JP4639400B2 - 注入可能な多モードポリマーのデポ組成物及びその使用 - Google Patents

注入可能な多モードポリマーのデポ組成物及びその使用 Download PDF

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Description

本願は、2002年7月31日出願の米国仮特許出願番号第60/399832号の利益を主張する。
本発明は一般に、有益な薬剤の制御された持続的放出を提供する、患者の身体内の所望の位置に注入されてインプラントを形成することができるデポ組成物に関する。より具体的には、本発明は、有益な薬剤とポリマーマトリックスとからなるデポ組成物において、当該ポリマーマトリックスが生体分解性(bioerodible)で生体適合性の複数のポリマーを有するものであって、この複数のポリマーの各ポリマーが特定の重量平均分子量を有し;ポリマーマトリックスが、広い分子量分布、好ましくは多様な分子量分布の、複数のポリマーを有する、デポ組成物に関する。このポリマーマトリックスは、このデポ組成物の剪断減粘性(shear thinning)及び注入(injectability)の改善を促進する。本発明はまた、患者に有益な薬剤を投与するためにこのデポ組成物を使用する方法に関する。
生分解性ポリマーは、医療用途において長年にわたって使用されてきた。生分解性ポリマーからなるデバイスの実例としては、縫合糸、外科用クリップ、ステープル、インプラント及び薬物送達システムがある。これらの生分解性ポリマーの多くは、グリコリド、ラクチド、カプロラクトン及びこれらのコポリマーに基づいている。
これらの生分解性ポリマーは、熱可塑性物質の場合があり、このことは、これらのポリマーを加熱して、種々の形状(例えば、繊維、クリップ、ステープル、ピン、フィルムなど)を形成できることを意味する。また、これらのポリマーは、架橋反応によって形成される熱硬化性物質の場合があり、このことは、高温で溶融することも流動性の液体を形成することもない、高分子量物質とする。熱可塑性及び熱硬化性の生分解性ポリマーは、多くの有用な生物医学的用途を有するが、種々の動物(ヒト、動物、鳥類、魚類及び爬虫類を含む)の身体におけるこれらのポリマーの使用に対して、いくつかの重要な制限が存在する。
熱可塑性又は熱硬化性の生分解性ポリマー中に取り込まれた薬物を含む、固体インプラントの薬物送達システムは、広範に首尾よく使用されている。このようなインプラントは、切開を介して身体中に挿入されなければならず、この切開は、時々、医師が所望する大きさよりも大きく、このようなインプラント若しくは薬物送達系を受容する患者にとって時折不本意なものとなっている。以下の特許、米国特許第5456679号;同第5336057号;同第5308348号;同第5279608号;同第5234693号;同第5234692号;同第5209746号;同第5151093号;同第5137727号;同第5112614号;同第5085866号;同第5059423号;同第5057318号;同第4865845号;同第4008719号;同第3987790号及び同第3797492号は、このような薬物送達システムの代表であると考えられ、本明細書中で参照により援用される。これらの特許は、有益な薬剤を送達するための貯蔵デバイス、浸透圧送達デバイス及び拍動性送達デバイスを開示している。
小粒子、ミクロスフィア又はマイクロカプセルとして薬物送達システムを注入することにより、薬物送達システムを埋込みするために必要な切開が回避される。しかし、これらの材料は、生分解性インプラントに対する要求を常に満足させるわけではない。これらの材料は、本来粒子状であり、特定の人工器官に必要とされる構造的一体性を有する連続的フィルムも固体インプラントも形成せず、またこれらの粒子は凝集する傾向があるため、その挙動は予測困難である。かなりの流体の流れがある特定の身体腔(例えば、口腔、歯周ポケット、眼又は膣)中に挿入される場合、これらの小粒子、ミクロスフィア又はマイクロカプセルは、そのサイズの小ささ及び不連続特性に起因して、保持され難い。さらに、合併症が存在する場合、広範な外科的介入なしでマイクロカプセルや小粒子システムを身体から除去することは、固体インプラントを用いた場合よりもかなり困難である。さらに、これらのポリマーから調製され、身体中への放出のための薬物を含むミクロスフィア又はマイクロカプセルの製造、保存及び注入能において、問題を呈する。
当該分野においては、前記の試みに対応して、種々の薬物送達システムが開発されている。以下の特許、米国特許第5990194号;同第5780044号;同第5733950号;同第5620700号;同第5599552号;同第5556905号;同第5278201号;同第5242910号及び同第4938763号;並びにPCT公開WO98/27962号は、代表的なものであると考えられ、本明細書中で参照により援用される。これらの特許は、溶媒及び/又は可塑化剤を使用する、注入可能なインプラントのためのポリマー組成物を開示する。
前述の注入可能なインプラントのためのポリマー調合物は、水性体液中に非常に可溶であるか又は相対的に可溶な溶媒/可塑化剤を使用して、移植部位でのポリマーの迅速な固化(solidification)を促進し、このインプラントからの薬物の拡散を促進している。水溶性ポリマー溶媒を利用するこのようなポリマー性インプラントへの水の迅速な移動は、このインプラントが身体内に配置されて水性体液に曝されると、深刻な問題を呈する。迅速な水の取り込みは、しばしば、サイズ及び形状が非均質な孔構造を有するインプラントを生じる。典型的には、この表面孔が、インプラント表面からインプラント内へと3分の1ミリメートル以上延びた指様孔構造をとり、このような指様孔は、使用環境に対し、インプラント表面で開口する。内部の孔は、より小さく、使用環境中に存在する流体に対して接近しにくい傾向がある。迅速に水を取り込むという特徴は、しばしば、ポリマー調合物からの有益な薬剤の最初の迅速な放出によって明らかになる有益な薬剤の非制御な放出を生じ、これは、インプラントから放出される有益な薬剤の「バースト」に対応する。このバーストによって、全てではないとしても、有益な薬剤の実質的な部分の、非常に短時間(例えば、数時間又は1〜2日間)での放出がしばしば生じる。このような結果は、特に、制御された送達(すなわち、2週間より長いか又は一ヶ月までの期間にわたる、制御された様式での有益な薬剤の送達)が所望される状況、又は治療濃度域(therapeutic window)が狭く、過剰な量の有益な薬剤の放出が処置される被験体に対して有害な結果を生じ得る状況、或いは処置される被験体の身体中において、ホルモンなどの有益な薬剤における自然に生じる毎日のプロフィールを模倣する必要がある状況においては、受容できない。
従って、このようなデバイスが埋込みされる場合、この指様孔により、直ちに、インプラント内部への水性体液の非常に迅速な取り込みが起こって、使用環境への有意な量の有益な薬剤の迅速な溶解及び妨げのない有益な薬剤の拡散を生じさせ、これにより、上述したバースト効果が生じる。
さらに、迅速な水取り込みは、早期にポリマーの沈殿を生じ得、その結果、硬化したインプラント又は硬化した皮を有するインプラントを生じる。有益な薬剤を含むポリマーの内部孔及び内部のかなりの部分は、体液との接触から遮断され、有益な薬剤の放出の有意な減少が、無視できない期間(「ラグタイム」)にわたって生じ得る。このラグタイムは、処置される被験体に対して有益な薬剤の制御された持続的放出を提供する見地から、望ましくない。次いで観察されるのは、埋込み直後の短期間に放出される有益な薬剤のバースト、有益な薬剤が全く又はほとんど放出されないラグタイム、及び有益な薬剤の供給が枯渇するまで連続的に継続される有益な薬剤の送達(バースト後に有益な薬剤が残留すると仮定して)である。
バーストを制御し、有益な薬剤の送達を安定化するための種々のアプローチが記載されている。以下の特許、米国特許第6130200号;同第5990194号;同第5780044号;同第5733950号;同第5656297号;同第5654010号;同第4985404号及び同第4853218号並びにPCT公開WO98/27962号は、代表的なものであると考えられ、本明細書中で参照により援用される。いくつかの成功にもかかわらず、これらの方法は、大多数の有益な薬剤をインプラントによって効果的に送達させる上で、完全に満足のいくものではなかった。
従来の溶媒ベースのデポ調合物が遭遇するさらなる問題は、特により高い分子量のポリマーを使用する場合、注入可能な調合物の粘度が比較的高いため、患者の身体中にこの調合物を導入するために必要な注入力も同様に高いことである(例えば、米国特許第6130200号を参照のこと)。しかし、高粘度のゲルは、注入後及び分配期間の間にデポ調合物の一体性を維持するとともに、ゲル中の有益な薬剤の所望の懸濁特性を促進するためにも望まれる。
この問題を処理するために、当業者は、調合物の全体の粘度を低減する様々な方法を使用してきた(例えば、より低い分子量のポリマーの使用、溶媒に対するポリマーのより低い比率の使用、及び粘度低下を提供する薬剤の使用)。例えば、Dunnらに対する米国特許第5733950号、同第5780044号及び同第5990194号を参照のこと。国際出願WO98/27962号、並びに同時係属中の共有に係る米国仮特許出願番号60/336254号及び同60/336307号は、ゲルの剪断減粘性及びより受容可能な注入能を提供するチキソトロピックゲル調合物の形成を記載している。それは、ゲルをシリンジから排出するのに必要な注入力がより低く、他の方法で要求されるよりも小さい針を使用することによって、被験体に実質的に不快感を及ぼす可能性を低減するものである。
いくつかの成功にもかかわらず、前述のシステムは、完全に満足のいくものではなかった。例えば、これらのアプローチは、薬物粒子の沈殿;より高い初期放出バースト;比較的大量(例えば、調合物の全重量の約3分の1)の乳化剤;溶媒揮発性に関する製造上の問題;使用される溶媒/乳化剤によるタンパク質及びペプチド薬物の変性などを生じ得る。さらに、生体分解性ポリマーが低分子量を有するという要求は、製造の見地から非常に限定的である。
特定のシステムにおいて、適切なポリマー溶媒中に溶解された、複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを有するポリマーマトリックスを含有するデポ組成物であって、当該複数のポリマーにおける各ポリマーが、特定の重量平均分子量を有し;当該ポリマーマトリックスが、広い分子量分布の複数のポリマー(例えば、高分子量、中分子量及び低分子量のポリマーの多様な分布)を有する、デポ組成物が、前述のデポゲル調合物と比較して、実質的に有意に改善された剪断減粘性及びさらに低減された注入力を示すデポ組成物となることが見い出された。このデポ組成物は、非ニュートン流動、すなわち、狭い範囲の分子量分布(例えば、中分子量ポリマーの単一モード分布)を有する先に開示したデポ調合物と比較して、より低い剪断速度での剪断減粘性を示し、それ故、使用時に被験体にとって過度に不快ではないゲージを有する針によって容易に注入可能なデポ組成物が得られる。
本発明は、当該分野における前述の要求に向けられたものであり、改善された剪断減粘性挙動を示し、それによって、さらに低減された注入力及び小さい直径(例えば、16ゲージ以上)の針の使用を可能にする、注入可能なデポ組成物を提供するものである。特に、この注入可能なデポ組成物は、有益な薬剤の沈殿を生じることなく、デポ組成物の剪断減粘性挙動及び組成の均質性を増大させる。この組成物は、任意の初期バースト効果を制限しながら、有益な薬剤の持続的放出を提供し、ポリマー/溶媒比及び生体分解性ポリマーの分子量に関する組成物の柔軟性を増大させる。本発明のデポ組成物は、有益な薬剤のインビボでの放出プロフィールを損なわずに、注入力を有意に低減させる。
従って、本発明は、1つの態様において、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける各ポリマーが、特定の重量平均分子量を有し;当該複数のポリマーの広い分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒と、
(c)当該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
好ましい実施形態において、このポリマーマトリックスは、当該複数の生体分解性で生体適合性のポリマーにおける、多モードの分子量分布を有しており、当該複数のポリマーにおける第一のポリマーは低分子量(LMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーにおける第二のポリマーは高分子量(HMW)ポリマーであり;任意に、当該複数のポリマーにおける第三のポリマーは中分子量(MMW)ポリマーである。好ましくは、このポリマーマトリックスは、2以上;好ましくは2.5以上の多分散性を有する。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの2モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒であって、芳香族アルコールである溶媒と、
(c)当該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの広い多モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒であって、芳香族アルコールである溶媒と、
(c)当該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの2モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する芳香族アルコールであって、構造式(I):
Ar−(L)−OH (I)
(式中、Arは置換若しくは非置換のアリール基又はヘテロアリール基であり、nは0又は1であり、Lは連結部分である)を有する芳香族アルコールと、
(c)当該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの広い多モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する芳香族アルコールであって、構造式(I):
Ar−(L)−OH (I)
(式中、Arは置換若しくは非置換のアリール基又はヘテロアリール基であり、nは0又は1であり、Lは連結部分である)を有する芳香族アルコールと、
(c)このゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの2モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒であって、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒と、
(c)当該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの広い多モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒であって、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒と、
(c)当該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの2モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)芳香族アルコール、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒であって、25℃で7%以下の水中での混和性を有し、当該ポリマーを可塑化して、このポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量で存在する、溶媒と、
(c)このゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーであり;当該複数のポリマーの広い多モードの分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)芳香族アルコール、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒であって、25℃で7%以下の水中での混和性を有し、当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量で存在する、溶媒と、
(c)このゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含む、注入可能なデポ組成物に向けられる。
次いで、1つの態様において、本発明は、注入可能なデポ組成物は、
(a)複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、当該複数のポリマーにおける各ポリマーが、特定の重量平均分子量を有し;当該複数のポリマーの広い分子量分布を有する、ポリマーマトリックスと、
(b)当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量の、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒と、
(c)このゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤と
を含み、単一モード/狭い分子量分布を有する生体分解性で生体適合性のポリマーを有するデポ組成物と比較して、低減した注入力を有する、注入可能なデポ組成物に向けられる。
別の態様において、本発明は、被験体に有益な薬剤を局所投与又は全身投与する方法において、当該有益な薬剤と;複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、当該複数のポリマーにおける各ポリマーが特定の重量平均分子量を有して、当該複数のポリマーによる広い分子量分布を有しており、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり、複数のポリマーの第二におけるポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり、任意に、複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーである、ポリマーマトリックスと;芳香族アルコール、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒であって、25℃で7%以下の水中での混和性を有し、当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量で存在する溶媒とを含む組成物を、被験体の身体表面の直下に埋込みするステップを含む方法を包含する。
別の態様において、本発明は、被験体に有益な薬剤を局所投与又は全身投与する方法であって、この有益な薬剤と;複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、当該複数のポリマーにおける各ポリマーが特定の重量平均分子量を有して、当該複数のポリマーによる広い分子量分布を有し、複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり、複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり、任意に、複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーである、ポリマーマトリックスと;芳香族アルコール、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒であって、25℃で7%以下の水中での混和性を有し、当該ポリマーを可塑化して、ポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量で存在する溶媒とを含む組成物を、被験体の身体の表面下に埋込みするステップを含む方法を包含する。
好ましい実施形態において、このポリマーマトリックスは、複数の生体分解性で生体適合性のポリマーであって、当該複数のポリマーにおける各ポリマーが特定の重量平均分子量を有して、当該ポリマーマトリックスが、当該複数のポリマーによる広い分子量分布を有しており、この複数のポリマーにおける第一のポリマーは、約3,000〜約10,000の重量平均分子量を有する低分子量(LMW)ポリマーであり、この複数のポリマーにおける第二のポリマーは、30,000〜約250,000の重量平均分子量を有する高分子量(HMW)ポリマーであり、任意に、この複数のポリマーにおける第三のポリマーは、約10,000〜約30,000の間の重量平均分子量を有する中分子量(MMW)ポリマーである、複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含む。
好ましくは、このポリマーマトリックスは、約0重量%〜約95重量%の低分子量(LMW)ポリマー、好ましくは約20重量%〜約90重量%の低分子量(LMW)ポリマー、より好ましくは約30重量%〜約80重量%の低分子量(LMW)ポリマー、より好ましくは約40重量%〜約75重量%の低分子量(LMW)ポリマーと;約0重量%〜約95重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約0重量%〜約70重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約0重量%〜約50重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約5重量%〜約40重量%の高分子量(HMW)ポリマー、より好ましくは約10重量%〜約30重量%の高分子量(HMW)ポリマー、より好ましくは約15重量%〜約25重量%の高分子量(HMW)ポリマーと;約0重量%〜約95重量%の中分子量(MMW)ポリマー、好ましくは約20重量%〜約90重量%の中分子量(MMW)ポリマー、より好ましくは約30重量%〜約80重量%の中分子量(MMW)ポリマー、より好ましくは約40重量%〜約60重量%の中分子量(MMW)ポリマーとを含む。
好ましい実施形態において、このポリマーには限定的ではないが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ無水物、ポリアミン、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリホスホエステル、ポリオキサエステル、ポリオルトカーボネート、ポリホスファゼン、スクシネート、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、並びにこれらのコポリマー、ターポリマー及び混合物が含まれ:より好ましくは、このポリマーは、ポリラクチド、すなわち、乳酸のみに基づくか、又は乳酸とグリコール酸とに基づくコポリマーである、乳酸ベースのポリマーであり、これは、本発明に従って達成され得る有利な結果に実質的に影響を与えない、少量の他のコモノマーを含み得る。
好ましくは、この溶媒は、芳香族アルコール、芳香族酸のエステル、及びこれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、このシステムは、被験体において埋込み後の最初の24時間以内に、粘性ゲル中に存在する有益な薬剤の40重量%以下を放出する。より好ましくは、30重量%以下の有益な薬剤が、埋込み後の最初の24時間以内に放出され、この埋込みされた組成物は、12以下、好ましくは8以下のバースト指数を有する。
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は、図面と合わせて以下の詳細な説明を読めば、より容易に理解される。
(概説及び定義)
本発明は、患者の身体への注入後に、埋込み式徐放性有益薬剤送達システムとして作用する、注入可能なデポ組成物に関する。特に、本発明は、改善された剪断減粘性挙動及び低い注入力を示す、注入可能なデポ組成物に関する。本発明はまた、患者に有益な薬剤を投与するために、この注入可能なデポ組成物を使用する方法に関する。
この注入可能なデポ組成物は、複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、当該複数のポリマーにおける各ポリマーが特定の重量平均分子量を有し、当該複数のポリマーの広い分子量分布を有するポリマーマトリックスと、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒と、有益な薬剤とから形成されたゲルである。好ましい実施形態において、このポリマーマトリックスは、当該複数のポリマーの多モードの分子量分布を有し;この複数のポリマーにおける第一のポリマーが低分子量(LMW)ポリマーであり;この複数のポリマーにおける第二のポリマーが高分子量(HMW)ポリマーであり;任意に、この複数のポリマーにおける第三のポリマーが中分子量(MMW)ポリマーである。さらなる実施形態において、このポリマーマトリックスは、低分子量(LMW)ポリマー、高分子量(HMW)ポリマー及び中分子量ポリマー(MMW)から選択される複数のポリマーの2モードの分子量分布を有する。
いくつかの実施形態においては、インプラントシステムからの所望の放出プロフィールを提供するために、孔形成剤及び有益な薬剤の溶解性調節剤を、本発明の有益な態様を変化させない一般的な薬学的賦形剤及び他の添加剤と共に、このインプラントシステムに添加することができる。
狭い範囲の分子量分布、通常1モードの分子量分布を有する、以前に記載されたデポゲル調合物は、ニュートン流動を示す。これらの調合物は、高粘度であり、高い剪断応力でその粘性を維持するので、これらの調合物を注入することは困難である。本明細書中で記載されるような、広い範囲の分子量分布を有するデポゲル組成物は、以前に記載されたデポゲル調合物よりも低い剪断速度で、非ニュートン流動(剪断減粘性)を示すことが見出された。特に、これらのデポゲル組成物を、注入の間などで、高い剪断応力に付すると、この組成物の粘性は、かなり減少し、改善された注入能が得られる。さらに、これらのデポゲル組成物は、剪断減粘性挙動を促進し、有益な薬剤の制御された徐放速度に影響を与えることも、望しくないバースト効果を伴うこともなしに、注入力を有意に低減させる。本明細書中でより詳細に記載されるように、この注入力は、以前に記載されたデポ組成物と比較して、約30〜40%低減される(例えば、本明細書中以下でより詳細に記載される、実施例11及び13〜18、並びに図1及び3〜12を参照のこと)。
この組成物は、インプラントシステムを取り囲む水性の環境からの水の移動を制限することによって、有益な薬剤の持続的な放出を提供するため、長期間にわたって有益な薬剤を送達する。水の取り込みは、水不混和性の溶媒によって制御される。この組成物のポリマーは生体分解性なので、このインプラントシステムは、有益な薬剤をインプラントから使い果たした後に、外科的に除去する必要がない。
一般に、本発明の組成物はゲル様であり、それが硬化するときでさえ、埋込み時及び薬物送達の間、インプラント全体にわたって実質的に均質な非多孔性構造を形成する。さらに、このポリマーゲルインプラントは、水性環境に付されるとゆっくりと硬化し、硬化したインプラントは、37℃より低いガラス転移温度Tを有する、弾性の(非剛性の)組成を維持することができる。
さらに、デポ組成物のポリマーマトリックス内の高分子量(HMW)ポリマーは、一般に、溶媒がこのデポ組成物を出るとより速く硬化し、有益な薬剤の拡散障壁の形成を促進する可能性がある。従って、デポゲル組成物は、望ましくないバースト効果を伴わずに、このデポ組成物からの有益な薬剤の制御された徐放を提供する。
本明細書中の好ましい組成物は、水中に有益な薬剤を飽和させるのに必要なレベルを上回るレベルで、有益な薬剤がポリマーの内部に充填されるのを可能にするため、有益な薬剤の零次放出を容易にする。さらに、好ましい組成物は、37℃未満のガラス転移温度を有する粘性ゲルを提供することができ、その結果、このゲルは、埋込み後24時間以上の期間、非剛性のままである。
本発明を記載し特許請求する際に、以下の用語法が、以下に示される定義に従って使用される。
単数形「1つの」(「a」、「an」及び「the」)は、文脈が明確にそうでないと指示しない限り、複数形の対象を含む。従って、例えば、「(1つの)溶媒(a solvent)」に対する言及は、単一の溶媒のみならず2つ以上の異なる溶媒の混合物をも含み、「(1つの)有益な薬剤(a beneficial agent)」に対する言及は、単一の有益な薬剤のみならず、2つ以上の異なる有益な薬剤の組み合わせをも含み、「(1つの)芳香族アルコール(an aromatic alcohol)」に対する言及は、単一の芳香族アルコールのみならず、2つ以上の異なる芳香族アルコールの混合物を含む。
用語「有益な薬剤」は、単独か、他の薬学的賦形剤若しくは不活性成分との組み合わせかにかかわらず、ヒト又は動物への投与の際に、所望の有益な効果、しばしば薬学的な効果をもたらす薬剤を意味する。
本明細書中で使用する場合、用語「ポリヌクレオチド」とは、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのいずれかの、任意の長さの高分子形態のヌクレオチドをいい、二本鎖及び一本鎖のDNA及びRNAを含む。またこの用語は、当該分野で知られている既知の形態での改変、置換及びヌクレオチド間改変も含む。
本明細書中で使用する場合、用語「組換えポリヌクレオチド」とは、その起源又は操作によって、本来付随するポリヌクレオチドの全て又は一部と付随していないか;本来連結されるポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドに連結されているか;或いは本来存在しない、ゲノム、cDNA、半合成又は合成起源のポリヌクレオチドをいう。
本明細書中で使用する場合、用語「ポリペプチド」とは、例えば、ペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質、並びにそれらの誘導体、アナログ及びフラグメント、そして当該分野で公知の他の改変を含む、天然に存在するもの及び天然に存在しないものの両方の、アミノ酸のポリマーをいう。
本明細書中で使用する場合、用語「精製(された)」及び「単離(された)」は、ポリペプチド配列又はヌクレオチド配列に言及する場合、示された分子が、同じタイプの他の生物学的高分子が実質的に存在しない状態で存在することを意味する。用語「精製(された)」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%の、同じタイプの生物学的高分子が存在することを意味する。
用語「AUC」は、組成物の埋込み時から埋込み後の時間「t」までを測定した場合に、時間に対して被験体における有益な薬剤の血液血漿濃度をプロットすることによって被験体におけるインビボアッセイから得られた曲線下の面積を意味する。この時間tは、被験体に対する有益な薬剤の送達期間に対応する。
有益な薬剤の全身送達のために意図された特定の組成物に関して、用語「バースト指数」は、(i)最初の期間中の時間数(t)によって除算した、被験体への組成物の埋込み後の最初の期間について計算したAUCを、(ii)送達期間の合計持続期間中の時間数(t)によって除算した、有益な薬剤の送達期間について計算したAUCによって除算することにより形成された指数を意味する。例えば、24時間でのバースト指数は、(i)数24によって除算した、被験体への組成物の埋込み後の最初の24時間について計算したAUCを、(ii)送達期間の合計持続期間中の時間数によって除算した、有益な薬剤の送達期間について計算したAUCによって除算することによって形成された指数である。
句「溶解又は分散された」は、ゲル組成物中で有益な薬剤の存在を確立する全ての手段を包含することを意図し、溶解、分散、懸濁などを含む。
被験体への有益な薬剤の送達又は投与に関して、用語「全身(的)」は、この有益な薬剤が、被験体の血漿において生物学的に有意なレベルで検出可能であることを意味する。
被験体への有益な薬剤の送達又は投与に関して、用語「局所(的)」は、この有益な薬剤が、被験体の局所的な部位に送達されるが、被験体の血漿において生物学的に有意なレベルで検出不能であることを意味する。
用語「ゲルビヒクル」は、有益な薬剤の不在下で、ポリマーと溶媒との混合によって形成される組成物を意味する。
用語「長期間」は、本発明のインプラントから有益な薬剤の放出される期間を意味し、一般に、約1週間以上、好ましくは約30日以上である。
本発明の特定の組成物に関して、用語「初期バースト」は、(i)埋込み後の所定の初期の期間に組成物から放出された有益な薬剤の重量を、(ii)埋込みされた組成物から送達されるべき有益な薬剤の総量で除算することによって得られた指数を意味する。この初期バーストは、インプラントの形状及び表面積に依存して変動し得ることが理解される。従って、本明細書中に記載される初期バーストに関連する百分率及びバースト指数は、標準的なシリンジからの組成物の分配により生じる形態で試験した組成物に適用されることが意図される。
有益な薬剤に関して、用語「溶解調節剤」は、ポリマー溶媒又は水に関して、この調節剤の不在下での有益な薬剤の溶解性から、この有益な薬剤の溶解性を変更させる薬剤を意味する。この調節剤は、溶媒又は水中の有益な薬剤の溶解性を増強又は遅延させることができる。しかし、高度に水溶性の有益な薬剤の場合、この可溶性調節剤は、一般に、水中での有益な薬剤の可溶性を遅延させる薬剤である。この有益な薬剤の溶解調節剤の効果は、例えば、複合体の形成による、溶媒又は有益な薬剤自体との、或いはこれら両方との溶解調節剤の相互作用から生じ得る。本明細書の目的のために、溶解調節剤が有益な薬剤と「会合」する場合、生じ得る全てのこのような相互作用又は形成が意図される。溶解調節剤は、適切な場合には、粘性ゲルとの組み合わせの前に有益な薬剤と混合したり、有益な薬剤の添加の前に粘性ゲルに添加することができる。
本発明の組成物の投与に関して、用語「被験体」及び「患者」は、動物又はヒトを意味する。
全ての溶媒は、少なくとも分子レベルでは、ある非常に限定された程度まで水溶性(すなわち、水と混和性)であるので、用語「不混和性」は、本明細書中で使用する場合、7%以下、好ましくは5重量%以下の溶媒が、水溶性又は水と混和性であることを意味する。本開示の目的のために、水中での溶媒の溶解性の値は、25℃で決定されるものとする。報告された溶解性の値は、常に同じ条件で実施されるわけではないことが一般に認識されるので、範囲又は上限の一部としての、水と混和性又は水溶性の重量%として本明細書中に引用される溶解性の限定は、絶対的でなくてもよい。例えば、水中での溶媒溶解性に対する上限が「7%」として本明細書中に引用され、溶媒に対するさらなる限定が規定されていない場合、水中での溶解性が100mlの水中7.17gであると報告された溶媒「トリアセチン」は、7%の限定内に含まれるとみなされる。本明細書中で使用される場合、7%以下の水中での溶解性限界は、溶媒トリアセチン又はトリアセチン以上の水中での溶解性を有する溶媒を含まない。
用語「生体分解性」とは、in situで徐々に分解、溶解、加水分解及び/又は侵食する物質をいう。一般に、本明細書中の「生体分解性」ポリマーは、加水分解可能であり、in situで主に加水分解を介して生体分解するポリマーである。
用語「多分散性」とは、数平均分子量(M)によって除算した重量平均分子量(M)の指数(M/M)をいう。
用語「広い分子量分布」とは、複数のポリマーからなるポリマー組成物であって、2より大きい多分散性、好ましくは2.5以上の多分散性を有するポリマー組成物を意味する。
用語「狭い分子量分布」とは、2未満の多分散性指数を有するポリマー組成物をいう。
本明細書中で使用する場合、用語「多モードのポリマーマトリックス」とは、複数のポリマーからなるポリマーマトリックスであって、多モード分布の分子量を有する、マトリックスを意味し、このポリマーマトリックス内の各ポリマーは、広い分子量分布又は狭い分子量分布を有することができる。一般に、多相のポリマーマトリックスは、分子量分布プロット(横座標上に頻度、縦座標上に分子量)上に1つより多いピークを有する(例えば、図2を参照のこと)。例えば、多モードポリマーマトリックスは、複数のポリマー(例えば、HMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGA)を含み、2.34の分子量分布(M/M)を有する。
用語「2モードのポリマーマトリックス」とは、複数のポリマーからなるポリマーマトリックスであって、2モード分布の分子量を有するマトリックスを意味し、このポリマーマトリックス内の各ポリマーは、広い分子量分布又は狭い分子量分布を有することができる。一般に、2モードポリマーマトリックスは、分子量分布プロット(横座標上に頻度、縦座標上に分子量)上に2つのピークを有する(例えば、図2を参照のこと)。例えば、2モードポリマーマトリックスは、複数のポリマー(例えば、LMW PLGAと共にHMW PLGA RG503)を含み、2.75の分子量分布(M/M)を有する。
用語「単一モードポリマーマトリックス」及び「1モードポリマーマトリックス」は、相互に交換可能に使用され、単一モードで狭い分布の分子量を有するポリマーマトリックスをいう。一般に、1モードポリマーマトリックスは、分子量分布プロット(横座標上に頻度、縦座標上に分子量)上に単一のピークを有する(例えば、図2を参照のこと)。例えば、1モードポリマーマトリックスは、MMW PLGA RG502のようなポリマーを含み、1.90の分子量分布(M/M)を有する。
用語「低分子量(LMW)ポリマー」とは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される、約3000〜約10,000;好ましくは約3000〜約9,000;より好ましくは約4000〜約8,000の範囲の重量平均分子量を有する、生体適合性で生体分解性のポリマーをいい;より好ましくは、この低分子量ポリマーは、約7000、約6000、約5000、約4000及び約3000の分子量を有する。
用語「中分子量(MMW)ポリマー」とは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される、約10,000〜約30,000;好ましくは約12,000〜約20,000;より好ましくは約14,000〜約18,000の間の範囲の重量平均分子量を有する、生体適合性で生体分解性のポリマーをいい;より好ましくは、この中分子量ポリマーは約14,000、約15,000、約16,000、約17,000及び約18,000の分子量を有する。好ましい実施形態において、MMWポリマーはPLGA RG502である。
用語「高分子量(HMW)ポリマー」とは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される、30,000より大きい;好ましくは約30,000〜約250,000;より好ましくは約30,000〜約120,000の重量平均分子量を有する、生体適合性で生性のポリマーをいう。好ましい実施形態において、HMWポリマーはPLGA RG503である。
本発明のポリマー、溶媒及び他の薬剤は、「生体適合性」でなければならない。すなわち、これらは、使用環境において刺激も壊死も引き起こしてはならない。使用環境は、流体環境であり、ヒト若しくは動物の、皮下、筋内、脈管内(高い/低い流れ)、心筋内、外膜、腫瘍内又は脳内の部分、創傷部位、狭い関節空間或いは身体腔を含む。
用語「チキソトロピック」は、その従来の意味で使用されて、剪断力のような機械的力の適用の際に、液化し得るか又は少なくとも見かけ粘度の低減を示す、ゲル組成物を意味する。低減の程度は、一部、剪断力に供される場合のゲルの剪断速度の関数である。剪断力が除去されると、チキソトロピックゲルの粘度は、剪断力に付される前に示していた粘度又はそれに近い粘度まで戻る。従って、チキソトロピックゲルは、シリンジから注入される場合に、注入プロセスの間にその粘度を一時的に低減させる剪断力に付すことができる。注入プロセスが完了すると、この剪断力は除去され、ゲルはその以前の状態に非常に近い状態にまで戻る。
「チキソトロピック剤」は、本明細書中で使用する場合、これを含む組成物のチキソトロピーを増大させ、剪断減粘性を促進し、低減した注入力の使用を可能にする薬剤である。
以下の定義は、本明細書中に記載される分子構造に適用される:
本明細書中で使用する場合、句「式…を有する」又は「構造…を有する」は、限定することを意図せず、用語「含む」を一般に使用するのと同じように使用される。
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用する場合、必ずしも含まなくともよいが、通常は1個〜約30個の炭素原子を含む、飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシルなど)並びにシクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む)を意味する。再度必ずしもそうでなくともよいが、通常、本明細書中のアルキル基は、1個〜約12個の炭素原子を含む。用語「低級アルキル」は、1個〜6個の炭素原子、好ましくは1個〜4個の炭素原子のアルキル基を意図する。「置換アルキル」とは、1つ又は複数の置換基で置換されたアルキルをいい、用語「ヘテロ原子含有アルキル」及び「ヘテロアルキル」とは、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルキルをいう。他に示されない限り、用語「アルキル」及び「低級アルキル」には、直鎖、分枝鎖、環状、非置換、置換及び/又はヘテロ原子含有のアルキル又は低級アルキルが含まれる。
用語「アリール」は、本明細書中で使用される場合、他の意味で特定されない限り、単一の芳香族環、又は一緒に融合したか、共有結合されたか、若しくは一般的な基(例えば、メチレン部分又はエチレン部分)に連結された複数の芳香族環を含む、芳香族置換基をいう。好ましいアリール基は、1つの芳香族環又は2つの融合若しくは連結された芳香族環(例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノンなど)を含み、最も好ましいアリール基は、単環式である。「置換アリール」とは、1つ又は複数の置換基で置換されたアリール部分をいい、用語「ヘテロ原子含有アリール」及び「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアリールをいう。他に示されない限り、用語「アリール」には、ヘテロアリール基、置換アリール基及び置換へテロアリール基が含まれる。
用語「アラルキル」とは、アリール基で置換されたアルキル基をいい、このアルキル及びアリールは、上記定義の通りである。用語「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基をいう。他に示されない限り、用語「アラルキル」には、ヘテロアラルキル基及び置換アラルキル基、並びに非置換アラルキル基が含まれる。一般に、本明細書中の用語「アラルキル」とは、アリール置換された低級アルキル基、好ましくはフェニル置換された低級アルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピルなど)をいう。
「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル基」におけるような用語「ヘテロ原子含有」とは、1つ又は複数の炭素原子が、炭素以外の原子(例えば、窒素、酸素、硫黄、リン又はケイ素)で置き換えられた、分子又は分子フラグメントをいう。同様に、用語「複素環式」とは、ヘテロ元素含有の環状置換基をいい、例えば用語「ヘテロアリール」とは、ヘテロ原子含有のアリール置換基をいう。
「置換アルキル」、「置換アリール」などにおけるような「置換」は、上記定義のいくつかで述べるように、アルキル基又はアリール基において、それぞれ、炭素原子に結合した少なくとも1つの水素原子が、1つ又は複数の非妨害置換基(例えば、ヒドロキシル、アルコキシ、チオ、アミノ、ハロなど)で置き換えられていることを意味する。
I.注入可能なデポ組成物
上記のように、長期間にわたる有益な薬剤の送達のための注入可能なデポ組成物は、被験体へのデポ組成物の注入の前に、粘性ゲルとして形成することができる。この粘性ゲルは、分散された有益な薬剤を支持して、有益な薬剤の適切な送達プロフィールを提供し、これには、このデポ組成物から有益な薬剤が経時的に放出される場合に、低い初期バーストのものが含まれる。
代表的には、この粘性ゲルは、有益な薬剤−粘性ゲル組成物を予め充填した標準的な皮下注射用シリンジから注入されて、デポを形成する。注入が皮膚を介して皮下組織へとなされる場合、被験体にとっての不快を低減するために、最小のサイズの針(すなわち、最小の直径)を使用して注入がなされることが、しばしば好ましい。16ゲージ以上、好ましくは20ゲージ以上、より好ましくは22ゲージ以上、さらにより好ましくは24ゲージ以上の範囲の針を介してゲルを注入できることが所望される。高い粘性のゲル(すなわち、約200ポイズ以上の粘度を有するゲル)を用いる場合、20〜30ゲージの範囲の針を有するシリンジからゲルを分配するための注入力は、手動で行われる場合には、注入を困難にするか合理的に不可能にするほど高いことがある。同時に、ゲルの高い粘性は、注入後及び分配期間の間にデポの一体性を維持するために望まれ、また、ゲル中の有益な薬剤の所望の懸濁特性を容易にする。
本明細書中に記載されるデポゲル組成物は、剪断力に付される場合に、低減された粘性を示す。この低減の程度は、一部、剪断力に付される場合のゲルの剪断速度、ポリマーの分子量及びポリマーマトリックスの多分散性に依存する。剪断力が除去されると、デポゲル組成物の粘度は、剪断力に付される前に示していた粘度又はそれに近い粘度にまで戻る。従って、このゲルデポ組成物は、シリンジから注入される場合、注入プロセスの間にその粘度を一時的に低減させる剪断力に付される。注入プロセスが完了すると、剪断力は除去され、ゲルは、その以前の状態に非常に近い状態にまで戻る。
A.生体分解性で生体適合性のポリマー
本発明の方法及び組成物と関連において有用なポリマーは、生体分解性、すなわち、患者の身体の水性流体内で、徐々に加水分解するか、溶解するか、物理的に侵食するか、又は他の形態で崩壊する。一般に、これらのポリマーは、加水分解又は物理的侵食の結果として生体分解するが、主な生体分解プロセスは、代表的には加水分解である。
このようなポリマーには、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ無水物、ポリアミン、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリホスホエステル、ポリオキサエステル、ポリオルトカーボネート、ポリホスファゼン、スクシネート、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、並びにこれらのコポリマー、ターポリマー及び混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明で好ましいポリマーは、ポリラクチド、すなわち、乳酸のみに基づくか、又は乳酸とグリコール酸とに基づくコポリマーである、乳酸ベースのポリマーであり、これには本発明に従って達成され得る有利な結果に実質的に影響を与えない少量の他のコポリマーを含んでもよい。本明細書中で使用する場合、用語「乳酸」は、異性体であるL−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸及びラクチドを含み、一方、用語「グリコール酸」は、グリコリドを含む。一般に「PLGA」と称されるポリ(ラクチド−co−グリコリド)コポリマーが最も好ましい。このポリマーは、約100:0〜約15:85、好ましくは約75:25〜約30:70、より好ましくは約60:40〜約40:60の乳酸/グリコール酸のモノマー比を有することができ、特に有用なコポリマーは、約50:50の乳酸/グリコール酸のモノマー比を有する。
先行技術のポリマーベースの注入可能なデポとは対照的に、本発明は、複数の生体分解性で生体適合性のポリマーを含むポリマーマトリックスであって、この複数のポリマーにおける各ポリマーが特定の重量平均分子量を有し、当該複数のポリマーの広い分子量分布を有するポリマーマトリックスの使用を可能にする。好ましい実施形態において、このポリマーマトリックスは、複数のポリマーの多モードの分子量分布を有し、複数のポリマーにおける第一のポリマーは低分子量(LMW)ポリマーであり;複数のポリマーにおける第二のポリマーは高分子量(HMW)ポリマーであり;任意に、複数のポリマーにおける第三のポリマーは中分子量(MMW)ポリマーであり;各ポリマーは、少なくとも2の多分散性を有する。好ましくは、このポリマーマトリックスは、約0重量%〜約95重量%の低分子量(LMW)ポリマー、好ましくは約20重量%〜約90重量%の低分子量(LMW)ポリマー、より好ましくは約30重量%〜約80重量%の低分子量(LMW)ポリマー、より好ましくは約40重量%〜約75重量%の低分子量(LMW)ポリマーと;約0重量%〜約95重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約0重量%〜約70重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約0重量%〜約50重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約5重量%〜約40重量%の高分子量(HMW)ポリマー、より好ましくは約10重量%〜約30重量%の高分子量(HMW)ポリマー、より好ましくは約15重量%〜約25重量%の高分子量(HMW)ポリマーと;約0重量%〜約95重量%の中分子量(MMW)ポリマー、好ましくは約20重量%〜約90重量%の中分子量(MMW)ポリマー、より好ましくは約30重量%〜約80重量%の中分子量(MMW)ポリマー、より好ましくは約40重量%〜約60重量%の中分子量(MMW)ポリマーとを含む。
この低分子量(LMW)生体分解性ポリマーは、約3000〜約10,000;好ましくは約3000〜約9,000;より好ましくは約4000〜約8,000の範囲の重量平均分子量を有し;より好ましくは、この低分子量ポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される、約7000、約6000、約5000、約4000及び約3000の分子量を有する。
この中分子量(MMW)生体分解性ポリマーは、約10,000〜約30,000;好ましくは約12,000〜約20,000;より好ましくは約14,000〜約18,000の間の範囲の重量平均分子量を有し;より好ましくは、この中分子量ポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される、約14,000、約15,000、約16,000、約17,000及び約18,000の分子量を有する。好ましい実施形態において、MMWポリマーはPLGA RG502である。
この高分子量(HMW)生体分解性ポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される、30,000より大きく;好ましくは約30,000〜約250,000であり;より好ましくは約30,000〜約120,000である重量平均分子量を有する。好ましい実施形態において、HMWポリマーはPLGA RG503である。
上記の米国特許第5242910号に示されるように、このポリマーは、米国特許第4443340号の教示に従って調製することができる。また、乳酸ベースのポリマーは、米国特許第5310865号の教示に従って、乳酸から直接的に、又は乳酸とグリコール酸との混合物から(さらなるコモノマーがあり又はなしで)調製され得る。これら全ての特許の内容は、参照により援用される。適切な乳酸ベースのポリマーは市販されている。例えば、8,000、10,000、30,000及び100,000の分子量を有する、50:50の乳酸:グリコール酸コポリマーは、以下に記載されるように、Boehringer Ingelheim(Petersburg,VA)、Medisorb Technologies International L.P.(Cincinatti,OH)及びBirmingham Polymers,Inc.(Birmingham,AL)から入手可能である。
ポリマーの例には、これらに限定されないがポリ(D,L−ラクチド)Resomer(登録商標)L104、PLA−L104、コード番号33007、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG502、コード0000366、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG502H、PLGA−502H、コード番号260187、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG503、PLGA−503、コード番号0080765、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG506、PLGA−506、コード番号95051、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG755、PLGA−755、コード番号95037、ポリL−ラクチド MW2,000(Resomer(登録商標)L206、Resomer(登録商標)L207、Resomer(登録商標)L209、Resomer(登録商標)L214);ポリD,Lラクチド(Resomer(登録商標)R104、Resomer(登録商標)R202、Resomer(登録商標)R203、Resomer(登録商標)R206、Resomer(登録商標)R207、Resomer(登録商標)R208);ポリL−ラクチド−co−D,L−ラクチド 90:10(Resomer(登録商標)LR209);ポリグリコリド(Resomer(登録商標)G205);ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 50:50(Resomer(登録商標)RG504H、Resomer(登録商標)RG504、Resomer(登録商標)RG505);ポリD−L−ラクチド−co−グリコリド 75:25(Resomer(登録商標)RG752、Resomer(登録商標)RG756);ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 85:15(Resomer(登録商標)RG858);ポリL−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート 70:30(Resomer(登録商標)LT706);ポリジオキサノン(Resomer(登録商標)X210)(Boehringer Ingelheim Chemicals,Inc.,Petersburg,VA)が含まれる。
さらなる例には、これらに限定されないが、DL−ラクチド/グリコリド 100:0(MEDISORB(登録商標)Polymer 100 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 100 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 85/15(MEDISORB(登録商標)Polymer 8515 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 8515 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 75/25(MEDISORB(登録商標)Polymer 7525 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 7525 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 65/35(MEDISORB(登録商標)Polymer 6535 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 6535 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 54/46(MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL Low);及びDL−ラクチド/グリコリド 54/46(MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL 2A(3)、MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL 3A(3)、MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL 4A(3))(Medisorb Technologies International L.P.,Cincinatti,OH);並びにポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 50:50;ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 65:35;ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 75:25;ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 85:15;ポリDL−ラクチド;ポリL−ラクチド;ポリグリコリド;ポリε−カプロラクトン;ポリDL−ラクチド−co−カプロラクトン 25:75;及びポリDL−ラクチド−co−カプロラクトン 75:25(Birmingham Polymers,Inc.,Birmingham,AL)が含まれる。
この生体適合性で生体分解性のポリマーは、生体適合性ポリマーと、25℃で7%以下の水中での混和性を有する溶媒とを合わせた量を含む粘性ゲルの、約5重量%〜約90重量%、好ましくは約25重量%〜約80重量%、典型的には約35重量%〜約75重量%の範囲の量でゲル組成物中に存在し、上述のように、好ましくは、このポリマーマトリックスは、約0重量%〜約95重量%の低分子量(LMW)ポリマー、好ましくは約20重量%〜約90重量%の低分子量(LMW)ポリマー、より好ましくは約30重量%〜約80重量%の低分子量(LMW)ポリマー、より好ましくは約40重量%〜約75重量%の低分子量(LMW)ポリマーと;約0重量%〜約95重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約0重量%〜約70重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約0重量%〜約50重量%の高分子量(HMW)ポリマー、好ましくは約5重量%〜約40重量%の高分子量(HMW)ポリマー、より好ましくは約10重量%〜約30重量%の高分子量(HMW)ポリマー、より好ましくは約15重量%〜約25重量%の高分子量(HMW)ポリマーと;約0重量%〜約95重量%の中分子量(MMW)ポリマー、好ましくは約20重量%〜約90重量%の中分子量(MMW)ポリマー、より好ましくは約30重量%〜約80重量%の中分子量(MMW)ポリマー、より好ましくは約40重量%〜約60重量%の中分子量(MMW)ポリマーとを含む。
この溶媒は、埋込み可能又は注入可能な粘性ゲルを提供するために、以下に記載される量でポリマーに添加される。この場合もまた、本明細書中に記載される組み合わせ、LMW、MMW及びHMW並びに溶媒は、以前に得られたものよりもかなり広い範囲のポリマー/溶媒比を可能にし;改善された注入能を有するデポ組成物を提供する。
B.溶媒
本発明の注入可能なデポ組成物は、生体分解性ポリマー、チキソトロピック剤及び有益な薬剤に加えて、25℃で7%以下の水中での混和性を有する水非混和性溶媒を含む。この溶媒は、生体適合性でなければならず、ゲル、好ましくはポリマーとともに粘性ゲルを形成すべきであり、かつインプラントへの水取り込みを制限する。適切な溶媒は、インプラントによる水の取り込みを実質的に制限し、上記で言及したように、水中で不混和性すなわち、最大で7%の水中での溶解性又は混和性を有するとして特徴付けることができる。好ましくは、芳香族アルコールの水溶解性は、5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更により好ましくは1重量%以下である。最も好ましくは、水中での芳香族アルコールの溶解性は、0.5重量%以下である。好ましい実施形態において、この溶媒は、芳香族アルコール、芳香族酸のエステル、芳香族ケトン及びこれらの混合物からなる群より選択される。
水混和性は、以下のように実験的に決定され得る:水(1〜5g)を、約25℃の制御された温度で、風袋用の透明な容器中に配置し、計量し、候補溶媒を滴下する。この溶液を攪拌し、相分離を観察する。相分離の観察によって決定したときに、飽和点に達したように見えた時点で、この溶液を一晩放置し、次の日に再チェックする。相分離の観察によって決定したときに、溶液がまだ飽和していた場合、添加した溶媒のパーセント(w/w)を決定する。そうでない場合には、溶媒をさらに添加し、このプロセスをくり返す。溶解性又は混和性を、溶媒/水混合物の最終重量で、添加した溶媒の総重量を除算することによって決定する。溶媒混合物を使用する場合には、水への添加の前に予め混合する。
芳香族アルコールは、構造式(I):
Ar−(L)−OH (I)
[式中、Arは置換若しくは非置換のアリール基又はヘテロアリール基であり、nは0又は1であり、Lは連結部分である]
を有する。好ましくは、Arは、1つ又は複数の非妨害置換基(例えば、ヒドロキシル、アルコキシ、チオ、アミノ、ハロなど)で場合により置換された、単環式のアリール基又はヘテロアリール基である。より好ましくは、Arは、非置換の5又は6員のアリール基又はヘテロアリール基(例えば、フェニル、シクロペンタジエニル、ピリジニル、ピリマジニル(pyrimadinyl)、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリルなど)である。下付文字「n」は、0又は1であり、これは、連結部分Lが存在してもしなくてもよいことを意味する。好ましくは、nは1でありかつLは一般に、低級アルキレン結合(例えば、メチレン又はエチレン)であり、この結合は、ヘテロ原子(例えば、O、N又はS)を含んでもよい。最も好ましくは、Arはフェニルであり、nは1であり、かつLはメチレンであり、その結果、この芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。
この芳香族酸エステル又は芳香族ケトンは、生体適合性でなければならず、ポリマーと共に粘性ゲルを形成すべきであり、かつインプラントへの水取り込みを制限する。芳香族アルコールと同様に、適切な芳香族酸エステル及び芳香族ケトンは、インプラントによる水の取り込みを実質的に制限し、上記で言及したように、水中で不混和性、すなわち、最大で7%の水中での溶解性又は混和性を有するとして特徴付けることができる。好ましくは、溶媒アルコールの水溶解性は、5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更により好ましくは1重量%以下である。最も好ましくは、水中での溶媒の溶解性は、0.5重量%以下である。
芳香族酸エステル又は芳香族ケトンは、芳香族酸の低級アルキルエステル及び低級アラルキルエステル、並びにアリールケトン及びアラルキルケトンから選択され得る。必ずではないが、一般に、この芳香族酸エステル及び芳香族ケトンは、それぞれ、構造式(II)又は(III)を有する。
Figure 0004639400
式(II)のエステルにおいて、Rは、置換若しくは非置換のアリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、好ましくは置換若しくは非置換のアリール又はヘテロアリールであり、より好ましくは、1つ又は複数の非妨害置換基(例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、アルコキシ、チオ、アミノ、ハロなど)で任意に置換された単環式若しくは二環式のアリール又はヘテロアリールであり、更により好ましくは、5又は6員のアリール又はヘテロアリール(例えば、フェニル、シクロペンタジエニル、ピリジニル、ピリマジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル又はイソチアゾリル)であり、最も好ましくは5員又は6員のアリールである。Rは、ヒドロカルビル又はヘテロ原子置換ヒドロカルビルであり、一般的には低級アルキル又は置換若しくは非置換のアリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、好ましくは低級アルキル又は置換若しくは非置換のアラルキル又はヘテロアラルキルであり、より好ましくは、低級アルキル又は1つ若しくは複数の非妨害置換基(例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、アルコキシ、チオ、アミノ、ハロなど)で任意に置換された単環式若しくは二環式のアラルキル又はヘテロアラルキルであり、更により好ましくは、低級アルキル又は5員若しくは6員のアラルキル又はヘテロアラルキルであり、最も好ましくは、低級アルキル又は構造−O−(CO)−Rを有する、1つ若しくは複数のさらなるエステル基で任意に置換された5員若しくは6員のアリールである。最も好ましいエステルは、安息香酸及びフタル酸の誘導体である。
式(III)のケトンにおいて、R及びRは、上記で特定したR基及びR基のいずれからも選択され得る。
これらに限定されないが、必要な溶解性を有する溶媒を選択することができる、当該分野で認識される安息香酸誘導体には、以下が含まれる:1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールベンゾエート及びジプロピレングリコールベンゾエートブレンド、ポリエチレングリコール(200)ジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、グリセリルトリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、クミルフェニルベンゾエート、トリメチルペンタンジオールジベンゾエート。
必要な溶解性を有する溶媒を選択することができる、当該分野で認識されるフタル酸誘導体には、以下が含まれる:アルキルベンジルフタレート、ビス−クミル−フェニルイソフタレート、ジブトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジイソヘプチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ノニルウンデシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ−イソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、混合アルコールフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、線状ヘプチル、ノニル、フタレート、線状ヘプチル、ノニル、ウンデシルフタレート、線状ノニルフタレート、線状ノニルウンデシルフタレート、線状ジノニル、ジデシルフタレート(ジイソデシルフタレート)、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ウンデシルドデシルフタレート、デシルトリデシルフタレート、ジオクチルフタレートとジデシルフタレートとのブレンド(50/50)、ブチルベンジルフタレート及びジシクロヘキシルフタレート。
最も好ましい溶媒は、安息香酸の誘導体であり、これには、これらに限定されないが、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、n−プロピルベンゾエート、イソプロピルベンゾエート、ブチルベンゾエート、イソブチルベンゾエート、sec−ブチルベンゾエート、tert−ブチルベンゾエート、イソアミルベンゾエート及びベンジルベンゾエートが含まれ、ベンジルベンゾエートが最も特に好ましい。
この組成物は、水不混和性の溶媒に加えて、1つ又は複数のさらなる混和性溶媒(「構成溶媒」)を含むこともできる。但し、このような追加の溶媒は、低級アルカノール以外である。主要溶媒と適合し混和性を有する構成溶媒は、水とのより高い混和性を有することができ、得られた混合物は、インプラントへの水の取り込みの有意な制限をなお呈示することができる。このような混合物は、「構成溶媒混合物」と称される。有用な構成溶媒混合物は、本発明のインプラントによって示される水取り込みの制限に悪影響を及ぼすことなく主要溶媒自体よりも高い水中での溶解性を示すことができ、典型的には0.1重量%〜50重量%までの間(50重量%を含む)、好ましくは30重量%までの間(30重量%を含む)、最も好ましくは10重量%までの間(10重量%を含む)の水中での溶解性を示すことができる。
構成溶媒混合物において有用な構成溶媒は、主要溶媒又は溶媒混合物と混和性の溶媒であり、これらに限定されないが、これには以下が含まれる:トリアセチン、ジアセチン、トリブチリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、トリエチルグリセリド、リン酸トリエチル、ジエチルフタレート、酒石酸ジエチル、鉱油、ポリブテン、シリコーン流体、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、オクタノール、乳酸エチル、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ブチロラクトン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、グリセロールホルマール、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸及び1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オン、並びにこれらの混合物。
この溶媒又は溶媒混合物は、ポリマーを溶解して、溶解又は分散され、放出前に使用環境から隔離される有益な薬剤の粒子を保持することができる粘性ゲルを形成することができる。本発明の組成物は、低いバースト指数を有するインプラントを提供する。水取り込みは、ポリマーを可溶化又は可塑化するが、インプラントへの水の取り込みを実質的に制限する、溶媒又は構成溶媒混合物の使用によって制御される。
この溶媒又は溶媒混合物は、一般的には、粘性ゲルの約95重量%〜約5重量%、好ましくは約75重量%〜15重量%、最も好ましくは約65重量%〜約20重量%の量で存在する。特に好ましい実施形態において、この溶媒は、芳香族アルコール、安息香酸の低級アルキルエステル及び低級アラルキルエステルから選択される。現在のところ、最も好ましい溶媒は、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート及び安息香酸の低級アルキルエステルである。特定の実施形態において、この溶媒は、芳香族アルコール(式I)、芳香族酸エステル(式II)及びケトン(式III)の混合物を含む。エステル又はケトンに対する芳香族アルコールの重量比は、一般に、約1%〜約99%の範囲内であり、好ましくは約10%〜約90%の範囲内であり、しばしば、約20%〜約80%の範囲内である。
ポリマーと溶媒とを混合することによって形成される粘性ゲルは、混合の完了の約1〜2日後に、Haake Rheometerを用いて、0.1秒−1の剪断速度と、25℃で測定して、約200〜約200,000ポイズ、好ましくは約2,000〜約50,000ポイズ、しばしば約1,000〜約50,000ポイズの粘度を一般的に示す。ポリマーと溶媒との混合は、約10分〜約1時間にわたってRossダブルプラネタリーミキサーのような従来の低剪断装置を用いて達成できるが、当業者によって、調製される組成物の特定の物理的特徴に応じて、より短い期間及びより長い期間が選択され得る。インプラントを注入可能な組成物として投与することがしばしば望まれるので、粘性ゲルのインプラントを形成する際の相当する考慮事項は、ポリマー、溶媒及び有益な薬剤の組成物が、小さい直径(例えば、16ゲージ以上、好ましくは20ゲージ以上、より好ましくは22ゲージ以上、更により好ましくは24ゲージ以上)の針を通って組成物が押し出されるのを可能にするために、充分低い粘性を有することである。必要に応じ、注入用ゲルの粘性の調整は、本明細書中に記載されるような乳化剤によって達成することができる。しかし、このような組成物は、局所化されたままで、必要に応じ除去できるように、適切な寸法安定性を有するべきである。本発明の特定のゲル組成物又はゲル様組成物は、このような要件を満たす。
C.有益な薬剤
有益な薬剤は、任意の生理学的又は薬理学的に活性な物質であり、任意に、本発明によって得ることができる有利な結果に実質的に悪影響を及ぼさない、薬学的に許容されるキャリア及びさらなる成分(例えば、抗酸化剤、安定化剤、浸透増強剤など)と組み合わされる。この有益な薬剤は、ヒト又は動物の身体に送達されることが知られ、ポリマー溶解溶媒中よりむしろ水中において優先的に可溶な任意の薬剤であってよい。これらの薬剤には、薬物剤、医薬、ビタミン、栄養素などが含まれる。この記載を満たす薬剤の型には、低分子量化合物、タンパク質、ペプチド、遺伝物質、栄養素、ビタミン、栄養補助食品、性不妊剤、妊娠阻害剤及び妊娠促進剤が含まれる。
本発明によって送達され得る薬物には、末梢神経、アドレナリン作用性レセプター、コリン作用性レセプター、骨格筋、心脈管系、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、ニューロエフェクター接合部位、内分泌及びホルモン系、免疫学的系、生殖系、骨格系、オータコイド系、消化及び排泄系、ヒスタミン系並びに中枢神経系に対して作用する薬物が含まれる。適切な薬剤は、例えば、タンパク質、酵素、ホルモン、ポリヌクレオチド、核タンパク質、多糖、糖タンパク質、リポタンパク質、ポリペプチド、ステロイド、鎮痛剤、局所麻酔剤、抗生物質剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗炎症性コルチコステロイドを含む抗炎症剤、抗増殖剤、抗有糸分裂剤、脈管形成剤、抗精神病剤、中枢神経系(CNS)剤、抗凝固剤、線維素溶解剤、増殖因子、抗体、眼用薬物、並びにこれらの種の代謝物、アナログ(合成アナログ及び置換アナログを含む)、誘導体(当該分野で公知の手段による、他の高分子との凝集結合体/融合体、及び無関係の化学的部分との共有結合結合体を含む)、フラグメント、並びに精製、単離、組換え及び化学的合成バージョンから選択することができる。
本発明の組成物によって送達され得る薬物の例としては、これらに限定されないが、プロカイン、塩酸プロカイン、テトラカイン、塩酸テトラカイン、コカイン、塩酸コカイン、クロロプロカイン、塩酸クロロプロカイン、プロパラカイン、塩酸プロパラカイン、ピペロカイン、塩酸ピペロカイン、ヘキシルカイン、塩酸ヘキシルカイン、ネパイン(naepaine)、塩酸ネパイン、ベンゾキシネート、塩酸ベンゾキシネート、シクロメチルカイン(cyclomethylcaine)、塩酸シクロメチルカイン、硫酸シクロメチルカイン、リドカイン、塩酸リドカイン、ブピバカイン、塩酸ブピバカイン、メピバカイン、塩酸メピバカイン、プリロカイン、塩酸プリロカイン、ジブカイン及び塩酸ジブカイン、エチドカイン、ベンゾカイン、プロポキシカイン、ジクロニン、プラモキシン、オキシブプロカイン、プロクロルペラジンエジシレート(edisylate)、硫酸鉄、アミノカプロン酸、塩酸メカミルアミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸メタンフェタミン、塩酸ベンズアンフェタミン(benzamphetamine)、硫酸イソプロテレノール、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化スコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンホルミン、塩酸メチルフェニデート、テオフィリンコリネート、塩酸セファレキシン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンズアミン、マレイン酸チエチルペラジン、アニシンドン(anisindone)、ジフェナジオンエリスリチルテトラニトレート、ジゴキシン、イソフルロフェート、アセタゾラミド、メタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、クロロプロマイド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アスピリンアルミニウム、メトトレキセート、アセチルスルフイソキサゾール、エリスロマイシン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン及びその誘導体(例えば、ベタメタゾン)、トリアムシノロン、メチルテストステロン、17−S−エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール3−メチルエーテル、プレドニゾロン、17α−ヒドロキシプロゲステロンアセテート、19−ノル−プロゲステロン、ノスゲストレル、ノルエチンドロン、ノルエチステロン、ノルエチエデロン、プロゲステロン、ノルゲステロン、ノルエチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、インドプロフェン、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、プロプラノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、クロルプロマジン、メチルドパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、テオフィリン、グルコン酸カルシウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、エリスロマイシン、ハロペリドール、ゾメピラク、乳酸鉄、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンズアミン、ジルチアゼム、ミルリノン、マンドール(mandol)、カンベンズ(quanbenz)、ヒドロクロロチアジド、ラニチジン、フルルビプロフェン、フェヌフェン(fenufen)、フルプロフェン(fluprofen)、トルメチン、アルクロフェナク、メフェナミック、フルフェナミック、ジフイナール(difuinal)、ニモジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、リドフラジン(lidoflazine)、チアパミル(tiapamil)、ガロパミル(gallopamil)、アムロジピン、ミオフラジン(mioflazine)、リシノプリル、エナラプリル、エナラプリラト、カプトプリル、ラミプリル、ファモチジン、ニザチジン、スクラルファート、エチンチジン(etintidine)、テトラトロール(tetratolol)、ミノキシジル、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、アミトリプチリン及びイミプラミン。さらなる例には、タンパク質及びペプチドが含まれ、これらには以下が含まれるがこれらに限定されない:骨形成タンパク質、インスリン、コルヒチン、グルカゴン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン及び下垂体ホルモン、カルシトニン、レニン、プロラクチン、コルチコトロピン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、絨毛膜刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、ウシソマトトロピン、ブタソマトトロピン、オキシトシン、バソプレッシン、GRF、ソマトスタチン、リプレッシン、パンクレオザイミン、黄体形成ホルモン、LHRH、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト、ロイプロリド、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α2a、インターフェロンα−2b及びコンセンサスインターフェロン)、インターロイキン、増殖因子、例えば、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子−α(TGF−α)、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)、エリスロポエチン(EPO)、インスリン様増殖因子−I(IGF−I)、インスリン様増殖因子−II(IGF−II)、インターロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−6、インターロイキン−8、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、腫瘍壊死因子−β(TNF−β)、インターフェロン−α(INF−α)、インターフェロン−β(INF−β)、インターフェロン−γ(INF−γ)、インターフェロン−ω(INF−ω)、コロニー刺激因子(CGF)、血管細胞増殖因子(VEGF)、トロンボポエチン(TPO)、間質細胞由来因子(SDF)、胎盤増殖因子(PIGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、骨形成タンパク質(BMP)、凝固因子、ヒト膵臓ホルモン放出因子、これらの化合物のアナログ及び誘導体、並びにこれらの化合物の薬学的に許容される塩、又はそれらのアナログ若しくは誘導体が含まれる。
本発明の組成物によって送達され得る薬物のさらなる例には、これらに限定されないが、抗増殖/抗有糸分裂剤(ビンカアルカロイド(すなわち、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン)のような天然産物、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン(すなわち、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(ダクチノマイシン、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びマイトマイシン、酵素(L−アスパラギンを組織的に代謝し、それ自身のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞からは奪われている、L−アスパラギナーゼ)を含む);抗血小板剤(例えば、G(GP)IIIIIインヒビター及びビトロネクチンレセプターアンタゴニスト);抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド及びアナログ、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、アルキルスルホネート−ブスルファン、ニトロソウレア(カルムスチン(BCNU)及びアナログ、ストレプトゾシン)、トラゼン−ダカルバジン(DTIC));抗増殖/抗有糸分裂代謝拮抗剤(例えば、葉酸アナログ(メトトレキセート)、ピリミジンアナログ(フルオロウラシル、フロキシウリジン及びシタラビン)、プリンアナログ及び関連インヒビター(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン及び2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン));白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド);ホルモン(すなわち、エストロゲン);抗精神病剤(例えば、抗精神病薬、神経抑制薬、精神安定剤、並びにドパミンレセプター、ヒスタミンレセプター、ムスカリン性コリン作用性レセプター、アドレナリン作用性レセプター及びセロトニンレセプターに結合する抗精神病剤(フェノチアジン、チオキサンチン、ブチロフェノン、ジベンズオキサゼピン、ジベンゾジアゼピン及びジフェニルブチルピペリジンが含まれるが、これらに限定されない));中枢神経系(CNS)剤;抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩及びトロンビンの他のインヒビター);線維素溶解剤(例えば、組織プラスミノゲンアクチベータ、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ);抗移動剤(antimigratory);分泌抑制剤(ブレベルジン(breveldin));抗炎症剤:例えば、副腎皮質ステロイド(コルチゾル、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、6α−メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン及びデキサメタゾン)、非ステロイド剤(サリチル酸誘導体、すなわち、アスピリン;パラ−アミノフェノール誘導体、すなわち、アセトミノフェン);インドール及びインデン酢酸(インドメタシン、スリンダク及びエトドラク)、ヘテロアリール酢酸(トルメチン、ジクロフェナク及びケトロラック)、アリールプロピオン酸(イブプロフェン及び誘導体)、アントラニル酸(メフェナム酸及びメクロフェナム酸)、エノール酸(ピロキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン及びオキシフェンタトラゾン(oxyphenthatrazone))、ナブメトン、金化合物(オーラノフィン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム);免疫抑制剤:(シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノレートモフェチル);脈管形成剤:血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF);アンギオテンシンレセプターブロッカー;一酸化窒素供与体;アンチセンスオリゴヌクレオチド及びその組み合わせ;細胞周期インヒビター、mTORインヒビター、及び増殖因子シグナル伝達キナーゼインヒビター、これらの化合物のアナログ及び誘導体、並びにこれらの化合物の薬学的に許容される塩、又はそれらのアナログ若しくは誘導体が含まれる。
特定の好ましい実施形態において、有益な薬剤には、走化性増殖因子、増殖性増殖因子、刺激増殖因子及び形質転換ペプチド増殖因子が含まれ、これには、遺伝子、前駆体、翻訳後改変体、代謝物、結合タンパク質、レセプター、以下の増殖因子ファミリーのレセプターアゴニスト及びアンタゴニストが含まれる:上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、インターロイキン(IL)、コロニー刺激因子(CSF、MCF、GCSF、GMCSF)、インターフェロン(IFN)、内皮増殖因子(VEGF、EGF)、エリスロポエチン(EPO)、アンジオポエチン(ANG)、胎盤由来増殖因子(PIGF)及び低酸素誘導性転写調節因子(HIF)。
本発明はまた、全身的な副作用を回避又は最小化するために、このような薬剤の局所適用のための化学療法剤を用いる応用を見出している。化学療法剤を含む本発明のゲルは、経時的な化学療法剤の持続的な送達のために、腫瘍組織中に直接的に注入され得る。ある場合、このゲルは、特に腫瘍の切除後に、生じた腔中に直接埋込みされるか、又はコーティング剤として残りの組織に適用することができる。ゲルが手術後に埋込みされる場合、これらのゲルは小さい直径の針を通過する必要がないので、より高い粘性を有するゲルを利用することが可能である。本発明の実施に従って送達され得る代表的な化学療法剤には、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、BCNU、ビンクリスチン、カンプトテシン、エトポシド、サイトカイン、リボザイム、インターフェロン、腫瘍遺伝子の翻訳又は転写を阻害するオリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド配列、上述のものの機能的誘導体、並びに米国特許第5651986号に記載されるような一般に公知の化学療法剤が含まれる。本発明の適用は、水溶性化学療法剤(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン、並びにパクリタキセルの水溶性誘導体)の徐放送達において特に有用性を有する。バースト効果を最小に抑える本発明の特徴は、全ての種類の水溶性の有益な薬剤の投与において特に有利であるが、特に、臨床的に有用かつ有効であるが有害な副作用を有することがある化合物の投与において特に有利である。
上述の米国特許第5242910号に記載される有益な薬剤はまた、上記していない程度まで使用することができる。本発明の特に有利時点の1つは、酵素リゾチームによって例示されるようなタンパク質、及びcDNA、並びにウイルス及び非ウイルスの両方のベクター中に組み込まれたDNAなどの、マイクロカプセル化又はミクロスフィアへと加工するのが困難である物質が、他の処理技術においてしばしば存在する高い温度及び変性溶媒に曝されることによって引き起こされる分解レベルなしに、本発明の組成物中に取り込むことができることである。
好ましくは、この有益な薬剤は、一般的に約0.1〜約250ミクロン、好ましくは約1〜約200ミクロン、そしてしばしば30〜125ミクロンの平均粒子サイズを有する粒子の形態でポリマー及び溶媒から形成される粘性ゲル中に取り込まれる。例えば、約5ミクロンの平均粒子サイズを有する粒子は、50%のスクロース及び50%のニワトリリゾチーム(乾燥重量基準)を含む水性混合物と、10〜20%のhGH及び15〜30mMの酢酸亜鉛の混合物とを、噴霧乾燥又は凍結乾燥することによって産生される。このような粒子は、図中に例示される特定の実施例において使用されている。従来の凍結乾燥プロセスもまた、適切な凍結及び乾燥のサイクルを使用しながら、変動するサイズの有益な薬剤の粒子を形成するために利用することができる。
ポリマー及び溶媒から形成された粘性ゲル中の有益な薬剤の粒子の懸濁物又は分散物を形成するために、任意の従来の低剪断装置(例えば、Rossダブルプラネタリーミキサー)を周囲条件で使用することができる。この方法では、有益な薬剤の有効な分布が、有益な薬剤を実質的に分解することなしに達成することができる。
この有益な薬剤は、一般的に、ポリマー混合物、溶媒及び有益な薬剤を合わせた量の、約0.1重量%〜約50重量%の量、好ましくは約1重量%〜約30重量%の量、より好ましくは約2重量%〜約20重量%の量、そしてしばしば2重量%〜10重量%で、組成物中に溶解又は分散される。組成物中に存在する有益な薬剤の量に依存して、異なる放出プロフィール及びバースト指数を得ることができる。より具体的には、所定のポリマー及び溶媒について、これらの成分の量を調整することにより、並びに有益な薬剤の量を調整することにより、組成物からの有益な薬剤の拡散よりもポリマーの分解により依存する放出プロフィール又はその逆の放出プロフィールを得ることができる。これに関して、有益な薬剤のより低い充填率では、一般にポリマーの分解を反映する放出プロフィールが得られ、このプロフィールでは、放出速度が経時的に増大する。より高い充填率では、一般に有益な薬剤の拡散によって引き起こされる放出プロフィールが得られ、このプロフィールでは、放出速度は経時的に減少する。中間の充填率では、組み合わせた放出プロフィールが得られ、その結果、所望される場合には、実質的に一定の放出速度を得ることができる。バーストを最小化するためには、ゲル組成物全体(すなわち、ポリマー、溶媒及び有益な薬剤)の30重量%以下のオーダーでの有益な薬剤の充填が好ましく、20%以下の充填がより好ましい。
有益な薬剤の放出速度及び充填は、意図された徐放送達期間にわたって有益な薬剤の治療的に有効な送達が提供されるように調整される。好ましくは、この有益な薬剤は、水中での有益な薬剤の飽和濃度を上回る濃度で、ポリマーゲル中に存在して、有益な薬剤が分配される薬物貯蔵体を提供する。有益な薬剤の放出速度は、特定の環境(例えば、投与されるべき有益な薬剤)に依存するが、約24時間〜約180日、好ましくは24時間〜約120日、より好ましくは24時間〜約90日、しばしば3日〜約90日の期間にわたって、約0.1μg/日〜約10mg/日、好ましくは約1μg/日〜約5mg/日、より好ましくは約10μg/日〜約1mg/日のオーダーの放出速度を得ることができる。さらに、有益な薬剤の用量は、注入されるデポゲルの量を調整することによって調整することができる。送達をより短期間わたって生じさせるべき場合には、より多い量を送達すればよい。一般に、より高いバーストが許容され得る場合には、より高い放出速度が可能である。ゲル組成物が外科的に埋込みされる例や、疾患状態若しくは他の症状を処置するための手術が同時に行われる場合に「リーブビハインド」デポとして使用される例では、インプラントを注入した場合に通常投与される用量より高い用量を供給することができる。さらに、有益な薬剤の用量は、埋込みされるゲル又は注入される注入可能なゲルの体積を調整することによって、制御することができる。好ましくは、このシステムは、被験体において埋込み後の最初の24時間以内に、粘性ゲル中に存在する有益な薬剤の40重量%以下を放出する。より好ましくは、有益な薬剤の30重量%以下が、埋込み後最初の24時間以内に放出され、埋込みされた組成物は、12以下、好ましくは8以下のバースト指数を有する。
D.任意のさらなる成分
他の成分(例えば、ポリエチレングリコール、吸湿剤、安定化剤、孔形成剤、チキソトロピック剤及びその他)が、所望される程度まで、又は組成物に有用な特性を提供し得る程度まで、このゲル組成物中に存在し得る。この組成物が水性環境中で可溶性又は不安定なペプチド又はタンパク質を含む場合、組成物中に、例えば安定化剤などの溶解調節剤を含むことが、非常に望まされる。種々の調節剤が、米国特許第5654010号及び同第5656297号に記載され、これらの開示は、参考として本明細書中で援用される。hGHの場合、例えば、ある量の、二価金属、好ましくは亜鉛の塩を含むことが好ましい。有益な薬剤と複合体を形成したり、安定化効果若しくは修飾された放出効果を提供するために会合し得るような調節剤及び安定化剤の例としては、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、他の制酸剤などとして組成物中に存在する(好ましくは二価の)金属カチオンが含まれる。使用されるこのような薬剤の量は、存在する場合には、形成された複合体の性質、又は有益な薬剤とこの薬剤との間の会合の性質に依存する。約100:1〜1:1、好ましくは10:1〜1:1の、有益な薬剤に対する溶解性調節剤又は安定化剤のモル比が、一般的に利用され得る。
孔形成剤には、体液と接触すると溶解、分散又は分解して、ポリマーマトリックス中に孔又はチャネルを生成する、生体適合性の物質が含まれる。典型的には、水溶性の有機物質及び非有機物質、例えば、糖(例えば、スクロース、デキストロース)、水溶性塩(例えば、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸ナトリウム)、水溶性溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン及びポリエチレングリコール)並びに水溶性ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)を、孔形成剤として簡便に使用することができる。このような物質は、ポリマー重量の約0.1%〜約100%で変動する量で存在し得るが、一般的には、ポリマーの重量の50%未満であり、より一般的には、10〜20%未満である。
チキソトロピック剤には、ポリマーゲルにチキソトロピック特性を付与する薬剤(例えば、低級アルカノール(例えば、エタノール、イソプロパノール)など)が含まれる。本発明のチキソトロピック剤は、組成物の成分の濃度を単に減少させることによって粘性を低減する、単なる希釈剤やポリマー溶媒を構成要素としないことが、理解されるべきである。一般的な希釈剤の使用は、粘性を低減し得るが、希釈された組成物が注入されると、前述したバースト効果も引き起こすことがある。対照的に、本発明の注入可能なデポ組成物は、チキソトロピック剤を選択することによってバースト効果を回避するように処方することができ、その結果、一旦適所に注入されると、このチキソトロピック剤は、当初のシステムにおける放出特性に対してほとんど影響を及ぼさない。好ましくは、このシステムは、被験体において、埋込み後の最初の24時間以内に、粘性ゲル中に存在する有益な薬剤の40重量%以下を放出する。より好ましくは、この有益な薬剤の30重量%以下が、埋込み後最初の24時間以内に放出され、この埋込みされた組成物は、12以下、好ましくは8以下のバースト指数を有する。
II.有用性及び投与
インプラントの投与手段は、注入に限定されないが、そのような送達様式がしばしば他より好まれる。インプラントがリーブビハインド産物として投与される場合、このインプラントは、手術の完了後に存在する体腔に適合するように形成されるか、又は残留する組織又は骨にゲルを刷毛で若しくはこてで塗ることによって流動ゲルとして適用することができる。このような適用は、注入可能な組成物中に代表的に存在する濃度を上回る、ゲル中の有益な薬剤の充填を可能にし得る。
有益な薬剤を含まない本発明の組成物は、創傷治癒、骨修復及び他の構造支持目的のために有用である。
本発明の種々の態様をさらに理解するために、各図に示される結果を、以下の実施例に従って得た。
(実施例1)
デポゲルの調製
本組成物の注入可能なデポにおいて使用するためのゲルビヒクルを、以下のように調製した。ガラス瓶を、Mettler PJ3000トップローダーバランスで風袋計測した。0.15の固有粘度を有するポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、(50/50のL/G比)(PLGA−BPI,Birmingham Polymers,Inc.,Birmingham,AL)及びResomer(登録商標)PLGA RG502(50/50のL/G比)又はResomer(登録商標)PLGA RG503(50/50のL/G比)を、計量してこのガラス瓶に入れた。ポリマーを含むガラス瓶の風袋を計り、対応する溶媒を添加した。種々のポリマー/溶媒の組み合わせについての百分率として表される量を、後述の表1に示す。このポリマー/溶媒混合物を、250±50rpm(IKA電気スターラー、IKH−Werke GmbH&Co.,Stanfen,Germany)で約5〜10分間攪拌し、ポリマー粒子を含む粘性のペースト様物質を得た。ポリマー/溶媒混合物を含む瓶を密封し、溶媒及びポリマーのタイプ、並びに溶媒とポリマーとの比率に応じて、断続的に攪拌しながら37℃に平衡化した温度制御したインキュベータ中に1〜4日間入れた。このポリマー/溶媒混合物が透明な琥珀色の均質な溶液に見えた時点で、このポリマー/溶媒混合物をインキュベータから取り出した。その後、この混合物をオーブン(65℃)中に30分間置いた。オーブンからの取り出しの際に、PLGAを、この混合物中に溶解させることに留意した。
さらなるデポゲルビヒクルは、以下の溶媒又は溶媒混合物(ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、エチルベンゾエート及びこれらの混合物)と以下のポリマーとの混合物とで調製する:ポリ(D,L−ラクチド)Resomer(登録商標)L104、PLA−L 104、コード番号33007、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG502、コード0000366、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG502H、PLGA−502H、コード番号260187、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG503、PLGA−503、コード番号0080765、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)50:50 Resomer(登録商標)RG755、PLGA−755、コード番号95037、ポリL−ラクチド MW2,000(Resomer(登録商標)L206、Resomer(登録商標)L207、Resomer(登録商標)L209、Resomer(登録商標)L214);ポリD,L−ラクチド(Resomer(登録商標)R104、Resomer(登録商標)R202、Resomer(登録商標)R203、Resomer(登録商標)R206、Resomer(登録商標)R207、Resomer(登録商標)R208);ポリL−ラクチド−co−D,L−ラクチド 90:10(Resomer(登録商標)LR209);ポリD−L−ラクチド−co−グリコリド 75:25(Resomer(登録商標)RG752、Resomer(登録商標)RG756);ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 85:15(Resomer(登録商標)RG858);ポリL−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート 70:30(Resomer(登録商標)LT706);ポリジオキサノン(Resomer(登録商標)X210)(Boehringer Ingelheim Chemicals,Inc.,Petersburg,VA);DL−ラクチド/グリコリド 100:0(MEDISORB(登録商標)Polymer 100 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 100 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 85/15(MEDISORB(登録商標)Polymer 8515 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 8515 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 75/25(MEDISORB(登録商標)Polymer 7525 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 7525 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 65/35(MEDISORB(登録商標)Polymer 6535 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 6535 DL Low);DL−ラクチド/グリコリド 54/46(MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL High、MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL Low);及びDL−ラクチド/グリコリド 54/46(MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL 2A(3)、MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL 3A(3)、MEDISORB(登録商標)Polymer 5050 DL 4A(3))(Medisorb Technologies International L.P.,Cincinatti,OH);並びにポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 50:50;ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 65:35;ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 75:25;ポリD,L−ラクチド−co−グリコリド 85:15;ポリDL−ラクチド;ポリL−ラクチド;ポリグリコリド;ポリε−カプロラクトン;ポリDL−ラクチド−co−カプロラクトン25:75;及びポリDL−ラクチド−co−カプロラクトン 75:25(Birmingham Polymers,Inc.,Birmingham,AL)。
Figure 0004639400
(実施例2)
hGH粒子の調製
ヒト成長ホルモン(hGH)粒子(任意に、酢酸亜鉛を含む)を、以下のように調製した:
水中hGH溶液(5mg/ml)(BresaGen Corporation,Adelaide,Australia)を、Concentration/Dialysis Selectorダイアフィルトレーション装置を使用して、10mg/mLまで濃縮した。ダイアフィルトレーションしたhGH溶液を、5倍容量のトリス又はリン酸緩衝溶液(pH7.6)で洗浄した。次いで、hGHの粒子を、従来の技術を使用して噴霧乾燥又は凍結乾燥することによって形成した。hGHを含むリン酸緩衝溶液(5mM又は50mM)(5mg/mL)(及びZn錯体化粒子を調製する場合、任意に種々のレベルの酢酸亜鉛(0〜30mM))を、以下のパラメータに設定したYamato Mini Sprayドライヤーを使用して噴霧乾燥した:
Figure 0004639400

2〜100ミクロンの範囲のサイズを有するhGH粒子を得た。
凍結乾燥した粒子を、以下の凍結及び乾燥のサイクルに従って、hGHを含むトリス緩衝溶液(5mM又は50mM:pH7.6)(5mg/mL)から、Durastop μP Lyophilizerを使用して調製した:
Figure 0004639400

2〜100ミクロンの間のサイズ範囲を有するhGH粒子を得た。
(実施例3)
hGH−ステアリン酸粒子の調製
ヒト成長ホルモン(hGH)粒子を、以下のように調製した:凍結乾燥したhGH(3.22g、Pharmacia−Upjohn,Stockholm,Sweden)及びステアリン酸(3.22g、純度95%、Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)をブレンドし、磨り潰した。磨り潰した材料を、10,000ポンドの力で5分間、13mmの丸型ダイにおいて圧縮した。圧縮した錠剤を磨り潰して、70メッシュのスクリーン、その後、400メッシュのスクリーンを通して篩にかけ、38〜212ミクロンの間のサイズ範囲を有する粒子を得た。
(実施例4)
ブピバカイン基剤の調製
塩酸ブピバカイン(Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)を、脱イオン(DI)水中に、40mg/mlの濃度(飽和)で溶解した。計算した量の水酸化ナトリウム(1N溶液の形態)をこの溶液に添加し、最終混合物のpHを10に調整して、ブピバカイン基剤を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過し、さらにDI水で少なくとも3回洗浄した。沈殿した生成物を、減圧下で約40℃にて24時間乾燥した。
(実施例5)
ブピバカイン粒子の調製
ブピバカイン薬物粒子(基剤及び塩酸塩の両方)を、以下のように調製した。塩酸ブピバカイン(Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)又は実施例4に従って調製したブピバカイン基剤を磨り潰し、次いで、3インチのステンレス鋼篩を使用して篩にかけ、一定の範囲にした。代表的な範囲には、25μm〜38μm、38μm〜63μm及び63μm〜125μmが含まれる。
(実施例6)
ブピバカイン−ステアリン酸粒子の調製
ブピバカイン粒子を、以下のように調製した:塩酸ブピバカイン(100g、Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)を磨り潰し、63〜125ミクロンの篩にかけた。このブピバカイン粒子とステアリン酸(100g、純度95%、Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)をブレンドし、磨り潰した。磨り潰した材料を、5,000ポンドの力で5分間、13mmの丸型ダイにおいて圧縮した。圧縮した錠剤を磨り潰して、120メッシュのスクリーン、その後、230メッシュのスクリーンを通して篩にかけ、63〜125ミクロンの間のサイズ範囲を有する粒子を得た。
(実施例7)
薬物充填
上記のように調製した、ステアリン酸と共に又はなしに有益な薬剤を含む粒子を、10〜30重量%の量でゲルビヒクルに添加し、乾燥粉末が完全に湿るまで手動でブレンドする。次いで、乳状の明るい黄色の粒子/ゲル混合物を、付属の四角い先端の金属スパチュラを備えたCaframo機械的スターラーを使用する一般的な混合によって完全にブレンドする。最終的な均質のデポ組成物を、保存又は分配のために、3cc、10cc又は30ccの使い捨てシリンジに移した。
代表的な数の埋込み可能なデポを、上述の手順に従って調製し、時間の関数としての有益な薬剤のインビトロ放出、並びに有益な薬剤の血清濃度又は血漿濃度によって決定される、時間の関数としの有益な薬剤の放出を決定するためのラットのインビボ試験について試験を行った。
(実施例8)
ブピバカインのインビボ試験
ラット(1群当たり4匹又は5匹)におけるインビボ試験を、公開プロトコルに従って実施して、本発明のインプラントシステムを介したブピバカインの全身投与の際のブピバカインの血漿レベルを決定した。デポゲルブピバカイン組成物を、カスタマイズした0.5ccの使い捨てシリンジに充填した。使い捨ての18ゲージの針をこのシリンジに取り付け、循環浴を使用して、37℃まで加熱した。デポゲルブピバカイン組成物をラットに注入し、特定の時間間隔(1時間、4時間並びに1日、2日、5日、7日、9日及び14日、21日及び28日目)で採血し、LC/MSを使用してブピバカインについて分析した。
(実施例9)
hGHのインビボ試験
ラットにおけるインビボのhGH研究を公開プロトコルに従って実施して、本発明のインプラントシステムを介したhGHの全身投与の際のhGHの血清レベルを決定した。デポゲルhGH組成物を、カスタマイズした0.5ccの使い捨てシリンジに充填した。使い捨ての16ゲージの針をこのシリンジに取り付け、循環浴を使用して37℃まで加熱した。デポゲルhGH組成物を免疫抑制ラットに注入し、特定の時間間隔で採血した。全ての血清サンプルを分析前に4℃で保存した。サンプルを、ラジオイムノアッセイ(RIA)を使用して、完全なhGHの含量について分析した。
(実施例10)
デポゲル組成物の粘度及び注入力の測定
デポビヒクル組成物の粘度を、Bohlin CVO 120レオメータを使用して試験した。全ての試験を、20mmの平行プレートを使用して24℃で実施した。デポビヒクル組成物の注入力を、Instron張力試験装置で試験し、1ml/分の速度でシリンジプランジャーを移動させるのに必要な最大力を決定した。これらのビヒクル組成物を、Instron試験の前に、Hamiltonシリンジ中に予め充填した。全ての試験を、24ゲージの0.5インチ長の針を使用して、室温で実施した。
(実施例11)
ベンジルベンゾエートにおけるビヒクル組成物
50/50のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルを、溶媒としてのベンジルベンゾエートと、種々の分子量分布を有するPLGA(1モード様PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード様混合物、表1の調合物1〜3を参照のこと)とを用いて処方した。図1において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動が、本発明に記載されるような2モード分子量分布を有するビヒクル組成物で見出された。
(実施例12)
種々の分子量分布を有するPLGAについてのGPC測定
PLGAの分子量及び分子量分布を、Waters 410 Differential Refractometer検出器を備えたWaters 600E(Milford,MA)を使用し、溶媒としてTHFを用いて、1ml/分の溶出速度で、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。ポリスチレンを標準として使用した。図2に示されるように、実施例11で使用した3つのPLGA(調合物1、2及び3)は、16,000のMを有するが、単一モード、2モード及び多モードのMWD PLGAについて、それぞれ、1.90、2.75及び2.34の分子量分布(MWD、M/M)を有した。
(実施例13)
50/50のポリマー/溶媒比を有する、ベンジルアルコールにおけるビヒクル組成物
50/50のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルもまた、溶媒としてのベンジルアルコールと、種々の分子量分布を有するPLGA(単一モードMMW PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード混合物、表1の調合物4〜6を参照のこと)とを用いて調製した。図3において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動が、本発明に記載されるような2モード分子量分布及び多モード分子量分布を有する両方のビヒクル調合物で見出された。
(実施例14)
45/55のポリマー/溶媒比を有する、ベンジルアルコールにおけるビヒクル組成物
45/55のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルを、溶媒としてのベンジルアルコールと、種々の分子量分布を有するPLGA(単一モード様MMW PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード様混合物、表1の調合物7〜9を参照のこと)とを用いて調製した。図4及び5において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動及びより低い注入力が、本発明に記載されるような2モード分子量分布及び多モード分子量分布を有する両方のビヒクル組成物で見出された。
(実施例15)
ベンジルベンゾエートとベンジルアルコールとの混合物(25/25)におけるビヒクル組成物
50/50のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルを、溶媒としてのベンジルベンゾエートとベンジルアルコールとの混合物(50/50)と、種々の分子量分布を有するPLGA(単一モード様MMW PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード様混合物、表1の調合物10〜12を参照のこと)とを用いて調製した。図6及び7において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動及びより低い注入力が、本発明に記載されるような2モード分子量分布及び多モード分子量分布を有する両方のビヒクル組成物で見出された。
(実施例16)
ベンジルベンゾエートとベンジルアルコールとの混合物(41.3/13.7)におけるビヒクル組成物
45/55のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルを、溶媒としてのベンジルベンゾエートとベンジルアルコールとの混合物(41.3/13.7)と、種々の分子量分布を有するPLGA(単一モード様MMW PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード様混合物、表1の調合物13〜15を参照のこと)とを用いて調製した。図8において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動が、本発明に記載されるような2モード分子量分布及び多モード分子量分布を有する両方のビヒクル組成物で見出された。
(実施例17)
45/55のポリマー/溶媒比を有するベンジルアルコールの混合物におけるビヒクル組成物
45/55のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルを、溶媒としてのベンジルアルコールと、種々の分子量分布を有するPLGA(単一モード様MMW PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード様混合物、表1の調合物16〜18を参照のこと)とを用いて調製した。図9及び10において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動及びより低い注入力が、本発明に記載されるような2モード分子量分布及び多モード分子量分布を有する両方のビヒクル組成物で見出された。
(実施例18)
40/60のポリマー/溶媒比を有する、ベンジルベンゾエートとベンジルアルコールとの混合物(45/15)における、ビヒクル組成物
40/60のポリマー/溶媒比を有するデポビヒクルを、溶媒としてのベンジルアルコールとベンジルアルコールとの混合物(45/15)と、種々の分子量分布を有するPLGA(単一モード様MMW PLGA RG502、HMW PLGA RG503とLMW PLGAとの2モード様混合物、又はHMW PLGA RG503、MMW RG502及びLMW PLGAの多モード様混合物、表1の調合物19〜21を参照のこと)とを用いて調製した。図11及び12において見られ得るように、有意な剪断減粘性挙動及びより低い注入力が、本発明に記載されるような2モード分子量分布及び多モード分子量分布を有する両方のビヒクル組成物で見出された。
(実施例19)
異なるPLGA分子量分布を有するブピバカインデポ組成物についてのインビボ試験
表1に示されるように、種々のデポビヒクル組成物を、異なる溶媒(例えば、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール及びこれらの混合物)において、異なるポリマー/溶媒比で、異なる分子量分布を有する、PLGAから作製し得る。デポ組成物は、ステアリン酸(SA)のような疎水性賦形剤と共に又はなしに、本発明に記載されるようなデポビヒクル中に充填された薬物粒子を用いて作製することができる。
表1に示されるように、ブピバカインデポを、ベンジルベンゾエートにおいて、2つの異なる分子量分布を有するPLGA(単一モード様MMW PLGA RG502、PLGA RG503とLMW PLGAとのHMW2モード様混合物、表1の調合物22〜23)で調製した。図13は、調合物22及び23からの、ラットにおいて得られたブピバカインの代表的なインビボ放出プロフィールを示す。
この実施例において示されるように、2モードの分子量分布を有するPLGAを使用するデポ組成物は、単一分子量分布を有するPLGAと類似の放出速度プロフィールを示したが、有意な剪断減粘性挙動及びより低い注入力を示した。
上記の例示的な実施形態は、限定ではなく、本発明の全ての点において例示的であると意図される。従って、本発明は、詳述された実施において、本明細書中に含まれる記載から当業者によって誘導され得る多くのバリエーションが可能である。全てのこのようなバリエーション及び改変は、本発明の範囲及び精神内であるとみなされる。
本発明のデポゲル組成物(調合物1〜3)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明の、異なる分子量分布を有するPLGAポリマーのゲル透過クロマトグラフィー(GPC)図を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物4〜6)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物7〜9)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物7〜9)の注入力を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物10〜12)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物13〜15)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物13〜15)の注入力を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物16〜18)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物16〜18)の注入力を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物19〜21)のレオロジー的挙動を示すグラフである。 本発明のデポゲル組成物(調合物19〜21)の注入力を示すグラフである。 本発明のデポ組成物(調合物22〜23)から得られた、塩酸ブピバカインのインビボ放出プロフィールを示すグラフである。

Claims (4)

  1. 注入可能なゲルのデポ組成物であって、
    (a)複数の生体分解性で生体適合性の乳酸ベースのポリマーを含むポリマーマトリックスであって、該ポリマーマトリックスが複数のポリマーの2モードの分子量分布を有するよう、該複数のポリマーにおける第一のポリマーは3,000〜9,000の重量平均分子量を有する低分子量(LMW)ポリマーであり;第二のポリマーは30,000より大きい重量平均分子量を有する高分子量(HMW)ポリマーである、ポリマーマトリックス;
    (b)溶媒として、該複数のポリマーを可塑化し、それらと共にゲルを形成するのに有効な量の、ベンジルベンゾエート;並びに
    (c)該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤;
    を含む、上記組成物。
  2. 注入可能なゲルのデポ組成物であって、
    (a)複数の生体分解性で生体適合性の乳酸ベースのポリマーを含むポリマーマトリックスであって、該ポリマーマトリックスが複数のポリマーによる多モードの分子量分布を有するよう、該複数のポリマーにおける第一のポリマーは3,000〜9,000の重量平均分子量を有する低分子量(LMW)ポリマーであり;第二のポリマーは30,000より大きい重量平均分子量を有する高分子量(HMW)ポリマーであり;第三のポリマーは分子量10,000〜30,000の重量平均分子量を有する中分子量(MMW)ポリマーである、ポリマーマトリックス;
    (b)溶媒として、該複数のポリマーを可塑化し、該複数のポリマーと共にゲルを形成するのに有効な量のベンジルベンゾエート;並びに
    (c)該ゲル中に溶解又は分散された有益な薬剤;
    を含む、上記組成物。
  3. それぞれのポリマーが、乳酸とグリコール酸とのコポリマーである、請求項1又は2に記載のゲル組成物。
  4. 更にベンジルアルコールを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲル組成物。
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