JP2012001588A - プロピレン系シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性に優れたプロピレン系シートの提供。
【解決手段】 特定のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、特定のエチレン・ブテン−1共重合体(B)と、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)とを特定の比率で混合した混合物を含んでなるプロピレン系シートの作製。
【選択図】 なし
【解決手段】 特定のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と、特定のエチレン・ブテン−1共重合体(B)と、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)とを特定の比率で混合した混合物を含んでなるプロピレン系シートの作製。
【選択図】 なし
Description
本発明は、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性に優れたプロピレン系シートに関する。
医薬品や食品等の包装分野においては、カプセルや錠剤等の固形剤、粒状の食品等を包装するためにPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装が行われる。また、食品等の包装分野においては、食品等を包装するためにPTP包装によく似たブリスターパッケージもよく行われている。
PTP包装とは、例えば透明のシートを圧空成形、真空成形等して、カプセル等の固形剤を収納するポケット部を形成し、ポケット部にカプセル等を収納した後、例えばアルミ箔のように手で容易に引き裂いたり、容易に開封したりできる材質の箔やフィルムを積層して一体化した形態の包装をいう。PTP包装を用いることで、透明なシートのポケットに収納された固形剤や食品等を開封前に直接肉眼で確認でき、開封する際にはポケット部の固形剤等を指で押して箔等を押し破ることで、内容物を容易に取り出すことができる。
ブリスターパッケージとは、シートを真空成形等して食品等の形態に応じた凹部(ポケット部)を形成し、この凹部(ポケット部)に食品等の内容物を収納した後、ヒートシール性コート紙やフィルム等で封をする形態の包装をいう。
このようなPTP包装やブリスターパッケージに用いられるシートとしては、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」という)樹脂が、良好な熱成形性、常温での剛性、耐衝撃性、適度な防湿性、透明性を有するため、従来から使用されてきた。
しかしながら、PVC樹脂は燃焼時に発生する塩化水素ガスによる燃焼炉の劣化や、焼却時に発生する塩化水素ガスによる環境汚染等の問題があり、PVCに替わる材料が求められている。近年では、その代替素材としてポリプロピレン系樹脂が使用されているが、ポリプロピレン(以下「PP」という)系樹脂は耐衝撃性が低く、特に、低温(0℃付近)においては著しく耐衝撃性が低下する。そのため、PTP包装した製品の搬送時、あるいは、使用時において、製品の落下や接触等の外力を受けた際に破損することが問題となっている。
これらの課題を解決すべく、例えば、特許文献1には、プロピレン系樹脂、石油樹脂、及び、低結晶性ないし非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体からなるシートの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、ポリプロピレンに対して、ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体を配合してなる医薬品包装容器に関する技術が開示されている。特許文献3には、ポリプロピレンと、ポリプロピレンと常温での屈折率差が0.025以下のポリエチレン及びエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物からなる樹脂組成物が開示されている。また、特許文献4には、ポリプロピレン系樹脂、石油樹脂、及び、エチレン系共重合体からなるPTP包装用シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1のシートは、プロピレン系樹脂と低結晶性ないし非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物では十分な透明性を発現できないという問題があった。また、特許文献2の医薬品包装容器は、ポリプロピレンにポリエチレンをブレンドした場合、透明性を損なうという問題があった。また、特許文献3の樹脂組成物は、該公報に記載のポリプロピレンとエチレン−α−オレフィンの屈折率差が最小でも0.012であり、十分な透明性を発現できないという問題があった。また、特許文献4のPTP包装用シートは、ポリプロピレンにエチレン含有率が60質量%以上、85質量%以下のエチレン系共重合体を添加した場合には十分な透明性を発現できないという問題があった。
以上のように、前述した技術においては、優れた透明性を有し、かつ、耐衝撃性、成形性、耐カール性に優れたプロピレン系シートは提供されていなかった。
そこで本発明の目的は、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性に優れたプロピレン系シートを提供することにある。
本発明は、下記(A)から(C)の混合物を含んでなり、(A)、(B)、及び、(C)の混合物100質量%中に占める(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下、(C)の割合が5質量%以上、20質量%以下であるプロピレン系シートを提供するものである。
(A)エチレン含有率が0.1質量%以上、1.5質量%未満、結晶融解温度が150℃以上、165℃以下、結晶融解熱量が80J/g以上、95J/g以下であるプロピレン・エチレンランダム共重合体
(B)ブテン−1含有率が10質量%以上、15質量%未満、結晶融解温度が70℃以上、80℃以下、結晶融解熱量が70J/g以上、90J/g以下であるエチレン・ブテン−1共重合体
(C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物
(A)エチレン含有率が0.1質量%以上、1.5質量%未満、結晶融解温度が150℃以上、165℃以下、結晶融解熱量が80J/g以上、95J/g以下であるプロピレン・エチレンランダム共重合体
(B)ブテン−1含有率が10質量%以上、15質量%未満、結晶融解温度が70℃以上、80℃以下、結晶融解熱量が70J/g以上、90J/g以下であるエチレン・ブテン−1共重合体
(C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物
本発明によれば、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性の全てに優れたプロピレン系シートを提供することができる。
以下、本発明の実施形態の1つの例としてのプロピレン系シートについて説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)>
本発明に用いるプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)としては、エチレン含有率が0.1質量%以上、1.5質量%未満、結晶融解温度が150℃以上、165℃以下、結晶融解熱量が80J/g以上、95J/g以下のものを用いることが重要である。エチレン含有率のよい好ましい範囲は、0.2質量%以上、1.0質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、0.3質量%以上、0.6質量%以下である。また、結晶融解温度のより好ましい範囲は、152℃以上、163℃以下であり、さらに好ましい範囲は、155℃以上、161℃以下である。加えて、結晶融解熱量のより好ましい範囲は、82J/g以上、93J/g以下であり、さらに好ましい範囲は、85J/g以上、90J/g以下である。エチレン含有率、結晶融解温度、結晶融解熱量がかかる範囲内のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)を用いることにより、優れた透明性を有しながら耐カール性、成形性に優れたプロピレン系シートを提供することができる。
本発明に用いるプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)としては、エチレン含有率が0.1質量%以上、1.5質量%未満、結晶融解温度が150℃以上、165℃以下、結晶融解熱量が80J/g以上、95J/g以下のものを用いることが重要である。エチレン含有率のよい好ましい範囲は、0.2質量%以上、1.0質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、0.3質量%以上、0.6質量%以下である。また、結晶融解温度のより好ましい範囲は、152℃以上、163℃以下であり、さらに好ましい範囲は、155℃以上、161℃以下である。加えて、結晶融解熱量のより好ましい範囲は、82J/g以上、93J/g以下であり、さらに好ましい範囲は、85J/g以上、90J/g以下である。エチレン含有率、結晶融解温度、結晶融解熱量がかかる範囲内のプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)を用いることにより、優れた透明性を有しながら耐カール性、成形性に優れたプロピレン系シートを提供することができる。
また、前記(A)のJIS K6758における230℃、2.16kg荷重のメルトフローレート(以下、MFRともいう)は、0.5g/10分以上、20g/10分以下であることが好ましく、2g/10分以上、15g/10分以下であることがより好ましく、5g/10分以上、10g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRがかかる範囲内にあれば、安定な製膜性が得られ、機械物性にも良好なプロピレン系シートが得られる。なお、前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の重合方法、触媒は公知のいかなるものも採用可能であり、特に制限はない。具体的な商品としては、例えば、住友化学社製「ノーブレン」シリーズ、日本ポリプロ社製「ノバテックPP」シリーズ等があげられる。
<エチレン・ブテン−1共重合体(B)>
本発明に用いるエチレン・ブテン−1共重合体(B)としては、ブテン−1含有率が10質量%以上、15質量%未満、結晶融解温度が70℃以上、80℃以下、結晶融解熱量が70J/g以上、90J/g以下であるエチレン・ブテン−1共重合体のものを用いることが重要である。ブテン−1含有率のより好ましい範囲は、12質量%以上、15質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、13質量%以上、14.5質量%以下である。また、決勝融解温度のより好ましい範囲は、72℃以上、79℃以下であり、さらに好ましい範囲は、75℃以上、78℃以下である。加えて、結晶融解熱量のより好ましい範囲は、72J/g以上、89J/g以下であり、さらに好ましい範囲は、74J/g以上、85J/g以下である。
本発明に用いるエチレン・ブテン−1共重合体(B)としては、ブテン−1含有率が10質量%以上、15質量%未満、結晶融解温度が70℃以上、80℃以下、結晶融解熱量が70J/g以上、90J/g以下であるエチレン・ブテン−1共重合体のものを用いることが重要である。ブテン−1含有率のより好ましい範囲は、12質量%以上、15質量%以下であり、さらに好ましい範囲は、13質量%以上、14.5質量%以下である。また、決勝融解温度のより好ましい範囲は、72℃以上、79℃以下であり、さらに好ましい範囲は、75℃以上、78℃以下である。加えて、結晶融解熱量のより好ましい範囲は、72J/g以上、89J/g以下であり、さらに好ましい範囲は、74J/g以上、85J/g以下である。
また、前記(B)のJIS K6758における230℃、2.16kg荷重のMFRは、0.5g/10分以上、20g/10分以下であることが好ましく、2g/10分以上、15g/10分以下であることがより好ましく、5g/10分以上、10g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRがかかる範囲内にあれば、前記(A)との混合時において優れた分散性が得られる。なお、具体的な商品としては、例えば、三井化学社製「タフマーA」シリーズ、東ソー社製「LUMITAC」シリーズ等があげられる。
さらに、ブテン−1含有率、結晶融解温度、結晶融解熱量がかかる範囲内のエチレン・ブテン−1共重合体(B)を用いることで、前記(A)との屈折率差が最適となる。具体的には、前記(A)と(B)の23℃における屈折率差が−0.01以上、0.01以下であることが好ましく、−0.009以上、0.009以下であることがより好ましく、−0.008以上、−0.008以下であることがさらに好ましい。(A)と(B)の屈折率差がかかる範囲内にあれば、(A)と(B)の界面における光の散乱を最小限に抑制することができるため、優れた透明性を有するプロピレン系シートを提供することができる。
<石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)>
本発明に用いる石油樹脂としては、シクロペンタジエンもしくはその二量体からの脂環式石油樹脂、C9成分からの芳香族石油樹脂等が挙げられ、テルペン樹脂としては、β−ピネンからのテルペン−フェノール樹脂が挙げられ、ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリン、ペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂等が挙げられる。
本発明に用いる石油樹脂としては、シクロペンタジエンもしくはその二量体からの脂環式石油樹脂、C9成分からの芳香族石油樹脂等が挙げられ、テルペン樹脂としては、β−ピネンからのテルペン−フェノール樹脂が挙げられ、ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリン、ペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂等が挙げられる。
前記石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)に混合した場合に比較的良好な相溶性を示すが、色調、熱安定性、相溶性、耐透湿性などの観点から、水素添加物誘導体、特に水素添加率(以下「水添率」という)が95%以上であり、かつ水酸基、カルボキシル基、ハロゲンなどの極性基、あるいは二重結合などの不飽和結合を実質上含有しない、石油樹脂またはテルペン樹脂を用いることが好ましい。
前記石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)をプロピレン・エチレンランダム共重合体(A)に混合することで、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)のガラス転移温度を高めることができ、シートの常温域における剛性を高めたり、耐透湿性、熱成形性、透明性等を向上させたりすることができる。
また、前記石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)は分子量を変えることにより種々のガラス転移温度のものを得ることができる。本発明においては、軟化温度が80℃以上、150℃以下であるものが好ましく、90℃以上、140℃以下であるものがより好ましく、100℃以上、130℃であるものがさらに好ましい。軟化温度が80℃以上であれば、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)と混合したときに常温域における剛性が増すことでPTP成形装置等における加工適性を向上し、成形後の包装工程でワーク搬送や集積のトラブルが生じることもない。また、軟化温度が150℃以下であれば、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)との相溶性が悪化することもなく、経時的にシート表面にブリードが発生したり、ブロッキングが生じたり、透明性の低下を招くこともない。具体的な商品としては、例えば、三井化学社製「ハイレッツ」シリーズ、「ペトロジン」シリーズ、荒川化学工業社製「アルコン」シリーズ、ヤスハラケミカル社製「クリアロン」シリーズ、出光石油化学社製「アイマーブ」シリーズ、トーネックス社製「エスコレッツ」シリーズ等があげられる。
前記(A)、(B)、及び、(C)の混合物100質量%中に占める(B)の割合は、1質量%以上、20質量%以下であることが重要であり、5質量%以上、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上、15質量%以下であることがさらに好ましい。(B)の割合がかかる範囲を下回る場合、十分な耐衝撃性を得られず、一方、(B)の割合がかかる範囲を上回る場合、シートの過剰な軟質化や透明性の低下を生じる。
また、前記(A)、(B)、及び、(C)の混合物100質量%中に占める(C)の割合は、5質量%以上、20質量%以下であることが重要であり、5質量%以上、15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。(C)の割合がかかる範囲を下回る場合、プロピレン系シートの結晶化度が高く、十分な透明性が得られず、一方、かかる範囲を上回る場合、耐衝撃性を著しく損なうこととなる。
また、前記(A)、(B)、及び、(C)の混合物100質量%中に占める(C)の割合は、5質量%以上、20質量%以下であることが重要であり、5質量%以上、15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。(C)の割合がかかる範囲を下回る場合、プロピレン系シートの結晶化度が高く、十分な透明性が得られず、一方、かかる範囲を上回る場合、耐衝撃性を著しく損なうこととなる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)、エチレン・ブテン−1共重合体(B)以外のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂や、ポリオレフィン系、あるいは、ポリスチレン系の熱可塑性エラストマー等の樹脂、及び、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
次に、本発明のプロピレン系シートの製造方法について説明する。
本発明のプロピレン系シートの成形方法は特に限定されるものではないが、例えば、プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)、エチレン・ブテン−1共重合体(B)、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)、及び、その他添加剤を単軸、あるいは、二軸押出機等で溶融混合し、Tダイにより押出し、キャストロールで急冷、固化することにより無延伸シートを作製することができる。ここで、無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で積極的に延伸しないシートを意味し、例えば、押出成形の際に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたものは無延伸シートに含むものとする。
本発明のプロピレン系シートの厚さは特に限定されないが、加工性、実用性を考慮した場合、0.1mm以上、1.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上、0.8mm以下であることがより好ましく、0.3mm以上、0.6mm以下であることがさらに好ましい。本発明のプロピレン系シートの厚さが0.1mm以上であれば、好適なシートの剛性が発現し、加工性、耐カール性に優れる。一方、本発明のプロピレン系シートの厚さが1mm以下であれば、十分なシートの剛性が得られ、PTPとして使用する際に薬剤の取り出しで不具合を生じることなく、優れた加工性を維持することができる。
また、本発明のプロピレン系シートを包装用途へ使用する場合、意匠性、内容物の視認性等の観点から、JIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでのヘーズが15%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。本発明のプロピレン系シートのヘーズが係る範囲であれば、十分な視認性が得られ、意匠性に優れた製品が得られる。
本発明のプロピレン系シートは、真空成形、圧空成形、圧空真空成形、プレス成形、その他の熱成形によって、各種形状の成形体に形成することができ、例えば、包装用成形体、特にPTP包装やブリスターパッケージなどの包装用成形体を好適に製造し利用することができる。
例えばPTP包装用の成形シートを製造する場合には、成形前に加熱板で本発明のプロピレン系シートを加熱軟化させ、成形型にて当該シートを挟み、圧空を注入して成形型の凹型に沿わせてシート面内に多数のポケット部(例えば直径約9mm、深さ約4mm)を成形するようにすればよい。また、必要に応じて圧空注入時に適切なタイミングでプラグを上昇及び下降させて成形性を補助すればよい。
例えばPTP包装用の成形シートを製造する場合には、成形前に加熱板で本発明のプロピレン系シートを加熱軟化させ、成形型にて当該シートを挟み、圧空を注入して成形型の凹型に沿わせてシート面内に多数のポケット部(例えば直径約9mm、深さ約4mm)を成形するようにすればよい。また、必要に応じて圧空注入時に適切なタイミングでプラグを上昇及び下降させて成形性を補助すればよい。
前記の熱成形を施すと共に、シート表面、あるいは、裏面又は両面にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、プラスチックフィルム(例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム)などを積層することも可能である。なお、シート表面或いは裏面又は両面にアルミ箔や前記各種フィルムなどを積層して複合シートを形成した後、これを熱成形することも可能である。
なお、前記の熱成形を行う際、熱によりプロピレン系シートの結晶化が進行し、透明性が低下する場合があるが、薬剤の包装、アルミ箔等の積層後に薬剤、アルミ箔等の印字部分の視認性が必要であるため、本発明のプロピレン系シートを140℃で5分熱処理した後に、JIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでのヘーズは15%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。熱処理後におけるヘーズが係る範囲であれば、十分な視認性が得られ、外観良好な製品が得られる。
また、製品の意匠性や二次加工性等を高める目的で、シート表面にエンボス加工や、艶消し加工等の加工を行ってもよい。この場合、一旦鏡面状のシートを作成してからエンボスロールや艶消しロールで加工を施すようにしても、押出成形の際にキャストロールをエンボスロールや艶消しロールに変更して成形するようにしてもよい。本発明の趣旨を損なわない限り、シート表面に帯電防止剤、シリコーン、ワックスなどをコーティングすることも、傷付着防止などの目的で表面保護シートを用いて皮膜を形成することも、印刷層を設けることも可能である。なお、印刷層の形成手段は現在公知の任意の手段を採用可能である。
本発明のプロピレン系シートは透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性の全てに優れるため、医薬品や食品等の包装分野においてカプセルや錠剤等の固形剤、粒状の食品等を包装するためのPTP包装や、食品等の包装分野における食品等を包装するためのブリスターパッケージ等に使用することができる。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示される原料及び試験片についての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
(1)結晶融解温度(Tm)、結晶融解熱量(ΔHm)
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準じて、試料10mgを加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムから求めた。
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準じて、試料10mgを加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムから求めた。
(2)透明性(ヘーズ)
未処理(加熱前)、及び、ベーキング試験装置(大栄科学精器製作所製DKS−5S)内に静置し、140℃で5分間熱処理を行ったサンプルについて、以下の方法でヘーズの測定を行った。
JIS K7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。厚み0.3mmでのヘーズが熱処理前後共に15%以下であるものを合格とした。
[ヘーズ]=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
未処理(加熱前)、及び、ベーキング試験装置(大栄科学精器製作所製DKS−5S)内に静置し、140℃で5分間熱処理を行ったサンプルについて、以下の方法でヘーズの測定を行った。
JIS K7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。厚み0.3mmでのヘーズが熱処理前後共に15%以下であるものを合格とした。
[ヘーズ]=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
(3)耐衝撃性(破壊エネルギー)
ハイドロショット高速衝撃試験器(島津製作所社製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出したシートを試料とし、クランプで固定し、温度0℃でシート中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときの破壊エネルギー(kgf・mm)を測定した。破壊エネルギーが5kgf・mm以上のものを合格とした。
ハイドロショット高速衝撃試験器(島津製作所社製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出したシートを試料とし、クランプで固定し、温度0℃でシート中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときの破壊エネルギー(kgf・mm)を測定した。破壊エネルギーが5kgf・mm以上のものを合格とした。
(4)成形性(適性成形加工温度範囲)
PTP用成形装置としてCKD社製FBP−200Uを用い、成形装置におけるシート加熱板の温度を10℃間隔で変更してシートの成形を行い、得られた成形体について目視評価を行った。実用上支障のないレベルの成形体が得られる温度の上限と、下限を求め、かかる温度範囲を適性に成形加工できる温度範囲とした。この温度範囲が20℃以上である場合を「○」、20℃未満の場合を「×」とした。
PTP用成形装置としてCKD社製FBP−200Uを用い、成形装置におけるシート加熱板の温度を10℃間隔で変更してシートの成形を行い、得られた成形体について目視評価を行った。実用上支障のないレベルの成形体が得られる温度の上限と、下限を求め、かかる温度範囲を適性に成形加工できる温度範囲とした。この温度範囲が20℃以上である場合を「○」、20℃未満の場合を「×」とした。
(5)耐カール性(平均カール量)
PTP用成形装置としてCKD社製FBP−200Uを用いてPTP用シートを成形し、内容物を充填せずにアルミ箔と温度210℃で熱シールした。これを100℃でスリッターを入れた後、幅37mm、長さ94mm、コーナーR=5mmに打ち抜いて成型品を得た。次いでこの成形品を6個、水平でフラットな面に置いて、打ち抜き30分後の成形品のそりを測定した。測定点数は1成形品あたり4点で、測定部位は成形品の長辺からコーナー部につながる部分である。成形品6個の合計24点の測定値から平均値を求めて、下記基準に従い評価を行った。平均値が4.5mm以下のものを合格とした。なお、アルミ箔は、PTP用シートとの熱シールに使用できるよう、アルミ箔の片面に接着層をもつ厚さ20μmの硬質アルミ箔を使用した。
PTP用成形装置としてCKD社製FBP−200Uを用いてPTP用シートを成形し、内容物を充填せずにアルミ箔と温度210℃で熱シールした。これを100℃でスリッターを入れた後、幅37mm、長さ94mm、コーナーR=5mmに打ち抜いて成型品を得た。次いでこの成形品を6個、水平でフラットな面に置いて、打ち抜き30分後の成形品のそりを測定した。測定点数は1成形品あたり4点で、測定部位は成形品の長辺からコーナー部につながる部分である。成形品6個の合計24点の測定値から平均値を求めて、下記基準に従い評価を行った。平均値が4.5mm以下のものを合格とした。なお、アルミ箔は、PTP用シートとの熱シールに使用できるよう、アルミ箔の片面に接着層をもつ厚さ20μmの硬質アルミ箔を使用した。
<プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)>
(A)−1:プライムポリマー社製プライムポリプロE209
(エチレン含有率=1.0質量%、結晶融解温度=151℃、結晶融解熱量=89J/g)
(A)−2:住友化学社製ノーブレンWF836DG3
(エチレン含有率=0.3質量%、結晶融解温度=158℃、結晶融解熱量=92J/g)
<エチレン・ブテン−1共重合体(B)>
(B)−1:三井化学社製タフマーA4090
(ブテン−1含有率=14.7質量%、結晶融解温度=72℃、結晶融解熱量=73J/g)
(B)−2:LUMITAC 08L54A
(ブテン−1含有率=14.0質量%、結晶融解温度=78℃、結晶融解熱量=75J/g)
<石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)>
(C)−1:荒川化学工業社製アルコンP140(軟化温度=140℃)
(C)−2:荒川化学工業社製アルコンP125(軟化温度=125℃)
(A)−1:プライムポリマー社製プライムポリプロE209
(エチレン含有率=1.0質量%、結晶融解温度=151℃、結晶融解熱量=89J/g)
(A)−2:住友化学社製ノーブレンWF836DG3
(エチレン含有率=0.3質量%、結晶融解温度=158℃、結晶融解熱量=92J/g)
<エチレン・ブテン−1共重合体(B)>
(B)−1:三井化学社製タフマーA4090
(ブテン−1含有率=14.7質量%、結晶融解温度=72℃、結晶融解熱量=73J/g)
(B)−2:LUMITAC 08L54A
(ブテン−1含有率=14.0質量%、結晶融解温度=78℃、結晶融解熱量=75J/g)
<石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物(C)>
(C)−1:荒川化学工業社製アルコンP140(軟化温度=140℃)
(C)−2:荒川化学工業社製アルコンP125(軟化温度=125℃)
(実施例1)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比85:5:10の割合でドライブレンドした後、40mmφ同方向二軸押出機を用いて240℃で混練した後、Tダイより押出し、次いで約40℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.3mmのシートを作製した。得られたシートについて、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性の評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比85:5:10の割合でドライブレンドした後、40mmφ同方向二軸押出機を用いて240℃で混練した後、Tダイより押出し、次いで約40℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.3mmのシートを作製した。得られたシートについて、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を80:10:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を80:10:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を70:20:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を70:20:10とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を85:10:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を85:10:5とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を75:10:15とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を75:10:15とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
(A)−2、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−2、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
(A)−2、(B)−2、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−2、(B)−2、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
(A)−2、(B)−1、及び、(C)−2を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−2、(B)−1、及び、(C)−2を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
(A)−1、及び、(C)−1を混合質量比90:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、及び、(C)−1を混合質量比90:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比65:25:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比65:25:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比60:10:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比60:10:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
(A)−1、及び、(B)−1を混合質量比90:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、及び、(B)−1を混合質量比90:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の代わりに、日本ポリプロ社製ノバテックPP FY4(プロピレン単独重合体、結晶融解温度=160℃、結晶融解熱量=96J/g)を用い、FY4、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の代わりに、日本ポリプロ社製ノバテックPP FY4(プロピレン単独重合体、結晶融解温度=160℃、結晶融解熱量=96J/g)を用い、FY4、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の代わりに、住友化学社製ノーブレン FH3315(プロピレン・エチレン共重合体、エチレン含有率=2.5質量%、結晶融解温度=144℃、結晶融解熱量=74J/g)を用い、FH3315、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(A)の代わりに、住友化学社製ノーブレン FH3315(プロピレン・エチレン共重合体、エチレン含有率=2.5質量%、結晶融解温度=144℃、結晶融解熱量=74J/g)を用い、FH3315、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例7)
エチレン・ブテン−1共重合体(B)の代わりに、三井化学社製タフマーA4085(エチレン・ブテン−1共重合体、ブテン−1含有率=17.9質量%、結晶融解温度=69℃、結晶融解熱量=65J/g)を用い、(A)−1、タフマーA4085、及び、(C)−1を混合質量比70:20:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
エチレン・ブテン−1共重合体(B)の代わりに、三井化学社製タフマーA4085(エチレン・ブテン−1共重合体、ブテン−1含有率=17.9質量%、結晶融解温度=69℃、結晶融解熱量=65J/g)を用い、(A)−1、タフマーA4085、及び、(C)−1を混合質量比70:20:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で厚さ0.3mmのシートの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかな様に、実施例1〜8のプロピレン系シートは、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性の全てに優れていた。一方、比較例1〜7のシートは、透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性について少なくとも1項目が実施例より劣っていた。
このことから、本発明のプロピレン系シートは透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性に優れたプロピレン系シートであることがわかる。
このことから、本発明のプロピレン系シートは透明性、耐衝撃性、成形性、耐カール性に優れたプロピレン系シートであることがわかる。
Claims (5)
- 下記(A)から(C)の混合物を含んでなり、(A)、(B)、及び、(C)の混合物100質量%中に占める(B)の割合が1質量%以上、20質量%以下、(C)の割合が5質量%以上、20質量%以下であるプロピレン系シート。
(A)エチレン含有率が0.1質量%以上、1.5質量%未満、結晶融解温度が150℃以上、165℃以下、結晶融解熱量が80J/g以上、95J/g以下であるプロピレン・エチレンランダム共重合体
(B)ブテン−1含有率が10質量%以上、15質量%未満、結晶融解温度が70℃以上、80℃以下、結晶融解熱量が70J/g以上、90J/g以下であるエチレン・ブテン−1共重合体
(C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、または、それらの水素添加誘導体から選ばれる少なくとも1種類の樹脂、または、混合物 - 前記(A)と前記(B)の23℃における屈折率差が−0.01以上、0.01以下であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系シート。
- 前記プロピレン系シートを厚み0.3mmに成形したときのJIS K7105に基づき測定したヘーズが15%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレン系シート。
- 前記プロピレン系シートを140℃で5分熱処理した後に、JIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでのヘーズが15%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプロピレン系シート。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載のプロピレン系シートを用いてなるPTP包装用シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010135956A JP2012001588A (ja) | 2010-06-15 | 2010-06-15 | プロピレン系シート |
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EP3991711A1 (en) * | 2020-10-28 | 2022-05-04 | Dompe' Farmaceutici S.P.A. | Pharmaceutical packages comprising polypropylene containers and ngf aqueous formulations packaged therein |
WO2022113566A1 (ja) * | 2020-11-24 | 2022-06-02 | 旭化成株式会社 | Ptp用蓋材およびptp包装体 |
-
2010
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WO2022090339A1 (en) | 2020-10-28 | 2022-05-05 | Dompe' Farmaceutici Spa | Pharmaceutical packages comprising polypropylene containers and ngf aqueous formulations packaged therein |
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JP7416978B2 (ja) | 2020-11-24 | 2024-01-17 | 旭化成株式会社 | Ptp用蓋材およびptp包装体 |
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