  2. ガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルムに金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われ、その上にアクリル酸のコーティングを行ったものであることを特徴とする請求項記載の真空断熱材。
  3. ガスバリヤ層をポリエチレンナフタレートフィルムにアクリル酸のコーティングを行い、その上に金属、金属酸化物、シリカのいずれかの1つの蒸着が行われたものであることを特徴とす請求項記載の真空断熱材。
  4. 少なくとも一方の面のガスバリア層を、アラミド系フィルムに、金属、金属酸化物、シリカのいずれかを蒸着したフィルムとした請求項記載の真空断熱材。
  5. 熱溶着層を無延伸ポリプロピレンフィルムとしたことを特徴とする請求項から請求項のうちいずれか一項記載の真空断熱材。
  6. 保護層をフッ素系樹脂又はイミド系樹脂のフィルムとしたことを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか一項記載の真空断熱材。
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