JPH08157685A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH08157685A
JPH08157685A JP32980094A JP32980094A JPH08157685A JP H08157685 A JPH08157685 A JP H08157685A JP 32980094 A JP32980094 A JP 32980094A JP 32980094 A JP32980094 A JP 32980094A JP H08157685 A JPH08157685 A JP H08157685A
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JP
Japan
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aromatic compound
vinyl aromatic
weight
conjugated diene
block
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JP32980094A
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Inventor
Koji Ishikawa
浩司 石川
Yoshifumi Kato
嘉文 加藤
Tsutomu Honma
力 本間
Kazumi Mongaki
和美 捫垣
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 機械的強度などを保持しつつ、優れた柔軟
性、成形加工性、成形外観、機械的強度、ゴムライクな
触感を有する新規な熱可塑性エラストマー組成物。 【構成】 (イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマー1
〜98重量%、 (ロ)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
(A)と共役ジエン重合体もしくはビニル芳香族化合物
と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)とか
らなる(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)
ブロック共重合体、またはビニル芳香族化合物と共役ジ
エンとからなりビニル芳香族化合物が漸増するテーパー
ブロック(C)とからなる(A)−(B)−(C)ブロ
ック共重合体であって、 ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量比で5/
95〜60/40、数平均分子量が4万〜70万である
水添ジエン系共重合体1〜98重量%、 (ハ)ポリオレフィン系重合体0〜98重量%。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性、成形加工性、
成形外観、機械的強度などに優れた熱可塑性エラストマ
ー組成物に関し、さらに詳細には熱可塑性ポリウレタン
エラストマーおよび特定の水添ジエン系共重合体、さら
に必要に応じてポリオレフィン系樹脂からなる、種々の
用途に好適な特性を有する熱可塑性エラストマー組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、
耐摩耗性や機械的強度、耐油性、耐寒性に優れた材料で
あり、これらの特性を生かして、従来加硫ゴムが用いら
れてきたスポーツシューズ底、ホース、チューブなどに
最近多く利用されている。しかしながら、柔軟性と成形
加工性とのバランスが充分ではなく、上記用途に適した
柔軟性を得ようとする場合、成形加工時の流動性が低く
なるという問題がある。また、成形品表面の感触が樹脂
ライクであり、上記の用途に対しては加硫ゴムと比較し
て外観や感触に劣るなどの欠点も有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーの有する機械的強度などを保持しつつ、
優れた柔軟性、成形加工性、成形外観、機械的強度、ゴ
ムライクな感触を有する射出成形用に好適な新規な熱可
塑性エラストマー組成物を提供することが目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマー1
〜98重量%、 (ロ)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
(A)と共役ジエン重合体もしくはビニル芳香族化合物
と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)とか
らなる(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)
ブロック共重合体、またはビニル芳香族化合物と共役ジ
エンとからなりビニル芳香族化合物が漸増するテーパー
ブロック(C)とからなる(A)−(B)−(C)ブロ
ック共重合体であって、 ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量比で5
/95〜60/40、 (A)成分および(C)成分中のビニル芳香族化合物
の結合含量が全モノマーの3〜50重量%、かつ(A)
成分中のビニル芳香族化合物の結合含量が少なくとも3
重量%、 (B)成分中の共役ジエン部分のビニル結合含量が1
5%以上、かつブロック構造が直鎖状あるいは分岐状で
あるブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の
二重結合の少なくとも70%が飽和された、数平均分子
量が4万〜70万である水添ジエン系共重合体1〜98
重量%、(ハ)ポリオレフィン系重合体0〜98重量% 〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を
含有する熱可塑性エラストマー組成物を提供するもので
ある。
【0005】本発明に使用される(イ)熱可塑性ポリウ
レタンエラストマーとは、長鎖ポリオール、短鎖グリコ
ール、ジイソシアナートなどを原料として、重付加反応
により、分子内にウレタン結合を介して得られる重合体
である。
【0006】この(イ)熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーの原料である長鎖ポリオールとしては、ポリ(エチ
レンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポ
リ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘ
キサンアジペート)、ポリラクトンジオール、ポリカプ
ロラトンジオール、ポリエナントラクトンジオール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ポリ(プロピレングリコ
ール/エチレングリコール)、ポリ(1,6−ヘキサメ
チレングリコールカーボネート)などが挙げられる。こ
れらの中で、分子量100〜10,000のものが好ま
しく、500〜5,000のものがさらに好ましい。
【0007】また、短鎖グリコールとしては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、2,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4
−キシリレングリコール、ビスフェノールA、ハイドロ
キノンジエチロールエーテル、フェニレンビス−(β−
ヒドロキシエチルエーテル)などが挙げられる。これら
の中で、エチレングリコールや1,4−ブタンジオール
が好ましい。
【0008】さらに、ジイソシアナートとしては、2,
4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイ
ソシアナート、フェニレンジイソシアナート、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4′−ジフ
ェニルジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシ
アナート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−
ジイソシアナート、o−,m−もしくはp−キシレンジ
イソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘ
キサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナー
ト、シクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナー
トなどが挙げられる。これらの中で、2,4−トリレン
ジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナー
ト、および4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナー
トが好ましい。
【0009】本発明の(イ)熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーは、常法に従い、上記長鎖ポリオールとジイソ
シアナートでソフトセグメントを形成し、短鎖グリコー
ルとジイソシアナートでハードセグメントを形成させて
得られる。
【0010】次に、本発明に使用される(ロ)水添ジエ
ン系共重合体は、ビニル芳香族化合物と共役ジエンによ
り構成される。ここで用いられるビニル芳香族化合物と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,
1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミ
ノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチ
ルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチ
レン、α−メチルスチレンが好ましい。また、共役ジエ
ンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキ
サジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、
3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなど
が挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の優れた
水添ジエン系共重合体を得るには、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
【0011】本発明の(ロ)水添ジエン系共重合体は、
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)
と共役ジエン重合体もしくはビニル芳香族化合物と共役
ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)とからなる
(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)ブロッ
ク共重合体、またはビニル芳香族化合物と共役ジエンと
からなりビニル芳香族化合物が漸増するテーパーブロッ
ク(C)とからなる(A)−(B)−(C)ブロック共
重合体から構成される。
【0012】ここで、(ロ)成分中のビニル芳香族化合
物/共役ジエンの割合は、重量比で5/95〜60/4
0、好ましくは7/93〜50/50である。ビニル芳
香族化合物の含有量が5重量%未満では、得られる水添
ジエン系共重合体をペレット化した場合、ブロッキング
し易くなるほか、成形外観も低下する。一方、ビニル芳
香族化合物の含有量が60重量%を超えると、樹脂状と
なり、柔軟性が低下し、成形品表面の感触も劣るものと
なる。
【0013】また、(ロ)成分中の(A)成分および
(C)成分中のビニル芳香族化合物の結合含量は、全モ
ノマーの3〜50重量%、好ましくは4〜40重量%、
さらに好ましくは5〜30重量%、かつ(A)成分中の
ビニル芳香族化合物の結合含量が少なくとも3重量%、
好ましくは3〜15重量%である。上記(A)成分およ
び(C)成分、あるいは(A)成分のビニル芳香族化合
物の結合含量が3重量%未満では、得られる水添ジエン
系共重合体をペレット化した場合、ブロッキングし易く
なるほか、成形外観も低下する。一方、(A)成分およ
び(C)成分のビニル芳香族化合物の結合含量が全モノ
マーの50重量%を超えると、樹脂状となり、柔軟性が
不足し、成形品表面の感触が劣るものとなる。
【0014】さらに、(B)成分中の共役ジエン部分の
ビニル結合含量は、15%以上、好ましくは15〜90
%、さらに好ましくは20〜85%であり、15%未満
では柔軟性や成形品外観が劣り好ましくない。
【0015】なお、(ロ)成分を構成するブロッキング
共重合体は、カップリング剤を添加することより下記一
般式で表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐
されたブロック共重合体であってもよい。 〔(A)−(B)〕n−X、 〔(A)−(B)−(C)〕n−X、または 〔(A)−(B)−(A)〕n−X 〔式中、(A)、(B)、(C)は上記に同じ、nは2
〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す。〕
【0016】この際のカップリング剤としては、例えば
アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロ
ロシラン、四塩化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テ
トラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチルクロ
ロケイ素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロ
モエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリ
クロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレン
ジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシア
ネートなどが挙げられる。
【0017】さらに、本発明の(ロ)水添ジエン系共重
合体は、ブロック(B)の共役ジエン部分の二重結合の
水素添加率が少なくとも70%、好ましくは90%以
上、さらに好ましくは95%以上である。70%未満で
は耐熱性、耐候性、機械的特性が不充分なものとなり好
ましくない。
【0018】さらに、本発明の(ロ)水添ジエン系共重
合体は、ポリスチレン換算の数平均分子量が4万〜70
万、好ましくは5万〜60万である。数平均分子量が4
万未満では、得られるエラストマー組成物の機械的強
度、耐熱性が低下し、一方70万を超えると、流動性、
加工性が低下し、表面外観の低下などを招来することに
なる。
【0019】本発明の(ロ)水添ジエン系共重合体は、
例えば特開平2−305814号公報、特開平3−72
512号公報に開示されている方法によって得ることが
できる。
【0020】また、本発明の(ロ)水添ジエン系共重合
体は、上記水添ジエン系共重合体を官能基で変性したも
のも好適に用いられる。なお、これらの官能基変性水添
ジエン系共重合体は、特開平5−262967号公報第
3頁第4欄50行〜第4頁第6欄第22行、同第5頁第
8欄第48行〜第6頁第9欄第10行に開示されている
方法によって得ることができる。具体的には、酸無水物
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソ
シアネート基およびエポキシ基の群から選ばれた少なく
とも1種の官能基を有する不飽和化合物を用い、一軸押
出機、二軸押出機などの各種押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、連続式混練り機などの各種混練り機、あ
るいはこれらの任意の組み合わせによる機器などで得る
ことができる。
【0021】次に、本発明に使用される(ハ)ポリオレ
フィン系重合体は、1種またはそれ以上のモノオレフィ
ンを高圧法または低圧法のいずれかによる重合から得ら
れる重合体である。ここで、モノオレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−
ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−プロペン、
2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−オクテン、
5−メチル−1−ヘキセン、1−デセン、およびこれら
の混合物が挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ブテン、1−オク
テン、より好ましくはプロピレンである。
【0022】好ましい(ハ)ポリオレフィン系重合体
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−
1−ペンテンであり、また共重合体タイプの(ハ)成分
としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、
2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテ
ン、および5−メチル−1−ヘキセンの群から選ばれた
少なくとも1種のモノオレフィンが共重合されたポリプ
ロピレンなどが挙げられる。(ハ)ポリオレフィン系重
合体としてさらに好ましくは、ポリプロピレン、および
上記共重合体タイプのポリプロピレンである。
【0023】本発明の組成物において、(イ)成分は1
〜99重量%、好ましくは10〜99重量%、さらに好
ましくは30〜99重量%、(ロ)成分は1〜99重量
%、好ましくは1〜90重量%、さらに好ましくは1〜
70重量%、(ハ)成分は0〜98重量%、好ましくは
0〜90重量%、さらに好ましくは0〜50重量%〔た
だし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕であ
る。(イ)成分が1重量%未満および/または(ロ)成
分が99重量%を超えると、機械的特性が不充分とな
る。また、(ロ)成分が1重量%未満および/または
(イ)成分が99重量%を超えると、成形加工性および
成形外観が劣るものとなる。(ハ)成分は必要に応じて
使用されるが、98重量%を超えると、機械的特性およ
び成形外観が劣るものとなり好ましくない。
【0024】本発明の組成物は、必要に応じて従来公知
の方法により、イオウ架橋、過酸化物架橋、金属イオン
架橋、電子線架橋、シラン架橋などの架橋を行うことも
できる。また、本発明の組成物には、通常の熱可塑性材
料に用いられる添加剤を必要に応じて添加することがで
きる。例えば、フタル酸エステルなどの可塑剤または補
強剤、パラフィン系オイルなどのゴム用充填材、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、発泡
剤、着色剤、顔料、上記架橋剤、架橋助剤など、または
これらの混合物を添加することができる。さらに、本発
明の組成物には、上記(イ)〜(ハ)成分以外の熱可塑
性材料、およびゴム状重合体を配合することができる。
また、本発明の組成物の特性を損なわない範囲であれ
ば、熱硬化性重合体を配合することも可能である。
【0025】本発明の組成物は、ロール、ブラベンダー
ミキサー、各種押出機、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、連続式混練り機などの従来公知の混練り機により溶
融混練りすることによって、またドライブレンドしたも
のを射出成形することにより得ることができる。本発明
の組成物を製造するには、各成分を一括で混合してもよ
く、任意に成分をあらかじめ予備混合したのち、残りの
成分を添加して混合してもよい。最も好ましい混合装置
は、一軸あるいは二軸押出機であり、これにより連続的
に効率よく混練りし、ペレット化することができる。本
発明の組成物は、従来公知の方法、例えば押出成形、射
出成形、中空成形、圧縮成形、カレンダー成形などによ
り、実用上有用な成形品に加工することができる。ま
た、必要に応じて、発泡、粉末、延伸、接着、印刷、塗
装、メッキなどの加工を施すことができる。
【0026】本発明の組成物は、優れた柔軟性、耐摩耗
性、成形加工性、機械的強度、ゴム弾性、ゴムライクな
感触などを生かして、加硫ゴム代替用途などの各種の用
途に利用できる。本発明の組成物を用いて得られる成形
品としては、シート、フィルム、チューブ、異形品、ネ
ット、ブロック、繊維などを挙げることができ、これら
の成形品により、スポーツシューズ、スキー靴、レジ
ャーシューズ、ファッションサンダル、革靴などの外装
や靴底、ヒールトップなどの履物用途、ホース、チュ
ーブ、ベルト、屋外で使用される表皮材などの用途、
インパネ表皮材、肘かけ、グリップ、バンパー部品、ボ
ディーパネル、サイドシールドなどの自動車内外装部品
用途、自動車すべり止め、ホットメルト型接着剤・
粘着剤、コンタクト型接着剤、スプレー型接着剤などの
素材用途、道路舗装材、土木用防水シート、配管コー
ティング、電線被覆などの土木建築用途、デスクマッ
トやカッティングマットなどの文具製品、そのほかダ
イシングフィルムなどの半導体関連部品、医療用材料、
キャップライナーや整水器チューブなどの食品関係材
料、OA機器関連部品、掃除機バンパー材などのAV・
家電関連部品、事務機器部品、日用品、レジャー用品、
玩具、繊維の原料など幅広い用途に用いることができ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は、か
かる実施例により限定されるものではない。なお、実施
例中において、%は、特に断らない限り重量基準であ
る。また、実施例中における各種物性の評価は、次の方
法で行った。
【0028】結合スチレン含量 結合スチレン含量は、679cm-1のフェニル基の吸収を
基に赤外分析により測定した。共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。水素添加率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1 H−N
MRスペクトルから算出した。水添ジエン系共重合体の数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。
【0029】柔軟性 JIS K6301に準拠し、JIS A硬度(Hs−
A)を測定し、柔軟性の指標とした。成形加工性 JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.1
6kgでのメルトフローレート(MFR、単位;g/1
0分)を測定し、成形加工性の指標とした。成形外観 射出成形により成形品を作製し、下記の基準に従って外
観の評価を行った。 ◎;外観が極めて良好であり、ゴムライクな感触を有す
る。 ○;外観が良好であり、ゴムライクな感触を有する。 △;樹脂ライクな感触を有する。 ×;フローマーク、パール光沢などの外観不良現象が顕
著であり、樹脂ライクな感触を有する。機械的強度 JIS K7311に準拠して引張試験を行い、下記の
基準に従って機械的強度の評価を行った。 ○;引張破断強度が50kgf/cm2 以上で、かつ引
張破断伸度が200%以上 ×;引張破断強度が50kgf/cm2 未満、または引
張破断伸度が200%未満
【0030】参考例 実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分
は、以下のとおりである。熱可塑性ポリウレタンエラストマー TPU−1;武田バーディシェウレタン工業(株)製、
エラストランS90A TPU−2;クラレ(株)製、クラミロンU3190
【0031】水添ジエン系共重合体Q−1〜9 水添ジエン系共重合体(Q−1〜9)は、日本合成ゴム
(株)製の試作ポリマーであり、これらQ−1〜9のミ
クロ構造、水素添加率、数平均分子量は、表1に示すと
おりである。
【0032】ポリオレフィン系重合体 PP;三菱油化(株)製、ポリプロピレンMG3C PE;三菱油化(株)製、ポリエチレンYF−30
【0033】実施例1〜12、比較例1〜8 表2〜4に示す配合処方を用い、熱可塑性ポリウレタン
エラストマー、水添ジエン系共重合体、さらに必要に応
じてポリオレフィン系重合体を加えた組成物を混練り・
ペレット化し、得られたペレットを用いて射出成形によ
る試験片を作製して物性を評価した。結果を併せて表2
〜4に示す。実施例1〜12の結果から明らかなよう
に、本発明のエラストマー組成物は、柔軟性と成形加工
性のバランスに優れ、かつ成形品表面外観および感触に
優れ、さらに機械的強度も充分であることが分かる
【0034】これに対し、比較例1および比較例2は、
(イ)成分のみを使用した例であり、本発明の組成物と
比較して、柔軟性と成形加工性のバランスが劣り、成形
外観も不充分であることが分かる。また、比較例3は、
(ロ)水添ジエン系共重合体を使用せず、(イ)成分と
(ハ)成分のみによるものであり、機械的強度および柔
軟性と成形加工性のバランスが良好であるが、成形品表
面外観や感触が極めて劣るものであることが分かる。さ
らに、比較例4、比較例5および比較例6は、水添ジエ
ン系共重合体の構造が本発明の範囲から外れている例で
あり、いずれも成形品表面外観や感触が劣るものである
ことが分かる。さらに、比較例7は、(ロ)成分のみを
使用した例であり、成形加工性が不充分であり、かつ特
に機械的強度に劣るものであることが分かる。さらに、
比較例8は、(ハ)成分のみを使用した例であり、柔軟
性が極めて劣るものであることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】本発明は、熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーおよび特定の水添ジエン系共重合体、さらに必要に
応じてポリオレフィン系重合体を含有する熱可塑性エラ
ストマー組成物であり、従来の材料と比較して、柔軟
性、成形加工性、成形外観、機械的強度などに優れた素
材を提供することが可能である。本発明の組成物は、上
記の優れた特性により、産業界から寄せられる様々な要
求に幅広く対応することができるものである。
【0040】具体的には、スポーツシューズ、スキー
靴、レジャーシューズ、ファッションサンダル、革靴な
どの外装や靴底、ヒールトップなどの履物用途、ホー
ス、チューブ、ベルト、屋外で使用される表皮材などの
用途、インパネ表皮材、肘かけ、グリップ、バンパー部
品、ボディーパネル、サイドシールドなどの自動車内外
装部品用途、自動車すべり止め、ホットメルト型接着剤
・粘着剤、コンタクト型接着剤、スプレー型接着剤など
の素材用途、道路舗装材、土木用防水シート、配管コー
ティング、電線被覆などの土木建築用途、デスクマット
やカッティングマットなどの文具製品、そのほかダイシ
ングフィルムなどの半導体関連部品、医療用材料、キャ
ップライナーや整水器チューブなどの食品関係材料、O
A機器関連部品、掃除機バンパー材などのAV・家電関
連部品、事務機器部品、日用品、レジャー用品、玩具、
繊維の原料など幅広い用途に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 捫垣 和美 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマ
    ー1〜98重量%、 (ロ)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
    (A)と共役ジエン重合体もしくはビニル芳香族化合物
    と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)とか
    らなる(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)
    ブロック共重合体、またはビニル芳香族化合物と共役ジ
    エンとからなりビニル芳香族化合物が漸増するテーパー
    ブロック(C)とからなる(A)−(B)−(C)ブロ
    ック共重合体であって、 ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量比で5
    /95〜60/40、 (A)成分および(C)成分中のビニル芳香族化合物
    の結合含量が全モノマーの3〜50重量%、かつ(A)
    成分中のビニル芳香族化合物の結合含量が少なくとも3
    重量%、 (B)成分中の共役ジエン部分のビニル結合含量が1
    5%以上、かつブロック構造が直鎖状あるいは分岐状で
    あるブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の
    二重結合の少なくとも70%が飽和された、数平均分子
    量が4万〜70万である水添ジエン系共重合体1〜98
    重量%、 (ハ)ポリオレフィン系重合体0〜98重量%〔ただ
    し、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を含有す
    る熱可塑性エラストマー組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002105278A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Kuraray Co Ltd 熱可塑性重合体組成物
JP2007023299A (ja) * 2006-10-31 2007-02-01 Kuraray Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物
JP2011527719A (ja) * 2008-07-11 2011-11-04 クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー 熱可塑性ポリウレタン/ブロックコポリマー組成物
JP2013514390A (ja) * 2009-12-18 2013-04-25 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ハロゲン不含難燃剤組成物

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