JP2000093490A - 医療用成形品 - Google Patents

医療用成形品

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JP2000093490A JP10267058A JP26705898A JP2000093490A JP 2000093490 A JP2000093490 A JP 2000093490A JP 10267058 A JP10267058 A JP 10267058A JP 26705898 A JP26705898 A JP 26705898A JP 2000093490 A JP2000093490 A JP 2000093490A
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力 磯部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性、耐熱性、柔軟性、耐衝撃性
し、安全性に優れ医療バッグ用途に好適な新規な軟質成
形品を提供することを目的とする。 【解決手段】 (イ)ポリプロピレン、(ロ)1,4結
合含量が70%以上のポリブタジエンブロックセグメン
ト(A)と、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化
合物を70重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共
役ジエン化合物とのランダム共重合体であって、共役ジ
エン化合物部分のビニル結合含量が60%以上であるブ
ロックセグメント(B)からなるブロック共重合体であ
り、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が飽
和された水添ジエン系重合体(ハ)エチレンを主体とす
るオレフィン系重合体 0〜98重量%〔ただし、
(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕からなること
を特徴とする、医療用軟質成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に透明性、柔軟
性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性が良好で安全性に優れ
る軟質成形品に関し、より詳しくは、ポリプロピレン、
水添ジエン系重合体、および必要に応じてエチレンを主
体とするオレフィン系重合体からなる、医療用途に好適
な特性を有するフィルム、シート、チューブ、容器等の
軟質成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】採血、輸血、輸液等の医療で用いられる
容器は、従来のガラス性ボトルやポリプロピレン等の硬
質タイプのプラスチック製ボトルから、軟質タイプのプ
ラスチック製バッグへと変わりつつある。軟質タイプの
プラスチックバッグの素材としては、安全性の他、種々
の性能が要求され、なかでも、柔軟性、強度、透明性お
よび耐熱性が重要である。従来、軟質素材としては、軟
質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマーや
低密度ポリエチレン等のエチレン系ポリマーが主として
使用されているが、軟質ポリ塩化ビニルでは可塑剤の溶
出の問題があり、耐寒性に乏しく、熱滅菌時に着色しや
すいという欠点がある。更に、廃棄時に有害ガス発生の
問題もある。低密度ポリエチレンの場合は、安全性に優
れるが融点が低いため、高温・短時間でのスチーム滅菌
をすることができない。また、90℃程度のスチーム滅
菌温度ではブロッキングや熱水による白化が発生しやす
い。。更に柔軟性の面でも回復性に乏しい等の問題があ
る。エチレン−酢酸ビニルコポリマー等のポリエチレン
系ポリマーの場合には、柔軟性が向上するが耐熱性が更
に低下し、両者のバランスに欠けている。耐熱性と柔軟
性のバランスの改良手段として、放射線照射による架橋
が有効であることが知られているが、製造工程が複雑化
し、経済性も低下するなどの問題がある。これらの問題
を解決するために、様々な改良が試みられており、特
に、耐熱性に優れたポリプロピレンとスチレン系エラス
トマーの組み合わせが有効であるとされ、例えば、特開
平2−1279号には、ポリプロピレンとスチレン-エ
チレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体とエチレ
ンアクリル酸エステルポリマーの組み合わせによる血液
バッグ、特開平4−221572号には、ポリプロピレ
ンとスチレン-エチレン・ブチレン-スチレンあるいはス
チレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合
体とエチレン−α-オレフィン共重合体の組み合わせに
よる医療バッグ、特開平8−24330号には、ポリプ
ロピレンとスチレン-エチレン・ブチレン-スチレンある
いはスチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック
共重合体の組み合わせによる医療バッグが提案されてい
るが、自己排液性を満たすほどの柔軟性は持ち合わせて
おらず、これらの組成物においても、医療容器に要求さ
れる透明性、柔軟性、耐熱性のバランスが十分な領域に
達していないという問題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたものであり、優れた透明
性、耐熱性、耐衝撃性、柔軟性を有し、安全性に優れ医
療用途に好適な新規な軟質フィルム、シート、チュー
ブ、容器等の成形品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)ポリプ
ロピレン1〜99重量%、(ロ)1,4結合含量が70
%以上のポリブタジエンブロックセグメント(A)と、
共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物を70重
量%以上を含有するビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物とのランダム共重合体であって、共役ジエン化合物
部分のビニル結合含量が60%以上であるブロックセグ
メント(B)からなるブロック共重合体であり、共役ジ
エン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和された水
添ジエン系重合体 1〜99重量%、(ハ)エチレンを
主体とするオレフィン系重合体 0〜98重量%〔ただ
し、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を主成分
とすることを特徴とする医療用成形品を提供するもので
ある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用される(イ)ポリプ
ロピレンは、結晶性ポリプロピレンであり、プロピレン
の単独重合体あるいはエチレン、1−ブテン、1−ヘキ
センなどのα−オレフィンを20モル%以下、好ましく
は0.1〜15モル%、より好ましくは0.5〜10モ
ル%含んだ重合体である。この共重合体としては、ラン
ダム共重合体、あるいは多段重合で得られる単独重合体
とのブレンド物、通常のブレンド物であってもよい。ま
た、ポリプロピレンの密度は0.885〜0.915g
/cm3 であり、メルトフローレート(MFR)は0.
1〜50g/10分、好ましくは0.2〜40g/10
分である。
【0006】本発明の(ロ)水添ジエン系重合体は、
1,4結合含量が70%以上のポリブタジエンブロック
セグメント(A)と、共役ジエン化合物、あるいは共役
ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳香族化
合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体であっ
て、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が60%以
上であるブロックセグメント(B)からなるブロック共
重合体を主体とする重合体(以下、「水添前重合体」と
もいう)を水素添加したものである。該重合体は、共役
ジエン部分の二重結合残基が好ましくは80%以上、よ
り好ましくは90%以上水素添加されており、数平均分
子量が4万〜70万であるものが好ましい。二重結合残
基の水素添加率が80%未満であると透明性、機械的強
度、耐熱性、耐候性が十分でないものとなる。数平均分
子量が4万未満では得られる水添ジエン系共重合体をペ
レット化した場合ブロッキングしやすくなるほか、他の
樹脂とブレンドした場合、十分な機械的強度、成形外観
が得にくく、70万を越えると良好な成形加工性が得難
い。
【0007】ここで、(ロ)成分に用いられる共役ジエ
ン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジ
エン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレ
ンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の
優れた水添ジエン系重合体を得るには、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましく、また
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルス
チレン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレン、α−メ
チルスチレンが好ましい。
【0008】前記水添前重合体を構成するブロックセグ
メント(A)に含まれるポリブタジエン部分の好ましい
1,4−結合量は70重量%以上、より好ましくは80
重量%以上である。1,4−結合量が70重量%以下で
は、水素添加された後に樹脂的性質が低下し、またブロ
ック共重合体としての熱可塑性エラストマーの性質が十
分でないものとなる。
【0009】ブロックセグメント(A)の好ましい含量
は、1〜99重量%、より好ましくは5〜65重量%、
さらに好ましくは5〜50重量%である。ブロックセグ
メント(A)の含量が1重量%未満では、機械的強度が
低下し、一方99重量%を超えると十分な柔軟性が得ら
れない。
【0010】また、前記水添前重合体を構成するブロッ
クセグメント(B)の共役ジエン化合物部分の好ましい
ビニル結合(1,2結合および3,4結合)を有する共
役ジエンの含量は60重量%以上、より好ましくは70
重量%以上である。ビニル結合量が60重量%未満で
は、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、水素添加さ
れるとポリエチレン連鎖が多く生成し、ゴム的性質が失
われて好ましくない。ブロックセグメント(B)の好ま
しい含量は、1〜99重量%、より好ましくは30〜9
0重量%、さらに好ましくは35〜90重量%である。
ブロックセグメント(B)の含量が1重量%未満では、
柔軟性が低下し、一方99重量%を超えると機械的強
度、成形加工性が低下する。
【0011】本発明の(イ)水添ジエン系共重合体は、
上述の1,4結合含量が70%以上のポリブタジエンブ
ロックセグメント(A)と、共役ジエン化合物、あるい
は共役ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳
香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体で
あって、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が60
%以上であるブロックセグメント(B)からなるブロッ
ク共重合体とからなる重合体を水素添加することによっ
て得られるが、(イ)水添ジエン系共重合体中に、ブロ
ック(A)、(B)はそれぞれの少なくとも一つずつあ
れば良く、複数存在していても良い。
【0012】前記水添前重合体は、カップリング剤の使
用により重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延
長または分岐された重合体であってもよい。この際用い
られるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエ
チル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩
化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、
ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラク
ロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−
クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタ
ン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げら
れる。
【0013】なお本発明の(ロ)成分としては、2種ま
たはそれ以上の水添前重合体のブレンド物を水添したも
のも好適に用いられる。さらに、2種またはそれ以上の
水添ジエン系重合体同士のブレンド物も、本発明の
(ロ)成分として好適である。本発明の(ロ)水添ジエ
ン系重合体において、分子鎖中の共役ジエン部分の二重
結合の水素添加率は、好ましくは80%、より好ましく
は85%以上、さらに好ましくは90%以上である。8
0%未満では、得られるフィルム・シートの透明性、ヒ
ートシール性が不十分なものとなり好ましくない。さら
に、本発明の(ロ)水添ジエン系重合体はポリスチレン
換算の重量平均分子量が好ましくは5万〜70万、より
好ましくは5万〜60万であり、5万未満では得られる
フィルム・シートの耐衝撃性が劣り、一方70万を越え
ると加工性が不十分なものとなる。なお、本発明に使用
される(ロ)水添ジエン系共重合体は、例えば特開平3
−128957号公報に開示されている方法よって得る
ことができる。
【0014】本発明に使用される(ハ)エチレンを主体
とするオレフィン系重合体は、20モル%を越えるエチ
レンを有する重合体であり、直鎖状あるいは分岐状のオ
レフィン系重合体である。この直鎖状あるいは分岐状の
オレフィン系重合体の代表的な例としては、エチレン−
α−オレフィン系共重合体や高圧法低密度ポリエチレン
などが挙げられる。ここでエチレン−α−オレフィン系
共重合体におけるα−オレフィンとしては、炭素数3〜
12のものが一般的であり、具体的にはプロピレン、1
−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1
−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メ
チル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセ
ン、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのα−
オレフィンの中では、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテンが好ましいが、中でも1−ブテン
が最も好ましく、次いでプロピレンおよび1−オクテン
が好ましく、次いで1−ヘキセンが好ましい。すなわ
ち、(ハ)成分としては、エチレン−1−ブテン共重合
体が最も好ましく、次いでエチレン−プロピレン共重合
体およびエチレン−1−オクテン共重合体が好ましく、
次いでエチレン−1−ヘキセン共重合体が好ましい。
【0015】また、(ハ)成分には、必要に応じて非共
役ジエンが共重合されても良い。(ハ)成分に用いられ
ることのある非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−
ノルボナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル
−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノル
ボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、
シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,
9−シクロドデカトリエン、1,4−ヘキサジエン、
1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8
−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル
−1,7−オクタジエンなどが挙げられ、好ましくは5
−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ンである。これらは、1種単独であるいは2種以上併用
して使用することができる。上記各種のエチレンを主体
とするオレフィン系重合体は、各々単独でも(ハ)成分
として好適に用いられるが、2種またはそれ以上の重合
体のブレンド物であってもよい。このブレンド物として
は、例えば2種の重合体のブレンド物の場合、直鎖状重
合体同士のブレンド物、分岐状重合体同士のブレンド
物、さらに直鎖状重合体と分岐状重合体とのブレンド物
のいずれの組み合わせも、(ハ)成分として好適であ
る。
【0016】本発明の成形品において、(イ)成分は1
〜99重量%、好ましくは10〜99重量%、より好ま
しくは30〜99重量%、さらに好ましくは50〜99
重量%、(ロ)成分は1〜99重量%、好ましくは1〜
90重量%、より好ましくは1〜70重量%、さらに好
ましくは1〜50重量%、(ハ)成分は0〜98重量
%、好ましくは0〜90重量%、より好ましくは0〜7
0重量%さらに好ましくは0〜50重量%〔ただし
(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕である。
(イ)成分が1重量%未満および/または(ロ)成分が
99重量%を越える場合、ヒートシール性が低下し、ま
た成形性も劣る。また(ロ)成分が1重量%未満および
/または(イ)成分が99重量%を越える場合、透明
性、耐衝撃性が劣るものとなる。(ハ)成分は必要に応
じて用いられるが、これが98重量%を越える場合、柔
軟性および成形性が劣るものとなり、好ましくない。
【0017】本発明の成形品には、医療上の支障がない
限り、通常の熱可塑性材料に用いられる添加剤を必要に
応じて添加することができる。例えば、フタル酸エステ
ルなどの可塑剤または補強剤、パラフィン系オイルなど
のゴム用充填材、シリカやタルクや炭酸カルシウムなど
のフィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
滑剤、抗菌剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、顔料、炭素繊
維、金属繊維、ガラスビーズ、架橋剤、架橋助剤など、
またはこれらの混合物を添加することができる。
【0018】また、本発明の成形品を構成する成分とし
て、前記(イ)〜(ハ)成分以外の熱可塑性材料および
ゴム状重合体、例えばポリブテン、ポリ−4−メチル−
1−ペンテンなどのポリメチルペンテン類、水添テルペ
ン樹脂、石油樹脂、ポリイソブチレン、ポリスチレン、
ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのポ
リアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリル酸ア
ルキルエステル、ポリブタジエン重合体および/または
その水添物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−イソプレン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合
体および/またはその水添物、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、アクリルゴム、エチレン系アイオノマ
ーなどを配合することもでき、また本発明のフィルム・
シートの特性を損ねない範囲であれば、熱硬化性重合
体、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹
脂などを配合することも可能である。
【0019】本発明の成形品の一つであるフイルム・シ
ートは、Tダイ成形、インフレーション成形、カレンダ
ー成形などの従来公知の方法で容易に成形可能である。
また本発明の成形品には、延伸処理を施すことも可能で
ある。延伸処理を施す方法としては、ロール延伸やロー
ル圧延、テンター横1軸延伸などの公知の1軸延伸方法
ならびに、テンター2軸延伸やチューブラー2軸延伸な
どの公知の2軸延伸方法が採用できる。延伸処理を施す
場合の延伸温度は常温〜ポリプロピレンの融点以下、延
伸倍率は2〜10倍が好ましい。ただしMD、TDの延
伸倍率については、必ずしもバランスさせる必要はな
く、それぞれの用途に応じて任意に選択することができ
る。
【0020】なお、目的に応じて本発明のフィルム・シ
ート同士や、本発明のフィルム・シートとポリオレフィ
ン系樹脂やエチレン−α−オレフィン系樹脂やこれらの
混合物によるフィルム・シートとを積層することによ
り、更に優れた特性を有するフィルム・シートを得るこ
とが可能である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体またはその誘
導体共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体な
どの材料と積層することも可能であり、これらのフィル
ム・シートと本発明のフィルム・シートとの積層によ
り、各種の目的に応じたフィルム・シートを得ることが
可能である。なお、これら積層体を得る方法としては、
共押出Tダイ成形法、共押出インフレーション成形法な
どが例示されるが、特に限定されるものではない。
【0021】本発明の成形品は、安全性、透明性、柔軟
性、耐熱性、耐衝撃性、ヒートシール性に優れることか
ら、例えば輸液バッグ、CAPDバッグ、血液バッグ、
血小板保存バッグなどの各種医療用器具に用いることが
できる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明はか
かる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
において部および%は、特に断らない限り重量基準であ
る。また、実施例中における各種物性の評価は次の方法
で行った。
【0023】共役ジエンのビニル結合含量およびポリブ
タジエン1,4結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H―N
MRスペクトルから算出した。水添ジエン系共重合体の重量平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。透明性 JIS K6782に準拠して全ヘイズを測定し、透明
性の指標とした。 ○;Haze≦30% ×;Haze>30%耐熱性 121℃にセットした蒸気圧力容器内に、フィルムを吊
り下げ、1時間投入後の形状保持性を観察し、評価し
た。 ○;変形せずフィルム形状が保持されている。 ×;変形した(大きな収縮を示した)。柔軟性 JIS K7127に準拠してヤング率を測定し、柔軟
性の指標とした。 ○;ヤング率≦5000Kgf/cm2 ×;ヤング率>5000Kgf/cm2
【0024】参考例 実施例および比較例に示す配合に用いられる各種の成分
は、以下の通りである。ポリプロピレン PP−1〔チッソ石油化学(株)製 XF1800〕 密度0.9g/cm3、MFR 1.8g/10分 PP−2〔三菱化学(株)製 FX−4〕 密度0.9g/cm3、MFR 7g/10分水添ジエン系共重合体 表1に示すミクロ構造、数平均分子量、水添率の水添ジ
エン系共重合体(DR−1〜DR−2)。
【0025】
【表1】
【0026】エチレンを主体とするオレフィン系重合体 PO−1;1−ブテン含量が20重量%(9.7モル
%)、MFR6.6g/10分であるエチレン−1−ブ
テン共重合体
【0027】実施例1〜14および比較例1〜3 表2に示す配合の組成物を口径50mm、L/D36の
押出機を用いて180〜230℃で混練し、Tダイに供
給して、ダイ温度210〜230℃、厚み200μmの
ポリプロピレン系フィルムを作製した。得られたフィル
ムの物性の評価結果を併せて表2に示す。実施例1〜5
の結果から明かなように、本発明のフィルムは、透明性
と耐熱性に優れ、かつ柔軟性に優れていることが分か
る。これに対して、比較例1は(イ)成分のみを使用し
た例であるが、本発明のフィルムと比較して、透明性と
柔軟性が劣ることがわかる。また比較例2〜3は(ロ)
成分のみによるものである。いずれも柔軟性が不十分で
あることがわかる。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明は、ポリプロピレン、特定の水添
ジエン系共重合体、および必要に応じてエチレンを主体
とするオレフィン系重合体とからなるフィルム・シート
等の軟質成形品を提供するものであり、従来のフィルム
・シートと比較して、安全性、透明性、柔軟性、耐熱
性、、耐衝撃性、ヒートシール性などに優れた特性を有
するフィルム・シートを提供することが可能である。本
発明のフィルム・シートは、上記の優れた特性により、
例えば輸液バッグ、CAPDバッグ、血液バッグ、血小
板保存バッグなどの各種医療用器具に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES Fターム(参考) 4C081 AC12 AC14 BB03 BB07 BB08 CA021 CA032 CA052 CA082 CA122 CB011 CB012 CC01 CC02 CE07 CE11 CF132 CF22 DA02 DA03 DC12 4F071 AA12X AA14 AA20 AA22X AA75 AA76 AF23 AF26 AF30 AF45 AH04 BA01 BB06 BC01 BC04 BC05 4J002 BB00Y BB03Y BB05Y BB12W BB14W BB15Y BP01X GG00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)ポリプロピレン1〜99重量%、 (ロ)1,4結合含量が70%以上のポリブタジエンブ
    ロックセグメント(A)と、共役ジエン化合物、あるい
    は共役ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳
    香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体で
    あって、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が60
    %以上であるブロックセグメント(B)からなるブロッ
    ク共重合体であり、共役ジエン部分の二重結合の少なく
    とも80%が飽和された水添ジエン系重合体 1〜99
    重量%、 (ハ)エチレンを主体とするオレフィン系重合体 0〜
    98重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100
    重量%〕を主成分とすることを特徴とする医療用成形
    品。
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