JP2005193116A - ガス吸着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃性であり、吸着能に優れ、吸着ガス分子の拡散が容易で低温での脱着再生能に優れ、かつフィルターやフェルト状に成形可能であり、活性炭繊維が適用できない条件下でも使用することができ、幅広い用途に適用可能なガス吸着剤を提供する。
【解決手段】マイクロ孔とメソ孔を有し、マイクロ孔が1次元チャンネル型メソ孔に連結した細孔構造を持つ繊維状シリカ多孔体から成るガス吸着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維状多孔質シリカ粒子の細孔構造に基づく吸着能を利用した、ガス吸着剤に関し、更に詳しくは、粒子内部にメソ孔を有し、さらにそのメソ孔を連結するマイクロ孔が存在する繊維状シリカ多孔体からなり、後者の高い吸着能と、前者の高い粒子内拡散能を利用したガス吸着剤、殊に揮発性有機化合物(VOC)の吸着能に優れたガス吸着剤に関する。
揮発性有機化合物(VOC)は環境汚染物質として近年クローズアップされ、その排出削減対策が緊急の課題となっている。特に、1999年「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)が公布され、事業所単位でVOCを含む有害化学物質などの取扱量や排出量の報告が義務づけられた。さらに、VOC排出に対しては法規制することが検討されており、その排出抑制技術は緊急の課題となってきている。
このVOC除去プロセスは、対象とする物質や濃度範囲によって、それぞれ適したものを選定する必要があるが、通常2つの方法に大別される。
その一つは燃焼法であり、直接燃焼、蓄熱燃焼、触媒燃焼が良く知られている。他方は、吸着法であり、活性炭やシリカゲル、ゼオライト等の吸着剤を使用して排ガス中のVOCを除去するものである。この吸着法は、吸着剤の再生時、VOCが脱着され、回収・再利用できることが大きな特徴である。また、再生方式には熱によるもの(TSA)と減圧による方法(PSA)および両者を組み合わせたものがある。
これらの二つの方式の中で、近年CO2排出に伴う地球温暖化問題の観点から、燃焼法の代わり吸着法の採用が推奨されるに至っている。
これまでに、このVOC吸着法で用いられている吸着剤は、上記したように、活性炭、シリカゲル、ゼオライト等である。
活性炭には、粒状、繊維状のものがあり、吸着性能に優れ、一般的に大風量、低濃度の場合に使用されているが、可燃性であり、またVOCの種類によっては、吸着作用とは異なる触媒作用が発現するためにその使用に当たっては注意が必要である。特に、ケトン、アルデヒド系の物質を対象とする場合、高濃度では酸化・重合による発熱で発火の危険性がある。また、再生はスチーム流通系においてTSAが適用されるのが一般的であり、このため水溶性のVOCの回収には不向きであり、その上最終的には廃水処理を考慮する必要がある。
このように、活性炭は安価であり、最も良く使用される吸着剤ではあるものの、可燃性、吸着熱(発熱)また再生コスト等に難点があり、対象とするVOCの種類によってはシリカゲルやゼオライトが代替使用されている(非特許文献1、2、3等)。
シリカゲルは小風量、高濃度の場合に適し、PSA法によって再生処理することが可能であり、また、ゼオライトは低濃度ではシリカゲルよりも吸着能が高く、出口濃度の規制が厳しい場合に有効であり、再生法にはTSA、PSA共に利用することができるといった活性炭にはない利点を有するものである。
しかし、シリカゲルの場合には、それ自体では吸着能が低く、細孔表面を化学修飾しなければならない、といった問題があった。
また、ゼオライトの場合、細孔径は1nm以下のため、大きな分子を吸着することは不可能であり、したがって、高沸点物質の除去には適用できないという難点があった。
(PETROTECH、2001年、第24巻、第2号、pp.145) (化学装置、2002年10月号、特集記事「吸着剤技術と用途開発の最新動向」) (化学装置2002年9月号別冊)
上記のとおり、現行のVOC吸着剤にはそれぞれ一長一短あり、今後のガス規制殊にVOC規制に伴う種々の課題を克服するためには、シリカ吸着剤の不燃性、再生工程の容易さを活かした、VOC吸着剤の開発が強く要請されていた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、不燃性であり、吸着能に優れ、吸着ガス分子の拡散が容易で低温での脱着再生能に優れ、かつフィルターやフェルト状に成形可能であり、活性炭繊維が適用できない条件下でも使用することができ、幅広い用途に適用可能なガス吸着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、安価なアルカリ珪酸塩をシリカ源とし、無毒性の非イオン性界面活性剤の自己秩序形成能を使用して合成される繊維状シリカ多孔体が、メソ孔と一次元チャンネル型マイクロ孔を併せ持ち、両細孔の共存に起因して特異な吸着・脱着挙動を示すことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) マイクロ孔とメソ孔を有し、マイクロ孔が1次元チャンネル型メソ孔に連結した細孔構造を持つ繊維状シリカ多孔体から成るガス吸着剤。
(2) 前記繊維状シリカ多孔体が、BET比表面積500m/g以上で、全細孔容積が0.45ml/g以上を有し、且つ全細孔容積の内15〜40%がマイクロ孔容積であることを特徴とする上記(1)に記載のガス吸着剤。
(3) 走査型顕微鏡観察によりアスペクト比が3乃至150であって、形状が繊維状であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のガス吸着剤。
(4) ガス吸着後、40℃の不活性ガス流通下で、全吸着分のうち50〜97%が脱着可能であることを特徴とする上記(1)乃至(5)何れかに記載のガス吸着剤。
(5) ガス吸着後、60℃の不活性ガス流通下で、全吸着分のうち98%以上が脱着可能であることを特徴とする上記(1)乃至(4)何れかに記載のガス吸着剤。
(6) ガス吸着後、毎分10℃昇温下における脱離ピークが120℃以下にあり、脱着完了温度が180℃以下であることを特徴とする上記(1)乃至(5)何れかに記載のガス吸着剤。
(7) ガスが揮発性有機化合物であることを特徴とする上記(1)乃至(6)何れかに記載のガス吸着剤。
(8) 上記(1)乃至(7)何れかに記載の吸着剤を用いて、ガスを吸着させた後、80℃以下の不活性ガス流通下でガスを脱離させ吸着剤の再生を行うことを特徴とするガスの除去方法。
本発明に係る繊維状シリカ多孔体からなるガス吸着剤は、ミクロンオーダーのファイバー状の形状を呈すると同時に、1次元メソ孔が規則配列しており、さらにメソ孔を連結するマイクロ孔が存在することで、両細孔の共存に起因して、高い吸着能を有すると共に低温での脱着が可能であるといった特異な吸着・脱着挙動を示す。
したがって、本発明の吸着剤は、高い吸着効率でVOCなどのガスを吸着することができ、しかも40℃から60℃程度の低温下で単に不活性ガスを流通させることにより吸着されたガスを脱着することができるので、VOCなどのガス成分の除去方法として極めて有効であり、またその再生循環使用に優れたものである。
さらに、全細孔容積に占めるマイクロ孔の割合は、シリカ前駆体の合成条件はもとより、加熱処理条件を変化させることによって調整することが可能であり、目的とするガスの種類に適合した繊維状シリカ多孔体の作製が容易である。
また、ミクロンオーダーの繊維状形態であることから、フィルター、フェルト様に加工したものを、種々の浄化反応装置に組み込むことが可能であり、従来のシリカ系吸着剤の使用方法と比較して格段の進歩性を有し、種々のガス吸着剤として種々の用途に応用することができる。
更に、本発明のガス吸着剤は、安価な原料を使用し、穏やかな反応条件下、短時間での合成が可能であることから新たな工業用用途への応用も可能である。たとえば、ミクロンサイズの長さを有する繊維状形態を利用して、単独あるいは種々のシリカゲル、ゼオライト、活性炭、あるいは樹脂、塗料、紙等種々の素材と組み合わせることによって、ナノコンポジット吸着剤としての利用が可能である。また、本吸着剤は、VOCばかりでなく、マイクロ孔を通過可能なあらゆる気体分子、例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、フロン、メタン、水素等の吸着・分離剤として適用可能である。
本発明のガス吸着剤は、マイクロ孔とメソ孔を有し、マイクロ孔が1次元チャンネル型メソ孔に連結した細孔構造を持ち、繊維状形態を呈するもので、該マイクロ孔の高吸着能とメソ孔による高拡散能の協調作用により、吸着ガス分子を容易に拡散し、また脱着したガスの回収・再利用が可能であるという特徴を有し、従来のシリカ系ガス吸着剤の吸着・脱着挙動とは全く異なる特性を発現し得るものである。
本発明でいう、「マイクロ孔とメソ孔を有し、マイクロ孔が1次元チャンネル型メソ孔に連結した細孔構造」を図13より説明する。一方向に伸張した六角柱を刳り貫いて形成される中空部分(メソ孔)がシリカ骨格によって取り囲まれ(a)、さらにその基本単位である(a)がハニカム状に規則配列した集合体(b)を1次元チャンネル型メソ孔と言う。図13に示されるように、それぞれのメソ孔はシリカ骨格中を貫通する多数のマイクロ孔(有効径2nm以下の細孔)によって相互に連結され、さらに最も外側に位置するメソ孔はマイクロ孔によって外界と通じている。
本発明で好ましく使用される繊維状シリカ多孔体は、ミクロンオーダーの繊維状の形状を呈すると同時に、直径3〜10nmのメソ孔が規則配列しており、且つメソ孔を連結する2nm以下のマイクロ孔を有していて、そのマイクロ孔が全細孔容積の15〜40%を占めているものである。
本発明の代表的な繊維状シリカ多孔体は図10の様な繊維状形態を有している。さらに、一本の繊維状粒子は、ロッド状粒子が連鎖した繊維状粒子の束状集合体である。
また、本発明の代表的な繊維状シリカ多孔体は、図11に示す様にシャープな細孔径分布を示し、一次粒子内に4〜7nmのメソ孔を有している。また、マイクロ孔の存在を明示するt−プロットは図12に示される。マイクロ孔に吸着した後、メソ孔に吸着することを示す直線部分(A)が存在し、その部分を外捜することによって縦軸との交点からマイクロ孔容積を求めることができる。
さらに、同じ繊維状シリカ多孔体の前駆体の加熱処理速度と到達温度を制御することによって、マイクロ孔容積の異なる一連の繊維状シリカ多孔体を作製することもできる(後記表1)。
一方、マイクロ孔の無いメソ孔多孔体たとえばMCM−41では、図11に示す通り、原点と直線で結ぶことができる領域(B)があり、その後メソ孔に基づく跳ね上がりが認められ、本発明の多孔体と異なることが実証されている。
本発明の繊維状シリカ多孔体においては、BET比表面積500m/g以上で、全細孔容積が0.45ml/g以上を有し、且つ全細孔容積の内15〜40%がマイクロ孔容積であることが好ましい。
殊に、マイクロ孔容積が全細孔容積の内15〜40%であることが重要である。マイクロ孔容積の割合が15%未満であると、マイクロ孔の割合が小さく充分な吸着能が発現し難く、また、40%を超えると、反対に吸着力が強すぎて脱着能の低下の原因となり好ましくない。
また、本発明のシリカ多孔体は、繊維状形態を採るが、走査型顕微鏡によるアスペクト比が3乃至150であり、繊維長は長ければ長いほど好ましいが、通常、5〜3000、好ましくは10〜2000ミクロンメートルであることが望ましい。
また、本発明のシリカ多孔体の中で、ガス破過曲線において破過するまでに明瞭な一定の保持時間が存在し、破過後急峻な立ち上がりを示すものが好ましい。
吸着能は一定濃度のVOCを試料に連続的に流通させて、完全に吸着され濃度がゼロに保持される時間(破過時間)の長さによって評価する(破過曲線の測定)。破過時間が長いほど吸着容量が大きいことになる。また、破過後は吸着することができなくなり、VOC濃度が上昇することになるが、この上昇カーブが急峻な程、吸着されたVOCは粒子内を容易に拡散することができ脱着能が高いことになる。さらに、脱着のし易さは、一旦吸着されたVOCの室温及び昇温条件における脱離量と脱離温度によって評価できる(昇温脱離の測定)。そこで、吸着においては、破過時間と立ち上がりはそれぞれできるだけ長く、上昇カーブが急峻となるような繊維状シリカ吸着剤の合成条件並びにミクロ構造を明らかにする。さらに、脱着においては、室温での脱離量が全脱離量の50%以上で、完全に脱離する温度が160℃以下となる吸着剤を作製することが好ましい。
ここで、「ガス破過曲線」とは、吸着剤に一定濃度のガスを流通させた場合の、流通時間に対する出口濃度の変化を示す連続曲線を意味し、「ガス破過曲線において破過するまでに明瞭な一定の保持時間が存在する」とは、流通開始から一定時間はガスが吸着剤に全て吸着されてガス濃度がゼロの値を示すことを意味する。また、「破過後急峻な立ち上がりを示す」とは、吸着されたガス成分が粒子内を容易に拡散することを意味し、急峻であればあるほど粒子内拡散に優れるといった特性の発現を意味する。
このようなシリカ多孔体は、上記のような特性を有することから、従来公知の吸着剤とは異なり、純粋なシリカ成分から成るにもかかわらず2つの大きさの異なさる細孔の配列構造に起因する高吸着能と高脱着能という吸脱着現象の協調作用を 発揮する。
また、本発明のシリカ多孔体の中でも、「ガス吸着後、40℃の不活性ガス流通下で、全吸着分のうち50%〜97%以上が脱着可能であるもの」が好ましく、更には「ガス吸着後、60℃の不活性ガス流通下で、全吸着分のうち98%以上が脱着可能であるもの」であるものが最も好ましい。
このようなシリカ多孔体は、ガスの回収・再利用を考慮した実用システムの構築に極めて有効な吸着剤として利用可能なことを示すからである。
この場合、「ガス吸着後、毎分10℃昇温下における脱離ピークが120℃以下にあり、脱着完了温度が180℃以下であるもの」を用いることが更に好ましい。
本発明のガス吸着剤は、不燃性、易脱着能によるガスの回収・再利用が可能といった従来のシリカ系吸着剤の利点を有すると共にはさらにミクロンオーダーの繊維状を呈することから、フィルター、フェルト様に加工したものを、種々の浄化反応装置に組み込むことが可能で、従来のシリカ系吸着剤の使用方法と比較して格段の進歩性を有する。さらに、繊維長軸に沿って規則配列した1次元チャンネル状のメソ孔が、マイクロ孔によって連結されていることから、吸着分子を容易に拡散させることが可能で、高吸着能と高脱着能という吸脱着現象の協調作用の発現といった、従来のシリカ系吸着剤の吸着・脱着挙動とは全く異なる特徴を有している。
本発明による繊維状シリカ多孔体は、既に指摘したとおり、ミクロンオーダーの繊維状形態を呈すると同時に、直径4〜7nmの1次元メソ孔が規則配列しており、さらにメソ孔を連結するマイクロ孔が存在することで、両細孔の共存に起因して特徴的な吸着・脱着挙動を示す。
以下に、従来の吸着剤と比較することによって、新規VOC吸着剤に要求される吸脱着性能について記述する。
一般に、多孔性材料は細孔の大きさによって、マイクロ孔多孔体(2nm以下)、メソ孔多孔体(2〜50nm)、マクロ孔多孔体(50nm以上)の3つのタイプに分類される。VOC等の排ガス処理の対象となる分子の大きさはマイクロ孔領域のものが多く、吸着能の観点から、上記したように、活性炭、ゼオライト、さらには表面修飾を施したシリカゲルが使用されている。
VOC等のガスに対して高い吸着能を発揮するためには、細孔表面に何らかの修飾を施さない限りマイクロ孔の存在が必要であった。しかし、マイクロ孔だけでは吸着分子の拡散が抑制され吸着速度が遅すぎたり、脱着時には容易に取り除くことができず再生し難いといった課題がある。吸着剤の再生においては、前期の通りPSA、TSA法があり、いずれも実用装置では吸着部と再生部を用いて、交互に切り替えながら使用するため、吸着剤には高い吸着能と同時に迅速に脱着できることがVOC除去システム構築に当たっては要求される。
例えば、VOCとして最も排出量の多いトルエンの場合、図6、図7の破過曲線から明らかなように、活性炭やSiO/Al3比の小さなY型ゼオライトは破過時間が極めて長く吸着能が高いことが分かる。しかし、一旦破過した後は非常に緩慢にトルエン分子が取り込まれることから、細孔内での拡散速度は極めて遅いことも明らかである。また、図8に示す通り、VOC吸着能の高い吸着剤では、吸着されたトルエンは容易には脱着せず、いずれも再生には250℃以上の高温を必要とする。一方、図7に示す様に、細孔径の小さなゼオライト(H型ZSM−5)では、トルエンを吸着する能力は低く、直ぐに破過した後、極めて緩慢に取り込むにすぎない。さらに、一旦吸着した分子は簡単には脱着せず、180℃でも全量を脱離させることはできない。
また、純粋なシリカゲルにおいては、細孔の大きさによらず、図2に示す様に、破過する時間は短く、マイクロ孔が支配的である程緩慢な上昇カーブを描き、吸着量は多くなる傾向にあるが、吸着能が低いことが克服すべき大きな課題である。しかし、H型ZSM−5やマイクロ孔シリカゲルでは脱着ピークは約120℃以下と低く、吸着能に優れたシリカ系吸着剤が開発できれば、吸着・脱着(再生)の切り替えが素早く行えるVOC除去システムの構築が期待される。
したがって、理想的な吸着剤の要件として、破過時間が長く、細孔内拡散が速いこと、すなわち吸着力が高く、脱着(再生)が容易に行えることが求められる。すなわち、破過曲線図1の破過時間Tが長ければ長いほど吸着力(吸着容量)に優れ、破過後の立ち上がりが急峻であればあるほど粒子内拡散能に優れ脱着し易く再生し易いことになる。さらに、一旦吸着したVOCを昇温下で脱離し、脱離ピーク並びに完全に脱離する温度が低いほど再生し易いことになる。
図1に、本発明に係る繊維状シリカ多孔体吸着剤のトルエンに対する破過曲線を示す。図1から、活性炭や疎水性Y型ゼオライトと比較すると、破過時間は短いが、破過した後の形状は、破過するまで一定の時間を有する他のシリカ系吸着剤(図4)を含め、全く異なる形状を呈し、極めて急激な立ち上がりを示すことが判る。
さらに、図8に示す通り、脱着ピークは他のシリカ系吸着剤と同様120℃前後で、150℃で全量が脱離する。このことは、本繊維状シリカ多孔体が、VOCに対して高い吸着能と共に高い粒子内拡散能を有することを示している。このことは、マイクロ孔が存在しない1次元チャンネルのメソ孔を有する多孔体(MCM−41)の破過曲線である図5と比較すると明瞭である。MCM−41の吸着力は、本繊維状シリカ多孔体と比較すると著しく低く、本繊維状シリカ多孔体の高い吸着能は、マイクロ孔によってもたらされることは明らかである。
本発明の繊維状シリカ多孔体ガス吸着剤が、高い吸着能を有するのはマイクロ孔が存在することに起因し、さらに高い粒子内拡散能はマイクロ孔と連結したメソ孔によって発現すると考えられる。また、メソ孔に対するマイクロ孔の割合を大きくすることは、反応条件を制御するだけでなく、界面活性剤を除去する条件を制御することによっても可能である。例えば、反応混合割合、塩類の添加、反応時間や反応温度の制御、界面活性剤を除去する際の昇温速度と保持処理温度等でマイクロ孔の割合は変化する。また、細孔を金属元素あるいは金属酸化物の形で修飾することで吸着能は著しく向上する。
本発明の繊維状シリカ多孔体からなるガス吸着剤は、ミクロンオーダーの繊維状を呈することから、フィルター、フェルト状に成形可能であり、種々の用途に適用可能である。特に、大きな吸着熱が発生したり、酸化性雰囲気下でのVOC等のガス吸着剤として、活性炭素繊維が適用できないような条件下での使用が可能であり、幅広い用途が期待できる。さらに、細孔表面に遷移金属あるいは貴金属を金属元素あるいは酸化物の形態で高分散に担持することにより、新たな吸着剤の開発が期待される。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されない。
尚、実施例で行った各試験方法は次の方法により行った。
(測定法)
(1)形状:日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM5300を使用し、加速電圧10kV、WD10mmで観察した。
(2)比表面積・細孔径分布:日本ベル製BELSORP28を使用し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線からBET比表面積を求め、細孔径分布はBJH法により解析した。さらに、t−プロット法によりマイクロ孔容積を求めた。
(3)容量法によるトルエン吸着:日本ベル製BELSORP18を使用し、25℃で測定した。
(4)流通式によるトルエン吸着・脱着試験:日本ベル製昇温脱離スペクトル測定装置を使用し、40℃で測定した。Heと、Heで希釈した500ppmのトルエンを共に50sccmで混合し、吸着剤0.05gに流通させて破過曲線を測定し、吸着特性を検討した。さらに、一定時間吸着させた後、Heのみを試料中に導入して脱着させ、強く吸着したトルエンを10℃/分で昇温して脱離スペクトルを測定し、脱着特性を検討した。
(5)X線回折:リガク製ロータフレックスRU−300を使用し、Cu−Kα線源、加速電圧40kV、80mAで測定した。
(7)高分解能電子顕微鏡:HITACHI製HF-2000を使用し、加速電圧200kVで観察した。
(8)電解放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM):日本電子株式会社製JSM−6700Fを使用し、前処理Ptコーティング、加速電圧3kVで測定した。
(実施例1)
2Nの塩酸に溶解したトリブロック共重合体Pluronic P123(PEO20PPO70PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液と、市販のJIS3号珪酸ナトリウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)に水を加え希釈した珪酸ナトリウム水溶液との混合溶液(混合モル比はSiO:Pluronic P123:NaO:HCl:HO=1:0.0169:0.312:5.97:203.97)から繊維状シリカ吸着剤前駆体を作製する。得られた生成固体を600℃に保温した電気炉中に素早く投入し、1時間保持して有機物を除去し繊維状シリカ吸着剤を作製する。また、毎分約10℃で昇温し、所定温度300℃、400℃、500℃、600℃、800℃に到達後さらに各温度で1時間保持して有機物を除去し、マイクロ孔容積の異なる繊維状シリカ吸着剤を作製する。
表1に繊維状シリカ吸着剤の比表面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径と細孔容積を示す。本実施例の繊維状シリカ吸着剤は、加熱処理温度によって均一メソ孔の大きさが小さくなると同時にマイクロ孔容積が減少することが分かる。また、一気に所定温度で加熱した場合と、連続的に昇温して同一の所定温度に到達後同じ時間加熱処理した場合にも細孔特性が異なることが明らかである。このことは、同一合成条件で作製した繊維状シリカ吸着剤前駆体から、加熱処理条件を制御することによって、細孔特性の異なる種々の繊維状シリカ吸着剤が作製できることを示している。さらに、合成条件によって種々の長さ、太さを有する繊維状シリカ吸着剤が得られることから、合成条件と、加熱処理温度との組み合わせによって、多種多様な繊維状シリカ吸着剤が得られることになる。なお、本発明の繊維状シリカ吸着剤のXRD回折パターンの低角領域(1度乃至5度)には3本以上の明瞭なピークが認められ、1次元チャンネル構造のメソ孔が2次元六方晶に規則配列していることを示している。また、生成機構からマイクロ孔はメソ孔を連結し、しかも、破過曲線の形状を比較することによって(図1、図3、図5)、マイクロ孔はメソ孔と外表面を貫通して存在していることが分かる。
流通式吸着装置(日本ベル製TPD装置)を使用して、高純度Heガスと、Heで希釈した500ppmのトルエンを共に流量50sccm流して混合したガスを、40℃に保温した約0.05gの実施例1−1の繊維状シリカ吸着剤に流通させ、トルエンの破過曲線を測定し吸着能を評価した。さらに、破過後にHeのみを流通させ脱着特性を検討した後、脱着に要する加熱温度を明らかにするため昇温脱離スペクトルを測定した。なお、測定に当たって各加熱サンプルは流通式吸着装置にセットし200℃で前処理後、40℃まで降下させ、温度の安定を確認してから破過曲線の測定を開始した。実施例1−1の全吸脱着特性曲線を図1に示す。図中Aが吸着評価領域(破過曲線)で、特に流通する全トルエンを全て吸着し濃度ゼロを保持する時間Tを破過時間と呼ぶ。領域BとCは脱離特性の評価域で、前者は吸着分のうち弱く吸着したトルエン分がHe流通のみで脱離する難易度を示している。領域Cは強く吸着したトルエン分の加熱条件下における脱離スペクトルで、脱離する難易度と脱離量を見積もることができる。なお、図8には、図1のC領域を温度の関数として表示したトルエンの昇温脱離スペクトルを示す。本繊維状シリカ吸着剤はいずれも優れたトルエン吸着能を示し、測定開始からある一定時間トルエンを全て取り込み、この保持時間はマイクロ孔容積が多いほど長い傾向がある。さらに、図9には、トルエン吸着後He流通を行わず、吸着分を昇温下でのみ脱離させた昇温スペクトルを、He流通を行った場合と比較して示す。したがって、面積比から、全VOC吸着量のうち71%は昇温せずにガスパージだけの操作で脱離させることが可能で、本繊維状シリカ吸着剤の再生能が極めて優れていることを示している。
(比較例1)
2種類の市販シリカゲルのトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図2に示す。なお、破過曲線の測定に当たり、マイクロ孔多孔体の方がメソ孔多孔体よりやや破過時間は長いが、純粋なシリカゲルのVOC吸着能はいずれの場合も低く、VOC吸着剤として有用ではないと考えられる。市販シリカゲルをVOC吸着剤として利用するためには、一般に細孔表面を化学修飾し吸着能を高める必要がある。表1に本比較例の多孔体の比表面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径と細孔容積を示す。
(比較例2)
2Nの塩酸に溶解したトリブロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO70PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液と、市販のJIS3号珪酸ナトリウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)に水を加え希釈した珪酸ナトリウム水溶液との混合溶液(混合モル比はSiO:Pluronic P123:NaO:HCl:HO=1:0.0169:0.312:5.97:203.97)から得られた生成固体を、電気炉中600℃で1時間保持して有機物を除去し、ロッド状シリカ多孔体を作製した。ロッド状シリカ多孔体のトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図3に示す。本発明の実施例1の新規VOC吸着剤繊維状シリカは、本比較例の合成ロッド状シリカの連続体であり、両多孔体ともミクロンオーダーの規則配列した1次元メソ孔チャンネル構造を有している。しかし、本比較例のロッド状シリカでは、メソ孔を連結するマイクロ孔が発達しておらず、吸着能が極めて低いことが分かる。このことは、VOC吸着剤としての機能を有するためには、マイクロ孔の存在が必要なことを示している。また、メソ孔に対するマイクロ孔の割合が本新規VOC吸着剤繊維状シリカと同等であれば、ロッド状シリカ多孔体であっても、同様な吸脱着挙動を有することが期待でき、新規VOC吸着剤ロッド状シリカの開発が期待される。表1に本比較例の多孔体の比表面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径と細孔容積を示す。
(比較例3)
12%の硝酸に溶解したトリブロック共重合体Pluronic P104 (PEO27PPO61PEO27) (平均分子量5900、親水部PEO割合40%)(BASF)溶液と、市販のJIS3号珪酸ナトリウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)に水を加え希釈した珪酸ナトリウム水溶液との混合溶液(混合溶液のモル比はSiO:Pluronic P104:NaO:HNO:HO = 1:0.0166:0.312:5.68:196)から得られた、真球状シリカ多孔体のトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図4に示す。合成多孔体はメソ孔とマイクロ孔を有し、破過するまでに短い保持時間が存在し、一定の吸着能を有するものの、粒子内拡散能が極めて低いことが分かる。合成多孔体は、本新規VOC吸着剤繊維状シリカと同様メソ孔とマイクロ孔を有し、しかもマイクロ孔容積が大きく、高い吸着能が期待されるが、吸着能は著しく低い。このことは、本新規VOC吸着剤繊維状シリカが極めて規則的な1次元メソ孔チャンネル構造とメソ孔を連結するマイクロ孔を有するミクロンオーダーの単結晶ロッド粒子の連続体であるのに反し、本比較例の多孔性シリカのメソ孔が1次元チャンネル型ではなく規則性の著しく低い配列構造を持ち、この規則性の低い細孔構造を有する小粒子が集合体して球状となっていることに起因している。すなわち、マイクロ孔への吸着分子を容易に拡散させることのできるミクロンオーダーの1次元チャンネルの存在が、高吸着能と高粒子内拡散能とを同時に発現させる要因である。表1に本比較例の多孔体の比表面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径と細孔容積を示す。
(比較例4)
2Nの塩酸に溶解したトリブロック共重合体Pluronic F88の溶液と、市販のJIS3号珪酸ナトリウムに水を加え希釈した珪酸ナトリウム水溶液との混合溶液(混合溶液のモル比はSiO:Pluronic F88:NaO:HCl:HO=1:0.0064:0.312:5.87:201)から得られた真球状シリカ多孔体のトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図4に示す。本比較例の合成多孔体はマイクロ孔のみを有し、破過するまでに明瞭な経過時間が認められ、比較例1の市販シリカゲルより高い吸着能を有する。このことは、市販シリカゲルの細孔は粒子間間隙に由来し、本比較例のマイクロ孔が粒子内細孔であることに起因すると考えられる。しかし、本新規VOC吸着剤繊維状シリカと比較すると、破過時間は極めて短く、昇温脱離ピークは高温側に認められることから(図8)、吸着能は著しく劣り、しかもマイクロ孔のみを有するため細孔内拡散能が極めて低いことが明瞭である。表1に本比較例の多孔体の比表面積と細孔容積を示す。
(比較例5)
陽イオン型界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、珪酸ナトリウム、硫酸水溶液から成る混合液を水熱処理して作製した、細孔径の異なるMCM−41のトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図5に示す。MCM−41は、本新規VOC吸着剤繊維状シリカと同様1次元メソ孔チャンネル構造を有し、しかもその大きさは小さく2nm程度であるが、トルエン吸着力は極めて低く、昇温脱離ピークを認めることができない(図5)。このことは、本新規VOC吸着剤繊維状シリカの高吸着能がマイクロ孔の存在によってもたらされていることを明示している。表1に本比較例の多孔体の比表面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径と細孔容積を示す。
(比較例6)
市販粒状活性炭のトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図6に示す。吸着力の高さと、吸着容量は他の吸着剤と比較して秀でていることは明白である。しかし、一旦吸着された分子は容易には脱離せず、脱離ピークは150℃で、全量を脱離するには300℃以上の高温を必要とする(図8)。このことは、本新規VOC吸着剤繊維状シリカの脱離が比較的低温で可能なこと、すなわち実際のVOC除去システムを構築するに当たり極めて再生し易いことを示している。表1に本比較例の多孔体の比表面積と細孔容積を示す。
(比較例7)
SiO/Al比の異なる市販Y型ゼオライト及びH型ZSM−5のトルエンに対する全吸脱着特性曲線を図7に示す。Y型ゼオライトの吸着能はSiO/Al比によって著しく左右され、その値が小さいほど吸着能が高く(比較例7−1;SiO/Al比=4.3)、活性炭にも匹敵するが、脱離にはより高温での処理が必要である(図8)。一方、Y型ゼオライトにおいてはSiO分が高くなると(比較例7−2;SiO/Al比=380)、吸着力は著しく低下するが、ZSM−5の場合(比較例7−3)には、SiO分が高いにもかかわらず、細孔径はマイクロ孔領域にあるため、吸着能は高く、破過するまでに短いが一定の経過時間が認められる。しかし、本新規VOC吸着剤繊維状シリカと比較すると、マイクロ孔のみを有するため細孔内拡散能が極めて低いことが明瞭である。表1に本比較例の多孔体の比表面積と細孔容積を示す。
本発明の実施例1−1のVOC吸着剤繊維状シリカの有するトルエン吸脱着特性を示す。 比較例1−1、及び比較例1−2の市販シリカゲルのトルエン吸脱着特性を示す。 比較例2のロッド状シリカのトルエン吸脱着特性を示す。 比較例3及び比較例4の球状シリカのトルエン吸脱着特性を示す。 比較例5−1及び比較例5−2のメソ細孔径の異なる2種類のMCM−41のトルエン吸脱着特性を示す。 比較例6の粒状活性炭のトルエン吸脱着特性を示す。 比較例7−1、比較例7−2、比較例7−3の市販ゼオライトのトルエン吸脱着特性を示す。 実施例1−1並びに代表的な比較例のトルエンの昇温脱離特性スペクトルを示す。 本繊維状シリカVOC吸着剤の再生能の優れていることを明らかにする昇温脱離特性スペクトルである。Aは吸着後Heガス流通を行わず全吸着分を昇温下で脱離させた場合で、BはHeガスを流通させ図8と同様弱く吸着したものを一旦除去した後の昇温スペクトルである。 本繊維状シリカVOC吸着剤(実施例1−1)の走査電子顕微鏡像である。 本繊維状シリカVOC吸着剤(実施例1−1)の細孔径分布を示す。 本繊維状シリカVOC吸着剤(実施例1−1)と比較例5−1(MCM−41)のtプロットであり、マイクロ孔の存在の有無を示す。 本発明に係る、 マイクロ孔とメソ孔を有しマイクロ孔が1次元チャンネル型メソ孔に連結した細孔構造の説明図。

Claims (8)

  1. マイクロ孔とメソ孔を有し、マイクロ孔が1次元チャンネル型メソ孔に連結した細孔構造を持つ繊維状シリカ多孔体から成るガス吸着剤。
  2. 前記繊維状シリカ多孔体が、BET比表面積500m/g以上で、全細孔容積が0.45ml/g以上を有し、且つ全細孔容積の内15〜40%がマイクロ孔容積であることを特徴とする請求項1に記載のガス吸着剤。
  3. 走査型顕微鏡観察によりアスペクト比が3乃至150であって、形状が繊維状であることを特徴とする請求項1または2に記載のガス吸着剤。
  4. ガス吸着後、40℃の不活性ガス流通下で、全吸着分のうち50〜97%が脱着可能であることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のガス吸着剤。
  5. ガス吸着後、60℃の不活性ガス流通下で、全吸着分のうち98%以上が脱着可能であることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のガス吸着剤。
  6. ガス吸着後、毎分10℃昇温下における脱離ピークが120℃以下にあり、脱着完了温度が180℃以下であることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載のガス吸着剤。
  7. ガスが揮発性有機化合物であることを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載のガス吸着剤。
  8. 上記請求項1乃至7何れかに記載の吸着剤を用いて、ガスを吸着させた後、80℃以下の不活性ガス流通下でガスを脱離させ吸着剤の再生を行うことを特徴とするガスの除去方法。
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