JP4125083B2 - 積層シートおよびそれを用いた成形容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートとニ軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとを積層した積層シート及びそれを成形して製造される成形容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等において販売される弁当、丼、惣菜などの食品包装容器その他の一般包装容器として、耐熱、耐油性が高く、廃棄焼却時の燃焼カロリーが低いなどの特徴から無機充填剤配合ポリオレフィンシートが広く用いられている。
【0003】
しかし、無機充填剤配合ポリオレフィンシートは、無機充填剤の影響により、シート製造時には冷却ロール等の接触により光沢のある表面を作り出せるものの、そのシートを容器形状等に成形(以下、二次成形と記す)した際には光沢が失われてしまい、光沢のある容器が得にくいという欠点を有し、光沢が必要とされる用途に使用することが困難であった。
【0004】
更に、無機充填剤配合ポリオレフォン系樹脂シートを二次成形する際には、加熱によりシートが軟化し垂れ下がる、いわゆるドローダウン現象によって、成形時にシートが重なってしわが発生する問題もあった。これは特に加熱の熱量が多く必要となる深さの深い容器を成形する時に顕著になる。
【0005】
そこで、ポリオレフィン系樹脂シートの光沢を向上させるために、無機充填剤を含有するオレフィン系樹脂シートと厚さ20〜100μmで2〜10倍に二軸延伸されたポリプロピレンフィルムとを貼り合わせてなるオレフィン系樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ポリオレフィン系樹脂シートのドローダウンを抑制するために、縦方向、横方向の二方向に延伸された二軸延伸ポリプロピレン系樹脂シートと延伸処理の施されていない無延伸ポリプロピレン系樹脂シートとを積層してなり、全体の厚さが100〜600μmであることを特徴とする成形用ポリプロピレン系樹脂積層シートが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
上記特許文献1及び2に記載された技術は、基本的にポリオレフィン系樹脂シートと二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとの積層シートとしては一致するものであり、この構成により成形容器の表面光沢性と二次成形時のドローダウン性については解決されたことが記述されているが、二軸延伸フィルムの加熱により発生する強い収縮力により熱成形性や成形後の寸法安定性に劣るという問題を有することが判明した。
【0007】
また、その熱成形性の問題を解決するため、二軸延伸フィルムとして低収縮強度となるように特殊な性質を有するフィルムとポリプロピレン系シートと積層してなる積層シートが提案されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
更にその熱成形性を改良するため、特定の二軸延伸フィルムとポリプロピレン系シートとの厚み比が、特定範囲にある積層シートが提案されている(例えば、特許文献7参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特公昭63−44060号公報
【特許文献2】
実公昭61−2030号公報
【特許文献3】
特開平8−85192号公報
【特許文献4】
特開平10−193535号公報
【特許文献5】
特開平11−123798号公報
【特許文献6】
特開平11−129416号公報
【特許文献7】
特開平10−291284号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献3〜6に各々記載された従来技術は、耐熱性、耐油性、表面光沢性が十分なフィルムを得難く、また材料コストの上昇を招く問題がある。また、上記特許文献7に記載された従来技術は、熱成形性や表面光沢性が安定して得られないという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、電子レンジ調理に使用できる耐熱性、耐油性を有し、かつ表面光沢性に優れる上、二次成形性が改善された積層シート及び成形容器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、積層シートの二次成形性を向上させる手段として、無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートの配合組成を特定することによって積層シートの二次成形性を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂40〜95質量%と無機充填剤60〜5質量%とを含む無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも片面に二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムが積層されてなる積層シートであって、該ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物でありかつ該ポリオレフィン系樹脂中に存在するエチレン成分の含有量が5〜50質量%であることを特徴とする積層シートを提供する。
本発明の積層シートにおいて、無機充填剤はタルクであることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、上記積層シートを成形して製造される成形容器を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の積層シートは、ポリオレフィン系樹脂40〜95質量%と無機充填剤60〜5質量%とを含む無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シート(以下、ポリオレフィン系樹脂シートと記す)の少なくとも片面に、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(以下、OPPフィルムと記す)が積層されてなり、該ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物であり、かつ該ポリオレフィン系樹脂中に存在するエチレン成分の含有量が5〜50質量%であることを特徴としている。なお、ポリオレフィン系樹脂中に存在するエチレン成分の含有量は、ポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分と、ポリエチレン系樹脂中のエチレン成分との合計の含有量である。
【0015】
この積層シートを得る方法は、例えばエクストルージョンラミネート法、サーマルラミネート法、ホットメルト接着剤を介したラミネート法などの従来既知の方法が考えられるが、本発明ではあらかじめ作製しておいたポリオレフィン系樹脂シートとOPPフィルムとを、サーマルラミネート法によって直接に積層し、熱接着して製造することが最も好ましい。
【0016】
上記ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン分子鎖中にランダムにエチレンあるいは他のコモノマーが1〜7質量%程度挿入されたランダム共重合体、通常プロピレン単独重合体のマトリックス中に約20%までのエチレン−プロピレンゴム(EPR)を含むインパクト共重合体(ブロック共重合体ともいう)などのポリプロピレン系樹脂と、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂との混合物が使用される。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン樹脂との混合物からなるポリオレフィン系樹脂中のエチレン成分の含有量は5〜50質量%の範囲とされ、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。エチレン成分の含有量が5質量%未満の場合は、積層シートの剛性が高くなり、ポリオレフィン系樹脂シートを軟化させるための熱量が多く必要になるため、OPPフィルムにかかる熱量が過剰となり、延伸が緩和さてしまい、OPPフィルムの光沢性が失われてしまう場合がある。
また、エチレン成分の含有量が50質量%を越えた場合、OPPフィルムが軟化する前にポリオレフィン系樹脂シートが軟化し、OPPフィルムの収縮力でポリオレフィン系樹脂シートも収縮してしまうため、シートが成形機のクランプから外れ、成形困難となる。
【0018】
本発明に使用される無機充填剤としては、例えばタルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスビーズ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウムなどが単独又は2種以上の混合物として使用できる。この中でもタルクは少ない充填量で樹脂に剛性や耐熱性を付与できることから好ましいものである。無機充填剤の量は5〜60質量%であり、好ましくは10〜40質量%である。無機充填剤の量が5質量%未満の場合、シートの剛性が不足し、OPPフィルムの収縮力に耐え切らず、ポリオレフィン系樹脂シートも収縮してしまい、連続成形機のクランプから外れ、成形困難となる。無機充填剤の量が60質量%を越えた場合、非常に脆いシートとなり、成形容器が流通時に割れを生じる可能性があるため好ましくない。
【0019】
また上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、すべり性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤、無機充填剤の分散性を良くするような高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドなどの種々の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、添加してもよい。
【0020】
ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは0.3〜0.8mmが好ましく、0.35〜0.6mmが特に好ましい。
【0021】
本発明に用いるOPPフィルムを構成するポリプロピレン系樹脂(以下、OPPフィルム用樹脂と記す)としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン分子鎖中にエチレンあるいは他のコモノマーが1〜7質量%程度挿入された共重合体、通常プロピレン単独重合体のマトリックス中に約20%までのエチレン−プロピレンゴム(EPR)を含むインパクト共重合体(ブロック共重合体ともいう)がそれぞれ単独で使用できるほか、これらの混合物も使用できる。
【0022】
また上記OPPフィルム用樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の樹脂を混合しても良い。当該他の樹脂としては、例えばエチレン、ブテン、α−オレフィン等の単独重合体もしくは共重合体、ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系エラストマー等のオレフィン系樹脂の他、石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系樹脂などが、1種単独で、または2種以上混合して使用される。
【0023】
また上記OPPフィルム用樹脂には、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、すべり性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤、フィラー等の種々の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、添加してもよい。
【0024】
OPPフィルムを製造するには、まずOPPフィルム用樹脂と各種添加剤等を押出機を用いて溶融混練し、次いで押出機先端に接続した金型を通してシート状に押出成形する。そして押出成形されたシートを樹脂の押出方向(縦方向、MD)とそれに直交する方向(横方向、TD)の2方向に逐次あるいは同時に延伸(ニ軸延伸)することによってOPPフィルムが製造される。
【0025】
OPPフィルムの厚みは5〜50μmであるのが好ましい。
フィルム厚みが5μm未満では、積層発泡体のドローダウンを改善する効果や、あるいは成形容器の強度、高温での剛性等を向上する効果が不十分になるおそれがあり、逆に50μmを越えた場合には、OPPフィルムをポリオレフィン系樹脂シートに積層して積層シートを作製する際や、あるいは作製した積層シートを熱成形して成形容器を製造する際などに多くの熱量を必要とするため製造効率が悪くなり、また積層シートが熱によって侵されて、熱成形時に局部的に伸ばされた部分が生じるなどして、成形容器の外観が悪化するおそれもある。なおOPPフィルムの厚みは、上記各特性のバランスを考慮すると、上記の範囲内でも特に10〜40μmであるのが好ましい。
【0026】
OPPフィルムの表面には、例えば印刷性等を向上すべくコロナ放電処理等の表面処理を施したり、つや消し調を得るためにマット処理などが施されていても良い。
OPPフィルムは単層のものには限定されず、例えば組成の異なるポリプロピレン系樹脂からなる多層OPPフィルムを用いることもできる。
【0027】
またOPPフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばガスバリア性等の向上を目的として、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムなど、組成の異なる他のフィルムを積層してもよい。
【0028】
本発明の成形容器は、上記積層シートを容器形状に成形して製造される。この成形方法は特に限定されず、従来公知の種々の方法で製造することが考えられるが、熱成形による方法によって製造するのが最も好ましい。熱成形の方法としては、例えば真空成形や圧空成形、あるいはこれらの応用としてのマッチド・モールド成形、プラグアシスト成形等の、従来公知の種々の成形法を採用することができる。
【0029】
図1及び2は本発明の成形容器の一例を示す図であり、図1は成形容器の平面図、図2(a)はA−A部断面図、図2(b)は部分拡大図である。これらの図中符号1は成形容器である。この成形容器1は、ポリオレフィン系樹脂シート2とOPPフィルム3とを積層した積層シートを、OPPフィルム3が容器内側に向くように容器形状に成形して構成されている。なお、成形容器の形状は本例示に限定されることなく、丼状、トレー状、箱状、コップ状などの各種形状および大きさに成形することができる。
【0030】
本発明の積層シートは、二次成形性に優れ、得られた成形容器においても剛性に優れるため軽量化が図れ、更には低温での耐衝撃性にも優れている。さらに本発明の積層シートは表面光沢性が良好であり、かつ二次成形後にも優れた表面光沢性を維持し得る。
この積層シートを用いて製造された本発明の成形容器は、食品容器等の各種容器として好適であり、特に低温での耐衝撃性に優れていることから、内容物である食品が冷蔵あるいは冷凍処理された状態で、配送センターから各店舗に配送され、店頭で、もしくは家庭に持ち帰ってそのまま電子レンジで加熱調理に供される、コンビニエンスストア等の食品用包装容器に最適である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果を明確にする。
なお、以下の実施例1〜3及び比較例1〜3において、エチレン成分の含有量は次の通り測定した。
<エチレン成分の含有量の測定>
試料20mgを4SVサンプル瓶にとりODCB約3.5mLを加え高温GPC溶解装置アルミブロック内で160℃、2時間程度加熱溶解後、溶液を160℃ホットプレート上のスライドガラス上に滴下、フィルム化し、IR測定した。得られたチャートよりピーク高さを求め検量線によりエチレン成分の含有量を算出した。
ここで、検量線はホモポリプロピレン(サンアロマー社製、商品名PM600A)に低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製、商品名DFDJ6774)を0,10,30及び60質量%配合したもののIR測定から求めたピーク高さから作成した。
【0032】
[実施例1]
エチレン成分を3.5質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体60質量%、高密度ポリエチレン10質量%及び無機充填剤としてタルク30質量%を二軸押出機に供給、加熱軟化混合後、シート化し、巾1040mm、厚み450μmのポリオレフィン系樹脂シートを得た。該シートのポリオレフィン樹脂中に含まれるエチレン成分の含有量は17質量%である。
このポリオレフィン系樹脂シートの片面に、エチレン成分を1.4質量%含有したエチレン−プロピレン共重合体よりなる厚み30μmのOPPフィルムを熱ラミネート法により積層し、積層シートを得た。
得られた積層シートを、図1及び2に示す通りの容器形状をなし、その最大開口部径165mm、深さ38mmの成形容器を1回の成形で25個成形可能な金型が取り付けられた連続成形機に連続的に供給し、連続成形評価を実施した。成形容器の外観などを含む総合評価について以下のように評価した。
×:不良率20%以上。破れ等を生じ、所定の成形容器の形状にほとんど成形することができなかった。熱成形性不良。
△:不良率5%以上20%未満。成形時の伸びが悪く、局部的に厚みの薄い部分やフィルムの割れを生じた。熱成形性やや不良。
○:不良率5%未満。成形時の伸びが良好であり、厚みが均一でかつ寸法精度の高い良好な成形容器が得られた。成形性良好。
【0033】
成形容器の変形については、成形後室温にて約2日放置後、任意に10個の容器を取り出し、50℃に設定された恒温層に24時間保持した後、変形率を測定した。成形容器の外周径を何点か測定し、最も大きな変形率が3%以上の場合を×、3%未満の場合を○とした。
【0034】
成形容器の表面光沢性は、鏡面光沢度で示した。鏡面光沢度は、株式会社堀場製作所製の商品名「グロスチェッカー IG−330」を使用し、測定角度20度のモードで測定し、鏡面光沢度が50以上の場合を○、50未満の場合を×とした。
【0035】
[実施例2]
ポリオレフィン系樹脂シートの材料として、エチレン成分を3.5質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体40質量%、高密度ポリエチレン25質量%、直鎖状低密度ポリエチレン5質量%及びタルク30質量%を用いた以外は実施例1と同様に積層シート及び成形容器を得るとともに成形性、寸法安定性及び表面光沢性を評価した。該シートのポリオレフィン樹脂中に含まれるエチレン成分の含有量は45質量%である。
【0036】
[実施例3]
ポリオレフィン系樹脂シートの材料として、エチレン成分を3.5質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体60質量%、高密度ポリエチレン20質量%、直鎖状低密度ポリエチレン5質量%及びタルク15質量%を用いた以外は実施例1と同様に積層シート及び成形容器を得るとともに成形性、寸法安定性及び表面光沢性を評価した。該シートのポリオレフィン樹脂中に含まれるエチレン成分の含有量は32質量%である。
【0037】
[比較例1]
ポリオレフィン系樹脂シートの材料として、エチレン成分を3.5質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体20質量%、高密度ポリエチレン40質量%、直鎖状低密度ポリエチレン10質量%及びタルク30質量%を用いた以外は実施例1と同様に積層シート及び成形容器を得るとともに成形性、寸法安定性及び表面光沢性を評価した。該シートのポリオレフィン樹脂中に含まれるエチレン成分の含有量は72質量%である。
この積層シートは連続成形機中で収縮が大きく、クランプ外れを引き起こす場合が多く、安定して成形容器を得られなかった。
【0038】
[比較例2]
ポリオレフィン系樹脂シートの材料として、エチレン成分を3.5質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体70質量%、高密度ポリエチレン30質量%を用いた以外は実施例1と同様に積層シート及び成形容器を得るとともに成形性、寸法安定性及び表面光沢性を評価した。該シートのポリオレフィン樹脂中に含まれるエチレン成分の含有量は30質量%である。
この積層シートは成形時にフィルム割れが多発し、安定して成形容器が得られなかった。成形容器の寸法変化も大きかった。
【0039】
[比較例3]
ポリオレフィン系樹脂シートの材料として、エチレン成分を3.5質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体70質量%とタルク30質量%を用いた以外は実施例1と同様に積層シート及び成形容器を得るとともに成形性、寸法安定性及び表面光沢性を評価した。該シートのポリオレフィン樹脂中に含まれるエチレン成分の含有量は3.5質量%である。
この積層シートはOPPフィルムにかかる熱量が多くなり、表面光沢の低い容器しか得られなかった。
【0040】
上記実施例1〜3および比較例1〜3で得られた結果を表1にまとめて記す。
【0041】
【表1】
Figure 0004125083
【0042】
表1から判るように、本発明に係る実施例1〜3の積層シートは二次成形性に優れ、成形時の不良率が比較例1〜3に比べて格段に低かった。その積層シートを成形して得られた成形容器は容器寸法安定性に優れ、また表面光沢性に優れていた。
一方、比較例1〜3の積層シートは、二次成形性に劣り、不良率が高かった。また得られた成形容器は容器寸法安定性に劣り、表面光沢性にも劣っていた。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、熱成形性および成形後の寸法安定性に優れた積層シートを提供できる。
また本発明は、該積層シートを用いて、表面光沢性、耐熱性、耐油性に優れた成形容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成形容器の一例を示す平面図である。
【図2】 同じ成形容器を示し、(a)は図1中のA−A部断面図、(b)はその部分拡大図である。
【符号の説明】
1 成形容器
2 ポリオレフィン系樹脂シート(無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シート)
3 OPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム)

Claims (2)

  1. ポリオレフィン系樹脂40〜95質量%と無機充填剤60〜5質量%とを含む無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも片面に二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムが積層されてなり、該ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物でありかつ該ポリオレフィン系樹脂中に存在するエチレン成分の含有量が5〜50質量%である積層シートを成形して製造される成形容器であって、表面光沢性が70以上であることを特徴とする成形容器
  2. 無機充填剤がタルクである請求項1記載の成形容器
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