JP2007076300A - 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 縦方向及び横方向ともに優れた引き裂き開封性を有し、滅菌のために電子線等の放射線照射を行っても着色や変色が抑制でき、かつフィルム成形加工時の熱分解によるカーボンゲルの発生、及び添加剤のフィルム表面へのブリードが少ない共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提供すること。
【解決手段】 低密度ポリエチレン(a1)からなる樹脂層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)70〜90質量%及び環状オレフィン系樹脂(b2)10〜30質量%からなる樹脂層(B)とからなり、前記樹脂層(A)及び樹脂層(B)がそれぞれフェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤を含有し、かつ(A)/(B)/(A)の順に積層されていることを特徴とする共押出多層フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 低密度ポリエチレン(a1)からなる樹脂層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)70〜90質量%及び環状オレフィン系樹脂(b2)10〜30質量%からなる樹脂層(B)とからなり、前記樹脂層(A)及び樹脂層(B)がそれぞれフェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤を含有し、かつ(A)/(B)/(A)の順に積層されていることを特徴とする共押出多層フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、食品、医薬品、医療器具等を包装する包装材に関するものであって、引き裂き開封性がフィルムの縦方向のみならず横方向でも良好であり、滅菌のために放射線を照射した際の着色や変色が抑制でき、成形加工時の樹脂の熱分解や架橋によるカーボンゲルや異物(フィッシュアイ)の発生も抑制できる加工安定性に優れた共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材に関する。
近年のユニバーサルデザイン化傾向の中で、社会的弱者(高齢者、幼児、障害者等)に対しての配慮のため、易開封性、易カット性が重要視されつつある。しかしながら、易開封性、易カット性を向上しようとすると、包装材本来の機能であるヒートシール強度、耐ピンホール性等が低下する問題があり、これらの機能の両立は困難であった。
上記の問題を解決するものとして、環状オレフィン系樹脂を主成分とした環状オレフィン系樹脂組成物から形成された第1の層と、オレフィン系(共)重合体またはそれを含む組成物から形成された第2の層との少なくとも2層が積層されてなるポリオレフィン系多層積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このポリオレフィン系多層積層体は、環状オレフィン系樹脂組成物から形成された第1の層の厚さが多層積層体の厚さの70%(70μm)と厚い上、第2の層には剛性の高いポリプロピレン系樹脂を使用しているため、柔軟性に乏しく、屈曲疲労による耐ピンホール性に問題があった。さらに、上記文献では剛性が高い樹脂を使用しているのにもかかわらず、多層積層体の厚さが100μm以上もあるため、手で引き裂くことは子供や高年齢者層の人にとって困難で、易カット性に問題があった。
また、脂環式構造含有重合体からなる層の両面にその他の熱可塑性樹脂からなる層を積層した包装フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この包装フィルムは、20〜40μmと薄いため引き裂き性(易カット性)は良好であるが、上記のポリオレフィン系多層積層体と同様に剛性の高いポリプロピレンや高密度ポリエチレンを外層に使用しているため、柔軟性に乏しく、耐ピンホール性に問題があった。
そこで本発明者らは、上記の問題を解決するものとして、低密度ポリエチレン(a1)からなる樹脂層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)70〜90質量%及び環状オレフィン系樹脂(b2)10〜30質量%を含有する樹脂層(B)とを、(A)/(B)/(A)の順に積層した共押出多層フィルムに関する特許出願を行った(特許文献3参照。)。
一方、長期保存性、無菌性、衛生性等を重要視する食品、医薬品、医療器具等を包装する包装材では、熱水処理、スチーム処理、放射線照射処理等の方法により滅菌、殺菌処理されるが、近年では放射線照射による滅菌処理が増加傾向にある。しかしながら、成形加工時の樹脂の熱分解や架橋によるカーボンゲルや異物(フィッシュアイ)の発生が防止するために酸化防止剤等の安定剤を樹脂中に添加した包装材の場合、その安定剤が原因となって、電子線等の放射線が照射されると着色や変色する問題があった。特に、環状オレフィン系樹脂を用いた包装材は、成形加工温度が高いことから、安定剤の添加量を増やす必要があり、より着色や変色が大きくなる問題があった。
特許文献3の共押出多層フィルムでも、一般的な酸化防止剤等の安定剤を樹脂中に添加した場合、その安定剤が原因となって、電子線等の放射線照射によるフィルムの着色や変色の問題があったため、その改良が必要であった。
特開平8−72210号公報
特開2000−334890号公報
特願2005−217231号
本発明の課題は、縦方向及び横方向ともに優れた引き裂き開封性を有し、滅菌のために電子線等の放射線照射を行っても着色や変色が抑制でき、かつフィルム成形加工時の熱分解によるカーボンゲルの発生、及び添加剤のフィルム表面へのブリードが少ない共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、低密度ポリエチレンからなる樹脂層(A)と、低密度ポリエチレン及び環状オレフィン系樹脂からなる樹脂層(B)とを、(A)/(B)/(A)の順に積層した共押出多層フィルムにおいて、樹脂層(A)及び樹脂層(B)のそれぞれに安定剤としてフェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤を配合することにより、比較的少ない安定剤の添加量で、フィルム成形加工時の熱分解や架橋によるカーボンゲルや異物(フィッシュアイ)の発生が抑制でき、滅菌のために電子線等の放射線照射を行っても着色や変色も抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、低密度ポリエチレン(a1)からなる樹脂層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)70〜90質量%及び環状オレフィン系樹脂(b2)10〜30質量%からなる樹脂層(B)とからなり、前記樹脂層(A)及び樹脂層(B)がそれぞれフェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤を含有し、かつ(A)/(B)/(A)の順に積層されていることを特徴とする共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提供するものである。
本発明の共押出多層フィルムは、縦方向及び横方向ともに優れた引き裂き開封性を有するため、余分な力を掛けることなく、社会的弱者にも簡単に裂ける易開封性も有するという効果を奏する。また、滅菌のために電子線等の放射線照射を行っても着色や変色が抑制でき、かつフィルム成形加工時の熱分解や架橋によるカーボンゲルや異物(フィッシュアイ)の発生が少ないフィルムが得られる。したがって、本発明の共押出多層フィルムは、食品、薬品、工業部品、医薬品、医療器具、雑貨、雑誌等を包装する包装材に好適で、特に滅菌のために電子線等の放射線照射される食品、医薬品、医療器具等を包装する包装材に最適である。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(A)又は樹脂層(B)で用いる低密度ポリエチレン(a1)又は低密度ポリエチレン(b1)は、高圧ラジカル重合法で得られる分岐状低密度ポリエチレンであれば良く、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合した分岐状低密度ポリエチレンである。このような低密度ポリエチレンは機械強度が弱いため、他のオレフィン樹脂と比べて比較的もろく、引き裂き性が良好になる上、環状オレフィン系樹脂(b2)との相溶性も良いため、ブレンドした際の透明性も維持することができる。さらに、他の樹脂を使用することなく、樹脂層(A)と樹脂層(B)との層間、接着強度も保持でき、柔軟性も有しているため、耐ピンホール性も良好となる。
前記低密度ポリエチレンは、密度が0.900〜0.935g/cm3であるものが好ましく、より好ましくは0.915〜0.930g/cm3である。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、フィルム成膜性、押出適性が向上するので好ましい。
また、前記低密度ポリエチレンは、メルトフローレイト(JIS K7210に準拠して、190℃、21.18Nで測定した値;以下、「MFR」という。)が0.1〜10g/10分であるものが好ましく、より好ましくは0.3〜8.0g/10分であり、特に好ましくは0.8〜6.0g/10分である。MFRがこの範囲であれば、押出成形性が向上するので好ましい。
さらに、前記低密度ポリエチレンは、メルトテンション(溶融張力;以下、「MT」という。)が4.0〜15.0であるものが好ましく、より好ましくは5.0〜13.0である。低密度ポリエチレンのMTがこの範囲であれば、二次成形性、耐ピンホール性が向上するので好ましい。なお、このMTは、メルトテンションテスタ(例えば、株式会社東洋精機製作所製のもの)を用いて測定した値で、同装置内に低密度ポリエチレンを190℃に加熱後、この樹脂を2mmφのノズルから0.75ml/分で23℃の雰囲気下で押出ストランドとし、このストランドを90cmのエアーギャップをつけて25〜60m/分の速度で引き取る際の張力を測定することによって得られる。
一方、本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(A)で用いる前記低密度ポリエチレンの代わりに直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた場合、低密度ポリエチレンと比較して機械強度が高いため、耐ピンホール性能等は優れるが引き裂き性が不十分となるので好ましくない。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(B)で用いる環状オレフィン系樹脂(b2)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」という。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のオレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」という。)等が挙げられる。さらに、COP及びCOCの水素添加物は、特に好ましい。また、環状オレフィン系樹脂(b2)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
前記ノルボルネン系重合体と原料となるノルボルネン系単量体は、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体である。このようなノルボルネン系単量体としては、例えば、
ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記ノルボルネン系共重合体(COC)は、前記ノルボルネン系単量体と共重合可能なオレフィンとを共重合したものであり、このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。
また、前記ノルボルネン系共重合体(COC)中のノルボルネン系単量体の含有比率は、40〜90モル%が好ましく、より好ましくは50〜80モル%である。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性が向上する。
前記環状オレフィン系樹脂(b2)として用いることができる市販品としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系付加重合体(COC)、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
前記樹脂層(B)中の前記低密度ポリエチレン(b1)と前記環状ポリオレフィン系樹脂(b2)との含有比率(質量%)は、(b1):(b2)=90〜70:10〜30であるが、より好ましくは(b1):(b2)=90〜80:10〜20である。各樹脂の含有比率がこの範囲であれば、透明性、縦方向及び横方向の引き裂き性、樹脂層(A)との間の接着強度が向上するので好ましい。
本発明の樹脂層(A)及び樹脂層(B)に用いる安定剤は、フェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤であるが、このフェノール性ヒドロキシル基はヒンダードフェノール構造であることが好ましい。このようなリン系安定剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
上記の一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、6−[3−(3−t−ブチル−4―ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンツ[d,f][1.3.2]―ジオキサホスフェピン、6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンツ[d,f][1.3.2]―ジオキサホスフェピン等が挙げられる。これらの中でも、6−[3−(3−t−ブチル−4―ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンツ[d,f][1.3.2]―ジオキサホスフェピンは、少ない添加量でフィルム成形加工時の熱分解や架橋によるカーボンゲルや異物(フィッシュアイ)の発生が抑制でき、フィルム表面への安定剤のブリードも少ないので好ましい。
フェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤の配合量は、樹脂層(A)においては、低密度ポリエチレン(a1)100質量部に対して、0.05〜0.5重量部が好ましく、さらに0.07〜0.2重量部がより好ましい。一方、樹脂層(B)においては、低密度ポリエチレン(b1)と環状オレフィン系樹脂(b2)との合計量100質量部に対して、0.05〜0.5重量部が好ましく、さらに0.07〜0.2重量部がより好ましい。前記リン系安定剤の配合量がこの範囲であれば、フィルム成形加工時の熱分解や架橋によるカーボンゲルや異物(フィッシュアイ)の発生が抑制でき、フィルム表面への安定剤のブリードも少なく、放射線照射による着色や変色も抑制できる。
また、フェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤を樹脂中に配合する方法としては、前記リン系安定剤をそのまま樹脂と混合して配合する方法、予め前記リン系安定剤を樹脂とともに溶融混練してマスターバッチを作製した後、樹脂ペレットと混合して配合する方法等があるが、作業性が良いことから予めリン系安定剤をマスターバッチ化した配合する方法が好ましい。
本発明の共押出多層フィルムの層構造は、前記樹脂層(A)及び樹脂層(B)を、(A)/(B)/(A)の順で積層したものであるが、前記樹脂層(B)の厚さが、共押出多層フィルムの厚さの20〜60%が好ましく、より好ましくは20〜50%である。共押出多層フィルムの厚さに対する樹脂層(B)の厚さの比率がこの範囲であれば、透明性、引き裂き性、耐ピンホール性、ヒートシール性が向上する。
また、共押出多層フィルムの層構成(A)/(B)/(A)において、2つの樹脂層(A)の厚さが同じであることが好ましい。2つの樹脂層(A)の厚さが同じである例としては、(A)/(B)/(A)の各樹脂層の厚さの比が、(A):(B):(A)=1:1:1、1:2:1、2:1:2等のものが挙げられる。2つの樹脂層(A)の厚さが同じであれば、フィルムのカール、そり等が抑制でき、直線カット性も向上するので好ましい。
さらに、本発明の共押出多層フィルムは、フィルムの厚さが100〜300μmのものが好ましい。フィルムの厚さがこの範囲であれば、優れた二次成形性が得られる。また、本発明の共押出多層フィルムは、フィルムの厚さが100〜300μmの厚膜であっても、直線カット性及び引き裂き性に優れる。
前記樹脂層(A)又は(B)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、樹脂層(A)の摩擦係数は1.5以下、中でも1.2以下であることが好ましいので、樹脂層(A)には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
本発明の共押出多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(A)用の低密度ポリエチレン(a1)の樹脂ペレットと前記リン系安定剤を含有するマスターバッチペレットの混合物と、樹脂層(B)用の低密度ポリエチレン(b1)及び環状オレフィン系樹脂(b2)の樹脂ペレットと前記リン系安定剤を含有するマスターバッチペレットの混合物とを、それぞれ別の押出機に供給して加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)/(A)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明で用いる低密度ポリエチレン樹脂と環状オレフィン樹脂との軟化点(融点)の差は大きいので、これらの樹脂の溶融粘度差も大きくなり混練不良を生じ、相分離やゲルが発生することがある。このような相分離やゲルの発生を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
本発明の共押出多層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形が可能となる。
さらに、印刷インキとの接着性、ラミネート適性を向上させるため、前記樹脂層(A)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の共押出多層フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、工業部品、医薬品、医療器具、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(A)をヒートシール層として、樹脂層(A)同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋である。当該共押出多層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。また、樹脂層(A)とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができる。
また、前記包装容器としては、本発明の共押出多層フィルムを二次成形することにより得られる深絞り成形品(上部に開口部がある底材)が挙げられ、代表的なものとしてブリスターパックの底材が挙げられる。この底材を密封する蓋材は、底材とヒートシールできるものであれば特に材質は問わないが、蓋材と底材を同時に引き裂いて開封できることから、本発明の共押出多層フィルムを蓋材として用いることが好ましい。
上記の二次成形方法としては、例えば、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等が挙げられる。これらの中でも、フィルムあるいはシートを包装機上にてインラインで成形し、内容物を充填できるため真空成形が好ましい。
本発明の共押出多層フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成すると好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、下記の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、質量基準である。
(調製例1)
低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製「UBEポリエチレン C410」、密度:0.918g/cm3、MFR:2g/10分(190℃、21.18N)、MT:10g;以下、「LDPE」という。)90部と、リン系安定剤(住友化学株式会社製「Sumilizer GP」、6−[3−(3−t−ブチル−4―ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンツ[d,f][1.3.2]―ジオキサホスフェピン;以下、「リン系安定剤(1)」という。)10部とを二軸押出機で溶融混練した後、これをダイスからストランド状に押し出したものをカッティングして、リン系安定剤(1)を10%含有する樹脂ペレット(以下、「リン系安定剤ペレット(1)」という。)を得た。
低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製「UBEポリエチレン C410」、密度:0.918g/cm3、MFR:2g/10分(190℃、21.18N)、MT:10g;以下、「LDPE」という。)90部と、リン系安定剤(住友化学株式会社製「Sumilizer GP」、6−[3−(3−t−ブチル−4―ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンツ[d,f][1.3.2]―ジオキサホスフェピン;以下、「リン系安定剤(1)」という。)10部とを二軸押出機で溶融混練した後、これをダイスからストランド状に押し出したものをカッティングして、リン系安定剤(1)を10%含有する樹脂ペレット(以下、「リン系安定剤ペレット(1)」という。)を得た。
(調製例2)
LDPE90部と、リン系安定剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト;以下、「リン系安定剤(2)」という。)10部とを二軸押出機で溶融混練した後、これをダイスからストランド状に押し出したものをカッティングして、リン系安定剤(2)を10%含有する樹脂ペレット(以下、「リン系安定剤ペレット(2)」という。)を得た。
LDPE90部と、リン系安定剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト;以下、「リン系安定剤(2)」という。)10部とを二軸押出機で溶融混練した後、これをダイスからストランド状に押し出したものをカッティングして、リン系安定剤(2)を10%含有する樹脂ペレット(以下、「リン系安定剤ペレット(2)」という。)を得た。
(調製例3)
LDPE90部と、フェノール系安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガノックス 1010」)10部とを二軸押出機で溶融混練した後、これをダイスからストランド状に押し出したものをカッティングして、フェノール系安定剤を10%含有する樹脂ペレット(以下、「フェノール系安定剤ペレット」という。)を得た。
LDPE90部と、フェノール系安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガノックス 1010」)10部とを二軸押出機で溶融混練した後、これをダイスからストランド状に押し出したものをカッティングして、フェノール系安定剤を10%含有する樹脂ペレット(以下、「フェノール系安定剤ペレット」という。)を得た。
(実施例1)
樹脂層(A)用樹脂として、LDPE99.1部と、リン系安定剤ペレット(1)1部との混合物を用いた。また、樹脂層(B)用樹脂として、環状オレフィン系共重合体樹脂(日本ゼオン株式会社製「ゼオノア 1060R」、MFR:60g/10分(280℃、21.18N)、ガラス転移温度:100℃;以下、「COP」という。)13部と、LDPE86.1部と、リン系安定剤ペレット(1)1部との混合物を用いた。これらの樹脂をそれぞれ、樹脂層(A)用押出機(口径50mm)及び樹脂層(B)用押出機(口径50mm)に供給して200〜230℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(X1)を得た。
樹脂層(A)用樹脂として、LDPE99.1部と、リン系安定剤ペレット(1)1部との混合物を用いた。また、樹脂層(B)用樹脂として、環状オレフィン系共重合体樹脂(日本ゼオン株式会社製「ゼオノア 1060R」、MFR:60g/10分(280℃、21.18N)、ガラス転移温度:100℃;以下、「COP」という。)13部と、LDPE86.1部と、リン系安定剤ペレット(1)1部との混合物を用いた。これらの樹脂をそれぞれ、樹脂層(A)用押出機(口径50mm)及び樹脂層(B)用押出機(口径50mm)に供給して200〜230℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(X1)を得た。
(実施例2)
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE99.55部と、リン系安定剤ペレット(1)0.5部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE86.55部と、リン系安定剤ペレット(1)0.5部の混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(X4)を得た。
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE99.55部と、リン系安定剤ペレット(1)0.5部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE86.55部と、リン系安定剤ペレット(1)0.5部の混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(X4)を得た。
(実施例3)
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE95.5部と、リン系安定剤ペレット(1)5部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE82.5部と、リン系安定剤ペレット(1)5部の混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(X5)を得た。
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE95.5部と、リン系安定剤ペレット(1)5部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE82.5部と、リン系安定剤ペレット(1)5部の混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(X5)を得た。
(比較例1)
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE100部に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE87部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y1)を得た。
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE100部に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE87部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y1)を得た。
(比較例2)
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE98.2部と、フェノール系安定剤ペレット2部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE85.2部と、フェノール系安定剤ペレット2部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y2)を得た。
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE98.2部と、フェノール系安定剤ペレット2部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE85.2部と、フェノール系安定剤ペレット2部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y2)を得た。
(比較例3)
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE98.2部と、リン系安定剤ペレット(2)2部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE85.2部と、リン系安定剤ペレット(2)2部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y3)を得た。
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE98.2部と、リン系安定剤ペレット(2)2部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE85.2部と、リン系安定剤ペレット(2)2部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y3)を得た。
(比較例4)
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE98.2部と、リン系安定剤ペレット(2)1部と、フェノール系安定剤ペレット1部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE85.2部と、リン系安定剤ペレット(2)1部と、フェノール系安定剤ペレット1部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y4)を得た。
実施例1で用いた樹脂層(A)用樹脂を、LDPE98.2部と、リン系安定剤ペレット(2)1部と、フェノール系安定剤ペレット1部との混合物に代え、実施例1で用いた樹脂層(B)用樹脂を、COP13部と、LDPE85.2部と、リン系安定剤ペレット(2)1部と、フェノール系安定剤ペレット1部との混合物に代えた以外は実施例1と同様にして、フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(A)=50μm/50μm/50μm(合計150μm)である共押出多層フィルム(Y4)を得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた共押出多層フィルムを用いて、下記の試験及び評価を行った。
(引き裂き性試験)
上記で得られた共押出多層フィルムを、JIS K7128に準拠して、それぞれ63mm×76mmの大きさの試験片に切り出し、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、フィルム16枚あたりの引裂強さを測定した。得られた引裂強さから、下記の基準によって引き裂き性を評価した。
○:引裂強さが450未満。
△:引裂強さが450以上、550未満。
×:引裂強さが550以上。
上記で得られた共押出多層フィルムを、JIS K7128に準拠して、それぞれ63mm×76mmの大きさの試験片に切り出し、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、フィルム16枚あたりの引裂強さを測定した。得られた引裂強さから、下記の基準によって引き裂き性を評価した。
○:引裂強さが450未満。
△:引裂強さが450以上、550未満。
×:引裂強さが550以上。
(耐γ線照射試験)
上記で得られた共押出多層フィルムに、放射線としてγ線を線量50kGyで2時間照射した。γ線照射前のフィルム及びγ線照射後のフィルムをそれぞれ20枚重ねて、JIS K7103に準拠し、黄変度(YI値)を測定した。また、γ線照射前のフィルムとγ線照射後のフィルムとのYI値の差をΔYI値として求め、下記の基準によって耐γ線性を評価した。
○:ΔYI値が5未満。
△:ΔYI値が5以上、10未満。
×:ΔYI値が10以上。
上記で得られた共押出多層フィルムに、放射線としてγ線を線量50kGyで2時間照射した。γ線照射前のフィルム及びγ線照射後のフィルムをそれぞれ20枚重ねて、JIS K7103に準拠し、黄変度(YI値)を測定した。また、γ線照射前のフィルムとγ線照射後のフィルムとのYI値の差をΔYI値として求め、下記の基準によって耐γ線性を評価した。
○:ΔYI値が5未満。
△:ΔYI値が5以上、10未満。
×:ΔYI値が10以上。
(加工安定性試験)
上記の共押出多層フィルムを、総吐出量40kg/時間(樹脂層(A)及び樹脂層(B)の合計量)で連続成膜し、連続成膜開始後2時間後と4時間後に得られた共押出多層フィルムの0.1m2当たりに存在する直径0.2mm以上の異物及びカーボンゲルの数を目視でカウントして、下記の基準によって加工安定性を評価した。
○:2時間後、4時間後ともに異物及びカーボンゲルの数が5以下。
×:2時間後、4時間後のいずれかで異物及びカーボンゲルの数が5を超える。
上記の共押出多層フィルムを、総吐出量40kg/時間(樹脂層(A)及び樹脂層(B)の合計量)で連続成膜し、連続成膜開始後2時間後と4時間後に得られた共押出多層フィルムの0.1m2当たりに存在する直径0.2mm以上の異物及びカーボンゲルの数を目視でカウントして、下記の基準によって加工安定性を評価した。
○:2時間後、4時間後ともに異物及びカーボンゲルの数が5以下。
×:2時間後、4時間後のいずれかで異物及びカーボンゲルの数が5を超える。
上記で得られた結果を表1及び2に示す。
表1の実施例1〜3の結果より、本発明の共押出多層フィルムは、フェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤(1)を樹脂層(A)及び樹脂層(B)に配合することにより、γ線照射による変色の抑制、連続成膜時の異物やカーボンゲルの発生の抑制を同時に実現することが分かった。
表2の比較例1〜4の結果より、下記のことが分かった。
比較例1の共押出多層フィルムは、安定剤を添加しなかった例である。この共押出多層フィルムは、γ線照射による変色は抑制できたが、連続成膜時に異物及びカーボンゲルの発生が多く、加工安定性に問題があった。
比較例2の共押出多層フィルムは、安定剤としてフェノール系安定剤を添加した例である。この共押出多層フィルムは、γ線照射による変色が大きく、連続成膜時に異物及びカーボンゲルの発生も比較的多く、加工安定性にも問題があった。
比較例3の共押出多層フィルムは、安定剤としてフェノール性ヒドロキシル基を有さないリン系安定剤(2)を添加した例である。この共押出多層フィルムは、γ線照射による変色は抑制できたが、連続成膜時に異物及びカーボンゲルの発生が多く、加工安定性に問題があった。
比較例4の共押出多層フィルムは、安定剤としてフェノール性ヒドロキシル基を有さないリン系安定剤(2)とフェノール系安定剤とを併用して添加した例である。この共押出多層フィルムは、連続成膜時に異物及びカーボンゲルの発生が抑制でき、加工安定性は良好であったが、γ線照射による変色が大きい問題があった。
Claims (5)
- 低密度ポリエチレン(a1)からなる樹脂層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)70〜90質量%及び環状オレフィン系樹脂(b2)10〜30質量%からなる樹脂層(B)とからなり、前記樹脂層(A)及び樹脂層(B)がそれぞれフェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤を含有し、かつ(A)/(B)/(A)の順に積層されていることを特徴とする共押出多層フィルム。
- 前記環状オレフィン系樹脂(b2)が、ノルボルネン系重合体である請求項1記載の共押出多層フィルム。
- 前記リン系安定剤が、6−[3−(3−t−ブチル−4―ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンツ[d,f][1.3.2]―ジオキサホスフェピンである請求項1又は2記載の共押出多層フィルム。
- 前記フェノール性ヒドロキシル基を有するリン系安定剤の樹脂層(A)及び樹脂層(B)における含有量が、各樹脂層中の樹脂100質量部に対して、0.05〜0.5質量部である請求項1〜3のいずれか1項記載の共押出多層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の共押出多層フィルムからなることを特徴とする包装材。
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