JP4575499B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パターンド媒体などの磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の情報化社会において、我々が記録媒体へ記録する情報の量は増加の一途をたどっている。このため、飛躍的に高い記録容量を有する記録再生装置および記録媒体の出現が望まれている。現在、大容量かつ安価な記録媒体として需要が増加し続けているハードディスクに関しても、数年後には現行のおよそ10倍である1平方インチあたり1テラビット以上の記録密度が必要と言われている。
現行のハードディスクに用いられている磁気記録媒体では、磁性体微粒子の多結晶体を含む薄膜の一定の領域を1ビットとして記録している。記録媒体の記録容量を上げるためには記録密度を増加させなければならない。即ち、1ビットあたりの記録に使用できる記録マークサイズを小さくしなければならない。しかし、単純に記録マークサイズを小さくすると、磁性体微粒子の形状に依存するノイズの影響が無視できなくなる。ノイズを低減するために磁性体微粒子の粒子サイズを小さくすると、熱揺らぎのために常温で記録を保持することができなくなる。
これらの問題を回避するため、予め記録材料を非記録材料によって分断し、単一の磁性ドットを単一の記録セルとして記録再生を行うビットパターンド媒体(BPM)が提案されている。
また、HDDに組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジ効果の低減は重要な技術課題である。この問題に対して、磁気記録層を加工して記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型パターンド媒体(DTR媒体)が提案されている。DTR媒体では、記録時に隣接トラックの情報を消去するサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報を読み出すサイドリード現象などを低減できる。そのため、DTR媒体は高記録密度を提供しうる磁気記録媒体として期待されている。なお、パターンド媒体を広い意味で用いる場合、ビットパターンド媒体やDTR媒体を含むものとする。
パターンド媒体(DTR媒体、BPM)の製造にあたって、媒体表面の凹凸を少なくすることは、ヘッド浮上性の点からも非常に重要な問題である。通常のパターンド媒体では、磁性を分断するにはエッチング等の方法で磁気記録層を物理的に分断する方法が用いられる。しかし、数十nmの厚さを持つ磁気記録層を完全に分断した場合、ヘッド浮上性の悪化を招き、HDDとして機能しない。この問題を解消するには凹部の埋め込み法がよく知られている。また、我々が提案するような、凹部の磁性を失活させる手法も有効である。パターンド媒体の非記録部に該当する部分の磁気記録層に対し磁性失活を行うことで磁性を消失させ、磁気記録層を物理的に分断せずともその効果を得ることができる。
パターンド媒体において、媒体へのパターン描画にはインプリント等のリソグラフィ技術が用いられる。ここで問題になるのが、インプリント材料とパターン化する媒体のエッチング選択比である。磁性失活や磁気記録層の分断のためのマスクとしては、カーボンを主成分とする材料が好適である。しかし、多くのインプリント材料はカーボンに対して選択比が取りにくいため、単にカーボンの上にインプリント材料を積層していたのでは矩形性の良いパターン作製が困難である。その解決法として、特許文献1および2に開示されているように、カーボンを第1のハードマスクとし、その上に第2のハードマスクとして、カーボンに比べてエッチング耐性のある材料を積層し、2層マスクとする方法が挙げられる。しかし、第2のハードマスクとして用いられる材料の多くは、磁性失活プロセスで変性し、第1のハードマスク除去時に残渣として残ってしまうことが多く、媒体表面荒れの原因となる。
特開2005−50468号公報 特開2006−12332号公報
本発明の目的は、媒体表面荒れが抑制され、良好なヘッドの浮上性を確保することができるパターンド磁気記録媒体(DTR媒体およびBPM)の製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態によれば、磁気記録層上に、第1のハードマスク、Al、Si、Ta、Ti、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Ptからなる群より選択される元素を含む第2のハードマスクおよびレジストを形成し、前記レジストに対してスタンパをインプリントして凹凸パターンを転写し、パターン化されたレジストの凹部に残存している残渣を除去し、パターン化されたレジストをマスクとして、前記第2のハードマスクをエッチングして凹凸パターンを転写し、前記第2のハードマスクをマスクとして前記第1のハードマスクをエッチングして凹凸パターンを転写し、前記第1のハードマスクの凸部に残存している前記第2のハードマスクを除去し、HeおよびN の混合ガスまたはCF によるイオンビーム照射により、凹部で露出している前記磁気記録層の磁性を失活させることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が提供される。
本発明の実施形態によれば、2層ハードマスク形成工程および磁性失活工程を含むパターンド磁気記録媒体の製造方法において、磁性失活工程よりも前に第2のハードマスクの除去工程を行うことで、媒体の表面荒れが抑制されるため、良好なヘッドの浮上性を確保することができる。
本発明の方法を用いて製造されるディスクリートトラック媒体(DTR媒体)の周方向に沿う平面図。 本発明の方法を用いて製造されるビットパターンド媒体の周方向に沿う平面図。 本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の一例を示す断面図。 本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の一部を示す断面図。 本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の別の例を示す断面図。 本発明によって製造された磁気記録媒体を搭載した磁気記録装置を示す斜視図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1に、本発明の方法を用いて製造されるパターンド媒体の一例であるディスクリートトラック媒体(DTR媒体)の周方向に沿う平面図を示す。図1に示すように、パターンド媒体1の周方向に沿って、サーボ領域2と、データ領域3が交互に形成されている。サーボ領域2には、プリアンブル部21、アドレス部22、バースト部23が含まれる。データ領域3には隣接するトラック同士が互いに分離されたディスクリートトラック31が含まれる。
図2に、本発明方法を用いて製造されるパターンド媒体の他の例であるビットパターンド媒体の周方向に沿う平面図を示す。このパターンド媒体では、データ領域3に磁性ドット32が形成されている。
図3(a)〜(i)を参照して、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する。
図3(a)に示すように、ガラス基板51上に、厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)(図示せず)、厚さ20nmの配向制御用下地層(Ru)(図示せず)および厚さ20nmの磁気記録層52(CoCrPt−SiO)を成膜する。磁気記録層52上に厚さ25nmのカーボンからなる第1のハードマスク53と、厚さ3nmのCuからなる第2のハードマスク54を成膜する。第2のハードマスク54上に、厚さ50nmになるようにレジスト55をスピンコートする。一方、たとえば図1または2に示すパターンに対応する所定の凹凸パターンが形成されたスタンパ60を用意する。スタンパ60は、EB描画、Ni電鋳、射出成形を経て製造される。スタンパ60を、その凹凸面がレジスト55に対向するように配置する。
図3(b)に示すように、レジスト55に対してスタンパ60をインプリントして、スタンパ60の凹凸パターンをレジスト55に転写する。その後、スタンパ60を取り外す。レジスト55に転写された凹凸パターンの凹部の底にはレジスト残渣が残っている。
図3(c)に示すように、ドライエッチングにより、凹部のレジスト残渣を除去し、第2のハードマスク54の表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を15秒として行われる。
図3(d)に示すように、パターン化されたレジスト55をマスクとし、イオンビームエッチングを用いて第2のハードマスク54にパターンを転写し、凹部で第1のハードマスク53を露出させる。この工程は、例えばECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いて、プロセスガスAr、マイクロ波パワー500Wおよび加圧電圧600V、エッチング時間10秒にて行われ、厚さ3nmのCuから成る第2のハードマスク54の一部を選択的に全膜厚にわたってエッチングする。
図3(e)に示すように、パターン化された第2のハードマスク54をマスクとして、カーボンから成る第1のハードマスク53をエッチングしてパターンを転写し、凹部で磁気記録層52の表面を露出させる。この工程は、例えばRIE装置により、Oガスを使用し、ガス圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を30秒間として行われる。このとき、残存しているレジスト55も剥離される。
図3(f)に示すように、残存している第2のハードマスク(Cu)54を除去する。この工程は、たとえば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いて、プロセスガスAr、マイクロ波パワー500Wおよび加圧電圧600V、エッチング時間20秒にて行われ、残存している第2のハードマスク54を全て除去する。
図3(g)に示すように、パターン凹部で磁気記録層52の磁性を失活させて非磁性層56を形成する。この場合、失活ガスによって、磁気記録層52の結晶をアモルファス化することで、磁性を失活させる。この工程は、たとえば、ECRイオンガンによって、流量比1:1のHe−N混合ガスを使用し、ガス圧0.02Pa、マイクロ波パワー1000W、加圧電圧1000V、処理時間200秒にて行われる。
図3(h)に示すように、残存している第1のハードマスク(カーボン)53を除去する。この工程は、たとえば、RIE装置により、Oガスを使用し、ガス圧を1.5Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ400Wおよび0Wとし、エッチング時間を20秒間として行われる。
図3(i)に示すように、CVD(化学気相堆積)により保護膜57を形成し、潤滑剤を塗布することで本発明によるパターンド媒体が得られる。
本発明による製造方法は、図3に示される方法に限らず、図5に示されるように、磁気記録層52の磁性失活工程(図5(h))の前に、第1のハードマスク53をマスクとして磁気記録層52の一部をエッチングする工程(図5(g))を含んでよい。このような工程は、後に続く磁性失活工程の時間を短縮する目的で適宜行われる。
なお、以上の工程において、各種の膜の厚さおよび凹凸の深さは、たとえばAFM(atomic force microscope)、断面TEM(transmission electron microscopy)などを用いて容易に測定することができる。また、メタルマスク種およびその組成比については、EDX(energy dispersive X-ray spectroscopy)分析を行なうことで容易に測定できる。加工完成後媒体をXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)分析し、媒体内の残留ガスを分析することで、イオンビームエッチングで用いたエッチングガス種とその効果を調査することが可能である。
ここで、図3(f)、図4(f)または図5(f)の工程をより詳細に説明する。本発明の方法では、失活工程に先立ち、第2のハードマスク54を除去する。
これに対し、従来の方法では、第2のハードマスク54の除去は、磁性失活に最適化されたエッチング条件の下、パターン凹部での磁気記録層52の磁性失活と並行して行われる。このような方法では、第2のハードマスク54は、磁性失活条件によって変性を起こすことが多く、変性した第2のハードマスク54は、第1のハードマスク53を除去した後においても、磁気記録層52の凸部表面に残渣として残る。そのため、得られる磁気記録媒体の表面の平滑性は損なわれ、ヘッドの浮上における安定性が損なわれる。また、製造方法の最終段階、特にダイヤモンドライクカーボン製膜直前において、当該残渣を除去する工程を設けて表面の平滑性を回復する方法も検討されているが、当該残渣の除去は時間を要すため、磁気記録層52へのダメージをもたらし、かえって磁気記録媒体としての性能を低下させる場合がある。
本発明の方法では、磁性失活の工程と独立に、第2のハードマスク54を除去する工程を設け、第2のハードマスク54の変性を生じさせることなく、第2のハードマスク54を除去する。この結果、第1のハードマスク54を除去した後において、磁気記録層52の凸部表面には第2のハードマスク54由来の残渣がほとんど残らず、磁気記録層52の表面の平滑性が保たれる。そして、製造方法の最終段階における残渣除去工程を設ける必要もないため、それに起因する磁気記録層52のダメージも生じることがない。
本発明の方法における、第2のハードマスク54の除去工程により、第1のハードマスク53の凸部表面に残る第2のハードマスク54は、その一部または全てが除去される。ここにいう「一部」が除去されるとは、「ミキシング」部分を残して第2のハードマスク54が除去されることをいう。層形成工程または複数のエッチング工程を経ると、第1のハードマスク53と第2のハードマスク54との界面において、互いの構成材料が混合する場合があり、このことをミキシングという。ミキシングが生じる場合であっても、生じない場合であっても、本発明の方法では、純粋な第2のハードマスク54が全て除去される。なお、本明細書において、第2のハードマスク54の「剥離」という用語も、「除去」という用語と同じ意味を表すこととする。
本発明の方法における第1のハードマスクの組成は、カーボンを主原料とする。原子数比で、カーボンの割合が75%を超えることが望ましい。カーボンの割合が75%以下であると、エッチング選択比が低下し、形状よく磁性層を加工できなくなる傾向がある。第1のハードマスクは、スパッタあるいはCVDで堆積することができる。第1のハードマスクの膜厚は4〜50nmが好ましい。膜厚が厚すぎると剥離の際にエッチング時間がかかり、パターン化された膜のサイドにおけるダメージの原因となる。薄すぎるとエッチングの際のハードマスクとしての機能が果たせない。また、必要に応じて、第1のハードマスクと磁気記録層との間に酸化防止層を成膜することができる。
本発明の方法における第2のハードマスク54は、OあるいはOガスに耐性があって、Al、Si、TaまたはTiあるいはAg、Au、Co、Cr、Cu、Ni、PdまたはPtを主成分とするものが望ましい。例えば、これらの単体、窒化物、酸化物、含金、混合物が使用できる。また、第2のハードマスク54の膜厚は1〜15nmであることが好ましく、特に3nmであることが好ましい。この膜厚が厚すぎる場合、第2のハードマスク54の除去の際に磁気記録層に対するダメージの原因となる。逆に、薄すぎる場合、一様な膜として成膜できず、第1のハードマスク53が形成できない。
本発明の方法における第2のハードマスク54の除去の条件としては、第2のハードマスク54のパターニングと同様のRIE装置を用いてよく、あるいは、Ar、Kr、Xe等のイオンビームエッチングを用いてよい。例えば、第2のハードマスク54の材料が、Al、Si、Ta、Tiであれば、フッ素を含むガスが好適であり、特にCFを使用することが好ましい。また、第2のハードマスク54の材料が、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Ptであれば、Ne、Ar、KrまたはXeを含むガスあるいは、OまたはNを含むガスによるイオンビームエッチングが好適であり、特にArによるイオンビームエッチングが好ましい。
本発明の方法では、第2のハードマスク54の除去工程の後に、磁気記録層52の磁性を失活させる工程(図3(g)、図4(g))を設ける。磁気記録層52の凹部の磁性失活によって、磁気記録媒体のフリンジ特性が向上する。本明細書における磁性失活工程とは、パターン化された磁気記録層52の凹部の磁性を凸部の磁性と比較して弱める工程を指す。磁性を弱めるとは、軟磁性化させたり、非磁性化あるいは反磁性化させたりすることを意味する。このような磁性の変化は、VSM(試料振動型磁力計)やKerr(磁気光学カー効果)測定装置によりHn、Hs、Hcなどの値を測定することで観測することができる。
本発明の方法において、磁性失活工程は、ガスまたは溶液の使用によって行うことができる。ガスを使用する場合、使用できるガスはCF、SF、CHF、O、O、N、Cl、H等の反応性ガスや、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガスおよびそれらの混合ガスを用いることができる。フッ素系ガスを用いる場合、フッ素と磁気記録層52に含まれるCoの反応物を除去する工程を入れてもよい。その場合、除去は水洗、あるいは水蒸気プラズマ、Hプラズマなどの照射が好適である。He、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガスを用いる場合、ECR等でイオン化し、高加速エネルギーで照射する。これによって、磁気記録層の結晶を破壊し、磁性を失わせることができる。OやNの場合は、O原子やN原子が結晶中に入り込み化合物を生成する。また、HeやAr等の希ガスとNやOの反応性ガスとを組み合わせても良い。その場合、双方のガスの効果が得られるため、磁性を失活させるには非常に好適である。特に、HeとNとの混合ガスを使用することが好ましい。使用するガスがNやOガスの場合、第1のハードマスクが同時にエッチングされるので、第1のハードマスクを厚めに成膜することが好ましい。磁性失活工程を溶液の使用により行う場合、すなわちウェットエッチング法を用いる場合、フッ酸、塩酸、硝酸、スルファミン酸等の酸を使用する。
また、本発明の方法では、図5に示される製造方法の例のように、磁性を失活させる工程(図5(h))の前に、第1のハードマスク53をマスクとして磁気記録層52の一部をエッチングする工程(図5(g))を設けることもできる。この工程は、He、Ne、Ar、Kr、Xe等のイオンビームを用いたエッチング(特にArガスを用いることが好適である)、Arガス(あるいはOガスまたはNガス)を用いたECR(電子サイクロトロン共鳴)によるイオンビーム照射によって行うことが好適である。Clガス、もしくはCOとNHとの混合ガス、メタノールを用いたRIEを使用することもできる。加工の深さは、磁気記録層の厚さに対して浅くして一部の磁気記録層を残す。このような磁気記録層52のエッチング工程を設けることで、後の磁性失活工程の処理時間を短縮することができる。
次に、上述した材料以外の、本発明の実施形態において用いられる好適な材料について説明する。
<基板>
基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などを用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが用いられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。また、基板上への薄膜の形成方法としては、スパッタリング法だけでなく、真空蒸着法または電解メッキ法などを使用して同様な効果を得ることができる。
<軟磁性裏打ち層>
軟磁性裏打ち層(SUL)は、垂直磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性裏打ち層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性裏打ち層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性裏打ち層の下に、軟磁性裏打ち層の結晶性の向上または基板との密着性の向上のために、さらに下地層を設けてもよい。こうした下地層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。軟磁性裏打ち層と記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けてもよい。中間層は、軟磁性裏打ち層と記録層との交換結合相互作用を遮断し、記録層の結晶性を制御する、という2つの作用を有する。中間層の材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
スパイクノイズ防止のために軟磁性裏打ち層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させてもよい。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、Ru層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
<磁気記録層>
垂直磁気記録層としては、Coを主成分とし、少なくともPtを含み、さらに酸化物を含む材料を用いることが好ましい。垂直磁気記録層は、必要に応じて、Crを含んでいてもよい。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)を得ることができる。このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。
垂直磁気記録層の酸化物含有量は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%以上12mol%以下であることが好ましく、5mol%以上10mol%以下であることがより好ましい。垂直磁気記録層の酸化物含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁気記録層を形成した際、磁性粒子の周りに酸化物が析出し、磁性粒子を分離させ、微細化させることができるためである。酸化物の含有量が上記範囲を超えた場合、酸化物が磁性粒子中に残留し、磁性粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、磁性粒子の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)が得られなくなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のCr含有量は、0at%以上16at%以下であることが好ましく、10at%以上14at%以下であることがより好ましい。Cr含有量として上記範囲が好ましいのは、磁性粒子の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるためである。Cr含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子の結晶性、配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のPt含有量は、10at%以上25at%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁性層に必要なKuが得られ、さらに磁性粒子の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。Pt含有量が上記範囲未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、酸化物のほかに、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子の微細化を促進し、または結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。8at%を超えた場合、磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層としては、CoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi、ならびにPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することもできる。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは5ないし60nm、より好ましくは10ないし40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが40nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
<保護膜>
保護膜は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護膜の材料としては、たとえばC、SiO2、ZrO2を含むものが挙げられる。保護膜の厚さは1から10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。CVD(chemical vapor deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
次に、上述した工程以外の、本発明の実施形態における各工程の好適な製造条件について説明する。
<インプリント>
媒体の表面に、スピンコート法、ディップ法、インクジェット法等で均一にレジストを塗布する。レジストには一般的な感光性樹脂や熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることが出来る。樹脂は酸素やフッ素を含むガスによるRIEでエッチングされるものが望ましい。
インプリント用スタンパは、石英、樹脂、Si、Niなどの材料で作製されたものを用いる。石英や樹脂でできたスタンパを用いた際には、紫外光で硬化する感光性樹脂(フォトレジスト)が好適である。レジストが熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂であれば、インプリント時に熱あるいは圧力を加えるため、スタンパはSi、Niのものが好適である。
インプリントは、例えば、記録トラックとサーボ情報のパターンが形成された樹脂スタンパを5tで60秒間プレスし、紫外光を10秒間照射することによって、レジストにそのパターンを転写する。プレスは、ダイセットの下板に、スタンパ、基板、スタンパを積層し、ダイセットの上板で挟む。基板には予め、両面にレジストが塗付されている。スタンパ及び基板は、スタンパの凹凸面と基板のレジスト膜側を対向させる。インプリントによって作製されたパターンの凹凸高さは40〜50nmであるため、その残渣は20nm程度となる。スタンパにフッ素系の剥離材を塗布すれば、スタンパとレジストの良好な剥離ができる。
<残渣除去>
RIE(反応性イオンエッチング)でインプリント後のレジスト残渣除去を行う。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマが生成可能なICP(inductively coupled plasma)が好適であるが、ECR(electron cyclotron resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。レジストに感光性樹脂を用いた場合には、OガスまたはCFガス、OとCFとの混合ガスを用いる。レジストにSi系の材料(例えば、SOG(Spin−On−Glass))を用いた場合には、CFまたはSF等のフッ素ガスRIEを用いる。残渣除去はレジスト下の第2のハードマスクが露出した段階で終了とする。
<第2のハードマスクのパターニング>
インプリント及びレジスト残渣除去の後、インプリントされたレジストのパターンを元に、第2のハードマスクをパターニングする。第2のハードマスクのパターニングにはRIEを用いてよいし、Ar、Kr、Xe等によるイオンビームエッチング法を用いてもよい。例えば、第2のハードマスクの材料がAl、Si、Ta、Tiであれば、CFなどのガスの使用が好適である。第2のハードマスクの材料がAg、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Ptであれば、Arによるイオンビームエッチングが好適である。第2のハードマスクのパターニングは第1のハードマスクの表面が露出した段階で終了とする。
<第1のハードマスクのパターニング>
第1のハードマスクはカーボンを主原料とするため、OやOガスに対する耐性が低く、エッチングレートが速い。そのため、第2のハードマスクをOやOガスに耐性のあるものとすることによって、矩形性のよいマスクを形成することができる。第1のハードマスクのパターニングには、OやOを含むガスを用いたRIEが好適である。レジストが、OガスまたはOガスに対する耐性が弱いものである場合、第1のハードマスクのパターニングと同時に、第2のハードマスクの凸部に残ったレジストを剥離してもよい。第1のハードマスクのパターニングは凹部の磁気記録層の表面が露出するまで行う。
<第2のハードマスクの除去および磁性失活工程>
第1のハードマスクのパターニングの後に、上述したように、第2のハードマスクの除去の工程を行う。さらにその後、上述したように、磁気記録層のエッチング工程を任意に行い、続いて磁気記録層52の磁性を失活させる工程を行う。
<第1のハードマスクの除去>
磁性失活工程後、第1のハードマスクの除去を行う。第1のハードマスクは酸素アッシングやICPエッチング装置、RIE装置等で容易に剥離することができる。マスク厚さに対して剥離時間を長くすることは、磁気記録層に酸化によるダメージをもたらし、S/Nを悪化させるため、好ましくない。これを防止する目的で、第1のハードマスクと磁気記録層との間に酸化防止層を設けても良い。
<凹凸埋め込み工程>
マスク剥離後、非磁性体で凹凸の埋め込みを行ってもよい。埋め込みには、非磁性材料をバイアススパッタ法、または通常のスパッタ法で成膜する。非磁性材料は、無機物や金属、それらの酸化物や窒化物であるSi、SiC、SiC−C、SiOC、SiON、Si、Al、AlxOy、Ti、TiOx、Ru、Pd、NiNb、NiNbTi、NiTa、NiSi、Zr、ZrOx、W、Ta、Cr、CrN、CNの単体あるいは混合物から選択できる。バイアススパッタ法は、基板にバイアスをかけながらスパッタ成膜する方法で、容易に凹凸を埋め込みながら成膜できる。
埋め込みを行った場合、磁気記録層上にあるカーボン保護膜または磁気記録層が露出するまでエッチバックを行う。このエッチバックプロセスは、イオンミリングを用いる事が望ましいが、SiO等のシリコン系埋め込み剤を用いた場合はフッ素系ガスを用いたRIEを用いて行うことも可能である。ECRイオンガンを用いたエッチングでも良い。エッチバックのガスにOを混合すると、表面を平滑化しながらエッチバックを行うことができる。
<保護膜形成および後処理>
カーボン保護膜は、凹凸へのカバレッジをよくするためにCVD法で成膜することが望ましいが、スパッタ法または真空蒸着法により成膜してもよい。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。膜厚は2nm以下だとカバレッジが悪くなり、10nm以上だと、記録再生ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。保護膜上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
次に、上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置(HDD)について説明する。図5は、本発明によって製造された磁気記録媒体を搭載した磁気記録装置を示す斜視図である。
図5に示すように、本発明の実施形態に係る磁気記録装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。パターンド媒体1は、スピンドルモータ140に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気記録装置150は、複数のパターンド媒体1を備えたものでもよい。
パターンド媒体1に対して情報の記録再生を行うヘッドスライダー130は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ヘッドスライダー130の先端付近には磁気ヘッドが設けられている。パターンド媒体1が回転すると、サスペンション154による押付け圧力とヘッドスライダー130の媒体対向面(ABS)で発生する圧力とがつりあい、ヘッドスライダー130の媒体対向面は、パターンド媒体1の表面から所定の浮上量をもって保持される。
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石及び対向ヨークからなる磁気回路とから構成することができる。アクチュエータアーム155は、ピボット157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。その結果、磁気ヘッドをパターンド媒体1の任意の位置にアクセスできる。
[実施例1]
図3に示される方法に従って、DTR媒体を作製した。
図3(a)に示されるように、ガラス基板51上に、磁気記録層として、軟磁性層(CoZrNb)40nm、配向制御用下地層(Ru)20nm、強磁性記録層(CoCrPt−SiO2)20nm、第1のハードマスク53としてとしてカーボンハードマスク(C)25nm、第2のハードマスク54としてCuを3nm、順次成膜し、その上にスピンコート法によってレジスト55として感光性樹脂を厚さ50nmになるように塗布した。
次に、図3(b)に示されるように、図1に示すサーボパターンおよび記録トラックパターンが形成されたインプリント用スタンパ60を用いてインプリントした。
次に、図3(c)に示されるように、Oガスを用いたICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置によって、凹部に残ったレジスト55の残渣を除去した。チャンバー圧は0.1Paとし、コイルRFパワーとプラテンRFパワーをそれぞれ100W、50Wとし、エッチング時間15秒にて、レジスト55の残渣を除去し、凹部において第2のハードマスク54の表面を露出させた。
次に、図3(d)に示されるように、第2のハードマスク54をエッチングして第1のハードマスク53を露出させた。ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いて、プロセスガスAr、マイクロ波パワー500W、加速電圧600Vの条件で10秒間エッチングし、3nmのCuを全てエッチングした。
次に、図3(e)に示されるように、第1のハードマスク53をエッチングしてパターン形成した。Oガスを用いたRIE装置により、ガス圧0.1Pa、コイルRFパワー100W、プラテンRFパワー50W、処理時間30秒という条件で、カーボンからなる第1のハードマスク53をエッチングした。この時、同時に、第2のハードマスク54の凸部に残るレジスト55も除去された。
次に、図3(f)に示されるように、第2のハードマスク54を除去した。この工程は、プロセスガスとしてArを用いて、マイクロ波パワー500W、加速電圧600Vにて、20秒間エッチングすることで行い、Cuを全て剥離した。
次に、図3(g)に示されるように、磁性失活を行った。凹部における磁気記録層52の磁性を消失させるため、失活ガスで結晶をアモルファス化した。この工程は、ECRイオンガンにて、ガス圧0.02Pa、マイクロ波パワー1000W、加速電圧1000Vの条件で、30秒間ガスを暴露した。用いたガスはHeとNの混合ガスで、流量比は3:1とした。
次に、図3(h)に示されるように、第1のハードマスク53を除去した。この工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間20秒間の条件で行った。
最後の工程として、図3(i)に示されるように、保護膜を形成した。CVD(化学気相堆積法)によって表面にカーボン保護膜を形成し、さらに潤滑剤を塗布して、本発明のDTR媒体を得た。
以上の工程によって得られたDTR媒体をグライドテスターに搭載し、AE(アコースティック・エミッション)法によるグライド試験を行った。その結果、ヘッド浮上高さ10nmをパスし、DTR媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[実施例2]
図3の(a)、(d)および(f)の工程に変更を加えた以外は、実施例1と同様の方法によってDTR媒体を作製した。
(a)の工程では、第2のハードマスク54としてSiを用いた。その厚さは3nmとした。(d)の工程では、第2のハードマスク54のエッチングにCFガスのRIEを用いた。エッチング条件は、コイルRFパワー100W、プラテンRFパワー50W、エッチング時間10秒間とした。(f)の工程では、第2のハードマスク54の除去に、CFガスを用いた。条件はコイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、エッチング時間30秒間とした。
この実施例では、第2のハードマスク54の除去にCFガスを用いるため、図3(f)に示されるような第1のハードマスク53をマスクとした磁気記録層52のエッチングが必ずしも生じない。すなわち、図4(f)に示されるように、第2のハードマスク54の除去が終了した段階で、磁気記録層52に凹凸がない状態とすることができる。この場合、続く工程においても、磁気記録層52に凹凸がない状態とすることができる(図4g〜i)。
このように製造されたDTR媒体を、実施例1と同様にグライド試験に供したところ、ヘッド浮上高さ10nmをパスし、DTR媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[実施例3]
図5に示される方法に従って、DTR媒体を作製した。
図5(a)に示されるように、ガラス基板51上に、磁気記録層52として、軟磁性層(CoZrNb)40nm、配向制御用下地層(Ru)20nm、強磁性記録層(CoCrPt−SiO2)20nm、第1のハードマスク53としてカーボン(C)を25nm、第2のハードマスク54としてCuを3nm、順次成膜し、その上にスピンコート法によってレジスト55として感光性樹脂を厚さ50nmになるように塗布した。
次に、図5(b)に示されるように、図1に示すサーボパターンおよび記録トラックパターンが形成されたインプリント用スタンパ60を用いてインプリントした。
次に、図5(c)に示されるように、Oガスを用いたICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置によって、凹部に残ったレジスト55の残渣を除去した。チャンバー圧は0.1Paとし、コイルRFパワーとプラテンRFパワーをそれぞれ100W、50Wとし、エッチング時間15秒にて、レジスト55残渣を除去し、凹部において第2のハードマスク54の表面を露出させた。
次に、図5(d)に示されるように、第2のハードマスク54をエッチングして第1のハードマスク53を露出させた。ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いて、プロセスガスAr、マイクロ波パワー500W、加速電圧600Vの条件で10秒間エッチングし、3nmのCuの一部を全膜厚にわたってエッチングした。
次に、図5(e)に示されるように、第1のハードマスク53をエッチングしてパターン形成した。Oガスを用いたRIE装置により、ガス圧0.1Pa、コイルRFパワー100W、プラテンRFパワー50W、処理時間30秒という条件で、カーボンからなる第1のハードマスク53をエッチングした。この時、同時に、第2のハードマスク54の凸部に残るレジスト55も除去された。
次に、図5(f)に示されるように、第2のハードマスク54を除去した。この工程は、プロセスガスとしてArを用いて、マイクロ波パワー500W、加速電圧600Vにて、20秒間エッチングすることで行い、Cuを全て剥離した。
次に、図5(g)に示されるように、第1のハードマスク53をマスクとして磁気記録層52の一部をエッチングした。その条件は、第2のハードマスク54の除去(f)と同じ条件で行い、溝の深さが12nmとなるまでエッチングした。
次に、図5(h)に示されるように、磁性失活を行った。凹部における磁気記録層52の磁性を消失させるため、失活ガスで結晶をアモルファス化した。この工程は、CFガスを用いたRIE装置にて、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0Wの条件で200秒間ガスを暴露した。
次に、図5(i)に示されるように、第1のハードマスク53を除去した。この工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間20秒間の条件で行った。
最後の工程として、図5(i)に示されるように、保護膜を形成した。CVD(化学気相堆積法)によって表面C保護膜を形成し、さらに潤滑剤を塗布して、本発明のDTR媒体を得た。
以上の工程によって得られたDTR媒体をグライドテスターに搭載し、AE(アコースティック・エミッション)法によるグライド試験を行った。その結果、ヘッド浮上高さ10nmをパスし、DTR媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[実施例4]
図5の(a)、(d)および(f)の工程に変更を加えた以外は、実施例3と同様の方法によってDTR媒体を作製した。
(a)の工程では、第2のハードマスク54としてSiを用いた。その厚さは3nmとした。(d)の工程では、第2のハードマスク54のエッチングにCFガスのRIEを用いた。エッチング条件は、コイルRFパワー100W、プラテンRFパワー50W、エッチング時間10秒間とした。(f)の工程では、第2のハードマスク54の除去に、CFガスを用いた。条件はコイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、エッチング時間30秒間とした。
このように製造されたDTR媒体を、実施例1と同様にグライド試験に供したところ、ヘッド浮上高さ10nmをパスし、DTR媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[実施例5]
図3に示される方法に従って、BPM媒体を作製した。
図3(a)に示されるように、ガラス基板51上に、磁気記録層として、軟磁性層(CoZrNb)40nm、配向制御用下地層(Ru)10nm、強磁性記録層(CoCrPt)20nm、第1のハードマスク53としてカーボン(C)を25nm、第2のハードマスク54としてCuを3nm、順次成膜し、その上にスピンコート法によってレジスト55として感光性樹脂を厚さ50nmになるように塗布した。
次に、図3(b)に示されるように、図2に示すサーボパターンおよび記録ビットパターンが形成されたインプリント用スタンパ60を用いてインプリントした。
次に、図3(c)に示されるように、Oガスを用いたICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置によって、凹部に残ったレジスト55の残渣を除去した。チャンバー圧は0.1Paとし、コイルRFパワーとプラテンRFパワーをそれぞれ100W、50Wとし、エッチング時間15秒にて、レジスト55の残渣を除去し、凹部において第2のハードマスク54の表面を露出させた。
次に、図3(d)に示されるように、第2のハードマスク54をエッチングして第1のハードマスク53を露出させた。ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いて、プロセスガスAr、マイクロ波パワー500W、加速電圧600Vの条件で10秒間エッチングし、3nmのCuの一部を全膜厚にわたってエッチングした。
次に、図3(e)に示されるように、第1のハードマスク53をエッチングしてパターン形成した。Oガスを用いたRIE装置により、ガス圧0.1Pa、コイルRFパワー100W、プラテンRFパワー50W、処理時間30秒という条件で、カーボンからなる第1のハードマスク53をエッチングした。この時、同時に、第2のハードマスク54の凸部に残るレジスト55も除去された。
次に、図3(f)に示されるように、第2のハードマスク54を除去した。この工程は、プロセスガスとしてArを用いて、マイクロ波パワー500W、加速電圧600Vにて、20秒間エッチングすることで行い、Cuを全て剥離した。
次に、図3(g)に示されるように、磁性失活を行った。凹部における磁気記録層52の磁性を消失させるため、失活ガスで結晶をアモルファス化した。この工程は、ECRイオンガンにて、ガス圧0.02Pa、マイクロ波パワー1000W、加速電圧1000Vの条件で、30秒間ガスを暴露した。用いたガスはHeとNの混合ガスで、流量比は3:1とした。
次に、図3(h)に示されるように、第1のハードマスク53を除去した。この工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間20秒間の条件で行った。
最後の工程として、図3(i)に示されるように、保護膜を形成した。CVD(化学気相堆積法)によって表面のカーボン保護膜を形成し、さらに潤滑剤を塗布して、本発明のDTR媒体を得た。
以上の工程によって得られたDTR媒体をグライドテスターに搭載し、AE(アコースティック・エミッション)法によるグライド試験を行った。その結果、ヘッド浮上高さ10nmをパスし、BPM媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[実施例6]
実施例1および実施例3と同様の方法をそれぞれ用いて、DTR媒体を作製した。ただし、第2のハードマスク54には、Cuの代わりに、Ag、Au、Co、Cr、Ni、Pd、Ptを用いた。媒体作製後、グライド試験を行ったところ、すべてヘッド浮上高さ10nmをパスし、DTR媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[実施例7]
実施例2および実施例4と同様の方法をそれぞれ用いて、DTR媒体を作製した。ただし、第2のハードマスク54には、Siの代わりに、Al、Ta、Tiを用いた。媒体作製後、グライド試験を行ったところ、すべてヘッド浮上高さ10nmをパスし、DTR媒体として非常に良好な性能があることが示された。
[比較例1]
第2のハードマスクの除去の工程(図3(f))を行わないこと、及び、第1のハードマスクの除去の工程(図3(h))の条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてDTR媒体を製造した。
第2のハードマスクの除去を行わなかった結果、その後の磁性失活工程(図3(g))において、第2のハードマスク54がエッチングされ消失した。また、第1のハードマスクの除去の工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間30秒間の条件で行った。
実施例1と同様にDTR媒体のグライド試験を行ったところ、ヘッド浮上高さ15nmはパスしたものの、10nmは通らなかった。すなわち、実施例と比較して、DTR媒体としての性能が劣るものであることがわかった。
[比較例2]
第2のハードマスクの除去の工程(図3(f))を行わないこと、及び、第1のハードマスクの除去の工程(図3(h))の条件を変更したこと以外は、実施例2と同様にしてDTR媒体を製造した。
第2のハードマスクの除去を行わなかった結果、その後の磁性失活工程(図3(g))において、第2のハードマスク54がエッチングされ消失した。また、第1のハードマスクの除去の工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間30秒間の条件で行った。
実施例2と同様にDTR媒体のグライド試験を行ったところ、ヘッド浮上高さ15nmはパスしたものの、10nmは通らなかった。すなわち、実施例と比較して、DTR媒体としての性能が劣るものであることがわかった。
[比較例3]
第2のハードマスクの除去の工程(図5(f))を行わないこと、及び、第1のハードマスクの除去の工程(図5(i))の条件を変更したこと以外は、実施例3と同様にしてDTR媒体を製造した。
第2のハードマスクの除去を行わなかった結果、その後の磁性失活工程(図5(g))において、第2のハードマスク54がエッチングされ消失した。また、第1のハードマスクの除去の工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間30秒間の条件で行った。
実施例3と同様にDTR媒体のグライド試験を行ったところ、ヘッド浮上高さ15nmはパスしたものの、10nmは通らなかった。すなわち、実施例と比較して、DTR媒体としての性能が劣るものであることがわかった。
[比較例4]
第2のハードマスクの除去の工程(図5(f))を行わないこと、及び、第1のハードマスクの除去の工程(図5(i))の条件を変更したこと以外は、実施例4と同様にしてDTR媒体を製造した。
第2のハードマスクの除去を行わなかった結果、その後の磁性失活工程(図5(g))において、第2のハードマスク54がエッチングされ消失した。また、第1のハードマスクの除去の工程は、Oガスを用いたICPエッチング装置にて、チャンバー圧1.5Pa、コイルRFパワー400W、プラテンRFパワー0W、処理時間30秒間の条件で行った。
実施例4と同様にDTR媒体のグライド試験を行ったところ、ヘッド浮上高さ15nmはパスしたものの、10nmは通らなかった。すなわち、実施例と比較して、DTR媒体としての性能が劣るものであることがわかった。
実施例1〜7および比較例1〜4の結果から、第2のハードマスク54を除去する工程を行うことで、媒体の表面性が良くなりグライド性能が向上することがわかった。
1…パターンド媒体、2…サーボ領域、3…データ領域、21…プリアンブル部、22…アドレス部、23…バースト部、31…ディスクリートトラック、51…ガラス基板、52…磁気記録層、53…第1のハードマスク、54…第2のハードマスク、55…レジスト、56…非磁性層、57…保護膜、60…スタンパ、130…ヘッドスライダー、140…スピンドルモータ、150…磁気記録装置、154…サスペンション、155…アクチュエータアーム、156…ボイスコイルモータ、157…ピボット。

Claims (4)

  1. 磁気記録層上に、第1のハードマスク、Al、Si、Ta、Ti、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Ptからなる群より選択される元素を含む第2のハードマスクおよびレジストを形成し、
    前記レジストに対してスタンパをインプリントして凹凸パターンを転写し、
    パターン化されたレジストの凹部に残存している残渣を除去し、
    パターン化されたレジストをマスクとして、前記第2のハードマスクをエッチングして凹凸パターンを転写し、
    前記第2のハードマスクをマスクとして前記第1のハードマスクをエッチングして凹凸パターンを転写し、
    前記第1のハードマスクの凸部に残存している前記第2のハードマスクを除去し、
    HeおよびN の混合ガスまたはCF によるイオンビーム照射により、凹部で露出している前記磁気記録層の磁性を失活させる
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記第2のハードマスクは、Al、Si、Ta、Tiからなる群より選択される元素を含み、前記第2のハードマスクの除去は、フッ素を含むガスによる反応性エッチングによって行われることを特徴とする請求項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記第2のハードマスクは、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Ptからなる群より選択される元素を含み、前記第2のハードマスクの除去は、Ne、Ar、KrもしくはXeを含む希ガス、または、OもしくはNを含むガスによるイオンビームエッチングによって行われることを特徴とする請求項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記磁気記録層の磁性を失活させる前に、前記第1のハードマスクをマスクとして前記磁気記録層の一部をエッチングすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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