JP4564112B2 - 熱成形用シート、食品包装用タルク容器及びその容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タルクを主成分とする無機充填剤(以後タルク等とも言う)を50重量%以上の高い比率で含有する熱成形用シート、このシートを熱成形して得られる良好な剛性と耐衝撃性のバランスを有するワンウェイ流通の食品包装用容器及びその容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のワンウェイ食品包装用容器を成形するための無機充填剤を含んだ合成樹脂シートは、そのシートから熱成形した容器が電子レンジ中での使用に耐えられる等の市場の要求に応えるため、その多くがポリプロピレンからなる主原料樹脂と無機充填剤としての粉体タルクとの混合物を加熱混練押出を行うことによって製造されている。この場合、その無機充填剤の含有率は20〜30重量%、多い場合でも40〜45重量%程度である。特開昭56−95861号公報においては、タルクなどの無機粉体含有量を最大70重量%とする記述も認められるが、現実にはタルクを無機充填剤として45重量%を超えてポリプロピレン系樹脂に混合したシートを製造した場合には、そのシートの一般的な特性傾向として、剛性が上昇しすぎて、外部から加えられた衝撃に対する抵抗性が低くなり、実用性の無いシートとなる。食品包装用容器にあっては、その容器に詰められた食品をトラック輸送するときや陳列販売時の消費者による取り扱いに際して容器に加えられる力や衝撃に耐えることのできる耐衝撃強度を必要とする。通常のポリプロピレンホモポリマーにタルクを30重量%程度以上充填したものは実用的な耐衝撃性を得ることはできなく、段ボール等のケースに入れたままトラックによる輸送を行うと、輸送時に加わる外部からの衝撃や、食品が容器にぶつかったり、ケース内で容器同士がぶつかり合うことによって多数の食品包装用容器にひび割れを生じて商品価値を失ってしまう。このような不都合を回避するために、使用する原料樹脂としては、ホモポリプロピレンに代えて耐衝撃強度の高いエチレンを共重合成分とするブロックポリプロピレンコポリマー(以下、単にブロックポリプロピレンコポリマーとも言う)を用いることが行われているが、これもタルク濃度がせいぜい40乃至45重量%までで、これ以上のタルク濃度となると、やはり、流通時に容器の破壊が発生する。このため、現在50重量%を超えるタルクを含む実質的にタルク製食品包装用容器と呼べる食品包装容器は、製造も販売もされていない。
【0003】
ところで、トレーや弁当箱等のワンウェイ食品容器は、文字通りワンウェイで役目を終えた後廃棄されているが、現在適用されつつある法律によりリサイクルを行った場合、現実には付着した食品の腐敗物の混入が完全には防げないことや、現状における使用済み容器の回収率そのものが廃棄されたものの10%にさえ達しない点を考えると、使用済み容器を焼却する処理方法も有力な選択肢として残らざるを得ない。この様な現実を考えると、ワンウェイで捨てられる製品に使用される資源及び潜在エネルギーを少しでも節減すると共に、地球温暖化ガスである炭酸ガスの焼却時発生量を減らす材料組成を提案することは有意義であると言える。例えば、ポリプロピレン70重量%、タルク30重量%(比重1.136)のトレーが今仮に10gであるとし、これと同等のものをポリプロピレン40重量%、タルク60重量%(比重1.511)を用いて同等の厚さで製造できたとすると、このものの重量は次式で示されるように、13.30gとなる。
【数1】
この中の40重量%がポリプロピレンであるから、ポリプロピレンの重量は、次式で示されるように、5.32gとなる。
13.30×0.40=5.32(g)
即ち、タルク濃度を30重量%から60重量%に増やすことができれば、トレー1枚当たり7.0−5.32=1.68g(24%)のポリプロピレン樹脂、ひいては石油資源の節約になると共に、焼却時の二酸化炭素の発生もこの比率で削減できることとなる。この様にポリプロピレンにタルクを充填した組成物系において、タルクの分率を上げることによる社会的意義は極めて大きいが、従来の構成では、前述の通り、流通時の容器破壊の問題が原因となって、50重量%を超えるタルクを含む食品包装用タルク容器は実用化されてこなかった。また、熱成形によって食品包装用容器を製造するに当たっては、成形効率の高い成形を行う必要があることから、一般に個々の金型を平面上に縦横方向に多数並べて組んだ成形型を用いて行うが、ワンウェイ包装用容器に関しては製造コストの抑制が求められることから、より成形効率の高い真空成形等の間接加熱による成形法を選択する必要性が高い。間接加熱成形を選択した場合、比重の大きい無機粉体が高濃度に充填されているシートは、そのシート自体の重量が重くなり、加熱時に軟化したシートの中央部がシートの自重により垂れて、成形品にしわ等の成形不良を発生しやすくなったり、極端な場合、シートの垂れた部分が成形機下部に引っかかって金型まで移送することができなくなり、成形自体が不可能となる等の状況が生じやすくなる。
【0004】
一方、高密度ポリエチレンを原料素材に配合すると、成形機内で加熱された際シートの中央部が垂れ下がるのを抑制する効果が得られるため、通常5重量%〜20重量%程度の範囲で高密度ポリエチレンを配合することが行われている。しかし、この場合、この高密度ポリエチレンの添加は垂れ下がり防止効果はあるものの、シートの剛性の低下及び容器の耐熱性の低下も同時に引き起こし、更に垂れ下がり防止以外に期待される耐衝撃強度の向上も、ポリプロピレンとの相溶性が必ずしも良くないため十分には得られない等の問題を有する。他にも、無機充填剤として炭酸カルシウムを充填剤として用いた場合、耐衝撃強度の大幅な改善を行うことができるが、容器として十分な剛性が得にくくなる。また、酢等を含む酸性食品に接触すると炭酸カルシウムが分解して容器からカルシウム塩が溶出し易くなり、溶出物による毒性が生ずる心配は無いものの、食品衛生法上の溶出基準に適合しにくくなる等の問題も生ずる。
【0005】
食品包装用容器を熱成形するためのシートに於いて、タルクの充填配合量が50重量%を下回っている配合範囲では従来の原料や充填剤の配合方法でも輸送中等に発生する衝撃的な外力に耐えられる耐衝撃特性の食品包装用容器を製造することは何とか可能である。しかしながら、タルクの充填配合量が50重量%を超えると熱成形した食品包装用容器の耐衝撃性は、通常、輸送したり、陳列販売する際に、割れが生じたり、更にシートから真空成形法等により熱成形するために間接加熱を行った際、シートの自重が重くなりすぎて過剰に垂れ下がりを生じたりして、容器として必要な物性が得にくくなったり、食品包装用容器の成形が行いにくくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多量のタルク等をポリプロピレン系樹脂に配合して形成された熱成形用シートに見られる耐衝撃性の悪さが改善されたシートを提供するとともに、間接加熱用シートにおいては、間接加熱した際の中央部の垂れ下りの少ない熱成形用シートを提供し、さらにこれらのシートから形成された、焼却時に炭酸ガスや燃焼熱の発生の少ない、廃棄処理の容易な食品包装用容器及びその容器の製造方法を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/高密度ポリエチレン/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、該エチレン含有補助重合体が、(i)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレン、(ii)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが2g/10分以下の直鎖状低密度共重合ポリエチレン、(iii)エチレン/プロピレン共重合モル比が80/20〜70/30で100℃におけるムーニー粘度が60ML1+4以上で、メルトインデックスが1g/10分以下のエチレンプロピレンゴム及び(iv)スチレンを10〜30重量%含有した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーの中から選ばれたる少なくとも1種の重合体からなり、かつ該シートにおける23℃引張弾性率縦横平均値Xが1800MPa以上であり、該Xと0.45mm厚さ換算の23℃50%破壊デュポン衝撃強度Yとの間の関係が下記式(1)
Y≧3110/X−0.544 (1)
を満足することを特徴とする熱成形用シートが提供される。また、本発明によれば、タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、該エチレン含有補助重合体が、(i)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレン、(ii)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが2g/10分以下の直鎖状低密度ポリエチレン、(iii)エチレン/プロピレン共重合モル比が80/20〜70/30で100℃におけるムーニー粘度が60ML1+4以上で、メルトインデックスが1g/10分以下のエチレンプロピレンゴム及び(iv)スチレンを10〜30重量%含有した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーの中から選ばれる少なくとも1種の重合体からなり、かつ該シートにおける引張弾性率縦横平均値Xが1800MPa以上であり、該Xと0.45mm厚さ換算の23℃50%破壊デュポン衝撃強度Yとの間の関係が下記式(1)
Y≧3110/X−0.544 (1)
を満足することを特徴とする熱成形用シートが提供される。さらにまた、本発明によれば、タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/高密度ポリエチレン/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、(a)該タルクを主成分とする無機充填剤の含有量が50重量%以上65重量%以下であること、(b)該ポリプロピレン系樹脂の含有量が10重量%以上35重量%以下であること、(c)該高密度ポリエチレンが、1g/10分以下のメルトインデックスを有し、その含有量が10重量%以上25重量%以下であること、(d)該エチレン含有補助重合体が、(i)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレン、(ii)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが2g/10分以下の直鎖状低密度共重合ポリエチレン、(iii)エチレン/プロピレン共重合モル比が80/20〜70/30で100℃におけるムーニー粘度が60ML1+4以上で、メルトインデックスが1g/10分以下のエチレンプロピレンゴム及び(iv)スチレンを10〜30重量%含有した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーの中から選ばれる少なくとも1種の重合体からなり、その含有量が5重量%以上15重量%以下であること、を特徴とする熱成形用シートが提供される。さらにまた、本発明によれば、タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、(a)該タルクを主成分とする無機充填剤の含有量が50重量%以上70重量%以下であること、(b)該ポリプロピレン系樹脂の含有量が15重量%以上45重量%以下であること、(c)該エチレン含有補助重合体が、(i)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレン、(ii)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが2g/10分以下の直鎖状低密度共重合ポリエチレン、(iii)エチレン/プロピレン共重合モル比が80/20〜70/30で100℃におけるムーニー粘度が60ML1+4以上で、メルトインデックスが1g/10分以下のエチレンプロピレンゴム及び(iv)スチレンを10〜30重量%含有した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーの中から選ばれる少なくとも1種の重合体からなり、その含有量が5重量%以上15重量%以下であること、を特徴とする熱成形用シートが提供される。さらにまた、本発明によれば、前記熱成形用シートから形成された食品包装用タルク容器が提供される。さらにまた、本発明によれば、前記熱成形用シートを容器形状に加熱成形することを特徴とする食品包装用タルク容器の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の熱成形用シートは、タルクを主成分とする無機充填剤を含有する。タルクとしては、食品包装容器用充填剤として一般に用いられている粉体状のものであれば問題なく使用することができる。一般には、その平均粒径は1〜30μm、好ましくは2〜15μmである。本発明では、食品容器用グレードとして販売されているものを使用すれば良く、白色度87以上、好ましくは90以上のものを用いればよい。本発明では、無機充填剤としてはタルクを用いるのが好ましいが、このタルクの一部を、50重量%より低い割合で、他の無機充填剤、例えば、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等の一般に食品包装用容器に使用されている充填剤で置換することも可能である。
【0009】
ポリプロピレン系樹脂としては、従来公知の各種のものが用いられる。このようなものには、ポリプロピレンホモポリマーの他、プロピレンにオレフィンをランダム又はブロック共重合させたプロピレン共重合体、その他の変性ポリプロピレン樹脂等が包含される。共重合成分としてのオレフィンとしては、エチレンや炭素数が4〜12、好ましくは4〜8のα−オレフィンが挙げられ、その共重合体中含有量は0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。本発明では、特に、共重合成分としてエチレンを0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%含有するエチレン/プロピレンブロック共重合体の使用が好ましい。本発明で用いるポリプロピレン系樹脂としては、一般的に、230℃で2.16kg荷重時のメルトインデックスが1.5g/10分以下、好ましくは1.0g/10分以下、更に好ましくは0.7g/10分のものであれば使用可能である。この場合のメルトインデックスの下限値は、通常、0.3g/10分程度である。
【0010】
本発明で用いる高密度ポリエチレンにおいて、その密度は0.940g/cm3以上、好ましくは0.945g/cm3以上である。その上限値は、通常、0.960g/cm3程度である。この高密度ポリエチレンにおけるメルトインデックス(MI)は、通常、190℃、2.16kg荷重時での測定値で、1.0g/10分以下、好ましくは0.8g/10分以下である。その下限値は、通常、0.01g/10分である。このような高密度ポリエチレンの具体例としては、例えば、チーグラー触媒やクロム触媒で重合したホモポリエチレンや極微量プロピレン共重合ポリエチレン等が挙げられる。押出成形グレードや吹き込み成形グレードと称されているものが好ましく使用される。このポリエチレンにおいて、その密度が0.940g/cm3より低い時は剛性を下げる傾向が強く、またその融点の低下により間接加熱成形時にシートが垂れ下がるのを助長する。一方、そのメルトインデックスが1.0g/cm3より大きいと、真空成形時のシートの垂れ下がりが大きく耐衝撃性改良効果も小さい。高密度ポリエチレンは、直接加熱方式の成形を行うシートの成分としては必ずしも必要でなく、この場合には、その高密度ポリエチレン分をポリプロピレン系樹脂や後述のエチレン含有補助重合体でバランス良く組み合わせるのが良い。
【0011】
本発明の熱成形用シートは、タルク等を多量に含有するとともに、エチレン含有補助重合体を含有する。この補助重合体は、タルク等−ポリプロピレン系樹脂−高密度ポリエチレンよりなる組成物系又はタルク等−ポリプロピレン系樹脂よりなる組成物系が、剛性はあるものの衝撃強度が不十分であるのを改良する目的で使用するものであり、いわば、耐衝撃性改良材であるが、この場合、不必要な剛性の低下を生じさせたり、成形時でのシートの垂れ下がりを助長させないため、少量の添加で且つできるだけ剛性を低下させずに耐衝撃性のみを改良するものが好ましい。本発明で用いるエチレン含有補助重合体は、以下に示す(i)〜(iv)の重合体の中から選ばれる少なくとも1種である。
(i)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックス(MI)が3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレン。このメタロセン共重合ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて重合した共重合ポリエチレンを意味するものである。このメタロセン共重合ポリエチレンの共重合成分は、炭素数3〜12、好ましくは4〜8のα−オレフィンであり、その含有量は、通常、10〜30重量%、好ましくは15〜30重量%である。本発明で用いるメタロセン共重合ポリエチレンにおいて、その密度は0.92g/cm3以下、好ましくは0.91g/cm3以下であり、その下限値は、通常、0.87g/cm3程度である。そのメルトインデックスは、3g/10分以下であり、その下限値は0.1g/10分程度である。密度が0.92g/cm3以下、特に0.91g/cm3以下では、得られるシートの耐衝撃強度の向上が著しい。逆に密度が0.92g/cm3を超えると耐衝撃強度が不足となる。一方、メルトインデックスが3g/10分より大となると、間接加熱成形時にシートの垂れ下がりが大きくなり、かつ耐衝撃性改良効果も小さくなる。
【0012】
(ii)密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが2g/10分以下の直鎖状低密度共重合ポリエチレン。この直鎖状低密度共重合ポリエチレン(LLDPE)は主として低圧法で重合されたエチレン/中鎖オレフィン共重合体であり、通常LLと称されている共重合ポリエチレンである。本発明ではこのLLの内、密度0.92g/cm3以下、メルトインデックス2g/10分以下のものが用いられる。メタロセン共重合ポリエチレンの場合と同様、密度0.915g/cm3以下では耐衝撃強度の向上が著しく、逆に、0.92g/cm3を超えると耐衝撃性不足となる。メルトインデックスが2g/10分より大となると、間接加熱成形時にシートの垂れ下がりが大きくなり、耐衝撃性改良効果も小さくなる。その密度の下限値は、通常、0.87g/cm3であり、一方、そのメルトインデックスの下限値は、通常、0.1g/10分程度である。この直鎖状低密度共重合ポリエチレンにおいて、その共重合成分である中鎖オレフィンは、その炭素数が3〜10、好ましくは4〜8の中鎖オレフィンであり、その含有量は8〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。中鎖オレフィンとしては、例えば、n−ブテン−1、n−ヘキセン−1、n−オクテン−1、4−メチルペンテン−1、2エチルヘキセン−1等が挙げられる。
【0013】
(iii)エチレン/プロピレン共重合モル比が80/20〜70/30で、100℃におけるムーニー粘度が60ML1+4以上でメルトインデックスが1g/10分以下のエチレンプロピレンゴム。このエチレンプロピレンゴム(EPR)は、エチレンとプロピレンのランダム共重合体であり、通常、そのエチレンとプロピレンの共重合比は、70/30〜80/20程度のもので、100℃におけるムーニー粘度が60ML1+4以上のものが好適に用いられ、そのメルトインデックスは1g/10分以下である。前記ムーニー粘度の上限値は100ML1+4程度及びメルトインデックスの下限値は0.1g/10分程度である。メルトインデックスが1g/10分よりも大きくなると、間接加熱成形時にシートの垂れ下がりが激しくなる。
【0014】
(iv)スチレン含有率が10〜30重量%の水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー。この水添コポリマーは、水添された1,4−ポリイソプレンユニットを多く含み、この部分はエチレン−プロピレンの交互重合体に相当し、ゴム弾性を発現する。このコポリマー(水添コポリマー)において、そのスチレン含有量は10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。スチレン含有量が30重量%を超えると、得られるシートの剛性は改善されるものの、そのコポリマーのシート中での分散が悪くなると共にシートの耐衝撃性が低下する。反対にスチレンの含有量が10重量%を下回ると、剛性の低下が著しくなる。尚、この水添コポリマーには、スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロックに由来する成分ばかりでなく、スチレン−イソプレンジブロックに由来する成分が含まれていてよい。
【0015】
本発明の熱成形用シートは、タルク等(A)/ポリプロピレン系樹脂(B)/高密度ポリエチレン(C)/エチレン含有補助重合体(D)からなる複合材料を押出成形することによって形成するシート〔A/B/C/D〕と、高密度ポリエチレン(C)を含まない、タルク等(A)/ポリプロピレン系樹脂(B)/エチレン含有補助重合体(D)からなる複合材料を押出成形することによって形成されるシート〔A/B/D〕が包含される。これらのシートにおける各成分の含有量及びそのシート性状をシートの種類との関連で以下に示す。
【0016】
(1)シート〔A/B/C/D〕
このシートの場合、そのタルク等(A)の含有量は50重量%以上、65重量%以下である。本発明では、特に、50〜60重量%の含有量が好ましい。ポリプロピレン系樹脂(B)の含有量は、10重量%以上、35重量%以下である。その好ましい含有量は、15〜25重量%である。その含有量が35重量%を上回ると、高密度ポリエチレン及びエチレン含有補助重合体の添加可能量が減り、剛性、成形性、耐衝撃性のバランスが不良となり、10重量%を下回ると成形した食品包装用容器に必要な剛性、耐熱性を得ることができなくなる。 高密度ポリエチレン(C)の含有量は、10重量%以上、25重量%以下である。その好ましい含有量は10〜20重量%である。その含有量が10重量%を下回ると間接加熱成形時のシートの垂れ下がりを効果的に防止できず、25重量%より多いと剛性の低下が激しく、容器となった場合の固さやしっかり感を発揮できない。
【0017】
エチレン含有補助重合体(D)の含有量は、5重量%以上、15重量%以下である。その好ましい含有量は、5〜10重量%である。その含有量が5重量%を下回るとシート耐衝撃強度が不十分となり、一方、15重量%を超えるとシートの剛性が低下して食品包装容器用シートとしての実用性を発揮し難くなる。
【0018】
本発明による前記組成のシートにおいて、そのシートにおける23℃引張弾性率縦横平均値Xは1800MPa以上、好ましくは2200MPa以上であり、そのXと0.45mm厚さ換算の23℃50%破壊デュポン衝撃強度Yとの間の関係は、次式を満足することを特徴とする。
Y≧3110/X−0.544 (1)
前記式(1)を満足することによって、耐衝撃性にすぐれ、しかも剛性と耐衝撃性のバランスのとれた熱成形性にすぐれたシートを得ることができる。前記式(1)を満足するシートを得るには、前記(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の含有量を前記範囲内において適宜調節すればよい。
【0019】
前記した本発明のシートには、前記式(1)で示される物性を保持させるとともに、好ましくはそのシート垂れ試験における最大垂れ量が25mm以下、好ましくは20mm以下及びその戻り率が60%以上、好ましくは80%以上及び10mm保持時間が20秒以上、好ましくは25秒以上であるシート特性を保持させるのがよい。本発明のシートの場合、その最大垂れ量の下限値は、通常、5mm程度であり、その戻り率の上限値は100%であり、10mm保存時間の上限値は、通常、50秒程度である。前記のような組成及びシート性状を有する本発明のシートは、熱板圧空成形等の直接熱成形用シートとして好ましく適用し得ることはもちろん、特に、真空成形等の間接加熱成形用シートとして有利に用いることができる。シートの厚さは0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1.2mmである。
【0020】
(2)シート〔A/B/D〕
このシートの場合、そのタルク等(A)の含有量は50重量%以上、70重量%以下である。本発明では、特に、50〜65重量%の含有量が好ましい。ポリプロピレン系樹脂(B)の含有量は、15重量%以上、45重量%以下である。その好ましい含有量は、25〜45重量%である。その含有量が45重量%を上回ると、エチレン含有補助重合体の含有量が減り、剛性、耐衝撃性のバランスが不良となり、15重量%を下回ると成形した食品包装用容器に必要な剛性、耐熱性を得ることができなくなる。
【0021】
エチレン含有補助重合体(D)の含有量は、5重量%以上、15重量%以下である。その好ましい含有量は、5〜10重量%である。その含有量が5重量%を下回るとシート耐衝撃強度が不十分となり、一方、15重量%を超えるとシートの剛性が低下して食品包装容器用シートとしての実用性を発揮し難くなる。
【0022】
本発明による前記組成のシートにおいて、そのシートにおける23℃引張弾性率縦横平均値Xは1800MPa以上、好ましくは2200MPa以上であり、そのXと0.45mm厚さ換算の23℃50%破壊デュポン衝撃強度Yとの間の関係は、次式を満足することを特徴とする。
Y≧3110/X−0.544 (1)
前記式(1)を満足することによって、耐衝撃性にすぐれ、しかも剛性と耐衝撃性のバランスのとれた熱成形性にすぐれたシートを得ることができる。前記式(1)を満足するシートを得るには、前記(A)、(B)及び(D)の各成分の含有量を前記範囲内において適宜調節すればよい。
【0023】
前記のような組成及びシート性状を有する本発明のシートは、熱板圧空成形等の直接加熱成形用シートとして好適のものである。シートの厚さは0.2〜0.7mm、好ましくは0.3〜0.5mmである。
【0024】
本発明による熱成形用シートは、前記式(1)を満足する23℃引張弾性率縦横平均値Xと0.45mm厚さ換算の23℃50%破壊デュポン衝撃強度Yを有するが、その式(1)を図1にグラフで示す。図1において、曲線1は前記式(1)に対応するものであり、本発明シートは、その曲線1上及びそれより上の範囲にあるXとYとの関係を有するものである。本発明による好ましいシートは、そのXとYとの関係が領域I、II、IIIにあるものであり、より好ましいシートは、X≧1800MPa、好ましくはX≧2200MPaの範囲にあるもの、さらに好ましくは、そのXとYとの関係が領域IIにあるものである。なお、図1における直線11はX=2500(MPa)に対応する直線であり、直線12はY=0.7(J)に対応する直線である。本発明のシートにおけるXの値は、通常、1800〜4000MPa、好ましくは2500〜4000MPa程度であり、その上限値は、通常、5000MPa程度である。
【0025】
食品容器を熱成形法で製造する際に原材料となるシートに要求される主な物性は、剛性と耐衝撃性、更には熱成形時の成形適性である。剛性は容器となった後の容器の固さ、こわさに関係し、容器が外力に対して潰れにくく、しっかり感があることに対応する。この際シートの厚さを増せば当然容器のコストを直接的に上昇させるばかりでなく、資源の無駄使いやCO2発生量の増加を招来する。そこでシートの一定厚さ当りの剛性である弾性率をできるだけ高め、シート材厚を上げずに容器の固さを増やすことが望まれることになる。本発明ではタルク等を多量含有させることによりシートの厚さを増加させずにシートの弾性率を高めるとともに、その弾性率とシートの衝撃強度(J)(耐衝撃性)との関係を図1における曲線1上及びそれより上の範囲に規定するものである。
【0026】
弾性率の測定方法には引張弾性率や曲げ弾性率があるが、本発明においては薄いシートでは測定誤差の出やすい曲げ弾性率を排し、薄いシートでも、測定し易くかつ測定誤差が出にくい引張弾性率の縦横平均値を採用した。即ち、本明細書では、シートの剛性を示す尺度としてシートの23℃での引張弾性率の縦横平均値(ASTM D882)をシート厚さに関係なく用いることとする。一方、耐衝撃性を図る方法には種々の方法が提案されているが、どの方法を採ったにせよ容器になってしまうと容器の形状やリブの有無や熱成形条件の影響を受けるので、元の原料組成の適否を判定するには不適当である。そこで、シートでの耐衝撃性を評価する方法としてデュポン衝撃強度を採用し、錘や撃芯の形状等を適正化し、23℃での50%破壊強度を求めたところ、容器の耐衝撃性との相関が良いことが判明した。50%破壊デュポン衝撃強度は、同じ組成の材料ではほぼシートの材厚に比例することが実験的に証明されたので、本発明においては0.45mm材厚の場合の衝撃強度を主として測定すると共に、他の材厚の場合には、得られた衝撃強度を0.45mmとの材厚比で除して、0.45mm材厚の衝撃強度に換算した値を採用することとする。即ち、本明細書ではシートの0.45mm厚さ換算衝撃強度(J)を耐衝撃性の尺度として採用する。また、この場合の衝撃強度は、ASTM D2794−69用デュポン衝撃試験機を用いてJIS K7211「硬質プラスチックの落錘衝撃試験方法通則」の手順に準じ、23℃の雰囲気中で先端の曲率Rが4.7mmの撃芯を用い、200gの錘を落下させて測定した。そして、その50%破壊エネルギーを算出し、さらにその0.45mm厚さ換算衝撃強度(J)を算出する。
【0027】
本発明者らの研究によれば、同種材料からなる組成物においてその組成比を変更したとき、0.45mm材厚シートの23℃における50%破壊デュポン衝撃強度Yと、当該シートの23℃引張弾性率縦横平均値Xとの間にはY=a/X+b(a,bは常数)の相関関係が認められた。更に両者の関係と食品包装用容器としてのかたさと衝撃強さのバランスとの関係とを比較吟味した結果、第1図に示したY=3110/X−0.544の曲線上及びそれより上部、即ちY≧3110/X−0.544の領域(I、II、III)が食品包装用容器の材料として望ましいシートの物性範囲であることが判明した。但し、実際には現状の充填剤混入ポリプロピレン容器の材厚より厚くしたくないという経済性と環境ないし資源面の制約からワンウェイ容器として望ましいのは、Y≧0.7J、X≧2500MPaを満たす領域IIであり、I及びIIIは若干の組成修正をしてIIの範囲にバランス変更する事が可能な領域である。領域IVは容器に成形した場合に不適切なシートの物性範囲である。
【0028】
本発明による前記シート[A/B/C/D]は、間接加熱成形用シートとして好適のものであるが、このシートには、その間接加熱成形操作を円滑に実施し得るように、シート垂れ試験における最大垂れ量が25mm以下、戻り率が60%以上及び10mm保持時間が20秒以上の特性を保持させるのが好ましい。前記シート垂れ試験は、サンプルシートを内寸300mm×350mmの枠で固定化して、あらかじめ所定の雰囲気温度に設定してある加熱ゾーンに送ると同時に、そのシート表面側からヒータで均一に加熱することによって実施される。この場合、ヒータは、300Wのインフラスタインヒータを400mm×450mm内に5行3列配置することにより形成した。シート加熱時におけるこのヒータの下端面とシート上面との間の距離は150mmであった。また、シートの下面中央部温度を赤外線放射温度計(ミノルタ505型)で測定し、加熱ゾーンの雰囲気温度を熱電対温度計で測定した。
【0029】
シートの中央部下面には、シート垂れ量を測定するための変位計のセンサー先端をほぼ接触する程度にまで近く位置させ、そして、そのセンサー先端を手動により垂れ下ったシート下面の変位に追随させてシートの垂れ下り量を測定する。このシートの垂れ量と、そのシート中央部の温度測定用の赤外線放射温度計からの測定温度とを、コンピュータ出力してチャートに記録する。加熱ゾーンにおいてシートの加熱を開始し、そのシートの加熱開始時点からのシートの垂れ量(mm)とシートの表面温度(℃)を経時的に測定し、その測定データをチャートに記録する。前記のようにしてシートを加熱する場合、そのシートは、加熱により、(i)一旦下方に垂れ下り、次に(ii)上方に持ち上がる。更に加熱を続けることによって、(iii)再び下方に垂れ下る挙動を示す。ここで、前記(i)に示した垂れ下り量を、「最大垂れ量(初期垂れ量)(mm)」とし、次に、(ii)によって上方に持ち上った量を「戻り量(mm)」とする。さらに、(iii)で示した最大戻り位置から再度下方に10mm垂れ下がるまでの時間を「10mm保持時間(秒)」とする。さらに、「戻り量」を「最大垂れ量」で除した値のパーセント表示を「戻り率」とする。
【0030】
図2にシート垂れ試験結果の概念図を示す。図2において、点(a1,b1)に関し、a1は最大垂れ時間(30.0秒)を示し、b1はその最大垂れ量(12.6mm)を示す。点(a2,b2)において、a2は戻り時間(37.5秒)を示し、(b1−b2)は戻り量(8.8mm)を示す。また、点(a3,b3)は最大戻り点(a2,b2)から10mm垂れた点(10mm垂れ点)を示し、(a3−a2)は10mm保持時間(25.3秒)を示す。また、この場合の戻り率は70%である。
【0031】
本発明のシートを製造するには、そのシート構成成分を混合加熱溶融してシート状に押出せばよい。この場合の押出成形方法は、通常用いられる方法なら如何なる方法でも良い。本発明で用いるタルク等は粉体であるので、これを予めポリプロピレン系樹脂及び/又は他の成分とコンパウンドとなし、このコンパウンドを残りの成分と共に押し出してシートとしても良い。この際コンパウンドの方法としては、バンバリーミキサー、各種ロール、高速撹拌機、二軸押出機等各種の機器を用いてコンパウンド化することができる。さらには、本発明にかかる各種材料を一度に又は数段に分けて二軸押出機に直接投入し、ギアポンプ又は一軸押出機を経て直接シーティングすることも可能である。押出シートを吐出するダイスとしては、通常用いられているTダイや円形ダイを使用することができる。尚、この際、コンパウンディンク及び/又は押出シーティングの工程で、必要に応じて酸化防止剤、分散剤、着色剤(顔料)、発泡剤等を混入できることは当然である。
【0032】
また、シーティングに際しては、単層押出ばかりでなく、多層の共押出となし、層毎に組成や色等の異なる多層シートを作ることもできる。更にこの応用として表面層を充填剤無しの樹脂のみの層となし、ヒートシール層として使用したり、あるいはこの樹脂のみの表層を押出中の目ヤニ防止に役立てたり、ノッチ効果による衝撃強度低下を防止する等の役割を持たせることもできる。一般には、この様な樹脂のみからなる表層の厚さは数μmないし30μm程度であり、全シート厚みの1〜10%程度である。従って、本発明においては、本来充填剤を含む層のみの材料組成が本発明シートの材料組成であるが、本発明のシートはその少なくとも一方の表面に薄い樹脂のみの層を有することもでき、この場合は、この層をも含めたシート全体の組成の平均値をもって本発明シートの組成とみなすこともできる。
【0033】
本発明による熱成形用シート[A/B/C/D]を容器形状に熱成形するための成形方法は、特に制約されるものではなく、真空成形、真空圧空成形、熱板圧空成形、プラグアシスト成形等の間接加熱及び直接加熱による公知の方法を用いることができる。また、本発明による熱成形用シート[A/B/D]を容器形状に熱成形するための成形方法としては、熱板圧空成形、エンドレスベルト加熱式圧空成形等の、直接加熱を行う公知の成形方法を用いることができる。また、成形に用いる金型には強制冷却装置がついているのが好ましい。成形容器の形状は特に制約されず、従来一般に用いられている各種の形状であることができる。このような容器形状には、トレー状、ドンブリ状、箱状、カップ状等が包含される。
【0034】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下において示す%は重量基準であり、またシート配合素材の具体的内容は以下の通りである。また、以下において示すシート配合素材濃度比率は小数点以下第3位を四捨五入して記載した。
(1)タルク:勝光山株式会社製 ビクトリーライトHR−B(2)ポリプロピレンホモポリマー:株式会社トクヤマ製RB110(3)ポリプロピレンブロックコポリマー:日本ポリケム株式会社製EC9(4)高密度ポリエチレン:京葉ポリエチレン株式会社製B5203(5)界面活性剤(ポリエチレングリコール):三洋化成株式会社製PEG6000S(6)酸化防止剤:(テトラキス〔メチレン−3(3.5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロオキシ−フェニル)プロピオネート〕メタン)日本チバガイギー株式会社製イルガノックス1010(7)直鎖状低密度共重合ポリエチレン(密度:0.915g/cm3、MI:1.4g/10分):出光石油化学株式会社製0128(8)水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン含有率:13%、MI:4g/10分):クラレ株式会社製セプトン2043(9)メタロセン共重合ポリエチレン(密度:0.898g/cm3、MI:2.2g/10分):日本ポリケム株式会社製KE028(10)エチレンプロピレンゴム(エチレン/プロピレン共重合モル比=77/23、100℃ムーニー粘度:68ML1+4):日本合成ゴム株式会社製EP961SP
【0035】
参考例1
スクリュー径35mm二軸押出機(東芝機械株式会社製TEM−35B)にタルクが70重量%、ポリプロピレンホモポリマーが4.3%、高密度ポリエチレン24%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤が0.3%となるように供給しつつ、タルク−樹脂コンパウンドペレットを作成した。次に、スクリュー径65mmのベント式単軸押出機(東芝機械株式会社製SE−65)を用いて、上記コンパウンドが100重量部に対し、ポリプロピレンホモポリマー9重量部、直鎖状低密度共重合ポリエチレン12重量部を配合して、タルク濃度57.85%ポリプロピレン樹脂濃度10.99%、高密度ポリエチレン濃度19.84%、直鎖状低密度ポリエチレン9.92%を含む組成物とし、これを混練押出加工し、シート厚0.45mm、シート幅700mmの熱成形用シートを製造した。この熱成形用シートを用いてテスト用真空成形装置(中央化学株式会社製)で縦230mm、幅135mm、深さ27mmの箱形食品包装用容器を成形した所、シートの垂れ下がりも少なく、成形性も良好であった。上記で製造した熱成形用シートに対して耐衝撃試験法(テスター産業株式会社製デュポン衝撃試験機M−203型)を用いて23℃における耐衝撃性(50%破壊エネルギー)を測定し、ASTM D882に従って引張弾性率縦横平均値を測定したところ、表1に記載した通り、耐衝撃性と剛性の良好なバランスを得ることができた。また、実用試験として上記で製造した熱成形用シートを用いて成形した食品包装用容器1つに対して略100gのハンバーグ4個を収納してラップ包装したものを16パック作成しケースに4個づつ入れて、トラック輸送試験を行ったところ、容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。さらに、前記で得た熱成形用シートについて、その垂れ試験を行ったところ、良好な結果が得られた。
【0036】
実施例2
ポリプロピレンボモポリマーの代わりにポリプロピレンブロックコポリマーを用いたほかは参考例1と同様に行い、タルク−樹脂コンパウンドペレットを作成した。次に、上記コンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンホモポリマー4重量部、ポリプロピレンブロックコポリマー10重量部、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー6.5重量部を配合して、タルク濃度58.09%、ポリプロピレン樹脂濃度15.19%、高密度ポリエチレン濃度19.92%、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー5.39%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0037】
実施例3
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー16.3%、高密度ポリエチレン12%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンホモポリマー8重量部、メタロセン共重合ポリエチレン12重量部を配合して、タルク濃度58.33%、ポリプロピレン樹脂濃度20.25%、高密度ポリエチレン濃度10.00%、メタロセン共重合ポリエチレン10.00%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりは若干多くなるものの成形性は特に問題は無かった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0038】
参考例4
タルク70%、ポリプロピレンブロツクコポリマー28.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、高密度ポリエチレン13重量部、メタロセン共重合ポリエチレン6重量部を配合して、タルク濃度58.82%、ポリプロピレン樹脂濃度23.78%、高密度ポリエチレン濃度10.92%、エチレンプロピレンゴム5.04%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりは若干多くなるものの成形性は特に問題は無かった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0039】
実施例5
タルクが70%、ポリプロピレンホモポリマー28.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、高密度ポリエチレン24重量部、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー12.5重量部を配合して、タルク濃度51.28%、ポリプロピレン樹脂濃度20.73%、高密度ポリエチレン濃度17.58%、水素添加スチレン−イソプレン−スチレン9.16%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0040】
実施例6
タルク70%、ポリプロピレンホモポリマー10.0%、ポリプロピレンブロックコポリマー18.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%となる組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンブロックコポリマーが4重量部、高密度ポリエチレン26重量部、メタロセン共重合ポリエチレン7重量部を配合して、タルク濃度51.10%、ポリプロピレン樹脂濃度23.58%、高密度ポリエチレン濃度18.98%、メタロセン共重合ポリエチレン5.11%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0041】
参考例7
タルク70%、ポリプロピレンホモポリマー28.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンブロックコポリマー7重量部、高密度ポリエチレン15重量部、エチレンプロピレンゴム12.5重量部を配合して、タルク濃度52.05%、ポリプロピレン樹脂濃度26.25%、高密度ポリエチレン濃度11.15%、エチレンプロピレンゴム9.29%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0042】
参考例8
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー28.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンホモポリマー8重量部、ポリプロピレンブロックコポリマー4重量部、高密度ポリエチレン15重量部、直鎖状低密度共重合ポリエチレン7.5重量部を配合して、タルク濃度52.05%、ポリプロピレン樹脂濃度29.96%、高密度ポリエチレン濃度11.15%、直鎖状低密度共重合ポリエチレン5.58%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0043】
実施例9
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマーが12.3%、高密度ポリエチレン16%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー11.0重量部を配合して、タルク濃度63.06%、ポリプロピレン樹脂濃度11.08%、高密度ポリエチレン濃度14.41%、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー9.91%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりは若干多くなるものの成形性は特に問題は無かった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0044】
実施例10
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー16.3%、高密度ポリエチレン12%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンホモポリマー8.0重量部、メタロセン共重合ポリエチレン4重量部、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー8.0重量部を配合して、タルク濃度58.33%、ポリプロピレン樹脂濃度20.25%、高密度ポリエチレン濃度10.00%、メタロセン共重合ポリエチレンと水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー合計10.00%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりは若干多くなるものの成形性は特に問題は無かった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0045】
実施例11
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー16.3%、高密度ポリエチレン12%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンホモポリマー8.0重量部、エチレンプロピレンゴム4重量部、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー8.0重量部を配合してタルク濃度58.33%、ポリプロピレン樹脂濃度20.25%、高密度ポリエチレン濃度10.00%、エチレンプロピレンゴムと水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー合計10.00%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりは若干多くなるものの成形性は特に問題は無かった。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0046】
実施例12
高速混合ミキサー(株式会社カワタ製スーパーミキサーSMG100混合電動機22KW4P/8P)の混合槽を循環する加熱油で140℃〜150℃に加熱し、この混合槽中にタルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー28.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤が0.3%となるように投入して高遠混合し、混合機の電流が80Aに達した時点で混合槽の排出口から混合物を放出し、急速送風冷却しつつ粗砕して混合コンパウンドを得、更にこのコンパウンドを粉砕機で最大粒子径5mm以下に粉砕して原料コンパウンドを製造した。次にこのコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンブロックコポリマー7重量部、メタロセン共重合ポリエチレン13重量部を配合して、タルク濃度58.33%、ポリプロピレン樹脂濃度29.42%、メタロセン共重合ポリエチレン10.83%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にシートを押出成形し、この成形したシートを参考例1と同様に真空成形を行おうとしたところ、シートの垂れ下がりが大きく、成形できなかったのに対し、圧空成形(中央化学製テスト用圧空成形機使用)して参考例1と同形状の容器を成形し、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、容器の成形を問題なく行うことができた。また、表1に記載したとおり、熱成形用シートは良好な耐衝撃性と剛性のバランスを得ることができ、また、実用試験において容器の割れは発生せず、良好な耐衝撃性能を示した。
【0047】
比較例1
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー28.3%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンブロックコポリマー15重量部、高密度ポリエチレン15重量部を配合して、タルク濃度53.85%、ポリプロピレン樹脂濃度33.31%、高密度ポリエチレン濃度11.54%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。しかし、表1に記載した通り、耐衝撃性に於いて劣り、実用試験において、輸送中に容器の割れが多数発生した。
【0048】
比較例2
タルク70%、ポリプロピレンブロックコポリマー28.30%、界面活性剤1.4%、酸化防止剤0.3%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、高密度ポリエチレン14.00重量部、メタロセン共重合ポリエチレン24重量部を配合して、タルク濃度50.725%、ポリプロピレン樹脂濃度20.51%、高密度ポリエチレン濃度10.15%、メタロセン共重合ポリエチレン17.39%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にしてシート及び容器の成形、シート物性試験、及び容器の実用試験を行ったところ、シートの垂れ下がりも少なく成形性も良好であった。しかし、この場合には、メタロセン共重合ポリエチレンの含有量が多すぎ、剛性が低いために、表1に記載した通り、良好な耐衝撃性を得ることはできたが、引張弾性率が低く、容器として必要な剛性強度が得られなかった。またこの容器実用試験において容器の割れは発生しなかった。
【0049】
比較例3
タルク80%、ポリプロピレンブロックコポリマー6.2%、高密度ポリエチレン12%、界面活性剤1.6%、酸化防止剤0.2%の組成物からなるタルク−樹脂コンパウンドペレットを参考例1と同様にして作成した。次に、このコンパウンド100重量部に対し、ポリプロピレンブロックコポリマー5重量部、エチレンプロピレンゴム6重量部を配合して、タルク濃度72.07%、ポリプロピレン樹脂濃度10.09%、高密度ポリエチレン濃度10.81%、エチレンプロピレンゴム5.41%を含む組成物とし、これを参考例1と同様にシートの押出成形を行い、得られた熱成形用シートで容器を成形しようとしたところ、間接加熱時にシートの垂れ下がりが多すぎ、垂れ下がりの最下部が成形機の一部に引っかかって成形不能であった。
【0050】
比較例4
比較例3と同様の熱成形用シートを製造し、熱板圧空成形機で参考例1と同型の容器を製造したところ、容器表面の肌荒れは見られたものの、容器形状の成形は可能であった。また、ここで成形して得られた容器は、十分な剛性強度は得られたものの、容器としての十分な耐衝撃性を得ることはできなかった。
【0051】
前記参考例1、4、7及び8、実施例2、3、5、6及び9〜12並びに比較例1〜4で得た各シートにおけるその23℃引張弾性縦横平均値X(表1には単に弾性率Xと略記)、その0.45mm厚さ換算の50%破壊デュポン衝撃強度Y(表1には単に衝撃強度Yと略記)、その容器成形性及び容器の実用物性を表1に示す。また、各シートについて行ったシート垂れ試験の結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示した容器形成の評価基準は以下の通りである。
◎:垂れ下りは少なく、成形性は問題なし
○:若干垂れ下りはあるが、成形性は問題なし
△:垂れ下りが大きく、成形は可能であるが、成形品にシワが発生
×:垂れ下りが激しく、成形不能
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、多量の無機充填剤を含有し、高い引張性率を有するにもかかわらず、耐衝撃性にすぐれ、しかも熱成形性の良好なシートが提供される。また、本発明によれば、前記シートから形成された、焼却時に炭酸ガスや燃焼熱の発生の少ない、廃棄処理の容易な食品包装用容器及びその容器の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】23℃引張弾性率縦横平均値Xと0.45mm厚さ換算の23℃50%破壊衝撃強度Yとの関係式(Y≧3110/X−0.544)を示すグラフである。
【図2】シート垂れ試験結果の概念図を示す。
Claims (8)
- タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/高密度ポリエチレン/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、
該無機充填剤の含有量が50〜65重量%であり、
該ポリプロピレン系樹脂の含有量が10〜35重量%であり、
該高密度ポリエチレンが1g/10分以下のメルトインデックスを有し、その含有量が10〜25重量%であり、
該エチレン含有補助重合体が、密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレンからなり、その含有量が5〜15重量%である
ことを特徴とする熱成形用シート。 - タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/高密度ポリエチレン/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、
該無機充填剤の含有量が50〜65重量%であり、
該ポリプロピレン系樹脂の含有量が10〜35重量%であり、
該高密度ポリエチレンが1g/10分以下のメルトインデックスを有し、その含有量が10〜25重量%であり、
該エチレン含有補助重合体が、スチレンを10〜30重量%含有した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーからなり、その含有量が5〜15重量%である
ことを特徴とする熱成形用シート。 - タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、
該無機充填剤の含有量が50〜65重量%であり、
該ポリプロピレン系樹脂の含有量が15〜45重量%であり、
該エチレン含有補助重合体が、密度が0.92g/cm3以下でメルトインデックスが3g/10分以下のメタロセン共重合ポリエチレンからなり、その含有量が5〜15重量%である
ことを特徴とする熱成形用シート。 - タルクを主成分とする無機充填剤/ポリプロピレン系樹脂/エチレン含有補助重合体からなる複合材料を押出成形したシートであって、
該無機充填剤の含有量が50〜65重量%であり、
該ポリプロピレン系樹脂の含有量が15〜45重量%であり、
該エチレン含有補助重合体が、スチレンを10〜30重量%含有した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーからなり、その含有量が5〜15重量%である
ことを特徴とする熱成形用シート。 - 請求項1または2のいずれかの熱成形用シートから形成された食品包装用タルク容器。
- 請求項3または4のいずれかの熱成形用シートから形成された食品包装用タルク容器。
- 請求項1または2のいずれかの熱成形用シートを容器形状に間接加熱成形又は直接加熱成形することを特徴とする食品包装用タルク容器の製造方法。
- 請求項3または4のいずれかの熱成形用シートを容器形状に直接加熱成形することを特徴とする食品包装用タルク容器の製造方法。
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