JP4919625B2 - ポリオレフィン系樹脂積層シートおよびこれを用いたptp包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、各種熱成形等に用いられるポリオレフィン系樹脂積層シートおよびこれを用いたPTP包装体に関し、さらに詳細には、主にPTP(プレススルーパッケージ)包装と称する医薬品や食品等の包装又はブリスターパッケージ等に好適なポリオレフィン系樹脂積層シートに関する。
医薬品や食品等の包装分野においては、カプセルや錠剤等の固形剤、粒状の食品等を包装するためにPTP(プレススルーパッケージ)包装が行われる。また、食品等の包装分野においては、食品等を包装するためにPTP包装によく似たブリスターパッケージもよく行われている。
PTP包装とは、例えば、透明のシートを圧空成形、真空成形等によりカプセル等の固形剤を収納するポケット部を形成し、ポケット部にカプセル等を収納した後、例えばアルミ箔のように手で容易に引き裂いたり、容易に開封したりできる材質の箔やフィルムを積層して一体化した形態の包装をいう。PTP包装によれば、透明なシートのポケットに収納された固形剤や食品等を開封前に直接肉眼で確認でき、開封する際にはポケット部の固形剤等を指で押して箔等を押し破ることにより、内容物を取り出すことができる。
ブリスターパッケージとは、シートを真空成形等して食品等の形態に応じた凹部(ポケット部)を形成し、この凹部(ポケット部)に食品等の内容物を収納した後、ヒートシール性コート紙やフィルム等で封をする形態の包装をいう。
PTP包装やブリスターパッケージに用いられるシートとしては、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」と略記する場合がある)が、良好な熱成形性、常温での剛性、耐衝撃性、適度な防湿性、透明性を有するため、従来から使用されてきた。
ところが、PVCは燃焼時に発生する塩化水素ガスが燃焼炉を劣化させたり、発生する塩化水素ガスが環境を汚染する等の懸念があり、PVCに替わる材料が求められている。近年では、その代替素材としてポリプロピレン系樹脂が使用され始めているが、ポリプロピレン系樹脂はPVCに比べ若干成形性が劣るため、ポリプロピレン系樹脂用のPTP成形装置を用いて成形することが行われている。しかし、ポリプロピレン系樹脂シートを使用した場合、シートに施したスリット部に沿って反復して折り曲げても手で切り難いため、引き裂き動作が必要になるという問題があった。
また、ポリプロピレン系樹脂と同様防湿性に優れ、さらに透明性や材料の粘弾性挙動がPVCに近い環状オレフィン系樹脂がPTP包装用途を含む成形用シートとしてその代替材料候補の一つとして種々検討されてきた。しかし、環状オレフィン系樹脂は透明性、防湿性、機械的強度、成形性等の優れた特性を持つ反面、耐衝撃性が不足していたり、耐油性が悪いといった問題があり、これを改良すべく多層化されたシートが検討されている。
例えば、特許文献1には、外層と内層及び中間層において環状オレフィン系樹脂と高密度ポリエチレン(密度:0.94〜0.98 g/cm)を使用し、外層と内層が中間層に比べ高密度ポリエチレンの配合比率を高くしたポリマーアロイの積層シートが開示されている。
しかし、このシートでは、高密度ポリエチレンを使用しているため、外部ヘーズが悪化しやすく、医薬品包装用途での薬剤の視認性に問題があった。
特許文献2には、環状オレフィン系樹脂からなる層と、低中密度ポリエチレン(密度:0.920〜0.940 g/cm)に環状オレフィン系樹脂を配合してなる層が積層されたシートが開示されている。
しかし、このシートでは、成形加工適性、耐油性、透明性、成形シートの手切れ性は良好であるが、低中密度ポリエチレンを用いているため、防湿性が不充分な場合があり、より防湿性を必要とする薬品を包装する場合においては、更に防湿性を高めたシートが市場から求められていた。
特許文献3には、環状オレフィン系樹脂と低分子量化合物からなる層と、ポリプロピレン系樹脂からなる層が積層されたシートが開示されている。
しかし、このシートでは、低分子量化合物を配合することにより、防湿性は向上するが、手切れ性評価においてスリット部より、環状オレフィン系樹脂からなる層と、ポリプロピレン系樹脂からなる層の間で層間剥離が発生しやすく、層間接着性に問題があった。
特開平6−305101号公報 特開2003−127287号公報 特開平8−300578号公報
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、手切れ性に優れ、かつ透明性、防湿性に優れたポリオレフィン系樹脂積層シートから成形されるPTP包装体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、環状オレフィン系樹脂と低中密度ポリエチレンと石油樹脂類を使用し、それぞれを適量配合した樹脂層を積層化することで透明性、防湿性に優れ、スリット部での手切れ性が良好な環状オレフィン系樹脂積層シートを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)中間層を構成するA層と、その両側に積層された外層としてのB層を含む積層シートであって、下記(a)〜(c)に示す成分を主成分とし、前記A層のみに(c)成分を含有し、その混合質量比が、前記A層では、(a)/(b)/(c)=70〜85/5〜20/10〜25質量%、前記B層では、(a)/(b)=5〜40/60〜95量%であり、前記積層シートのA層の厚みが全厚みの60〜95%であり、シート全厚みが350μm以下で、かつJIS K7129(A法)に準拠して測定した透湿度が0.30g/m ・day以下であるポリオレフィン系樹脂積層シートから成形されることを特徴とするPTP包装体
(a)ガラス転移温度(Tg)が50〜120℃である環状オレフィン系樹脂
(b)結晶融解ピーク温度(Tm)が110〜130℃であり、かつ密度が0.920〜0.940g/cmであるポリエチレン系樹脂
(c)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体
(2)前記(a)成分の環状オレフィン系樹脂が、エチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物及びこれらの(共)重合体のグラフト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環状オレフィン系樹脂である(1)に記載のPTP包装体
(3)前記(b)成分のポリエチレン系樹脂が、メタロセン系触媒を用いて重合された樹脂である(1)に記載のPTP包装体
(4)前記(a)成分として(2)に記載の環状オレフィン系樹脂を、前記(b)成分として(3)に記載のポリエチレン系樹脂をそれぞれ使用する(1)に記載のPTP包装体
)実用透湿度(PTP成形後の各ポケットに充分に乾燥したシリカゲルを各1粒充填し、10ポケットの吸水重量の合計が20mgに達するまでの経過日数)が20日以上であることを特徴とする()に記載のポリオレフィン系樹脂積層シートから成形されたPTP包装体。
を提供するものである。
環状オレフィン系樹脂と低中密度ポリエチレン系樹脂と石油樹脂類を使用し、それぞれを適量配合した樹脂層を積層化することで透明性、防湿性に優れ、スリット部での手切れ性が良好な環状オレフィン系樹脂積層シートが得られ、PTP包装に用いられる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートは、下記の(a)〜(c)に示す成分を含有することを特徴とする。
(a)ガラス転移温度(Tg)が50〜120℃である環状オレフィン系樹脂
(b)結晶融解ピーク温度(Tm)が110〜130℃であり、かつ密度が0.920〜0.940g/cmであるポリエチレン系樹脂。
(c)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体
まず、(a)成分である環状オレフィン系樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が50〜120℃であることが重要である。ここで、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上であれば、シートの耐熱性が維持され、PTP成形を行った凹部(ポケット部)が室温より高い温度で保管された際に変形する等の不具合が生じにくいため好ましい。一方、ガラス転移温度(Tg)が120℃以下であれば、PTP成形の際に表裏層の粘着トラブル等の不具合が発生しにくく、また、良好な厚み精度で成形できるため好ましい。これらのことより、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、より好ましくは60〜110℃であり、更に好ましくは65〜105℃である。
なお、本発明において使用するガラス転移温度(Tg)は、次のようにして求めた値である。すなわち、粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティ計測(株)製)を用い、振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度3℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(a)成分である環状オレフィン系樹脂(重合体)の結合形態は、上述した条件を満足すれば特に制限はなく、下記一般式(1)で表される環状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、及びこれらの(共)重合体のグラフト変成物等が挙げられる。
Figure 0004919625
一般式(1)中、R1 乃至R12 は水素原子又は炭化水素基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、R5とR10、又はR11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成してもよい。また、R3又はR10と、R11又はR12とは互いに環を形成してもよい。nは0又は正の整数であって、R5〜R8が複数回繰り返される場合には、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、一般式(1)で表される環状オレフィンの例としては、下記式(2)のビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)及びその誘導体、例えば、ノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン等を挙げることができる。
また、下記式(3)のテトラシクロ−3−ドデセン及びその誘導体としては、例えば、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン等を挙げることができる。
Figure 0004919625
Figure 0004919625
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートにおいては、環状オレフィンの開環(共)重合体、エチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体の水素化物を好適に使用することができ、例えば、上記一般式(1)で表される環状オレフィンを30〜50モル%程度有するエチレンとの共重合体を例示することができる。また、エチレン以外のα−オレフィンを含むものや、第3成分としてブタジエン、イソプレン等を含有するものであってもよい。環状オレフィンの含有量により各種のガラス転移温度を有するものがある。具体的には、三井化学(株)製の商品名「アペル」やTicona社製の商品名「TOPAS」、日本ゼオン(株)製の商品名「ゼオノア」等を例示することができる。
なお、環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報等に記載されている公知の方法に準じて製造することができる。
さらに、本発明において、環状オレフィン系樹脂としては、上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは環状オレフィン開環(共)重合体の水添物(水素化物)を、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいはその無水物等の変性剤で変性したグラフト重合体も使用することができる。これらの変性剤は単独であるいは組合せて使用することができる。
次に、(b)成分であるポリエチレン系樹脂は、結晶融解ピーク温度(Tm)が110〜130℃であり、かつ密度が0.920〜0.940g/cmのものであることが重要である。ここで、結晶融解ピーク温度が110℃以上であれば、PTP成形時にシート加熱部にシートが粘着することなく、良好に成形可能であるため好ましく、一方、130℃以下であれば、従来PVC系シートで行われていた比較的低温で安定したPTP成形が可能であるため好ましい。これらのことより、ポリエチレン系樹脂の結晶融解ピーク温度(Tm)の下限は112℃以上であることがより好ましく、また上限は128℃以下であることがより好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂の密度が0.920g/cm以上であれば、PTP成形時に加熱部にシートが粘着することもなく成形可能であるため好ましく、一方、0.940g/cm以下であれば、押出成形の際、外部ヘーズが悪化しにくく、外観が良好なシートが得られるため好ましい。これらのことより、ポリエチレン系樹脂の密度の下限としては0.921g/cm以上であることがより好ましく、0.922g/cm以上であることが更に好ましい。また、上限としては0.937g/cm以下であることがより好ましく、0.935g/cm以下であることが更に好ましい。
シートの透明性を向上させるためには、分子量分布が狭く高透明な特性を有する、均一系触媒(メタロセン系触媒等)を使用して重合されたポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。
次に、(c)成分は、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体(以下、これらをまとめて、石油樹脂類と略する場合がある。)である。(c)成分である石油樹脂類を混合することにより、環状オレフィン系樹脂の分子間隙に入り込み、環状オレフィン系樹脂の分子運動を抑制し、防湿性を更に向上させることができるものと考えられる。
ここで、石油樹脂としては、シクロペンタジエンもしくはその二量体を重合してなる脂環式石油樹脂、C9成分を重合してなる芳香族石油樹脂等が挙げられる。テルペン樹脂としては、β−ピネンを重合してなるテルペン−フェノール樹脂が挙げられる。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリン、ペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂等が挙げられる。
(c)成分である石油樹脂類は、(a)成分である環状オレフィン系樹脂、(b)成分であるポリエチレン系樹脂に混合した場合に、比較的良好な相溶性を示す。また、色調、熱安定性、相溶性などが特に良好であることから、(c)成分である石油樹脂類としては、水素添加された石油樹脂またはテルペン樹脂を用いることが好ましい。具体的には、三井化学(株)の商品名「ハイレッツ」、「ペトロジン」、荒川化学工業(株)の商品名「アルコン」、ヤスハラケミカル(株)の商品名「クリアロン」、出光石油化学(株)の商品名「アイマーブ」、トーネックス(株)の商品名「エスコレッツ」等の市販品を用いることができる。
(c)成分である石油樹脂類の軟化点は、90〜150℃であることが好ましく、110〜140℃であることがより好ましい。ここで、石油樹脂類の軟化点が90℃以上であれば、防湿性を効率的に向上させることができ好ましく、一方、150℃以下であれば、相溶性が良好に維持され、透明性の低下が生じにくいため好ましい。
また、(c)成分である石油樹脂類の示差走査熱量測定により求められるガラス転移温度(Tg)は、50〜120℃であることが好ましく、60〜110℃であることがより好ましい。
ここで、石油樹脂類のガラス転移温度(Tg)が50℃以上であれば、防湿性を効率的に向上させることができ好ましく、一方、120℃以下であれば、PTP成形性や透明性の低下が生じにくいため好ましい。これらのことから、用いる(c)成分である石油樹脂類のガラス転移温度(Tg)と(a)成分である環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)との関係は、(c)成分である石油樹脂類のガラス転移温度(Tg)≧(a)成分である環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)であることが特に好ましい。
次に、本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの中間層を構成するA層は、前記(a)〜(c)成分の混合質量比が、(a)/(b)/(c)=60〜95/0〜35/5〜30質量%であることが重要である。ここで、(a)成分の含有量が60質量%以上95質量%以下であれば、PTP成形時の弾性率が充分小さくなるため成形性は良好であり、また防湿性を確保できるため好ましい。また、(b)成分の含有量が35質量%以下であれば、成形性は良好であり、また大幅な透明性の低下が生じないため好ましい。さらに、(c)成分の含有量が5質量%以上であれば、透明性、防湿性を向上させることができるため好ましい。一方、(c)成分の含有量が30質量%以下であれば、溶融粘度が大幅に低下し押出成形が不安定になったり、積層シート全体での耐衝撃性が低下する等の不具合が生じにくいため好ましい。また、これらのことより、(a)〜(c)成分の混合質量比が、(a)/(b)/(c)=65〜90/0〜25/10〜25質量%であることがより好ましく、(a)/(b)/(c)=70〜85/5〜20/10〜25質量%であることがさらに好ましい。すなわち、本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの中間層を構成するA層には、前記(a)〜(c)の3成分を用いることにより、透明性、防湿性、耐衝撃性およびリサイクル性等のバランスに優れたシートが成形できるのである。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの両外層を構成するB層は、前記(a)、(b)成分の混合質量比が、(a)/(b)=5〜40/60〜95質量%であることが重要である。ここで、(a)成分の含有量が5質量%以上であれば、PTP成形シートの手切れ性評価において、スリット部の手切れ性を向上させることができるため好ましい。一方、(a)成分の含有量が40質量%以下であれば、シートの耐油性や、透明性の大幅な低下が生じにくいため好ましい。これらのことより、(a)、(b)成分の混合質量比が、(a)/(b)=10〜35/65〜90質量%であることがより好ましく、(a)/(b)=15〜30/70〜85質量%であることが更に好ましい。なお、両外層を構成するB層の組成は、表層と裏層とで同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが寸法安定性(カール防止等)などの点から好ましい。
また、本発明において、防湿性をさらに向上させるために、ポリオレフィン系樹脂積層シートの両外層を構成するB層にも(c)成分を配合することを排除するものではないが、(c)成分である石油樹脂類は、押出成形の際に、含まれる低分子量物が揮発したり、シートの表面にブリードしたりしてキャストロールへ汚れが付着する等の問題が生じる場合があるため、中間層を構成するA層のみに(c)成分を配合することがより好ましい。
次に、本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの中間層(A層)の厚さは、シートの全厚みに対する厚み比が60〜95%であることが重要である。ここで、シートの全厚みに対する厚み比が60%以上95%以下であれば、防湿性を確保しつつ、熱成形性、手切れ性が良好であるため好ましい。これらのことより、シートの全厚みに対する厚み比が65〜90%であることがより好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの全厚みは、特に制限はないが、通常20〜1000μm程度である。例えば、PTP包装体に用いられる場合には、一般的に200〜350μmである。同様に、外層(B層)の厚みも特に制限はないが、5μm以上であることが好ましい。ここでまた、両外層(B層)の厚さは同一でも異なっていてもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの透明性は、特に制限されるものではないが、通常、全ヘーズで35%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、更に好ましくは25%以下である。ここで、全ヘーズが35%以下であれば、医薬品包装用途に用いた場合、薬剤の視認性が良好であるため好ましい。なお、現在用いられているポリプロピレン系樹脂シートの全ヘーズ値は約30%程度である。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂積層シートは、PTP包装体として用いられるが、その際シートの全厚みが350μm以下で、JIS K7129(A法)に準拠して測定した透湿度が、0.30g/m・day以下である。ここで、透湿度が0.30g/m・day以下であれば、特に防湿性を必要とする薬品の包装用として好適に用いることができる。このことより、透湿度は0.29g/m・day以下であることがより好ましく、0.28g/m・day以下であることが更に好ましい。

また、本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートから成形されたPTP包装体は、後述する実用透湿度が20日以上であることが好ましい。ここで、実用透湿度とは、上記積層シートを、PTP用成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、PTP用シートを成形し、10ヶ所の凹部(ポケット部)に各々1粒の充分乾燥したシリカゲルを充填し、次いでアルミ箔(17μm)を積層ラミし、40℃、湿度90%の条件下で測定し、シリカゲルの吸水重量の合計が20mgに達するまでの経過日数のことをいう。ここで、例えば現在用いられているポリプロピレン系樹脂シートから成形されたPTP包装体の前記実用透湿度は、約10日程度である。すなわち、実用透湿度が20日以上であれば、ポリプロピレン系樹脂シートから成形されたPTP包装体の約2倍程度の防湿性を有する目安となり、より防湿性が必要とされる薬品の包装に用いることができるため好ましい。これらのことより、実用透湿度は21日以上であることがより好ましく、22日以上であることが更に好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートは、中間層を構成するA層と、表裏両側に積層された外層としてのB層との3層構成が最も好適に用いられるが、この構成に限定されるものではなく、中間層はA層以外の層を含んでも構わない。例えば、(B層)/(A層)/(B層)/(A層)/(B層)の5層構成、中間層(A層)と外層(B層)との間に接着性樹脂等からなる接着層を設けた(B層)/接着層/(A層)/接着層/(B層)の5層構成や(B層)/接着層/(A層)/接着層/(B層)/接着層/(A層)/接着層/(B層)の9層構成等が挙げられる。なお、各接着層の樹脂組成は、同一でも異なっていてもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートには、本発明の主旨を損なわない範囲でその他の成分を適宜添加しても構わない。ここで、その他の成分は、A層あるいはB層のみに添加しても、A層及びB層の両層に添加してもよい。その他の成分としては、改良剤、添加剤等が挙げられ、例えば、ポリオレフィン系やポリスチレン系の熱可塑性エラストマー等の耐衝撃性改良剤や、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑り剤等の添加剤、また、トリミングロス等から発生するリサイクル樹脂(通常、中間層を構成するA層に添加される)等が挙げられる。
次に、本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの製造方法について説明するが、従来公知の方法で行うことができ、特に限定されるものではない。例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、キャストロールで冷却し、シートを製造することができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂積層シートの各層を構成する樹脂組成物については、予め二軸押出機、ニーダー、ヘンシェルミキサー等を用い、プレコンパウンドしても良いし、各原料をドライブレンドし直接押出機に投入しても良い。但し、二軸押出機を用いてプレコンパウンドする場合、B層中の(a)成分の分散性が向上しすぎると、スリット部での手切れ性が低下する場合があるため、B層中の(a)成分の含有量と分散径にも注意することが大切である。押出成形温度は、混合樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調節されるが、概ね260℃以下、好ましくは200〜250℃の範囲が好適である。また、押出成形の際に、石油樹脂類に含まれる低分子量成分が揮発したり、シートの表面にブリードしたりしてキャストロールへ汚れが付着する等の問題が生じる場合があるため、押出機のシリンダー部にベント口を設け、石油樹脂類の低分子量成分を除去してもよい。また(a)成分である環状オレフィン系樹脂は、該一次構造にも依存するが、押出時のせん断などによりフィッシュアイなどのブツが発生しやすいため、飢餓フィード押出や押出機のシリンダー内部の窒素パージ、あるいは、滑剤(PEワックスや酸化防止剤等)などを添着させて押出するなどの方法を用いることも好ましい。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書中に示されるシート等についての種々の測定値及び評価は以下のようにして求めた。
(1)結晶融解ピーク温度(Tm)
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準じて、試料10mgを加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラフから求めた。
(2)透明性(全ヘーズ)
得られた積層シートをJIS K7105に準拠して測定した。全ヘーズが、25%以下であるものを「◎」、25%より大きく35%以下であるものを「○」、35%より大きいものを「×」と表記した。
(3)透湿度
得られた積層シートをJIS K7129(A法)に準拠して測定した。透湿度が0.28g/m・day以下であるものを「◎」、0.28g/m・dayより大きく0.30g/m・day以下であるものを「○」、0.30g/m・dayより大きいものを「×」と表記した。
(4)耐油性
得られた積層シートをn−ヘプタン中に浸漬し、23℃で3日間放置後の外観変化、透明性等を評価し、変化がほとんどないものを「○」、明らかに変化するものを「×」と表記した。
(5)手切れ性
PTP用成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、得られた積層シートからPTP用シートを成形し、次いでアルミ箔(17μm)を積層した後、PTP包装の形態に打ち抜き加工を行った。次に、PTP成形シートを用いスリット部に沿って、まずアルミ箔側が凹になるように手で約100度折り曲げた後、アルミ箔側が凸となるように手で折り曲げる。即ち、1往復の折り曲げ動作を行う。そして、容易に2分割できた場合を「◎」、若干の引き裂き動作が必要となった場合を「○」、容易に引き裂くことができなかった場合を「×」と表記した。
(6)実用透湿度
PTP用成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、得られた積層シートからPTP用シートを成形した。次いで、充分乾燥したシリカゲルを各ポケットに1粒充填しアルミ箔(17μ)を積層ラミした。この積層ラミシートを40℃、湿度90%の恒温恒湿槽内に保管し、その10ポケットの吸水重量の合計が20mgになるまでの経過日数を測定した。そして、経過日数が22日以上であるものを「◎」、20日以上で22日未満であるものを「○」、20日未満であるものを「×」と表記した。
実施例及び比較例のポリオレフィン系樹脂積層シートを構成する(a)成分、(b)成分および(c)成分として次の原料を用いた。
原料a1;日本ゼオン(株)製(商品名:ZEONOR 750R)ガラス転移温度(Tg):78℃
原料a2;三井化学(株)製(商品名:アペル APL6509)ガラス転移温度(Tg):85℃
原料b1;日本ポリエチレン(株)製、低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックUJ960) Tm:126℃、MFR:5.0g/10min(JIS K7210)、密度:0.935g/cm
原料b2;宇部興産(株)製、均一系触媒で合成されたポリエチレン(商品名:UMERIT 2540F) Tm:119℃、MFR:4.0g/10min(JIS K7210)、密度:0.923g/cm
原料b3;日本ポリエチレン(株)製、高密度ポリエチレン(商品名:ノバテックHD HY540) Tm:135℃、MFR:1.0g/10min(JIS K7210)、密度:0.960g/cm
原料b4;日本ポリエチレン(株)製、ポリエチレン(商品名:ノバテックLD LF405M) Tm:108℃、MFR:2.0g/10min(JIS K7210)、密度:0.919g/cm
原料c1;荒川化学工業(株)製、水添石油樹脂(商品名:アルコンP125) 軟化点:125℃、(示差走査熱量測定により求められるガラス転移温度:75℃)
(実施例1)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、石油樹脂類として原料c1を用いて、それらの混合質量比が、(a1)/(b1)/(c1)=70/10/20質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、それらの混合質量比が(a1)/(b1)=20/80質量%である樹脂組成物を外層(B層)として、それぞれ別個の単軸押出機に投入し、設定温度230℃で溶融混練後、各層の厚みが、外層(B層)/中間層(A層)/外層(B層)=50μm/250μm/50μmとなるように3層ダイスより共押出し、50℃のキャストロールで引取り、冷却固化させて、厚さ350μmの積層シートを作製した。
得られたシートについて各種物性、加工適性等の評価を行った。また、得られた結果について総合評価も行い、すべての評価が良好であり、実用上問題のないものを「〇」、何れか一つでも不良であるものを「×」と表記した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
表1に示すように、各層の厚みが、外層(B層)/中間層(A層)/外層(B層)=30μm/290μm/30μmとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
参考例3)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、石油樹脂類として原料c1を用いて、それらの混合質量比が、(a1)/(c1)=90/10質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、それらの混合質量比が(a1)/(b1)=10/90質量%である樹脂組成物を外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
参考例4)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、石油樹脂類として原料c1を用いて、それらの混合質量比が、(a1)/(b1)/(c1)=60/15/25質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、それらの混合質量比が(a1)/(b1)=30/70質量%である樹脂組成物を外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a2を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b2を用い、石油樹脂類として原料c1を用いて、それらの混合質量比が、(a2)/(b2)/(c1)=70/10/20質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、環状オレフィン系樹脂として原料a2を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b2を用い、それらの混合質量比が(a2)/(b2)=20/80質量%である樹脂組成物を外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、それらの混合質量比が、(a1)/(b1)=90/10質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、それらの混合質量比が、(a1)/(b1)=90/10質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、ポリエチレン系樹脂として原料b1を100質量%用いて外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用いて、それらの混合質量比が、(a1)/(b1)=90/10質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b1を用い、それらの混合質量比が(a1)/(b1)=60/40質量%である樹脂組成物を外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b4を用い、石油樹脂類として原料c1を用いて、それらの混合質量比が、(a1)/(b4)/(c1)=70/10/20質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b4を用い、それらの混合質量比が(a1)/(b4)=20/80質量%である樹脂組成物を外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。なお、該積層シートをPTP成形する際、シート加熱部の熱板に粘着するトラブルが生じる場合が多く、安定して成形できなかった。
(比較例5)
表1に示すように、環状オレフィン系樹脂として原料a1を用い、ポリエチレン系樹脂として原料b3を用いて、それらの混合質量比が、(a1)/(b3)=90/10質量%である樹脂組成物を中間層(A層)とし、ポリエチレン系樹脂として原料b3を100質量%用いて外層(B層)とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
(比較例6)
表1に示すように、各層の厚みが、外層(B層)/中間層(A層)/外層(B層)=100μm/150μm/100μmとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。得られた積層シートを評価した結果を表1に示す。
Figure 0004919625
表1より、本発明で規定するポリオレフィン系樹脂積層シートは、防湿性、成形加工適性、耐油性、透明性、成形シートのスリット部の手切れ性が良好であることが確認できる。(実施例1、2、5)。これに対して、(比較例1)中間層に石油樹脂類を配合しなかった場合には、350μm厚みのシートでは防湿性が不充分であった。(比較例2)外層に環状オレフィン系樹脂を配合しなかった場合には、成形シートのスリット部の手切れ性が不充分であった。(比較例3)外層に配合する環状オレフィン系樹脂の配合量が本発明で規定する量を超えた場合には、耐油性が不充分であった。(比較例4)(比較例5)外層に配合するポリエチレン系樹脂の特性が本発明で規定する範囲外の場合には、PTP成形時にシート加熱部にシートが粘着するトラブルが発生し、成形加工適性に問題が生じたり(比較例4)、外部ヘーズが主な原因となり透明性が不十分であった(比較例5)。(比較例6)中間層の全厚みに対する厚み比が本発明で規定する範囲未満の場合には、防湿性や成形シートのスリット部の手切れ性が不充分であった。

Claims (5)

  1. 中間層を構成するA層と、その両側に積層された外層としてのB層を含む積層シートであって、下記(a)〜(c)に示す成分を主成分とし、前記A層のみに(c)成分を含有し、その混合質量比が、前記A層では、(a)/(b)/(c)=70〜85/5〜20/10〜25質量%、前記B層では、(a)/(b)=5〜40/60〜95質量%であり、前記積層シートのA層の厚みが全厚みの60〜95%であり、シート全厚みが350μm以下で、かつJIS K7129(A法)に準拠して測定した透湿度が0.30g/m ・day以下であるポリオレフィン系樹脂積層シートから成形されることを特徴とするPTP包装体
    (a)ガラス転移温度(Tg)が50〜120℃である環状オレフィン系樹脂。
    (b)結晶融解ピーク温度(Tm)が110〜130℃であり、かつ密度が0.920〜0.940g/cmであるポリエチレン系樹脂
    (c)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体
  2. 前記(a)成分の環状オレフィン系樹脂が、エチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレフィン開環(共)重合体、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物及びこれらの(共)重合体のグラフト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環状オレフィン系樹脂である請求項1に記載のPTP包装体
  3. 前記(b)成分のポリエチレン系樹脂が、メタロセン系触媒を用いて重合された樹脂である請求項1に記載のPTP包装体
  4. 前記(a)成分として請求項2に記載の環状オレフィン系樹脂を、前記(b)成分として請求項3に記載のポリエチレン系樹脂をそれぞれ使用する請求項1に記載のPTP包装体
  5. 実用透湿度(PTP成形後の各ポケットに充分に乾燥したシリカゲルを各1粒充填し、10ポケットの吸水重量の合計が20mgに達するまでの経過日数)が20日以上であることを特徴とする請求項に記載のPTP包装体。
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