JP2009111003A - 複合断熱体とそれを含む電子機器 - Google Patents

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卓 稲田
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泰司 西川
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Abstract

【課題】電子機器の筐体内の狭いスペースにおいても十分に断熱効果を発揮し、発熱を伴う電子部品から筐体への伝熱を効果的に低減し得る複合断熱体およびそれを含む電子機器を提供する。
【解決手段】複合断熱体は、グラファイトフィルムと低熱伝導層を含み、グラファイトフィルムにおいて厚みが100μm以下、面方向の熱伝導率が1000W/m・K以上、厚み方向の熱伝導率が15W/m・K以下、かつ面方向の熱伝導率/厚み方向の熱伝導率の異方性が70倍以上であり、低熱伝導層において厚みが0.05mm〜10mmの範囲内にあって熱伝導率が0.001〜0.1W/m・Kの範囲内にあることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器や精密機器などの筐体内において発熱を伴う電子部品(以下、発熱部品と称す)からの熱を放散させる技術に関し、特に発熱部品から筐体への伝熱を効果的に低減させ得る複合断熱体とそれを含む電子機器に関する。
近年では、携帯電話、ノートパソコンなどの電子機器の高性能化とともに発熱部品からの発熱密度が急激に増加しており、これらの電子機器における熱拡散技術が必須となってきている。特に小型のモバイル機器は人体に直接接する機会が多く、その筐体の外面の温度上昇が深刻な問題となってきている。モバイル機器の筐体外面の温度上昇による問題の一つとして、低温火傷が挙げられる。低温火傷は人体が体温より高い温度に長時間さらされて起こる火傷の一種であり、44℃では6時間で火傷が生じ、1℃上がる毎に火傷に至る時間が半分となるという報告がある。普通の火傷に比べて低温火傷は当事者が症状の進行に気づくのが遅れる場合がほとんどで、気づいた時には皮膚が重度の損傷を負っていることも多い。最近では、小型ノートパソコンを膝上で長時間使用した際に低温火傷になる症例が多い。今後ますます機器の小型化やモバイル化が進んでいく状況において、機器表面の温度は1℃でも低く抑えることが最重要の課題である。
機器表面の温度上昇を防ぐ方法として、機器の筐体内部の発熱部品からの熱を筐体に伝えないように断熱部材を使用することが考えられる。例えば、ゴムと発泡体との複合体からなる断熱部材を機器筐体内部に設けることによって、筐体への伝熱を低減して筐体内の温度分布を平均化する試みがなされている(特許文献1参照)。
別の方法として、樹脂に熱伝導性フィラーを添加した熱伝導複合シートやアルミ箔などの金属箔などを筐体内面に貼り付けて、熱拡散によって機器表面の温度を低下させる方法も考えられる。また小型化や軽量化が求められるモバイル機器においては、グラファイトフィルムなどの放熱シートが熱拡散材として使用されている(特許文献2参照)。グラファイトフィルムは面方向の熱伝導率が高く、機器表面に発生するヒートスポットを緩和し、結果的に機器表面の温度を下げる効果を生じ得る。
さらに、コンデンサー、IC、CPU、光学系部品などの熱に弱い部品を保護するために、発熱部品と熱に弱い部品との間において高配向グラファイトフィルムの一方面上に金属膜を積層しかつ他方面上に断熱材を積層した複合部材を配設する方法が知られている(特許文献3参照)。この場合、発熱部品に金属膜を対面させ、熱に弱い部品に断熱材を対面させるように複合部材が配置される。その金属膜は発熱部品からの熱を反射するように作用し、断熱材は熱に弱い部品を守るように作用する。金属膜としてはアルミ箔が使用され、断熱材としてはセラミックシートや樹脂シートが使用されている。
特開2002−217578号公報 特開昭61−275116号公報 特開平10−126081号公報
電子機器の筐体内で断熱材のみを用いる場合、筐体内面に断熱材のみを貼り付けただけでは、筐体への伝熱低減効果に限界がある。この問題は貼り付ける断熱材の厚みを増大させることによって解決され得るが、近年では機器の小型化が進んでおり、筐体内に厚い断熱材を入れるスペースが無くなってきている。また、断熱材の断熱性を過度に高めれば、筐体内に熱がこもって内部温度および筐体温度が高くなり、発泡樹脂の断熱材では変形を起こす場合もある。
電子機器の筐体内で熱伝導性シートのみを用いる場合、熱伝導性シートとしては、樹脂と熱伝導性フィラーを含む熱伝導複合シートやアルミ箔や銅箔などの金属箔などが用いられる。熱伝導シートのみを筐体内面に貼った場合、そのシートは厚みが薄く(0.05〜2mm)かつ熱伝導性が樹脂に比べて高いので、熱が面方向に広がる前に厚み方向に伝わりやすい。その結果として、筐体が熱くなる。また、熱伝導シートのように、面方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率に比べ十分に大きくない、すなわち面方向の熱伝導率と厚み方向の熱伝導率に異方性がない場合には、面方向への熱拡散効果が生じなくて十分な断熱効果を発揮することができない。熱伝導複合シートの場合には、その熱伝導率が0.5〜10W/m・K程度であって面方向と厚み方向に関する異方性が小さく、かつ複合シートは柔らかくて密着性がよいので厚み方向に熱を伝えやすく、その結果として筐体へ熱を伝えやすい。また、金属箔は100W/m・K以上の非常に高い熱伝導率を有するので、面方向に熱を伝える前に筐体へ熱を伝えやすい。
電子機器の筐体内でグラファイトシートのみを用いる場合、グラファイトシートでは厚み方向の熱伝導率よりも面方向の熱伝導率が高くて10倍以上の異方性があるので、面方向への熱拡散が期待できる。しかし、グラファイトシートも厚みが薄い(300μm以下)ので熱が厚み方向に伝わり、筐体の温度が上昇しやすくなる。
電子機器の筐体内で特許文献3の断熱材/グラファイトシート(/金属膜)の複合断熱体を用いる場合、特許文献3の実施形態1および3に開示されているように、断熱材としては厚さ0.25mmのセラミックシートや厚さ0.075mmのポリイミドフィルムが使用される。しかし、セラミックシートは樹脂に比べて高い熱伝導率を有し、断熱材としては十分とはいえない。また、厚さ0.075mmのポリイミドフィルムは薄いので筐体に熱を伝えやすく、断熱性能が不十分である。そして、断熱効果が不十分であるが故に耐熱性が必要とされ、断熱材としてセラミックやポリイミドなどの耐熱性の材料を使用することが必要である。さらに、筐体内面に絶縁層をコーティングしたりまたは樹脂フィルムを張り合わせる場合でも、形成される絶縁層は厚みが小さくて断熱性が不十分である。
上述のような先行技術の状況に鑑み、本発明は、電子機器の筐体内の狭いスペースにおいても十分に断熱効果を発揮し、発熱部品から筐体への伝熱を効果的に低減し得る複合断熱体およびそれを含む電子機器を提供することを目的としている。
本発明による複合断熱体は、グラファイトフィルムと低熱伝導層を含み、グラファイトフィルムにおいて厚みが100μm以下、面方向の熱伝導率が1000W/m・K以上、厚み方向の熱伝導率が15W/m・K以下、かつ面方向の熱伝導率/厚み方向の熱伝導率の異方性が70倍以上であり、低熱伝導層において厚みが0.05mm〜10mmの範囲内にあって熱伝導率が0.001〜0.1W/m・Kの範囲内にあることを特徴としている。
なお、低熱伝導層として、発泡体が好ましく利用され得る。また、複合断熱体は、低熱伝導層とグラファイトフィルムの積層、またはグラファイトフィルム、低熱伝導層、およびグラファイトフィルムの順の積層を含み得る。
本発明による電子機器は、発熱部品と断熱部材およびこれらを内蔵する筐体を含み、その断熱部材として上述の複合断熱体を含むことを特徴としている。なお、複合断熱体が低熱伝導層とグラファイトフィルムの積層を含み、低熱伝導層が発熱部品に対面しかつグラファイトフィルムが筐体の内面に対面するように配置されていることが好ましい。また、発熱部品と複合断熱体は、互いに非接触であることが好ましい。
本発明によれば、電子機器の筐体内の狭いスペースにおいても十分に断熱効果を発揮し、発熱部品から筐体への伝熱を効果的に低減し得る複合断熱体およびそれを含む電子機器を提供することができる。
上述のように、本発明の複合断熱体は、厚みが100μm以下、面方向の熱伝導率が1000W/m・K以上、厚み方向の熱伝導率が15W/m・K以下、面方向の熱伝導率/厚み方向の熱伝導率の異方性が70倍以上であるグラファイトフィルムと、厚さが0.05mm〜10mmの範囲内で熱伝導率が0.001〜0.1W/m・Kの範囲内である低熱伝導層とを含むことを特徴としている。また、発熱部品と断熱部材およびこれらを内蔵する筐体を含む電子機器において、その断熱部材として本発明の複合断熱体を利用することによって、発熱部品から筐体への伝熱を効果的に低減することができる。
(筐体の温度)
上述の低熱伝導層とグラファイトフィルムを複合させた複合断熱体を筐体内面に貼り付けることによって、筐体の温度を大幅に低下させることができる。この理由は、発熱部品からの伝熱を低熱伝導層によってできるだけ抑制し、その低熱伝導層を通過した残りの熱をさらに面方向の熱伝導率が高いグラファイトフィルムで拡散させるので、筐体にほとんど熱が伝わらないからである。実際に携帯電話などに関する低温火傷の予防として筐体に熱を伝え過ぎない対策が求められる場合があるが、発熱部品から筐体への伝熱の低減のために本発明の複合断熱体を用いることによって、そのような要望に応えることができる。
(発熱部品の温度)
発熱部品自体の温度も、本発明の複合断熱体を利用することによって低下させることができる。これはグラファイトフィルムの熱拡散による冷却効果が発現した結果であり、その冷却効果は発熱部品とグラファイトフィルムの距離が近いほど大きくなる。すなわち、発熱部品自体の温度をも低く抑えたいときにも、本発明の複合断熱体は有用である。
(複合断熱体中の積層順序)
本発明の複合断熱体においては、発熱部品とグラファイトフィルムとの間に1以上の低熱伝導層が存在している場合に発熱部品からの伝熱を低減する効果が高い。したがって、発熱部品側から見て低熱伝導層/グラファイトフィルムの順の積層もしくは低熱伝導層/グラファイトフィルム/低熱伝導層の順の積層が好ましく、または低熱伝導層/グラファイトフィルムの積層ユニットを可能なだけ繰り返して積層してもよい。
(発熱部品と複合断熱体の距離)
発熱部品と複合断熱体の距離に関しては、発熱部品と低熱伝導層が接触すれば低熱伝導層が変形する恐れがあるので、発熱部品と複合断熱体はなるべく非接触の方が好ましい。しかし、複合断熱体が例えばグラファイトフィルム/低熱伝導層/グラファイトフィルムの順の積層構造を有している場合には、発熱部品とグラファイトフィルムを接触させることによって発熱部品の温度を顕著に下げることができ、低熱伝導層の変形を防ぐこともできる。
(グラファイトフィルムの面方向の熱伝導率)
本発明におけるグラファイトフィルムの面方向の熱伝導率は1000W/m・K以上であり、1050W/m・K以上であることがより好ましい。この熱伝導率が1000W/m・K未満であれば、面方向への十分な熱拡散が生じなくて厚さ方向に熱が伝わってしまう。なお、グラファイトフィルムの熱伝導率は、次式(1)によって算出することができる。
λ=α×d×Cp ・・・(1)
ここで、λは熱伝導率、αは熱拡散率、dは密度、そしてCpは比熱容量をそれぞれ表わす。なお、グラファイトフィルムの熱拡散率、密度、および比熱容量は以下に述べる方法で求めることができる。
(光交流法によるグラファイトフィルムの面方向の熱拡散率測定)
熱拡散率は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社から入手可能な「LaserPit」)を用いて、グラファイトフィルムを4mm×40mmのサンプル形状に切り取り、20℃の雰囲気下で10Hzの交流条件において測定した。
(グラファイトフィルムの密度測定)
グラファイトフィルムの密度は、そのフィルムの縦、横、および厚みの積で算出した体積(cm3)でフィルムの重量(g)を除することにより算出した。なお、グラファイトフィルムの厚さの測定方法としては、25℃の恒温室内にて厚さゲージ(ハイデンハイン(株)社製、HEIDENHAIN−CERTO)を用いて50mm×50mmのフィルム中で任意の10点の厚さを測定し、それら測定値の平均値をそのフィルムの測定厚さとして採用した。
(グラファイトフィルムの比熱測定)
グラファイトフィルムの比熱測定は、エスアイアイナノテクノロジー株式会社製の熱分析システムである示差走査熱量計DSC220CUを使用して、20℃から260℃まで10℃/minの昇温条件で測定を行なった。
(グラファイトフィルムの厚さ方向の熱伝導率)
本発明におけるグラファイトフィルムの厚さ方向の熱伝導率は、15W/m・K以下であればよい。その厚さ方向の熱伝導率が15W/m・Kより大きければ、発熱部品からの熱が筐体に直接伝わってしまう。他方、厚さ方向の熱伝導率が15W/m・K以下であれば、発熱部品の熱を厚さ方向にあまり伝えず、面方向に拡散させる割合が大きくなるので好ましい。
グラファイトフィルムの厚さ方向の熱拡散率および熱伝導率のレーザーフラッシュ法による測定には、JIS R1611−1997に準拠した京都電子工業(株)製のLFA−502を用いた。グラファイトフィルムを直径10mmにカットし、このフィルムの両面にタスコジャパン(株)社製の黒体スプレーを吹きつけた後、室温でレーザーフラッシュ法による厚さ方向の熱拡散率の測定を行なった。また、グラファイトフィルムの厚さ方向の熱拡散率、密度、および比熱容量から厚さ方向の熱伝導率を算出した。厚さ方向の熱拡散率および熱伝導率の値が大きいほど、厚さ方向の熱伝導性が高いことを意味している。
(グラファイトフィルムの厚さ)
本発明において使用するグラファイトフィルムの厚さは100μm以下であり、好ましくは70μm以下、より好ましくは50μm以下である。近年の電子機器は薄型化が進行し、機器の筐体内に部品を搭載できるスペースが非常に狭くなってきている。したがって、100μm以上の厚さのフィルムは、機器筐体内への組み込みが困難となる。グラファイトフィルムの厚さの測定方法としては、厚さゲージ(ハイデンハイン(株)社製、HEIDENHAIN−CERTO)を用いて、25℃の恒温室にて50mm×50mmのフィルムの任意の10点における平均厚さとして測定された。
(低熱伝導層の熱伝導率)
本発明において使用する低熱伝導層の熱伝導率は0.001〜0.1W/m・Kの範囲内にあり、好ましくは0.001〜0.07W/m・Kの範囲内、より好ましくは0.001〜0.05W/m・Kの範囲内にある。低熱伝導層の熱伝導率は低ければ低いほどその断熱効果が高くなり、同じ断熱効果を得るために必要な低熱伝導層の厚さを薄くすることができる。このことは、低熱伝導層を狭いスペースで使用する際に好ましい。他方、熱伝導率が0.1W/m・Kより大きくなれば断熱効果が低下し、必要な断熱効果を得るためには低熱伝導層の厚さを増大しなくてはならないので好ましくない。
(低熱伝導層の厚さ)
低熱伝導層の厚さは0.05mm〜10mmの範囲内にあり、好ましくは0.05mm〜5mmの範囲内にある。低熱伝導層が0.05mmよりも薄い場合には厚さ方向の断熱効果が低下するので、熱伝導率がより低い低熱伝導層を選択しなければその一面から他面への厚さ方向の伝熱を良好に低減させ得ない。他方、低熱伝導層が10mmよりも厚ければ、グラファイトフィルムの厚さに関して述べたように、近年の薄型機器内への組み込みが難しくなる。
(低熱伝導層の材質)
低熱伝導層の材質としては、無機繊維系のグラスウールやロックウール、天然系の羊毛断熱材やセルロース断熱材、発泡セラミックス、炭化発泡コルク、樹脂系断熱材としてのウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォームなどを利用することができる。これらの中でも、グラファイトおよび粘着材との良好な接着性および比較的平坦な表面を有するように加工が容易であることを考慮すれば、樹脂系断熱材がより好ましい。また、断熱材の熱伝導率はより低いほどグラファイトシートと複合した際の断熱効果が高く、0.02〜0.05W/m・K程度であることが好ましい。具体的には、旭ファイバーグラス製AFボード(0.02W/m・K)、旭化成製ネオマフォーム(0.02W/m・K)などが好ましく利用され得る。また、空気分子の運動を規制する微細なマイクロポア構造を有する超微細ヒュームドシリカと赤外線を透過させない物質(高純度ジルコニア)で構成された断熱材(約0.021W/m・K)や、連続する微小気泡を含む発泡体を真空保持性のよいプラスチックと金属のラミネートフィルム内に挿入して真空密封して製造される真空断熱材(約0.008W/m・K)も、低熱伝導層に好ましく利用することができる。
(低熱伝導層とグラファイトフィルムの複合方法)
低熱伝導層とグラファイトフィルムの複合方法として、例えば粘着層を介する複合が考えられる。粘着層の材質としては、アクリル系、シリコーン系、エポキシ系、またはポリイミド系の樹脂が利用され得る。狭いスペースでの使用に適応するためにも、粘着層は基本的に薄い方が好ましい。低熱伝導層は、グラファイトフィルムの表面に蒸着や塗布などの方法でコーティングすることによって形成されてもよい。また、コーティング樹脂を発泡させて低熱伝導層を形成してもよい。さらに、グラファイトフィルムと低熱伝導層を機械的に複合させる方法も考えられる。例えば、発泡樹脂断熱材に形成された切り込み内にグラファイトフィルムを挿入したサンドイッチ構造を形成してもよい。
低熱伝導層とグラファイトフィルムを複合させるに際して、低熱伝導層とグラファイトフィルムがなるべく同じ大きさであることが好ましいが、設置される場所に応じて断熱材を大きくしたり、逆にグラファイトフィルムを大きくしてもよい。
(グラファイトフィルムによる漏電を防止する絶縁フィルム)
グラファイトフィルムは導電性を有するので、電子機器内で用いられる場合には電子部品との接触によるショートを防ぐ目的で、その表面に絶縁フィルムを付与することが一般的である。本発明の複合断熱体においてグラファイトフィルムが機器内部に露出する形態をとる場合にも、グラファイトフィルム表面に絶縁フィルムを設けることが好ましい。絶縁フィルムとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルムの片面にアクリル系、シリコーン系、エポキシ系、ポリイミド系の粘着剤や接着剤が形成されたテープが好ましい。また、ポリエステル系などのホットメルトタイプ(熱可塑性)のテープであってもよい。絶縁層の形成においては、粘着剤を介して保護フィルム層を形成する方法の他にも、エポキシやフェノールまたはゴム系の塗料などでグラファイトフィルムをコーティングする方法を採用してもよい。
以下において本発明における種々の実施例が説明されるが、本発明がそれらの実施例に限定されないことは言うまでもない。まず、本発明に利用され得るグラファイトフィルムは、例えばポリイミドフィルムを経由して以下のように作製され得る。
(ポリイミドフィルムの作製)
4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液にビロメリット酸二無水物の1当量を溶解して、ポリアミド酸溶液(18.5wt%)が調製された。
この溶液を冷却しながら、ポリアミド酸に含まれるカルボン酸基に対して、1当量の無水酢酸、1当量のイソキノリン、およびDMFを含むイミド化触媒を添加し脱泡した。次に、この混合溶液が、乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布された。アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブンおよび遠赤外線ヒーターを用いて乾燥された。
アルミ箔上の混合溶液層は熱風オーブンによって120℃で240秒間乾燥され、これによって自立性を有するゲルフィルムが形成された。このゲルフィルムは、アルミ箔から引き剥がされてフレームに固定された。さらに、そのゲルフィルムは、熱風オーブンにて120℃で30秒間、275℃で40秒間、400℃で43秒間、450℃で50秒間、および遠赤外線ヒーターにて460℃で23秒間の段階的加熱によって乾燥された。
以上のようにして、厚さ75μmのポリイミドフィルム(弾性率3.1GPa、吸水率2.5%、複屈折0.10、線膨張係数3.0×10-5/℃)が作製された。
(炭素化フィルムの作製)
得られたポリイミドフィルムを黒鉛板に挟み、電気炉を用いて窒素雰囲気下で1000℃まで昇温した後に1000℃で1時間熱処理して炭素化処理を行い、これによって炭素化フィルムが得られた。
(グラファイトフィルムAの作製)
得られた200mm×200mmの炭素化フィルムは270mm×270mm×3mmの平滑なグラファイト板で上下から挟まれ、300mm×300mm×60mmの黒鉛容器内で3000℃になるまで加熱され、こうしてグラファイトフィルムが作製された。このグラファイトフィルムが単板プレスで厚み方向に圧縮されて、厚さ40μmのグラファイトフィルムAが得られた。
(グラファイトフィルムBの作製)
厚さ25μmのグラファイトフィルムBは、出発フィルム材料として厚さ75μmの代わりに厚さ50μmのポリイミドフィルムを用いたことを除いて、グラファイトフィルムAと同様の方法で作製された。
(グラファイトフィルムC)
グラファイトフィルムCは、ジェルテック(株)製のグラファイトフィルム(λ70μm品)である。
(グラファイトフィルムA、B、およびCの特性値)
以上のグラファイトフィルムA、B、およびCの熱伝導率、熱拡散率、密度、厚さ、および比熱の特性値は、前述の測定装置および方法によって測定された。その際に、グラファイト化の進行状況は、フィルム面方向の熱拡散率を測定することによって判定された。すなわち、その熱拡散率が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。また、密度が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。
グラファイトフィルムA、B、およびCに関して測定された種々の特性値が表1において示されている。なお、表1に示された比熱は、50℃における値である。また、表1中のグラファイトフィルムCの比熱としては、カタログ値を採用した。
Figure 2009111003
(複合断熱体の評価システム)
複合断熱体の評価システムとして、例えば図1の模式的断面図に示されているような構造を採用することができる。なお、本願の図面において、長さ、幅、厚さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。また、本願の図面において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表している。
図1の評価システムにおいて、筐体1の外形は60mm×60mmの平面積と20mmの高さを有し、その肉厚は1mmである。基板2は58mm×58mmの平面積と1mmの厚さを有し、その基板上に固定された発熱体5は20mm×20mmの平面積と1mmの厚さを有している。筐体1内の底面の全領域上には、アクリル系粘着剤6(日東電工(株)社製、品番5601)、グラファイトフィルム4、アクリル系粘着剤6、および低熱伝導層3がこの順に接合されている。以下の実施例1〜6および比較例4〜5において図1の評価システムの構成要素に採用される材質と物理的特性の詳細も、表1にまとめて示されている。
<実施例1>
図1の評価システムに示されているように、本発明の実施例1においては、エポキシ樹脂製の基板2の中央部に出力0.5Wのシリコーン製発熱体5が設置された。この基板2は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂製筐体1内の底面から2mmの空間を設けた位置に固定された。筐体1内の底面の全領域上には、複合断熱体が接合された。より具体的には、複合断熱体に含まれる低熱伝導層3としての厚さ1mmのポリスチレンフォーム((株)JSP社製、商品名「ソフトボール」)製低熱伝導層Aおよびグラファイトフィルム4としての厚さ0.04mmのグラファイトフィルムAが、厚さ0.01mmのアクリル系粘着材6を介して筐体1内の底面に接合された(表1参照)。
この実施例1の評価システムにおいて、発熱体5の通電後に定常状態となったと判断されたとき、その発熱体の中心温度TH(℃)と筐体1の下面温度TC(℃)とを測定して、複合断熱体の断熱特性が評価された。本実施例1においては、発熱体中心温度THが46.6℃であって、筐体下面温度TCが31.1℃であった。本実施例1の要約が、表2に示されている。
<実施例2>
厚さ0.04mmのグラファイトフィルムAの代わりに厚さ0.025mmのグラファイトフィルムB(表1参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様の評価システムによって実施例2の複合断熱体の断熱特性が評価された。この実施例2においては、発熱体中心温度THが47.3℃であって、筐体下面温度TCが31.2℃であった。本実施例2の要約も、表2に示されている。
<実施例3>
厚さ1mmの低熱伝導層Aの代わりに厚さ0.2mmのポリスチレンフォーム製低熱伝導層B(表1参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様の評価システムによって実施例3の複合断熱体の断熱特性が評価された。この実施例3においては、発熱体中心温度THが45.8℃であって、筐体下面温度TCが31.4℃であった。本実施例3の要約も、表2に示されている。
<実施例4>
厚さ1mmの低熱伝導層Aの代わりに厚さ1.5mmのポリスチレンフォーム製低熱伝導層C(表1参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様の評価システムによって実施例4の複合断熱体の断熱特性が評価された。この実施例4においては、発熱体中心温度THが46.6℃であって、筐体下面温度TCが30.9℃であった。本実施例4の要約も、表2に示されている。
<実施例5>
低熱伝導層Aの代わりに厚さ1mmのフェノールフォーム(旭化成(株)社製、商品名「ネオマフォーム」)製低熱伝導層D(表1参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様の評価システムによって実施例5の複合断熱体の断熱特性が評価された。この実施例5においては、発熱体中心温度THが47.4℃であって、筐体下面温度TCが30.5℃であった。本実施例5の要約も、表2に示されている。
<実施例6>
低熱伝導層Aの代わりに厚さ1mmのポリスチレン製低熱伝導層E(表1参照)を用いたこと以外は、実施例1と同様の評価システムによって実施例6の複合断熱体の断熱特性が評価された。この実施例6においては、発熱体中心温度THが45.4℃であって、筐体下面温度TCが31.5℃であった。本実施例6の要約も、表2に示されている。
<参考例1>
本発明に密接に関連する参考例1の複合断熱体の評価システムとしては、図1に類似した図2の模式的断面図に示されている構造が採用された。図1の評価システムによる実施例1に比べて、図2の評価システムによる本参考例1においては、低熱伝導層3とグラファイトフィルム4の積層順が反転されたことと、グラファイトフィルム4の全表面が厚さ0.01mmのポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム7(共同技研化学(株)社製、品番111)(表1参照)で覆われていたことのみにおいて異なっていた。この参考例1において測定された発熱体中心温度THは43.7℃であり、筐体下面温度TCは32.2℃であった。本参考例1の要約も、表2に示されている。
<実施例7>
実施例7の複合断熱体の評価システムとしては、図2に類似した図3の模式的断面図に示されている構造が採用された。図2の評価システムによる参考例1に比べて、図3の評価システムによる本実施例7においては、低熱伝導層3と筐体1内の底面の全領域との間に付加的なグラファイトフィルム4としてのグラファイトフィルムAがアクリル系粘着剤6を介して挿入されたことのみにおいて異なっていた。この実施例7において測定された発熱体中心温度THは43.4℃であり、筐体下面温度TCは31.0℃であった。本実施例7の要約も、表2に示されている。
<比較例1>
比較例1の評価システムとしては、図1に類似した図4の模式的断面図に示されている構造が採用された。図1の評価システムによる実施例1に比べて、図2の評価システムによる本比較例1においては、筐体1内の底面と基板2との間に空気だけが存在していたことのみにおいて異なっていた。この比較例1において測定された発熱体中心温度THは51.7℃であり、筐体下面温度TCは48.9℃であった。本比較例1の要約も、表2に示されている。
<比較例2>
比較例2の評価システムとしては、図1に類似した図5の模式的断面図に示されている構造が採用された。図1の評価システムによる実施例1に比べて、図5の評価システムによる本比較例2においては、筐体1内の底面に接合されるグラファイトフィルム4が省略されたことのみにおいて異なっていた。この比較例2において測定された発熱体中心温度THは50.9℃であり、筐体下面温度TCは47.8℃であった。本比較例2の要約も、表2に示されている。
<比較例3>
比較例3の評価システムとしては、図2に類似した図6の模式的断面図に示されている構造が採用された。図2の評価システムによる参考例1に比べて、図6の評価システムによる本比較例3においては、筐体1内の底面に接合される低熱伝導層3が省略されたことのみにおいて異なっていた。この比較例3において測定された発熱体中心温度THは44.9℃であり、筐体下面温度TCは31.9℃であった。本比較例3の要約も、表2に示されている。
<比較例4>
図1の評価システムによる実施例1に比べて、比較例4の評価システムは、グラファイトフィルムAの代わりに厚さ0.04mmの銅箔(表1参照)を使用したことのみにおいて異なっていた。この比較例4において測定された発熱体中心温度THは46.6℃であり、筐体下面温度TCは32.3℃であった。本比較例4の要約も、表2に示されている。
<比較例5>
図1の評価システムによる実施例1に比べて、比較例5の評価システムは、グラファイトフィルムAの代わりに厚さ0.07mmのグラファイトフィルムC(表1参照)を使用したことのみにおいて異なっていた。この比較例5において測定された発熱体中心温度THは47.3℃であり、筐体下面温度TCは32.2℃であった。本比較例5の要約も、表2に示されている。
Figure 2009111003
(筐体下面温度TC
表2中で実施例1〜7の評価結果に示されているように、複合断熱体が発熱体5側から低熱伝導層/グラファイトフィルムの積層順序またはグラファイトフィルム/低熱伝導層/グラファイトフィルムの積層順序で構成されている場合に筐体1の下面への伝熱を防止する効果が特に高いことが分かる。他方、参考例1の評価結果に示されているように、同じ低熱伝導層とグラファイトフィルムの複合であっても、複合断熱体が発熱体5側からグラファイトフィルム/低熱伝導層の積層順序で構成されている場合には筐体1の下面への伝熱を低減する効果が高くなく、単独のグラファイトフィルムを利用する比較例3に比べても筐体1の下面の温度が高くなっている。これらの結果は、発熱部品とグラファイトフィルムとの間に1以上の低熱伝導層を存在させることによって断熱効果が高くなることを示している。
(発熱体温度TH
図4の比較例1におけるように基板2と筐体1内の底面との間に空気のみが存在する場合に比べて、上述の実施例1〜7および参考例1におけるように、複合断熱体にグラファイトフィルムが含まれている場合に発熱体5自体の温度が低下した(表2参照)。特に、図2の参考例1および図3の実施例7におけるように、複合断熱体中で低熱伝導層3よりもグラファイトフィルム4が発熱体5に近く配置された積層構造が構成された場合に、発熱体5自体の温度がより顕著に低下していた。発熱体5の温度が低下する原因として、グラファイトフィルムによる非接触の冷却効果が考えられる。この効果はグラファイトフィルム4が発熱体5に近いほど顕著になるので、参考例1および実施例7において発熱体5の温度が大きく低下したと考えられる。
(グラファイトフィルムの特性)
表2に示されているように、図1の評価システムによる実施例1に比べて、グラファイトフィルムAの代わりにグラファイトフィルムCを使用したことのみにおいて異なっていた比較例5において筐体1の下面温度が高くなった。ここで、表1から分かるように、グラファイトフィルムAに比べて、グラファイトフィルムCでは面方向と厚み方向との熱伝導率比が小さくなっている。すなわち、グラファイトフィルムCを用いた場合には面方向への熱拡散が十分ではなくて熱が厚み方向に伝わりやすいので、比較例5では筐体1の下面温度が高くなったと考えられる。また、同じく実施例1に比べて、グラファイトフィルムAの代わりに面方向と厚み方向の熱伝導率が同じである銅箔を用いたことのみにおいて異なっていた比較例4においても筐体1の下面温度が高くなった(表2参照)。これらの事実から、複合断熱材に含まれる熱拡散シートとしては、面方向と厚み方向との熱伝導率比が大きくかつ面方向の熱伝導度が大きいグラファイトフィルムが好ましいことが分かる。さらに、実施例1のグラファイトフィルムAより薄いグラファイトフィルムB(表1参照)を使用した実施例2においても、比較例5に比べて、筐体1の下面温度が低くなった(表2参照)。このことから、グラファイトフィルムが薄くても厚み方向に比べて面方向の非常に大きな熱伝導率を有していれば、複合断熱体が十分な断熱効果を生じ得ることが分かる。
(低熱伝導層の厚みと特性)
図1の評価システムによる実施例1に比べて、大きな厚みの低熱伝導層C(表1参照)を利用したことのみにおいて異なっていた実施例4において、筐体1の下面のさらなる温度低下が確認された(表2参照)。この理由は、低熱伝導層が厚いほどグラファイトフィルムに伝わる熱が少なくなり、結果として筐体下面に伝わる熱が減少したからであると考えられる。逆に、実施例1に比べて、小さな厚みの低熱伝導層B(表1参照)を利用したことのみにおいて異なっていた実施例3では、筐体1の下面温度が上昇した(表2参照)。しかし、厚さ0.2mm程度の低熱伝導層であっても、全く低熱伝導層を利用しなかった比較例3に比べれば、筐体下面への伝熱を低減させる効果を有することが分かる(表2参照)。
また、実施例1に比べて、より低い熱伝導率を有する低熱伝導層Dを利用したことのみにおいて異なる実施例5においては、筐体1の下面のさらなる温度低下が確認された。この理由としては、低熱伝導層の熱伝導率が低いほどグラファイトフィルムに伝わる熱が少なくなり、結果として筐体下面に伝わる熱が減少しからであると考えられる。他方、実施例6におけるように0.1W/m・K程度の比較的大きな熱伝導度を有する低熱伝導層E(表1参照)を利用した場合であっても、全く低熱伝導層を利用しなかった比較例3に比べれば、筐体下面への伝熱を低減させる効果を有することが分かる(表2参照)。
以上のように、本発明によれば、電子機器の筐体内の狭いスペースにおいても十分に断熱効果を発揮し、発熱を伴う部品から筐体外面への伝熱を効果的に低減し得る複合断熱体およびそれを含む電子機器を提供することができる。
本発明の実施例1〜6および比較例4〜5における複合断熱体に関する評価システムを示す模式的断面図である。 本発明に密接に関連する参考例1における複合断熱体に関する評価システムを示す模式的断面図である。 本発明の実施例7における複合断熱体に関する評価システムを示す模式的断面図である。 比較例1における断熱構造の評価システムを示す模式的断面図である。 比較例2における断熱構造の評価システムを示す模式的断面図である。 比較例3における断熱構造の評価システムを示す模式的断面図である。
符号の説明
1 筐体、2 基板、3 低熱伝導層、4 グラファイトフィルム、5 発熱体、6 アクリル系粘着剤、7 PETフィルム。

Claims (6)

  1. グラファイトフィルムと低熱伝導層を含む複合断熱体であって、
    前記グラファイトフィルムにおいて厚みが100μm以下、面方向の熱伝導率が1000W/m・K以上、厚み方向の熱伝導率が15W/m・K以下、かつ面方向の熱伝導率/厚み方向の熱伝導率の異方性が70倍以上であり、
    前記低熱伝導層において厚みが0.05mm〜10mmの範囲内にあって熱伝導率が0.001〜0.1W/m・Kの範囲内にあることを特徴とする複合断熱体。
  2. 前記低熱伝導層が発泡体であることを特徴とする請求項1に記載の複合断熱体。
  3. 前記複合断熱体が前記低熱伝導層と前記グラファイトフィルムの積層、または前記グラファイトフィルム、前記低熱伝導層、および前記グラファイトフィルムの順の積層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の複合断熱体。
  4. 発熱を伴う電子部品と断熱部材およびこれらを内蔵する筐体を含む電子機器において、前記断熱部材が請求項1から3のいずれかの複合断熱体を含むことを特徴とする電子機器。
  5. 前記複合断熱体が前記低熱伝導層と前記グラファイトフィルムの積層を含み、前記低熱伝導層が前記電子部品に対面しかつ前記グラファイトフィルムが前記筐体の内面に対面するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記電子部品と前記複合断熱体が非接触であることを特徴とする請求項4または5に記載の電子機器。
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