JP2000093490A - 医療用成形品 - Google Patents
医療用成形品Info
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Abstract
し、安全性に優れ医療バッグ用途に好適な新規な軟質成
形品を提供することを目的とする。 【解決手段】 (イ)ポリプロピレン、(ロ)1,4結
合含量が70%以上のポリブタジエンブロックセグメン
ト(A)と、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化
合物を70重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共
役ジエン化合物とのランダム共重合体であって、共役ジ
エン化合物部分のビニル結合含量が60%以上であるブ
ロックセグメント(B)からなるブロック共重合体であ
り、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が飽
和された水添ジエン系重合体(ハ)エチレンを主体とす
るオレフィン系重合体 0〜98重量%〔ただし、
(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕からなること
を特徴とする、医療用軟質成形品。
Description
性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性が良好で安全性に優れ
る軟質成形品に関し、より詳しくは、ポリプロピレン、
水添ジエン系重合体、および必要に応じてエチレンを主
体とするオレフィン系重合体からなる、医療用途に好適
な特性を有するフィルム、シート、チューブ、容器等の
軟質成形品に関する。
容器は、従来のガラス性ボトルやポリプロピレン等の硬
質タイプのプラスチック製ボトルから、軟質タイプのプ
ラスチック製バッグへと変わりつつある。軟質タイプの
プラスチックバッグの素材としては、安全性の他、種々
の性能が要求され、なかでも、柔軟性、強度、透明性お
よび耐熱性が重要である。従来、軟質素材としては、軟
質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマーや
低密度ポリエチレン等のエチレン系ポリマーが主として
使用されているが、軟質ポリ塩化ビニルでは可塑剤の溶
出の問題があり、耐寒性に乏しく、熱滅菌時に着色しや
すいという欠点がある。更に、廃棄時に有害ガス発生の
問題もある。低密度ポリエチレンの場合は、安全性に優
れるが融点が低いため、高温・短時間でのスチーム滅菌
をすることができない。また、90℃程度のスチーム滅
菌温度ではブロッキングや熱水による白化が発生しやす
い。。更に柔軟性の面でも回復性に乏しい等の問題があ
る。エチレン−酢酸ビニルコポリマー等のポリエチレン
系ポリマーの場合には、柔軟性が向上するが耐熱性が更
に低下し、両者のバランスに欠けている。耐熱性と柔軟
性のバランスの改良手段として、放射線照射による架橋
が有効であることが知られているが、製造工程が複雑化
し、経済性も低下するなどの問題がある。これらの問題
を解決するために、様々な改良が試みられており、特
に、耐熱性に優れたポリプロピレンとスチレン系エラス
トマーの組み合わせが有効であるとされ、例えば、特開
平2−1279号には、ポリプロピレンとスチレン-エ
チレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体とエチレ
ンアクリル酸エステルポリマーの組み合わせによる血液
バッグ、特開平4−221572号には、ポリプロピレ
ンとスチレン-エチレン・ブチレン-スチレンあるいはス
チレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合
体とエチレン−α-オレフィン共重合体の組み合わせに
よる医療バッグ、特開平8−24330号には、ポリプ
ロピレンとスチレン-エチレン・ブチレン-スチレンある
いはスチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック
共重合体の組み合わせによる医療バッグが提案されてい
るが、自己排液性を満たすほどの柔軟性は持ち合わせて
おらず、これらの組成物においても、医療容器に要求さ
れる透明性、柔軟性、耐熱性のバランスが十分な領域に
達していないという問題を有する。
技術的課題を背景になされたものであり、優れた透明
性、耐熱性、耐衝撃性、柔軟性を有し、安全性に優れ医
療用途に好適な新規な軟質フィルム、シート、チュー
ブ、容器等の成形品を提供することを目的とする。
ロピレン1〜99重量%、(ロ)1,4結合含量が70
%以上のポリブタジエンブロックセグメント(A)と、
共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物を70重
量%以上を含有するビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物とのランダム共重合体であって、共役ジエン化合物
部分のビニル結合含量が60%以上であるブロックセグ
メント(B)からなるブロック共重合体であり、共役ジ
エン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和された水
添ジエン系重合体 1〜99重量%、(ハ)エチレンを
主体とするオレフィン系重合体 0〜98重量%〔ただ
し、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を主成分
とすることを特徴とする医療用成形品を提供するもので
ある。以下、本発明を詳細に説明する。
ロピレンは、結晶性ポリプロピレンであり、プロピレン
の単独重合体あるいはエチレン、1−ブテン、1−ヘキ
センなどのα−オレフィンを20モル%以下、好ましく
は0.1〜15モル%、より好ましくは0.5〜10モ
ル%含んだ重合体である。この共重合体としては、ラン
ダム共重合体、あるいは多段重合で得られる単独重合体
とのブレンド物、通常のブレンド物であってもよい。ま
た、ポリプロピレンの密度は0.885〜0.915g
/cm3 であり、メルトフローレート(MFR)は0.
1〜50g/10分、好ましくは0.2〜40g/10
分である。
1,4結合含量が70%以上のポリブタジエンブロック
セグメント(A)と、共役ジエン化合物、あるいは共役
ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳香族化
合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体であっ
て、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が60%以
上であるブロックセグメント(B)からなるブロック共
重合体を主体とする重合体(以下、「水添前重合体」と
もいう)を水素添加したものである。該重合体は、共役
ジエン部分の二重結合残基が好ましくは80%以上、よ
り好ましくは90%以上水素添加されており、数平均分
子量が4万〜70万であるものが好ましい。二重結合残
基の水素添加率が80%未満であると透明性、機械的強
度、耐熱性、耐候性が十分でないものとなる。数平均分
子量が4万未満では得られる水添ジエン系共重合体をペ
レット化した場合ブロッキングしやすくなるほか、他の
樹脂とブレンドした場合、十分な機械的強度、成形外観
が得にくく、70万を越えると良好な成形加工性が得難
い。
ン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジ
エン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレ
ンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の
優れた水添ジエン系重合体を得るには、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましく、また
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルス
チレン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレン、α−メ
チルスチレンが好ましい。
メント(A)に含まれるポリブタジエン部分の好ましい
1,4−結合量は70重量%以上、より好ましくは80
重量%以上である。1,4−結合量が70重量%以下で
は、水素添加された後に樹脂的性質が低下し、またブロ
ック共重合体としての熱可塑性エラストマーの性質が十
分でないものとなる。
は、1〜99重量%、より好ましくは5〜65重量%、
さらに好ましくは5〜50重量%である。ブロックセグ
メント(A)の含量が1重量%未満では、機械的強度が
低下し、一方99重量%を超えると十分な柔軟性が得ら
れない。
クセグメント(B)の共役ジエン化合物部分の好ましい
ビニル結合(1,2結合および3,4結合)を有する共
役ジエンの含量は60重量%以上、より好ましくは70
重量%以上である。ビニル結合量が60重量%未満で
は、例えば共役ジエンがブタジエンの場合、水素添加さ
れるとポリエチレン連鎖が多く生成し、ゴム的性質が失
われて好ましくない。ブロックセグメント(B)の好ま
しい含量は、1〜99重量%、より好ましくは30〜9
0重量%、さらに好ましくは35〜90重量%である。
ブロックセグメント(B)の含量が1重量%未満では、
柔軟性が低下し、一方99重量%を超えると機械的強
度、成形加工性が低下する。
上述の1,4結合含量が70%以上のポリブタジエンブ
ロックセグメント(A)と、共役ジエン化合物、あるい
は共役ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳
香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体で
あって、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が60
%以上であるブロックセグメント(B)からなるブロッ
ク共重合体とからなる重合体を水素添加することによっ
て得られるが、(イ)水添ジエン系共重合体中に、ブロ
ック(A)、(B)はそれぞれの少なくとも一つずつあ
れば良く、複数存在していても良い。
用により重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延
長または分岐された重合体であってもよい。この際用い
られるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエ
チル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩
化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、
ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラク
ロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−
クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタ
ン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げら
れる。
たはそれ以上の水添前重合体のブレンド物を水添したも
のも好適に用いられる。さらに、2種またはそれ以上の
水添ジエン系重合体同士のブレンド物も、本発明の
(ロ)成分として好適である。本発明の(ロ)水添ジエ
ン系重合体において、分子鎖中の共役ジエン部分の二重
結合の水素添加率は、好ましくは80%、より好ましく
は85%以上、さらに好ましくは90%以上である。8
0%未満では、得られるフィルム・シートの透明性、ヒ
ートシール性が不十分なものとなり好ましくない。さら
に、本発明の(ロ)水添ジエン系重合体はポリスチレン
換算の重量平均分子量が好ましくは5万〜70万、より
好ましくは5万〜60万であり、5万未満では得られる
フィルム・シートの耐衝撃性が劣り、一方70万を越え
ると加工性が不十分なものとなる。なお、本発明に使用
される(ロ)水添ジエン系共重合体は、例えば特開平3
−128957号公報に開示されている方法よって得る
ことができる。
とするオレフィン系重合体は、20モル%を越えるエチ
レンを有する重合体であり、直鎖状あるいは分岐状のオ
レフィン系重合体である。この直鎖状あるいは分岐状の
オレフィン系重合体の代表的な例としては、エチレン−
α−オレフィン系共重合体や高圧法低密度ポリエチレン
などが挙げられる。ここでエチレン−α−オレフィン系
共重合体におけるα−オレフィンとしては、炭素数3〜
12のものが一般的であり、具体的にはプロピレン、1
−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1
−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メ
チル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセ
ン、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのα−
オレフィンの中では、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテンが好ましいが、中でも1−ブテン
が最も好ましく、次いでプロピレンおよび1−オクテン
が好ましく、次いで1−ヘキセンが好ましい。すなわ
ち、(ハ)成分としては、エチレン−1−ブテン共重合
体が最も好ましく、次いでエチレン−プロピレン共重合
体およびエチレン−1−オクテン共重合体が好ましく、
次いでエチレン−1−ヘキセン共重合体が好ましい。
役ジエンが共重合されても良い。(ハ)成分に用いられ
ることのある非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−
ノルボナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル
−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノル
ボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、
シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,
9−シクロドデカトリエン、1,4−ヘキサジエン、
1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8
−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル
−1,7−オクタジエンなどが挙げられ、好ましくは5
−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ンである。これらは、1種単独であるいは2種以上併用
して使用することができる。上記各種のエチレンを主体
とするオレフィン系重合体は、各々単独でも(ハ)成分
として好適に用いられるが、2種またはそれ以上の重合
体のブレンド物であってもよい。このブレンド物として
は、例えば2種の重合体のブレンド物の場合、直鎖状重
合体同士のブレンド物、分岐状重合体同士のブレンド
物、さらに直鎖状重合体と分岐状重合体とのブレンド物
のいずれの組み合わせも、(ハ)成分として好適であ
る。
〜99重量%、好ましくは10〜99重量%、より好ま
しくは30〜99重量%、さらに好ましくは50〜99
重量%、(ロ)成分は1〜99重量%、好ましくは1〜
90重量%、より好ましくは1〜70重量%、さらに好
ましくは1〜50重量%、(ハ)成分は0〜98重量
%、好ましくは0〜90重量%、より好ましくは0〜7
0重量%さらに好ましくは0〜50重量%〔ただし
(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕である。
(イ)成分が1重量%未満および/または(ロ)成分が
99重量%を越える場合、ヒートシール性が低下し、ま
た成形性も劣る。また(ロ)成分が1重量%未満および
/または(イ)成分が99重量%を越える場合、透明
性、耐衝撃性が劣るものとなる。(ハ)成分は必要に応
じて用いられるが、これが98重量%を越える場合、柔
軟性および成形性が劣るものとなり、好ましくない。
限り、通常の熱可塑性材料に用いられる添加剤を必要に
応じて添加することができる。例えば、フタル酸エステ
ルなどの可塑剤または補強剤、パラフィン系オイルなど
のゴム用充填材、シリカやタルクや炭酸カルシウムなど
のフィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
滑剤、抗菌剤、難燃剤、発泡剤、着色剤、顔料、炭素繊
維、金属繊維、ガラスビーズ、架橋剤、架橋助剤など、
またはこれらの混合物を添加することができる。
て、前記(イ)〜(ハ)成分以外の熱可塑性材料および
ゴム状重合体、例えばポリブテン、ポリ−4−メチル−
1−ペンテンなどのポリメチルペンテン類、水添テルペ
ン樹脂、石油樹脂、ポリイソブチレン、ポリスチレン、
ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのポ
リアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリル酸ア
ルキルエステル、ポリブタジエン重合体および/または
その水添物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−イソプレン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合
体および/またはその水添物、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、アクリルゴム、エチレン系アイオノマ
ーなどを配合することもでき、また本発明のフィルム・
シートの特性を損ねない範囲であれば、熱硬化性重合
体、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹
脂などを配合することも可能である。
ートは、Tダイ成形、インフレーション成形、カレンダ
ー成形などの従来公知の方法で容易に成形可能である。
また本発明の成形品には、延伸処理を施すことも可能で
ある。延伸処理を施す方法としては、ロール延伸やロー
ル圧延、テンター横1軸延伸などの公知の1軸延伸方法
ならびに、テンター2軸延伸やチューブラー2軸延伸な
どの公知の2軸延伸方法が採用できる。延伸処理を施す
場合の延伸温度は常温〜ポリプロピレンの融点以下、延
伸倍率は2〜10倍が好ましい。ただしMD、TDの延
伸倍率については、必ずしもバランスさせる必要はな
く、それぞれの用途に応じて任意に選択することができ
る。
ート同士や、本発明のフィルム・シートとポリオレフィ
ン系樹脂やエチレン−α−オレフィン系樹脂やこれらの
混合物によるフィルム・シートとを積層することによ
り、更に優れた特性を有するフィルム・シートを得るこ
とが可能である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体またはその誘
導体共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体な
どの材料と積層することも可能であり、これらのフィル
ム・シートと本発明のフィルム・シートとの積層によ
り、各種の目的に応じたフィルム・シートを得ることが
可能である。なお、これら積層体を得る方法としては、
共押出Tダイ成形法、共押出インフレーション成形法な
どが例示されるが、特に限定されるものではない。
性、耐熱性、耐衝撃性、ヒートシール性に優れることか
ら、例えば輸液バッグ、CAPDバッグ、血液バッグ、
血小板保存バッグなどの各種医療用器具に用いることが
できる。
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明はか
かる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
において部および%は、特に断らない限り重量基準であ
る。また、実施例中における各種物性の評価は次の方法
で行った。
タジエン1,4結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H―N
MRスペクトルから算出した。水添ジエン系共重合体の重量平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。透明性 JIS K6782に準拠して全ヘイズを測定し、透明
性の指標とした。 ○;Haze≦30% ×;Haze>30%耐熱性 121℃にセットした蒸気圧力容器内に、フィルムを吊
り下げ、1時間投入後の形状保持性を観察し、評価し
た。 ○;変形せずフィルム形状が保持されている。 ×;変形した(大きな収縮を示した)。柔軟性 JIS K7127に準拠してヤング率を測定し、柔軟
性の指標とした。 ○;ヤング率≦5000Kgf/cm2 ×;ヤング率>5000Kgf/cm2
は、以下の通りである。ポリプロピレン PP−1〔チッソ石油化学(株)製 XF1800〕 密度0.9g/cm3、MFR 1.8g/10分 PP−2〔三菱化学(株)製 FX−4〕 密度0.9g/cm3、MFR 7g/10分水添ジエン系共重合体 表1に示すミクロ構造、数平均分子量、水添率の水添ジ
エン系共重合体(DR−1〜DR−2)。
%)、MFR6.6g/10分であるエチレン−1−ブ
テン共重合体
押出機を用いて180〜230℃で混練し、Tダイに供
給して、ダイ温度210〜230℃、厚み200μmの
ポリプロピレン系フィルムを作製した。得られたフィル
ムの物性の評価結果を併せて表2に示す。実施例1〜5
の結果から明かなように、本発明のフィルムは、透明性
と耐熱性に優れ、かつ柔軟性に優れていることが分か
る。これに対して、比較例1は(イ)成分のみを使用し
た例であるが、本発明のフィルムと比較して、透明性と
柔軟性が劣ることがわかる。また比較例2〜3は(ロ)
成分のみによるものである。いずれも柔軟性が不十分で
あることがわかる。
ジエン系共重合体、および必要に応じてエチレンを主体
とするオレフィン系重合体とからなるフィルム・シート
等の軟質成形品を提供するものであり、従来のフィルム
・シートと比較して、安全性、透明性、柔軟性、耐熱
性、、耐衝撃性、ヒートシール性などに優れた特性を有
するフィルム・シートを提供することが可能である。本
発明のフィルム・シートは、上記の優れた特性により、
例えば輸液バッグ、CAPDバッグ、血液バッグ、血小
板保存バッグなどの各種医療用器具に用いることができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 (イ)ポリプロピレン1〜99重量%、 (ロ)1,4結合含量が70%以上のポリブタジエンブ
ロックセグメント(A)と、共役ジエン化合物、あるい
は共役ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳
香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体で
あって、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が60
%以上であるブロックセグメント(B)からなるブロッ
ク共重合体であり、共役ジエン部分の二重結合の少なく
とも80%が飽和された水添ジエン系重合体 1〜99
重量%、 (ハ)エチレンを主体とするオレフィン系重合体 0〜
98重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100
重量%〕を主成分とすることを特徴とする医療用成形
品。
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---|---|---|---|
JP10267058A JP2000093490A (ja) | 1998-09-21 | 1998-09-21 | 医療用成形品 |
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