JPH1025378A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH1025378A
JPH1025378A JP19969296A JP19969296A JPH1025378A JP H1025378 A JPH1025378 A JP H1025378A JP 19969296 A JP19969296 A JP 19969296A JP 19969296 A JP19969296 A JP 19969296A JP H1025378 A JPH1025378 A JP H1025378A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、剛性、流動性に優れたポリプロピ
レン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】(イ)曲げ弾性率が8000kgf/cm
2(785MPa)以上かつ温度230℃、荷重2.1
6kgにおけるメルトフローレートが10g/10分以
上であるポリプロピレン 30〜95重量%、(ロ)オ
レフィン系エラストマー 70〜5重量%の合計100
重量部に対して、(ハ)芳香族ビニル化合物と共役ジエ
ンとのランダム共重合体を主体とする重合体ブロック
(a)および1,2−結合で結合したブタジエン単位の
含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック
(b)とからなるブロック共重合体中の、オレフィン性
不飽和結合の80%以上を水素化してなる、ポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が1〜70万である水添ブロッ
ク共重合体 0.1〜50重量部、および必要に応じて
無機充填材0〜50重量部を含有してなるポリプロピレ
ン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は剛性、耐衝撃性、流
動性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは成形性、靱性、耐水
性、耐薬品性などに優れ、低比重で安価であることから
各種成型品やシート等に従来から広く利用されている。
しかしながら、耐衝撃性、特に低温での衝撃強度が劣る
ため、使用目的が限定される場合がある。そこで、この
問題点を改良するために、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体の水添物、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴム等のゴム成分を配合する提案が多くな
されている。しかし、これらのポリプロピレン系樹脂組
成物では、耐衝撃性が改善されるものの、剛性、成形外
観の低下が見られ、実用上十分ではなかった。また、こ
れらを改善するために、高分子量タイプのエチレン−α
−オレフィン系共重合体の使用が考えられるが、ゴム成
分として高分子量タイプの使用は樹脂中の分散性が悪
く、さらに得られる組成物の流動性が低下するなど実用
上好ましくなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたものであり、ポリプロピレ
ン、オレフィン系エラストマー、特定構造の水添ブロッ
ク共重合体、および必要に応じて無機充填材のブレンド
により剛性、耐衝撃性、流動性に優れたポリプロピレン
系樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (イ)曲げ弾性率が8000kgf/cm2(785M
Pa)以上かつ温度230℃、荷重2.16kgにおけ
るメルトフローレートが10g/10分以上であるポリ
プロピレン 30〜95重量% (ロ)オレフィン系エラストマー 70〜5重量% の合計100重量部に対して (ハ)芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共
重合体を主体とする重合体ブロック(a)、および1,
2−結合で結合したブタジエン単位の含量(以下、
「1,2−結合含量」とも言う)が25%以下であるポ
リブタジエン重合体ブロック(b)を有するブロック共
重合体または該ブロック共重合体がカップリング剤残基
を介して延長または分岐されたブロック共重合体中(以
下、「水添前重合体」とも言う)の、オレフィン性不飽
和結合の80%以上を水素化してなる、ポリスチレン換
算の重量平均分子量(以下、「重量平均分子量」とも言
う)が1万〜70万である水添ブロック共重合体 0.
1〜50重量部 (ニ)無機充填材 0〜50重量部 を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物を構成する(イ)ポリプロピレンは、結晶性ポリプ
ロピレンであり、具体的にはプロピレンの結晶性の単独
重合体あるいはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル
−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどのα
−オレフィンを含んだ結晶性の共重合体である。この共
重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合
体、あるいは多段重合で得られる単独重合体とのブレン
ド物、あるいは通常のブレンド物であってもよい。
【0006】なお、これらポリプロピレンを得る方法と
しては、チーグラー・ナッタ系触媒のごときマルチ・サ
イト触媒を用いる方法や、カミンスキー系触媒のごとき
シングル・サイト触媒を用いる方法などがあるが、本発
明の(イ)成分としては、いずれの重合触媒によるポリ
プロピレンも好適に用いられる。ただし、プロピレンユ
ニットの立体規則性は、アイソタクチックもしくはシン
ジオタクチックのものが本発明の(イ)成分として好ま
しい。
【0007】本発明の(イ)ポリプロピレンにおいて曲
げ弾性率は8000kgf/cm2(785MPa)以
上であるが、好ましくは10000〜50000kgf
/cm2(981〜4903MPa)、より好ましくは
11000〜40000kgf/cm2(1079〜3
923MPa)、さらに好ましくは12000〜300
00kgf/cm2(1177〜2942MPa)であ
り、メルトフローレート(MFR、g/10分)は10
以上であるが、好ましく20〜300、より好ましくは
30〜200、さらに好ましくは40〜150である。
曲げ弾性率が8000kgf/cm2未満および/また
はMFRが10未満では、流動性、剛性のバランスが劣
るため好ましくない。
【0008】次に、本発明に使用される(ロ)オレフィ
ン系エラストマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン相
互の共重合体、あるいはこれらとジシクロペンタジエン
や5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエン
との共重合体、あるいは1−ヘキセン、1−オクテン等
の高級α−オレフィンの単独重合体からなるエラストマ
ーである。これらの中でもエチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピ
レン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ジ
シクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・
ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン
・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレ
ン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・
1−オクテン共重合体等のエチレン系共重合体、エチレ
ン・1−ヘキセン・ジシクロペンタジエン共重合体、エ
チレン・1−オクテン・ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エ
チリデン−2−ノルボルネン共重合体等のエチレン系共
重合体が好ましい。これらオレフィン系エラストマーは
2種以上の混合物であってもよい。該エラストマーのM
FRは、特に制限されるものではないが、好ましくは
0.1〜200g/10分である。尚、本発明における
オレフィン系エラストマーの製造に関しては何等制限さ
れるものではなく、シングル・サイト触媒によるもの、
およびマルチ・サイト触媒によるもののいずれも好適に
用いられる。
【0009】なお(ロ)成分に使用されるα−オレフィ
ンとしては、上記以外にも2−ブテン、2−メチル−1
−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メ
チル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセンなどが挙げら
れ、非共役ジエンとしては、トリシクロペンタジエン、
5−メチル−2,5−ノルボナジエン、5−メチレン−
2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボル
ネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−
(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、シクロオクタジ
エン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデ
カトリエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジ
エン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、
1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オク
タジエンなどが挙げられる。これらは、1種単独である
いは2種以上併用して使用することができる。
【0010】次に、本発明の(ハ)成分は、芳香族ビニ
ル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体を主体とす
る重合体ブロック(a)および1,2−結合含量が25
%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(b)とか
らなるブロック共重合体を水素添加することにより得ら
れる。以下、ブロック(a)を水素添加したブロックを
ブロック(A)、ブロック(b)を水素添加したブロッ
クをブロック(B)という。
【0011】本発明の(ハ)成分を得るための水添前重
合体は、芳香族ビニル化合物および共役ジエンにより構
成される。ここで用いられる芳香族ビニル化合物として
は、スチレン、α―メチルスチレン、p―メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−
ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが
挙げられ、これらのなかでスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましく、スチレンが特に好ましい。また、共役ジ
エンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジ
エン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘ
キサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエ
ン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン
などが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の優
れた水添ジエン系共重合体を得るには、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
【0012】本発明の組成物において、(ハ)水添ブロ
ック共重合体は、(イ)ポリプロピレンと(ロ)オレフ
ィン系エラストマーとを相溶化される働きを有する。こ
の働きを発現させるため、本発明の(ハ)成分は、
(イ)成分と(ロ)成分のそれぞれと相溶性の良いブロ
ック単位を有する。すなわち、(ハ)成分中のブロック
(A)は(イ)成分との相溶性を担い、またブロック
(B)は(ロ)成分との相溶性を担う。このように、
(ハ)を介することで、(イ)成分(ロ)成分の相溶性
が向上し、結果として得られる組成物の物性が向上する
ことになる。
【0013】水添前重合体中のブロック(a)は、芳香
族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体を主
体とする重合体ブロックである。すなわちブロック
(A)の構造としては、例えば芳香族ビニル化合物がス
チレンであり共役ジエンがブタジエンである場合、スチ
レン−エチレン−ブチレンランダム共重合体と類似の構
造を有する重合体ブロックとなる。
【0014】なお、ブロック(a)に使用される芳香族
ビニル化合物の好ましい使用量は、ブロック(a)を構
成するモノマーの好ましくは0.1〜50重量%以下、
より好ましくは0.5〜40重量%、さらに好ましくは
1〜30重量%である。ブロック(a)中の芳香族ビニ
ル化合物の含量が0.1重量%未満もしくは50重量%
を超えると、水素添加後のブロック(A)と(イ)成分
との相溶性が低下するため、(イ)成分と(ハ)成分と
の相溶性が低下し、結果として(イ)成分と(ロ)成分
との相溶性が不十分となり、得られる組成物の耐衝撃性
が劣るものとなる。
【0015】またブロック(a)中で、1,2−および
3,4−結合で結合した共役ジエン単位の、ブロック
(a)中の全共役ジエン量に対する含量(以下、「ビニ
ル結合含量」ともいう)は、本発明では特に限定される
ものではないが、好ましくは25重量%以上である。ブ
ロック(a)中の共役ジエンのビニル結合含量が25重
量%未満では、水素添加後のブロック(A)と(イ)成
分との相溶性が低下するため、(イ)成分と(ハ)成分
との相溶性が低下し、結果として(イ)成分と(ロ)成
分との相溶性が不十分となり、得られる組成物の耐衝撃
性が劣るものとなる。
【0016】水添前重合体中のブロック(b)は、水素
添加により通常の低密度ポリエチレンに類似の構造を示
す結晶性の重合体ブロックとなる。成分ブロック(b)
中のポリブタジエンの好ましい1,2−結合含量は、通
常25%以下であるが、より好ましくは20%以下、も
っとも好ましくは15%以下である。このブロック
(b)中のポリブタジエンの1,2−結合含量が25%
を越えた場合、水素添加後のブロック(B)と(ロ)成
分との相溶性が低下するため、(ロ)成分と(ハ)成分
との相溶性が低下する。結果として(イ)成分と(ロ)
成分との相溶性が不十分となり、得られる組成物の耐衝
撃性が劣るものとなる。
【0017】また、本発明の(ハ)成分は、上記ブロッ
ク(A)およびブロック(B)以外の重合体ブロック
(C)を含むことも可能である。(ハ)成分に含まれて
もよい重合体ブロックとしては、芳香族ビニル化合物の
単独重合体ブロックなどが挙げられる。
【0018】なお、(ハ)成分を得るための水添前重合
体としては、重合体分子鎖がカップリング剤残基により
延長または分岐されたブロック共重合体であってもよ
い。この際のカップリング剤としては、例えばアジピン
酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラ
ン、テトラクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テ
トラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチルジク
ロロシラン、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブ
ロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(ト
リクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレ
ンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシ
アネートなどが挙げられる。
【0019】また、本発明で(ハ)成分として用いる水
添ブロック重合体は、官能基で変性してもよく、酸無水
物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イ
ソシアネート基およびエポキシ基から選ばれた少なくと
も1種の官能基を有する不飽和化合物を用いて、ニーダ
ー、ミキサー、押出機などで変性することができる。な
お、2種またはそれ以上の水添ジエン系重合体のブレン
ド物も、本発明の(ハ)成分として好適に用いられる。
【0020】本発明の(ハ)成分において、ブロック
(A)の含量は好ましくは10〜99重量%、より好ま
しくは30〜95重量%、さらに好ましくは50〜90
重量%、ブロック(B)の含量は好ましくは1〜90重
量%、より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましく
は10〜50重量%である。ブロック(A)の含量が1
0重量%未満〔ブロック(B)の含量が90重量%を超
える〕の場合、(イ)成分と(ハ)成分との相溶性が低
下し、一方、ブロック(B)の含量が1重量%未満〔ブ
ロック(A)の含量が99重量%を超える〕の場合、
(ロ)成分と(ハ)成分との相溶性が低下する。いずれ
の場合も、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶
性が不十分となるため、得られる組成物の耐衝撃性や機
械的性質が劣るものとなる。また、(ハ)成分中にブロ
ック(C)を含む場合、その含量は、ブロック(A)と
ブロック(B)の合計100重量部に対し、好ましくは
300重量部以下、さらに好ましくは200重量部以
下、特に好ましくは100重量部以下〔ただし、ブロッ
ク(A)とブロック(C)の重量比率は上記に同じ〕で
ある。ブロック(C)の含量がブロック(A)とブロッ
ク(B)の合計量100重量部に対して300重量部を
超えると、(イ)成分および/または(ロ)成分と
(ハ)成分との相溶性が低下し、結果として(イ)成分
と(ロ)成分との相溶性が不十分となるため、得られる
組成物の物性が劣るものとなる。
【0021】本発明で使用される(ハ)水添ブロック共
重合体は、水添前重合体中のオレフィン性不飽和結合の
少なくとも80%以上、好ましくは85%以上、さらに
好ましくは90以上%が水素添加されて飽和されている
ことが必要である。これが80%未満の場合、「(ハ)
成分と(イ)成分」および「(ハ)成分と(ロ)成分」
の相溶性が低下するため、結果として(イ)成分と
(ロ)成分との相溶化が不十分となり、得られる耐衝撃
性および剛性が低下する。
【0022】本発明の(ハ)水添ブロック共重合体の重
量平均分子量は1万〜70万、好ましくは5万〜60万
である。1万未満では、「(ハ)成分と(イ)成分」お
よび「(ハ)成分と(ロ)成分」の相溶性が低下するた
め、結果として(イ)成分と(ロ)成分との相溶化が不
十分となり、得られる耐衝撃性および剛性が低下する。
一方、(ハ)成分の重量平均分子量が70万を越える
と、得られる組成物の成形外観が劣るものとなる。
【0023】本発明の組成物は、(イ)ポリプロピレ
ン、(ロ)オレフィン系エラストマー、(ハ)水添ブロ
ック共重合体からなり、剛性、耐衝撃性、流動性のバラ
ンスに優れた組成物である。本発明の組成物における
(イ)ポリプロピレン、(ロ)オレフィン系エラストマ
ー、(ハ)水添ブロック共重合体の配合割合は、(イ)
成分30〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、
(ロ)成分70〜5重量%、好ましくは50〜10重量
%、の合計100重量部に対して、(ハ)成分0.1〜
50重量部、好ましくは0.3〜45重量部である。
【0024】(イ)成分が50重量%未満である場合、
剛性の低下が見られ、95重量%を超えると、組成物と
した場合の耐衝撃性が不十分であり好ましくない。ま
た、(ロ)成分が5重量%未満の場合、組成物とした場
合の耐衝撃性の改良効果が不十分であり、50重量%を
超えると剛性が低下し、流動性も不十分となり、本発明
の目的を達し得ないため好ましくない。さらに、(ハ)
成分が(イ)+(ロ)成分の合計100重量%に対して
0.1重量部未満である場合、組成物とした場合の耐衝
撃性の改良効果が不十分であり、50重量部を超える
と、剛性が低下し、本発明の目的を達し得ないため好ま
しくない。
【0025】本発明の組成物には、必要に応じて、
(ニ)成分として無機充填材を添加することが可能であ
る。この(ニ)成分の添加により、特に剛性に優れ、高
剛性かつ高流動性で、しかも耐衝撃性、成形外観の良好
な組成物を得ることが可能となる。本発明の組成物にお
いて、(ニ)成分を構成する無機充填材は、組成物の剛
性を高めるものであり、例えば、シリカ、タルク、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、チタン酸カリウ
ムウイスカー、モンモリロナイト、酸化亜鉛ウイスカー
等が挙げられ、単独で、または2種以上を混合して用い
られる。本発明の組成物における(ニ)成分の配合量
は、50重量部以下であり、好ましくは40重量部以下
である。(ニ)成分の配合量が50重量部を超えた場
合、特に低温での耐衝撃性の低下が大きく、さらに流動
性、剛性、耐衝撃性、成形外観のバランスが劣るため好
ましくない。
【0026】本発明の組成物の製造としては、特に限定
されるものではなく、公知の方法を用いることができ
る。例えば、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロールなどで各成分を混練りすることによって、本
発明の組成物を得ることができる。本発明の(ハ)成分
である水添ブロック共重合体や(イ)〜(ニ)成分を用
いた組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば老化
防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤などの安
定剤、カーボン、アラミド繊維、木粉、コルク粉末、セ
ルロースパウダー、ゴム粉などの充填剤などを配合して
用いることができる。また、本発明の組成物には、上記
添加剤とともに、可塑剤、オイル、低分子量ポリマーな
どの軟化剤を配合して使用することもできる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに説明す
るが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は、かかる
実施例により限定されるものではない。なお、実施例中
の部および%は、特に断らない限り重量基準である。ま
た、実施例中の各種測定は、下記の方法に拠った。1,2−結合含量、ビニル結合含量 1,2−結合等の含量は、赤外分析法を用い、ハンプト
ン法により算出した。水添率 共役ジエンの水添率は、四塩化エチレンを溶媒に、10
0MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。重量平均分子量 重量平均分子量(以下、「分子量」ともいう)は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
い、ポリスチレン換算で求めた。
【0028】流動性 JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.1
6kgでのメルトフローレート(MFR)を測定し、成
形加工性の指標とした。剛性 JIS K7203に従って曲げ弾性率を測定し、剛性
の指標とした。耐衝撃性 JIS K7110に従ってアイゾット衝撃強度を測定
し、耐衝撃性の指標とした。
【0029】参考例 実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分
は、以下の通りである。ポリプロピレン 三菱化学(株)製BC06C(曲げ弾性率:16000
kgf/cm2、メルトフローレート(MFR、g/1
0分):60)オレフィン系エラストマー EP−1:エチレン・プロピレン共重合体〔日本合成ゴ
ム(株)製EP01NS〕 EP−2:エチレン・プロピレン共重合体〔日本合成ゴ
ム(株)製EP912〕 EB−1:エチレン・1−ブテン共重合体〔日本合成ゴ
ム(株)製EBM2041P〕水添ブロック共重合体 表1に示す構造および物性を有する水添ブロック共重合
体。(S−1〜S−4)
【0030】
【表1】 *1)スチレン *2)1、3−ブタジエン *3)イソプレン *4)カップリング剤残基
【0032】
【表2】
【0033】実施例1〜2、比較例1 水添ブロック共重合体(S−1)とポリプロピレン、お
よびオレフィン系エラストマーを、同方向2軸押出機を
用いて、表2に示す重量比率で混合・ペレット化し、射
出成形により物性評価用の試験片を作製した。物性評価
の結果を表2に示す。これらの実施例は、いずれも本発
明の範囲内の水添ブロック共重合体を用いた組成物であ
り、低温での耐衝撃性に優れ、かつ流動性、剛性、耐衝
撃性のバランスが良好なものである。これに対し比較例
1は、水添ブロック共重合体を用いなかった例である
が、流動性は高いものの、低温での耐衝撃性が劣り、全
体として物性のバランスに欠けるものとなる。
【0034】
【表3】
【0035】実施例3〜6、比較例2 実施例1と同様に、水添ブロック共重合体とポリプロピ
レン、オレフィン系エラストマー、およびタルクを表3
に示す重量比率の組成物を作製し、各物性を評価した。
結果を表3に示す。実施例3〜6は、いずれも本発明の
範囲内の水添ブロック共重合体を用いた組成物であり、
特に耐衝撃性に優れ、かつこれら耐衝撃性と、流動性お
よび剛性とのバランスに優れたものである。これらに対
し比較例2は、水添ブロック共重合体を用いなかった例
であり、特に耐衝撃性が劣り、全体として耐衝撃性と剛
性、流動性とのバランスに欠けるものとなる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ポリプロピレン、オレ
フィン系エラストマー、および特定構造の水添ブロック
共重合体をブレンドすることにより、流動性、剛性、耐
衝撃性、のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成
物を得ることができる。 本発明の組成物は、射出成
形、押出成形、真空成形などによって各種成型品として
用いられ、その優れた特性を生かして、バンパー、イン
ストルメントパネル、ピラー、トリム、天井材、外板な
どの自動車内外装材、電気・電子の各種部品、ハウジン
グ、工業部品、文具、医療用部材、フィルム・シート製
品など幅広く用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)曲げ弾性率が8000kgf/c
    2(785MPa)以上かつ温度230℃、荷重2.
    16kgにおけるメルトフローレートが10g/10分
    以上であるポリプロピレン 30〜95重量%、および
    (ロ)オレフィン系エラストマー 70〜5重量%の合
    計100重量部に対して(ハ)芳香族ビニル化合物と共
    役ジエンとのランダム共重合体を主体とする重合体ブロ
    ック(a)、および1,2−結合で結合したブタジエン
    単位の含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブ
    ロック(b)を有するブロック共重合体または該ブロッ
    ク共重合体がカップリング剤残基を介して延長または分
    岐されたブロック共重合体中の、オレフィン性不飽和結
    合の80%以上を水素化してなる、ポリスチレン換算の
    重量平均分子量が1万〜70万である水添ブロック共重
    合体0.1〜50重量部(ニ)無機充填材 0〜50重
    量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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