JPH0925347A - ポリプロピレン系軟質フィルム・シート - Google Patents

ポリプロピレン系軟質フィルム・シート

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JPH0925347A
JPH0925347A JP12899996A JP12899996A JPH0925347A JP H0925347 A JPH0925347 A JP H0925347A JP 12899996 A JP12899996 A JP 12899996A JP 12899996 A JP12899996 A JP 12899996A JP H0925347 A JPH0925347 A JP H0925347A
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JP
Japan
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weight
sheet
film
polymer
copolymer
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JP12899996A
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English (en)
Inventor
Koji Ishikawa
浩司 石川
Toshibumi Nakamura
俊文 中村
Kazuhisa Kodama
和寿 小玉
Kaname Fujimaki
要 藤巻
Toru Shibata
徹 柴田
Kazumi Mongaki
和美 捫垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、柔軟性、耐衝撃性、ヒートシール性
に優れたポリプロピレン系フィルム・シートを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 (イ)ポリプロピレン1〜99重量%、
(ロ)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからな
る重合体中の共役ジエン部分を水素添加し、共役ジエン
部分の二重結合の少なくとも70%が飽和された、数平
均分子量が4万〜70万である水添ジエン系重合体1〜
99重量%、(ハ)エチレンを主体とするオレフィン系
重合体0〜98重量%(ただし、(イ)+(ロ)+
(ハ)=100重量%)からなるポリプロピレン系軟質
フィルム・シート

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に透明性、耐衝
撃性に優れ、かつ柔軟性、ヒートシール性が良好なポリ
プロピレン系軟質フィルム・シートに関し、より詳しく
は、ポリプロピレン、水添ジエン系重合体、および必要
に応じてエチレンを主体とするオレフィン系重合体から
なる、種々の用途に好適な特性を有するポリプロピレン
系軟質フィルム・シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルム・シートは、安
価であるうえに、耐熱性、機械的特性に優れることか
ら、各種用途に好適に使用されている。しかしながら、
透明性および低温での耐衝撃性が充分ではなく、更に柔
軟性、ヒートシール性などに限界があり、使用の際に種
々の制約を受けている。本発明は、かかる技術的課題を
背景に開発されたものであり、透明性、耐衝撃性、柔軟
性およびヒートシール性に優れたフィルム・シートを見
いだし、本発明を完成させた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたものであり、優れた透明
性、耐衝撃性、柔軟性、ヒートシール性を有する新規な
ポリプロピレン系軟質フィルム・シートを提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)ポリプ
ロピレン1〜99重量%、(ロ)共役ジエン化合物を主
体とする重合体の共役ジエン部分の二重結合が飽和され
た水添ジエン系重合体 1〜99重量%、(ハ)エチレ
ンを主体とするオレフィン系重合体0〜98重量%〔た
だし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕からな
ることを特徴とする、ポリプロピレン系軟質フィルム・
シートを提供するものである。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用される(イ)ポリプ
ロピレンは、結晶性ポリプロピレンであり、プロピレン
の単独重合体あるいはエチレン、1−ブテン、1−ヘキ
センなどのα−オレフィンを20モル%以下、好ましく
は0.1〜15モル%、より好ましくは0.5〜10モ
ル%含んだ重合体である。この共重合体としては、ラン
ダム共重合体、あるいは多段重合で得られる単独重合体
とのブレンド物、通常のブレンド物であってもよい。ま
た、ポリプロピレンの密度は0.885〜0.915g
/cm3 であり、メルトフローレート(MFR、230
℃ 以下同じ)は0.1〜50g/10分、好ましくは
0.2〜40g/10分である。
【0006】本発明の(ロ)水添ジエン系重合体は、共
役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加したもの
であり、例えば共役ジエンの単独重合体、共役ジエンと
芳香族ビニル化合物のランダム共重合体、芳香族ビニル
化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブ
ロックからなるブロック共重合体、芳香族ビニル化合物
の重合体ブロックおよび共役ジエンと芳香族ビニル化合
物のランダム共重合体ブロックからなるブロック共重合
体、共役ジエン化合物の重合体ブロックおよび共役ジエ
ンと芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックか
らなるブロック共重合体またはこれらの官能基変性体な
どのジエン系重合体(以下、「水添前重合体」ともい
う)の水素添加物があげられる。これら各種水素添加物
は、いずれも本発明の(ロ)成分として好適に用いられ
るが、特に共役ジエンと芳香族ビニル化合物のランダム
共重合部分を主体とする重合体が、(ロ)成分として好
適に用いられる。
【0007】ここで、(ロ)成分に用いられる共役ジエ
ン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジ
エン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレ
ンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の
優れた水添ジエン系重合体を得るには、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましく、また
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルス
チレン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレン、α−メ
チルスチレンが好ましい。
【0008】前記水添前重合体が、共役ジエン化合物と
芳香族ビニル化合物とのランダム共重合部分を主体とす
る重合体である場合、ランダム共重合部分の水添前重合
体中での割合は、好ましくは50重量%以上、より好ま
しくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以
上である。該ランダム共重合部分の割合が50重量%未
満の場合、得られるフィルム・シートの柔軟性、透明
性、耐衝撃性およびヒートシール性が劣るものとなる。
また上記ランダム共重合部分において、ランダム共重合
部分中の全共役ジエンに対する側鎖に不飽和結合を有す
る共役ジエンの割合は、好ましくは50重量%以上、よ
り好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは65重
量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。この
共役ジエンの割合が50重量%未満の場合、得られるフ
ィルム・シートの透明性やヒートシール性が劣り好まし
くない。
【0009】また、前記水添前重合体において、ランダ
ム共重合部分以外の構成成分としては、芳香族ビニル化
合物を主体とする重合体(以下、「A部分」という)、
1,4−結合を主体とするポリブタジエン重合体および
芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物からなり芳香族
ビニル化合物が漸増するテーパー状重合体(以下、「C
部分」という)等が挙げられる。これらの重合体ブロッ
クが存在すると、得られるフィルム・シートの特性(柔
軟性、透明性、耐衝撃性及びヒートシール性)は若干損
なわれるものの、(ロ)成分自体の取扱い性が向上する
ため、工業的に有用な場合がある。
【0010】水添前重合体がA部分および/またはC部
分を有する場合、(ロ)成分自体の取扱い性と得られる
フィルム・シートの特性とが工業的な要求レベルで両立
するには、A部分および/またはC部分中の芳香族ビニ
ル化合物の結合含量の総和が、水添前重合体を構成する
全モノマーの好ましくは3〜50重量%、より好ましく
は4〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%、
かつA部分中の芳香族ビニル化合物の結合含量が好まし
くは3重量%、より好ましくは3〜15重量%である。
前記A部分あるいはA部分とC部分の芳香族ビニル化合
物の結合含量が3重量%未満では、得られるフィルム・
シートの特性は優れたものであるが、(ロ)成分の取扱
い性の向上は少ない。一方、50重量%を越える場合、
(ロ)成分の取扱い性は向上するものの、得られるフィ
ルム・シートの特性の低下が大きくなる。水添前重合体
を構成する共役ジエン化合物/芳香族ビニル化合物の割
合は、本発明においては特に限定されるものではない
が、好ましくは95/5〜40/60、さらに好ましく
は93/7〜50/50(以上重量比)である。
【0011】前記水添前重合体は、カップリング剤の使
用により重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延
長または分岐された重合体であってもよい。この際用い
られるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエ
チル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩
化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、
ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラク
ロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−
クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタ
ン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げら
れる。
【0012】なお本発明の(ロ)成分としては、2種ま
たはそれ以上の水添前重合体のブレンド物を水添したも
のも好適に用いられる。さらに、2種またはそれ以上の
水添ジエン系重合体同士のブレンド物も、本発明の
(ロ)成分として好適である。本発明の(ロ)水添ジエ
ン系重合体において、分子鎖中の共役ジエン部分の二重
結合の水素添加率は、好ましくは80%、より好ましく
は85%以上、さらに好ましくは90%以上である。8
0%未満では、得られるフィルム・シートの透明性、ヒ
ートシール性が不十分なものとなり好ましくない。さら
に、本発明の(ロ)水添ジエン系重合体は、ポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が好ましくは5万〜70万、よ
り好ましくは5万〜60万であり、5万未満では得られ
るフィルム・シートの耐衝撃性が劣り、一方70万を越
えると加工性が不十分なものとなる。なお、本発明に使
用される(ロ)水添ジエン系共重合体は、例えば特開平
3−72512号公報に開示されている方法によって得
ることができる。
【0013】本発明に使用される(ハ)エチレンを主体
とするオレフィン系重合体は、20モル%を越えるエチ
レンを有する重合体であり、直鎖状あるいは分岐状のオ
レフィン系重合体である。この直鎖状あるいは分岐状の
オレフィン系重合体の代表的な例としては、エチレン−
α−オレフィン系共重合体や高圧法低密度ポリエチレン
などが挙げられる。ここでエチレン−α−オレフィン系
共重合体におけるα−オレフィンとしては、炭素数3〜
12のものが一般的であり、具体的にはプロピレン、1
−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1
−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メ
チル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセ
ン、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのα−
オレフィンの中では、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテンが好ましいが、中でも1−ブテン
が最も好ましく、次いでプロピレンおよび1−オクテン
が好ましく、次いで1−ヘキセンが好ましい。すなわ
ち、(ハ)成分としては、エチレン−1−ブテン共重合
体が最も好ましく、次いでエチレン−プロピレン共重合
体およびエチレン−1−オクテン共重合体が好ましく、
次いでエチレン−1−ヘキセン共重合体が好ましい。
【0014】また、(ハ)成分には、必要に応じて非共
役ジエンが共重合されても良い。(ハ)成分に用いられ
ることのある非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−
ノルボナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル
−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノル
ボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、
シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,
9−シクロドデカトリエン、1,4−ヘキサジエン、
1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8
−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル
−1,7−オクタジエンなどが挙げられ、好ましくは5
−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ンである。これらは、1種単独であるいは2種以上併用
して使用することができる。上記各種のエチレンを主体
とするオレフィン系重合体は、各々単独でも(ハ)成分
として好適に用いられるが、2種またはそれ以上の重合
体のブレンド物であってもよい。このブレンド物として
は、例えば2種の重合体のブレンド物の場合、直鎖状重
合体同士のブレンド物、分岐状重合体同士のブレンド
物、さらに直鎖状重合体と分岐状重合体とのブレンド物
のいずれの組み合わせも、(ハ)成分として好適であ
る。
【0015】本発明のフィルム・シートにおいて、
(イ)成分は1〜99重量%、好ましくは10〜99重
量%、より好ましくは30〜99重量%、さらに好まし
くは50〜99重量%、(ロ)成分は1〜99重量%、
好ましくは1〜90重量%、より好ましくは1〜70重
量%、さらに好ましくは1〜50重量%、(ハ)成分は
0〜98重量%、好ましくは0〜90重量%、より好ま
しくは0〜70重量%さらに好ましくは0〜50重量%
〔ただし(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕であ
る。(イ)成分が1重量%未満および/または(ロ)成
分が99重量%を越える場合、ヒートシール性が低下
し、また成形性も劣る。また(ロ)成分が1重量%未満
および/または(イ)成分が99重量%を越える場合、
透明性、耐衝撃性が劣るものとなる。(ハ)成分は必要
に応じて用いられるが、これが98重量%を越える場
合、柔軟性および成形性が劣るものとなり、好ましくな
い。
【0016】本発明のポリプロピレン系軟質フィルム・
シートには、通常の熱可塑性材料に用いられる添加剤を
必要に応じて添加することができる。例えば、フタル酸
エステルなどの可塑剤または補強剤、パラフィン系オイ
ルなどのゴム用充填材、シリカやタルクや炭酸カルシウ
ムなどのフィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、顔料、
炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、架橋剤、架橋助剤
など、またはこれらの混合物を添加することができる。
【0017】また、本発明のフィルム・シートを構成す
る成分として、前記(イ)〜(ハ)成分以外の熱可塑性
材料およびゴム状重合体、例えばポリブテン、ポリ−4
−メチル−1−ペンテンなどのポリメチルペンテン類、
水添テルペン樹脂、石油樹脂、ポリイソブチレン、ポリ
スチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチ
ルなどのポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタ
クリル酸アルキルエステル、ポリブタジエン重合体およ
び/またはその水添物、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−イソ
プレン共重合体および/またはその水添物、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタ
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体、アクリルゴム、エチレン
系アイオノマーなどを配合することもでき、また本発明
のフィルム・シートの特性を損ねない範囲であれば、熱
硬化性重合体、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、
シリコン樹脂などを配合することも可能である。
【0018】本発明のフィルム・シートは、Tダイ成
形、インフレーション成形、カレンダー成形などの従来
公知の方法で容易に成形可能である。また本発明のフィ
ルム・シートには、延伸処理を施すことも可能である。
延伸処理を施す方法としては、ロール延伸やロール圧
延、テンター横1軸延伸などの公知の1軸延伸方法なら
びに、テンター2軸延伸やチューブラー2軸延伸などの
公知の2軸延伸方法が採用できる。延伸処理を施す場合
の延伸温度は常温〜ポリプロピレンの融点以下、延伸倍
率は2〜10倍が好ましい。ただしMD、TDの延伸倍
率については、必ずしもバランスさせる必要はなく、そ
れぞれの用途に応じて任意に選択することができる。
【0019】なお、目的に応じて本発明のフィルム・シ
ート同士や、本発明のフィルム・シートとポリオレフィ
ン系樹脂やエチレン−α−オレフィン系樹脂やこれらの
混合物によるフィルム・シートとを積層することによ
り、更に優れた特性を有するフィルム・シートを得るこ
とが可能である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体またはその誘
導体共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体な
どの材料と積層することも可能であり、これらのフィル
ム・シートと本発明のフィルム・シートとの積層によ
り、各種の目的に応じたフィルム・シートを得ることが
可能である。なお、これら積層体を得る方法としては、
共押出Tダイ成形法、共押出インフレーション成形法な
どが例示されるが、特に限定されるものではない。
【0020】本発明のフィルム・シートは、透明性、柔
軟性、耐衝撃性、ヒートシール性に優れることから、例
えばシャツやストッキングなどの各種衣類の包装、布団
や枕などの寝具等の包装、各種食品の包装、日用雑貨包
装、工業資材包装、各種ゴム製品・樹脂製品・皮革製品
などのラミネート、紙おむつなどに用いられる伸縮テー
プ、ダイシングフィルムなどの工業用品、建材や鋼板の
保護に用いられるプロテクトフィルム、粘着フィルム基
材、食肉鮮魚用トレー、青果物パック、冷菓食品容器な
どのシート用途、テレビ、ステレオ、掃除機などの家電
用品用途、バンパー部品、ボディーパネル、サイドシー
ルなどの自動車内外装部品用途、道路舗装材、防水・遮
水シート、土木パッキン、その他日用品、レジャー用
品、玩具、工業用品、ファーニチャー用品、筆記用具、
透明ポケット、ホルダー、ファイル背表紙入などの文具
用フィルム・シート、医療用具などの幅広い用途に用い
ることができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明はか
かる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
において部および%は、特に断らない限り重量基準であ
る。また、実施例中における各種物性の評価は次の方法
で行った。共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H―N
MRスペクトルから算出 した。水添ジエン系共重合体の重量平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。透明性 JIS K6782に準拠して全ヘイズを測定し、透明
性の指標とした。耐衝撃性 JIS Z1707に準拠してフィルム打ち抜き強度を
測定し、耐衝撃性の指標とした。柔軟性 JIS K7127に準拠してヤング率を測定し、柔軟
性の指標とした。ヒートシール性 JIS Z1707に準拠してヒートシール部の剥離強
度を測定し、ヒートシール性の指標とした。
【0022】参考例 実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分
は、以下の通りである。ポリプロピレン PP−1〔チッソ石油化学(株)製 FM821〕 密度0.9g/cm3、MFR 7g/10分 PP−2〔三井東圧化学(株)製 EFL−200〕 密度0.9g/cm3、MFR 6g/10分 PP−3〔三菱化学(株)製 FX−4〕 密度0.9g/cm3、MFR 7g/10分 PP−4〔住友化学工業(株)製 FL6315G〕 密度0.9g/cm3、MFR 6g/10分 PP−5〔チッソ石油化学(株)製 FM831−B〕 密度0.9g/cm3、MFR 6.5g/10分 PP−6〔三菱化学(株)製 3501F〕 密度0.9g/cm3、MFR 7g/10分 PP−7〔三菱化学(株)製 EX6〕 密度0.9g/cm3、MFR 1.8g/10分水添ジエン系共重合体 表1に示すミクロ構造、重量平均分子量、水添率の水添
ジエン系共重合体(Q−1〜Q−7)。
【0023】
【表1】
【0024】エチレンを主体とするオレフィン系重合体 R−1〔1−ブテン含量が20重量%(9.7モル
%)、MFRが6.6g/10分であるエチレン−1−
ブテン共重合体〕 R−2〔1−ブテン含量が20重量%(9.7モル
%)、MFRが0.9g/10分であるエチレン−1−
ブテン共重合体〕 R−3〔1−ブテン含量が21重量%(10.2モル
%)、MFRが6.5g/10分であるエチレン−1−
ブテン共重合体〕 R−4〔プロピレン含量が22重量%(13.9モル
%)、MFRが3.5g/10分であるエチレン−プロ
ピレン共重合体〕 R−5〔プロピレン含量が23重量%(14.6モル
%)、MFRが0.8g/10分であるエチレン−プロ
ピレン共重合体〕 R−6〔1−オクテン含量が24重量%(6.3モル
%)、MFRが9.5g/10分であるエチレン−1−
オクテン共重合体〕
【0025】実施例1〜14および比較例1〜3 表2〜3に示す配合の組成物を口径50mm、L/D3
6の押出機を用いて180〜240℃で混練し、Tダイ
に供給して、ダイ温度210〜230℃、厚み50μm
のポリプロピレン系フィルムを作製した。得られたフィ
ルムの物性の評価結果を併せて表2〜3に示す。実施例
1〜14の結果から明かなように、本発明のフィルム
は、透明性と耐衝撃性に優れ、かつ柔軟性に優れ、さら
にヒートシール性も良好であることが分かる。これに対
して、比較例1は(イ)成分のみを使用した例である
が、本発明のフィルムと比較して、透明性と耐衝撃性が
劣り、柔軟性やヒートシール性も不十分であることがわ
かる。また比較例2〜7は(ロ)成分を使用せず(イ)
成分と(ハ)成分のみによるものである。いずれも透明
性、低温の耐衝撃性、柔軟性が不十分であり、特に比較
例3では、ヒートシール性も劣るものである。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例15〜16および比較例4〜5 表4に示す配合の組成物を上記と同じ押出機を用いて1
80〜240℃で混練し、Tダイに供給して、ダイ温度
210〜230℃、厚み250μmのポリプロピレン系
シートを作製した。得られたシートの物性の評価結果を
表4に示す。実施例15〜16の結果から明かなよう
に、本発明のシートは、透明性と柔軟性に優れ、さらに
ヒートシール性も良好であることが分かる。これに対し
て、比較例4は(イ)成分のみを使用した例であるが、
本発明のシートと比較して、透明性が劣り、柔軟性やヒ
ートシール性も不十分であることがわかる。また比較例
5は(ロ)成分を使用せず(イ)成分と(ハ)成分のみ
によるものであるが、透明性が劣り、柔軟性やヒートシ
ール性も不十分なものである。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明は、ポリプロピレン、特定の水添
ジエン系共重合体、および必要に応じてエチレンを主体
とするオレフィン系重合体とからなるフィルム・シート
を提供するものであり、従来のフィルム・シートと比較
して、透明性、耐衝撃性、柔軟性、ヒートシール性など
に優れた特性を有するフィルム・シートを提供すること
が可能である。本発明のフィルム・シートは、上記の優
れた特性により、産業界から寄せられる様々な要求に幅
広く対応できるものである。具体的には、シャツやスト
ッキングなどの各種衣類の包装、布団や枕などの寝具等
の包装、各種食品の包装、日用雑貨包装、工業資材包
装、各種ゴム製品・樹脂製品・皮革製品などのラミネー
ト、紙おむつなどに用いられる伸縮テープ、ダイシング
フィルムなどの工業用品、建材や鋼板の保護に用いられ
るプロテクトフィルム、粘着フィルム基材、食肉鮮魚用
トレー、青果物パック、冷菓食品容器などのシート用
途、テレビ、ステレオ、掃除機などの家電用品用途、バ
ンパー部品、ボディーパネル、サイドシールなどの自動
車内外装部品用途、道路舗装材、防水・遮水シート、土
木パッキン、その他日用品、レジャー用品、玩具、工業
用品、ファーニチャー用品、筆記用具、透明ポケット、
ホルダー、ファイル背表紙入れなどの文具用フィルム・
シート、医療用具などの幅広い用途に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 要 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 柴田 徹 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 捫垣 和美 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ポリプロピレン1〜99重量%、 (ロ)共役ジエン化合物を主体とする重合体の共役ジエ
    ン部分の二重結合が飽和された水添ジエン系重合体 1
    〜99重量%、 (ハ)エチレンを主体とするオレフィン系重合体0〜9
    8重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重
    量%〕からなることを特徴とする、ポリプロピレン系軟
    質フィルム・シート。
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