JP2008149549A - 金属積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性に優れ、比較的低温の熱圧着条件で加工でき、生産工程を増加せず、ポリイミド樹脂フィルム層とポリイミド系樹脂接着層の接着強度を向上させるものであり、かつ残留溶剤やイミド化によって発生する水分によるボイド・膨れなどの発生を抑制可能なポリイミド系樹脂金属積層体の製造方法及び該製造方法から得られる金属積層体を提供すること。
【解決手段】 ポリイミド前駆体を部分的にイミド化したイミド化率40〜99%のフィルムを使用し、特定のポリイミド前駆体とオリゴマーを含有するポリイミド系樹脂組成物からなる層を形成させ、その後、金属箔と積層させることを特徴とする金属積層体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリイミド前駆体を部分的にイミド化したイミド化率40〜99%のフィルムを使用し、特定のポリイミド前駆体とオリゴマーを含有するポリイミド系樹脂組成物からなる層を形成させ、その後、金属箔と積層させることを特徴とする金属積層体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、金属積層体の製造方法に関するものである。
電子分野において、樹脂層と金属層からなる積層体は、電子機器の小型化、高密度化にともない回路用基材として広く用いられている。特にフレキシブルプリント基板用積層体は、折り曲げが可能であり、電子機器の更なる高密度化にともない、近年需要が増加している。ポリイミドは耐熱性、耐薬品性、機械的強度、電気特性等に優れていることからフレキシブルプリント基板用積層体に多く適用されている。
近年、フレキシブルプリント基板用積層体分野において、耐熱性、難燃性、微細配線化に優れる、オールポリイミド積層体の需要が増加しており、金属とポリイミド樹脂フィルムを接着させる接着層においても、従来のエポキシ系樹脂からポリイミド系樹脂が主流となりつつある。しかし、この場合、ポリイミド系接着層の接着温度が高くラミネートが困難である問題やポリイミド樹脂フィルム層とポリイミド系樹脂接着層の接着強度が十分得られないなどの問題があった。
これらの問題を解決するために、ポリイミド系接着層の接着温度を下げ、ラミネート性を向上させるものとして、特許文献1(特開2004-209962号公報)で開示されたポリイミド及び/又はポリアミド酸に特定の骨格を有するビスマレイミド化合物から構成される樹脂が十分な低温接着性を有する樹脂として報告されている。さらにポリイミド樹脂フィルム層と接着強度を向上させるものとしては、特許文献2(特開平7-345183号公報)および特許文献3(特開2001-139807号公報)等で開示された、ポリイミド樹脂フィルムの改質やポリイミド樹脂フィルムのイミド化率を制御した方法が報告されているが、ポリイミド樹脂フィルム改質については生産工程の増加、ポリイミド樹脂フィルムのイミド化率制御については残留溶剤やイミド化によって発生する水分によるボイド発生などの更なる改良が望まれている。
特開2004-209962号公報
特開平7-345183号公報
特開2001-139807号公報
本発明の目的は、耐熱性に優れ、比較的低温の熱圧着条件で加工でき、生産工程を増加せず、ポリイミド樹脂フィルム層とポリイミド系樹脂接着層の接着強度を向上させるものであり、かつ残留溶剤やイミド化によって発生する水分によるボイド・膨れなどの発生を抑制可能なポリイミド系樹脂金属積層体の製造方法及び該製造方法から得られる金属積層体を提供することにある。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリイミド前駆体を部分的にイミド化した特定のイミド化率のフィルムを使用し、特定のポリイミド前駆体とオリゴマーからなるポリイミド系樹脂を接着層として用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1) 下記一般式(1)
1) 下記一般式(1)
(ここで、A1は2価の有機基、B1は4価の有機基である)
で表されるポリイミド前駆体を40%〜99%イミド化したフィルムの片面又は両面に、接着層として下記一般式(2)
で表されるポリイミド前駆体を40%〜99%イミド化したフィルムの片面又は両面に、接着層として下記一般式(2)
で表されるポリイミド前駆体もしくはポリイミド
〔但し、A2は、
〔但し、A2は、
(ここで、X1〜6は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる基である)であり、B2は、
(ここでY1〜6は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)である〕と、一般式(3)
〔式中、A3は、
(ここで、X7〜12は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)であり、B3は、
(ここでY7〜12は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)である。また、Zは、
(R1〜4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる。R5は−O−、−S−、−CH2−、−C(CH3)2−、−CO−、−COO−、から選ばれる。R6は水素原子、フェニル基、ビフェニル基、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる。)更に、lは0〜5の整数である。〕で表されるオリゴマーを含有するポリイミド系樹脂組成物からなる層を形成させ、その後、金属箔と積層させることを特徴とする金属積層体の製造方法。
2) 前記一般式(1)のA1は、
2) 前記一般式(1)のA1は、
から選ばれるものであり、B1は、
から選ばれるものである1)記載の金属積層体の製造方法。
3) 前記一般式(2)のA2は、
3) 前記一般式(2)のA2は、
4) 前記接着層は、一般式(2)で表されるポリイミド前駆体もしくはポリイミド100重量部に対し、前記一般式(3)で表されるオリゴマーを5重量部以上100重量部以下含有するポリイミド系樹脂組成物からなるものである1)〜3)いずれか一項に記載の金属積層体の製造方法。
5) 前記接着層において、一般式(3)のA3が、
から選ばれるものであり、B3が、
から選ばれるものであり、Zが、
から選ばれるものであり、更に、lは0〜1の整数である、1)〜4)のいずれか一項に記載の金属積層体の製造方法。
6) 前記一般式(1)および一般式(2)からなるポリイミド又はポリイミド前駆体は、ジアミノ化合物と酸二無水物からなり、その比率は、ジアミノ化合物:酸二無水物=1.00:0.900〜0.999である1)〜5)のいずれか一項に記載の金属積層体の製造方法。
7)前記1)〜6)いずれか一項記載の製造方法から製造されたことを特徴とする金属積層体。
8)下記一般式(1)
(ここで、A1は2価の有機基、B1は4価の有機基である)
で表されるポリイミド前駆体を40%〜99%イミド化したフィルムの片面又は両面に、接着層として下記一般式(2)
で表されるポリイミド前駆体もしくはポリイミド
〔但し、A2は、
(ここで、X1〜6は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる基である)であり、B2は、
(ここでY1〜6は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)である〕と、一般式(3)
〔式中、A3は、
(ここで、X7〜12は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)であり、B3は、
(ここでY7〜12は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)である。また、Zは、
(R1〜4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる。R5は−O−、−S−、−CH2−、−C(CH3)2−、−CO−、−COO−、から選ばれる。R6は水素原子、フェニル基、ビフェニル基、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる。)更に、lは0〜5の整数である。〕で表されるオリゴマーを含有するポリイミド系樹脂組成物からなる層を形成させた接着シート、に関するものである。
6) 前記一般式(1)および一般式(2)からなるポリイミド又はポリイミド前駆体は、ジアミノ化合物と酸二無水物からなり、その比率は、ジアミノ化合物:酸二無水物=1.00:0.900〜0.999である1)〜5)のいずれか一項に記載の金属積層体の製造方法。
7)前記1)〜6)いずれか一項記載の製造方法から製造されたことを特徴とする金属積層体。
8)下記一般式(1)
で表されるポリイミド前駆体を40%〜99%イミド化したフィルムの片面又は両面に、接着層として下記一般式(2)
〔但し、A2は、
本発明の製造方法により得られる金属積体は、フィルム層となるポリイミド樹脂フィルムのイミド化率を制御することにより接着層との接着強度向上が可能である。さらに、接着層は特定のオリゴマーを含有させることにより、耐熱性に優れ、比較的低温の熱圧着条件で金属層と接着が可能であり、生産工程においてはフィルム層や接着層の残留溶剤やイミド化によって発生する水分などによるボイドの発生を抑制する事が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の金属積層体の製造方法に使用するフィルムは、有機溶媒中に下記一般式(1)
(ここで、A1は2価の有機基、B1は4価の有機基である)
で表されるポリイミド前駆体を含有させワニス状の溶液を、支持体に流延、塗布し、化学的におよび/または熱的に部分的にイミド化したフィルムであることを特徴とするものであり、一般式(1)のA1は、好ましくは
で表されるポリイミド前駆体を含有させワニス状の溶液を、支持体に流延、塗布し、化学的におよび/または熱的に部分的にイミド化したフィルムであることを特徴とするものであり、一般式(1)のA1は、好ましくは
から選ばれるものであり、B1は、
から選ばれるものである。上記骨格を有するフィルムは積層体とする場合、線膨張係数、弾性率などの物性を制御する事が比較的容易であり、さらに本発明で規定する接着層との密着力が高く好ましい。
本発明においては、用いるフィルムのイミド化率が40〜99%であるものを用いることが接着層との接着の観点から特に重要である。尚、フィルムのイミド化率は、フィルムをイミド化しながら赤外線吸光分析法を用いて、式1から算出することができる。
(C/D)×100/(E/F)・・・・式1
〔式1中、C、D、E、Fは以下の通りである。
C:部分的にイミド化したフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
D:部分的にイミド化したフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
F:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E、Fにおける、イミド化率100%のポリイミドフィルムとは、フィルム化後の厚さが20μmとなるように、ポリイミド前駆体含有の該溶液を支持体に流延、塗布後、常温から350℃へ昇温させ、2時間以上350℃にて加熱イミド化したフィルムである。〕
(C/D)×100/(E/F)・・・・式1
〔式1中、C、D、E、Fは以下の通りである。
C:部分的にイミド化したフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
D:部分的にイミド化したフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
F:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E、Fにおける、イミド化率100%のポリイミドフィルムとは、フィルム化後の厚さが20μmとなるように、ポリイミド前駆体含有の該溶液を支持体に流延、塗布後、常温から350℃へ昇温させ、2時間以上350℃にて加熱イミド化したフィルムである。〕
ここで本発明においては、イミド化率が40%〜99%のイミド化したフィルムを用いることが必須であり、好ましくは60%〜98%、より好ましくは80%〜98%、よりさらに好ましくは80%〜90%である。この範囲のイミド化率のフィルムに、本発明で規定する接着層を塗布積層すると、フィルムと接着層界面のポリアミド酸が相溶して、積層体を製造した後の密着力が高くなり好ましい。
更に、部分的にイミド化したフィルムにおける残溶剤およびイミド化によって生じる水分含有量は、式2から算出され、
(G−H)×100/H・・・・式2
〔式2中、G、Hは、以下のものを表す。
G:部分的にイミド化したフィルムの重量
H:イミド化率100%のポリイミドフィルム重量〕
この値が、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、更に20%以下であることが、積層体を製造中および製造後に溶剤および水分が残留する事無く好ましい。
(G−H)×100/H・・・・式2
〔式2中、G、Hは、以下のものを表す。
G:部分的にイミド化したフィルムの重量
H:イミド化率100%のポリイミドフィルム重量〕
この値が、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、更に20%以下であることが、積層体を製造中および製造後に溶剤および水分が残留する事無く好ましい。
本発明方法に用いるフィルムは、ポリイミド前駆体を含有させワニス状の溶液を、支持体に流延、塗布し、化学的におよび/または熱的に部分的にイミド化することにより製造することが可能であるが、上記ワニス状の溶液は、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド等のアミド系有機溶媒中に、ポリイミド前駆体を5〜40wt%の濃度で含有していることが好ましく、より好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは15〜25wt%である。
化学的イミド化の方法としては、ポリイミド前駆体を有機溶媒中に含有させたワニス状の溶液に、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ラク酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N´-ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上の混合物を化学的転化剤として含有させる方法、または、例えばイソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等を触媒として含有させる方法等が例示できる。
熱的イミド化の方法としては、例えば窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気中で、20℃〜400℃程度に加熱してイミド化する方法が例示でき、この方法は好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明方法に用いる40%〜99%イミド化したフィルムは、例えば原料としてODA(ジアミノジフェニルエーテル):PPD(パラフェニレンジアミン):BPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物):PMDA(ピロメリット酸二無水物)を用いた場合、DMAc(ジメチルアセトアミド)溶媒中にモル比ODA:PPD:BPDA:PMDA=1.000:1.000:0.985:0.985、固形分濃度20w%となるように溶解し、6時間撹拌して得られたポリアミド酸ワニスを最終厚みが20μmとなるようにステンレス箔上に流延塗布し、昇温速度7℃/分にて、20℃から約200℃以上イナートオーブンにて乾燥・キュアすることにてイミド化率40%のフィルムを得ることが可能であり、350℃以上では、99%のフィルムを得る事が可能である。このように、その他の物についても乾燥条件等コントロールすることにより製造可能である。
本発明方法に用いられる40%〜99%イミド化したフィルムの厚さは特に限定はされないが、好ましくは500μm以下、フレキシブル基板用の積層体として使用する場合は、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。
フィルム層に用いられる、一般式(1)で表されるポリイミド前駆体は、好ましくは、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物より製造され、ジアミン化合物:テトラカルボン酸二無水物の比率は、好ましくは1.00:0900〜0.999、より好ましくは1.00:0950〜0.999、さらに好ましくは1.00:0970〜0.995である。この範囲のものを用いるとフィルムの力学的特性、特に破断強度が増し、積層体の製造が容易になり好ましい。さらに加工したフレキシブル回路基板においても、屈曲性が増して好ましい。
本発明方法において、40%〜99%イミド化したフィルムを製造するために使用可能なジアミン化合物は例として、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4´−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4´−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4´−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2´−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン及びそれらの類似物が例示でき、これらは、一種又は複数種使用可能である。好ましくは1,4−ジアミノベンゼン(略称:p−フェニレンジアミン)、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2´−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
本発明方法において、40%〜99%イミド化したフィルムを製造するために使用可能なテトラカルボン酸二無水物は例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物等が挙げられ、これらは一種又は複数種使用可能である。好ましくは、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)等が挙げられる。
本発明方法においては、接着層として下記一般式(2)
で表されるポリイミド前駆体もしくはポリイミド
〔但し、A2は、
〔但し、A2は、
(ここで、X1〜6は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる基である)であり、B2は、
(ここでY1〜6は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)であるポリイミド前駆体からなるポリイミドと、一般式(3)
〔式中、A3は、
(ここで、X7〜12は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)であり、B3は、
(ここでY7〜12は、同一であっても異なっていてもよく、直結、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−、−NHCO−から選ばれる)である。また、Zは、
(R1〜4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる。R5は−O−、−S−、−CH2−、−C(CH3)2−、−CO−、−COO−、から選ばれる。R6は水素原子、フェニル基、ビフェニル基、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基から選ばれる。)更に、lは0〜5の整数である。〕で表されるオリゴマーを含有するポリイミド系樹脂組成物からなることも特徴の1つであり、lは好ましくは0〜1の整数である。
また、一般式(2)のA2は、好ましくは
から選ばれるものであり、B2は、好ましくは、
から選ばれるものである。上記骨格のポリイミド樹脂接着層を用いる事により、ガラス転移温度を低温に制御する事が可能であり、接着力向上効果が期待できる。
また、前記一般式(3)で表されるオリゴマーは、好ましくはA3が
であり、B3が、
であり、Zが、
である。上記骨格のオリゴマーを用いる事により、乾燥、キュア・イミド化工程にてフィルム層および接着層から発生する残溶剤や、イミド化によって発生する水分が、外部へ揮発し易く、ボイド・膨れなど発生しにくく好ましい。
さらに一般式(3)において、好ましくはlが1の整数であり、0の場合と比較して、残溶剤や水分の揮発速度を制御しやすく、フィルム層と接着層の接着力が向上する為に特に好ましい。
本発明方法において、金属積層体の接着層となる樹脂層は、ガラス転移温度が100℃以上300℃以下の範囲であるものが好ましく、より好ましくは低温接着が可能という観点から、100〜240℃、更に好ましくは、100〜200℃である。
接着層に用いられる、一般式(2)で表されるポリイミド前駆体は、好ましくは、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物より製造され、ジアミン化合物:テトラカルボン酸二無水物の比率は、好ましくは1.00:0900〜0.999、より好ましくは1.00:0950〜0.999、さらに好ましくは1.00:0970〜0.995である。この範囲である場合、樹脂の分子量が十分に高くなり、樹脂としての破断強度が増し、ピール強度が向上する効果が期待できる為好ましい。
本発明方法において接着層に用いられる、一般式(2)で表されるポリイミド前駆体の原料として用いることのできるジアミン化合物としては、例えば1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3-(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、3,4'-ジアミノベンゾフェノン、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(3-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、1,3-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3-ビス(1-(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)-1-メチルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(1-(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)-1-メチルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(1-(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)-1-メチルエチル)ベンゼン、2,2-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-(4-アミノフェノキシ)フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ及びそれらの類似物を例示することができ、これらは一種又は複数種使用可能である。
好ましくは1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種のジアミンを用いることが好ましい。上記骨格のポリイミド樹脂接着層を用いる事により、ガラス転移温度を低温に制御する事が可能であり、接着力向上効果が期待できる。さらに、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンと、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテルを併用する事により、ポリイミドの加水分解性を制御し易く、加工性、ポリイミド改質性を制御し易く好ましい。
本発明方法において接着層に用いられる、一般式(2)で表されるポリイミド前駆体の原料として用いることのできるテトラカルボン酸二無水物は、例として、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、オキシ-4,4'-ジフタル酸二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-へキサフルオロプロパン二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、2,2'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,3'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,4'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,3'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,4'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4'-ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物等が挙げられる。好ましくは、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物である。
次に接着層となるポリイミド系樹脂組成物に含有されるオリゴマーについて説明する。
本発明において用いるオリゴマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定(測定条件、検出器; RI, 展開溶媒;THF, 流速; 1ml/min, カラム温度; 40℃)による重量平均分子量(以下Mw)が、5000以下であることが低温接着性、脱溶剤性の効果が低下することなく好ましい。更に好ましくは4000以下、より好ましくは3500以下であり、より更に好ましくは3500以下である。
本発明において用いるオリゴマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定(測定条件、検出器; RI, 展開溶媒;THF, 流速; 1ml/min, カラム温度; 40℃)による重量平均分子量(以下Mw)が、5000以下であることが低温接着性、脱溶剤性の効果が低下することなく好ましい。更に好ましくは4000以下、より好ましくは3500以下であり、より更に好ましくは3500以下である。
前記オリゴマーの製造方法としては、一般式(3)中のlが1以上のイミドオリゴマーである場合、イミドオリゴマー前駆体を100℃以下の低温、具体的には、−20〜70℃、好ましくは0〜60℃で合成し、ついで100〜200℃に温度を上げてイミド化することによりイミドオリゴマーを得ることができる(熱イミド化)。また、イミド化は無水酢酸などのイミド化剤を用いて化学的にイミド化を行う方法(化学イミド化)、あるいはジアミン、テトラカルボン酸二無水物及びジカルボン酸無水物を混合した後、有機塩基及び/または共沸脱水用溶媒の存在下または不存在下、すぐに昇温することでイミド化することもできる(直接熱イミド化)。
反応時間は使用するモノマーの種類、溶剤の種類、有機塩基触媒の種類、共沸脱水用溶媒の種類、量及び反応温度により異なるが、目安としては、1〜24時間であり、通常数時間である。また直接熱イミド化を行なう際は目安として、留出する水がほぼ理論量に達するまで反応することであり、通常数時間程度である。この場合、イミド化によって生じる水を、トルエン等の共沸剤で除去する方法が一般的で有効である。反応圧力は、特に制限されるものではないが、通常、大気圧で十分である。反応雰囲気は、特に制限されるものではないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンであり、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴンである。
重合濃度は、特に制限されるものではないが、10〜60wt%程度が一般的である。10wt%未満の場合は、反応時間が極端にかかる場合があり、また、60wt%を超える場合には、原料が溶解しにくくなり、効率が悪くなるおそれがある。好ましくは20〜50wt%であり、更に好ましくは30〜40wt%である。前記イミドオリゴマーについては、通常の重縮合系ポリマーの場合と同様に、モノマー成分のモル比を調節することにより分子量を制御することが可能である。
本発明のポリイミド系接着層は、前記一般式(2)で表されるポリイミド前駆体100重量部に対し、前記一般式(3)で表されるオリゴマーを5重量部以上100重量部以下含有するポリイミド系接着層であることが好ましい。金属層との低温接着性や、ボイド・膨れ防止〔部分的にイミド化されたフィルム層へ接着層を塗布、乾燥、キュアイミド化する工程(詳しくは後記述)において、接着層にオリゴマーを含有させるとフィルム層の残溶剤およびイミド化による生じる水分が外部へ揮発し易く、ボイド・膨れなどが発生しにくい〕、脆弱化防止(オリゴマーの混合比が高すぎると、接着層が脆弱化する)等の理由により、一般式(1)で表されるポリイミド前駆体と一般式(3)で表されるオリゴマーの混合比率(重量比)は、好ましくは100:5〜60、更に好ましくは100:5〜50である。
また、前記接着層となるポリイミド系樹脂組成物を製造する際に、熱処理で進行する架橋反応を促進させたり、抑制させたり、その反応速度を制御する目的で、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム及び鉛を含有する金属触媒、モリブデン、マンガン、ニッケル、カドミウム、コバルト、クロム、鉄、銅、錫及び白金等を含む遷移金属触媒、及びリン化合物、珪素化合物、窒素化合物及び硫黄化合物を添加することも可能である。また、同様の目的で赤外線、紫外線やα、β及びγ線等の放射線、電子線及びX線の照射、更には、プラズマ処理やドーピング処理を施すこともできる。
本発明方法において、接着層となるポリイミド系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、PTFE、セルロイド、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性ポリフェニレンオキシド及びポリイミド等や、熱硬化性樹脂、例えば熱硬化性ポリブタジエン、ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン、シリコン樹脂、SBR、NBR、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリシアネート、フェノール樹脂及びポリビスマレイミド等を目的に応じて1種もしくは2種以上適当量ブレンド化またはアロイ化することも可能である。それらの方法は特に限定されず公知の方法が適用できる。
本発明方法において、部分的にイミド化したフィルムの片面又は両面に前述の接着層を積層する方法について具体的な好ましい例を示すと、前記一般式(2)で表されるポリイミド前駆体もしくはポリイミドと前記一般式(3)で表されるオリゴマーを、有機溶媒中に好ましくは5〜40wt%、より好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは15〜25wt%含有するワニス状の溶液(以下において、「ワニス」と称することがある)として、前述のように製造したフィルム上に塗布、乾燥して積層することが好ましく、この濃度において(E型粘度計を用いて25℃において測定した粘度が、100〜20000mPa・Sの範囲となり)塗布厚さを制御しやすい。ワニスとする場合の有機溶媒は、特に制限はないが、好ましくは非プロトン性極性溶媒であり、更に好ましくは非プロトン性アミド系溶媒であり、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが例示できる。
塗布する手段は特に制限されないが、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法を採用して塗布すればよい。塗布する手段は、形成する接着層の厚み、ワニスの粘度などに応じて適宜選択して利用できる。接着層の好ましい厚さは、乾燥、キュア後において、0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは、0.5〜3.0μmであり、フィルム層と比較して薄くすることにより、積層体としての耐熱性、寸法安定性を制御し易く好ましい。
部分的にイミド化したフィルム層および、フィルム層表面に塗布された接着層は乾燥され、必要に応じてキュアされる。乾燥とはフィルムおよび接着層に含まれる溶媒を除去することを含み、キュアとはフィルムおよび接着層のポリイミド前駆体をイミド化することを含む。フィルム層と接着層の乾燥およびキュアは、通常の加熱乾燥炉を利用して行うことができる。この場合における熱処理圧力は、通常、大気圧で十分であるが、加圧下でも行うことができる。熱処理雰囲気は、特に制限されるものではないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンであり、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴンである。
本発明方法においては、使用する接着層の樹脂の性質により、フィルム層と接着層の脱溶剤性や脱水性は向上するが、乾燥およびキュア時の急激な温度上昇は、残溶剤およびイミド化によって生じる水分等の突沸を誘発しボイド発生の原因となる可能性がある。また、200℃以上での長時間の乾燥およびキュアは、接着層中のオリゴマーの末端架橋基が反応して金属層との低温接着性が損なわれる場合がある。これらの点を考慮して乾燥およびキュア条件は適宜選択されるが、形成されるフィルム層や接着層の厚み、前記ワニスの固形分濃度、溶媒の種類等によってもボイド発生状況、低温接着性が異なるため、乾燥・キュア条件は0.05分〜500分、60℃〜600℃の範囲で適宜調整されることが好ましい。
本発明方法によって製造される積層体は、部分的にイミド化されたフィルム層の片面又は両面に積層された接着層に、金属箔を加熱圧着し製造されることが好ましい。加熱圧着される金属箔には、公知の金属箔を用いることができる。公知の金属箔の例には、圧延銅箔、電解銅箔、銅合金箔、Al箔、Ni箔、ステンレス箔、チタン箔、鉄箔等が含まれるが、好ましくは圧延銅箔または電解銅箔である。
接着層に金属箔を加熱圧着する手段に特に制限はないが、例えば代表的方法として、加熱プレス法及び/又はラミネート法が挙げられる。加熱プレス法とは、例えば、接着層を設けたポリイミドフィルムと金属箔とを、それぞれプレス機のプレス部分のサイズにあわせて切り出して重ねあわせを行い、加熱プレスにより加熱圧着する方法である。加熱温度としては150℃〜600℃の範囲が望ましい。加圧力としては制限はないが、好ましくは0.1〜500kg/cm2の範囲である。加圧時間は、特に制限はない。
熱ラミネート法とは、ロールとロール間に、前記接着層層を設けたポリイミドフィルムと金属箔とを挟み込み、張り合わせを行う方法である。ロールは金属ロール、ゴムロールなどが利用できる。ロールの材質に制限はないが、金属ロールとしては鋼材やステンレス材が使用されうる。表面にクロムメッキ等が処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを配置したロールを使用することが好ましい。ラミネート温度は、100℃〜300℃の範囲であることが好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
熱ラミネート後、加熱アニールすることも接着層に含まれるオリゴマーの反応による耐熱性向上の為に好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等を利用することができる。加熱アニールは、空気またはイナートガス(窒素、アルゴン)等の雰囲気下でなされ、空気またはイナートガスにて加圧されることが好ましい。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱温度は接着層中のオリゴマーが反応し、接着層の貯蔵弾性率が十分に向上し終えるまで実施することが好ましく、200℃〜600℃の範囲であることが好ましい。加熱時間は、0.05分〜5000分の範囲であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれによって何ら制限されるものではない。尚、各物性については下記の方法によって測定した。
ピール強度:金属箔の流れ方向に平行に長さ50mm、幅1mmの試料について、23℃、相対湿度50%の環境下でJIS C−6471に準拠し、金属箔を90度の角度になるように絶縁層から剥離速度50mm/minで剥離し、その応力を測定した。
50倍顕微鏡検査:接着層を有するポリイミドフィルムを作成後、50倍の顕微鏡にて表面を観察し、膨れ、ボイドの有無を確認した。
目視検査:金属積層体の表面に蛍光灯で光を当てて、直径0.1mm以上の膨れが発生しているか否かを目視で判断した。
エッチング後50倍顕微鏡検査:金属積層体の表面の銅箔を塩化第二鉄水溶液にて溶解除去した後の樹脂表面を、50倍の顕微鏡にて観察し、膨れ、ボイドの有無を確認した。
50倍顕微鏡検査:接着層を有するポリイミドフィルムを作成後、50倍の顕微鏡にて表面を観察し、膨れ、ボイドの有無を確認した。
目視検査:金属積層体の表面に蛍光灯で光を当てて、直径0.1mm以上の膨れが発生しているか否かを目視で判断した。
エッチング後50倍顕微鏡検査:金属積層体の表面の銅箔を塩化第二鉄水溶液にて溶解除去した後の樹脂表面を、50倍の顕微鏡にて観察し、膨れ、ボイドの有無を確認した。
また、実施例に用いた溶剤、テトラカルボン酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド、
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
APB−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
ODA:4,4'−ジアミノジフェニルエーテル
PPD:パラフェニレンジアミン
m−BP:4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
BAPP:2,2'−ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン
BTDA:3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DSDA:ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
PPTA:パラフェニレンビス(トリメリット酸物モノエステル酸無水物)
ODPA:オキシジフタル酸二無水物
MA:無水マレイン酸
NDA:無水ナディック酸
PEPA:フェニルエチニルフタル酸無水物
EPA:エチニルフタル酸無水物
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド、
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
APB−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
ODA:4,4'−ジアミノジフェニルエーテル
PPD:パラフェニレンジアミン
m−BP:4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
BAPP:2,2'−ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン
BTDA:3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DSDA:ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
PPTA:パラフェニレンビス(トリメリット酸物モノエステル酸無水物)
ODPA:オキシジフタル酸二無水物
MA:無水マレイン酸
NDA:無水ナディック酸
PEPA:フェニルエチニルフタル酸無水物
EPA:エチニルフタル酸無水物
(合成例1)
ポリアミド酸の合成
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc 1624gを装入後、これにジアミノ化合物と酸二無水物のモル比が1.000:0.985となるように、ジアミノ化合物 ODA 100.00g、PPD 54.01gを装入、溶解するまで室温にて撹拌した。次に、酸二無水物 BPDA 144.73g、PMDA 107.30gを装入し、50℃において6時間撹拌して、ポリアミド酸ワニスを得た。
ポリアミド酸の合成
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc 1624gを装入後、これにジアミノ化合物と酸二無水物のモル比が1.000:0.985となるように、ジアミノ化合物 ODA 100.00g、PPD 54.01gを装入、溶解するまで室温にて撹拌した。次に、酸二無水物 BPDA 144.73g、PMDA 107.30gを装入し、50℃において6時間撹拌して、ポリアミド酸ワニスを得た。
(合成例2〜4)
テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物の種類、質量を表1に示したものに変更した以外は、合成例1と同様にポリアミド酸を合成した。結果を合成例1と合わせて表1に示す。
テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物の種類、質量を表1に示したものに変更した以外は、合成例1と同様にポリアミド酸を合成した。結果を合成例1と合わせて表1に示す。
(合成例5)
イミドオリゴマーの合成
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコにAPB 29.23g(0.10mol)、ODPA 15.51g(0.05mol)、無水マレイン酸(以下MA)11.77g(0.12mol)および溶媒としてDMAc 132g、脱水共沸溶媒としてトルエン42gを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら130〜135℃まで加熱した。内温が130℃付近に到達すると共に、トルエンと水の蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮してディーンスタークにて水とトルエンを分離した後、トルエンのみ系内に還流し、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去された。7時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。反応混合物をメタノールへ装入してイミドオリゴマーを析出させた後、メタノールにて洗浄した。その後、窒素流通下、90℃で12時間乾燥して39.59gのイミドオリゴマーを得た。
イミドオリゴマーの合成
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコにAPB 29.23g(0.10mol)、ODPA 15.51g(0.05mol)、無水マレイン酸(以下MA)11.77g(0.12mol)および溶媒としてDMAc 132g、脱水共沸溶媒としてトルエン42gを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら130〜135℃まで加熱した。内温が130℃付近に到達すると共に、トルエンと水の蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮してディーンスタークにて水とトルエンを分離した後、トルエンのみ系内に還流し、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去された。7時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。反応混合物をメタノールへ装入してイミドオリゴマーを析出させた後、メタノールにて洗浄した。その後、窒素流通下、90℃で12時間乾燥して39.59gのイミドオリゴマーを得た。
(合成例6〜8)
酸無水物種類を表2に示したものに変更した以外は、合成例5と同様にオリゴマーの合成、を行なった。合成されたオリゴマー骨格を表3に示す。
酸無水物種類を表2に示したものに変更した以外は、合成例5と同様にオリゴマーの合成、を行なった。合成されたオリゴマー骨格を表3に示す。
(合成例9)
オリゴマーの合成〔APB−BMI:1,3-bis(3-maleimidophenoxy)benzene の合成〕
攪拌機、ディーンシュターク付きの還流管、窒素導入管を備えた反応容器に、PTS一水和物〔p−トルエンスルホン酸一水和物〕23.4g、N,N−ジメチルアニリン 13.4g、トルエン 732gを装入し、窒素雰囲気下において還流温度まで昇温し、留出してきた水をディーンシュタークにて分離除去した。水の留出が止まったのを確認した後、無水マレイン酸 180.4gを装入した。APB〔1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン〕(三井化学株式会社製) 233.9gにトルエン366gを加え、過熱溶解してAPBのトルエン溶液を調整した。このAPBのトルエン溶液をジャケット付きの滴下漏斗に入れ、反応容器内に13時間をかけて滴下装入した。滴下中、常に反応容器内はトルエン還流状態を保ち、留出してきた水は逐次ディーンシュタークにて分離除去した。更に2時間熟成した後、70℃まで冷却し、300gの温水(70℃)で6回洗浄した。洗浄後の有機層を室温まで冷却し、析出した結晶をろ過、トルエン洗浄後、60℃で減圧乾燥し、APB-BMI 307.6gを得た。結果を合成例5〜8とまとめて表2に示す。
オリゴマーの合成〔APB−BMI:1,3-bis(3-maleimidophenoxy)benzene の合成〕
攪拌機、ディーンシュターク付きの還流管、窒素導入管を備えた反応容器に、PTS一水和物〔p−トルエンスルホン酸一水和物〕23.4g、N,N−ジメチルアニリン 13.4g、トルエン 732gを装入し、窒素雰囲気下において還流温度まで昇温し、留出してきた水をディーンシュタークにて分離除去した。水の留出が止まったのを確認した後、無水マレイン酸 180.4gを装入した。APB〔1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン〕(三井化学株式会社製) 233.9gにトルエン366gを加え、過熱溶解してAPBのトルエン溶液を調整した。このAPBのトルエン溶液をジャケット付きの滴下漏斗に入れ、反応容器内に13時間をかけて滴下装入した。滴下中、常に反応容器内はトルエン還流状態を保ち、留出してきた水は逐次ディーンシュタークにて分離除去した。更に2時間熟成した後、70℃まで冷却し、300gの温水(70℃)で6回洗浄した。洗浄後の有機層を室温まで冷却し、析出した結晶をろ過、トルエン洗浄後、60℃で減圧乾燥し、APB-BMI 307.6gを得た。結果を合成例5〜8とまとめて表2に示す。
(合成例10)
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコに、合成例4にて得られたポリアミド酸と、合成例5にて得られたオリゴマーを重量比率が80:20となるように装入し、4時間攪拌を行ってワニス1を得た。結果を表4に示す。
撹拌機、窒素導入管、ディーンスターク、冷却器および温度計を備えたフラスコに、合成例4にて得られたポリアミド酸と、合成例5にて得られたオリゴマーを重量比率が80:20となるように装入し、4時間攪拌を行ってワニス1を得た。結果を表4に示す。
(合成例11〜14)
オリゴマー種類を表4に示したものに変更した以外は、合成例10と同様に、ワニス2〜5を得た。結果を合成例10とまとめて表4に示す。
また、オリゴマー種類を添加しない、合成例4にて得られたポリアミド酸をワニス6とする。
オリゴマー種類を表4に示したものに変更した以外は、合成例10と同様に、ワニス2〜5を得た。結果を合成例10とまとめて表4に示す。
また、オリゴマー種類を添加しない、合成例4にて得られたポリアミド酸をワニス6とする。
実施例1
合成例1にて得られたポリアミド酸ワニスを最終厚みが20μmとなるようにステンレス箔上に流延塗布した。このステンレス箔上のポリアミド酸ワニスの一部を、条件出し用としてサンプリングし、1〜20℃/分の各昇温速度にて、20℃から昇温し、200℃〜350℃までイナートオーブンにて乾燥・キュアし、各昇温速度、各温度にて乾燥・キュアしたポリイミドフィルムサンプルを得た。これらのフィルムのイミド化率を、赤外線吸光分析法を用いて式1より算出した。
合成例1にて得られたポリアミド酸ワニスを最終厚みが20μmとなるようにステンレス箔上に流延塗布した。このステンレス箔上のポリアミド酸ワニスの一部を、条件出し用としてサンプリングし、1〜20℃/分の各昇温速度にて、20℃から昇温し、200℃〜350℃までイナートオーブンにて乾燥・キュアし、各昇温速度、各温度にて乾燥・キュアしたポリイミドフィルムサンプルを得た。これらのフィルムのイミド化率を、赤外線吸光分析法を用いて式1より算出した。
(C/D)×100/(E/F)・・・・式1
〔式1中、C、D、E、Fは以下の通りである。
C:部分的にイミド化したフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
D:部分的にイミド化したフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
F:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E、Fにおける、イミド化率100%のポリイミドフィルムとは、フィルム化後の厚さが20μmとなるように、ポリイミド前駆体含有の該溶液を支持体に流延、塗布後、常温から350℃へ昇温させ、1時間以上350℃にて加熱イミド化したフィルムである。〕
このような条件出しを行い、イミド化率80%のフィルム1を7℃/分昇温にて20℃から300℃まで乾燥・キュアする事によって得る事が可能となった。得られたフィルム1を表5に示す。フィルム1の両面に、合成例10にて得られたワニス1を、ロールコーターにより乾燥後の厚さが2.5μmになるように塗布し、70℃で3分、100℃で3分、140℃で3分、180℃で3分、220℃で10分、250℃で15分乾燥をおこない、接着層をフィルム1の両面に形成し、接着層を有するフィルムを得た(接着シート)。この接着層を有するフィルムの表面を50倍の顕微鏡を用いて観察したところ、膨れ、ボイドなどの異常は確認されなかった。
〔式1中、C、D、E、Fは以下の通りである。
C:部分的にイミド化したフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
D:部分的にイミド化したフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
F:イミド化率100%のポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E、Fにおける、イミド化率100%のポリイミドフィルムとは、フィルム化後の厚さが20μmとなるように、ポリイミド前駆体含有の該溶液を支持体に流延、塗布後、常温から350℃へ昇温させ、1時間以上350℃にて加熱イミド化したフィルムである。〕
このような条件出しを行い、イミド化率80%のフィルム1を7℃/分昇温にて20℃から300℃まで乾燥・キュアする事によって得る事が可能となった。得られたフィルム1を表5に示す。フィルム1の両面に、合成例10にて得られたワニス1を、ロールコーターにより乾燥後の厚さが2.5μmになるように塗布し、70℃で3分、100℃で3分、140℃で3分、180℃で3分、220℃で10分、250℃で15分乾燥をおこない、接着層をフィルム1の両面に形成し、接着層を有するフィルムを得た(接着シート)。この接着層を有するフィルムの表面を50倍の顕微鏡を用いて観察したところ、膨れ、ボイドなどの異常は確認されなかった。
次に、上記、接着層を有するフィルムと、市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F1−WS、厚さ9μm)を用い、シリコンゴムで覆われたロールラミネーターにより240℃で圧力1.4MPaの条件で、銅箔と接着層を有するフィルムを張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブにて温度320℃4時間窒素雰囲気下でアニールを行い、ポリイミド金属積層体を得た。更に、このポリイミド金属積層体のピール強度は1.25kN/m、目視のよる膨れなど外観異常は確認されなかった。また、銅箔をエッチング除去したフィルムの表面を50倍の顕微鏡を用いて観察したところ、膨れ、ボイドなどの異常は確認されなかった。結果を表6に示す。
実施例2〜13
表5に示す各イミド化率のフィルム層を実施例1と同様の方法にて得た。フィルム層、接着層を表5および表6に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を実施例1とまとめて表6に示す。
表5に示す各イミド化率のフィルム層を実施例1と同様の方法にて得た。フィルム層、接着層を表5および表6に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を実施例1とまとめて表6に示す。
比較例1
イミドオリゴマーを用いなかった以外は、実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を実施例と同様に表6に示す。
イミドオリゴマーを用いなかった以外は、実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を実施例と同様に表6に示す。
比較例2、3
フィルムのイミド化率を表4に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を表6に示す。
フィルムのイミド化率を表4に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を表6に示す。
比較例4
表4に示すように、フィルムのイミド化率を100%にし、イミドオリゴマーを用いなかった以外は実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を表6に示す。
表4に示すように、フィルムのイミド化率を100%にし、イミドオリゴマーを用いなかった以外は実施例1と同様にポリイミド金属積層体を得て評価を行った。結果を表6に示す。
本発明の樹脂金属積層体は、耐熱性フィルム、フレキシブルプリント基板および半導体パッケージ等に用いることができ、産業上有用である。
Claims (8)
- 下記一般式(1)
で表されるポリイミド前駆体を40%〜99%イミド化したフィルムの片面又は両面に、接着層として下記一般式(2)
〔但し、A2は、
- 前記一般式(1)のA1は、
- 前記一般式(2)のA2は、
- 前記接着層は、一般式(2)で表されるポリイミド前駆体もしくはポリイミド100重量部に対し、前記一般式(3)で表されるオリゴマーを5重量部以上100重量部以下含有するポリイミド系樹脂組成物からなるものである請求項1〜3いずれか一項に記載の金属積層体の製造方法。
- 前記接着層において、一般式(3)のA3が、
であり、B3が、
であり、Zが、
- 前記一般式(1)および一般式(2)からなるポリイミド又はポリイミド前駆体は、ジアミノ化合物と酸二無水物からなり、その比率は、ジアミノ化合物:酸二無水物=1.00:0.900〜0.999である請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属積層体の製造方法。
- 前記請求項1〜6いずれか一項記載の製造方法から製造されたことを特徴とする金属積層体。
- 下記一般式(1)
で表されるポリイミド前駆体を40%〜99%イミド化したフィルムの片面又は両面に、接着層として下記一般式(2)
〔但し、A2は、
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- 2006-12-18 JP JP2006339430A patent/JP2008149549A/ja active Pending
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