JPH11328652A - 磁気記録媒体及びその製造法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造法

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JPH11328652A
JPH11328652A JP7679899A JP7679899A JPH11328652A JP H11328652 A JPH11328652 A JP H11328652A JP 7679899 A JP7679899 A JP 7679899A JP 7679899 A JP7679899 A JP 7679899A JP H11328652 A JPH11328652 A JP H11328652A
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plane
cobalt
thin film
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JP7679899A
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English (en)
Inventor
Takanori Doi
孝紀 土井
Kosaku Tamari
耕作 田万里
Yasuo Kakihara
康男 柿原
Kenichi Nakada
健一 中田
Mitsuru Matsuura
松浦  満
Setsuo Yamamoto
節夫 山本
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Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い保磁力とより大きな飽和磁化とを有
しているとともに、ノイズが少なく、高周波領域におけ
る出力が大きく、再生波形の歪みの無いコバルト含有マ
グヘマイト磁性薄膜を基体の材質に制約されることがな
く、工業的、経済的に有利に得る。 【解決手段】 プラスチック基体と該プラスチック基体
上に形成されるコバルト含有マグヘマイト薄膜とからな
る磁気記録媒体において、上記基体と上記コバルト含有
マグヘマイト薄膜との間にニッケル酸化物下地膜を形成
するとともに、上記コバルト含有マグヘマイト薄膜が
(311)面における面間隔が2.510Å以下、(2
22)面における面間隔が2.415Å以下又は(22
0)面における面間隔が2.950Å以下のいずれかに
該当する面間隔を有しており、且つ、上記(311)
面、上記(222)面及び上記(220)面の各面にお
けるX線回折パターンのピーク強度値のいずれかが(4
00)面におけるX線回折パターンのピーク強度値に対
し0.5を越えることを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング型磁気ヘッドを
使用している現行の磁気記録システムに好適であって、
且つ、プラスチック基体の使用が可能な高密度記録用磁
気記録媒体を提供するものであり、詳しくは、より高い
保磁力とより高い飽和磁化とを有しているとともに、ノ
イズが少なく、高周波領域における出力が大きく、再生
波形の歪みが無い磁気記録媒体及び該磁気記録媒体を工
業的、経済的に有利に得るための製造法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、ハードディスクなどの磁気記録装置
においては、情報機器やシステムの小型化と高信頼性化
の傾向が顕著であり、大容量のデータを取り扱うために
は、高密度記録化できる磁気記録媒体を必要とし、その
要求が益々高まってきている。
【0003】このような特性を満たす磁気記録媒体とし
ては、できるだけ高い保磁力と高い飽和磁化とを有して
いることが強く要求される。
【0004】高い保磁力と高い飽和磁化とを有する磁気
記録媒体として基体と該基体上に形成された磁性薄膜と
からなる磁気記録媒体が広く知られている。
【0005】実用化されている磁性薄膜としては、大別
してマグヘマイト等の酸化物磁性薄膜(社団法人電子通
信学会発行、「電子通信学会技術報告」、(1981
年)MR81−20、5〜12頁)とCoCr合金等の
合金薄膜とがある。
【0006】前者は、酸化物であるため耐酸化性や耐食
性に優れており、その結果、経時安定性に優れ、経時に
よる磁気特性の変化が小さいという特徴を有するが、保
磁力は高々700Oe程度と低く、飽和磁化値は高々2
40emu/cm3程度と小さいものであった。
【0007】後者は、2000Oe程度以上の高い保磁
力と300emu/cm3程度以上の大きい飽和磁化値
とを有しているという特徴を有するが、材料自体は酸化
しやすく、その結果、経時安定性が悪いものである。
【0008】この酸化による磁気特性の劣化を防ぐため
合金薄膜は、通常100〜200Å程度の厚みのカーボ
ン膜等が保護膜として表面にコーティングされており、
その結果、カーボン膜の厚み分だけ、磁気的なスペーシ
ング(磁気ヘッドと磁気記録層との距離)ロスが大きく
なり、高密度記録用として適さなくなる。
【0009】そこで、耐酸化性や耐食性が優れていると
ともに、経時安定性に優れている前記酸化物磁性薄膜の
保磁力と飽和磁化値を向上させるために前記マグヘマイ
ト薄膜にコバルト等を含有させることが行われ、実用化
されている(特公昭51−4086号、特公平5−63
925号、社団法人日本セラミックス協会発行「セラミ
ックス」(1986年)第24巻、第1号、第21〜2
4頁 等)。また、膜面に垂直な方向に磁化するため減
磁作用がなく、高密度記録が可能である(400)面が
基体の表面に平行に優先配向させた、所謂、垂直磁化膜
としての開発も盛んに行われている(特公平7−607
68号公報、特開平7−307022号公報)。
【0010】上記コバルトを含有しているマグヘマイト
磁性薄膜は、コバルト量の増加にともなって保磁力が高
くなるが、一方、コバルト量の増加にともなって熱など
の影響により経時安定性が悪くなるという傾向がある。
【0011】上記垂直磁化膜は、現在広く普及している
リング型磁気ヘッドを使用している現行の磁気記録シス
テムを用いて再生した場合、孤立再生波形が歪む、所
謂、ダイパルスと呼ばれる再生波形の形状を示すため、
特別な信号処理を行う必要がある。
【0012】この特別な信号処理を避けるためには、垂
直磁気記録システムに用いられている単磁極ヘッドを用
いればよいが、この垂直磁気記録システムは一般に普及
していないため、単磁極ヘッドは非常に高価である。
【0013】リング型磁気ヘッドを使用している現行の
磁気記録システムに好適である高密度記録用磁気記録媒
体は、現在、強く要求されているところであり、上述し
た各種媒体の開発が盛んである。その中で耐酸化性や耐
食性に優れている酸化物磁性薄膜は最も有望視されてお
り、その特性向上が益々強く要求されている。
【0014】即ち、コバルト含有マグヘマイト薄膜は、
前述した通り、より高い保磁力とより高い飽和磁化とが
強く要求されるとともに、ノイズが少なく、高周波領域
における出力が大きく、孤立再生波形の歪みの無いこと
が強く要求されている。
【0015】ところで、コバルト含有マグヘマイト薄膜
は、基体上にスパッタ法等により形成されるが、一般に
その製造工程において300℃程度以上の高温を必要と
するため、300℃以上の高温に耐えるアルミニウム、
アルミニウム合金のディスクなどしか使用できないとい
う問題があった。製造工程上、300℃以上の高温が必
要であるということは、工業的、経済的に有利に製造す
ることが困難な要因でもあった。
【0016】従来、コバルト含有マグヘマイト薄膜の製
造法としては、基体上にFeとCoの合金をターゲッ
トとしてアルゴンと酸素との混合雰囲気中でスパッタを
行うことにより、ヘマタイト薄膜を形成し、該ヘマタイ
ト薄膜を水素雰囲気下、230〜320℃の高温で還元
してコバルト含有マグネタイト薄膜に変態した後、該コ
バルト含有マグネタイト薄膜を290〜330℃で酸化
する方法、基体上に、コバルトを含有しているマグネ
タイト焼結体をターゲットとしてスパッタを行うことに
よりコバルト含有マグネタイト薄膜を形成し、該コバル
ト含有マグネタイト薄膜を320℃以上の高温で酸化す
る方法。鉄及びM(M:Co、Cu、Rh、Ru、O
s、Ti、V、Nbのうちのいずれか1種の元素でXは
0.01〜0.1)を含有する金属キレート、金属カー
ボニル又はフェロセン類の蒸気と酸素ガスを磁場を印加
することにより高密度化した減圧プラズマ中で分解さ
せ、基体上に直接コバルト含有マグヘマイト薄膜を形成
する方法(特開平3−78114号)等により製造され
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】リング型磁気ヘッドを
使用している現行の磁気記録システムに好適である高密
度記録用磁気記録媒体として、より高い保磁力とより高
い飽和磁化とを有しているとともに、ノイズが少なく、
高周波領域における出力が大きく、孤立再生波形の歪み
の無い磁気記録媒体を基体の材質等に制約されることが
なく、工業的、経済的に有利に得ることは、現在最も要
求されているところであるが、このような諸特性を有す
る磁気記録媒体は未だ得られていない。
【0018】即ち、前出公知のコバルト含有マグヘマイ
ト薄膜は、磁気特性、殊に、保磁力が未だ高いものとは
言えず、高い保磁力、殊に、2000Oe以上を得よう
とすれば、コバルトを多量に含有させる必要があり、こ
の場合には熱などの影響による経時変化が大きいものと
なってしまう。更に、高周波領域における出力が未だ十
分大きいものとは言えないという問題がある。
【0019】前出公知の酸化物垂直磁化膜は、前述した
通り、孤立再生波形が歪むため、リング型磁気ヘッドを
使用している現行の磁気記録システムには使用できな
い。前出及びのコバルト含有マグヘマイト薄膜の製
造法は、290℃以上の高温を必要とする為、基体の材
質が制約され、工業的、経済的に有利とは言えない。前
出のコバルト含有マグヘマイト薄膜の製造法は、50
℃程度の基板温度でマグヘマイト薄膜を形成することが
できるため、耐熱性のないポリエステル、ポリスチレン
テレフタレート、ポリアミド等のプラスチック基体を用
いることができるが得られる磁気記録媒体の保磁力値は
高々1700Oe程度である。
【0020】そこで、本発明は、できるだけ少ないコバ
ルト含有量で、より高い保磁力とより高い飽和磁化とを
有しているとともに、ノイズが少なく、高周波領域にお
ける出力が大きく、再生波形の歪みの無いコバルト含有
マグヘマイト磁性薄膜を基体の材質に制約されることが
なく、工業的、経済的に有利に得ることを技術的課題と
する。
【0021】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0022】即ち、本発明は、プラスチック基体と該プ
ラスチック基体上に形成されるコバルト含有マグヘマイ
ト薄膜とからなる磁気記録媒体において、上記基体と上
記コバルト含有マグヘマイト薄膜との間にニッケル酸化
物下地膜を形成するとともに、上記コバルト含有マグヘ
マイト薄膜の(311)面における面間隔が2.510
Å以下、(222)面における面間隔が2.415Å以
下又は(220)面における面間隔が2.950Å以下
のいずれかに該当する面間隔を有しており、且つ、上記
(311)面、上記(222)面及び上記(220)面
の各面におけるX線回折パターンのピーク強度値(それ
ぞれI(311),I(222),I(220))のいずれかが(40
0)面におけるX線回折パターンのピーク強度値(I
(400))に対し0.5を越えることを特徴とする磁気記
録媒体である。
【0023】また、本発明は、ニッケル酸化物下地膜の
(111)面におけるX線回折スペクトルのピーク強度
値(I(111))が(200)面におけるX線回折スペク
トルのピーク強度値(I(200))に対し0.5を越える
ことを特徴とする前記磁気記録媒体である。また、本発
明は、プラスチック基体上に、反応スパッタ法により、
ニッケル酸化物下地膜を形成し、次いで該ニッケル酸化
物下地膜上にコバルトを含む鉄を主成分とする合金をタ
ーゲットとして用い、酸素及び希ガスの混合ガス雰囲気
中、240℃以下の基体温度において、反応スパッタす
ることにより、コバルト含有マグネタイト薄膜を形成
し、次いで、希ガス含むプラズマ活性化された酸素雰囲
気中、240℃以下の基体温度で上記コバルト含有マグ
ネタイト薄膜を酸化してコバルト含有マグヘマイト薄膜
とすることを特徴とする上記記載の磁気記録媒体の製造
法である。
【0024】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0025】先ず、本発明に係る磁気記録媒体について
述べる。
【0026】本発明に係る磁気記録媒体は、基体と該基
体上に形成されるニッケル酸化物下地膜と該下地膜上に
形成されているコバルト含有マグヘマイト薄膜とからな
る。
【0027】本発明におけるプラスチック基体は、熱変
形温度が240℃以下の樹脂であり、一般的に耐熱性樹
脂と呼ばれているポリイミド、ポリサルホン、ポリアリ
レート、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ−p−ビニル
フェノール樹脂(PVPポリマー)などの他、ポリアミ
ド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリホルムアルデヒド
(du pont社「デルリン」など)、ポリ四フッ化
エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリスチレン、
メタクリル、ポリカーボネート(PC)などがある。
尚、熱変形温度とはASTM D−648などに従って
測定された温度である。
【0028】本発明におけるニッケル酸化物下地膜の厚
みは5〜1000nm程度であり、好ましくは7〜50
0nm、より好ましくは7〜300nmである。厚みが
5nm未満の場合には、本発明の目的とする保磁力がよ
り大きい磁気記録媒体を得ることが困難である。厚みが
1000nmを超える場合には、ニッケル酸化物下地膜
の上に形成されたコバルト含有マグヘマイト薄膜の粒径
が大きくなり、得られた磁気記録媒体のノイズが増加し
やすくなる。
【0029】本発明におけるニッケル酸化物下地膜は基
体平行方向の(200)面の配向ができるだけ小さく、
殊に無配向の場合が好ましい。(200)面の配向が大
きくなるとコバルト含有マグヘマイト薄膜の(400)
面が成長し、ダイパルス比が大きくなることがあるの
で、ダイパルス比を考慮すれば、(111)面における
X線回折パターンのピーク強度値(以下、I(111)とす
る。)が(200)面におけるX線回折パターンのピー
ク強度値(以下、I(200)とする。)に対し0.5を越
えていることが好ましく、1.0以上がより好ましい。
【0030】本発明における磁性薄膜は、厚みが5〜1
000nmのコバルト含有マグヘマイト薄膜であり、好
ましくは7〜500nm、より好ましくは7〜200n
mである。膜厚が5nm未満の場合には、例えば200
0Oe以上の保磁力値を有する磁気記録媒体が得られ難
い。1000nmを越える場合には信号を記録した際に
磁性層の深層部まで均一な磁化状態になり難く、良好な
記録再生特性が得られ難い。。
【0031】マグヘマイトは、一般式γ−Fe23で示
されるが、本発明においては若干のFe2+を含むもので
あってもよい。
【0032】コバルト量はFeに対してモル比で0.0
1:1〜0.1:1が好ましく、より好ましくは0.0
3:1〜0.06:1である。0.01:1未満の場合
には、2000Oe以上のより高い保磁力を有する磁気
記録媒体が得られ難い。0.1:1を越える場合には、
経時安定性に優れた磁気記録媒体が得られ難くなる。
【0033】なお、コバルト含有マグヘマイト磁性薄膜
の諸特性向上のために通常使用されることがある周知の
Mn、Ni、Cu、Ti、Zn等を必要により、Feに
対しモル比で0.005:1〜0.04:1程度含有さ
せてもよく、この場合にも、本発明の目的とする効果と
同一の効果を得ることができる。
【0034】コバルト含有マグヘマイト薄膜は、(31
1)面における面間隔が2.510Å以下、(222)
面における面間隔が2.415Å以下又は(220)面
における面間隔が2.950Å以下のいずれかに該当す
る面間隔を有している。
【0035】少なくともいずれか一つの面間隔が該当す
れば、他の二つの面間隔が該当していなくてもよい。
【0036】(311)面、(222)面及び(22
0)面のいずれの面間隔にも該当しない場合には、より
高い保磁力を有する磁気記録媒体を得ることができな
い。また、ノイズが多くなり、高周波領域における出力
が十分大きいものとは言い難い。
【0037】(311)面、(222)面及び(22
0)面における面間隔とコバルト含有マグヘマト薄膜の
保磁力との間には密接な関係があり、Feに対するCo
のモル比が同じ場合には、面間隔が小さくなる程、保磁
力が大きくなる傾向がある。
【0038】(311)面における面間隔は、好ましく
は2.509Å以下、より好ましくは2.506Å以下
である。その下限値は2.490Åである。
【0039】(222)面における面間隔は、好ましく
は2.400Å以下、より好ましくは2.398Å以下
である。その下限値は2.385Åである。
【0040】(220)面における面間隔は、好ましく
は2.943Å以下、より好ましくは2.940Å以下
である。その下限値は2.920Åである。
【0041】本発明におけるコバルト含有マグヘマイト
薄膜は、(311)面、(222)面及び(220)面
の各面におけるX線回折パターンのピーク強度値(以
下、それぞれI(311),I(222),I(220)とする。)の
いずれかが(400)面におけるX線回折パターンのピ
ーク強度値(以下、I(400)とする。)に対し0.5を
越えている。0.5以下である場合には、目的とするリ
ング型磁気ヘッドを使用している現行の磁気記録システ
ムに好適である高密度記録用磁気記録媒体を得ることが
できない。
【0042】本発明に係る磁気記録媒体は、飽和磁化値
(印加磁界15KOeにおける磁化の値)が230〜4
00emu/cm3、好ましくは240〜400emu
/cm3、より好ましくは250〜400emu/cm3
であって、保磁力値が2000Oe以上、好ましくは2
200Oe以上である。その上限値は10000Oeで
ある。尚、本発明における磁気記録媒体の保磁力の上限
値は、後出の「振動試料型磁力計VSM」で測定できる
保磁力の測定限界である印加磁界15kOeで測定した
値で示したものである。
【0043】そして、本発明に係る磁気記録媒体は、電
磁変換特性Sp-p/Nrmsが35dB以上、好ましくは4
0dB以上、より好ましくは45dB以上が得られてい
る。その上限値は60dBである。そして、記録密度1
kFRPI(flux reversals per
inch)における出力値に対して出力値が半分になる
記録密度が100kFRPI以上、好ましくは120k
FRPI以上、より好ましくは130kFRPI以上で
ある。その上限値は200kFRPIである。そして、
後出図1に示す通り、ダイパルス比は0である。
【0044】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造法
について述べる。
【0045】本発明に係る磁気記録媒体は、表面にニッ
ケル酸化物下地膜を形成したプラスチック基体を用い、
該ニッケル酸化物下地膜の上に、Coを含むFeの合金
をターゲットを用いて酸素及び希ガスの混合ガスを導入
しながらコバルト含有マグネタイトを生成・堆積させ
る、所謂、スパッタ法により、上記酸素流量(CCM)
と上記コバルト含有マグネタイトの堆積速度(nm/
分)とを制御しながら、コバルト含有マグネタイト薄膜
を形成し、次いで、該コバルト含有マグネタイト薄膜を
酸化して、コバルト含有マグヘマイト薄膜に変化させる
ことにより得ることができる。
【0046】本発明の目的とする磁気記録媒体を得るた
めには、上記コバルト含有マグネタイトの堆積速度(n
m/分)に対する混合ガス中の酸素流量(CCM)を制
御することが肝要である。
【0047】コバルト含有マグネタイトの堆積速度(n
m/分)に対する混合ガス中の酸素流量(CCM)は、
Coを含むFeの合金ターゲットを酸化してコバルト含
有マグネタイト薄膜を得るための各種条件、例えば装置
の種類、構造、全ガス圧、基板温度、スパッタリングタ
ーゲット面積等により種々相違する。
【0048】しかしながら、本発明者が行った数多くの
実験例から、コバルト含有マグネタイトの堆積速度(n
m/分)に対する混合ガス中の酸素流量(CCM)が小
さくなる程、得られるコバルト含有マグヘマイト薄膜の
(311)面、(222)面及び(220)面の各面に
おける面間隔が小さくなる傾向にあるという知見を得て
いる。
【0049】従って、各種ケースにおいて、得られるコ
バルト含有マグヘマイト薄膜の(311)面、(22
2)面及び(220)面の各面における面間隔がバルク
の面間隔よりも小さくなる様にコバルト含有マグネタイ
トの堆積速度(nm/分)に対する混合ガス中の酸素流
量(CCM)値を実験により求め、該値よりも小さい値
になる様にコバルト含有マグネタイトの堆積速度及び酸
素流量のそれぞれを制御すればよい。
【0050】バルクの面間隔よりも小さい面間隔を有す
るコバルト含有マグヘマイト薄膜を得るためには、本発
明者が行った実験によれば、後出実施例及び比較例に示
す通り、コバルト含有マグネタイトの堆積速度3.5n
m/分で混合ガスの全流量を約10CCMとした場合、
酸素流量は0.35CCM以下、好ましくは0.27C
CM以下、より好ましくは0.25CCM以下であり、
その下限値は0.13CCMである。0.35CCMを
越える場合には、得られるコバルト含有マグヘマイト薄
膜の(311)面、(222)面及び(220)面のい
ずれかの面間隔をバルクの面間隔よるも小さくすること
ができない。得られるコバルト含有マグヘマイト薄膜中
にヘマタイトが形成されやすくなり、飽和磁化値が減少
することがある。0.13CCM未満になると、得られ
るコバルト含有マグヘマイト薄膜中に金属鉄(Fe)や
ウスタイト(FeO)などが形成され保磁力が減少する
ことがある。
【0051】希ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アル
ゴン、クリプトン、キセノン、ラドンのいすれをも使用
できる。スパッタ率と経済性を考慮すれば、アルゴンが
好ましい。
【0052】コバルト含有マグネタイト薄膜を生成・堆
積させる時の基体温度は、240℃未満である。基体と
なるプラスチックの耐熱性を考慮すれば、好ましくは、
220℃以下、より好ましくは200℃以下であり、そ
の下限値は0℃ある。0℃以下では良質な結晶性を有す
る膜が得られにくく、磁気記録媒体に好適な磁気特性が
得られにくくなる。コバルト含有マグネタイトを生成・
堆積させる時の時間は、膜厚を堆積速度で割ったもので
示される。
【0053】コバルト含有マグネタイト薄膜は、次い
で、コバルト含有マグヘマイト薄膜に酸化される。酸化
は、希ガスを含むプラズマ活性化された酸素雰囲気下、
基体温度240℃以下で行うことが肝要である。プラズ
マ活性化された酸素イオンを照射するための方法とし
て、例えば、ECRマイクロプラズマを用いる方法があ
る。また、照射状態にはアッシングモードとエッチング
モードの2種類がある。一般に、アッシングモードの場
合は、プラズマ生成室から引き出されたイオンビームは
イオン化されたまま基板に照射されるため、表面改質な
どに向く状態のものである。一方、エッチングモードの
場合は、プラズマ生成室から引き出されたイオンビーム
は、ニュートライザーを使用し空間電荷を中和するた
め、ビーム強度・量が増し、エッチングに有効な状態の
ものである。
【0054】イオン加速電圧は−500〜0Vが好まし
く、−300〜−100Vがより好ましい。−500V
未満の場合には、薄膜がエッチングされるため、膜厚な
どに変動が生じる。0Vを越える場合には、電子が引き
出されるので、プラズマ活性化された酸素イオンが照射
されず、酸化が生じにくい。本発明においては、薄膜が
除去されない条件下では、どちらの照射状態でも同じ酸
化促進の効果が生じることを確認している。
【0055】生成されるプラズマ量を増加させるため
に、プロセスガス(酸素)に反応促進のため希ガス(H
e、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn)を含ませることが
必要である。コバルト含有マグネタイトの酸化促進の効
果を考慮すれば、ヘリウム、ネオンが好ましい。希ガス
の含有割合は、酸素に対する希ガス流量比で1〜90%
が好ましく、より好ましくは2〜75%、更に好ましく
は、3〜60%である。上記範囲内において希ガスを含
有させることにより、酸素が効果的に励起される。希ガ
ス流量比が1%未満の場合には、効率良く活性酸素を生
じさせることが困難となる。90%を越える場合には、
酸化に要する酸素量が少なく、酸化時間に長時間を要す
る。酸化温度即ち、酸化処理時における基体温度は、2
40℃未満である。プラスチック基体の耐熱性や生産性
を考慮すれば、220℃以下が好ましく、より好ましく
は200℃以下であり、その下限値は0℃である。0℃
以下では酸化反応が起こりにくく、コバルト含有マグヘ
マイト薄膜が得られにくい。
【0056】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0057】コバルト含有マグネタイト薄膜のコバルト
含有マグヘマイト薄膜への酸化の確認は、その目安の一
つである薄膜の表面電気抵抗の変化により行った。即
ち、コバルト含有マグネタイト薄膜の表面電気抵抗は
0.001〜0.5MΩであるのに対し、コバルト含有
マグヘマイト薄膜の表面電気抵抗は2〜200MΩへと
上昇、変化する。表面電気抵抗の測定は、Insula
tion Tester DM−1527(三和電気計
器株式会社)で2探針間の距離を10mmにして測定し
た。
【0058】磁気記録媒体の保磁力及び飽和磁化等の静
磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM」(東英工業株
式会社製)を用いて測定した値で示した。
【0059】各薄膜のX線回折パターンは、「X線回折
装置RAD−IIA」(理学電機株式会社製)で測定し
た値で示した。測定条件は、使用管球:Fe、管電圧:
40kV、管電流:25mA、ゴニオメーター、 サンプ
リング幅:0.010°、走査速度:1.000°/m
in、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光
スリット:0.30mmで、回折角(2θ)が30.0
0°から60.00°の領域を測定した。
【0060】磁気記録媒体のノイズ、再生出力、ダイパ
ルス等の電磁変換特性は、磁性膜をプラスチック基体上
に形成し、表面にパーフルオロポリエーテル系の潤滑剤
「FOMBLIN Z DOL」(商品名:アウジモン
ト株式会社製)を塗布した後、ギャップ長が約0.2μ
m、トラック幅21μmのVCR用MIGヘッドを接触
走行させて「記録再生実験装置M−84V」(富士通オ
ートメーション株式会社製)を用いて評価した。
【0061】ノイズ値(Nrms)は走行速度3.0m/
sで「スペクトラムアナライザーTR4171」(アド
バンテスト製)を用いて解析した。
【0062】再生出力(SP-P)及びダイパルス比は走
行速度3.0m/sで「オシロスコープVP5514
A」(パナソニック)を用いて解析した。再生出力は後
出の図2に示すaの値とbの値を加えた値である。ダイ
パルス比は同図2に示すbの値に対するaの値の比であ
る。
【0063】高周波ハイレートスパッタ装置SH−25
0H−T06((株)日本真空製)を用いた反応スパッ
タ法により、ポリイミド基体とターゲットとの間の距離
を80mmに設定して、基体温度180℃でポリイミド
基体上に、酸素流量0.18CCM、酸素分圧0.15
mTorr、全圧9mTorrのアルゴンと酸素からな
る雰囲気中で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリン
グして4.0nm/分の付着速度で、下地層としてNa
Cl型NiO膜を100nmの厚みで形成した。このN
iO膜はX線回折パターンの測定の結果、(111)面
の回折ピーク強度値(I(111))が(200)面の回折
ピーク強度値(I(200))に対し1であった。
【0064】更にこの上に、酸素流量0.27CCM、
酸素分圧0.23mTorr、全圧9mTorrのアル
ゴンと酸素とからなる雰囲気中、基体温度200℃にお
いて、コバルトを含む鉄を主体とする合金(4wt%の
Coを含むFe)ターゲットをスパッタリングして4.
0nm/分の堆積速度で、CoがFeに対してモル比で
0.04:1の量で含有しているコバルト含有マグネタ
イト膜を前記基板上に20nmの厚みで形成した。この
Co含有マグネタイト薄膜の表面電気抵抗は0.07M
Ωであった。なお、成膜時の投入電力は300Wとし
た。得られた二層膜を電子サイクロトロン共鳴(EC
R)型イオンシャワー装置EIS−200ER(株式会
社エリオニクス社製)を用いて全ガス圧を3×10-4T
orrとしヘリウムを含む酸素(酸素に対するヘリウム
ガス流量比50%)雰囲気下、150℃の基体温度で
で、マイクロ波電力100W、イオン加速電圧−150
Vで5秒間照射することにより酸化した。得られた薄膜
の表面電気抵抗は15MΩであることからNiOを下地
層とするCo含有マグヘマイトであることが確認でき
た。
【0065】得られた磁気記録媒体は、X線回折パター
ンの測定の結果、面間隔2.505Åの(311)面の
回折ピークと面間隔2.934Åの(220)面の回折
ピークは認められたが、(400)面の回折ピークは認
められなかった。この磁気記録媒体の静磁気特性を測定
したところ、保磁力は2600Oeで飽和磁化は355
emu/cm3であった。
【0066】この磁気記録媒体の電磁変換特性を測定し
たところ、100kFRPIの信号を記録して再生した
際のSp-p/Nrmsは49dB、D50(記録密度1kFR
PIの信号を記録して再生した時の再生出力に対して半
分の再生出力になる記録密度と定義する)は139kF
RPIであった。
【0067】また、この磁気記録媒体の1kFRPIの
信号記録時の孤立再生波形をオシロスコープで観察した
ところ、図1に示すようにダイパルス比0の単峰形のパ
ルスの形状をしており、長手記録媒体であることが認め
られた。
【0068】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、前記本
発明の実施の形態に示した通り、基体上にニッケル酸化
物下地膜を形成するとともに、該ニッケル酸化物下地膜
の上に形成したコバルト含有マグヘマイト薄膜が(31
1)面における面間隔が2.510Å以下、(222)
面における面間隔が2.415Å以下又は(220)面
における面間隔が2.950Å以下のいずれかに該当す
る面間隔を有し、且つ、上記(311)面、上記(22
2)面及び上記(220)面の各面におけるX線回折パ
ターンのピーク強度値(それぞれI(311),I(222),I
(220))のいずれかが(400)面におけるX線回折パ
ターンのピーク強度値(I(400))に対し0.5を越え
る場合には、より高い保磁力とより高い飽和磁化とを有
しているとともに、ノイズが少なく、高周波領域におけ
る出力が大きく、孤立再生波形の歪みのない磁気記録媒
体を得ることができるという事実である。
【0069】このような諸特性を有する磁気記録媒体が
得られる理由について、本発明者は、コバルト含有マグ
ヘマイト薄膜が特定の面間隔を有しているとともに、特
定のピーク強度比を有してはいるが、ニッケル酸化物下
地膜を有していない場合、ニッケル酸化物下地膜を有し
ており、コバルト含有マグヘマイト薄膜が特定の面間隔
を有してはいるが特定のピーク強度比を有していない場
合、ニッケル酸化物下地膜を有しており、コバルト含有
マグヘマイト薄膜が特定のピーク強度比を有してはいる
が特定の面間隔を有していない場合のいずれの場合に
も、本発明の目的とする磁気記録媒体が得られないこと
から、ニッケル酸化物下地膜と特定の面間隔及び特定の
ピーク強度比を有するコバルト含有マグヘマイト薄膜の
相乗効果によるものと考えている。
【0070】本発明におけるコバルト含有マグヘマイト
薄膜の面間隔は、コバルト含有マグネタイト薄膜を加熱
してコバルト含有マグヘマイト薄膜にする際の加熱温度
が同じあっても、コバルト含有マグネタイト薄膜の形成
時における酸素流量を変化させることによって、コバル
ト含有マグヘマイト薄膜の(311)面、(222)面
及び(220)面における面間隔が変化するという現象
から、上記加熱処理による基体と酸化ニッケル下地膜や
コバルト含有マグヘマイト薄膜との熱膨張率の差による
ものではなく、コバルト含有マグヘマイト薄膜の面間隔
自体が小さくなっているものと認められる。
【0071】本発明に係る磁気記録媒体の孤立再生波形
が歪まない理由について、本発明者は、コバルト含有マ
グヘマイト薄膜が特定のピーク強度比を有していること
から、コバルト含有マグヘマイト薄膜の磁気容易軸であ
る<100>軸を膜面に対して垂直方向から、該垂直方
向と膜面と平行方向との間に傾けることにより、磁化の
垂直成分が小さくなったためと考えている。
【0072】本発明に係る磁気記録媒体のノイズが小さ
い理由について、本発明者は、ニッケル酸化物下地膜の
酸素原子間の距離がコバルト含有マグネタイトやコバル
ト含有マグヘマイトの酸素原子間の距離と近い為、アモ
ルファスな基体上に直接形成した場合に見られる粒径や
磁気特性が乱れた初期層の形成が抑制されたことによる
ものと考えている。
【0073】本発明において酸化温度すなわち酸化時の
基体温度を240℃以下に低くできる理由について、本
発明者は、後出比較例に示す通り、本発明におけるコバ
ルト含有マグネタイト薄膜を大気中240℃以下の温度
で熱処理しても酸化が生起しないことから、コバルト含
有マグネタイト薄膜を希ガスを含むプラズマ活性化され
た酸素イオンで照射したことによるものと考えている。
【0074】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0075】実施例1〜4、比較例1〜4 ニッケル酸化物下地膜の有無及び配向、コバルト含有マ
グネタイト薄膜形成時におけるプラスチック基板の種
類、基体温度、酸素流量、及び堆積速度並びに酸化時に
おける基体温度、希ガスの種類、希ガスの流量比及び照
射時間を種々変化させた以外は、前記本発明の実施の形
態と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0076】この時の主要製造条件及び諸特性を表1及
び表2に示す。尚、実施例3、実施例4、比較例1及び
比較例3における(400)面におけるピークは認めら
れなかった。尚、比較例3で得られたこのCo含有マグ
ヘマイトの1kFRPIの信号記録時の孤立再生波形を
オシロスコープで観察したところ、図2に示すようにダ
イパルス比0.2のダイパルス形状をしていた。尚、比
較例4は、希ガスを含むプラズマ活性化された酸素雰囲
気に代えて大気中でコバルト含有マグネタイト薄膜の処
理をしたものであり、酸化が生起せず、コバルト含有マ
グネタイト薄膜のままであった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体は、より高い
保磁力とより大きな飽和磁化とを有しているとともに、
ノイズが少なく、高周波領域における出力が大きく、孤
立再生波形の歪みがないので、リング型の磁気ヘッドを
使用している現行の磁気記録システムに用いる高密度記
録用磁気記録媒体として好適である。
【0080】また、本発明に係る磁気記録媒体は、コバ
ルト含有マグネタイト薄膜をコバルト含有マグヘマイト
薄膜に酸化する際の基体温度が240℃以下であるの
で、基体材料の耐熱性が要求されず、プラスチックの使
用が可能であり、また、生産性も良いので工業的、経済
的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態で得られた磁気記録媒体
の1kFRPIの信号記録時の孤立再生波形を示したも
のである。
【図2】 比較例5で得られた磁気記録媒体の1kFR
PIの信号記録時の孤立再生波形を示したものである。
フロントページの続き (72)発明者 中田 健一 広島県大竹市明治新開1番4戸田工業株式 会社大竹工場内 (72)発明者 松浦 満 山口県宇部市東小羽山町4丁目7−11 (72)発明者 山本 節夫 山口県宇部市西岐波ハーモニーヒルズ4− 8

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基体と該プラスチック基体
    上に形成されるコバルト含有マグヘマイト薄膜とからな
    る磁気記録媒体において、上記基体と上記コバルト含有
    マグヘマイト薄膜との間にニッケル酸化物下地膜を形成
    するとともに、上記コバルト含有マグヘマイト薄膜が
    (311)面における面間隔が2.510Å以下、(2
    22)面における面間隔が2.415Å以下又は(22
    0)面における面間隔が2.950Å以下のいずれかに
    該当する面間隔を有しており、且つ、上記(311)
    面、上記(222)面及び上記(220)面の各面にお
    けるX線回折パターンのピーク強度値のいずれかが(4
    00)面におけるX線回折パターンのピーク強度値に対
    し0.5を越えることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 ニッケル酸化物下地膜の(111)面に
    おけるX線回折スペクトルのピーク強度値が(200)
    面におけるX線回折スペクトルのピーク強度値に対し
    0.5を越えることを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 プラスチック基体上に、反応スパッタ法
    によりニッケル酸化物下地膜を形成し、次いで、該ニッ
    ケル酸化物下地膜上にコバルトを含む鉄を主成分とする
    合金をターゲットとして用い、酸素及び希ガスの混合ガ
    ス雰囲気中、240℃以下の基体温度において、反応ス
    パッタすることにより、コバルト含有マグネタイト薄膜
    を形成し、次いで希ガスを含むプラズマ活性化された酸
    素雰囲気中、240℃以下の基体温度で上記コバルト含
    有マグネタイト薄膜を酸化してコバルト含有マグヘマイ
    ト薄膜とすることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体の製造法。
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