JP3765398B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、膜厚が200nm以下でありながら、比較的高い保磁力、殊に159kA/m(2000Oe)以上を有し、且つ、表面平滑性に優れた磁気記録媒体を一段階のプロセスで製造することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスクなどの磁気記録装置においては、情報機器やシステムの小型化と高信頼性化の傾向が顕著であり、大容量のデータを取り扱うためには、高密度記録化できる磁気記録媒体を必要とし、その要求が益々高まってきている。
【0003】
このような特性を満たす磁気記録媒体としては、高い保磁力を有するとともに、磁気記録層と磁気ヘッドとの距離(磁気的なスペーシング)が低減できることが強く要求されている。
【0004】
高い保磁力を有する磁気記録媒体として、基体と該基体上に形成された磁性薄膜とからなる磁気記録媒体が広く知られている。
【0005】
磁気記録媒体に実用化されている磁性薄膜としては、大別して、マグネタイト、マグヘマイト等の酸化鉄からなる酸化物磁性薄膜(社団法人電子通信学会発行、「電子通信学会技術報告」、(1981年)MR81−20、5〜12頁、社団法人日本セラミックス協会発行「セラミックス」(1986年)第24巻、第1号、第21〜24頁、特公昭51−4086号公報、特公平5−63925号公報等)とCoCr合金等の合金磁性薄膜とがある。
【0006】
前者は、酸化物であるため耐食性に優れており、その結果、経時安定性に優れ、経時による磁気特性の変化が小さいという特徴を有している。また、金属に比べ酸化物は硬いために保護膜が不要であり、磁気的なスペーシングを合金磁性薄膜媒体に比べ低減することができ、高密度記録媒体として最適である。
【0007】
酸化鉄薄膜は、コバルトを含有することによって保磁力を高くすることが試みられているが、一方、コバルト含有量の増加にともなって熱などの影響により経時安定性が悪くなるという傾向がある。
【0008】
なお、本発明者らは、マグヘマイト薄膜の特定の面における面間隔を制御することによってコバルト含有量が少なくても高い保磁力を有するマグヘマイト薄膜を完成している(特開平11−110731号公報、特開平11−110732号公報)。
【0009】
後者は、159kA/m(2000Oe)程度以上の高い保磁力を有するが、合金材料自体が酸化しやすく、その結果、経時安定性が悪く、磁気特性が劣化し易いものである。
【0010】
この酸化による磁気特性の劣化を防ぐため合金磁性薄膜には、通常、10〜20nm程度の厚みのダイヤモンドライクカーボンやSiO等が保護膜として表面にコーティングされており、その結果、保護膜の厚み分だけ、磁気的なスペーシングが大きくなっている。
【0011】
一方、磁気記録媒体において、磁気的なスペーシングを低減するためには、磁気ヘッドの浮上量を極力低減し、且つ、常に安定に浮上させることが必要である。従来のハードディスクドライブでは、磁気ヘッドの静止時に磁気記録媒体と磁気ヘッドとがメニスカス力で吸着するのを防ぐため、ある程度の表面粗さが必要とされていた。現在ではハードシステムの改善によって吸着防止のための表面粗さは不要となり、磁気記録媒体に用いられる磁性薄膜が表面平滑性により優れていることが要求されている。
【0012】
また、磁気記録媒体の表面が平滑でない場合には、媒体ノイズになって現れることが知られており、ノイズを低減するためにも磁性薄膜の表面粗さを低減する必要がある。
【0013】
現在、酸化物磁性薄膜を用いた磁気記録媒体は、高密度化に伴い、磁性薄膜の厚さが200nm以下と非常に薄いため、磁性薄膜の表面性は基板の表面性に大きく依存している。従って、表面平滑性に優れた基板を用いると共に、磁性薄膜の表面をより平滑にする技術が要求されている。
【0014】
従来、酸化鉄薄膜の製造法としては、1)基体上にマグネタイト薄膜を形成し、該マグネタイト薄膜を300℃以上で酸化する方法、2)γ−Fe、Fe又はFeO(4/3<x<3/2)をターゲットとして、γ−Fe、Fe又はFeO(4/3<x<3/2)を成膜する方法(特公昭62−49724号公報、特公平6−61130号公報)、3)高密度酸素プラズマを基体上に照射しながらターゲットをスパッタして基体上に直接コバルト含有スピネル型酸化鉄薄膜を形成する方法(特開平1−298029号公報、特開平3−78114号公報)等が知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
薄い膜厚でありながら高い保磁力を有し、且つ表面平滑性に優れたスピネル型酸化鉄薄膜からなる磁気記録媒体は現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
【0016】
即ち、前出酸化鉄薄膜の製造法1)は、マグネタイト薄膜を形成した後に、該薄膜を大気中に取り出し、更に、300〜450℃の温度範囲で酸化処理を行ってマグヘマイト薄膜を得る製造法であるが、300℃以上の高温で加熱する必要があるため、基板からのマイグレーション等による磁気特性の劣化が問題となり、また、用いる基板が耐熱性に優れたものを選択する必要があり、使用する基板にも制約があった。また大気中に取り出すため、コンタミ等も問題となるものである。
【0017】
前出2)の製造法では、得られる酸化鉄薄膜は保磁力が低く、十分とは言い難いものである。
【0018】
前出3)の特開平1−298029号公報には、各金属ターゲットをスパッタリングしながら、ECRプラズマを用いて発生させた高密度酸素プラズマを基板に照射してスピネル型酸化鉄薄膜を形成することが記載されており、得られる薄膜の保磁力は191kA/m(2400Oe)であるが、膜厚が750nmと非常に厚いものである。更に、光磁気記録媒体であるため、表面平滑性については考慮されておらず、十分とは言い難いものである。また、特開平3−78114号公報には酸化物をターゲットに用いて、ECRのプラズマをターゲットに照射してスパッタリングすることにより酸化鉄を形成することが記載されているが、得られる酸化鉄は保磁力が低く、十分とは言い難いものである。
【0019】
そこで、本発明は、膜厚が200nm以下でありながら、比較的高い保磁力、殊に159kA/m(2000Oe)以上を有し、且つ、表面平滑性に優れた磁気記録媒体を一段階のプロセスで製造することを目的とする。
【0020】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0021】
即ち、本発明は、電子サイクロトロン共鳴(ECR)マイクロ波によって活性化されたプラズマ雰囲気下において、金属又は合金ターゲットをスパッタすることによって基体上に形成されたCo含有量がFeに対して1〜20mol%のCo含有スピネル型酸化鉄薄膜からなる磁気記録媒体であって、該酸化鉄薄膜は保磁力値が159kA/m(2000Oe)以上であって、膜厚が5〜200nmであるとともに、表面の中心線平均粗さRaが0.1〜0.8nmであって、最大粗さRmaxが10nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0022】
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0023】
先ず、本発明に係る磁気記録媒体について述べる。
【0024】
本発明に係る磁気記録媒体は、基体と該基体上に形成されているスピネル型酸化鉄薄膜とからなる。
【0025】
本発明における基体は、Si、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック基板、ガラス基板等の基体材料を使用することができ、表面平滑性を考慮した場合にはガラス基板が好ましい。
【0026】
本発明におけるスピネル型酸化鉄薄膜は、基体と前記スピネル型酸化鉄薄膜との間に下地膜を形成してもよい。下地膜を形成することによって、前記スピネル型酸化鉄薄膜の初期成長段階における粒子の肥大化を抑制することができ、磁気記録媒体としてのノイズを低減することができる。下地膜としてはNaCl型構造をもつ酸化物薄膜、bcc構造をもつ金属薄膜、B2構造をもつ金属薄膜、X線的に非晶質である酸化物薄膜が好ましい。NaCl型構造をもつ酸化物薄膜としては、ニッケル酸化物薄膜、マグネシウム酸化物薄膜等である。bcc構造をもつ金属薄膜としては、Cr金属薄膜、CrMo合金薄膜等である。B2構造をもつ金属薄膜としては、NiAl薄膜、FeAl薄膜等である。X線的に非晶質である酸化物薄膜としては、SiO薄膜、Al薄膜等である。本発明における下地膜の膜厚は、200nm以下が好ましく、より好ましくは100nm以下である。200nm以上の場合にはスピネル型酸化鉄薄膜の表面平滑性が悪くなる傾向がある。
【0027】
また、前記下地膜は配向していても無配向でもどちらでもよく、配向している場合には、得られるスピネル型酸化鉄薄膜は、下地膜の配向に従い、長手磁気記録媒体、あるいは垂直磁気記録媒体として用いることができる。
【0028】
本発明におけるスピネル型酸化鉄薄膜の膜厚は、5〜200nmである。好ましくは5〜150nm、より好ましくは5〜100nmである。膜厚が5nm未満の場合には159kA/m(2000Oe)以上の保磁力を有する磁気記録媒体が得られ難い。200nmを越える場合には信号を記録した際に磁性薄膜の深層部まで均一な磁化状態になり難く、良好な記録再生特性が得られ難い。
【0029】
本発明におけるスピネル型酸化鉄薄膜はマグネタイト(一般式:FeO・Fe(0<x1))とマグヘマイト(一般式:γ−Fe)とからなることが好ましく、その含有割合はモル比で100>Fe3+/Fe2+>2である。
【0030】
スピネル型酸化鉄薄膜は、Feに対して1〜20mol%、好ましくは1〜10mol%のコバルトを含有してもよい。1mol%未満の場合には159kA/m(2000Oe)以上のより高い保磁力を有する磁気記録媒体を容易に得ることが困難となる。20mol%を越える場合には経時安定性に優れた磁気記録媒体が得られない。
【0031】
なお、スピネル型酸化鉄薄膜の諸特性向上のために、コバルト以外に、Mn、Ni、Cu、Ti、B、Zn等を必要によりFeに対しモル比で0.005:1〜0.04:1程度含有させてもよく、この場合には高い保磁力を有する磁気記録媒体が得られやすくなる。
【0032】
スピネル型酸化鉄薄膜の表面粗さのうち中心線平均粗さRaは0.1〜0.8nmであり、好ましくは0.1〜0.75nmである。
【0033】
スピネル型酸化鉄薄膜の表面粗さのうち最大高さRmaxは1〜10nmが好ましい。より好ましくは1〜9nm、更により好ましくは1〜8nmである。
【0034】
本発明に係る磁気記録媒体は、電気抵抗値1.5MΩ以下が好ましく、より好ましくは1.2MΩ以下、更により好ましくは1.0MΩ以下である。
【0035】
本発明に係る磁気記録媒体は、保磁力値が159kA/m(2000Oe)以上であり、より好ましくは167.1〜1194kA/m(2100〜15000Oe)であって、飽和磁化値(印加磁界1590kA/m(20kOe)における磁化の値)が29〜63Wb/m(230〜500emu/cm)、好ましくは30〜63Wb/m(240〜500emu/cm)、より好ましくは31〜63Wb/m(250〜500emu/cm)である。
【0036】
次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造法について述べる。
【0037】
本発明に係る磁気記録媒体は、ECRマイクロ波プラズマを用いて、スパッタ法によって基体上にスピネル型酸化鉄薄膜を形成することによって得ることができる。
【0038】
ECRマイクロ波プラズマは、DC(直流)やRF(高周波)プラズマに比べ、電離度がほぼ100%と非常に高く、高活性で高密度なプラズマの生成が可能である。また、イオンエネルギーの分布が少ないため、プロセスの低温化が実現でき、膜表面の表面性低下も抑制できる。
【0039】
スパッタに用いるターゲットは、金属又は合金ターゲットを使用することができるが、合金ターゲットであることが好ましい。合金ターゲットを用いることによって、組成の制御が容易になり、また、得られる薄膜の均一性が向上する。ターゲットの組成比は、鉄に対するコバルトの添加量が1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満の場合には159kA/m(2000Oe)以上のより高い保磁力を有する磁気記録媒体を容易に得ることが困難となる。20重量%を超える場合には経時安定性に優れた磁気記録媒体が得られない。
【0040】
本発明における雰囲気は、酸素とヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガスとの混合ガスを用いることができる。希ガスは工業性を考慮すればアルゴンが好ましい。酸素ガスの全ガスに対する導入比は5〜30%が好ましく、希ガスは70〜95%が好ましい。スパッタ時のガス圧は0.01〜1.0Paが好ましい。
【0041】
本発明においては、基体温度が20〜250℃の温度範囲で行うことが好ましく、より好ましくは20〜150℃の温度範囲である。低温でスピネル型酸化鉄薄膜を成膜することができるので基板温度を必要以上に高温にする必要はない。
【0042】
また、下地膜を用いる場合には、あらかじめ基体上にスパッタ法等により下地膜を形成し、次いで、前記と同様にしてスピネル型酸化鉄薄膜を形成すればよい。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0044】
スピネル型酸化鉄薄膜の厚さは、成膜前にマジックペンで基板に線を書き、成膜後、有機溶剤にてこの線を取り除くとともに、この上に堆積した膜を同時に除去する。このようにしてできた段差を触針式表面粗さ計(DEKTAK製)により測定し、薄膜の膜厚を算出した。
【0045】
スピネル型酸化鉄薄膜の表面電気抵抗の測定は、Insulation Tester DM−1527(三和電気計器株式会社製)で2探針間の距離を10mmにして測定した。
【0046】
各薄膜のX線回折パターンは、「X線回折装置RINT2000」(理学電機株式会社製)で測定した値で示した。
測定条件は、使用管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:200mA、縦型ゴニオメーター、 サンプリング幅:0.020°、発散スリット:0.2mm、散乱スリット:OPEN、受光スリット:5.0mmで、入射角(θ)が0.2°、回折角(2θ)が30.00°から60.00°の領域を測定した。
【0047】
スピネル型酸化鉄薄膜の表面粗さ(中心線平均粗さRa、最大粗さRmax)は、原子間力顕微鏡(デジタルインストウルメンツ DI.製)を用い、5μm四方の領域で評価した。
【0048】
磁気記録媒体の保磁力および飽和磁化等の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM」(東英工業株式会社製)を用いて測定した値で示した。最大印可磁界を1590kA/m(20kOe)で測定した。
【0049】
<磁気記録媒体の製造>
マイクロ波垂直導入型のECRスパッタリング装置AFTEX−3400U(アフティ株式会社製)を用いて、基体とターゲットとの距離を175mmに設定して、ガラス基板上に、50℃で、酸素流量2CCM、酸素分圧0.011Pa、全圧0.08Paの酸素(13%)とアルゴン(87%)とからなる混合ガス雰囲気中で、金属合金(94重量%Fe+6重量%Co)ターゲットをスパッタリングして3.5nm/minの付着速度で、Co含有スピネル型酸化鉄薄膜を50nmの厚みで形成した。
【0050】
得られたCo含有スピネル型酸化鉄薄膜はコバルト含有量がFeに対して6.7mol%であり、膜厚は50nmであり、表面粗度のうちRaが0.37nm、Rmaxが5.15nmであり、保磁力が227kA/m(2854Oe)であって飽和磁化値が48wb/m(380emu/cm)であって保磁力角型比Sが0.59であり、電気抵抗値が0.6MΩであった。
【0051】
【作用】
先ず、本発明において最も重要な点は、ECRマイクロ波プラズマによって一段階のプロセスで保磁力の比較的高いスピネル型酸化鉄薄膜が得られるという点である。
【0052】
従来、比較的高い保磁力を有するスピネル型酸化鉄薄膜を得るためには、まず、マグネタイト薄膜を成膜した後、大気中に取り出して、酸化処理を行うことでマグヘマイト薄膜に変態させることが必要であったが、ECRマイクロ波プラズマを用いることによって一段階のプロセスで製造できるので、コンタミ等からの影響を抑制でき、作製プロセスも簡略になるものである。また、一段階のプロセスで作製が可能なため、プロセス時間を大幅に短縮することができる。
【0053】
また、本発明における製造法では、低温で作製することができるので、従来の製造法では使用できなかったPET、PEN等のプラスチック基板も使用することができ、また、基板からのマイグレーション等による磁気特性の劣化が抑制できる。
【0054】
本発明に係る磁気記録媒体が高い保磁力を有するのは、高活性なECRマイクロ波プラズマによる反応スパッタ法を用いたこと及び適度にコバルトを含有させたことによって、マグネタイトとマグヘマイトとからなるスピネル型酸化鉄薄膜の保磁力を高くすることができたものと考えている。
【0055】
本発明に係る磁気記録媒体が表面平滑性に優れる理由について本発明者は、スピネル型酸化鉄薄膜を低温で作製することができるので、結晶粒の増大が抑制されるためと考えている。
【0056】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0057】
実施例1〜9、比較例1〜4;
実施例1〜6はスピネル型酸化鉄薄膜形成時の使用基板、金属合金ターゲットの組成、膜厚、成膜時の基体温度を種々変化させた以外は、前記本発明の実施の形態と同様にして磁気記録媒体を得た。実施例7〜9はガラス基板上に厚さ100nmの各種下地膜を形成した後に、前記本発明の実施の形態と同様にして磁気記録媒体を得た。比較例1及び2はRFプラズマを用い、スパッタ法により基体上にマグネタイト薄膜を形成し、磁気記録媒体とした。比較例3は比較例1と同様にしてマグネタイト薄膜を形成した後、基体温度150℃でECR酸素プラズマを照射して酸化処理を行い磁気記録媒体を得た。比較例4は比較例1と同様にしてマグネタイト薄膜を形成した後、大気中320℃で酸化処理を行って磁気記録媒体を得た。
【0058】
このときの製造条件を表1に、磁気記録媒体の諸特性を表2に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003765398
【0060】
【表2】
Figure 0003765398
【0061】
【発明の効果】
本発明に係る磁気記録媒体は、薄い膜厚でありながら、比較的高い保磁力を有し、しかも、表面平滑性に優れるので高密度記録用磁気記録媒体として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る作製法で形成したスピネル型酸化鉄薄膜のX線回折パターンである。

Claims (1)

  1. 電子サイクロトロン共鳴(ECR)マイクロ波によって活性化されたプラズマ雰囲気下において、金属又は合金ターゲットをスパッタすることによって基体上に形成されたCo含有量がFeに対して1〜20mol%のCo含有スピネル型酸化鉄薄膜からなる磁気記録媒体であって、該酸化鉄薄膜は保磁力値が159kA/m(2000Oe)以上であって、膜厚が5〜200nmであるとともに、表面の中心線平均粗さRaが0.1〜0.8nmであって、最大粗さRmaxが10nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
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