JP2024040228A - 金属張積層板の製造方法 - Google Patents

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智典 安藤
哲平 西山
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Abstract

【課題】高周波伝送においても伝送損失の低減が可能で、寸法安定性に優れた金属張積層板及び回路基板を提供する。【解決手段】金属張積層板(C)は、第1の片面金属張積層板(C1)と、第2の片面金属張積層板(C2)と、これら第1の片面金属張積層板(C1)及び第2の片面金属張積層板(C2)の間に積層されている接着層(B)を備えている。金属張積層板(C)は、接着層(B)となる接着性ポリイミドの溶液又はその前駆体の溶液を、第1の片面金属張積層板(C1)の第1の絶縁樹脂層(P1)、又は第2の片面金属張積層板(C2)の第2の絶縁樹脂層(P2)のいずれか片方、または両方に、所定の厚みで塗布・乾燥した後、塗布膜の側を貼り合わせて熱圧着させることによって製造される。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品として有用な金属張積層板及び回路基板に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、スマートフォン等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
上述した高密度化に加えて、機器の高性能化が進んだことから、伝送信号の高周波化への対応も必要とされている。高周波信号を伝送する際に、伝送経路における伝送損失が大きい場合、電気信号のロスや信号の遅延時間が長くなるなどの不都合が生じる。そのため、今後はFPCにおいても、伝送損失の低減が重要となる。高周波信号伝送に対応するために、FPC材料として汎用されているポリイミドの代わりに、より低誘電率、低誘電正接の液晶ポリマーを誘電体層とするものが用いられている。しかしながら、液晶ポリマーは、誘電特性に優れているものの、耐熱性や金属層との接着性に改善の余地がある。
また、フッ素系樹脂も低誘電率、低誘電正接を示すポリマーとして知られている。例えば、高周波信号伝送への対応が可能で接着性に優れたFPC材料として、フッ素系樹脂層の両面に、それぞれ、熱可塑性ポリイミド層と高耐熱性ポリイミド層とを有するポリイミド接着フィルムを貼り合わせてなる絶縁フィルムが提案されている(特許文献1)。フッ素系樹脂を使用した特許文献1の絶縁フィルムは、誘電特性の点では優れているが、寸法安定性に課題があり、特に、FPCに適用した場合、エッチングによる回路加工の前後の寸法変化が大きくなることが懸念される。そのため、フッ素系樹脂の厚みを厚くすること及び厚み比率を高くすることが困難となる。
ところで、ポリイミドを主成分とする接着層に関する技術として、ダイマー酸などの脂肪族ジアミンから誘導されるジアミン化合物を原料とするポリイミドと、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物と、を反応させて得られる架橋ポリイミド樹脂を、カバーレイフィルムの接着剤層に適用することが提案されている(特許文献2)。特許文献2の架橋ポリイミド樹脂は、、環状シロキサン化合物からなる揮発成分を発生させず、優れた半田耐熱性を有し、繰り返し高温にさらされる使用環境でも、配線層とカバーレイフィルムとの接着力を低下させない、という利点を有するものである。しかしながら、特許文献2では、高周波信号伝送への適用可能性や、金属張積層板における接着層への適用については検討されていない。
特開2017-24265号公報 特開2013-1730号公報
本発明の目的は、高周波伝送においても伝送損失の低減が可能で、寸法安定性に優れた金属張積層板及び回路基板を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、金属張積層板に、特定のポリイミドから構成される接着層を、所定の厚み比率で設けることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の金属張積層板は、第1の金属層と、前記第1の金属層の少なくとも片側の面に積層された第1の絶縁樹脂層と、を有する第1の片面金属張積層板と、
第2の金属層と、前記第2の金属層の少なくとも片側の面に積層された第2の絶縁樹脂層と、を有する第2の片面金属張積層板と、
前記第1の絶縁樹脂層及び前記第2の絶縁樹脂層に当接するように配置されて、前記第1の片面金属張積層板と前記第2の片面金属張積層板との間に積層された接着層と、
を備えている。
そして、本発明の金属張積層板は、前記第1の絶縁樹脂層と前記接着層と前記第2の絶縁樹脂層の合計厚みT1が70~500μmの範囲内であり、かつ、前記合計厚みT1に対する前記接着層の厚みT2の比率(T2/T1)が0.5~0.96の範囲内である。
また、本発明の金属張積層板において、前記接着層は、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含有するポリイミドを有しており、
前記ポリイミドは、前記ジアミン残基の100モル部に対して、
ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマー酸型ジアミンから誘導されるジアミン残基を20モル部以上含有することを特徴とする。
本発明の金属張積層板において、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は、共に、熱可塑性ポリイミド層、非熱可塑性ポリイミド層及び熱可塑性ポリイミド層がこの順に積層された多層構造を有していてもよく、前記接着層は、2つの前記熱可塑性ポリイミド層に接して設けられていてもよい。
本発明の金属張積層板は、前記第1の絶縁樹脂層と前記接着層と前記第2の絶縁樹脂層の全体の熱膨張係数が10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内であってもよい。
本発明の金属張積層板は、前記第1の金属層及び前記第2の金属層が、共に、銅箔からなるものであってもよい。
本発明の回路基板は、上記いずれかの金属張積層板における前記第1の金属層及び/又は前記第2の金属層を配線に加工してなるものである。
本発明の金属張積層板は、特定のジアミン残基を導入した接着層によって2つの片面金属張積層板を貼り合わせた構造によって、寸法安定性の確保とともに、低誘電率化及び低誘電正接化を可能とした。本発明の金属張積層板を利用することによって、例えば、10GHz以上という高周波信号を伝送する回路基板等への適用も可能となる。従って、回路基板において信頼性と歩留まりの向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式図である。 接着性ポリイミドとフッ素系樹脂の動的粘弾性挙動を示すグラフである。 本発明の好ましい実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。
本発明の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。
[金属張積層板]
図1は、本発明の一実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式図である。本実施の形態の金属張積層板(C)は、一対の片面金属張積層板を、接着層(B)で貼り合わせた構造を有している。すなわち、金属張積層板(C)は、第1の片面金属張積層板(C1)と、第2の片面金属張積層板(C2)と、これら第1の片面金属張積層板(C1)及び第2の片面金属張積層板(C2)の間に積層された接着層(B)を備えている。ここで、第1の片面金属張積層板(C1)は、第1の金属層(M1)と、この第1の金属層(M1)の少なくとも片側の面に積層された第1の絶縁樹脂層(P1)と、を有する。第2の片面金属張積層板(C2)は、第2の金属層(M2)と、この第2の金属層(M2)の少なくとも片側の面に積層された第2の絶縁樹脂層(P2)と、を有する。そして、接着層(B)は、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)に当接するように配置されている。つまり、金属張積層板(C)は、第1の金属層(M1)/第1の絶縁樹脂層(P1)/接着層(B)/第2の絶縁樹脂層(P2)/第2の金属層(M2)がこの順に積層された構造を有する。第1の金属層(M1)と第2の金属層(M2)は、それぞれ最も外側に位置し、それらの内側に第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)が配置され、さらに第1の絶縁樹脂層(P1)と第2の絶縁樹脂層(P2)の間には、接着層(B)が介在配置されている。
<片面金属張積層板>
一対の片面金属張積層板(C1,C2)の構成は、特に限定されず、FPC材料として一般的なものを使用可能であり、市販の銅張積層板などであってもよい。なお、第1の片面金属張積層板(C1)と第2の片面金属張積層板(C2)の構成は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(金属層)
第1の金属層(M1)及び第2の金属層(M2)の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。なお、後述する本実施の形態の回路基板における配線層の材質も第1の金属層(M1)及び第2の金属層(M2)と同様である。
第1の金属層(M1)及び第2の金属層(M2)の厚みは特に限定されるものではないが、例えば銅箔等の金属箔を用いる場合、好ましくは35μm以下であり、より好ましくは5~25μmの範囲内がよい。生産安定性及びハンドリング性の観点から金属箔の厚みの下限値は5μmとすることが好ましい。なお、銅箔を用いる場合は、圧延銅箔でも電解銅箔でもよい。また、銅箔としては、市販されている銅箔を用いることができる。
また、金属箔は、例えば、防錆処理や、接着力の向上を目的として、例えばサイディング、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等による表面処理を施してもよい。
(絶縁樹脂層)
第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)としては、電気的絶縁性を有する樹脂により構成されるものであれば特に限定はなく、例えばポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ETFEなどを挙げることができるが、ポリイミドによって構成されることが好ましい。また、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)は、単層に限らず、複数の樹脂層が積層されたものであってもよい。なお、本発明でポリイミドという場合、ポリイミドの他、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなど、分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂を意味する。
<接着層>
接着層(B)は、テトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基及びジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を含有する熱可塑性ポリイミド(以下、「接着性ポリイミド」と記すことがある)を含む。
本発明において、「テトラカルボン酸残基」とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを意味し、「ジアミン残基」とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを意味する。また、「熱可塑性ポリイミド」とは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、300℃における貯蔵弾性率が3.0×10Pa未満であるポリイミドをいう。また、「非熱可塑性ポリイミド」とは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、300℃における貯蔵弾性率が3.0×10Pa以上であるポリイミドをいう。
(テトラカルボン酸残基)
接着性ポリイミドは、一般に熱可塑性ポリイミドに使用されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を特に制限なく含むことができるが、テトラカルボン酸残基の100モル部に対して、下記の一般式(1)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、「テトラカルボン酸残基(1)と記すことがある)を、合計で90モル部以上含有することが好ましい。テトラカルボン酸残基(1)を、テトラカルボン酸残基の100モル部に対して合計で90モル部以上含有させることによって、接着性ポリイミドの柔軟性と耐熱性の両立が図りやすく好ましい。テトラカルボン酸残基(1)の合計が90モル部未満では、接着性ポリイミドの溶剤溶解性が低下する傾向になる。
Figure 2024040228000002
一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示す。
Figure 2024040228000003
上記式において、Zは-C-、-(CH)n-又は-CH-CH(-O-C(=O)-CH)-CH-を示すが、nは1~20の整数を示す。
テトラカルボン酸残基(1)を誘導するためのテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BPADA)、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(TAHQ)、エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート(TMEG)などを挙げることができる。
接着性ポリイミドは、発明の効果を損なわない範囲で、上記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸無水物以外の酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を含有することができる。そのようなテトラカルボン酸残基としては、特に制限はないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、1,4-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル)二無水物、2,3',3,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-又は2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート等の芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基が挙げられる。
(ジアミン残基)
接着性ポリイミドは、ジアミン残基の100モル部に対して、ダイマー酸型ジアミンから誘導されるダイマー酸型ジアミン残基を20モル部以上、好ましくは40モル部以上、より好ましくは60モル部以上含有する。ダイマー酸型ジアミン残基を上記の量で含有することによって、接着層(B)の誘電特性を改善させるとともに、接着層(B)のガラス転移温度の低温化(低Tg化)による熱圧着特性の改善及び低弾性率化による内部応力を緩和することができる。ジアミン残基の100モル部に対して、ダイマー酸型ジアミン残基が20モル部未満であると、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)との間に介在する接着層(B)として十分な接着性が得られないことがあり、また、高熱膨張性である接着層(B)の弾性率が高くなることで、第1及び第2の金属層(M1,M2)のエッチング後寸法変化率が悪化する恐れがある。
ここで、ダイマー酸型ジアミンとは、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基(-COOH)が、1級のアミノメチル基(-CH-NH)又はアミノ基(-NH)に置換されてなるジアミンを意味する。ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、その工業的製造プロセスは業界でほぼ標準化されており、炭素数が11~22の不飽和脂肪酸を粘土触媒等にて二量化して得られる。工業的に得られるダイマー酸は、オレイン酸やリノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られる炭素数36の二塩基酸が主成分であるが、精製の度合いに応じ、任意量のモノマー酸(炭素数18)、トリマー酸(炭素数54)、炭素数20~54の他の重合脂肪酸を含有する。本発明では、ダイマー酸は分子蒸留によってダイマー酸含有量を90重量%以上にまで高めたものを使用することが好ましい。また、ダイマー化反応後には二重結合が残存するが、本発明では、更に水素添加反応して不飽和度を低下させたものもダイマー酸に含めるものとする。
ダイマー酸型ジアミンの特徴として、ダイマー酸の骨格に由来する特性をポリイミドに付与することができる。すなわち、ダイマー酸型ジアミンは、分子量約560~620の巨大分子の脂肪族であるので、分子のモル体積を大きくし、ポリイミドの極性基を相対的に減らすことができる。このようなダイマー酸型ジアミンの特徴は、ポリイミドの耐熱性の低下を抑制しつつ、誘電率と誘電正接を小さくして誘電特性を向上させることに寄与すると考えられる。また、2つの自由に動く炭素数7~9の疎水鎖と、炭素数18に近い長さを持つ2つの鎖状の脂肪族アミノ基とを有するので、ポリイミドに柔軟性を与えるのみならず、ポリイミドを非対象的な化学構造や非平面的な化学構造とすることができるので、ポリイミドの低誘電率化及び低誘電正接化を図ることができると考えられる。
ダイマー酸型ジアミンは、市販品が入手可能であり、例えばクローダジャパン社製のPRIAMINE1073(商品名)、同PRIAMINE1074(商品名)、同PRIAMINE1075(商品名)、BASFジャパン社製のバーサミン551(商品名)、同バーサミン552(商品名)等が挙げられる。
また、接着性ポリイミドは、下記の一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を、全ジアミン成分100モル部に対して、合計で20モル部以上80モル部以下の範囲内で含有することが好ましく、20モル部以上60モル部以下の範囲内で含有することがより好ましい。一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物は、屈曲性を有する分子構造を持つため、これらから選ばれる少なくとも一種のジアミン化合物を上記範囲内の量で使用することによって、ポリイミド分子鎖の柔軟性を向上させ、熱可塑性を付与することができる。一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物の合計量が全ジアミン成分の100モル部に対して80モル部を超えると、ポリイミドの柔軟性が不足し、またTgが上昇するため、熱圧着による残留応力が増加しエッチング後寸法変化率が悪化する傾向になる。
Figure 2024040228000004
式(B1)~(B7)において、Rは独立に炭素数1~6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、連結基Aは独立に-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO-、-COO-、-CH-、-C(CH-、-NH-若しくは-CONH-から選ばれる2価の基を示し、nは独立に0~4の整数を示す。ただし、式(B3)中から式(B2)と重複するものは除き、式(B5)中から式(B4)と重複するものは除くものとする。
なお、「独立に」とは、上記式(B1)~(B7)の内の一つにおいて、または二つ以上において、複数の連結基A、複数のR若しくは複数のnが、同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。また、式(B1)~(B7)において、末端の二つのアミノ基における水素原子は置換されていてもよく、例えば-NR(ここで、R,Rは、独立してアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。
式(B1)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B1)」と記すことがある)は、2つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B1)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Aとがメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B1)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-、-CH-、-C(CH-、-CO-、-SO-、-S-、-COO-が好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン等を挙げることができる。
式(B2)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B2)」と記すことがある)は、3つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B2)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Aとがメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B2)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B2)としては、例えば1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン等を挙げることができる。
式(B3)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B3)」と記すことがある)は、3つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B3)は、1つのベンゼン環に直結した、2つの2価の連結基Aが互いにメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B3)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B3)としては、例えば1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、4,4'-[2-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[4-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[5-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン等を挙げることができる。
式(B4)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B4)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B4)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Aとがメタ位にあることで高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B4)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-、-CH-、-C(CH-、-SO-、-CO-、-CONH-が好ましい。
ジアミン(B4)としては、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド等を挙げることができる。
式(B5)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B5)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B5)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結した、2つの2価の連結基Aが互いにメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B5)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B5)としては、4-[3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]アニリン、4,4’-[オキシビス(3,1-フェニレンオキシ)]ビスアニリン等を挙げることができる。
式(B6)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B6)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B6)は、少なくとも2つのエーテル結合を有することで高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B6)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-C(CH-、-O-、-SO-、-CO-が好ましい。
ジアミン(B6)としては、例えば、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン(BAPK)等を挙げることができる。
式(B7)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B7)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B7)は、ジフェニル骨格の両側に、それぞれ屈曲性の高い2価の連結基Aを有するため、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B7)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B7)としては、例えば、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル等を挙げることができる。
接着性ポリイミドは、発明の効果を損なわない範囲で、上記ダイマー酸型ジアミン及びジアミン(B1)~(B7)以外のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を含むことができる。上記ダイマー酸型ジアミン及びジアミン(B1)~(B7)以外のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基としては、熱可塑性ポリイミドに使用されるジアミン化合物として一般に使用されるものを制限なく用いることができる。
接着性ポリイミドにおいて、上記テトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類や、2種以上のテトラカルボン酸残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、引張弾性率、ガラス転移温度等を制御することができる。また、接着性ポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、ランダムに存在することが好ましい。
接着性ポリイミドのイミド基濃度は、20重量%以下であることが好ましい。ここで、「イミド基濃度」は、ポリイミド中のイミド基部(-(CO)-N-)の分子量を、ポリイミドの構造全体の分子量で除した値を意味する。イミド基濃度が20重量%を超えると、樹脂自体の分子量が小さくなるとともに、極性基の増加によって低吸湿性も悪化し、Tg及び弾性率が上昇する。
接着性ポリイミドの重量平均分子量は、例えば10,000~400,000の範囲内が好ましく、20,000~350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、接着層(B)の強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際に接着層(B)の厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
接着性ポリイミドは、完全にイミド化された構造が最も好ましい。但し、ポリイミドの一部がアミド酸となっていてもよい。そのイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、1回反射ATR法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1015cm-1付近のベンゼン環吸収体を基準とし、1780cm-1のイミド基に由来するC=O伸縮の吸光度から算出することができる。
(架橋形成)
接着性ポリイミドがケトン基を有する場合に、該ケトン基と、少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物のアミノ基を反応させてC=N結合を形成させることによって、架橋構造を形成することができる。架橋構造の形成によって、接着性ポリイミドの耐熱性を向上させることができる。ケトン基を有する接着性ポリイミドを形成するために好ましいテトラカルボン酸無水物としては、例えば3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を、ジアミン化合物としては、例えば、4,4’―ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゾフェノン(BABP)、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン(BABB)等の芳香族ジアミンを挙げることができる。
接着性ポリイミドの架橋形成に使用可能なアミノ化合物としては、ジヒドラジド化合物、芳香族ジアミン、脂肪族アミン等を例示することができる。これらの中でも、ジヒドラジド化合物が好ましい。ジヒドラジド化合物以外の脂肪族アミンは、室温でも架橋構造を形成しやすく、ワニスの保存安定性の懸念があり、一方、芳香族ジアミンは、架橋構造の形成のために高温にする必要がある。このように、ジヒドラジド化合物を使用した場合は、ワニスの保存安定性と硬化時間の短縮化を両立させることができる。ジヒドラジド化合物としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ二酸ジヒドラジド、4,4-ビスベンゼンジヒドラジド、1,4-ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6-ピリジン二酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物が好ましい。以上のジヒドラジド化合物は、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
接着性ポリイミドは、上記のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0~100℃の範囲内の温度で30分~24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5~50重量%の範囲内、好ましくは10~40重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、2-ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5~50重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cps~100,000cpsの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、例えば、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。
ポリアミド酸をイミド化させて接着性ポリイミドを形成させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80~400℃の範囲内の温度条件で1~24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
以上のようにして得られた接着性ポリイミドを架橋形成させる場合は、ケトン基を有する接着性ポリイミドを含む樹脂溶液に、上記アミノ化合物を加えて、接着性ポリイミド中のケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基とを縮合反応させる。この縮合反応により、樹脂溶液は硬化して硬化物となる。この場合、アミノ化合物の添加量は、ケトン基1モルに対し、第1級アミノ基が合計で0.004モル~1.5モル、好ましくは0.005モル~1.2モル、より好ましくは0.03モル~0.9モル、最も好ましくは0.04モル~0.5モルとなるようにアミノ化合物を添加することができる。ケトン基1モルに対して第1級アミノ基が合計で0.004モル未満となるようなアミノ化合物の添加量では、アミノ化合物による接着性ポリイミドの架橋が十分ではないため、硬化させた後の接着層(B)において耐熱性が発現しにくい傾向となり、アミノ化合物の添加量が1.5モルを超えると未反応のアミノ化合物が熱可塑剤として作用し、接着層(B)の耐熱性を低下させる傾向がある。
架橋形成のための縮合反応の条件は、接着性ポリイミドにおけるケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基が反応してイミン結合(C=N結合)を形成する条件であれば、特に制限されない。加熱縮合の温度は、縮合によって生成する水を系外へ放出させるため、又は接着性ポリイミドの合成後に引き続いて加熱縮合反応を行なう場合に当該縮合工程を簡略化するため等の理由で、例えば120~220℃の範囲内が好ましく、140~200℃の範囲内がより好ましい。反応時間は、30分~24時間程度が好ましく、反応の終点は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1670cm-1付近のポリイミド樹脂におけるケトン基に由来する吸収ピークの減少又は消失、及び1635cm-1付近のイミン基に由来する吸収ピークの出現により確認することができる。
接着性ポリイミドのケトン基とアミノ化合物の第1級のアミノ基との加熱縮合は、例えば、(a)接着性ポリイミドの合成(イミド化)に引き続き、アミノ化合物を添加して加熱する方法、(b)ジアミン成分として予め過剰量のアミノ化合物を仕込んでおき、接着性ポリイミドの合成(イミド化)に引き続き、イミド化若しくはアミド化に関与しない残りのアミノ化合物とともに接着性ポリイミドを加熱する方法、又は、(c)アミノ化合物を添加した接着性ポリイミドの組成物を所定の形状に加工した後(例えば任意の基材に塗布した後やフィルム状に形成した後)に加熱する方法、等によって行うことができる。
接着性ポリイミドの耐熱性付与のため、架橋構造の形成でイミン結合の形成を説明したが、これに限定されるものではなく、接着性ポリイミドの硬化方法として、例えばエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤等を配合し硬化することも可能である。
以上のようにして得られる接着性ポリイミドを用いることによって、接着層(B)は、優れた柔軟性と誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)を有するものとなる。また、後述するように、接着性ポリイミドは、100℃前後の温度域での貯蔵弾性率が十分に低いため、フッ素系樹脂などの他の接着用樹脂に比べて、接着温度を顕著に低くすることができる。
<層厚>
金属張積層板(C)は、第1の絶縁樹脂層(P1)と接着層(B)と第2の絶縁樹脂層(P2)の合計厚みをT1としたとき、該合計厚みT1が70~500μmの範囲内であり、100~300μmの範囲内であることが好ましい。合計厚みT1が70μm未満では、回路基板とした際の伝送損失を低下させる効果が不十分となり、500μmを超えると、生産性低下の恐れがある。
また、接着層(B)の厚みT2は、例えば50~450μmの範囲内にあることが好ましく、50~250μmの範囲内がより好ましい。接着層(B)の厚みT2が上記下限値に満たないと、低誘電正接化が不十分となり、十分な誘電特性が得られないなどの問題が生じることがある。一方、接着層(B)の厚みが上記上限値を超えると、寸法安定性が低下するなどの不具合が生じることがある。
また、合計厚みT1に対する接着層(B)の厚みT2の比率(T2/T1)は、0.5~0.96の範囲内であり、0.5~0.75の範囲内であることが好ましい。比率(T2/T1)が0.5未満では、低誘電正接化が不十分となり、十分な誘電特性が得られない。0.96を超えると寸法安定性が低下するなどの不具合が生じる。
第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の厚みT3は、共に、例えば、12~50μmの範囲内にあることが好ましく、12~25μmの範囲内がより好ましい。第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の厚みT3が上記の下限値に満たないと、金属張積層板(C)の反りなどの問題が生じることがある。第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の厚みT3が上記の上限値を超えると、回路基板とした際の伝送特性が低下するなどの不具合が生じる。なお、第1の絶縁樹脂層(P1)と第2の絶縁樹脂層(P2)は、必ずしも同じ厚みでなくてもよい。
<熱膨張係数>
第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)は、熱膨張係数(CTE)が10ppm/K以上がよく、好ましくは10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内、より好ましくは15ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内である。CTEが10ppm/K未満であるか、又は30ppm/Kを超えると、反りが発生したり、寸法安定性が低下したりする。使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望のCTEを有するポリイミド層とすることができる。
接着性ポリイミドは高熱膨張性であるが低弾性であるため、CTEが30ppm/Kを超えても、積層時に発生する内部応力を緩和することができる。
また、第1の絶縁樹脂層(P1)、接着層(B)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の全体の熱膨張係数(CTE)は、好ましくは10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内、より好ましくは15ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内である。CTEが10ppm/K未満であるか、又は30ppm/Kを超えると、反りが発生したり、寸法安定性が低下したりする。
<ガラス転移温度(Tg)>
接着性ポリイミドは、ガラス転移温度(Tg)が250℃以下であることが好ましく、40℃以上200℃以下の範囲内であることがより好ましい。接着性ポリイミドのTgが250℃以下であることによって、低温での熱圧着が可能になるため、積層時に発生する内部応力を緩和し、回路加工後の寸法変化を抑制できる。接着性ポリイミドのTgが250℃を超えると、第1の絶縁樹脂層(P1)と第2の絶縁樹脂層(P2)との間に介在させて接着する際の温度が高くなり、回路加工後の寸法安定性を損なう恐れがある。
<貯蔵弾性率>
接着性ポリイミドは、40~250℃の範囲に、温度上昇に伴って貯蔵弾性率が急勾配で減少する温度域が存在することを特徴とする。このような接着性ポリイミドの特性が、熱圧着時の内部応力を緩和し、回路加工後の寸法安定性を保持する要因であると考えられる。接着性ポリイミドは、前記温度域の上限温度での貯蔵弾性率が、5×10[Pa]以下であることが好ましく、1×10~5×10[Pa]の範囲内であることがより好ましい。このような貯蔵弾性率とすることによって、仮に上記温度範囲の上限としても、250℃以下での熱圧着が可能となり、密着性を担保し、回路加工後の寸法変化を抑制することができる。
<誘電正接>
第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)は、例えば回路基板に適用する場合において、誘電損失の悪化を抑制するために、10GHzにおける誘電正接(Tanδ)は、好ましくは0.02以下、より好ましくは0.0005以上0.01以下の範囲内、更に好ましくは0.001以上0.008以下の範囲内がよい。第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の10GHzにおける誘電正接が0.02を超えると、回路基板に適用した際に、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。一方、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の10GHzにおける誘電正接の下限値は特に制限されないが、回路基板の絶縁樹脂層としての物性制御を考慮している。
接着層(B)は、例えば回路基板に適用する場合において、誘電損失の悪化を抑制するために、10GHzにおける誘電正接(Tanδ)は、好ましくは0.004以下、より好ましくは0.0005以上0.004以下の範囲内、更に好ましくは0.001以上0.0035以下の範囲内がよい。接着層(B)の10GHzにおける誘電正接が0.004を超えると、回路基板に適用した際に、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。一方、接着層(B)の10GHzにおける誘電正接の下限値は特に制限されない。
<誘電率>
第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)は、例えば回路基板の絶縁層として適用する場合において、インピーダンス整合性を確保するために、絶縁層全体として、10GHzにおける誘電率が4.0以下であることが好ましい。第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の10GHzにおける誘電率が4.0を超えると、回路基板に適用した際に、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)の誘電損失の悪化に繋がり、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
接着層(B)は、例えば回路基板に適用する場合において、インピーダンス整合性を確保するために、10GHzにおける誘電率が4.0以下であることが好ましい。接着層(B)の10GHzにおける誘電率が4.0を超えると、回路基板に適用した際に、接着層(B)の誘電損失の悪化に繋がり、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
<作用>
本実施の形態の金属張積層板(C)では、絶縁層全体の低誘電正接化を図り、高周波伝送への対応を可能にするため、接着層(B)として、誘電正接が低い接着性ポリイミドを用いるとともに、接着層(B)の厚み自体を大きくしている。しかし、熱可塑性樹脂である接着性ポリイミドの層厚を大きくすることは、一般に、寸法安定性の低下を招く。
ここで、金属張積層板を回路加工した場合に発生する寸法変化は、主に、下記のi)~iii)のメカニズムによって発生し、ii)とiii)の合計量がエッチング後の寸法法変化となって発現する、と考えられる。
i)金属張積層板の製造時に、樹脂層に内部応力が蓄積される。
ii)回路加工時に、金属層をエッチングすることによって、i)で蓄積した内部応力が開放され、樹脂層が膨張もしくは収縮する。
iii)回路加工時に、金属層をエッチングすることによって、露出した樹脂が吸湿し、膨張する。
上記i)の内部応力の要因は、ア)金属層と樹脂層との熱膨張係数の差、イ)フィルム化によって生じる樹脂内部歪み、である。ここで、ア)に起因する内部応力の大きさは、熱膨張係数の差だけでなく、接着時の温度(加熱温度)から冷却固化の温度までの温度差ΔTも影響する。つまり、内部応力は、温度差ΔTに比例して大きくなるため、金属層と樹脂層との熱膨張係数の差が小さくても、接着に高温が必要な樹脂であるほど、内部応力は大きくなる。
図2は、本実施の形態の接着層(B)に使用する接着性ポリイミドと、フッ素系樹脂(接着性PFA樹脂)との動的粘弾性挙動を示すグラフである。図2中、縦軸は貯蔵弾性率を示し、横軸は温度を示す。同図において、黒塗りの四角でプロットされた曲線aは、接着性ポリイミドの貯蔵弾性率の変化を示しており、白抜きの四角でプロットされた曲線bは、比較対象であるフッ素系樹脂の貯蔵弾性率の変化を示している。図2から見て取れるように、曲線a(接着性ポリイミド)は、100℃前後の温度域で、貯蔵弾性率が1×10[Pa]以下まで低下している。そのため、破線で示す温度taより高い温度域では、十分な流動性を有しており、接着性能を示す。一方、曲線b(フッ素系樹脂)は、貯蔵弾性率が1×10[Pa]付近まで低下する温度が300℃前後であり、破線で示す温度tbより高い温度域にならないと、十分な流動性と接着性能が得られない。すなわち、曲線a(接着性ポリイミド)は、曲線b(フッ素系樹脂)に比べ、200℃近く低い加熱温度で接着性能を示すことが理解される。このようなことから、本実施の形態の接着層(B)に使用する接着性ポリイミドは、熱膨張係数が大きくても、250℃以下(例えば図2では、80~120℃)の低温域で接着が可能であることから、比較対象のフッ素系樹脂に比べ、回路加工した場合に発生する寸法変化を大幅に抑制できるものと推測される。
このように、本発明では、接着層(B)を厚くして絶縁層全体の低誘電正接化を図り、高周波伝送を可能にすることと、寸法安定性の確保と、を両立させている。
また、接着層(B)は、第1の絶縁樹脂層(P1)と第2の絶縁樹脂層(P2)との間に積層されているので、中間層としての機能を果たし、反りと寸法変化を抑制する。更に、例えば半導体チップの実装時における半田リフロー等の加熱工程においても、第1の絶縁樹脂層(P1)又は第2の絶縁樹脂層(P2)によって直接的な熱や酸素との接触が遮られるので、酸化劣化の影響を受けにくく寸法変化は生じにくい。このように、第1の絶縁樹脂層(P1)、接着層(B)及び第2の絶縁樹脂層(P2)という層構成の特徴による利点も有する。
[金属張積層板の製造]
金属張積層板(C)は、例えば以下の方法1、又は方法2で製造できる。なお、接着層(B)となる接着性ポリイミドについては、上記のとおり架橋形成させてもよい。
[方法1]
接着層(B)となる上記接着性ポリイミド又はその前駆体をシート状に成形して接着シートとなし、該接着シートを、第1の片面金属張積層板(C1)の第1の絶縁樹脂層(P1)と、第2の片面金属張積層板(C2)の第2の絶縁樹脂層(P2)との間に配置して貼り合わせ、熱圧着させる方法。
[方法2]
接着層(B)となる上記接着性ポリイミドの溶液又はその前駆体の溶液を、第1の片面金属張積層板(C1)の第1の絶縁樹脂層(P1)、又は第2の片面金属張積層板(C2)の第2の絶縁樹脂層(P2)のいずれか片方、または両方に、所定の厚みで塗布・乾燥した後、塗布膜の側を貼り合わせて熱圧着させる方法。
方法1で用いる接着シートは、例えば、(1)任意の支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥し、熱処理してイミド化した後、支持基材から剥がして接着シートとする方法、(2)任意の支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥した後、ポリアミド酸のゲルフィルムを支持基材から剥がし、熱処理してイミド化して接着シートとする方法、(3)支持基材に、上記接着性ポリイミドの溶液を塗布・乾燥した後、支持基材から剥がして接着シートとする方法、などによって製造できる。
また、上記において、ポリイミド溶液(又はポリアミド酸溶液)を支持基材や絶縁樹脂層上に塗布する方法としては、特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
以上のようにして得られる本実施の形態の金属張積層板(C)は、第1の金属層(M1)及び/又は第2の金属層(M2)をエッチングするなどして配線回路加工することによって、片面FPC又は両面FPCなどの回路基板を製造することができる。
[金属張積層板の好ましい構成例]
次に、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)及び接着層(B)が、いずれもポリイミドである場合を例に挙げて、本実施の形態の金属張積層板(C)をより具体的に説明する。
図3は、本実施の形態の金属張積層板100の構造を示す模式的断面図である。金属張積層板100は、図3に示すように、第1の金属層(M1)及び第2の金属層(M2)としての金属層101,101と、第1の絶縁樹脂層(P1)及び第2の絶縁樹脂層(P2)としてのポリイミド層110,110と、接着層(B)としての接着性ポリイミド層120を備えている。ここで、金属層101およびポリイミド層110によって、第1の片面金属張積層板(C1)又は第2の片面金属張積層板(C2)としての片面金属張積層板130が形成されている。本態様では、第1の片面金属張積層板(C1)と第2の片面金属張積層板(C2)の構成は同じである。
ポリイミド層110,110は、いずれも、複数のポリイミド層が積層された構造であってもよい。例えば、図3に示す態様では、ベース層として、非熱可塑性ポリイミドからなる非熱可塑性ポリイミド層111,111と、非熱可塑性ポリイミド層111,111の両側にそれぞれ設けられた、熱可塑性ポリイミドからなる熱可塑性ポリイミド層112,112とを備えた3層構造をなしている。なお、ポリイミド層110,110は、それぞれ3層構造に限らない。
図3に示す金属張積層板100において、2つの片面金属張積層板130,130における外側の熱可塑性ポリイミド層112,112は、それぞれ接着性ポリイミド層120に貼り合わされ、金属張積層板100を形成している。接着性ポリイミド層120は、金属張積層板100において、2つの片面金属張積層板130,130を貼り合わせるための接着層であり、かつ、寸法安定性を確保しつつ、金属張積層板100の誘電特性を改善する機能を有するものである。接着性ポリイミド層120を構成する接着性ポリイミドについては、上記接着層(B)について説明したとおりである。
次に、ポリイミド層110,110を構成する非熱可塑性ポリイミド層111と、熱可塑性ポリイミド層112について、簡単に説明する。
非熱可塑性ポリイミド層:
非熱可塑性ポリイミド層111に用いるポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸無水物成分を含む酸無水物成分と、脂肪族ジアミン及び/又は芳香族ジアミン等を含むジアミン成分と、を反応させて得られる非熱可塑性ポリイミドが好ましい。酸無水物及びジアミンとしては、非熱可塑性ポリイミドの合成に一般的に用いられるモノマーを使用できるため、ここでは記載を省略する。酸無水物及びジアミンの種類や、2種以上の酸無水物又はジアミンを使用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張性、接着性、ガラス転移温度等を制御することができる。
非熱可塑性ポリイミド層111を構成するポリイミドは、イミド基濃度が33%以下であることが好ましく、32%以下であることがより好ましい。イミド基濃度が33%を超えると、ポリイミドの難燃性が低下するとともに、極性基の増加によって誘電特性も悪化する。
非熱可塑性ポリイミド層111の厚みは、ベース層としての機能を確保し、且つ製造時および熱可塑性ポリイミド塗工時の搬送性の観点から、6μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましく、9μm以上50μm以下の範囲内がより好ましい。非熱可塑性ポリイミド層111の厚みが上記の下限値未満である場合、電気絶縁性やハンドリング性が不十分となり、上限値を超えると、生産性が低下する。
非熱可塑性ポリイミド層111は、耐熱性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が280℃以上であることが好ましく、さらに、300℃以上であることがより好ましい。
また、反りを抑制する観点から、非熱可塑性ポリイミド層111の熱膨張係数は、1ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内、好ましくは1ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内、より好ましくは15ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内にあることがよい。
また、非熱可塑性ポリイミド層111に用いる非熱可塑性ポリイミドには、任意成分として、例えば可塑剤、エポキシ樹脂などの他の硬化樹脂成分、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、溶剤、難燃剤などを適宜配合することができる。ただし、可塑剤には、極性基を多く含有するものがあり、それが銅配線からの銅の拡散を助長する懸念があるため、可塑剤は極力使用しないことが好ましい。
熱可塑性ポリイミド層:
熱可塑性ポリイミド層112に用いるポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸無水物成分を含む酸無水物成分と、脂肪族ジアミン及び/又は芳香族ジアミンと、を反応させて得られる熱可塑性ポリイミドが好ましい。酸無水物及びジアミンとしては、熱可塑性ポリイミドの合成に一般的に用いられるモノマーを使用できるため、ここでは記載を省略する。酸無水物及びジアミンの種類や、2種以上の酸無水物又はジアミンを使用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張性、接着性、ガラス転移温度等を制御することができる。また、誘電特性を改善する観点から、熱可塑性ポリイミド層112に用いるポリイミドとして、接着層(B)としての接着性ポリイミド層120を形成するための接着性ポリイミドを使用することが好ましい。
熱可塑性ポリイミド層112を構成するポリイミドは、イミド基濃度が33%以下であることが好ましく、32%以下であることがより好ましい。イミド基濃度が33%を超えると、ポリイミドの難燃性が低下するとともに、極性基の増加によって誘電特性も悪化する。
熱可塑性ポリイミド層112の厚みは、接着機能を確保する観点から、1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましく、1μm以上5μm以下の範囲内がより好ましい。熱可塑性ポリイミド層112の厚みが上記の下限値未満である場合、接着性が不十分となり、上限値を超えると、寸法安定性が悪化する傾向となる。
熱可塑性ポリイミド層112は、反りを抑制する観点から、熱膨張係数が、30ppm/K以上、好ましくは30ppm/K以上100ppm/K以下の範囲内、より好ましくは30ppm/K以上80ppm/K以下の範囲内にあることがよい。
また、熱可塑性ポリイミド層112に用いる樹脂には、ポリイミドの他に、任意成分として、例えば可塑剤、エポキシ樹脂などの他の硬化樹脂成分、硬化剤、硬化促進剤、無機フィラー、カップリング剤、充填剤、溶剤、難燃剤などを適宜配合することができる。ただし、可塑剤には、極性基を多く含有するものがあり、それが銅配線からの銅の拡散を助長する懸念があるため、可塑剤は極力使用しないことが好ましい。
金属張積層板100において、回路加工後の寸法安定性を確保するため、2つのポリイミド層110と接着性ポリイミド層120の全体の熱膨張係数は、10ppm/K以上がよく、好ましくは10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内、より好ましくは15ppm/K以上25ppm/Kの範囲内にあることがよい。
なお、金属張積層板100において、2つのポリイミド層110と接着性ポリイミド層120の合計厚みT1、接着性ポリイミド層120の厚みT2、及び、合計厚みT1に対する接着性ポリイミド層120の厚みT2の比率(T2/T1)については、図1について説明したとおりである。
[回路基板]
本実施の形態の金属張積層板100は、主にFPC、リジッド・フレックス回路基板などの回路基板材料として有用である。すなわち、本実施の形態の金属張積層板100の2つの金属層101の片方又は両方を、常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPCなどの回路基板を製造できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[誘電率および誘電正接の測定]
ベクトルネットワークアナライザ(Agilent社製、商品名E8363C)ならびにSPDR共振器を用いて、10GHzにおける樹脂シートの誘電率および誘電正接を測定した。なお、測定に使用した材料は、温度;24~26℃、湿度45℃~55%RHの条件下で、24時間放置したものである。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数11Hzで測定を行い、弾性率変化(tanδ)が最大となる温度をガラス転移温度とした。
[寸法変化率の測定]
寸法変化率の測定は、以下の手順で行った。まず、150mm角の試験片を用い、100mm間隔にてドライフィルムレジストを露光、現像することによって、位置測定用ターゲットを形成する。温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中にてエッチング前(常態)の寸法を測定した後に、試験片のターゲット以外の銅をエッチング(液温40℃以下、時間10分以内)により除去する。温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に24±4時間静置後、エッチング後の寸法を測定する。MD方向(長手方向)及びTD方向(幅方向)の各3箇所の常態に対する寸法変化率を算出し、各々の平均値をもってエッチング後の寸法変化率とする。エッチング後寸法変化率は下記数式により算出した。
エッチング後寸法変化率(%)=(B-A)/A×100
A;エッチング前のターゲット間距離
B;エッチング後のターゲット間距離
次に、本試験片を250℃のオーブンで1時間加熱処理し、その後の位置ターゲット間の距離を測定する。MD方向(長手方向)及びTD方向(幅方向)の各3箇所のエッチング後に対する寸法変化率を算出し、各々の平均値をもって加熱処理後の寸法変化率とする。加熱寸法変化率は下記数式により算出した。
加熱寸法変化率(%)=(C―B)/B×100
B;エッチング後のターゲット間距離
C;加熱後のターゲット間距離
本実施例で用いた略号は以下の化合物を示す。
BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BPADA:2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
ビスアニリン-M:1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
BTDA:3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DDA:炭素数36の脂肪族ジアミン(クローダジャパン株式会社製、商品名;PRIAMINE1074、アミン価;205mgKOH/g、環状構造及び鎖状構造のダイマージアミンの混合物、ダイマー成分の含有量;95重量%以上)
BAPP:2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
N-12:ドデカン二酸ジヒドラジド
OP935:有機ホスフィン酸アルミニウム塩(クラリアントジャパン社製、商品名;Exolit OP935)
(合成例1)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
窒素導入管、攪拌機、熱電対、ディーンスタークトラップ、冷却管を付した500mLの4ッ口フラスコに、44.92gのBTDA(0.139モル)、75.08gのDDA(0.141モル)、168gのNMP及び112gのキシレンを装入し、40℃で30分間混合して、ポリアミド酸溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、4時間加熱、攪拌し、留出する水及びキシレンを系外に除去した。その後、100℃まで冷却し、112gのキシレンを加え撹拌し、更に30℃まで冷却することでイミド化を完結したポリイミド溶液1(固形分;29.5重量%、重量平均分子量;75,700)を調製した。
(合成例2)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
42.51gのBPADA(0.082モル)、17.15gのDDA(0.033モル)、20.08gのBAPP(0.049モル)、208gのNMP及び112gのキシレンを原料組成とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミド酸溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を合成例1と同様にして処理し、ポリイミド溶液2(固形分;20.1重量%、重量平均分子量;69,900)を調製した。
(合成例3)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
45.61gのBPADA(0.088モル)、28.03gのDDA(0.052モル)、14.36gのBAPP(0.035モル)、203gのNMP及び109gのキシレンを原料組成とした以外は、合成例1と同様にしてポリアミド酸溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を合成例1と同様にして処理し、ポリイミド溶液3(固形分;22.4重量%、重量平均分子量;71,300)を調製した。
(合成例4)
<絶縁樹脂層用のポリアミド酸溶液の調製>
窒素気流下で、反応槽に、64.20gのm-TB(0.302モル)及び5.48gのビスアニリン-M(0.016モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、34.20gのPMDA(0.157モル)及び46.13gのBPDA(0.157モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液4(粘度;26,500cps)を調製した。
(合成例5)
<絶縁樹脂層用のポリアミド酸溶液の調製>
69.56gのm-TB(0.328モル)、542.75gのTPE-R(1.857モル)、重合後の固形分濃度が12重量%となる量のDMAc、194.39gのPMDA(0.891モル)及び393.31gのBPDA(1.337モル)を原料組成とした以外は、合成例4と同様にしてポリアミド酸溶液5(粘度;2,650cps)を調製した。
(作製例1)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液1の169.49g(固形分として50g)に1.8gのN-12(0.0036モル)及び12.5gのOP935を配合し、6.485gのNMPと19.345gのキシレンを加えて希釈して、ポリイミドワニス1を調製した。
ポリイミドワニス1を乾燥後厚みが50μmとなるように離型基材(縦×横×厚さ=320mm×240mm×25μm)のシリコーン処理面に塗工した後、80℃で15分間加熱乾燥し、離型基材上から剥離することで樹脂シート1を調製した。樹脂シート1のTgは78℃であり、誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)はそれぞれ、2.68、0.0028であった。また、樹脂シート1の貯蔵弾性率の特性は次のとおりである。
貯蔵弾性率の急勾配温度域;40~74℃
貯蔵弾性率(40℃);5.0×10Pa
貯蔵弾性率(74℃);1.1×10Pa
貯蔵弾性率(250℃);3.0×10Pa
(作製例2)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液2を乾燥後厚みが50μmとなるように離型基材(縦×横×厚さ=320mm×240mm×25μm)のシリコーン処理面に塗工した後、80℃で15分間加熱乾燥し、離型基材上から剥離することで樹脂シート2を調製した。樹脂シート2のTgは142℃であり、誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)はそれぞれ、2.80、0.0030であった。また、樹脂シート2の貯蔵弾性率の特性は次のとおりである。
貯蔵弾性率の急勾配温度域;118~150℃
貯蔵弾性率(118℃);1.4×10Pa
貯蔵弾性率(150℃);9.0×10Pa
(作製例3)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液3を使用し、作製例2と同様にして、樹脂シート3を調製した。樹脂シート3のTgは108℃であり、誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)はそれぞれ、2.80、0.0028であった。また、樹脂シート3の貯蔵弾性率の特性は次のとおりである。
貯蔵弾性率の急勾配温度域;88~116℃
貯蔵弾性率(88℃);1.1×10Pa
貯蔵弾性率(116℃);8.3×10Pa
(作製例4)
<片面金属張積層板の調製>
銅箔1(電解銅箔、厚さ;12μm、樹脂層側の表面粗度Rz;0.6μm)の上に、ポリアミド酸溶液5を硬化後の厚みが約2~3μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次にその上にポリアミド酸溶液4を硬化後の厚みが、約21μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液5を硬化後の厚みが約2~3μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、片面金属張積層板1を調製した。片面金属張積層板1の寸法変化率は、次のとおりである。
MD方向(長手方向)のエッチング後寸法変化率;0.01%
TD方向(幅方向)のエッチング後寸法変化率;-0.04%
MD方向(長手方向)の加熱後寸法変化率;-0.03%
TD方向(幅方向)の加熱後寸法変化率;-0.01%
<ポリイミドフィルムの調製>
塩化第二鉄水溶液を用いて片面金属張積層板1の銅箔層をエッチング除去してポリイミドフィルム1(厚み;25μm、CTE;20ppm/K、Dk;3.40、Df;0.0029)を調製した。
[実施例1]
2枚の片面金属張積層板1を準備し、それぞれの絶縁樹脂層側の面を樹脂シート1の両面に重ね合わせ、180℃で2時間、3.5MPaの圧力をかけて圧着して、金属張積層板1を調製した。金属張積層板1の評価結果は、次のとおりである。
MD方向のエッチング後寸法変化率;-0.03%
TD方向のエッチング後寸法変化率;-0.04%
MD方向の加熱後寸法変化率;0.02%
TD方向の加熱後寸法変化率;0.00%
金属張積層板1は反りがなく、寸法変化も問題はなかった。また、金属張積層板1における銅箔層をエッチング除去して調製した樹脂積層体1(厚み;100μm)におけるCTEは23.7ppm/Kであり、Dk及びDfはそれぞれ、2.97、0.0029であった。これらの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
樹脂シート1の代わりに、フッ素樹脂シート(旭硝子社製、商品名;接着パーフロロ樹脂EA-2000、厚み;50μm、Tg;なし)を使用し、320℃で5分間、3.5MPaの圧力をかけて圧着したこと以外、実施例1と同様にして、金属張積層板2を調製した。金属張積層板2及び銅箔除去後の樹脂積層体2の評価結果を表1に示す。評価結果を表1に示す。
(参考例1)
銅箔1、樹脂シート1、ポリイミドフィルム1、樹脂シート1及び銅箔1の順に重ね合わせ、180℃で2時間、3.5MPaの圧力をかけて圧着して、金属張積層板3を調製した。金属張積層板3及び銅箔除去後の樹脂積層体3の評価結果を表1に示す。
(参考例2)
ポリイミドフィルム1を使用しなかったこと以外、参考例1と同様にして、金属張積層板4を調製した。金属張積層板4及び銅箔除去後の樹脂積層体4の評価結果を表1に示す。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
Figure 2024040228000005
実施例1は、比較例1参考例1及び参考例2とそれぞれ比較しても、エッチング後寸法変化率及び加熱後寸法変化率が低いことがわかる。なお、比較例1では、320℃での熱圧着による積層を行ったが、180℃の熱圧着では十分な密着力を得ることはできなかった。また、参考例1及び参考例2は、樹脂シート1の位置構成の検証のために行った。
[実施例2]
樹脂シート2を使用したこと以外、実施例1と同様にして、金属張積層板5を調製した。金属張積層板5は反りがなく、寸法変化も問題はなかった。
[実施例3]
樹脂シート3を使用したこと以外、実施例1と同様にして、金属張積層板6を調製した。金属張積層板6は反りがなく、寸法変化も問題はなかった。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
100…金属張積層板、101…金属層、110…ポリイミド層、111…非熱可塑性ポリイミド層、112…熱可塑性ポリイミド層、120…接着性ポリイミド層、130…片面金属張積層板

Claims (3)

  1. 第1の金属層と、前記第1の金属層の少なくとも片側の面に積層された第1の絶縁樹脂層と、を有する第1の片面金属張積層板と、
    第2の金属層と、前記第2の金属層の少なくとも片側の面に積層された第2の絶縁樹脂層と、を有する第2の片面金属張積層板と、
    前記第1の絶縁樹脂層及び前記第2の絶縁樹脂層に当接するように配置されて、前記第1の片面金属張積層板と前記第2の片面金属張積層板との間に積層された接着層と、
    を備えた金属張積層板の製造方法であって、
    前記接着層となる接着性ポリイミドの溶液を、
    前記第1の片面金属張積層板の前記第1の絶縁樹脂層、又は前記第2の片面金属張積層板の前記第2の絶縁樹脂層のいずれか片方、または両方に、塗布・乾燥して塗布膜を形成した後、前記塗布膜の側を貼り合わせて熱圧着させることを特徴とする金属張積層板の製造方法。
  2. 前記接着性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含有し、前記ジアミン残基の100モル部に対して、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマー酸型ジアミンから誘導されるジアミン残基を20モル部以上含有することを特徴とする請求項1に記載の金属張積層板の製造方法。
  3. 前記第1の絶縁樹脂層及び前記第2の絶縁樹脂層は、共に、熱可塑性ポリイミド層、非熱可塑性ポリイミド層及び熱可塑性ポリイミド層がこの順に積層された多層構造を有し、
    前記接着層は、2つの前記熱可塑性ポリイミド層に接して設けられている請求項1に記載の金属張積層板の製造方法。

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