JP4468439B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)に組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジ効果を低減することは重要な技術課題である。
このような問題に対して、強磁性層を加工して記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型(Discrete Track Recording)磁気記録媒体(DTR媒体)が提案されている。DTR媒体では、記録時に隣接トラックの情報を消去するサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報を読み出すサイドリード現象などを低減できるため、トラック密度を高めることができる。したがって、DTR媒体は高記録密度を提供しうる磁気記録媒体として期待されている。
DTR媒体のように表面に凹凸が形成された媒体を、浮上ヘッドで記録再生するためには、ヘッドが安定浮上するように表面凹凸を低減する必要がある。現状のDTR媒体では、隣接するトラックどうしを完全に分離する溝を形成するために、厚さ約20nmの強磁性層および厚さ約5nmの保護膜の合計約25nmを除去している。一方、ヘッドの浮上設計量は10nm程度である。このため、溝を非磁性層で充填して媒体表面を平滑にすることによってヘッドの浮上を確保することが行われている。しかし、溝を非磁性層で充填して媒体表面を平滑化すると製造工程が増え、コストが増加するとともに歩留りも悪くなる。
そこで、媒体に凹凸構造をつけることなく、トラック間の非記録部にある強磁性層を変質させて非磁性層にすることも行われている(特許文献1〜3)。しかし、媒体に凹凸構造をつけずに非記録部にある強磁性層を非磁性層に変質させるだけでは、トラックを形成する磁性パターンと非磁性層との境界が揺らぎやすく、ノイズの原因となる可能性がある。したがって、トラックの磁性の変質を抑えつつ、非記録部の磁性をいかに変質させるかが問題になる。
米国特許第6,841,224号明細書 特開平5−205257号公報 米国特許第6,168,845号明細書
本発明の目的は、磁性パターンの磁性の劣化を抑えつつ、非記録部の磁性を効率的に劣化または消失させることにより、凹凸構造が小さくSNRのよい磁気記録媒体、およびそのような磁気記録媒体を製造できる方法を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法は、強磁性層上にマスク材を形成し、前記マスク材に対してスタンパをインプリントして凹凸パターンを転写し、凹凸パターンの凹部に位置する強磁性層の一部をエッチングし、前記凹部に残った強磁性層を改質して前記強磁性層の成分を含む非磁性層を形成するとともに、前記非磁性層によって分断された前記強磁性層からなる磁性パターンを形成することを特徴とする。
本発明によれば、トラックの磁性の劣化を抑えつつ、非記録部の磁性を効率的に劣化または消失させることにより、凹凸構造が小さくSNRのよい磁気記録媒体およびその製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体を示す断面図である。この磁気記録媒体はいわゆるパターンド媒体である。本発明におけるパターンド媒体とは、ディスクリートトラック(Discrete Track Recording、DTR)媒体、ビットパターンド媒体(Bit Patterned Media、BPM)を含む。こうした磁気記録媒体はハードディスクドライブに搭載される。図1の磁気記録媒体は、非磁性基板11上に形成された下地層12と、下地層12上に形成された、強磁性層をパターン化した磁性パターン13および磁性パターン13間を分断する非磁性層14を含む磁気記録層と、磁気記録層上に形成された保護膜15とを有する。下地層12には、軟磁性裏打ち層、非磁性中間層、磁区制御層などが含まれる。磁性パターン13はたとえばトラックの形状にパターン化されており、記録が行われる。非磁性層14には記録が行われない。非磁性層14は強磁性層と酸素との反応により生成した酸化物からなり、磁性が劣化または消失している。本発明においては、非磁性層14の厚さaと磁性パターン13の厚さbがa<bの関係を満たす。
従来のパターンド媒体(DTR媒体、ビットパターンド媒体)では強磁性層の厚さ分を加工していたのに対し、本発明では強磁性層の厚さ分を加工することなく、磁性パターンと非磁性層との磁気的干渉を抑えることが可能となる。また、表面の凹凸高さが低いため、ヘッドの浮上特性を確保することを目的とする凹部への非磁性体の埋め込み工程を省略するか、またはその実施を容易にすることができる。
非磁性層14を形成する際に、非記録部に存在する強磁性層の厚さ全体を酸化させる必要はない。非磁性層(酸化物層)14の厚さの下限値は、作製した媒体のドライブに搭載したときに得られるBER(ビット誤り率)により適宜調整されるため、特に限定されない。非磁性層(酸化物層)14の厚さは、非記録部に存在する強磁性層の厚さ以下であることが好ましい。非磁性層(酸化物層)14の厚さが非記録部に存在する強磁性層の厚さよりも大きい、すなわち下地層にまで酸素が侵入すると、下地層からのコロージョンが発生し、ヘッドの浮上特性を低下させる。
垂直磁気記録媒体における磁性パターンを構成する強磁性層の一部はグラニュラー構造をなし、グラニュラー構造には酸化物が含まれている。これに対し、非磁性層14の酸素濃度は、磁性パターンを構成する強磁性層の酸素濃度よりも高いことが好ましい。SNRをより向上させるには、非磁性層14の酸素濃度は強磁性層の酸素濃度の3倍以上であることが好ましい。
なお、磁性パターン13と非磁性層14との境界における酸素濃度の遷移領域が広くなると、フリンジ特性が悪くなりBERが低下するため、両者の境界における酸素濃度の遷移領域は狭いほうが好ましいが、その遷移領域幅は特に限定されない。
本発明において、磁性パターン13と非磁性層14との凹凸差は、ヘッドの浮上安定性の観点から10nm以下であることが好ましいが、特に限定されない。
図2(a)〜(j)は本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の一例を示す断面図である。以下、図2を参照して説明する。
図2(a)に示すように、ガラス基板11上に、下地層として厚さ100nmのCoZrNbからなる軟磁性裏打ち層および厚さ20nmのRuからなる非磁性中間層を成膜する。なお、簡略化のために図2には軟磁性裏打ち層および非磁性中間層を図示していない。非磁性中間層の上にCoCrPt−SiO2(15nm)/CoCrPt(5nm)からなる厚さ20nmの強磁性層13を成膜する。強磁性層13上に第1のマスク材21として厚さ20nmのカーボン膜(ダイヤモンドライクカーボン、DLC)を成膜する。
図2(b)に示すように、第1のマスク材21上に、第2のマスク材22としてレジストであるスピンオングラス(SOG)をスピンコートする。一方、電子ビーム(EB)描画装置などを用いて所定の凹凸パターンが形成されたNiスタンパなどのモールドを用意する。第2のマスク材22にモールド30の凹凸面を対向させる。
図2(c)に示すように、インプリント法により、モールド30で第2のマスク材(SOG)22をプレスして凹凸パターンを転写した後、モールド30を取り外す。第2のマスク材22に転写された凹凸パターンの凹部にはレジスト残渣が存在する。
図2(d)に示すように、ドライエッチングにより、第2のマスク材22の凹部のレジスト残渣を除去し、第1のマスク材(DLC)21の表面を露出させる。この際、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、エッチングガスとしてCF4ガスを用いてレジスト残渣を除去する。
図2(e)に示すように、残った第2のマスク材(SOG)22のパターンをマスクとし、エッチングガスとして酸素ガスを用いて、第1のマスク材(DLC)21をエッチングして強磁性層13を露出させる。
図2(f)に示すように、ミリング装置としてたとえば電子サイクロトロン共鳴(ECR)型のイオンガン装置によりArイオンミリグを行い、第2のマスク材(SOG)22および第1のマスク材(DLC)21のパターンをマスクとして露出した強磁性層の一部をエッチングして、強磁性層の表面に約5nmの凹凸を形成する。
図2(g)に示すように、例えばICP−RIEドライエッチングにより、エッチングガスとして酸素ガスを用いて、第2のマスク材(SOG)22および第1のマスク材(DLC)21のパターンをマスクとして露出した強磁性層を改質し、強磁性層の酸化物からなる非磁性層14を形成するとともに、非磁性層14によって分断された磁性パターン13を形成する。
図2(h)に示すように、例えばICP−RIE装置により、エッチングガスとしてCF4ガスを用い、第2のマスク材(SOG)22を剥離する。
図2(i)に示すように、例えばICP−RIE装置により、エッチングガスとして酸素ガスを用い、第1のマスク材(DLC)21を剥離する。
図2(j)に示すように、化学気相堆積法(CVD)により、厚さ3nmのDLCからなる保護膜15を形成する。こうして、図1に示した本発明の磁気記録媒体を得ることができる。
ここで、図2(f)の強磁性層のエッチング工程と図2(g)の改質工程についてより詳細に説明する。
図2(f)の強磁性層のエッチング工程では、第2のマスク材(SOG)22および第1のマスク材(DLC)21のパターンをマスクとして露出した強磁性層の一部をエッチングする。強磁性層のエッチングには、Arイオンミリングを用いることが好ましい。Arイオンミリングで強磁性層を加工する場合、例えば加速電圧を400Vとし、イオン入射角度を30°から70°まで変化させてエッチングを行う。ECRイオンガンを用いたミリングでは、静止対向型(イオン入射角90°)とすることで、磁性体凹凸の側壁に殆どテーパーがつかない加工が可能である。
ミリング深さは1nm以上であることが好ましい。ミリング深さを1nm以上とすることによって、強磁性層を改質するために酸素ガスRIEを行う際にマイクロローディング現象が生じ、非記録部に進入する酸素ラジカルの量が増えるため、強磁性層の改質効率が良くなる。また、磁性パターンと非磁性層との境界における酸素分布の遷移領域がより急峻になり、フリンジ特性が向上するため高いSNRが得られる。ミリング深さの上限値はヘッドの浮上特性に応じて適宜調整されるが、1nm以上であればできるだけ浅いほうが好ましい。
図2(g)の強磁性層の改質工程では、表面エッチング後に露出した強磁性層の非記録部を深さ方向に酸化し、酸化された強磁性層の磁性を劣化または消失させる。この工程は、強磁性層のエッチングを行った後、カーボン系の第1のマスク材(DLC)21上にレジストである第2のマスク材(SOG)22が残ったままの状態で行ってもよいし(方法Aと記す)、強磁性層のエッチングを行い、さらに第2のマスク材(SOG)22を剥離した後に行ってもよい(方法Bと記す).さらに,強磁性層のエッチング前に第2のマスク材(SOG)22を剥離してもよく(方法Cと記す),特に限定されない。方法BおよびCを用いた場合、改質工程と第1のマスク材(カーボン系)の剥離工程とを同時に行うことができる。
カーボン系の第1のマスク材21の厚さは、5nm以上40nm以下であることが好ましい。厚さが5nm未満であると、Arイオンミリングにより強磁性層をエッチングした際に、磁性パターンの側壁にテーパーが生じる。この結果、テーパー形状が強磁性層の改質工程で反映され、フリンジ特性を悪くし、BERの低下をもたらす。したがって、本発明において、カーボン系の第1のマスク材21の厚さは5nm以上であることが好ましい。
一方、カーボン系の第1のマスク材21の厚さが厚くなるほど、Arイオンミリングにより強磁性層をエッチングした際に、磁性パターンは側壁のテーパーが少ない形状となる。さらに、改質工程の際に、より異方性をもった酸素ラジカルのみが非記録部の強磁性層に到達するようになり、酸素が強磁性層へ進入した後に磁性パターンの方向へ拡散することによる磁性パターンの磁気特性の低下を防ぐことができる。しかし、カーボン系の第1のマスク材21の厚さが40nmを超えると、Arイオンミリングの際に再付着物によるばりの形成をもたらし、ヘッドの浮上特性を低下させる。したがって、カーボン系の第1のマスク材21の厚さは40nm以下であることが好ましい。
なお、カーボン系の第1のマスク材21は全て剥離する必要はなく、一部を残して磁性パターンの保護膜として使用してもよい。残存させる第1のマスク材21の厚さはヘッドの浮上特性に応じて適宜設定されるが、たとえば5nm程度であればその剥離工程を省略することもできる。
次に、本発明の実施形態において用いられる好適な材料について説明する。
<基板>
基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などを用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが用いられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
<軟磁性裏打ち層>
軟磁性裏打ち層(SUL)は、垂直磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性裏打ち層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性裏打ち層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性裏打ち層の下に、軟磁性裏打ち層の結晶性の向上または基板との密着性の向上のために、さらに下地層を設けてもよい。こうした下地層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。軟磁性裏打ち層と記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けてもよい。中間層は、軟磁性裏打ち層と記録層との交換結合相互作用を遮断し、記録層の結晶性を制御する、という2つの作用を有する。中間層の材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
スパイクノイズ防止のために軟磁性裏打ち層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させてもよい。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、Ru層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
<強磁性記録層>
垂直磁気記録層としては、Coを主成分とし、少なくともPtを含み、さらに酸化物を含む材料を用いることが好ましい。垂直磁気記録層は、必要に応じて、Crを含んでいてもよい。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)を得ることができる。このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。
垂直磁気記録層の酸化物含有量は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%以上12mol%以下であることが好ましく、5mol%以上10mol%以下であることがより好ましい。垂直磁気記録層の酸化物含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁気記録層を形成した際、磁性粒子の周りに酸化物が析出し、磁性粒子を分離させ、微細化させることができるためである。酸化物の含有量が上記範囲を超えた場合、酸化物が磁性粒子中に残留し、磁性粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、磁性粒子の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)が得られなくなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のCr含有量は、0at%以上16at%以下であることが好ましく、10at%以上14at%以下であることがより好ましい。Cr含有量として上記範囲が好ましいのは、磁性粒子の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるためである。Cr含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子の結晶性、配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のPt含有量は、10at%以上25at%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁性層に必要なKuが得られ、さらに磁性粒子の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。Pt含有量が上記範囲未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、酸化物のほかに、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子の微細化を促進し、または結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。8at%を超えた場合、磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層としては、CoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi、ならびにPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することもできる。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは5ないし60nm、より好ましくは10ないし40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが40nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
<保護膜>
保護膜は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護膜の材料としては、たとえばC、SiO2、ZrO2を含むものが挙げられる。保護膜の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。CVD(chemical vapor deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
次に、本発明の実施形態における各工程の好適な製造条件について説明する。
<インプリント>
基板の表面にレジストをスピンコート法で塗布し、スタンパを押し付けることにより、レジストにスタンパのパターンを転写する。サーボ情報と記録トラックに対応する凹凸パターンが形成されたスタンパの凹凸面を、基板のレジストに対向させる。このとき、ダイセットの下板にスタンパ、基板、バッファ層を積層し、ダイセットの上板で挟み、たとえば2000barで60秒間プレスする。インプリントによってレジストに形成されるパターンの凹凸高さはたとえば60〜70nmである。この状態で約60秒間保持することにより、排除すべきレジストを移動させる。また、スタンパにフッ素系の剥離材を塗布することで、スタンパをレジストから良好に剥離することができる。
レジストはスピンオングラス(SOG)に限定されず、酸素に対してエッチング耐性があるものであればよく、たとえばポリシロキサン、ポリシラン、TiやAlのアルコキシドなどを用いることもできる。
<残渣除去>
酸素ガスやCF4ガスを用いたRIE(反応性イオンエッチング)により、レジストの凹部の底に残存している残差を除去する。プロセスガスはレジストの材料に応じて適切に選択される。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマを生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適であるが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。
<レジスト剥離>
レジストとしてSOGを用いた場合、フッ素系ガスを用いたRIEでSOGを剥離する。フッ素系ガスとしてはCF4やSF6が好適である。なお、フッ素系ガスが大気中の水と反応してHF、H2SO4などの酸が生じることがあるため、水洗を行うことが好ましい。
<保護膜形成および後処理>
カーボンからなる保護膜を形成する。カーボン保護膜は、凹凸へのカバレッジを良くするためにCVD法で成膜することが望ましいが、スパッタ法または真空蒸着法により成膜してもよい。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。カーボン保護膜の膜厚が2nm未満だとカバレッジが悪くなり、10nmを超えると記録再生ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。保護膜上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
次に、本発明の磁気記録媒体を搭載した磁気記録装置について説明する。図3に本発明の実施形態に係る磁気記録装置のブロック図を示す。この図では磁気記録媒体の上面にのみヘッドスライダを示しているが、磁気記録媒体の両面にディスクリートトラックを有する垂直磁気記録層が形成されており、この磁気記録媒体の上下面にダウンヘッド/アップヘッドがそれぞれ設けられる。なお、磁気記録装置の構成は、本発明に係る磁気記録媒体を用いている点を除けば、基本的に従来の装置と同様である。
ディスクドライブは、ヘッド・ディスクアセンブリ(HDA)100と呼ばれる本体部と、プリント回路基板(PCB)200とからなる。
ヘッド・ディスクアセンブリ(HDA)100は、磁気記録媒体(DTR媒体)51と、磁気記録媒体51を回転させるスピンドルモータ(SPM)101と、ピボット102を中心に回動するアクチュエータアーム103と、アクチュエータアーム103の先端に取り付けられたサスペンション104と、サスペンション104に支持されリードヘッドおよびライトヘッドを含むヘッドスライダ105と、アクチュエータアーム103を駆動するボイスコイルモータ(VCM)106と、ヘッドの入出力信号を増幅するヘッドアンプ(図示せず)などを有する。ヘッドアンプ(HIC)はアクチュエータアーム103上に設けられ、フレキシブルケーブル(FPC)120を通してプリント回路基板(PCB)200に接続されている。なお、上記のようにヘッドアンプ(HIC)をアクチュエータアーム103上に設ければヘッド信号のノイズを有効に低減できるが、ヘッドアンプ(HIC)はHDA本体に固定してもよい。
上述したように磁気記録媒体51には両面に垂直磁気記録層が形成され、両面のそれぞれにおいて、ヘッドが移動する軌跡に一致するようにサーボ領域が円弧をなして形成されている。磁気記録媒体の仕様は、ドライブに適応した外径および内径、記録再生特性などを満足する。サーボ領域がなす円弧の半径は、ピボットから磁気ヘッド素子までの距離として与えられる。
プリント回路基板(PCB)200は、4つの主要なシステムLSIを搭載している。これらは、ディスクコントローラ(HDC)210、リード/ライトチャネルIC220、MPU230およびモータドライバIC240である。
MPU230はドライブ駆動システムの制御部であり、本実施形態に係るヘッド位置決め制御システムを実現するROM、RAM、CPUおよびロジック処理部を含む。ロジック処理部はハードウェア回路で構成された演算処理部であり、高速演算処理が行われる。また、その動作ソフト(FW)はROMに保存されており、このFWに従ってMPUがドライブを制御する。
ディスクコントローラ(HDC)210はハードディスク内のインターフェース部であり、ディスクドライブとホストシステム(例えばパーソナルコンピュータ)とのインターフェースや、MPU、リード/ライトチャネルIC、モータドライバICとの情報交換を行い、ドライブ全体を管理する。
リード/ライトチャネルIC220はリード/ライトに関連するヘッド信号処理部であり、ヘッドアンプ(HIC)のチャネル切替えやリード/ライトなどの記録再生信号を処理する回路で構成される。
モータドライバIC240は、ボイスコイルモータ(VCM)77およびスピンドルモータ72の駆動ドライバ部であり、スピンドルモータ72を一定回転に駆動制御したり、MPU230からのVCM操作量を電流値としてVCM77に与えてヘッド移動機構を駆動したりする。
以下、本発明の実施例を説明する。
初めに予備実験として、第2のマスク材(SOG)22をインプリント後の残渣の厚さと同じになるように塗布し、インプリント工程を省略した以外は、図2(a)〜(i)と同様の方法で、磁気記録媒体を作製した。つまり、全面に強磁性層の酸化物からなる非磁性層14を有する磁気記録媒体を作製した(以下、媒体Aという)。この媒体Aについて、AES(走査型オージェ電子分光装置)を用いて深さ方向に対する酸素プロファイルを測定することにより、非磁性層14を構成する酸化物の厚さを求めた。測定の結果、グラニュラー構造に起因した変化とは異なるスペクトル強度の変化から、酸化物の厚さは10nmであることがわかった。XPS(X線光電子分光法)を用いて、媒体Aの表面の組成を解析したところ、CoOのピーク(781eV)が確認された。磁気光学カー効果に基づいて磁化曲線を測定したところ、明確なヒステリシス曲線は得られず、磁性が消失していることがわかった。
比較のために、強磁性層の改質工程を行う代わりに、一昼夜大気にさらした以外は媒体Aと同様の方法で、磁気記録媒体を作製した(以下、媒体Bという)。この媒体Bについて、AESを用いて深さ方向に対する酸素プロファイルを測定することにより、酸化物の厚さを求めたところ、2nmであることがわかった。XPS(X線光電子分光法)を用いて、媒体Bの表面の組成を解析したところ、CoOのピーク(781eV)が確認された。磁気光学カー効果に基づいて磁化曲線を測定したところ、磁化反転開始磁界Hnが1.0kOe、保磁力Hcが3.5kOe、飽和磁界Hsが6.5kOeであることがわかった。磁気特性の劣化は認められるが、磁性の消失が不十分であることがわかった。
これらの結果より、自然酸化ではなく、本発明に係る改質工程を含む製造方法で作製される磁気記録媒体では、非記録部における酸化物層の存在により磁性の劣化または消失が起きることがわかった。
実施例1
図2に示した製造方法を用いて、図1に示した本発明の磁気記録媒体を得た。ミリング時間を調整することにより、非磁性層の厚さaと磁性パターンの厚さbとの凹凸差(b−a)を調整した。AFM測定を行い、凹凸差が5nmであることを確認した。
なお、この磁気記録媒体の製造時に用いたNiスタンパは、EB描画での凹凸パターン形成時に、ヘッド位置の制御情報となる凹凸形状も混在させて形成したものである。したがって、この磁気記録媒体は潤滑剤を塗布することでハードディスクドライブに搭載可能である。
得られた媒体について、AESを用いて非磁性層を構成する強磁性層の酸化物の厚さを測定したところ、前記媒体Aと同様の酸素分布が得られ、酸化物の厚さは10nmであることがわかった。TEM−EDXにより、磁性パターンと非磁性層の酸素濃度を比較したところ、それぞれ12原子パーセントと34原子パーセントであり、非磁性層の酸素濃度が大きいことが確認された。
DC消磁の後、MFM測定を行ったところ、凹凸パターンに対応する磁気コントラストが得られ、非記録部の磁性が消失して非磁性化していることがわかった。
作製した磁気記録媒体に潤滑剤を塗布し、ドライブによる評価を行ったところ、良好なヘッド浮上性が得られた。また、隣接トラックに10万回記録を行った後、オントラックでBERを測定したところ、−6.2乗が得られた。
比較例1
強磁性層の改質工程を省略した以外は実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。作製した磁気記録媒体に潤滑剤を塗布し、ドライブによる評価を行った。隣接トラックに10万回記録を行った後、オントラックでBERを測定したところ、−3.6乗まで悪化した。この結果から、実施例1で作製した媒体と比べて、フリンジ耐性が大幅に悪化していることがわかった。
この媒体をMFM測定により調査したところ、非記録部にも磁気コントラストが確認された。このように、非記録部の磁性劣化が不十分であり、磁性パターンと非磁性層との磁気的干渉を抑制できないことがわかった。
実施例1および比較例1の結果より、本発明における強磁性層の改質工程が磁気記録層の非記録部の磁性劣化または磁性消失に有効であることがわかった。
実施例2
図2に示した製造方法において、Arイオンミリングによる強磁性層のエッチング時間を調整することにより、表面の凹凸差を1nm、5nm、または10nmに調整した。また、磁気記録層の凹凸差に応じて、強磁性層の改質工程における酸素ガスエッチング時間を調整し、非記録部における酸化物の深さが、非磁性中間層であるRuに達しない範囲で磁気記録層の底部にまで到達するようにした。その他の工程は図2に示した方法と同様である。
以上の製造方法により、磁性パターンの厚さbと非磁性層の厚さaとの差(b−a)が、1nm、5nm、または10nmである、図1に示した本発明の磁気記録媒体を得た。
得られた媒体に潤滑剤を塗布し、ドライブ評価を行ったところ、全ての媒体で安定したヘッド浮上特性が得られた。実施例1と同様の手法でオントラックBERを測定したところ良好であった。
比較例2
Arイオンミリングによる強磁性層のエッチング工程を省略した以外は実施例2と同様の方法で磁性パターンの厚さbと非磁性層の厚さaに差がない磁気記録媒体を作製した。
得られた媒体に潤滑剤を塗布し、ドライブによる評価を行ったところ、フリンジ特性が悪く、良好なオントラックBERを得ることができなかった。
表1に比較例2および実施例2の結果をまとめて示す。表1から、安定したヘッド浮上特性および良好なオントラックBERを得るためには、磁性パターンの厚さbと非磁性層の厚さaの凹凸差が1nm以上必要であることがわかった。
Figure 0004468439
実施例3
図2に示した製造方法において、第1のマスク材(DLC)21の厚さを5nm、20nm、または40nmとして磁気記録媒体を作製した。強磁性層の表面を露出させるためのDLCの酸素ガスによるエッチング工程およびDLCの剥離工程は、DLCの厚さに対応させてエッチング時間を調整した。その他の工程は図2に示した方法と同様である。以上のように、加工前に成膜する第1のマスク材(DLC)の厚さを変えて、それぞれ図1に示した本発明の磁気記録媒体を得た。
得られた媒体に潤滑剤を塗布し、ドライブによる評価を行ったところ、全ての媒体で安定したヘッド浮上特性が得られた。隣接トラックに10万回記録を行った後、オントラックでBERを測定したところ良好であった。
比較例3
第1のマスク材(DLC)21の厚さを2nmまたは50nmとして、磁気記録媒体を作製した。
得られた媒体に潤滑剤を塗布し、ドライブによる評価を行った。DLCの厚さを2nmとした媒体は、フリンジ特性が悪く、高いオントラックBERを得ることができなかった。DLCの厚さを50nmとした媒体は、ヘッドの浮上が安定せず、ドライブが破壊された。
これらの媒体についてAFM測定を行った結果は以下の通りである。DLCの厚さを50nmとした媒体は、磁性パターンの凸部の側壁に角状のばりが生じていることがわかった。これはArイオンミリングにおける再付着物であることがわかった。DLCの厚さを2nmとした媒体は、AFM測定では特に異常は確認できなかった。しかし、断面TEM観察を行い、ドライブ特性が良好であったDLC厚さ5nmの媒体と比較すると、磁性パターン側壁のテーパー形状が大きいことがわかった。これは、DLC厚さが小さいため、強磁性層のエッチング時にテーパーが生じ、その形状が改質工程での磁性劣化に反映され、フリンジ特性が低下したためであると考えられる。
表2に比較例3および実施例3の結果をまとめて示す。表2から、カーボン系の第1のマスク材の厚さが5nm以上40nm以下であれば、安定したヘッド浮上特性、および良好なオントラックBERが得られる磁気記録媒体を提供できることがわかった。
Figure 0004468439
以上説明したように、本発明の磁気記録媒体によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)従来の強磁性層を完全に分断した媒体よりも、小さな表面凹凸で磁性パターンと非磁性層との磁気的干渉を抑えることができるため、ヘッドの浮上特性がよい。
(2)非磁性層が強磁性層の酸化物からなるため、強磁性層およびDLCとの密着性がよく、衝撃に強い。
(3)磁性パターンの磁性の劣化を抑えつつ、非記録部の磁性を効率的に劣化または消失させることができる。
本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体を示す断面図。 本発明に係る磁気記録媒体の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る磁気記録装置のブロック図。
符号の説明
11…非磁性基板、12…下地層、13…磁性パターン、14…非磁性層、15…保護膜、21…第1のマスク材(DLC)、22…第2のマスク材(SOG)、30…モールド、51…磁気記録媒体(DTR媒体)、100…ヘッド・ディスクアセンブリ(HDA)、101…スピンドルモータ、102…ピボット、103…アクチュエータアーム、104…サスペンション、105…ヘッドスライダ、106…ボイスコイルモータ(VCM)、120…フレキシブルケーブル(FPC)、200…プリント回路基板(PCB)、210…ディスクコントローラ(HDC)、220…リード/ライトチャネルIC、230…MPU、240…モータドライバIC。

Claims (2)

  1. 強磁性層上にカーボン膜からなる第1のマスク材およびレジスト膜からなる第2のマスク材を形成し、
    前記レジスト膜からなる第2のマスク材に対してスタンパをインプリントして凹凸パターンを転写し、
    凹凸パターンが転写された前記レジスト膜からなる第2のマスク材をマスクとして前記カーボン膜からなる第1のマスク材をエッチングして凹凸パターンを転写し、
    前記レジスト膜からなる第2のマスク材を剥離した後、凹凸パターンの凹部に位置する強磁性層の一部をエッチングするか、または、凹凸パターンの凹部に位置する強磁性層の一部をエッチングした後、前記レジスト膜からなる第2のマスク材を剥離し、
    前記凹部に残った強磁性層を酸素または酸素混合ガスと反応させて改質して前記強磁性層の成分を含む非磁性層を形成することによる前記非磁性層によって分断された前記強磁性層からなる磁性パターンの形成と、前記カーボン膜からなる第1のマスク材の剥離とを同時に行う
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記カーボン膜からなる第1のマスク材の厚さが5nm以上40nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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