JP3371578B2 - 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。 - Google Patents

耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。

Info

Publication number
JP3371578B2
JP3371578B2 JP27436294A JP27436294A JP3371578B2 JP 3371578 B2 JP3371578 B2 JP 3371578B2 JP 27436294 A JP27436294 A JP 27436294A JP 27436294 A JP27436294 A JP 27436294A JP 3371578 B2 JP3371578 B2 JP 3371578B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
block
polymer
copolymer
conjugated diene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27436294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08113695A (ja
Inventor
敬之 竹崎
和美 捫垣
洋一 鴨志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP27436294A priority Critical patent/JP3371578B2/ja
Publication of JPH08113695A publication Critical patent/JPH08113695A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3371578B2 publication Critical patent/JP3371578B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、耐表面傷つき性(耐ス
クラッチ性)、柔軟性、成形加工性に優れた熱可塑性エ
ラストマー組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、耐スクラッチ性や柔軟性の要求さ
れる家電用品のアウター部品やグリップ、自動車内装用
のインナーパネルやハンドル、レバーなどの表皮材や成
形品には、軟質ポリ塩化ビニル樹脂が使用されてきた。
しかしながら、この軟質ポリ塩化ビニル樹脂は、通常、
多量の可塑剤を含有しているため、可塑剤の移行、可塑
剤の特有の臭気などの問題がある。また、軟質ポリ塩化
ビニル樹脂は、通常のポリオレフィン系樹脂に比べて比
重が大きく、製品の軽量化において問題となる場合があ
った。さらに、製品を焼却処理する場合には、有害なガ
スが発生する可能性があり、リサイクル性に問題がある
などの地球環境の面からも代替材料の出現が強く望まれ
ていた。これに対し、ポリオレフィン系樹脂に種々の熱
可塑性エラストマーを配合し、柔軟でエラストマー弾性
に優れた素材が、熱可塑性オレフィン(TPO)という
一般名称で市販されている。しかしながら、熱可塑性オ
レフィンは、軟質ポリ塩化ビニル樹脂に比較した場合、
耐スクラッチ性や流動性を満足させるものではなかっ
た。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐スクラッチ性、柔
軟性、成形加工性に優れた新規な熱可塑性エラストマー
組成物を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、ポリオレフィン系樹脂と水添ジエン系重合体と
ノニオン系帯電防止剤を配合し、さらに必要に応じてエ
チレン−α−オレフィン系共重合ゴム、粘着付与樹脂、
シリコンオイル、有機脂肪酸アミド、結晶性低分子量ポ
リオレフィンを組み合わせることにより、耐スクラッチ
性、柔軟性、成形加工性に優れた熱可塑性エラストマー
組成物が得られるという驚くべき事実を見出し、本発明
を完成させたものである。 【0005】すなわち、本発明は、(イ)下記に示す
(イ−1)、(イ−2)および(イ−3)の群から選ば
れた少なくとも1種の、共役ジエン系重合体の共役ジエ
ン部分の二重結合が80%以上飽和された、数平均分子
量5万〜70万である水添ジエン系重合体10〜90重
量%、(ロ)ポリオレフィン系樹脂10〜60重量%、
および(ハ)エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム0
〜60重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=10
0重量%〕の合計量100重量部に対し、(ニ)ノニオ
ン系帯電防止剤0.01〜5重量部を配合してなり、か
つ架橋剤を含まない、耐スクラッチ性熱可塑性エラスト
マー組成物(以下「熱可塑性エラストマー組成物」とも
いう)を提供するものである。 【0006】(イ−1);芳香族ビニル化合物重合体ブ
ロック(A)と共役ジエン重合体もしくは芳香族ビニル
化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック
(B)とからなる、(A)−(B)もしくは(A)−
(B)−(A)ブロック共重合体、または芳香族ビニル
化合物と共役ジエンからなり、芳香族ビニル化合物が漸
増するテーパーブロック(C)からなる(A)−(B)
−(C)ブロック共重合体であって、 (イ−1)成分を構成する全モノマーにおける芳香族
ビニル化合物/共役ジエンの割合が重量比で5/95〜
60/40、 ブロック(A)および必要に応じて構成されるブロッ
ク(C)中の芳香族ビニル化合物の結合量が(イ−1)
成分を構成する全モノマーの3〜50重量%、かつブロ
ック(A)中の芳香族ビニル化合物の結合量が少なくと
も(イ−1)成分を構成する全モノマーの3重量%以
上、しかも ブロック(B)中の共役ジエン部分のビニル結合量が
20%を超える、ブロック共重合体、または該ブロック
共重合体単位がカップリング剤残基を介して重合体分子
鎖が延長しまたは分岐されたブロック共重合体、を水素
添加し、共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和さ
れた、数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系
重合体。 【0007】(イ−2);芳香族ビニル化合物を主体と
する重合体ブロック(D)と共役ジエンを主体とする重
合体ブロック(E)、およびビニル結合量が25%未満
であるポリブタジエン重合体ブロック(F)とからなる
(D)−(E)−(F)ブロック共重合体であって、 ブロック(D)の含量が5〜60重量%、 ブロック(E)の含量が30〜90重量%、かつ ブロック(F)の含量が5〜60重量%〔ただし、
(D)+(E)+(F)=100重量%〕、 であるブロック共重合体、または該ブロック共重合体単
位がカップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長ま
たは分岐されたブロック共重合体、を水素添加し、共役
ジエン部分の二重結合が80%以上飽和された、数平均
分子量が5万〜70万である水添ジエン系重合体。 【0008】(イ−3);ビニル結合量が25%未満で
あるポリブタジエン重合体ブロック(G)と、共役ジエ
ンを主体とする重合体であって共役ジエン部分のビニル
結合量が25%以上である重合体ブロック(H)とから
なる、(G)−(H)もしくは(G)−(H)−(G)
ブロック共重合体、または該ブロック共重合体単位がカ
ップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分
岐されたブロック共重合体、を水素添加し、共役ジエン
部分の二重結合が80%以上飽和された、数平均分子量
が5万〜70万である水添ジエン系共重合体。 【0009】本発明の(イ)成分は、共役ジエン系重合
体の共役ジエン部分の二重結合の水素添加率が80%以
上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以
上、かつ数平均分子量が5万〜70万、好ましくは10
万〜60万である、水添ジエン系重合体である。(イ)
成分の水素添加率が、80%未満では耐スクラッチ性、
透明性、機械的強度、耐熱性、耐候性が劣る。また、
(イ)成分の数平均分子量が、5万未満では得られる水
添ジエン系重合体をペレット化した場合、ブロッキング
し易くなるほか、他の樹脂とブレンドした場合、機械的
強度、成形外観が劣り、一方70万を超えると成形加工
性が劣る。 【0010】(イ)成分としては、例えば共役ジエンの
単独重合体、共役ジエンと芳香族ビニル化合物とのラン
ダム共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと
共役ジエンの重合体ブロックからなるブロック共重合
体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと芳香族ビニ
ル化合物/共役ジエンの共重合体ブロックからなるブロ
ック共重合体などの共役ジエン系重合体の水素添加物が
挙げられる。(イ)成分としては、好ましくは下記(イ
−1)、(イ−2)および(イ−3)の群から選ばれた
少なくとも1種の水添ジエン系重合体であり、これを用
いると、耐スクラッチ性、柔軟性、成形加工性に一段と
優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。以下の
本発明の(イ)成分の説明は、請求項2に示した水添ジ
エン系重合体(イ−1)、(イ−2)、(イ−3)を例
にして説明する。 【0011】(イ−1)成分; (イ−1)成分を構成する好ましい芳香族ビニル化合物
としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−
アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
エチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、より
好ましくはスチレン、α−メチルスチレンであり、これ
らは1種単独であるいは2種以上併用して使用すること
ができる。(イ−1)成分を構成する好ましい共役ジエ
ンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキ
サジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、
3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなど
が挙げられ、より好ましくは1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエンであり、最も好ましくは
1,3−ブタジエンである。 【0012】(イ−1)成分におけるブロック(A)
は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックで
あり、他に共重合可能な他のビニル化合物を好ましくは
10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下共重合
してもよい。 【0013】(イ−1)成分中の全モノマーにおける芳
香族ビニル化合物/共役ジエンの好ましい重量比は、5
/95〜60/40、さらに好ましくは7/93〜50
/50である。芳香族ビニル化合物が、5重量%未満
(共役ジエンが95重量%を超える)では、機械的強
度、加工性、耐熱性が劣り、また得られる水添ジエン系
重合体をペレット化した場合、ブロッキングし易くな
る。一方、芳香族ビニル化合物が、60重量%を超える
(共役ジエンが40重量%未満)と、樹脂状となり、耐
衝撃性、柔軟性、低温特性が劣る。 【0014】また、ブロック(A)および必要に応じて
構成されるブロック(C)中の芳香族ビニル化合物の好
ましい結合量は、(イ−1)成分を構成する全モノマー
の3〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%、
特に好ましくは5〜30重量%である。この芳香族ビニ
ル化合物の結合量が、全モノマーの3重量%未満では、
耐熱性、機械的強度が劣り、また得られる水添ジエン系
重合体をペレット化した場合、ブロッキングし易くなる
ほか、他の成分とブレンドした場合、加工性に劣り、一
方50重量%を超えると、柔軟性、加工性、低温特性が
劣る。また、ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物の
好ましい結合量は、(イ−1)成分を構成する全モノマ
ーの3重量%以上、さらに好ましくは5〜30重量%で
あり、3重量%未満では、他の成分とブレンドした場
合、機械的強度、加工性、耐熱性が劣る。 【0015】さらに、ブロック(B)中の水素添加前の
共役ジエン部分好ましいビニル結合量は、20%を超え
て、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは60
%以上である。20%以下では、(ロ)ポリオレフィン
樹脂にブレンドした場合の柔軟改良効果が低下する。こ
の(イ−1)成分の共役ジエン部分の二重結合の水素添
加率は、80%以上であり、好ましくは90%以上、さ
らに好ましくは95%以上である。80%未満では、耐
スクラッチ性、耐熱性、耐候性、機械的強度が劣り好ま
しくない。 【0016】なお、(イ−1)成分を構成するブロック
共重合体中のブロック(A)、(B)、(C)の好まし
い含量は、ブロック(A)3〜50重量%、さらに好ま
しくは4〜40重量%、ブロック(B)30〜97重量
%、さらに好ましくは35〜94重量%、ブロック
(C)0〜50重量%、さらに好ましくは2〜40重量
%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕
である。また、ブロック(A)、(B)、(C)の好ま
しい数平均分子量は、ブロック(A)1,500〜35
0,000、さらに好ましくは4,000〜240,0
00、ブロック(B)15,000〜679,000、
さらに好ましくは35,000〜564,000、ブロ
ック(C)0〜350,000、さらに好ましくは2,
000〜240,000の範囲である。 【0017】(イ−1)成分の水添ジエン系重合体の数
平均分子量は、5万〜70万、好ましくは10万〜60
万である。5万未満では、得られる水添ジエン系重合体
をペレット化した場合、ブロッキングし易くなるほか、
機械的強度が低下し、一方70万を超えると、流動性、
成形加工性が劣り好ましくない。本発明の(イ−1)水
添ジエン系重合体は、例えば特開平3−72512号公
報第4頁右上欄第13行〜第6頁左下欄第1行に開示さ
れている方法によって得ることができる。 【0018】本発明の(イ−1)水添ジエン系重合体
は、(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)、
または(A)−(B)−(C)ブロック構造を有する
が、カップリング剤を添加することにより、下記一般式
で表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐され
たブロック共重合体であってもよい。〔(A)−
(B)〕l−X、〔(A)−(B)−(A)〕l−X、
または〔(A)−(B)−(C)〕l−X〔式中、
(A)、(B)、(C)は上記に同じ。lは2〜4の整
数、Xはカップリング剤残基を示す。〕 【0019】この際のカップリング剤としては、例えば
アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロ
シラン、ブチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラ
ン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチ
ルクロロシラン、テトラクロロゲルマニウム、1,2−
ジブロムエタン、1,4−クロルメチルベンゼン、ビス
(トリクロルシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、ト
リレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイ
ソシアネートなどが挙げられる。 【0020】(イ−2)成分; (イ−2)成分に使用される芳香族ビニル化合物、共役
ジエンは、上記(イ−1)成分に使用されるものと同様
である。ここで、(イ−2)成分の水添ジエン系重合体
を構成するブロック(D)は、芳香族ビニル化合物を主
体とする重合体ブロックであり、詳細には芳香族ビニル
化合物の単独重合体、あるいは芳香族ビニル化合物をブ
ロック(D)中に90重量%以上含有する共役ジエンと
の共重合体であって、共役ジエン部分の80%以上が水
素添加された重合体ブロックが好ましい。ブロック
(D)中の芳香族ビニル化合物含量が90重量%未満で
は、強度、耐候性が低下する。(イ−2)成分中のブロ
ック(D)の好ましい含量は、5〜60重量%、さらに
好ましくは5〜55重量%であり、5重量%未満では耐
熱性、機械的強度が劣り、一方60重量%を超えると成
形加工性、柔軟性が劣る。なお、ブロック(D)の好ま
しい数平均分子量は、2,000〜420,000であ
る。 【0021】また、(イ−2)水添ジエン系重合体を構
成するブロック(E)は、共役ジエン重合体ブロック、
あるいは芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体ブロ
ックである。ブロック(E)の好ましい含量は、30〜
90重量%、さらに好ましくは35〜90重量%であ
り、30重量%未満では柔軟性が低下し、一方90重量
%を超えると成形加工性、機械的強度が低下する。 【0022】なお、ブロック(E)に含まれる水素添加
前の共役ジエン部分のビニル結合量は、好ましくは25
〜95%、さらに好ましくは30〜90%である。ブロ
ック(E)となる水素添加前の共役ジエン重合体ブロッ
クのうち、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、ビニ
ル結合量が25%未満では、水素添加されるとポリエチ
レン連鎖が生成し、ゴム的性質が失われ、一方95%を
超えると、水素添加されるとガラス転移温度が高くな
り、ゴム的性質が失われて好ましくない。また、ブロッ
ク(E)に含有されることのある芳香族ビニル化合物の
好ましい使用量は、ブロック(E)を構成するモノマー
の35重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、
特に好ましくは25重量%以下であり、35重量%を超
えるとブロック(E)のガラス転移温度が上昇し、低温
特性、柔軟性が劣る。さらに、ブロック(E)の好まし
い数平均分子量は、15,000〜630,000、さ
らに好ましくは35,000〜420,000であっ
て、共役ジエン部分の二重結合が80%以上水素添加さ
れた共役ジエン重合体ブロックである。 【0023】さらに、(イ−2)水添ジエン系重合体を
構成するブロック(F)中の水素添加前のポリブタジエ
ンの好ましいビニル結合量は、25%未満、さらに好ま
しくは20%以下である。このビニル結合量が、25%
以上では水素添加された後に樹脂的性質が失われ、また
ブロック共重合体としての熱可塑性エラストマーの性質
が失われる。また、ブロック(F)の好ましい含量は、
5〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%であ
る。ブロック(F)の含量が、5重量%未満では機械的
強度が低下し、一方60重量%を超えると柔軟性が劣
る。さらに、ブロック(F)の好ましい数平均分子量
は、2,500〜420,000であって、ポリブタジ
エンブロックのブタジエン部分の二重結合を80%以上
が水素添加されたポリブタジエン重合体ブロックであ
る。 【0024】本発明の(イ−2)水添ジエン系重合体の
数平均分子量は、5〜70万、好ましくは10〜60万
であり、5万未満では得られる組成物の機械的強度、耐
熱性が低下し、一方70万を超えると流動性、加工性が
低下する。本発明に使用される(イ−2)水添ジエン系
重合体は、例えば特開平2−133406号公報第4頁
左下欄第13行〜第5頁左下欄第10行に開示されてい
る方法によって得ることができる。 【0025】本発明の(イ−2)水添ジエン系重合体
は、(D)−(E)−(F)ブロック構造を有するが、
カップリング剤を添加することにより、下記一般式で表
されるような、重合体分子鎖が延長または分岐されたブ
ロック共重合体であってもよい。 〔(D)−(E)−(F)〕m−Y、または〔(D)−(E)−(F)〕Y〔( D)−(E)〕 〔式中、(D)、(E)、(F)は上記に同じ。mは2
〜4の整数、Yはカップリング剤残基を示す。〕 この際のカップリング剤としては、上記(イ−1)成分
で使用されるものと同様である。 【0026】(イ−3)成分; (イ−3)成分に使用される芳香族ビニル化合物、共役
ジエンは、上記(イ−1)成分に使用されるものと同様
である。ここで、本発明に使用される(イ−3)成分で
ある水添ジエン系重合体は、ビニル結合量が25%未満
であるポリブタジエン重合体ブロック(G)と、共役ジ
エンを主体とする重合体であって共役ジエン部分のビニ
ル結合量が25%以上である重合体ブロック(H)とか
らなる、(G)−(H)もしくは(G)−(H)−
(G)ブロック共重合体、または該ブロック共重合体単
位がカップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長ま
たは分岐されたブロック共重合体、を水素添加し、共役
ジエン部分の二重結合が80%以上飽和された、数平均
分子量が5万〜70万である水添ジエン系重合体であ
る。 【0027】(イ−3)成分中のブロック(G)は、水
素添加により通常の低密度ポリエチレンに類似の構造を
示す結晶性の重合体ブロックとなる。ブロック(G)中
の水素添加前のポリブタジエンの好ましいビニル結合量
は、25%未満であるが、さらに好ましくは20%以
下、特に好ましくは15%以下であり、25%以上では
水素添加後の結晶融点の降下が著しく、機械的強度が劣
る。 【0028】また、ブロック(H)は、共役ジエンを主
体とし、詳細には共役ジエン単独重合体ブロック、ある
いは芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体ブロック
であり、水素添加により、例えば共役ジエンがブタジエ
ンの場合、ゴム状のエチレン−ブテン−1共重合体ブロ
ック、あるいは芳香族ビニル化合物−エチレン−ブテン
−1共重合体と類似の構造を示す重合体ブロックとな
る。 【0029】なお、ブロック(H)に含有されることの
ある芳香族ビニル化合物の好ましい使用量は、ブロック
(H)を構成するモノマーの35重量%以下、さらに好
ましくは30重量%以下、特に好ましくは25重量%以
下であり、35重量%を超えると、ブロック(H)のガ
ラス転移温度が上昇し、低温特性、柔軟性が劣る。ま
た、ブロック(H)の水素添加前の共役ジエン部分の好
ましいビニル結合量は、25%以上であり、さらに好ま
しくは25〜95%、特に好ましくは35〜85%であ
る。25%未満では、水素添加により、例えば共役ジエ
ンがブタジエンの場合、ポリエチレン鎖に由来する結晶
構造を示し、樹脂状の性状となり柔軟性が劣る。 【0030】さらに、(イ−3)成分中に占めるブロッ
ク(G)/(H)の好ましい重量比率は、通常、5/9
5〜90/10、さらに好ましくは10/90〜80/
20である。ブロック(G)が5重量%未満〔ブロック
(H)が95重量%を超える〕場合には、結晶性の重合
体ブロックが不足し、機械的強度に劣る。一方、ブロッ
ク(G)が90重量%を超える〔ブロック(H)が10
重量%未満〕の場合には、柔軟性に劣る。 【0031】本発明で使用される(イ−3)水添ジエン
系重合体は、ブロック(G)およびブロック(H)の共
役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%、好ましく
は90%以上、特に好ましくは95%以上が水素添加さ
れて飽和されていることが必要であり、80%未満では
耐候性、機械的強度が劣る。なお、ブロック(G)の好
ましい数平均分子量は、2,500〜630,000、
さらに好ましくは10,000〜480,000であ
る。また、ブロック(H)の好ましい数平均分子量は、
5,000〜665,000、さらに好ましくは20,
000〜540,000である。本発明の(イ−3)水
添ジエン系重合体の数平均分子量は、5〜70万、好ま
しくは10〜60万であり、5万未満では得られる組成
物の機械的強度、耐熱性が低下し、一方70万を超える
と流動性、加工性、柔軟性が低下する。本発明に使用さ
れる(イ−3)水添ジエン系重合体は、例えば特開平3
−128957号公報第4頁右下欄第8行〜第6頁左下
欄第7行に開示されている方法によって得ることができ
る。 【0032】本発明の(イ−3)水添ジエン系重合体
は、(G)−(H)もしくは(G)−(H)−(G)ブ
ロック構造を有するが、カップリング剤を添加すること
により、下記一般式で表されるような、重合体分子鎖が
延長または分岐されたブロック共重合体であってもよ
い。〔(G)−(H)〕n−Z、または〔(G)−
(H)−(G)〕nZ〔式中、(G)、(H)は上記に
同じ。nは2〜4の整数、Zはカップリング剤残基を示
す。〕この際のカップリング剤としては、上記(イ−
1)成分で使用されるものと同様である。 【0033】本発明に使用される(イ)水添ジエン系重
合体は、官能基で変性してもよく、酸無水物基、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート
基およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する不飽和化合物を用いて、ニーダー、ミキ
サー、押出機などで変性することができる。 【0034】本発明の(イ)水添ジエン系重合体の配合
量は、(イ)〜(ハ)成分中に10〜90重量%、好ま
しくは15〜85重量%である。10重量%未満では、
柔軟性、耐スクラッチ性が劣り、一方90重量%を超え
ると、成形加工性が劣る。 【0035】次に、本発明に(ロ)成分として使用され
るポリオレフィン樹脂は、1種または2種以上のモノオ
レフィンを高圧法または低圧法のいずれかによる重合か
ら得られる樹脂であり、好ましくはポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン−1である。このポリオレフィ
ン樹脂は、単独重合体であってもよく、また次に示すよ
うな他のモノマーを共重合した共重合体であってもよ
い。 【0036】(ロ)成分において、好ましい共重合可能
な他のモノマーとしては、例えばエチレン(主たる重合
体がポリエチレンの場合を除く)、ブテン−1(主たる
重合体がポリブテン−1である場合を除く)、ペンテン
−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1など
の直鎖状α−オレフィン、4−メチルペンテン−1、2
−メチルプロペン−1、3−メチルペンテン−1、5−
メチルヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4
−ジメチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィン、
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸
などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸などのジカルボン酸やそのモノエス
テル、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エ
チルアクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸
エステル、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどの飽和
カルボン酸のビニルエステル、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、無水アコニット酸なの酸無水物、アクリロニトリル
やメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル、
1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリ
デンノルボルネンなどのジエンモノマー、さらにアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、マレイミドなどが用いら
れる。これらの共重合可能な他のモノマーは、単独であ
るいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら共
重合成分の量は、好ましくは20重量%以下、さらに好
ましくは10重量%以下である。これらを共重合した場
合の共重合体の様式については特に制限はなく、例えば
ランダム型、ブロック型、グラフト型、これらの混合型
など、いずれであってもよい。 【0037】(ロ)成分として用いられる好ましい共重
合体としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピ
レン−ブテン−1共重合体、ブテン−1−エチレン共重
合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重
合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブ
チルアクリレート共重合体などが挙げられる。これら
(ロ)ポリオレフィン系樹脂は、単独であるいは2種以
上を併用して用いることができる。 【0038】なお、本発明に使用される(ロ)ポリオレ
フィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(AST
M D1238、230℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.01〜100g/10分、さらに好ましく
は0.1〜80g/10分である。 【0039】本発明の組成物中の(ロ)ポリオレフィン
系樹脂の配合量は、(イ)〜(ハ)成分中に10〜60
重量%、好ましくは15〜55重量%であり、10重量
%未満では機械的強度、耐熱性、成形加工性が劣り、一
方60重量%を超えると柔軟性、耐スクラッチ性が劣る
ものとなる。 【0040】次に、(ハ)成分を構成するエチレン−α
−オレフィン系共重合ゴムは、本質的にオレフィン系ゴ
ムであり、無定型のランダム共重合体、ブロック共重合
体、変性共重合体を総称するものである。(ハ)エチレ
ン−α−オレフィン系共重合ゴムとしては、好ましくは
α−オレフィンが炭素数3〜12、ムーニー粘度(ML
1+4 、100℃)が3〜120、分子量分布〔Mw(重
量平均分子量)/Mn(数平均分子量)〕が1.3〜1
0、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエンの割合が
重量比で30〜95/5〜70/0〜8のものである。 【0041】(ハ)成分に用いられるα−オレフィンと
しては、炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1などの直鎖状α−オレフィ
ン、4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−
1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−
1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1などの分岐状α−オレフィンが挙げられる。好ま
しくは、プロピレン、ブテン−1である。これらは、1
種単独であるいは2種以上併用して使用することができ
る。 【0042】また、(ハ)成分に用いられることのある
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、トリシ
クロペンタジエン、5−メチル−2,5−ノルボナジエ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン
−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボ
ルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5
−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、シクロオクタ
ジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロド
デカトリエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタ
ジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、
1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オク
タジエンなどが挙げられ、好ましくは5−エチリデン−
2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。これ
らは、1種単独であるいは2種以上併用して使用するこ
とができる。 【0043】本発明の組成物中の(ハ)成分の配合量
は、(イ)〜(ハ)成分中に0〜60重量%、好ましく
は1〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%で
ある。1重量%以上使用すると、高価な(イ)水添ジエ
ン系重合体の使用量を下げることができ、経済的に有利
であるが、60重量%を超えると、耐スクラッチ性、成
形加工性が低下する。 【0044】次に、(ニ)ノニオン系帯電防止剤として
は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、N−2−ヒ
ドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン脂肪酸エステル、アルキルジエタノー
ルアマイドなどであり、好ましくはグリセリン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステルである。これらの
(ハ)ノニオン系帯電防止剤は、1種単独であるいは2
種以上併用して使用することができる。 【0045】これらのうち、(ニ)成分として使用され
るグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数8〜22の脂肪
酸とグリセリンのエステルであり、好ましい脂肪酸の例
としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、
ベヘニン酸およびこれらの混合酸などが挙げられ、特に
ステアリン酸が好ましい。一般に、脂肪酸とグリセリン
とのエステル化反応では、モノエステル以外に、ジエス
テル、トリエステルなどの混合物として得られるが、本
発明においては、モノエステル含量ができるだけ多い方
が好ましい。 【0046】また、(ニ)成分として使用されるソルビ
タン脂肪酸エステルは、ソルビトールと炭素数8〜22
の脂肪酸との環化/エステル化反応によって得られるも
のであり、好ましい脂肪酸の例としては、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘニン酸およびこれら
の混合酸などが挙げられ、特にラウリン酸、ステアリン
酸が好ましい。 【0047】本発明の組成物中の(ニ)ノニオン系帯電
防止剤の配合量は、(イ)〜(ハ)成分の合計量100
重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.0
5〜4重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部であ
る。0.01重量部未満では、良好な耐スクラッチ性が
得られず、一方5重量部を超えると、成形品の表面状態
が悪化して好ましくない。 【0048】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
以上のように、(イ)水添ジエン系重合体、(ロ)ポリ
オレフィン系樹脂および(ハ)エチレン−α−オレフィ
ン系共重合ゴムに対し、(ニ)ノニオン系帯電防止剤を
配合してなるが、さらに必要に応じて(ホ)粘着付与樹
脂、(へ)シリコンオイル、(ト)有機脂肪酸アミド、
(チ)数平均分子量2万以下の結晶性低分子量ポリオレ
フィンを配合することができる。 【0049】このうち、(ホ)成分として使用される粘
着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹
脂、合成石油系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹
脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹
脂などが挙げられ、好ましくはロジン系樹脂、ポリテル
ペン系樹脂、合成石油系樹脂であり、特に脂肪族および
/または脂環族構造を有するものが好ましい。ここで、
脂肪族および/または脂環族構造を有する粘着付与樹脂
としては、ロジン系樹脂では部分および完全水添ロジン
とこれらの誘導体、ポリテルペン系樹脂では環状テルペ
ンの単独重合体あるいは共重合体およびこれらの水素添
加物、合成石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、脂環族系
石油樹脂、脂肪族−脂環族共重合樹脂、ナフサ分解油と
各種テルペンとの共重合体の水素添加物が挙げられる。
これらの(ホ)粘着付与樹脂は、1種単独であるいは2
種以上併用して使用することができる。 【0050】本発明の組成物中の(ホ)粘着付与樹脂の
配合量は、(イ)〜(ハ)成分の合計量100重量部に
対し、0〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、さ
らに好ましくは3〜25重量部である。1重量部以上用
いると、流動性、柔軟性の改良に優れた効果を示すが、
40重量部を超えると、成形品の表面状態が悪化して好
ましくない。 【0051】また、(へ)成分として使用されるシリコ
ンオイルとしては、25℃における粘度が100万cs
t以下、好ましくは10万cst以下のポリジメチルシ
ロキサンである。本発明の(へ)シリコンオイルの配合
量は、(イ)〜(ハ)成分の合計量100重量部に対
し、0〜5重量部、好ましくは0.01〜4重量部、さ
らに好ましくは0.03〜3重量部である。0.01重
量部以上用いると、耐スクラッチ性、成形加工性の改良
に優れた効果を示すが、5重量部を超えると、成形加工
性が劣るものとなる。 【0052】さらに、(ト)成分として使用される有機
脂肪酸アミドとしては、例えばエルカ酸アミド、ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、
N−ステアリル酪酸アミド、N−ステアリルカプリル酸
アミド、N−ステアリルラウリン酸アミド、N−ステア
リルステアリン酸アミド、N−ステアリルベヘニン酸ア
ミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルベ
ヘニン酸アミド、N−ブチルエルカ酸アミド、N−オク
チルエルカ酸アミド、N−ラウリルエルカ酸アミド、エ
チレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン
酸アミド、ヘキサンメチレンビスオレイン酸アミド、
N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジ
オレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。これらの
なかで好ましいものとしては、エルカ酸アミド、ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミドが
挙げられる。これらの(ト)有機脂肪酸アミドは、1種
単独であるいは2種以上併用して使用することができ
る。 【0053】本発明の(ト)有機脂肪酸アミドの配合量
は、(イ)〜(ハ)成分の合計量100重量部に対し、
0〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。
0.01重量部以上用いると、耐スクラッチ性、成形加
工性の改良に優れた効果を示すが、5重量部を超える
と、成形品の表面状態が悪化して好ましくない。 【0054】さらに、(チ)成分として使用される数平
均分子量が2万以下の結晶性低分子量ポリオレフィンと
は、一般に高分子量ポリオレフィンの熱分解によって工
業的に生産されているものであるが、高分子量ポリオレ
フィン製造時に副生されているものでもよく、例えば数
平均分子量2万以下、軟化点140〜155℃、密度
0.89程度の性状を示す結晶性低分子量ポリプロピレ
ン、数平均分子量1万以下、軟化点100〜120℃、
密度0.91〜0.94程度の性状を示す結晶性低分子
量ポリエチレンが挙げられる。これらの(チ)結晶性低
分子量ポリオレフィンは、1種単独であるいは2種以上
併用して使用することができる。 【0055】本発明の(チ)結晶性低分子量ポリオレフ
ィンの配合量は、(イ)〜(ハ)成分の合計量100重
量部に対し、0〜30重量部、好ましくは1〜25重量
部、さらに好ましくは5〜25重量部である。1重量部
以上用いると、成形加工性の改良に優れた効果を示す
が、30重量部を超えると、成形加工性の効果の割にコ
スト的に不利であり、また柔軟性が劣るものとなる。 【0056】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、以上の(イ)、(ロ)、(ニ)成分、および必要
に応じて組み合わされる(ハ)、(ホ)、(へ)、
(ト)、(チ)成分のほかに、用途に応じて耐スクラッ
チ性、柔軟性、成形加工性を阻害しない程度の量の酸化
防止剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、ブリード・ブルーム防止剤、シール性改良剤、結晶
核剤、難燃化剤、防菌・防カビ剤、分散剤、軟化剤、可
塑剤、粘度調整剤、着色防止剤、発泡剤、発泡助剤、酸
化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、フェライト
などの金属粉末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊
維、炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維、複合繊
維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカ
ー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、
アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリ
ン、ケイソウ土、グラファイト、軽石、エボ粉、コット
ンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポ
リマービーズなどの充填剤またはこれらの混合物、ある
いは他のゴム質重合体、例えばSBR、NBR、BR、
NR、IR、1,2−ポリブタジエン、AR、CR、I
IR、またそのほか必要に応じて上記(イ)〜(チ)成
分以外の熱可塑性樹脂、例えばジエン系樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
エーテル系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、POMなどを適宜配合することができる。 【0057】本発明の組成物は、押出機、ニーダー、バ
ンバリーミキサーなどの従来公知の混練り機、およびこ
れらを組み合わせた混練り機により、溶融混練りするこ
とによって、また射出成形機でドライブレンドすること
により、得ることができる。本発明の組成物を製造する
には、各成分を一括で混合してもよく、任意の成分をあ
らかじめ予備混合したのち、残りの成分を添加して混合
してもよい。最も好ましい混合装置は、一軸あるいは二
軸の押出機であり、これにより連続的に効率よく混練り
し、ペレット化することができる。 【0058】本発明の組成物は、従来公知の方法、例え
ば押出成形、射出成形、中空成形、圧縮成形、真空成
形、スラッシュ成形、蒸気発泡成形、積層成形、カレン
ダー成形などにより、実用上有用な成形品に加工するこ
とができる。また、必要に応じて、発泡、粉末、延伸、
接着、印刷、塗装、メッキなどの加工を施すこともでき
る。本発明の組成物を用いて得られる押出成形品として
は、シート、フィルム、チューブ、異形品、ネット、ブ
ロックなどを挙げることができ、種々の用途、例えばキ
ャップライナーなどの食品用途、日用雑貨用途、スキー
用具、ゴルフボールコア材などの運動用具・玩具用途、
デスクマット、手帳表皮材などの文具用途、ハンドル表
皮材、ピラーガーニッシュなどの自動車内装用途、ドア
モールなどの自動車外装用途、土木シート、防水シート
などの土木・建築用途、掃除機用コーナーバンパー、冷
蔵庫用ドアシールなどの家電機器用、AV機器用途、O
A・事務機器用途、靴底などの履物・医療品用途、ホー
ス・チューブ材、テキスタイル用途、医療用機器用途、
化学・鉱工業用資材、包装輸送用資材、農・蓄・水産資
材などに使用することができる。 【0059】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の好
ましい実施態様は、次のとおりである。 (イ)水添ジエン系重合体を構成する共役ジエンが、
1,3−ブタジエンである熱可塑性エラストマー組成
物。 (イ)水添ジエン系重合体を構成する芳香族ビニル化
合物が、スチレンである熱可塑性エラストマー組成物。 (ロ)ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−ブテン−1共重合体、またはポ
リブテン−1である熱可塑性エラストマー組成物。 (ハ)エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムが、エ
チレン−プロピレンゴム、またはエチレン−プロピレン
−エチリデンノルボルネンゴムである熱可塑性エラスト
マー組成物。 (ニ)ノニオン系帯電防止剤が、グリセリン脂肪酸エ
ステル、またはソルビタン脂肪酸エステルである熱可塑
性エラストマー組成物。 【0060】(ホ)粘着付与樹脂が、ロジン系樹脂、
ポリテルペン系樹脂、または合成石油系樹脂である熱可
塑性エラストマー組成物。 (へ)シリコンオイルが、ポリジメチルシロキサンで
ある熱可塑性エラストマー組成物。 (ト)有機脂肪酸エステルが、エルカ酸アミド、ステ
アリン酸アミド、オレイン酸アミド、またはベヘニン酸
アミドである熱可塑性エラストマー組成物。 (チ)結晶性低分子量ポリオレフィンが、結晶性低分
子量ポリエチレン、または結晶性低分子量ポリプロピレ
ンである熱可塑性エラストマー組成物。 【0061】 【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は、か
かる実施例により限定されるものではない。なお、実施
例中において、部および%は、特に断らない限り重量基
準である。また、実施例中の各種の測定は、以下の方法
に拠った。 【0062】 水添ジエン系重合体の芳香族ビニル化合物結合量 679cm-1のフェニル基の吸収を基に、赤外分析法に
より分析した。 水添ジエン系重合体の共役ジエン部分のビニル結合量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 水添ジエン系重合体の数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒にして、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
い、ポリスチレン換算で求めた。 水添ジエン系重合体の水素添加率(水添率) 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H−N
MRスペクトルから算出した。 【0063】耐スクラッチ性 (株)東洋精機製作所製のテーパースクラッチテスター
試験機を用い、荷重を変えながら引っ掻き試験を実施し
た。試料の表面が艶消し状態に傷ついたときの荷重を傷
つき荷重とし、以下の基準で判定した。 ◎;耐スクラッチ性に優れる;傷つき荷重が120g以
上 ○;耐スクラッチ性がよい ;傷つき荷重が70g〜1
20g未満 △;耐スクラッチ性がある ;傷つき荷重が30g〜7
0g未満 ×;耐スクラッチ性が劣る ;傷つき荷重が30g未満 柔軟性 JIS K6310に準拠し、JIS A硬度を測定し
た。 【0064】成形加工性 下記の基準に従って、フィルムゲートの15×15×2
mmシートの金型を用いて射出成形を行い、得られた成
形品の外観から成形性を評価した。 ○;幅広い成形条件で、外観が良好な成形品が得られ
る。 △;限られた成形条件で、外観が良好な成形品が得られ
る。 ×;パール光沢を有する、フローマークを有する、ブリ
ード・ブルームがある、表面が荒れている、表面の粘着
性が激しいなど、外観不良現象が見られ、成形条件によ
って修正が困難である。 【0065】参考例 実施例および比較例の配合処方に用いられる各種の成分
は、以下のとおりである。水添ジエン系重合体P−1〜25 水添ジエン系重合体(P−1〜25)は、日本合成ゴム
(株)製の試作ポリマーであり、これらP−1〜25の
ミクロ構造、数平均分子量、水添率は、表1〜3に示す
とおりである。 【0066】ポリオレフィン系樹脂Q−1〜5 Q−1(ポリプロピレン);東ソー(株)製、プロピレ
ン−エチレンランダムコポリマー、J6200G Q−2(ポリエチレン);三菱油化(株)製、低密度ポ
リエチレン、YK−30 Q−3(エチレン−ブテン−1共重合体);日本合成ゴ
ム(株)製、JSREBM2041P Q−4(ポリブテン−1);三井石油化学工業(株)
製、ビューロン M3080 Q−5(ポリプロピレン);三菱油化(株)製、プロピ
レン−エチレンブロックコポリマー、BC5C 【0067】エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムR−1〜3 R−1(エチレン−プロピレンゴム);日本合成ゴム
(株)製、EP07P R−2(エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ンゴム);日本合成ゴム(株)製、EP57P R−3(伸展油含有エチレン−プロピレン−エチリデン
ノルボルネンゴム);日本合成ゴム(株)製、EP98
A、パラフィン系オイル=ゴム100部に対して75部
含有 【0068】ノニオン系帯電防止剤S−1〜2 S−1(グリセリンモノステアレート);理研ビタミン
(株)製、リケマールS−100P S−2(ソルビタンモノラウレート);日本乳化剤
(株)製、NRF−201 【0069】粘着付与樹脂T−1〜2 T−1(石油樹脂系粘着付与樹脂);荒川化学工業
(株)製、アルコンP−110 T−2(ポリテルペン系粘着付与樹脂);ヤスハラケミ
カル(株)製、クリアロンP115シリコンオイルU−1 U−1(ポリジメチルシロキサン);信越化学工業
(株)製、KF96A−500 【0070】有機脂肪酸アミドV1〜2 V−1(オレイン酸アミド);ライオン(株)製、アー
モスリップCP−P V−2(エルカ酸アミド);ライオン(株)製、アーモ
スリップE結晶性低分子量ポリオレフィンW−1〜2 W−1(低分子量ポリプロピレン);三洋化成(株)
製、ビスコール330−P(数平均分子量=約15,0
00) W−2(低分子量ポリエチレン);三洋化成(株)製、
サンワックス131−P(数平均分子量=約3,50
0) 【0071】架橋剤X−1〜2 X−1(有機過酸化物);日本油脂(株)製、パーヘキ
シン25B−40〔2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3)〕 X−2(樹脂架橋剤);住友化学(株)製、タッキロー
ル250I(臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂)プロセスオイル パラフィン系オイル;出光興産(株)製、ダイアナプロ
セスオイルPW380 【0072】架橋助剤 ジビニルベンゼン;三共化成(株)製、ジビニルベンゼ
その他の成分 ZnOステアリン酸 【0073】熱可塑性オレフィン(TPO) 表13に示す配合処方により、以下の手順に従い、熱可
塑性オレフィン(TPO−1〜3)を作製した。すなわ
ち、160℃に予熱したBRバンバリー型ラボプラスト
ミル〔(株)東洋精機製作所製、容量250cc〕に、
表13に示すエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムR
−3、およびポリオレフィン系樹脂Q−5を入れ、10
分間混練りした。次いで、プロセスオイルを加え、ポリ
オレフィン系樹脂が溶融し、かつ添加成分が均一に混合
されたのち、架橋剤、架橋助剤、およびその他の成分を
添加して、190℃まで昇温させながら約10分間混練
りを続けた。添加した架橋剤がほぼ100%作用したと
ころで、熱可塑性オレフィンを得た。混練り時のロータ
ーの回転数は、60rpmであった。また、熱可塑性オ
レフィンの架橋の程度は、エチレン−α−オレフィン系
共重合ゴムR−3の23℃、48時間でのシクロヘキサ
ンに不溶なゲル含量(%)で示した。 【0074】実施例1〜33、比較例1〜24 表4〜13に示す組成のエラストマー組成物の性能を評
価し、同表にその結果を示す。表4〜8に示す実施例1
〜35の結果から、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、表9〜13に示す比較例1〜24に比べて、柔軟
性、耐スクラッチ性、成形加工性に優れていること分か
る。また、実施例14、15、23、24、34、35
の結果から、(ホ)、(へ)、(ト)、(チ)成分を組
み合わせることにより、柔軟性、耐スクラッチ性、成形
加工性が一段と改良されていることが分かる。 【0075】これに対し、比較例1〜7、11、15〜
17、21は、配合比率が本発明の範囲外であるため、
柔軟性、耐スクラッチ性、成形加工性のバランスが劣
る。比較例8、13、19は、(イ)成分として、数平
均分子量が本発明の範囲を超えた水添ジエン系重合体を
使用した例、一方比較例9、12、18は、範囲未満の
水添ジエン系重合体を使用した例であり、いずれも柔軟
性、耐スクラッチ性、成形加工性のバランスが劣る。ま
た、比較例10、14、20は、(イ)成分として水素
添加率が本発明の範囲未満の水添ジエン系重合体を使用
した例であり、柔軟性、耐スクラッチ性、成形加工性の
バランスが劣る。さらに、比較例22〜24は、熱可塑
性オレフィン(TPO)であり、柔軟性、耐スクラッチ
性、成形加工性のバランスが劣る。 【0076】 【表1】【0077】 【表2】【0078】 【表3】【0079】 【表4】【0080】 【表5】【0081】 【表6】【0082】 【表7】【0083】 【表8】【0084】 【表9】【0085】 【表10】【0086】 【表11】【0087】 【表12】【0088】 【表13】【0089】 【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、本質的に優れた熱可塑性エラストマー組成物の物性
を有し、耐スクラッチ性、柔軟性、成形加工性に優れて
いる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記の
ような優れた特性を有する材料であり、例えばキャップ
ライナーなどの食品用途、日用雑貨用途、スキー用具、
ゴルフボールコア材などの運動用具・玩具用途、デスク
マット、手帳表皮材などの文具用途、ハンドル表皮材、
ピラーガーニッシュなどの自動車内装用途、ドアモール
などの自動車外装用途、土木シート、防水シートなどの
土木・建築用途、掃除機用コーナーバンパー、冷蔵庫用
ドアシールなどの家電機器用、AV機器用途、OA・事
務機器用途、靴底などの履物・医療品用途、ホース・チ
ューブ材、テキスタイル用途、医療用機器用途、化学・
鉱工業用資材、包装輸送用資材、農・蓄・水産資材など
に利用可能であり、工業的に価値の高い材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−292342(JP,A) 特開 平5−43770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08L 23/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 (イ)下記に示す(イ−1)、(イ−
    2)および(イ−3)の群から選ばれた少なくとも1種
    の、共役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二重結合が
    80%以上飽和された、数平均分子量5万〜70万であ
    る水添ジエン系重合体10〜90重量%、(ロ)ポリオ
    レフィン系樹脂10〜60重量%、および(ハ)エチレ
    ン−α−オレフィン系共重合ゴム0〜60重量%〔ただ
    し、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕の合計量
    100重量部に対し、(ニ)ノニオン系帯電防止剤0.
    01〜5重量部を配合してなり、かつ架橋剤を含まな
    い、耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。(イ−1);芳香族ビニル化合物重合体ブロック(A)
    と共役ジエン重合体もしくは芳香族ビニル化合物と共役
    ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)とからな
    る、(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)ブ
    ロック共重合体、または芳香族ビニル化合物と共役ジエ
    ンからなり、芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブ
    ロック(C)からなる(A)−(B)−(C)ブロック
    共重合体であって、 (イ−1)成分を構成する全モノマーにおける芳香族
    ビニル化合物/共役ジエンの割合が重量比で5/95〜
    60/40、 ブロック(A)および必要に応じて構成されるブロッ
    ク(C)中の芳香族ビニル化合物の結合量が(イ−1)
    成分を構成する全モノマーの3〜50重量%、かつブロ
    ック(A)中の芳香族ビニル化合物の結合量が少なくと
    も(イ−1)成分を構成する全モノマーの3重量%以
    上、しかも ブロック(B)中の共役ジエン部分のビニル結合量が
    20%を超える、ブロック共重合体、または該ブロック
    共重合体単位がカップリング剤残基を介して重合体分子
    鎖が延長しまたは分岐されたブロック共重合体、を水素
    添加し、共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和さ
    れた、数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系
    重合体。 (イ−2);芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
    ロック(D)と共役ジ エンを主体とする重合体ブロック
    (E)、およびビニル結合量が25%未満であるポリブ
    タジエン重合体ブロック(F)とからなる(D)−
    (E)−(F)ブロック共重合体であって、 ブロック(D)の含量が5〜60重量%、 ブロック(E)の含量が30〜90重量%、かつ ブロック(F)の含量が5〜60重量%〔ただし、
    (D)+(E)+(F)=100重量%〕、 であるブロック共重合体、または該ブロック共重合体単
    位がカップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長ま
    たは分岐されたブロック共重合体、を水素添加し、共役
    ジエン部分の二重結合が80%以上飽和された、数平均
    分子量が5万〜70万である水添ジエン系重合体。 (イ−3);ビニル結合量が25%未満であるポリブタ
    ジエン重合体ブロック(G)と、共役ジエンを主体とす
    る重合体であって共役ジエン部分のビニル結合量が25
    %以上である重合体ブロック(H)とからなる、(G)
    −(H)もしくは(G)−(H)−(G)ブロック共重
    合体、または該ブロック共重合体単位がカップリング剤
    残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐されたブロ
    ック共重合体、を水素添加し、共役ジエン部分の二重結
    合が80%以上飽和された、数平均分子量が5万〜70
    万である水添ジエン系重合体。
JP27436294A 1994-10-14 1994-10-14 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。 Expired - Fee Related JP3371578B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27436294A JP3371578B2 (ja) 1994-10-14 1994-10-14 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27436294A JP3371578B2 (ja) 1994-10-14 1994-10-14 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08113695A JPH08113695A (ja) 1996-05-07
JP3371578B2 true JP3371578B2 (ja) 2003-01-27

Family

ID=17540609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27436294A Expired - Fee Related JP3371578B2 (ja) 1994-10-14 1994-10-14 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3371578B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996031567A1 (fr) * 1995-04-07 1996-10-10 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Volant de voiture automobile
US6521705B1 (en) 1999-06-04 2003-02-18 Sumitomo Chemical Company, Limited Thermoplastic elastomer composition for powder molding, powder and molded article thereof
JP2001049051A (ja) * 1999-06-04 2001-02-20 Jsr Corp 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体
JP2002121309A (ja) * 2000-10-13 2002-04-23 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 熱可塑性エラストマー押出発泡成形体及びその製造方法
JP4846189B2 (ja) * 2003-04-21 2011-12-28 三井・デュポンポリケミカル株式会社 ストレッチ包装用フィルム
JP4259295B2 (ja) * 2003-09-29 2009-04-30 Jsr株式会社 水添ジエン系共重合体、重合体組成物、及び該重合体組成物を用いた成形体
JP2005206808A (ja) * 2003-12-26 2005-08-04 Jsr Corp 軟質フィルム及びシート
CN103068871B (zh) 2010-09-17 2015-07-01 美国圣戈班性能塑料公司 一种柔性材料和由其制造的物品
CN102849101B (zh) * 2011-06-30 2016-03-30 比亚迪股份有限公司 一种汽车转向盘
CN110709454B (zh) * 2017-06-09 2022-10-11 株式会社钟化 聚烯烃系树脂发泡粒子、聚烯烃系树脂发泡粒子的制造方法和聚烯烃系树脂模内发泡成型体
EP3950807B1 (en) * 2019-03-25 2023-11-01 Mitsui Chemicals, Inc. Olefin-based polymer composition
JP2024006780A (ja) * 2022-07-04 2024-01-17 株式会社ブリヂストン ポリマー組成物及びその製造方法、並びに、ゴム組成物及びタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08113695A (ja) 1996-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3351081B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
US7560504B2 (en) Polymeric composition for seals and gaskets
CA2444534C (en) Thermoplastic elastomer composition
US7381771B2 (en) Thermoplastic elastomers having improved adhesive properties
WO1995026380A1 (en) Thermoplastic elastomers having improved surface properties
JP3371578B2 (ja) 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。
JP3114269B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3326893B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
AU7407398A (en) Thermoplastic elastomer vulcanizate
JP3658867B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH09291181A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP3518022B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4363604B2 (ja) 傷付き性に優れるエラストマー組成物
JP3993255B2 (ja) 複層成形品
JPH07268138A (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JPH08157685A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3752793B2 (ja) 熱可塑性エラストマーの製造方法および熱可塑性エラストマー
JP3541478B2 (ja) 透明性に優れるポリプロピレン系フィルム
JPH04320411A (ja) 加硫性ゴム組成物および加硫ゴム製品
JPH1036624A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH08319451A (ja) 表皮材
JPH07149953A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH1053688A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2001040173A (ja) エラストマー組成物
JPH10152585A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021022

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees