JP7378908B2 - 多層回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、複数層に積層された導体回路層を有する多層回路基板に関するものである。
近年,電子機器のさらなる高密度化、高機能化の進展に伴い、更なる寸法安定性や優れた高周波特性を有する回路基板材料が求められている。特に、高速信号処理に必要な有機層間絶縁材料の特性には、低誘電率化、低誘電損失化が重要である。高周波化に対応するために、低誘電率、低誘電正接を特徴とした液晶ポリマー(LCP)を誘電体層とした多層配線板が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、液晶ポリマーは、誘電特性に優れているものの、耐熱性や金属層との接着性に改善の余地がある。
ところで、ポリイミドを主成分とする接着層に関する技術として、ダイマー酸などの脂肪族ジアミンから誘導されるジアミン化合物を原料とするポリイミドと、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物と、を反応させて得られる架橋ポリイミド樹脂を、カバーレイフィルムの接着剤層に適用することが提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の架橋ポリイミド樹脂は、環状シロキサン化合物からなる揮発成分を発生させず、優れた半田耐熱性を有し、繰り返し高温にさらされる使用環境でも、配線層とカバーレイフィルムとの接着力を低下させない、という利点を有するものである。しかしながら、特許文献2では、高周波信号伝送への適用可能性については検討されていない。
特開2005-317953号公報 特許第5777944号公報
本発明の目的は、密着性に優れ、誘電率及び誘電正接が小さく、高周波伝送においても伝送損失の低減が可能な接着層を備えた多層回路基板を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、多層回路基板において熱圧着が可能な接着性ポリイミドを使用するとともに、該接着性ポリイミドの原料となるモノマーの種類と量を制御することによって、優れた接着性を維持しつつ、低誘電率化及び低誘電正接化が可能となることを見出し、本発明を完成した。
本発明の多層回路基板は、積層された複数の絶縁樹脂層を含む積層体と、該積層体の内部に埋め込まれた1層以上の導体回路層と、を備えた多層回路基板である。
本発明の多層回路基板は、前記複数の絶縁樹脂層のうちの少なくとも一層以上が、接着性を有するとともに前記導体回路層を被覆する接着層により形成されており、
前記接着層は、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含有する接着性ポリイミドを含み、
前記接着性ポリイミドは、前記ジアミン残基の100モル部に対して、
ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマー酸型ジアミンから誘導されるジアミン残基を40モル部以上含有することを特徴とする。
本発明の多層回路基板において、前記接着性ポリイミドは、前記テトラカルボン酸残基の100モル部に対して、
下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を合計で90モル部以上含有するものであってもよい。
Figure 0007378908000001
[一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示し、一般式(2)中、Yで表される環状部分は、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環から選ばれる環状飽和炭化水素基を形成していることを表す。]
Figure 0007378908000002
[上記式において、Zは-C-、-(CH)n-又は-CH-CH(-O-C(=O)-CH)-CH-を示すが、nは1~20の整数を示す。]
本発明の多層回路基板において、前記接着性ポリイミドは、前記ジアミン残基の100モル部に対して、
前記ダイマー酸型ジアミンから誘導されるジアミン残基を40モル部以上99モル部以下の範囲内で含有してもよく、
下記の一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を1モル部以上40モル部以下の範囲内で含有してもよい。
Figure 0007378908000003
[式(B1)~(B7)において、Rは独立に炭素数1~6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、連結基Aは独立に-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO-、-COO-、-CH-、-C(CH-、-NH-若しくは-CONH-から選ばれる2価の基を示し、nは独立に0~4の整数を示す。ただし、式(B3)中から式(B2)と重複するものは除き、式(B5)中から式(B4)と重複するものは除くものとする。]
本発明の多層回路基板は、特定のテトラカルボン酸残基及びジアミン残基を導入した接着性ポリイミドによって導体回路層を被覆することで、密着性の確保と低誘電率化及び低誘電正接化を可能とした。本発明によれば、良好な層間接続を有し、且つ信頼性の高い多層回路基板が得られる。従って、本発明の多層回路基板により、電子部品の高密度集積化や、高密度実装化を可能とすることができる。また、本発明の多層回路基板は、耐熱性にも優れているため、発熱量の大きな半導体チップを搭載することも可能である。
本発明の第1の実施の形態の多層回路基板の製造工程を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態の多層回路基板の製造工程を示す説明図である。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[多層回路基板]
本実施の形態の多層回路基板は、積層された複数の絶縁樹脂層を含む積層体と、該積層体の内部に埋め込まれた1層以上の導体回路層と、を有している。そして、複数の絶縁樹脂層のうちの少なくとも一層以上が、接着性を有するとともに前記導体回路層を被覆する接着層により形成されている。すなわち、本実施の形態の多層回路基板は、少なくとも2層以上の絶縁樹脂層及び少なくも2層以上の導体回路層を有するものであり、前記導体回路層の少なくとも1層は接着層で被覆される導体回路層である。導体回路層を被覆する接着層は、導体回路層の表面を部分的に被覆するものでもよいし、導体回路層の全表面に亘って被覆するものでもよい。また、本実施の形態の多層回路基板は、任意に多層回路基板の表面に露出する導体回路層を有してもよい。
本明細書において、「導体回路層」とは、絶縁樹脂層の面方向に形成された面内接続電極(ランド電極)を意味し、導体回路層に接する層間接続電極(ビア電極)と区別している。
(導体回路層)
導体回路層は、絶縁樹脂層の片面又は両面に所定のパターンで導体回路が形成されたものである。また、導体回路は、絶縁樹脂層の表面のパターン形成でもよいし、ダマシン(埋め込み)式のパターン形成でもよい。
導体回路層は、導電性の材料から構成されるものであれば特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等の金属が好ましい。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。
導体回路層は、任意の手法で形成できる。例えば、銅を主成分とする金属箔を絶縁樹脂層に熱圧着して金属張積層板を形成した後、金属箔上に感光性レジストを塗布し、露光、現像を行い、所定のマスクパターンを形成し、マスクパターンを介して金属箔のエッチングを行った後、マスクパターンを除去することによって、所定形状の導体回路層を形成することができる。また、絶縁樹脂層にインクジェット、スパッタ、メッキ等によって、所定形状の導体回路層を形成してもよい。
また、導体回路層以外に層間接続電極(ビア電極)を形成してもよい。層間接続電極は、絶縁樹脂層にレーザー加工やドリル加工によりビアホールを形成した後、印刷等により導電性ペーストを充填することにより形成することができる。導電性ペーストは、例えば錫を主成分とする導電性粉末に、有機溶剤やエポキシ樹脂等が混合されたものを用いることができる。また、層間接続電極は、ビアホールを形成した後、ビアホールの内面、及び導体回路層の表面の一部にメッキ部を形成してもよい。
導電回路層の厚みは特に限定されるものではないが、例えば導体回路層の材料として、銅箔を用いる場合、好ましくは35μm以下であり、より好ましくは5~25μmの範囲内がよい。生産安定性及びハンドリング性の観点から、銅箔の厚みの下限値は5μmとすることが好ましい。なお、銅箔を用いる場合は、圧延銅箔でも電解銅箔でもよい。また、銅箔としては、市販されている銅箔を用いることができる。
導体回路層は、高周波伝送における伝送損失を低減する観点から、絶縁樹脂層と接する面の最大高さ粗さ(Rz)が1.0μm以下であることが好ましい。伝送損失は、導体損失と誘電損失の和からなるが、導体回路層のRzが大きいと導体損失が大きくなる。すなわち伝送損失に悪影響を及ぼすため、Rzを制御する必要がある。
(接着層)
接着層は、少なくとも1層の導体回路層を被覆するが、好ましくは接着層で被覆される導体回路層における接着層の被覆割合(面積)が50%を超えるようにする。さらに、絶縁樹脂層を積層した積層体の内部に埋め込まれた全ての導体回路層に対して、接着層の被覆割合(面積)が好ましくは25%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは50%を超えるように被覆することがよい。このような範囲とすることで、多層回路基板の密着性の確保と低誘電率化及び低誘電正接化を図りやすい。
接着層を構成する接着性ポリイミドは、特定の酸無水物とジアミン化合物とを反応させて得られる前駆体のポリアミド酸をイミド化して製造されるので、酸無水物とジアミン化合物を説明することにより、接着性ポリイミドの具体例が理解される。なお、本発明において、テトラカルボン酸残基とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを意味し、ジアミン残基とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを意味する。また、接着層の上に必要に応じて、保護層としてカバーレイフィルム又はソルダーレジストが設けられてもよい。
(テトラカルボン酸残基)
接着性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基の100モル部に対して、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、「テトラカルボン酸残基(1)」、「テトラカルボン酸残基(2)」と記すことがある)を、合計で90モル部以上含有することが好ましい。本発明では、テトラカルボン酸残基(1)及び/又は(2)を、テトラカルボン酸残基の100モル部に対して合計で90モル部以上含有させることによって、接着性ポリイミドに溶剤可溶性を付与するとともに、接着性ポリイミドの柔軟性と耐熱性の両立が図りやすくより好ましい。テトラカルボン酸残基(1)及び/又は(2)の合計が90モル部未満では、接着性ポリイミドの溶剤溶解性が低下する傾向になる。
Figure 0007378908000004
一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示し、一般式(2)中、Yで表される環状部分は、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環から選ばれる環状飽和炭化水素基を形成していることを示す。
Figure 0007378908000005
上記式において、Zは-C-、-(CH)n-又は-CH-CH(-O-C(=O)-CH)-CH-を示すが、nは1~20の整数を示す。
テトラカルボン酸残基(1)を誘導するためのテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物(BPADA)、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(TAHQ)、エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート(TMEG)などを挙げることができる。
また、テトラカルボン酸残基(2)を誘導するためのテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、 1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-シクロオクタンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
接着性ポリイミドは、発明の効果を損なわない範囲で、上記一般式(1)又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物以外の酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を含有することができる。
(ジアミン残基)
接着性ポリイミドは、ジアミン残基の100モル部に対して、ダイマー酸型ジアミンから誘導されるダイマー酸型ジアミン残基を40モル部以上、例えば40モル部以上99モル部以下の範囲内、好ましくは50モル部以上、例えば50モル部以上99モル部以下の範囲内、より好ましくは80モル部以上、例えば80モル部以上99モル部以下の範囲内で含有する。ダイマー酸型ジアミン残基を上記の量で含有することによって、接着層の誘電特性を改善させるとともに、接着層のガラス転移温度の低温化による熱圧着特性の改善及び低弾性率化による内部応力を緩和することができる。また、ダイマー酸型ジアミン残基を40モル部以上とすることで、溶剤可溶性と熱可塑性を付与し、ダイマー酸型ジアミン残基を50モル部以上とすることで、接着層の吸水性を低下させ、例えばエッチングによる寸法変化を小さくすることができる。ジアミン残基の100モル部に対して、ダイマー酸型ジアミン残基が40モル部未満であると、接着性ポリイミドとしての溶剤可溶性が低下する。
ここで、ダイマー酸型ジアミンとは、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基(-COOH)が、1級のアミノメチル基(-CH-NH)又はアミノ基(-NH)に置換されてなるジアミンを意味する。ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、その工業的製造プロセスは業界でほぼ標準化されており、炭素数が11~22の不飽和脂肪酸を粘土触媒等にて二量化して得られる。工業的に得られるダイマー酸は、オレイン酸やリノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られる炭素数36の二塩基酸が主成分であるが、精製の度合いに応じ、任意量のモノマー酸(炭素数18)、トリマー酸(炭素数54)、炭素数20~54の他の重合脂肪酸を含有する。本発明では、ダイマー酸は分子蒸留によってダイマー酸含有量を90重量%以上にまで高めたものを使用することが好ましい。また、ダイマー化反応後には二重結合が残存するが、本発明では、更に水素添加反応して不飽和度を低下させたものもダイマー酸に含めるものとする。
ダイマー酸型ジアミンの特徴として、ダイマー酸の骨格に由来する特性をポリイミドに付与することができる。すなわち、ダイマー酸型ジアミンは、分子量約560~620の巨大分子の脂肪族であるので、分子のモル体積を大きくし、ポリイミドの極性基を相対的に減らすことができる。このようなダイマー酸型ジアミンの特徴は、ポリイミドの耐熱性の低下を抑制しつつ、誘電率と誘電正接を小さくして誘電特性を向上させることに寄与すると考えられる。また、2つの自由に動く炭素数7~9の疎水鎖と、炭素数18に近い長さを持つ2つの鎖状の脂肪族アミノ基とを有するので、ポリイミドに柔軟性を与えるのみならず、ポリイミドを非対象的な化学構造や非平面的な化学構造とすることができるので、ポリイミドの低誘電率化及び低誘電正接化を図ることができると考えられる。
ダイマー酸型ジアミンは、市販品が入手可能であり、例えばクローダジャパン社製のPRIAMINE1073(商品名)、同PRIAMINE1074(商品名)、同PRIAMINE1075(商品名)、BASFジャパン社製のバーサミン551(商品名)、同バーサミン552(商品名)等が挙げられる。
また、接着性ポリイミドは、下記の一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を、全ジアミン成分100モル部に対して、合計で1モル部以上40モル部以下の範囲内で含有することが好ましく、1モル部以上20モル部以下の範囲内で含有することがより好ましい。一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物は、屈曲性を有する分子構造を持つため、これらから選ばれる少なくとも一種のジアミン化合物を上記範囲内の量で使用することによって、ポリイミド分子鎖の柔軟性を向上させ、溶剤可溶性と熱可塑性を付与することができる。また、一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物を用いることによって、例えば接着層にレーザー加工によりビアホール(貫通孔)を形成する場合でも、ポリイミド分子構造中の芳香環の割合が高くなることで、例えば紫外線領域の吸収性を高めることができる他、接着層のガラス転移温度を高めることができ、これによってレーザー光の入熱によるボトム金属の温度上昇に対する耐熱性を向上させることができるため、レーザー加工性をより向上させることができる。下記の一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物の合計量が全ジアミン成分の100モル部に対して40モル部を超えると、接着性ポリイミドの柔軟性が不足し、またガラス転移温度が上昇するため、熱圧着による残留応力が増加しエッチング後寸法変化率が悪化する傾向になる。
Figure 0007378908000006
式(B1)~(B7)において、Rは独立に炭素数1~6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、連結基Aは独立に-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO-、-COO-、-CH-、-C(CH-、-NH-若しくは-CONH-から選ばれる2価の基を示し、nは独立に0~4の整数を示す。ただし、式(B3)中から式(B2)と重複するものは除き、式(B5)中から式(B4)と重複するものは除くものとする。
なお、「独立に」とは、上記式(B1)~(B7)の内の一つにおいて、または二つ以上において、複数の連結基A、複数のR若しくは複数のnが、同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。また、式(B1)~(B7)において、末端の二つのアミノ基における水素原子は置換されていてもよく、例えば-NR(ここで、R,Rは、独立してアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。
式(B1)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B1)」と記すことがある)は、2つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B1)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Aとがメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B1)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-、-CH-、-C(CH-、-CO-、-SO-、-S-、-COO-が好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン等を挙げることができる。
式(B2)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B2)」と記すことがある)は、3つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B2)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Aとがメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B2)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B2)としては、例えば1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン等を挙げることができる。
式(B3)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B3)」と記すことがある)は、3つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B3)は、1つのベンゼン環に直結した、2つの2価の連結基Aが互いにメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B3)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B3)としては、例えば1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、4,4'-[2-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[4-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[5-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン等を挙げることができる。
式(B4)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B4)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B4)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Aとがメタ位にあることで高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B4)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-、-CH-、-C(CH-、-SO-、-CO-、-CONH-が好ましい。
ジアミン(B4)としては、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド等を挙げることができる。
式(B5)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B5)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B5)は、少なくとも1つのベンゼン環に直結した、2つの2価の連結基Aが互いにメタ位にあることで、ポリイミド分子鎖が有する自由度が増加して高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B5)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B5)としては、4-[3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]アニリン、4,4’-[オキシビス(3,1-フェニレンオキシ)]ビスアニリン等を挙げることができる。
式(B6)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B6)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B6)は、少なくとも2つのエーテル結合を有することで高い屈曲性を有しており、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B6)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-C(CH-、-O-、-SO-、-CO-が好ましい。
ジアミン(B6)としては、例えば、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン(BAPK)等を挙げることができる。
式(B7)で表されるジアミン(以下、「ジアミン(B7)」と記すことがある)は、4つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミン(B7)は、ジフェニル骨格の両側に、それぞれ屈曲性の高い2価の連結基Aを有するため、ポリイミド分子鎖の柔軟性の向上に寄与すると考えられる。従って、ジアミン(B7)を用いることで、ポリイミドの熱可塑性が高まる。ここで、連結基Aとしては、-O-が好ましい。
ジアミン(B7)としては、例えば、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル等を挙げることができる。
接着性ポリイミドは、発明の効果を損なわない範囲で、上記ダイマー酸型ジアミン及びジアミン(B1)~(B7)以外のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を含むことができる。
また、接着性ポリイミドは、上記テトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類や、2種以上のテトラカルボン酸残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、引張弾性率、ガラス転移温度等を制御することができる。また、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、ランダムに存在することが好ましい。
接着性ポリイミドのイミド基濃度は、20重量%以下であることが好ましい。ここで、「イミド基濃度」は、ポリイミド中のイミド基部(-(CO)-N-)の分子量を、ポリイミドの構造全体の分子量で除した値を意味する。イミド基濃度が20重量%を超えると、樹脂自体の分子量が小さくなるとともに、極性基の増加によって低吸湿性も悪化し、弾性率が上昇する。
接着性ポリイミドの重量平均分子量は、例えば10,000~400,000の範囲内が好ましく、20,000~350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、接着層の強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際に接着層の厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
接着性ポリイミドは、導体回路層を被覆するものであることから、銅の拡散を抑制するために完全にイミド化された構造が最も好ましい。但し、ポリイミドの一部がアミド酸となっていてもよい。そのイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、1回反射ATR法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1015cm-1付近のベンゼン環吸収体を基準とし、1780cm-1のイミド基に由来するC=O伸縮の吸光度から算出することができる。
(架橋形成)
接着性ポリイミドがケトン基を有する場合に、該ケトン基と、少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物のアミノ基を反応させてC=N結合を形成させることによって、架橋構造を形成することができる。架橋構造の形成によって、接着性ポリイミドの耐熱性を向上させることができる。ケトン基を有するポリイミドを形成するために好ましいテトラカルボン酸無水物としては、例えば3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を、ジアミン化合物としては、例えば、4,4’―ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゾフェノン(BABP)、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン(BABB)等の芳香族ジアミンを挙げることができる。
接着性ポリイミドの架橋形成に使用可能なアミノ化合物としては、ジヒドラジド化合物、芳香族ジアミン、脂肪族アミン等を例示することができる。これらの中でも、ジヒドラジド化合物が好ましい。ジヒドラジド化合物以外の脂肪族アミンは、室温でも架橋構造を形成しやすく、ワニスの保存安定性の懸念があり、一方、芳香族ジアミンは、架橋構造の形成のために高温にする必要がある。このように、ジヒドラジド化合物を使用した場合は、ワニスの保存安定性と硬化時間の短縮化を両立させることができる。ジヒドラジド化合物としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ二酸ジヒドラジド、4,4-ビスベンゼンジヒドラジド、1,4-ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6-ピリジン二酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物が好ましい。以上のジヒドラジド化合物は、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
(接着層の製造)
接着性ポリイミドは、上記のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0~100℃の範囲内の温度で30分~24時間撹拌し重合反応させることで接着性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5~50重量%の範囲内、好ましくは10~40重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、2-ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5~50重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cps~100,000cpsの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。
ポリアミド酸をイミド化させてポリイミドを形成させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80~400℃の範囲内の温度条件で1~24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
以上のようにして得られた接着性ポリイミドを架橋形成させる場合は、ケトン基を有するポリイミドを含む樹脂溶液に、上記アミノ化合物を加えて、接着性ポリイミド中のケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基とを縮合反応させる。この縮合反応により、樹脂溶液は硬化して硬化物となる。この場合、アミノ化合物の添加量は、ケトン基1モルに対し、第1級アミノ基が合計で0.004モル~1.5モルがよく、好ましくは0.005モル~1.2モル、より好ましくは0.03モル~0.9モル、最も好ましくは0.04モル~0.5モルとなるようにアミノ化合物を添加することができる。ケトン基1モルに対して第1級アミノ基が合計で0.004モル未満となるようなアミノ化合物の添加量では、アミノ化合物によるポリイミド鎖の架橋が十分ではないため、硬化させた後の接着層において耐熱性が発現しにくい傾向となり、アミノ化合物の添加量が1.5モルを超えると未反応のアミノ化合物が熱可塑剤として作用し、接着層の耐熱性を低下させる傾向がある。
架橋形成のための縮合反応の条件は、接着性ポリイミドにおけるケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基が反応してイミン結合(C=N結合)を形成する条件であれば、特に制限されない。加熱縮合の温度は、縮合によって生成する水を系外へ放出させるため、又は接着性ポリイミドの合成後に引き続いて加熱縮合反応を行なう場合に当該縮合工程を簡略化するため等の理由で、例えば120~220℃の範囲内が好ましく、140~200℃の範囲内がより好ましい。反応時間は、30分~24時間程度が好ましく、反応の終点は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1670cm-1付近のポリイミド樹脂におけるケトン基に由来する吸収ピークの減少又は消失、及び1635cm-1付近のイミン基に由来する吸収ピークの出現により確認することができる。
接着性ポリイミドのケトン基とアミノ化合物の第1級のアミノ基との加熱縮合は、例えば、(a)接着性ポリイミドの合成(イミド化)に引き続き、アミノ化合物を添加して加熱する方法、(b)ジアミン成分として予め過剰量のアミノ化合物を仕込んでおき、接着性ポリイミドの合成(イミド化)に引き続き、イミド化若しくはアミド化に関与しない残りのアミノ化合物とともに接着性ポリイミドを加熱する方法、又は、(c)アミノ化合物を添加した接着性ポリイミドの組成物を所定の形状に加工した後(例えば任意の基材に塗布した後やフィルム状に形成した後)に加熱する方法、等によって行うことができる。
接着層の耐熱性付与のため、架橋構造の形成でイミン結合の形成を説明したが、これに限定されるものではなく、接着層の硬化方法として、例えばエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤等を配合し硬化することも可能である。
また、接着性ポリイミドは、溶剤可溶性であるので、接着層を積層する場合は、接着性ポリイミドの塗布液を塗布、乾燥して積層してもよく、また、フィルム状の接着性ポリイミド(以下「接着フィルム」という。)として積層してもよい。
接着フィルムは、上述の接着性ポリイミドをフィルム状に形成してなるものである。フィルム状の接着性ポリイミドは、銅箔、ガラス板、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルムなどの任意の基材に積層された状態であってもよい。
接着フィルムの製造方法の態様として、例えば、[1]支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥し、熱処理してイミド化した後、支持基材から剥がして接着フィルムを製造する方法、[2]支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥した後、ポリアミド酸のゲルフィルムを支持基材から剥がし、熱処理してイミド化して接着フィルムを製造する方法、[3]支持基材に、接着性ポリイミドの溶液を塗布・乾燥した後、支持基材から剥がして接着フィルムを製造する方法、を挙げることができる。なお、接着フィルムを構成する接着性ポリイミドについて、上記方法で架橋形成をさせてもよい。
接着性ポリイミド溶液(又はポリアミド酸溶液)を支持基材上に塗布する方法としては特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。製造される接着フィルムは、ポリアミド酸溶液中でイミド化を完結させた接着性ポリイミド溶液を支持基材上に塗布・乾燥することによって形成することが好ましい。接着性ポリイミドは溶剤可溶性であるので、ポリアミド酸を溶液の状態でイミド化し、接着性ポリイミドの塗布液としてそのまま使用できるので有利である。
なお、接着フィルムは、任意の基材上に溶液の状態(例えば、溶剤を含有するワニス状)で塗布し、例えば80~180℃の温度で乾燥した後、剥離することにより得られる。この場合、任意の基材をカバーレイフィルム又はソルダーレジストとし、接着層の保護層とすることもできる。
(接着層の厚み)
接着層の厚みは、例えば5~125μmの範囲内にあることが好ましく、10~50μmの範囲内がより好ましい。接着層の厚みが上記下限値に満たないと、十分な電気絶縁性が担保出来ないなどの問題が生じることがある。一方、接着層の厚みが上記上限値を超えると、寸法安定性が低下するなどの不具合が生じる。
(接着層のCTE)
接着性ポリイミドは、高熱膨張性であり、CTEが、好ましくは35ppm/K以上、より好ましくは35ppm/K以上200ppm/K以下の範囲内、更に好ましくは35ppm/K以上150ppm/K以下の範囲内である。使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望のCTEを有する接着層とすることができる。
(接着層の誘電正接)
接着層は、誘電損失の悪化を抑制するために、10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、好ましくは0.004以下、より好ましくは0.001以上0.004以下の範囲内、更に好ましくは0.002以上0.003以下の範囲内がよい。接着層の10GHzにおける誘電正接が0.004を超えると、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。一方、接着層の10GHzにおける誘電正接の下限値は特に制限されない。
(接着層の誘電率)
接着層は、インピーダンス整合性を確保するために、10GHzにおける誘電率が4.0以下であることが好ましい。接着層の10GHzにおける誘電率が4.0を超えると、接着層の誘電損失の悪化に繋がり、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
(フィラー)
接着層は、必要に応じて、フィラーを含有してもよい。フィラーとしては、例えば、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、有機ホスフィン酸の金属塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
<第1の実施形態>
本実施の形態の多層回路基板において、絶縁樹脂層の少なくとも片面に導体回路層が形成された回路基板を2枚準備し、この2枚の回路基板を積層して多層回路基板とする例を挙げて説明する。なお、本実施の形態は、2枚の回路基板を積層する場合を例に挙げるが、3枚以上の回路基板を積層した多層回路基板にも適用できる。
図1は、本実施の形態に係る多層回路基板の製造工程図である。まず、導体回路層が形成された回路基板(「第1の回路基板」と記す)が2枚準備される。ここでは、図1(a)に示すように、絶縁樹脂層(以下「絶縁性基材層」という。)10の片面に導体回路層20が形成されている第1の回路基板1Aを使用する場合を例示するが、絶縁性基材層10の両面にそれぞれ導体回路層20が形成されているものでもよい。
第1の回路基板1Aを構成する絶縁性基材層10としては、電気的絶縁性を有する樹脂により構成されるものであれば特に限定はなく、例えばポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ETFE、BTレジンなどを挙げることができるが、ポリイミドによって構成されることが好ましく、絶縁性基材層10を構成するポリイミド層は、単層でも複数層でもよい。
絶縁性基材層10は、市販のポリイミドフィルム、市販の液晶ポリマーフィルム又は市販の金属張積層板に絶縁性基材として用いられる樹脂の中から選択して用いることができる。ポリイミドフィルムとしては、宇部興産社製のユーピレックス(商品名)、東レ・デュポン社製のカプトン(商品名)、カネカ社製のアピカル(商品名)、同ピクシオ(商品名)、液晶ポリマーフィルムとしてはクラレ社製のベクスター(商品名)、プライマテック社製のBIAC Film(商品名)などを用いることができる。また、銅張積層板としては、パナソニック社製のR-F705T(商品名)、新日鉄住金化学社製のエスパネックス(商品名)などを用いることができる。
絶縁性基材層10の厚みは、例えば3~125μmの範囲内にあることが好ましく、5~50μmの範囲内がより好ましい。絶縁性基材層10の厚みが上記下限値に満たないと、十分な電気絶縁性が担保出来ないなどの問題が生じることがある。一方、絶縁性基材層10の厚みが上記上限値を超えると、第1の回路基板1Aの反りが生じやすくなるなどの不具合が生じる。
第1の回路基板1Aにおいて、反りの発生や寸法安定性の低下を防止するために、絶縁性基材層10として、熱膨張係数(CTE)が10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内であることが好ましい。
絶縁性基材層10は、誘電損失の悪化を抑制するために、10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、好ましくは0.02以下、より好ましくは0.0005以上0.01以下の範囲内、更に好ましくは0.001以上0.008以下の範囲内がよい。絶縁性基材層10の10GHzにおける誘電正接が0.02を超えると、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
絶縁性基材層10は、インピーダンス整合性を確保するために、10GHzにおける誘電率が4.0以下であることが好ましい。絶縁性基材層10の10GHzにおける誘電率が4.0を超えると、絶縁性基材層10の誘電損失の悪化に繋がり、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
絶縁性基材層10は、必要に応じて、フィラーを含有してもよい。フィラーとしては、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、有機ホスフィン酸の金属塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
第1の回路基板1Aを構成する導体回路層20は、上述の導体回路層と同様に形成してなるものである。
(接着層形成工程)
次に、図1(b),(c)に示すように、第1の回路基板1Aにおける導体回路層20を覆うように接着層30を積層形成して第2の回路基板2Aを形成する接着層形成工程が行われる。なお、第1の回路基板1Aが、絶縁性基材層10の両面にそれぞれ導体回路層20が形成されている両面回路基板である場合は、両面にそれぞれ接着層30を積層してもよい。
接着層形成工程は、上記第1の回路基板1Aの片面又は両面における絶縁性基材層10の露出面と導体回路層20の表面に接着層30を積層することにより行われる。例えば、接着層形成工程は、60~100℃の低温で、上記導体回路層20の表面及び上記絶縁性基材層10の露出面を覆うように、上記接着層30を片面又は両面に貼り合わせることにより行うことができる。
上記接着層形成工程では、形成される第2の回路基板2Aにおける接着層30の表面を平坦状に形成することが好ましい。接着層30の表面を平坦状に形成することにより、後述する積層工程における接着性が向上する。また、形成された接着層30の厚みを均一に形成することが好ましい。
(積層工程)
次に、図1(d),(e)に示すように、上記接着層30を片面又は両面に設けた複数の第2の回路基板2Aどうし、又は第2の回路基板2Aと他の回路基板(上記第1の回路基板1Aでもよい)を積層して多層回路基板100を得る積層工程が行われる。図1(d),(e)では、第2の回路基板2Aにおける接着層30どうしを対接するように積層する態様を示しているが、第2の回路基板2Aの接着層面と、他の第2の回路基板2Aの絶縁性基材層10側の面が対接するように積層してもよい。なお、本実施の形態では、2枚の回路基板を積層する例を示したが、3枚以上の回路基板を一度に積層する積層工程を行うこともできる。
上記接着層形成工程において、接着層30の表面が平坦化されているため、積層工程で接着層30に気泡等を生じることなく、積層することが可能となる。
(厚み調整工程)
必要に応じて、上記積層工程で得られた多層回路基板100を、図1(e),(f)に示すように、両側から加圧ローラやプレス装置等によって加圧することにより、上記接着層30の厚みを調整する厚み調整工程を行うこともできる。厚み調整工程により、厚みの精度を向上させることができる。
(加熱工程)
厚み調整工程において、上記絶縁性基材層10及び上記導体回路層20間における接着層30の厚みを調整した後、例えば60~220℃の温度で加熱する加熱工程を行う。これにより、図1(g)に示すように、複数の回路基板が一体的に積層された多層回路基板101が製造される。この際、接着層30は、例えば接着性ポリイミドの加熱縮合によるイミン結合の架橋構造を形成させることもできる。
本実施の形態の多層回路基板101は、導体回路層20及び絶縁性基材層10の間に、絶縁性、柔軟性及び低誘電特性を確保できる厚みの接着層30を設けた構成を備えている。なお、必要に応じて接着層30の対接する面の間に、保護層としてカバーレイフィルム若しくはソルダーレジストを設けてもよい。また、本実施の形態の多層回路基板101の内部には、例えばICチップやチップコンデンサ、チップコイル、チップ抵抗等のチップ型の電子部品を内蔵することもできる。なお、図1では、これらの電子部品や、ビア電極などは図示を省略している。
<第2の実施形態>
図2は、本実施の形態に係る多層回路基板の製造工程図である。本実施の形態の多層回路基板は、絶縁樹脂層が全て接着性ポリイミドによって構成されるものである。
すなわち、本実施の形態では、前述の第1の実施形態における第1の回路基板1Aを構成する絶縁性基材層10が、接着性ポリイミドからなる単層又は複数層の接着層によって構成される絶縁性基材層11に置換される。ここでは、絶縁性基材層11が単層である場合を例に挙げて説明する。
まず、図2(a)に示すように、接着性ポリイミドで構成される絶縁性基材層11の片面又は両面に所定パターンの導体回路層20を形成して第1の回路基板1Bを調製する。次に、図2(b)に示すように、得られた複数の第1の回路基板1Bを同じ向きに重ねて配置し、積層する。なお、必要に応じて第1の回路基板1Bの間に接着層を配置してもよいし、導体回路層20を覆うように保護層としてカバーレイフィルム若しくはソルダーレジストを設けてもよい。そして、図2(b),(c)に示すように、積層方向から圧力を加え、必要により真空引きした状態で、各絶縁性基材層11を構成する接着性ポリイミドが軟化流動する温度で加熱して、一括で熱圧着する。この熱圧着により、絶縁性基材層11の少なくとも表面が一体化し、軟化した接着性ポリイミドが導体回路層20を包み込むように変形する。導体回路層20を覆う接着性ポリイミドは、イミン架橋により硬化した接着性ポリイミドとしてもよい。このようにして、図2(c)に示すように、複数の絶縁樹脂層が積層し、導体回路層20が接着性ポリイミドによる絶縁樹脂層で覆われた多層回路基板102が得られる。また、本実施の形態の多層回路基板102の内部には、例えばICチップやチップコンデンサ、チップコイル、チップ抵抗等のチップ型の電子部品を内蔵することもできる。なお、図2では、これらの電子部品や、ビア電極などは図示を省略している。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から300℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱膨張係数)を求めた。
[銅箔の表面粗度の測定]
銅箔の表面粗度は、AFM(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名:Dimension Icon型SPM)、プローブ(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名:TESPA(NCHV)、先端曲率半径10nm、ばね定数42N/m)を用いて、タッピングモードで、銅箔表面の80μm×80μmの範囲について測定し、十点平均粗さ(Rzjis)を求めた。
[反りの評価方法]
反りの評価は、以下の方法で行った。10cm×10cmのフィルムを置き、フィルムの4隅の反り上がっている高さの平均を測定し、10mm以下を「良」、10mmを超える場合を「不可」とした。
[誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)の測定]
誘電率及び誘電正接は、空洞共振器摂動法誘電率評価装置(Agilent社製、商品名;ベクトルネットワークアナライザE8363C)及びスプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)を用いて、周波数10GHzにおける樹脂シート(又は絶縁樹脂層に樹脂シートが積層した絶縁層)の誘電率および誘電正接を測定した。なお、測定に使用した樹脂シート(又は絶縁樹脂層に樹脂シートが積層した絶縁層)は、温度;24~26℃、湿度;45~55%の条件下で、24時間放置したものである。
[レーザー加工性の評価方法]
レーザー加工性の評価は、以下の方法で行った。UV-YAG、第3高調波355nmのレーザー光を周波数60kHz、1.0Wの強度で、サンプルの多層回路基板の積層方向に照射して有底ビア加工し、接着層に抉れ、アンダーカットが発生しないものを「良好」、接着層に抉れ、アンダーカットが発生したものを「不可」と評価した。
[リフロー耐熱の測定]
リフロー耐熱は、以下の方法で行った。サンプルの多層回路基板を40℃、湿度90%、96時間で吸湿後、120℃、2時間加熱前処理したものを、150℃から180℃に105秒、220℃以上に65秒、245℃に7秒の熱がかかるプロファイルで試験を行った。サンプルの層間に膨れが発生しないものや層の剥がれが発生しないものを「良好」、サンプルの層間に膨れの発生や層の剥がれが発生したものを「不可」と評価した。
本実施例で用いた略号は以下の化合物を示す。
BTDA:3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
APB:1,3-ビス(3‐アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPP:2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DDA:炭素数36の脂肪族ジアミン(クローダジャパン株式会社製、商品名;PRIAMINE1074、アミン価;210mgKOH/g、環状構造及び鎖状構造のダイマージアミンの混合物、ダイマー成分の含有量;95重量%以上)
ODPA:4,4’-オキシジフタル酸無水物(別名;5,5’-オキシビス-1,3-イソベンゾフランジオン)
N-12:ドデカン二酸ジヒドラジド
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
(合成例1)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
1000mlのセパラブルフラスコに、56.18gのBTDA(0.174モル)、93.82gのDDA(0.176モル)、210gのNMP及び140gのキシレンを装入し、40℃で1時間良く混合して、ポリアミド酸溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、4時間加熱、攪拌し、140gのキシレンを加えてイミド化を完結したポリイミド溶液1(固形分;30重量%、粘度;5,100cps、重量平均分子量;66,100)を調製した。
(合成例2~6)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
表1に示す原料組成とした他は、合成例1と同様にしてポリイミド溶液2~6を調製した。
Figure 0007378908000007
(合成例7)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
合成例1で調製したポリイミド溶液1の100g(固形分として30g)に1.1gのN-12(0.004モル)を配合し、0.1gのNMP及び10gのキシレンを加えて希釈し、更に1時間攪拌することでポリイミド溶液7を調製した。
(合成例8)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
ポリイミド溶液2を用いた他は、合成例7と同様にしてポリイミド溶液8を調製した。
(合成例9)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
ポリイミド溶液3を用いた他は、合成例7と同様にしてポリイミド溶液9を調製した。
(合成例10)
<接着層用の樹脂溶液の調製>
ポリイミド溶液4を用いた他は、合成例7と同様にしてポリイミド溶液10を調製した。
(作製例1)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液7を離型処理されたPETフィルムの片面に塗布し、80℃で15分間乾燥を行った後、剥離することによって、樹脂シート1a(厚さ;25μm)を調製した。樹脂シート1aの誘電率及び誘電正接はそれぞれ、2.4及び0.0020であった。
(作製例2)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液8を使用した以外は、作製例1と同様にして、樹脂シート2aを調製した。樹脂シート2aの誘電率及び誘電正接はそれぞれ、2.69及び0.0023であった。
(作製例3)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液9を使用した以外は、作製例1と同様にして、樹脂シート3aを調製した。樹脂シート3aの誘電率及び誘電正接はそれぞれ、2.50及び0.0022であった。
(作製例4)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液10を使用した以外は、作製例1と同様にして、樹脂シート4aを調製した。樹脂シート4aの誘電率及び誘電正接はそれぞれ、2.61及び0.0025であった。
(作製例5)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液5を使用した以外は、作製例1と同様にして、樹脂シート5aを調製した。樹脂シート5aの誘電率及び誘電正接はそれぞれ、3.11及び0.0050であった。
(作製例6)
<接着層用の樹脂シートの調製>
ポリイミド溶液6を使用した以外は、作製例1と同様にして、樹脂シート6aを調製した。樹脂シート6aの誘電率及び誘電正接はそれぞれ、2.90及び0.0039であった。
(作製例7)
<カバーレイの調製>
ポリイミド溶液7をポリイミドフィルム(東レデュポン社製、商品名;カプトンEN―S、厚さ;25μm、CTE;16ppm/K、Dk;3.79、Df;0.0126)の片面に塗布し、80℃で15分間乾燥を行い、カバーレイ7b(接着層の厚さ;25μm)を調製した。
(作製例8)
<カバーレイの調製>
ポリイミド溶液8を用いた他は、作製例7と同様にしてカバーレイ8bを調製した。
(作製例9)
<カバーレイの調製>
ポリイミド溶液9を用いた他は、作製例7と同様にしてカバーレイ9bを調製した。
(作製例10)
<カバーレイの調製>
ポリイミド溶液10を用いた他は、作製例7と同様にしてカバーレイ10bを調製した。
[実施例1]
両面金属張積層板1(新日鉄住金化学社製、商品名;エスパネックス、銅箔の厚み;12μm、絶縁性基材層の厚み;25μm)の片面の銅箔層をエッチングによって回路を形成し、もう一方の面の銅箔層をエッチングによって完全に除去した回路基板を調製した。この回路基板を2枚準備し、それぞれを回路基板S1及び回路基板S2とした。回路基板S1の導体回路層側の面と、回路基板S2の絶縁性基材層側の面との間に樹脂シート1a(厚さ;25μm、Dk;2.40、Df;0.0020)を挟み、重ね合わせた状態で、温度;170℃、圧力;0.85MPa、時間;1分間の条件で真空ラミネートし、その後オーブンにて温度;160℃、時間;1時間の条件で加熱し、多層回路基板1を調製した。多層回路基板1の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例2]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート2a(厚さ;25μm、Dk;2.69、Df;0.0023)を使用したこと以外、実施例1と同様にして、多層回路基板2を調製した。多層回路基板2の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例3]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート3a(厚さ;25μm、Dk;2.50、Df;0.0022)を使用したこと以外、実施例1と同様にして、多層回路基板3を調製した。多層回路基板3の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例4]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート4a(厚さ;25μm、Dk;2.61、Df;0.0025)を使用したこと以外、実施例1と同様にして、多層回路基板4を調製した。多層回路基板4の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例5]
実施例1と同様にして、回路基板S1及び回路基板S2を準備した。回路基板S1の導体回路層側の面と、回路基板S2の導体回路層側の面との間に2枚の樹脂シート1aを挟み、重ね合わせた状態とした以外、実施例1と同様にして、多層回路基板5を調製した。多層回路基板5の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例6]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート2aを使用したこと以外、実施例5と同様にして、多層回路基板6を調製した。多層回路基板6の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例7]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート3aを使用したこと以外、実施例5と同様にして、多層回路基板7を調製した。多層回路基板7の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例8]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート4aを使用したこと以外、実施例5と同様にして、多層回路基板8を調製した。多層回路基板8の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例9]
実施例1と同様にして、回路基板S1及び回路基板S2を準備した。回路基板S1及び回路基板S2のそれぞれの導体回路層側の面に、2枚のカバーレイ7bの接着層面をそれぞれ重ね合わせて積層し、カバーレイが積層した回路基板S1’及び回路基板S2’を調製した。回路基板S1’のカバーレイ側の面と、回路基板S2’のカバーレイ側の面との間に樹脂シート1aを挟み、重ね合わせた状態で、温度;170℃、圧力;0.85MPa、時間;1分間の条件で真空ラミネートし、その後オーブンにて温度;160℃、時間;1時間の条件で加熱し、多層回路基板9を調製した。多層回路基板9の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例10]
カバーレイ7bに代えてカバーレイ8bを使用し、樹脂シート1aに代えて樹脂シート2aを使用したこと以外、実施例9と同様にして、多層回路基板10を調製した。多層回路基板10の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例11]
カバーレイ7bに代えてカバーレイ9bを使用し、樹脂シート1aに代えて樹脂シート3aを使用したこと以外、実施例9と同様にして、多層回路基板11を調製した。多層回路基板11の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例12]
カバーレイ7bに代えてカバーレイ10bを使用し、樹脂シート1aに代えて樹脂シート4aを使用したこと以外、実施例9と同様にして、多層回路基板12を調製した。多層回路基板12の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例13]
樹脂シート1aの一方の表面に、乾式めっきとしてのスパッタリング装置を用いて、Crを含むN-Cr合金からなる厚み25nmの下地金属層と、その下地金属層の表面に厚み0.3μmの銅層を成膜して、銅張積層板を調製した。この銅張積層板を用い、セミアディティブ法により導体回路層を形成して、回路基板を調製した。この回路基板を2枚準備し、それぞれを回路基板SA1及び回路基板SA2とした。回路基板SA1の導体回路層側の面と、回路基板SA2の絶縁性基材層側の面とを重ね合わせた状態で、温度;170℃、圧力;0.85MPa、時間;1分間の条件で真空ラミネートし、その後オーブンにて温度;160℃、時間;1時間の条件で加熱し、多層回路基板13を調製した。多層回路基板13の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例14]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート2aを使用したこと以外、実施例13と同様にして、多層回路基板14を調製した。多層回路基板14の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例15]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート3aを使用したこと以外、実施例13と同様にして、多層回路基板15を調製した。多層回路基板15の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
[実施例16]
樹脂シート1aに代えて樹脂シート4aを使用したこと以外、実施例13と同様にして、多層回路基板16を調製した。多層回路基板16の反りは「良」、レーザー加工性及びリフロー耐性も「良好」であった。
(比較例1)
樹脂シート1aに代えて樹脂シート5aを使用したこと以外、実施例1と同様にして、多層回路基板17を調製した。多層回路基板17の反りは「不可」であった。
(比較例2)
樹脂シート1aに代えて樹脂シート6aを使用したこと以外、実施例1と同様にして、多層回路基板18を調製した。多層回路基板18の反りは「良」であったが、レーザー加工性は「不可」であった。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
1A,1B…第1の回路基板、2A…第2の回路基板、10,11…絶縁性基材層、20…導体回路層、30…接着層、100,101,102…多層回路基板


Claims (2)

  1. 積層された複数の絶縁樹脂層を含む積層体と、該積層体の内部に埋め込まれた1層以上の導体回路層と、を備えた多層回路基板であって、
    前記複数の絶縁樹脂層のうちの少なくとも一層以上が、接着性を有するとともに前記導体回路層を被覆する接着層により形成されており、
    前記接着層は、スプリットポスト誘電体共振器を用いて測定される周波数10GHzにおける誘電正接が0.004以下であるとともに、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含有する接着性ポリイミドを含み、
    前記接着性ポリイミドは、前記ジアミン残基の100モル部に対して、
    ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマー酸型ジアミンから誘導されるジアミン残基を40モル部以上99モル部以下の範囲内で含有し、
    下記の一般式(B1)~(B7)で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を1モル部以上40モル部以下の範囲内で含有することを特徴とする多層回路基板。
    Figure 0007378908000008
    [式(B1)~(B7)において、R は独立に炭素数1~6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、連結基Aは独立に-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO -、-COO-、-CH -、-C(CH -、-NH-若しくは-CONH-から選ばれる2価の基を示し、n は独立に0~4の整数を示す。ただし、式(B3)中から式(B2)と重複するものは除き、式(B5)中から式(B4)と重複するものは除くものとする。]
  2. 前記接着性ポリイミドは、前記テトラカルボン酸残基の100モル部に対して、
    下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を合計で90モル部以上含有することを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。
    Figure 0007378908000009
    [一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示し、一般式(2)中、Yで表される環状部分は、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環から選ばれる環状飽和炭化水素基を形成していることを表す。]
    Figure 0007378908000010
    [上記式において、Zは-C-、-(CH)n-又は-CH-CH(-O-C(=O)-CH)-CH-を示すが、nは1~20の整数を示す。]
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