JP2014086114A - 磁気記録媒体の製造方法及び微細パターンの製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び微細パターンの製造方法 Download PDF

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Takayuki Iwasaki
剛之 岩崎
Akihiko Takeo
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Abstract


【課題】パターン形成層に形成されたパターンを反転させて、良好な反転パターンを得る。
【解決手段】反転パターンを形成する層の上に反転用リフトオフ層、パターン形成層を形成し、パターン形成層をパターニングして凹パターンを設け、凹パターンを反転用リフトオフ層に転写し、凹部の反転用リフトオフ層を除去して反転パターンを形成する層の表面を露出させ、反転用リフトオフ層及び露出した層の上に反転層を形成した後、反転用リフトオフ層を除去することにより、露出した層の上に凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する。
【選択図】図8

Description

本発明の実施形態は、磁気記録媒体の製造方法及び微細パターンの製造方法に関する。
例えばハードディスク媒体、反射防止膜、触媒、マイクロチップ、光学デバイス等の技術分野で表面の微細なパターンの凹凸加工が行われている。
磁気記録装置の記録密度増加に伴い、高記録密度を達成するための磁気記録媒体として、パターンド媒体(パターンドメディア、BPM(Bit Patterned Media))が提案されている。ハードディスク媒体の記録層表面を微細な凹凸状に加工することにより、パターンド媒体を得ることができる。パターンド媒体において、凹凸パターンをいかにして作製するかは重要な問題である。周期的な凹凸を作製するために自己組織化的なプロセスを使用する場合、記録部分にはドット状の凸パターンが必要となる。しかしながら、自己組織化によって作られるマスターパターンは、必ずしもドット状の凸パターンになるわけでなく、ドット状の凹パターンになる場合もある。例えば、メソポーラスシリカをマスターパターンとして用いた場合、1層配列させたメソポーラスシリカのミセルの中心部分は当初有機化合物によって占められているが、シリカを焼成している間に有機化合物は燃えてなくなってしまう。そのような場合、必要なドット部分が失われてしまいマスクとして機能しないため、その後の加工プロセスで凹凸を反転させる必要が生じる。凹凸を反転させる際には、ドット状の凹パターンの周囲の凸部分を選択的に除去されなければならない。しかしながら、凸部分がメタル等の材料であると溶媒等によって容易に除去できないという問題がある。
このような凹凸反転のむずかしさは、マイクロチップや光学デバイス等に関しても同様である。
特開2010−219407号公報 特開2012−99209号公報
本発明の実施形態は、パターン形成層に形成されたパターンを反転させて、良好な反転パターンを得ることを目的とする。
実施形態によれば、基板上に磁気記録層を形成する工程、
前記磁気記録層上に反転用リフトオフ層を形成する工程、
該反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
該パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
該凹パターンを該反転用リフトオフ層に転写して凹部の該反転用リフトオフ層を除去する工程、
該反転用リフトオフ層及び該磁気記録層上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、該磁気記録層上に該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び
該凸パターンを、前記磁気記録層に転写する工程を具備する磁気記録媒体の製造方法が提供される。
自己組織化材料により形成される凹パターンの一例を表す図である。 EB描画によるビットパターンド媒体用凹凸パターンの一例を表す正面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体を適用可能な磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図である。 第4の実施形態に係る媒体の製造工程の一例を表す図である。 第4の実施形態に係る媒体の製造工程の他の一例を表す図である。 第3の実施形態に係る媒体の製造工程の一例を表す図である。 第4の実施形態に係る媒体の製造工程のさらに他の一例を表す図である。 第1の実施形態に係る媒体の製造工程の一例を表す図である。 第2の実施形態に係る媒体の製造工程の一例を表す図である。 第3の実施形態に係る媒体の製造工程の他の一例を表す図である。
第1の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、
(1)基板上に磁気記録層を形成する工程、
(2)磁気記録層の上に反転用リフトオフ層を形成する工程、
(3)反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
(4)パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
(5)凹パターンを反転用リフトオフ層に転写し、凹部の反転用リフトオフ層を除去して反転用リフトオフ層の下に形成された層の表面を露出させる工程、
(6)反転用リフトオフ層及び露出した層の上に反転層を形成した後、反転用リフトオフ層を除去することにより、露出した層の上に凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び
(7)凸パターンを磁気記録層に転写する工程を有する。
例えば反転用リフトオフ層の下に直接形成された層及び露出した層として、例えば磁気記録層、あるいは磁気記録層と反転用リフトオフ層の間に設けられた保護層などが挙げられる。
第2の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、
(1)基板上に磁気記録層を形成する工程、
(2−1A)磁気記録層上にマスク層を形成する工程、
(2−2A)マスク層上に反転用リフトオフ層を形成する工程
(3)反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
(4)パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
(5−1A)凹パターンを反転用リフトオフ層に転写し、凹部のマスク層表面を露出させる工程、
(6−1A)反転用リフトオフ層及び露出したマスク層表面上に反転層を形成した後、反転用リフトオフ層を除去することにより、マスク層表面上に、凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び
(7−1A)凸パターンをマスク層に転写する工程
(7−2A)凸パターンを磁気記録層に転写する工程、及び
第2の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、第1の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法の一例であって、磁気記録層と反転用リフトオフ層の間にさらにマスク層を形成する工程を有する。
反転用リフトオフ層の下に直接形成された層及び露出した層はマスク層である。
凸パターンを磁気記録層に転写する前にマスク層に転写することができる。
第3の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、
(1)基板上に磁気記録層を形成する工程 (2−1B)磁気記録層上にリフトオフ層を形成する工程、
(2−2B)リフトオフ層上にマスク層を形成する工程、
(2−3B)マスク層上に反転用リフトオフ層を形成する工程を含み、
(3−1B)反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
(4)パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程
(5−1B)凹パターンを反転用リフトオフ層に転写し、凹部のマスク層表面を露出させる工程、
(6−1B)反転用リフトオフ層及び露出したマスク層表面上に反転層を形成した後、反転用リフトオフ層を除去することにより、マスク層表面上に、凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、
(7−1B)凸パターンをマスク層に転写する工程、
(7−2B)凸パターンをリフトオフ層及び磁気記録層に転写する工程、及び
(7−3B)リフトオフ層を除去する工程
を含む。
第3の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、第1の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法の一例であって、磁気記録層上に、リフトオフ層、マスク層、反転用リフトオフ層を順に形成する工程を有する。
反転用リフトオフ層の下に直接形成された層及び露出した層はマスク層である。
凸パターンを磁気記録層に転写する前にマスク層に転写することができる。
凸パターンをリフトオフ層に転写すると共に磁気記録層に転写することができる。
リフトオフ層を除去することにより、マスク層を除去することができる。
第4の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、
(1)基板上に磁気記録層形成する工程 (2−1C)磁気記録層上にリフトオフ層を形成する工程、
(2−2C)リフトオフ層上にマスク層を形成する工程、
(2−3C)マスク層上に反転用リフトオフ層を形成する工程、
(2−4C)反転用リフトオフ層上に副マスク層を形成する工程、
(3−1C)反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
(4)パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
(5−1C)凹パターンを副マスク層及び反転用リフトオフ層に転写し、凹部のマスク層表面を露出させる工程、
(6−1C)反転用リフトオフ層及び露出したマスク層表面上に反転層を形成した後、反転用リフトオフ層を除去することにより、マスク層表面上に、凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、
(7−1C)凸パターンをマスク層に転写する工程、
(7−2C)凸パターンをリフトオフ層及び磁気記録層に転写する工程、及び
(7−3C)リフトオフ層を除去する工程を含む。
第4の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法は、第1の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法の一例であって、磁気記録層上に、リフトオフ層、マスク層、反転用リフトオフ層、及び副マスク層を順に形成する工程を有する。
反転用リフトオフ層の下に直接形成された層及び露出した層はマスク層である。
凹パターンを副マスク層に転写すると共に反転用リフトオフ層に転写する。
凸パターンを磁気記録層に転写する前にマスク層に転写することができる。
凸パターンをリフトオフ層に転写すると共に磁気記録層に転写することができる。
リフトオフ層を除去することにより、マスク層を除去することができる。
第1ないし第4の実施形態によれば、パターン形成層に凹状に形成されたパターンを容易に反転させて、良好な凸パターンを持つ磁気記録層が設けられた磁気記録媒体を得ることができる。また、パターン反転の際に不要物を完全に除去できるため、パターンの再現性が良い。
第1ないし第4の実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法に使用されるパターン形成層は、例えばメソポーラスシリカ、ポーラスアルミナ、ポーラスチタニア等のポーラス材料、ジブロックコポリマー、及び共晶構造から選択される自己組織化材料、及びレジスト材料を用いて形成することができる。
パターン形成層が自己組織化材料を用いて形成されるとき、パターン形成層をパターニングする工程は、自己組織化現象により相分離された材料の一方の相を除去することを含む。
パターン形成層がレジストを用いて形成されるとき、パターン形成層をパターニングする工程は、パターン形成層に凸パターンを有するスタンパ(モールド)を押圧して凹パターンを形成し、露光した後該スタンパを剥離することを含む。
第5の実施形態に係る微細パターンの製造方法は、
基板上に反転用リフトオフ層を形成する工程、
反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
凹パターンを該反転用リフトオフ層に転写して凹部の反転用リフトオフ層を除去する工程、
反転用リフトオフ層及び板上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、基板上に該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び
該凸パターンを、基板上に転写する工程を具備する。
<パターン形成層>
実施形態に用いられる凹パターンは、自己組織化的な手法や電子線(EB)等の描画、あるいはインプリント等の手法による複製によって形成される。インプリント法を用いる場合、同一のパターンをタクトよく作製することができる
自己組織化的な手法には、パターン形成層として、ブロックコポリマー等の有機物の相分離構造を利用したもの、メソポーラスシリカ、ポーラスアルミナ、及びポーラスチタニア等のナノ構造材料、Al−Siをはじめとする共晶構造を利用したもの等のさまざまな手法がある。
図1に、自己組織化材料により形成される凹パターンの一例を表す図を示す。
これらの自己組織化材料を用いれば、大面積一括のパターニングが可能であるため、例えば大面積に一括して数nm〜数10nmのピッチで均一な図1のようなパターンを形成することができる。このようなパターンを自己組織化的にサイズ分散よく作製することができれば、HDDをはじめとして様々な用途に応用可能である。また、EB描画であれば、電子線レジスト上に所望のパターンを形成できる。
図2に、電子ビーム(EB)描画によるビットパターンド媒体(BPM)用凹凸パターンの一例を表す正面図を示す。
図2に示すように、EB描画パターンとして、データ領域に設けられたビットパターン21と、サーボ領域に設けられた例えばプリアンブルアドレスパターン22、及びバーストパターン23を含むサーボ領域パターン24に対応するパターン等が挙げられる。
HDD用途としては、図2のようなパターンを描画することができる。EB描画は一般的に描画速度が遅いため、一旦Siや石英のマスター原盤とし、インプリント等の方法によって複製するのが一般的である。さらに、サーボパターンのみをEBで描画し、インプリントによる凹凸ガイドや化学ガイドを設けた上に自己組織化材料を配列させるといった組み合わせの方法も使うことができる。
<メソポーラスシリカ>
メソポーラスシリカは、シロキサンを基としたシリカ化合物である。様々な合成方法があるが、実施形態では簡便な2種類の方法を用いることができる。
1つは、液相法である(C.T.Kresge et al, Nature Vol.359,P.710(1992))。トリブロックコポリマーを鋳型とし、水とエタノールの溶媒に十分に分散させ球状あるいは柱状のミセルを作った後、TEOSやTMOS(tetramethoxysilane)とC1225(CH等の触媒を混合し、ミセルの周囲でシリカを縮合させる。その後、スピンコートで分散液を塗布、乾燥させ自己組織的に配列させる。シリカのミセルは乾燥時に毛細管現象により徐々に配列するため、乾燥は室温で6〜20時間行うことが好ましい。
もう1つは、気相法である(N.Nishiyama et al, Chem.Mater.Vol.15,P.1006(2003))。ブロックコポリマーを鋳型とするのは上記液相法の手法と同じだが、基板上に予めブロックコポリマーを膜状に塗布しておき、気化させたTEOSをブロックコポリマー中へ侵入させ、膜の状態でミセルにする。
シリカが配列した後、通常の方法であれば400〜600℃程度の温度で焼成しブロックコポリマーを分解する。磁気記録層の材料にもよるが、例えば磁気記録層がL1のFe50Pt50のように加熱で規則配列する材料の場合、焼成と磁気記録層の規則化を兼ねることができる。その場合、後のプロセスでブロックコポリマーを除去する箇所は省略することができる。例えばCo80Pt20のような材料の場合、高温では磁気記録層の変性が起きる。その場合、焼成は溶媒を完全に飛ばすことを目的とし、300℃以下の低温で行うことができる。
本特許での実施例はメソポーラスシリカを用いて記載されているが、テンプレートにシリカ(SiO)以外、例えばAl、TiO、ZrO、Ta、Nb等を用いることも可能である。
<ブロックコポリマー>
ジブロックコポリマーやトリブロックコポリマーで知られるブロックコポリマーの中には、実施形態で所望するドットパターンを形成するものが多く存在する。通常、ドットを凸として作成したい場合には、ドットになるはずの部分のエッチング選択比を高くするようにブロックコポリマーの材料を決定する。代表的なものは、PS−PFDMS(Polystylene−Polyferrocenyldimethylsilane)やPS−PDMS(Polystylene−Polydimethylsiloxane)である。
ブロックコポリマーを用いて10nm前後のピッチで相分離パターンを形成する場合、エッチングレートを確保できるような材料では相分離がうまく起こらない場合がある。例えば、PS−PEO(Polystylene−Polyethyleneoxide)やPMMA−POSS(Polymethylmethacrylate−Polyhedral oligomeric silsesquioxane)といった材料が相当する。これらの材料はドット部分のエッチングレートが早く、ドットを囲む海部分のエッチングレートが遅いけれども、実施形態にかかる方法を用いることで海島構造の反転が可能である。なお、ピッチは数10〜数100nmと広いが、PS−PMMA(Polystylene−Polymethylmethacrylate)でも実施形態にかかる方法は適用可能である。
通常、ブロックコポリマーはPGMEA等の溶媒に分散させ、スピンコート法により基板に一様に塗布される。さらに、200℃以下程度の加熱、あるいは溶媒雰囲気に静置することで、周期的な相分離構造を得る。
<共晶構造>
ブロックコポリマーのような有機物と同様に、無機物にも相分離構造は存在する。このような相分離結晶構造は「共晶」と呼ばれる。共晶構造は2種類以上の元素の蒸着やスパッタリングによって作製される。代表的なものは、Al−GeやAl−Siの共晶構造である(K.Fukutani et al., Adv.Mater.Vol.16,P.1457(2004))。例えばAlがシリンダ状に配置されるAl−Siを使えば、目的の凹凸構造が得られる。この時、ターゲットの組成比はAl50Si50〜Al60Si40程度が好ましい。Al−Siを5wt%のリン酸に数時間浸漬することで、Siを溶かさずにAlのみを選択的に除去することができる。
<インプリント>
インプリントには凸パターンが形成されたモールドとレジストを用いる。マスク形成された基板上にインプリントレジストを塗布し、モールドを接触させ、レジストを硬化させ、モールドを取り外す。最近ではレジストを光によって硬化させるUVインプリントが一般的であるが、熱によってレジストを硬化させる手法、熱でレジストを軟化させてモールドを接触、冷却して硬化させる手法のような熱インプリントを用いることができる。モールドには種々の材料が使われるが、UVインプリントであれば光を透過させる石英や樹脂材料が用いられる。熱インプリントであれば、SiやNi等が主材料として用いられる。
インプリントでは、インプリント後にドットが凸になるよりも、凹になる方が形を作りやすい。特に、微細なパターンではその傾向が顕著である。そのため、実施形態にかかる方法はインプリントパターンの凹凸逆転が必要な場合にも応用できる。
<反転用リフトオフ層>
反転用リフトオフ層は、凹凸加工するべき磁気記録層と、マスターとなるパターンの層の間に設けられる。
凹凸加工するべき磁気記録層上に例えば保護層等が設けられている場合には、反転用リフトオフ層をこの保護層等の上に形成することができる。
反転用リフトオフ層は無機化合物で、ウェットプロセスで剥離できることが望まれる。反転層を凹部に埋め込んだ後、露出した側面からウェットエッチングで剥離される。
反転用リフトオフ層の材料は、例えば、MoやW、Crあるいはその化合物など、酸によって剥離可能な材料が好ましい。これらの材料は、過酸化水素や塩酸、硝酸等によって容易にエッチングされ、短時間で綺麗に剥離が可能である。
また、AlやGe、Zn、Snあるいはその化合物であれば、アルカリによって剥離可能である。これらの材料は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などのアルカリによって容易にエッチングされる。
実施形態によれば、レジスト溶解やOアッシングで除去不可能な凹凸パターンでも、凹凸の反転が可能となる。
反転用リフトオフ層のパターニングは、RIE装置などを用いて行われる。材料がMoやW、Geの場合、CFをはじめとする、フッ素系ガスを用いることが好適である。材料がAlやCrの場合、Clをはじめとする塩素系ガスを用いることが好適である。また、ZnやSnなどの材料の場合、Arガスによるイオンミリングを用いても良い。反転用リフトオフの上に第2のハードマスク層を設けてもよい。その場合、反転用リフトオフ層と第2のハードマスク層の組み合わせによっては、一貫プロセスでパターニングすることも可能である。
<リフトオフ層>
リフトオフ層は反転用リフトオフ層と同様の材料、構成、加工プロセスを用いることができる。他にも、レジストなどの有機膜を用いることができる。レジストを用いる場合、加工にはOやCFガスのRIEを使用し、剥離にはアセトンやPGMEA等の有機溶媒を用いることができる。
<マスク層>
磁気記録層の上に、必要に応じてマスク層として第1のハードマスクを設けることができる。第1のハードマスクを設けることでマスクの高さを確保し、パターンのテーパーを立てることができる。
第1のハードマスクは、少なくとも1層以上の膜をスパッタ等の方法で記録層の上に着けるものである。第1のハードマスクにある程度の高さが必要な場合、第1のハードマスクを2層以上の構造にすることが好適である。例えば下層をC(カーボン)、上層をSiとすることで、アスペクトの高いマスクを作製することができる。あるいは、下層をTa、Ti、Mo、W等の金属類あるいはそれらの化合物とする場合、上層はNiやCr等の材料を用いることができる。金属材料をマスクとして用いる場合、成膜レートが早いのが利点である。
<副マスク層>
反転用リフトオフ層の上に、必要に応じて副マスク層として第2のハードマスク層を設けることができる。第2のハードマスクを設けることで、マスターパターンから反転用リフトオフへのパターン転写の際に、形状劣化を防ぐ効果があり、反転層のパターン形状がより綺麗になる。
第2のハードマスクの材料・パターニングプロセスは、第1のハードマスクと同等である。特に、第2のハードマスクは、パターン形成層のマスターパターンから第2のハードマスク、または第2のハードマスクから反転用リフトオフ層 へのパターン転写の際、エッチング選択比を稼げるものが好ましい。例えば、メソポーラスシリカを使う場合、第2のハードマスクにSiを用いる。すると、CFガスを用いた場合のエッチングレートはシリカ>Si(第2のハードマスク)>Mo(反転用リフトオフ層)のため、シリカからMoの加工が難しい場合においても、間にSiを挟むことにより加工形状が改善され得る。また、第2のハードマスクにCを用いた場合、シリカの凹部をCFガスでパターニングし、Cの凹部はO、Moは再びCF、といった順に加工プロセスを変えることで、十分な選択比をもって反転用リフトオフを加工できる。
<第1及び第2のハードマスクのパターニング>
第1及び第2のハードマスクのパターニングは、必要に応じて種々のドライエッチングプロセスを使うことが好ましい。例えば、実施例にあるように、第1のハードマスクをC、第2のハードマスクをSiとした場合、第2のハードマスクはハロゲンガス(CF、CF/O、CHF、SF、Cl)を使ったドライエッチングを用いるのが好ましい。その後、第一のハードマスクをO、O等の酸素系ガス、あるいはH、N等のガスでドライエッチングするのが好ましい。第1または第2のハードマスクにCrやAlの化合物を用いる場合、Cl系ガスを、Ta、Ti、Mo、Wを用いる場合はSiと同様のハロゲンガスを用いるのが好適である。
<反転層>
反転層は、マスターパターンの凹凸を反転するために用いられる。材質は反転用リフトオフ層や第1のハードマスクと選択比が取れるものが望ましい。例えば、反転用リフトオフ層がMoやW等のCFガスで加工しやすい材料の場合、Al、Cr、Cu、Ni、Pd、Ruあるいはそれらを主成分とする合金、酸化物、窒化物等であることが望ましい。反転用リフトオフ層がAlやCr等のCl系ガスで加工しやすい材料の場合、耐酸性のあるTiやSi、あるいはそれらを主成分とする化合物、酸化物、窒化物等であることが望ましい。
実施形態に使用される反転層は、メタル剥離層と共に使われることが前提であり、凹部には成膜されるが側壁には成膜されないことが望ましい。例えば、スパッタ成膜やALD(Atomic Layer Deposition)やCVD(Chemical Vapor Deposition)などの成膜方法が用いられる。スパッタの場合、ALDやCVDと比べて側壁部分には成膜されにくい利点がある。ALDやCVDの場合、側壁に成膜されるが、狭い凹部の底部分にも成膜しやすい利点がある。側壁部分に成膜されてしまった場合、後の剥離工程に差し支えるようであれば、イオンミリング等の方法で側壁部分の反転層を除去してもよい。反転層の厚みは、剥離液が反転用リフトオフ層へ侵入することが求められるため、反転用リフトオフ層よりも薄いことが好ましい。また、1nmより薄い場合、膜としての強度が保てないため、1nm以上の膜厚であることが好ましい。
<磁気記録層のパターニング>
磁気記録層のパターニングは、イオンミリングあるいはRIEによって、マスクされた部分以外をエッチングし記録層に凹凸によるパターンを作製する。凹凸によるパターン作製とは、通常、記録層の材料を全てエッチングする場合が多い。しかしながら、必要に応じて凹部に記録層の材料を一部残す構造や、Capped構造のように1層目は全てエッチングし、2層目以降は残す、等といった構造を作ることもできる。
イオンミリングにはNe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスや、N等の不活性ガスを用いることができる。RIEを使う場合には、Cl系、CHOH、NH+COなどのガスを用いる。RIEの場合、エッチング後にHガス洗浄やベーク処理、水洗処理を使用することができる。
<剥離液>
剥離液は上記リフトオフ層を溶解可能なものが好ましい。例えば、過酸化水素水や蟻酸に代表される、弱酸が好ましい。これに対し、塩酸は表面に細孔を空けるため、好ましくない。また、pHの高い領域で硝酸、硫酸、リン酸なども用いることができる。好ましくはpH3〜6の間である。
磁気記録層のパターニング後、媒体は剥離液に浸漬され、数秒〜数分の間保持される。リフトオフ層やマスクを十分に溶解させた後、媒体表面は純水によって洗浄され、後の工程に回される。
<埋め込み工程>
実施形態にかかる方法では、凸パターンが形成された磁気記録層を埋め込みにより平坦化するプロセスを加えることができる。埋め込みには、埋め込み材料をターゲットとしたスパッタリング法が簡便なため使用されるが、他にもめっき、イオンビーム蒸着、CVD、ALD等の方法によっても良い。CVDやALDを用いれば、高テーパーの磁気記録層の側壁に対し、高レートで成膜可能である。また、埋め込み成膜時に基板にバイアスをかけることで、高アスペクトのパターンでも隙間なく埋め込むことができる。SOG(Spin−On−Glass)やSOC(Spin−On−Carbon)等の所謂レジストをスピンコートし、熱処理で硬化させる方法を用いても良い。
埋め込み材料にはSiOに限らず、硬度と平坦性の許す限りの材料を使用することができる。例えば、NiTaやNiNbTi等のアモルファス金属は平坦化し易く埋め込み材料として使用できる。Cを主成分とする材料(CN、CHなど)も、硬度が高くDLCとの密着性が良いため使用することができる。SiOやSiN、TiO、TaO等の酸化物、窒化物も埋め込み材料として使用することができる。ただし、磁気記録層と接する際に磁気記録層と反応生成物を作る場合、埋め込み層と磁気記録層の間に保護層を1層挟むことができる。
<保護膜形成および後処理>
カーボン保護膜は、凹凸へのカバレッジをよくするためにCVD法で成膜することができる。あるいは、スパッタ法または真空蒸着法により成膜することができる。CVD法によれば、sp結合炭素を多く含むDLC膜を形成することができる。膜厚は2nm以下だとカバレッジが悪くなり、10nm以上だと、記録再生ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下する傾向がある。保護膜上に潤滑剤を塗布することができる。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
<磁気記録層>
磁気記録層としては、合金系の場合、CoまたはFe、Niを主成分とし、かつPtあるいはPdを含むことができる。磁気記録層は、必要に応じて、Crや酸化物を含むことができる。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンを使用することができる。さらに、酸化物の他に、Ru、Mn、B、Ta、Cu、Pdから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
垂直磁気記録層としては、CoPt系合金、FePt系合金、CoCrPt系合金、FePtCr系合金、CoPtO、FePtO、CoPtCrO、FePtCrO、CoPtSi、FePtSi、ならびにPt、Pd、Ag、Cuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金と、Co、Fe、Niとの多層構造などを使用することもできる。また、Kuの高いMnAl合金、SmCo合金、FeNbB合金、CrPt合金などを使用することもできる。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは3ないし30nm、より好ましくは5ないし15nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが30nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。
<中間層>
軟磁性裏打ち層と記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けることができる。中間層は、軟磁性裏打ち層と記録層との交換結合相互作用を遮断し、記録層の結晶性を制御する、という2つの作用を有する。中間層の材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、Ni、Mgこれらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
<軟磁性裏打ち層>
軟磁性裏打ち層(SUL)は、垂直磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性裏打ち層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性裏打ち層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により成膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性裏打ち層の下に、軟磁性裏打ち層の結晶性の向上または基板との密着性の向上のために、さらに下地層を設けてもよい。こうした下地層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
スパイクノイズ防止のために軟磁性裏打ち層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させてもよい。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、Ru層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
図3は、実施形態に係る磁気記録媒体を適用可能な磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
図3に示されるように、磁気記録再生装置130は、上面の開口した矩形箱状の筐体131と、複数のねじにより筐体131にねじ止めされる筐体の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有している。
筐体131内には、実施形態に係る磁気記録媒体132、この磁気記録媒体132を支持及び回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ133、磁気記録媒体132に対して磁気信号の記録及び再生を行う磁気ヘッド134、磁気ヘッド134を先端に搭載したサスペンションを有し且つ磁気ヘッド134を磁気記録媒体132に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ135、ヘッドアクチュエータ135を回転自在に支持する回転軸136、回転軸136を介してヘッドアクチュエータ135を回転、位置決めするボイスコイルモータ137、及びヘッドアンプ回路基板138等が収納されている。
以下、実施例を示し、実施形態を具体的に説明する。
実施例
実施例1
第4の実施形態に係る媒体の製造方法の一例を、図4(a)ないし図4(i)を用いて説明する。
ここでは、パターン形成層を形成するために、自己組織化材料としてメソポーラスシリカを用いた例を示す。
図4(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層(図示せず)、厚さ20nmの配向制御用Ru中間層2および厚さ10nmのCo80Pt20磁気記録層3、厚さ2nmのPd保護膜4、厚さ5nmのMoからなるリフトオフ層5、厚さ20nmのCからなる第1のハードマスク層6、厚さ3nmのMoからなる反転用リフトオフ層7、厚さ3nmのSiからなる第2のハードマスク層8を成膜する。
基板上にメソポーラスシリカ溶液を塗布し、室温で12時間静置しシリカ球を配列させる。メソポーラスシリカは、たとえば、TEOS(Tetraethoxysilane)、トリブロックコポリマー PEO80−PPO30−PEO80、HCl、エタノール、水をモル比率で1.0:0.15:0.015:3.5:8.2となるよう混合し、3時間室温で撹拌したものをスピンコートにより塗布し、メソポーラスシリカ塗布層11を形成した。溶液はシリカが1層配列するよう、PGMEA(Propylene Glycol Methyl Ether Acetate)にて6倍に希釈している。塗布後にメソポーラスシリカ塗布層11を平面SEMで観察したところ、図1のようなドットの配列が見られた。球9の内部にはトリブロックコポリマーが存在し、球9の周囲をシリカの相10が覆っている状態である。
なお、トリブロックコポリマー PEO80−PPO30−PEO80とは、(PEO:PolyEthylene Oxide)とPPO(PolyPropylene Oxide)の共重合体である。
次に、図4(b)に示すように、メソポーラスシリカの鋳型となっていた球9の内部のトリブロックコポリマーを除去し、シリカ相10の凹パターン13を形成する。この工程は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)―RIE装置により、プロセスガスとしてCF、Oガスを順次使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび10Wとし、エッチング時間をそれぞれ10秒、10秒として行われる。
図4(c)に示すように、シリカ相10の凹パターンを第2のハードマスク層8および反転用リフトオフ層7へと転写する。同様にICP−RIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび10Wとし、エッチング時間を50秒として行われる。この工程により、凹部のSi副マスク層8および反転用リフトオフ層7は除去され、反転用リフトオフ層直下のマスク層6が露出する。
図4(d)に示すように、Niからなる反転層12を形成する。この工程は、例えば、NiターゲットをArガスでスパッタし、対向した基板へNiを2nm成膜する。プロセスガス圧は0.3Paとし、成膜パワー500W、成膜時間2秒として行われる。
図4(e)に示すように、反転用リフトオフ層7ごと凸部を剥離除去する。この工程は、例えばpH5の過酸化水素水を用い、溶液中に基板を浸漬、1分間保持することによって行われる。浸漬後、基板を純水洗浄する。この工程により、凸部は除去され第1のハードマスク層6が露出する。凹パターン13があった領域には図4(d)で成膜した凸パターンのNi反転層12が残存し、凹凸が反転する。
図4(f)に示すように、Ni反転層12をマスクとして、第1のハードマスク6へ反転層12の形状を転写する。ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてOガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび5Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
図4(g)に示すように、イオンミリングにより、第1のハードマスク6の形状を、リフトオフ層5、保護層4,及び磁気記録層3へと転写する。たとえばArイオンミリング装置により、プロセスガスとしてArを使用し、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W、加速電圧400Vとし、エッチング時間を10秒として行われる。
図4(h)に示すように、Moからなるリフトオフ層5ごと第1のハードマスク6を剥離する。この工程は、たとえば濃度0.1%の過酸化水素水へ媒体を浸漬し、5分間保持することで行われる。これにより、ガラス基板1上に、Ru中間層2と、磁気記録層3及び保護層4による凸パターンとが形成された構成が得られる。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体100が得られる。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造・断面構造をSEMによって観察したところ、図1のようなメソポーラスシリカのドット構造を忠実にトレースし、凹凸の反転されたドットが周期的に配列していることが確かめられた。また、このパターンド媒体をHDD装置に組み込み、エラーレートを測定したところ、10−6以下だった。この結果により、本特許の構成により製造された媒体は、パターンド媒体として十分な性能を持つことが明らかになった。
比較例1
反転用リフトオフ層7を設けず、第1のハードマスク6の直上に第2のハードマスク8を成膜したこと、及び図4(e)のような反転用リフトオフ層7の除去は行わず、メソポーラスシリカおよびSiをCFガスのRIE処理にて除去したこと以外は実施例1と同様の方法で、磁気記録媒体を作製した。なお、CFガスのRIE処理工程は、たとえばチャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび10Wとし、エッチング時間を30秒として行なった。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造・断面構造をSEMによって観察したところ、凹凸の反転されたドットが周期的に並んではいるが、ドット同士が接続され、分断しているとは言えない状態であった。プロセスの途中で抜き出し検査を行ったところ、反転層を成膜後にメソポーラスシリカおよびSiの除去が十分に行われていないことが明らかになった。以上の結果より、反転用リフトオフ層を設けることで、ドットの分断が十分に行われることが示された。
実施例2
第4の実施形態にかかる媒体の製造方法の他の一例を、図5に従って説明する。
ここでは、パターン形成層を形成するために、自己組織化材料としてジブロックコポリマーを用いた例を示す。
ただし、図5(e)〜図5(h)は図4(e)〜図4(h)と同様の工程のため、説明を省略する。
図5(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層(図示せず)、厚さ20nmのRu配向制御用中間層2および厚さ10nmのCo75Pt25磁気記録層3、厚さ2nmのCoCrPt保護膜4、厚さ5nmのMoからなるリフトオフ層5、厚さ20nmのCからなる第1のハードマスク層6、厚さ3nmのWからなる反転用リフトオフ層7、厚さ3nmのCからなる第2のハードマスク層8を成膜する。第2のハードマスク層8上にPS−PEO(Polystylene−Polyethyleneoxide)を溶媒に溶解した塗布液をスピンコートにより塗布して塗膜17を形成し、1層配列させる。PSとPEOの分子量はそれぞれ9500、18000である。この組成からは、スフィア状に相分離する30nmピッチ相当のミクロ相分離構造が得られる。このミクロ相分離構造ではPEO相15がスフィア状に相分離し、PS相16がその周囲を覆っている状態である、溶媒には1,2−ジエトキシエタン(Diethylene
Glycol Dimethyl Ether)を用い、重量パーセント濃度1.0%となるよう塗布液の調製を行った。
図5(b)に示すように、ドット部分に存在するPEO相15を除去し、PS相16の凹パターン13を形成する。この工程は、例えば、ICP―RIE装置により、プロセスガスとしてOガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび10Wとし、エッチング時間を10秒として行われる。
図5(c)に示すように、残ったPS相16の凹パターン13を第2のハードマスク層8および反転用リフトオフ層7へと転写する。同様にICP−RIE装置により、プロセスガスとしてOガス、CFガスを順次使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび10Wとし、エッチング時間をそれぞれ10秒、30秒として行われる。この工程により、凹部のC層8およびMo層7は除去され、下層のCマスク層6が露出する。
その後、図5(d)に示すように、Niからなる反転層12を形成する。この工程は、例えば、NiターゲットをArガスでスパッタし、対向した基板へNiを2nm成膜する。プロセスガス圧は0.3Paとし、成膜パワー500W、成膜時間2秒として行われる。
図5(e)〜(h)は、図4(e)〜(h)と同様のプロセスのため、説明を省略した。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体が得られる。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造・断面構造をSEMによって観察したところ、図1のようなドット構造を忠実にトレースし、凹凸の反転されたドットが周期的に配列していることが確かめられた。また、このパターンド媒体をHDD装置に組み込み、エラーレートを測定したところ、10−6以下だった。この結果により、本特許の構成により製造された媒体は、パターンド媒体として十分な性能を持つことが明らかになった。
実施例3
第3の実施形態の媒体の製造方法の一例を、図6に従って説明する。
ここでは、パターン形成層を形成するために、自己組織化材料として共晶構造を用いた例を示す。
ただし、図6(e)〜(h)は、図4(e)〜(h)と同様の工程のため、省略する。
図6(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層(図示せず)、厚さ20nmのRuからなる配向制御用中間層2および厚さ5nmのFe50Pt50磁気記録層3、厚さ2nmのPt保護膜4、厚さ5nmのWからなるリフトオフ層5、厚さ20nmのCからなる第1のハードマスク層6、厚さ3nmのMoからなる反転用リフトオフ層7を順次成膜する。続いて、Al−Siの共晶膜25を10nmの厚さで成膜する。(特開2005−60771、Canon 参照)スパッタにおけるAlとSiのターゲット中組成比をうまく調整することで、図2及び図6のように、Si相19がドット状のAl相18の周囲を埋めるような構造を得ることができる。今回は、AlとSiのターゲット中の原子比がAl:Si=55:45のものを用いた。ドットピッチは15nmであった。尚、基板上部からSEMで観察した場合にドットに見えてはいるが、断面構造を観察すれば、AlはSi中にシリンダ状に存在していることがわかる。
図6(b)に示すように、ドット状のAl相18を除去し、Si相19からなる凹パターンを形成する。この工程は、例えば、5wt%のリン酸に1時間浸漬することで、ドット部分のAlを除去し、厚さ10nmのSi相19の多孔構造からなる凹パターンを得た。
図6(c)に示すように、Si相19の凹パターンを反転用リフトオフ層7へと転写する。ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび10Wとし、エッチング時間を30秒として行われる。この工程により、凹部のMoは除去され、下層のハードマスク層6が露出する。
図6(d)に示すように、Niからなる反転層12を形成する。この工程は、例えば、NiターゲットをArガスでスパッタし、対向した基板へNiを2nm成膜する。プロセスガス圧は0.3Paとし、成膜パワー500W、成膜時間2秒として行われる。
図6(e)〜(h)は図4(e)〜(h)と同様のプロセスのため、説明を省略した。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体が得られる。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造・断面構造をSEMによって観察したところ、図1のようなドット構造を忠実にトレースし、凹凸の反転されたドットが周期的に配列していることが確かめられた。また、このパターンド媒体をHDD装置に組み込み、エラーレートを測定したところ、10−6以下だった。この結果により、本特許の構成により製造された媒体は、パターンド媒体として十分な性能を持つことが明らかになった。
実施例4
第4の実施形態にかかる媒体の製造方法のさらに他の一例を、図7(a)ないし(h)に従って説明する。
ここでは、パターン形成層を形成するためにレジストを用い、ナノインプリント法により凹パターンを形成した例を示す。
ただし、図7(e)〜(h)は図4(e)〜(h)と同様の工程のため、省略する。
図7(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層(図示せず)、厚さ20nmのRu配向制御用中間層2および厚さ5nmのCo75Pt25磁気記録層3、厚さ2nmのPd保護膜4、厚さ5nmのMoからなるリフトオフ層5、厚さ20nmのCからなるハードマスク層6、厚さ3nmのMoからなる反転用リフトオフ層7、厚さ3nmのSiからなる第2のハードマスク8を順次成膜する。続いて、インプリント工程に使われる光硬化性レジスト26を第2のハードマスク8上に30nmの厚さでスピンコートにより塗布する。
図7(b)に示すように、ナノインプリントを行い、レジスト26に図2のような凹パターンを転写する。この工程は例えば、所望のパターンとは凹凸が逆である石英製のスタンパ27をレジスト26と対向させて、密着させたところでUVを照射し硬化させ、その後スタンパ27を剥離する。
図7(c)に示すように、レジスト26の凹パターンを第2のハードマスク8及び反転用リフトオフ層7へと転写する。ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ50Wおよび10Wとし、エッチング時間を50秒として行われる。この工程により、凹部のレジスト26、第2のハードマスク8、反転用リフトオフ層7は一貫して除去され、下層のハードマスク層6が露出する。
図7(d)に示すように、Niからなる反転層12を形成する。この工程は、例えば、NiターゲットをArガスでスパッタし、対向した基板へNiを2nm成膜する。プロセスガス圧は0.3Paとし、成膜パワー500W、成膜時間2秒として行われる。
図7(e)〜(h)は図4(e)〜(h)と同様のプロセスのため、説明を省略した。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体が得られる。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造・断面構造をSEMによって観察したところ、図2のようなパターン形状の石英スタンパ26を忠実にトレースし、凹凸の反転されたドットが周期的に配列していることが確かめられた。また、このパターンド媒体をHDD装置に組み込み、エラーレートを測定したところ、10−6以下だった。この結果により、実施形態により製造された媒体は、パターンド媒体として十分な性能を持つことが明らかになった。
実施例5
第1の実施形態にかかる媒体の製造方法を、図8(a)ないし(f)に従って説明する。
図8(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmの軟磁性層CoZrNb層(図示せず)、厚さ20nmのRu配向制御用中間層2および厚さ10nmのCo80Pt20磁気記録層3、厚さ2nmのPd保護膜4、厚さ3nmのMoからなる反転用リフトオフ層7を成膜する。
反転用リフトオフ層7上に実施例1と同様のメソポーラスシリカ溶液を塗布し、室温で12時間静置しシリカ球を配列させる。
塗布後にメソポーラスシリカ塗布層11を平面SEMで観察したところ、図1のようなドットの配列が見られた。
球9の内部にはトリブロックコポリマーが存在し、球9の周囲をシリカの相10が覆っている状態である。
図8(b)に示すように、実施例1と同様の方法でメソポーラスシリカの鋳型となっていたトリブロックコポリマーを除去し、シリカ相10の凹パターン13を形成する。
図8(c)に示すように、シリカ相10の凹パターン13をMo反転用リフトオフ層7へと転写する。ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび10Wとし、エッチング時間を30秒として行われる。この工程により、凹部の反転用リフトオフ層7は除去され、反転用リフトオフ層7直下のPd保護層4が露出する。
図8(d)に示すように、実施例1と同様の方法で、NiではなくAlの反転層12を成膜し、図8(e)に示すように、反転用リフトオフ層7ごと凹パターン13の周囲の凸部を除去する。この工程により、Pd保護層4が露出する。凹パターン13があった領域には図8(d)で成膜した凸パターンのAl反転層12が残存し、凹凸が反転する。
図8(f)に示すように、反転層12のAlをマスクとして、イオンミリングにより、反転層12の形状を磁気記録層3へと転写する。たとえばArイオンミリング装置により、プロセスガスとしてArを使用し、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W、加速電圧400Vとし、エッチング時間を10秒として行われる。このとき、ミリングが終了した段階でAl反転層12も丁度エッチングされ消失した。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体が得られる。
実施例6
第2の実施形態にかかる媒体の製造方法を、図9(a)ないし図9(h)に従って説明する。
図9(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層(図示せず)、厚さ20nmのRu配向制御用中間層2および厚さ10nmのCo80Pt20磁気記録層3、厚さ2nmのPd保護膜4、厚さ20nmのCからなる第1のハードマスク層6、厚さ3nmのMoからなる反転用リフトオフ層7を成膜する。実施例1と同様に、反転用リフトオフ層7上にメソポーラスシリカ溶液を塗布し、室温で12時間静置しシリカ球を配列させる。
塗布後にメソポーラスシリカ塗布層11を平面SEMで観察したところ、図1のようなドットの配列が見られた。
球9の内部にはトリブロックコポリマーが存在し、球9の周囲をシリカの相10が覆っている状態である。
図9(b)に示すように、実施例1と同様の方法でメソポーラスシリカの鋳型となっていたトリブロックコポリマーを除去し、シリカ相10の凹パターン13を形成する。
図9(c)に示すように、シリカ相10の凹パターン13を反転用リフトオフ層7へと転写する。ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび10Wとし、エッチング時間を30秒として行われる。この工程により、凹部の反転用リフトオフ層7は除去され、下層の第1のハードマスク層6が露出する。
図9(d)、(e)に示すように、実施例1と同様の方法でNiの反転層12を成膜し、反転用リフトオフ層7ごと凸部を除去する。この工程により、Pd保護層4が露出する。凹パターン13があった領域には図9(d)で成膜した凸パターンのNi反転層12が残存し、凹凸が反転する。
図9(f)に示すように、実施例1と同様の方法で反転層のNiをマスクとして、第1のハードマスク層6へ反転層12の凸パターンを転写する。
図9(g)に示すように、実施例1と同様の方法でイオンミリングにより、第1のハードマスク層6の凸パターンをPd保護層4及び磁気記録層3へと転写する。
図9(h)に示すように、第1のハードマスク層6を剥離する。この工程は、たとえばRIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を5.0Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ0Wおよび100Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体が得られる。
実施例7
第3の実施形態にかかる媒体の製造方法を、図10(a)ないし(h)に従って説明する。
図10(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmの軟磁性層CoZrNb(図示せず)、厚さ20nmのRu配向制御用中間層2および厚さ10nmのCo80Pt20磁気記録層3、厚さ2nmのPd保護膜4、厚さ5nmのMoからなるリフトオフ層5、厚さ20nmのCからなる第1のハードマスク層6、厚さ3nmのMoからなる反転用リフトオフ層7を成膜する。実施例1と同様に、基板上にメソポーラスシリカ溶液を塗布し、室温で12時間静置しシリカ球を配列させる。
塗布後にメソポーラスシリカ塗布層11を平面SEMで観察したところ、図1のようなドットの配列が見られた。
球9の内部にはトリブロックコポリマーが存在し、球9の周囲をシリカの相10が覆っている状態である。
図10(b)に示すように、実施例1と同様の方法でメソポーラスシリカの鋳型となっていたトリブロックコポリマーを除去し、シリカ相10の凹パターン13を形成する。
図10(c)に示すように、シリカ相10の凹パターン13をMo反転用リフトオフ層7へと転写する。ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてCFガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび10Wとし、エッチング時間を30秒として行われる。この工程により、凹部のMoは除去され、下層の第1のハードマスク層6が露出する。
図10(d)に示すように、実施例1と同様の方法でNiの反転層12を成膜し、図10(e)に示すように、反転用リフトオフ層7ごと凹パターン13周囲の凸部を除去する。この工程により、Pd保護層4が露出する。凹パターン13があった領域には図10(d)で成膜した凸パターンのNi反転層12が残存し、凹凸が反転する。
図10(e)〜(h)は図4(e)〜(h)と同様のプロセスのため、説明を省略した。
最後に、図4(i)に示すように、磁気記録層3及び保護層4の積層による凸パターンが形成されたRu中間層2上に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜14を形成し、図示しない潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるパターンド媒体が得られる。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造・断面構造をSEMによって観察したところ、図1のようなメソポーラスシリカのドット構造を忠実にトレースし、凹凸の反転されたドットが周期的に配列していることが確かめられた。実施例1および比較例1、実施例5〜7のドットの分離してないもの個数の割合を下記表1に示す。
この割合は、SEM観察により、ドット1000個を調べた結果である。また、マスクのリフトオフ層がある媒体では、浮上ヘッド高さ10nmで測定したグライド特性評価におけるヒット数すなわちヘッドと媒体の衝突の回数の減少が見られた。この結果により、実施形態に係る方法により製造された媒体は、ドットの分離性が向上していることが示された。
Figure 2014086114
表中、ヒット数5個以下の場合を◎、10個以下の場合を○、20個以下の場合を△、20個より多い場合×と、各々評価した。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2…中間層、3…磁気記録層、4…保護層、5…リフトオフ層、6…第1のハードマスク層、7…反転用リフトオフ層、8…第2のハードマスク層、9…トリブロックコポリマー相、10…シリカ相、11…メソポーラスシリカ塗布層、12…反転層、13…凹パターン、100…磁気記録媒体

Claims (11)

  1. 基板上に磁気記録層を形成する工程、
    前記磁気記録層上に反転用リフトオフ層を形成する工程、
    該反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
    該パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
    該凹パターンを該反転用リフトオフ層に転写して凹部の該反転用リフトオフ層を除去する工程、
    該反転用リフトオフ層及び該磁気記録層上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、該磁気記録層上に該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び
    該凸パターンを、前記磁気記録層に転写する工程を具備する磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記磁気記録層上に反転用リフトオフ層を形成する工程は、前記磁気記録層上にマスク層を形成する工程、及び該マスク層上に前記反転用リフトオフ層を形成する工程を含み、
    前記パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程の後、前記凸パターンを前記磁気記録層に転写する工程の前に、
    前記凹パターンを該反転用リフトオフ層に転写し、凹部の該マスク層表面を露出させる工程、及び
    該反転用リフトオフ層及び露出したマスク層表面上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、該マスク層表面上に、該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び該凸パターンを該マスク層に転写する工程を含む請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記磁気記録層上に反転用リフトオフ層を形成する工程は、前記磁気記録層上にリフトオフ層を形成する工程、該リフトオフ層上にマスク層を形成する工程、及び該マスク層上に反転用リフトオフ層を形成する工程を含み、
    前記パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程の後、
    前記凹パターンを該反転用リフトオフ層に転写し、凹部の該マスク層表面を露出させる工程、
    該反転用リフトオフ層及び露出したマスク層表面上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、該マスク層表面上に、該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、
    該凸パターンを該マスク層に転写する工程
    該凸パターンを該リフトオフ層及び前記磁気記録層に転写する工程、及び
    該リフトオフ層を除去する工程を含む請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記磁気記録層上に反転用リフトオフ層を形成する工程は、前記磁気記録層上にリフトオフ層を形成する工程、該リフトオフ層上にマスク層を形成する工程、該マスク層上に反転用リフトオフ層を形成する工程、及び該反転用リフトオフ層上に副マスク層を形成する工程を含み、
    前記パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程の後、
    前記凹パターンを該副マスク層及び該反転用リフトオフ層に転写し、凹部の該マスク層表面を露出させる工程、
    該反転用リフトオフ層及び露出したマスク層表面上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、該マスク層表面上に、該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、
    該凸パターンを該マスク層に転写する工程
    該凸パターンを該リフトオフ層及び前記磁気記録層に転写する工程、及び
    該リフトオフ層を除去する工程を含む請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記副マスク層は、Si、SiO、SiC等Si系化合物、Ge系化合物、及びC系化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項4に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記反転用リフトオフ層は、モリブデン、タングステン、及びそれらの合金から選択される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 反転層は、ニッケル、チタン、クロム、鉄、及び銅からなる群から選択される金属薄膜である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記パターン形成層は、自己組織化材料を用いて形成され、該パターン形成層をパターニングする工程は、自己組織化現象により相分離された材料の一方の相を除去することを含む請求項1にないし7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 自己組織化材料は、メソポーラスシリカ、ポーラスアルミナ、ポーラスチタニア、ジブロックコポリマー、及び共晶構造から選択される請求項8に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記パターン形成層はレジストを用いて形成され、前記パターン形成層をパターニングする工程は、パターン形成層に凸パターンを有するスタンパを押圧して凹パターンを形成し、露光した後該スタンパを剥離することを含む請求項1ないし9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  11. 基板上に反転用リフトオフ層を形成する工程、
    該反転用リフトオフ層上にパターン形成層を形成する工程、
    該パターン形成層をパターニングして凹パターンを設ける工程、
    該凹パターンを該反転用リフトオフ層に転写して凹部の該反転用リフトオフ層を除去する工程、
    該反転用リフトオフ層及び該基板上に反転層を形成した後、該反転用リフトオフ層を除去することにより、該基板上に該凹パターンを反転させた凸パターンを有する反転層を形成する工程、及び
    該凸パターンを、前記基板上に転写する工程を具備する微細パターンの製造方法。
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