JP2012131933A - ポリエチレン系シート及びそれを成形してなるptp包装用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】PTP包装用シートなどとして好適なシートとして、二次加工性、透明性及び防湿性に優れた新たなポリエチレン系シートを提案する。
【解決手段】 所定の結晶融解温度及び結晶融解熱量を有するエチレン系重合体(A)、結晶核剤(B)、及び所定のオレフィン相溶樹脂(C)を含んでなる樹脂層(I)を有し、樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中に占める(B)の割合が0.01質量%以上、3質量%以下、(C)の割合が5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とするポリエチレン系シートを提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は二次加工性、防湿性、透明性に優れたポリエチレン系シート及びそれを成形してなるPTP包装用シートに関する。
医薬品や食品等の包装分野においては、カプセルや錠剤等の固形剤、粒状の食品等を包装するためにPTP(プレススルーパッケージ)包装が実施されている。また、食品等の包装分野においては、食品等を包装するためにPTP包装によく似たブリスターパッケージもよく実施されている。
PTP包装とは、例えば透明のシートに圧空成形、真空成形等を施すことによりカプセル等の固形剤を収納するポケット部を形成し、ポケット部にカプセル等を収納した後、例えばアルミ箔のように手で容易に引き裂いたり、容易に開封したりできる材質の箔やフィルムを蓋材として積層して一体化した形態の包装である。PTP包装によれば、透明なシートのポケットに収納された固形剤や食品等を開封前に直接肉眼で確認でき、開封する際には、ポケット部の固形剤等を指で押して蓋材を押し破ることにより、内容物を容易に取り出すことができる。
また、ブリスターパッケージとは、シートを真空成形等して食品等の形態に応じたポケット部を形成し、このポケット部に食品等の内容物を収納した後、ヒートシール性コート紙やフィルム等で封をする形態の包装である。
PTP包装やブリスターパッケージに用いられるシートの原料としては、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」ということもある)が良好な熱成形性、常温での剛性、耐衝撃性、透明性を有するため、従来から使用されてきた。ところが、PVCは、燃焼の方法によっては塩化水素ガスが発生し、燃焼炉を劣化させたり、環境汚染を引き起こしたりする等の問題があるだけでなく、防湿性も不十分であるため、内容物の長期保存の面からもPVCに替わる材料が求められていた。
PVCの代替素材として、ポリプロピレン系樹脂(以下「PP」ということもある)が一般的に使用されてきたが、PPは、PVCと比較して防湿性に優れるものの、近年はさらなる防湿性の向上が求められている。そこで、防湿性に優れるだけでなく、透明性や材料の粘弾性挙動がPVCに近い“非晶性ポリオレフィン”がPVCやPPの代替材料候補の一つとして注目されている。
しかし、非晶性ポリオレフィンは、透明性、防湿性、機械的強度、成形性等に優れる反面、耐衝撃性が不足していたり、耐油性が悪かったりする問題があるため、これを改良すべく、その他のポリマーとのアロイや、多層化することが提案されている。
この種のポリマーアロイとしては、例えば特許文献1において、非晶性ポリオレフィンの耐油性向上を目的として、熱変形温度が100℃以下である非晶性ポリオレフィンと高密度ポリエチレンを配合(高密度ポリエチレンの割合が2〜55質量%)してなるシートが開示されている。
特許文献2には、引裂き強度の向上を目的として、軟化点温度が10〜120℃である環状オレフィン系樹脂95〜50質量部と、23℃における密度が0.92〜0.98g/cm3のエチレン系重合体5〜50質量部とからなる樹脂組成物よりなるシートが開示されている。
特許文献3には、高密度ポリエチレンの透明性向上を目的として、密度が0.942〜0.965g/cm3である高密度ポリエチレンに造核剤を配合してなる樹脂組成物が開示されている。
特許文献4には、防湿性の向上を目的として、密度が0.94〜0.97g/cm3である高密度ポリエチレンに、極性基を含まない脂環族飽和炭化水素樹脂を配合してなる樹脂組成物が開示されている。
他方、多層化に関しては、特許文献5において、耐衝撃性の向上を目的として、外層と内層及び中間層において非晶性ポリオレフィンと高密度ポリエチレンを使用し、外層と内層が中間層に比べ高密度ポエチレンの配合比率を高くしたポリマーアロイの積層シートが開示されている。
特開平06−316656号公報 特開平07−053795号公報 特開2001−192513号公報 特開2007−137968号公報 特開平06−305101号公報
ところで、一般的な高密度ポリエチレンに核剤を配合しても、シート成形時に十分な透明性を得ることは困難であった。加えて、例えば特許文献4のように、高密度ポリエチレンに、極性基を含まない脂環族飽和炭化水素樹脂を配合することで防湿性は若干向上するものの、シート成形した時に十分な透明性を得ることは困難であった。
さらにまた、例えば特許文献5に開示された積層シートでは、最外層に一般的な高密度ポリエチレンを過剰な割合で含有する層を使用した場合、表面荒れによる透明性の低下が生じ易く、特に医薬品包装用途での薬剤の視認性に問題があった。
そこで、本発明の目的は、このような従来技術の課題に鑑み、十分な二次加工性、透明性及び防湿性を有する、新たなポリエチレン系シート及びそれを成形してなるPTP包装用シートを提供することにある。
本発明は、下記(A)、(B)及び(C)を含んでなる樹脂層(I)を有し、樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中に占める(B)の割合が0.01質量%以上3質量%以下であり、(C)の割合が5質量%以上30質量%以下であることを特徴とするポリエチレン系シートを提案するものである。
(A):示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が120〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が150〜190J/gであるエチレン系重合体
(B):結晶核剤
(C):石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類のオレフィン相溶樹脂
本発明が提案するポリエチレン系シートは、十分な二次加工性、防湿性、及び透明性を有するため、例えば医薬品や食品などの包装資材、特には医薬品用のPTP(プレススルーパック)などのように、二次加工性や防湿性、透明性が要求される包装資材の材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例としてのポリエチレン系シート(以下、「本シート」とも称する)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<樹脂層(I)>
本シートは、次のエチレン系重合体(A)、結晶核剤(B)、及びオレフィン相溶樹脂(C)を含んでなる樹脂層(I)を有するポリエチレン系シートである。よって、本シートは、樹脂層(I)からなる単層シートであってもよいし、構成する樹脂の種類や比率の異なる複数の樹脂層(I)からなる多層シートであってもよいし、あるいは、樹脂層(I)に他の層を積層してなる多層シートであってもよい。
(A)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が120〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が150〜190J/gであるエチレン系重合体
(B)結晶核剤
(C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類のオレフィン相溶樹脂
(エチレン系重合体(A))
エチレン系重合体(A)は、エチレン単独重合体であってもよいし、或いは、エチレンと、エチレン以外のモノマー成分、特にはα―オレフィンとの共重合体であってもよい。また、これらの混合物を用いることもできる。
ここで、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、へキセン−1、へプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等を例示することができる。中でも、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、プロピレン、ブテン−1、へキセン−1、オクテン−1が好適である。
エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。
以上の中でも、エチレン単独重合体、或いは、エチレンと、ブテン−1、ヘキセン−1、及びオクテン−1からなる群より選ばれる少なくとも1種類のα−オレフィンとの共重合体を用いるのが好ましい。
エチレンと、ブテン−1、ヘキセン−1、及びオクテン−1からなる群より選ばれる少なくとも1種類のα−オレフィンとの共重合体を用いる場合、共重合体中に占めるブテン−1、ヘキセン−1、及びオクテン−1の割合の合計が0.1〜4.0質量%であることが好ましく、中でも0.3質量%以上或いは3.5質量%以下、その中でも0.5質量%以上或いは3.0質量%以下であることがさらに好ましい。α−オレフィンの割合がかかる範囲内であれば、本シートの防湿性、透明性をさらに優れたものとすることができる。
また、エチレン系重合体(A)としては、特にシングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン単独重合体、及び/又は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体を用いることが好ましい。
シングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン単独重合体、及び/又は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、分子量分布指数(Mw/Mn)が小さく、分子の長さが比較的均一であるため、結晶核剤を添加した場合に微細な結晶を形成することが可能となるため、透明性、防湿性を特に向上することができる。このような点から、エチレン系重合体(A)の分子量分布指数(Mw/Mn)は2.5〜5.0、特に2.6以上或いは4.5以下、中でも3.0以上或いは4.0以下であるのが好ましい。
シングルサイト触媒としては、例えばメタロセン化合物とメチルアルミノオキサンとを組み合わせたメタロセン触媒を挙げることができる。シングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン単独重合体、及び/又は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体の特徴として、分子量分布が狭い点、同じ密度であっても結晶融解熱量が低い点などを挙げることができる。
また、透明性と防湿性を両立するためには、エチレン系重合体(A)の密度が、0.930〜0.948g/cm3であることが好ましく、中でも0.932g/cm3以上或いは0.947g/cm3以下であることがより好ましく、その中でも0.935g/cm3以上或いは0.942g/cm3以下であることがさらに好ましい。前記エチレン系重合体(A)の密度がかかる範囲内であれば、本シートの透明性と防湿性をさらに高めることができる。
エチレン系重合体(A)は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が120〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が150〜190J/gを満足することが必要である。かかる範囲内に結晶融解温度及び結晶融解熱量を有するエチレン系重合体(A)を用いることで、透明性と防湿性を両立することができる。
中でも、前記結晶融解温度は125℃以上であるのがより好ましく、130℃以上であるのがさらに好ましい。
また、前記結晶融解熱量は155〜185J/gの範囲であるのがより好ましく、中でも160J/g以上或いは180J/g以下であるのがさらに好ましい。
なお、該結晶融解温度は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121に準じて加熱速度10℃/分で測定することができ、該結晶融解熱量は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7122に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
(結晶核剤(B))
結晶核剤(B)は、前記エチレン系重合体(A)の透明性、防湿性を向上させる効果が認められれば、その種類を特に制限するものではない。
例えばジベンジリデンソルビトール(DBS)化合物、1,3−O−ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ジアルキルベンジリデンソルビトール、少なくとも一つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジアセタール、ジ(メチルまたはエチル置換ベンジリデン)ソルビトール、炭素環を形成する置換基を有するビス(3,4−ジアルキルベンジリデン)ソルビトール、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩化合物、環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸及び塩化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレートの飽和の金属または有機の塩化合物、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−エチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロル−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトールなどのジアセタール化合物、ナトリウム2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムビス[2,2’−メチレン−ビス−(4−6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート]、燐酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムや、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、シリカ、タルク、カオリン、炭化カルシウム等の無機粒子、グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル、及び類似物を挙げることができる。
これらの中でも、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が特に好ましい。
以上の結晶核剤は、これらのうちの一種を単独で用いることも、また、これらのうちの二種類を選択して組み合わせて併用することもできる。
結晶核剤(B)の具体例としては、新日本理化社製「ゲルオールD」シリーズ、旭電化工業社製「アデカスタブ」シリーズ、ミリケンケミカル社製「Millad」シリーズ、「Hyperform」シリーズ、BASF社製「IRGACLEAR」シリーズ等が挙げられ、また結晶核剤のマスターバッチとしては理研ビタミン社製「リケマスターCN」シリーズ、ミリケンケミカル社製「HL3−4」等があげられる。この中でも特に透明性を向上する効果が高いものとして、ミリケンケミカル社製「HYPERFORM HPN−20E」、「HL3−4」、理研ビタミン社製「リケマスターCN−001」「リケマスターCN−002」等を挙げることができる。
(オレフィン相溶樹脂(C))
オレフィン相溶樹脂(C)としては、オレフィン系樹脂、特にエチレン系重合体(A)と相溶し、かつエチレン系重合体(A)よりもガラス転移温度が高い樹脂であるのが好ましい。このような樹脂として、例えば石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及び、これらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる1種類の樹脂又は2種類以上の樹脂を挙げることができる。
前記石油樹脂としては、例えばシクロペンタジエンもしくはその二量体からの脂環式石油樹脂、C9成分からの芳香族石油樹脂等を挙げることができる。また、前記テルペン樹脂としては、例えばβ−ピネンからのテルペン−フェノール樹脂などを挙げることができる。さらに、前記ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリン、ペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂等を挙げることができる。
このようなオレフィン相溶樹脂(C)は、エチレン系重合体(A)に混合した場合に比較的良好な相溶性を示し、色調、熱安定性、相溶性、耐透湿性などをさらに高める観点から、水素添加物誘導体、特に水素添加率(以下「水添率」という)が95%以上であり、かつ水酸基、カルボキシル基、ハロゲンなどの極性基、あるいは二重結合などの不飽和結合を実質上含有しない、石油樹脂またはテルペン樹脂を用いることが好ましい。
オレフィン相溶樹脂(C)は、その分子量を変えることにより、種々の軟化温度のものを得ることができる。
オレフィン相溶樹脂(C)のJIS K2207に基づき測定した軟化温度Ts(C)は、前記エチレン系重合体(A)の示差走査熱量測定における冷却速度10℃/分で測定される結晶化ピーク温度Tc(A)+15℃以下、すなわち結晶化ピーク温度Tc(A)+15℃を超えた高温にならないことが好ましく、Tc(A)+10℃以下であることがより好ましく、Tc(A)+5℃以下であることがさらに好ましい。なお、Tc(A)の下限は80℃である。
前記オレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度Ts(C)の上限が前記条件を満たすことで、エチレン系重合体(A)の結晶化過程においてオレフィン相溶樹脂(C)分子の自由度が高い状態にあり、エチレン系重合体(A)の結晶化が阻害されず、微細な結晶が形成され、透明性に優れたポリエチレン系シートが得られる。また、Ts(C)が80℃以上であれば、成形時におけるペレットのブロッキングや、二次加工時、あるいは、輸送時、使用時における成形品表面へのブリードアウトを生じることがない。
オレフィン相溶樹脂(C)の具体例としては、例えば、三井化学社製「ハイレッツ」シリーズ、「ペトロジン」シリーズ、荒川化学工業社製「アルコン」シリーズ、ヤスハラケミカル社製「クリアロン」シリーズ、出光石油化学社製「アイマーブ」シリーズ、トーネックス社製「エスコレッツ」シリーズ等があげられる。
(各成分の含有割合)
樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中における結晶核剤(B)の含有量は、0.01〜3.0質量%であるのが好ましく、中でも0.03質量%以上或いは2.0質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に0.05質量%以上或いは1.0質量%以下であるのがより一層好ましい。かかる範囲内で結晶核剤(B)を配合することにより、結晶核剤の過剰な添加による透明性の低下を生じることなく、効果的に透明性及び防湿性をさらに向上させることができる。
また、前記樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中におけるオレフィン相溶樹脂(C)の含有量は、5質量%以上、30質量%以下であるのが好ましく、中でも10質量%以上、25質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に15質量%以上、20質量%以下であるのがより一層好ましい。かかる範囲内でオレフィン相溶樹脂(C)を配合することにより、オレフィン相溶樹脂のシート表面へのブリードや、シートの耐衝撃性を低下させることなく、効果的に防湿性を向上することができる。
(環状オレフィン系樹脂(D))
樹脂層(I)は、さらに環状オレフィン系樹脂(D)を含有することで、透明性をさらに向上することができる。
環状オレフィン系樹脂(D)としては、(i)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(ii)環状オレフィンの付加(共)重合体、(iii)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとのランダム共重合体、(iv)前記(i)〜(iii)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。
具体的には、日本ゼオン製「ZEONOR」シリーズ、三井化学社製「アペル」シリーズ、ポリプラスチックス社製「TOPAS」シリーズがあげられる。なお、環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−252407号公報などに記載されている公知の方法に準じて製造することもできる。
また、環状オレフィン開環(共)重合体あるいは環状オレフィン開環(共)重合体の水添物を、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいはその無水物の変性剤で変性したグラフト共重合体も使用することができる。
前記環状オレフィン系樹脂(D)のガラス転移温度は、好ましくは50〜105℃であり、より好ましくは55〜90℃である。前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度がかかる範囲内にあれば本シートの耐熱性、二次加工性を低下させることなく、透明性を向上することができる。
前記環状オレフィン系樹脂(D)の含有量としては、防湿性を損なうことなく、透明性をさらに向上させる観点から、樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中における割合が10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、中でも20質量%以上或いは45質量%以下、その中でも25質量%以上或いは35質量%以下であることがさらに好ましい。
<樹脂層(II)>
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂層(I)に隣り合う層の少なくとも一方に、エチレン系重合体(E)を含有する樹脂層(II)を設けることができる。特にこの樹脂層(II)は、本シートの最外層に設けるのが好ましい。
具体的には、前記エチレン系重合体(A)よりも結晶性の低いエチレン系重合体(E)を使用すれば、シート表面の平滑性を向上させることができる。また、前記エチレン系重合体(A)よりも結晶性の高いエチレン系重合体(E)を使用することで、防湿性、あるいは、耐熱性をさらに向上させることができる。また、透明性、二次加工性、防湿性を各種用途毎に最適化するために、樹脂層(I)と同じ構成で、配合比率のみを変更した層を設けることも可能である。
好ましい例として、樹脂層(I)に隣り合う層の少なくとも一方に、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が100〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が100〜150J/gであるエチレン系重合体(E)、及び、前記結晶核剤(B)を含み、かつ、前記オレフィン相溶樹脂(C)と前記環状オレフィン系樹脂(D)の少なくとも一方を含んでなる樹脂層(II)を挙げることができる。
この際、透明性、防湿性の点からエチレン系重合体(E)及び結晶核剤(B)を含有するのが好ましく、さらに透明性、防湿性を向上させたり、二次加工性、製膜性等を向上させたりする観点から、前記オレフィン相溶樹脂(C)と前記環状オレフィン系樹脂(D)のうちの少なくとも一方を含有するのが好ましい。
よって、このような樹脂層(II)を設けることで、樹脂層(I)に比べて、二次加工性(真空成形、圧空成形性)、透明性、平滑性などをさらに向上することができる。
さらに、このような樹脂層(II)を、樹脂層(I)に隣り合う層の両方に設ける、すなわち、樹脂層(II)/樹脂層(I)/樹脂層(II)の構成とすることによって、成形時のシートのカールなどが生じにくくなるばかりか、透明性や防湿性、二次加工性をさらに向上させることができる。
(エチレン系重合体(E))
エチレン系重合体(E)としては、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が100〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が100〜150J/gであれば特に限定されるものではなく、エチレン単独重合体であってもよいし、或いは、エチレンと、エチレン以外のモノマー成分、特にはα―オレフィンの共重合体であってもよい。また、これらの混合物を用いることができる。
ここで、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、へキセン−1、へプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が例示される。本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、へキセン−1、オクテン−1が好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。
また、これらの中でも、エチレン単独重合体、或いは、エチレンと、ブテン−1、ヘキセン−1、及びオクテン−1からなる群より選ばれる少なくとも1種類のα−オレフィンとの共重合体を用いるのが好ましい。
また、前記エチレン系重合体(E)としては、特にシングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン単独重合体、及び/又は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体を用いることが好ましい。シングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン単独重合体、及び/又は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体は分子量分布指数(Mw/Mn)が小さく、分子の長さが比較的均一であるため、結晶核剤を添加した場合に微細な結晶を形成することが可能となるため、透明性、防湿性を特に向上することができる。このような点から、前記エチレン系重合体(E)の分子量分布指数(Mw/Mn)が2.5〜4.5、特に2.6以上或いは4.3以下、中でも3.0以上或いは4.0以下であるのが好ましい。
シングルサイト触媒としては例えば、メタロセン化合物とメチルアルミノオキサンとを組み合わせたメタロセン触媒を挙げることができる。シングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン単独重合体、及び/又は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体の特徴として、分子量分布が狭い点、同じ密度であっても結晶融解熱量が低い点などを挙げることができる。
また、前記エチレン系重合体(E)の密度が、0.900〜0.940g/cm3であることが好ましく、0.910g/cm3以上或いは0.938g/cm3以下であることがより好ましく、0.920g/cm3以上或いは0.935g/cm3以下であることがさらに好ましい。前記エチレン系重合体(E)の密度がかかる範囲内であれば、本発明のポリエチレン系シートに優れた防湿性を阻害することなく、透明性、二次加工性をさらに向上することができる。
エチレン系重合体(E)は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が100〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が100〜150J/gを満足することが好ましい。
結晶融解温度は110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましく、上限は140℃である。
また、結晶融解熱量は、エチレン系重合体(A)のそれよりも低いことが好ましく、中でも110J/g以上或いは145J/g以下であるのがさらに好ましく、その中でも120J/g以上或いは140J/g以下であるのがさらに好ましい。
かかる範囲内に結晶融解温度、結晶融解熱量があるエチレン系重合体(E)を用いることで、すなわちエチレン系重合体(A)に比べてより結晶性の低いエチレン系重合体を用いることで、本シートの優れた防湿性を阻害することなく、透明性、平滑性、二次加工性をさらに向上することができる。なお、当該結晶融解温度、及び、当該結晶融解熱量は前述した方法にて測定することができる。
(各成分の含有割合)
樹脂層(II)を構成する樹脂組成物中に占める各々の割合は、本シートの特徴を損なわない範囲で適宜調整可能であるが、例えば、前記結晶核剤(B)の割合は、0.01質量%以上、3質量%以下であることが好ましく、中でも0.03質量%以上或いは2.0質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に0.05質量%以上或いは1.0質量%以下であるのがより一層好ましい。また、前記オレフィン相溶樹脂(C)の割合は、5質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、中でも10質量%以上或いは35質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に15質量%以上、30質量%以下であるのがより一層好ましい。また、前記環状オレフィン系樹脂(D)の割合は、5質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、中でも10質量%以上或いは35質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に15質量%以上、30質量%以下であるのがより一層好ましい。かかる範囲内で(B)〜(D)を含有することにより、本発明のポリエチレン系シートの透明性、防湿性を損なうことなく、二次加工性をさらに向上することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、前記樹脂層(I)、及び/又は、樹脂層(II)を構成する樹脂組成物に対して、エチレン系重合体(A)、及び、(E)以外のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂や、ポリオレフィン系、あるいは、ポリスチレン系の熱可塑性エラストマー等の樹脂、及び、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
<本シートの製造方法>
本シートの製造方法は、特に限定されるものではない。例えば樹脂層(I)単層の場合は、前記エチレン系重合体(A)、結晶核剤(B)、オレフィン相溶樹脂(C)、及び、その他添加剤を単軸、あるいは、二軸押出機等で溶融混合し、Tダイにより押出し、キャストロールで急冷、固化することにより、無延伸シートを作製することができる。
成形温度は、樹脂の種類や混合比率、添加剤の有無や種類によって流動特性が変化するため適宜調整されるが、概ね180〜260℃、好ましくは200〜240℃である。
ここで、無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で積極的に延伸しないシートを意味し、例えば、押出成形の際に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたものは無延伸シートに含むものとする。
本シートを構成する樹脂の組成や比率が異なる複数の樹脂層(I)からなる多層シートや、樹脂層(I)に隣り合う層の少なくとも一方に樹脂層(II)を設けた多層シートや、その他の層を積層してなる多層シートとする場合、多層化の方法については公知の方法、例えば、共押出、押出ラミネート、熱ラミネート、ドライラミネート等の方法を用いることができる。
中でも、共押出の場合は、樹脂層(I)を構成する各材料と、樹脂層(II)を構成する各材料とを、それぞれ別々の押出機等で溶融混合し、フィードブロックやマルチマニホールドダイなどを用いて積層して押出し、キャストロールで急冷、固化することにより作製することができる。
また、熱ラミネートの場合は、樹脂層(I)単層の無延伸シートと、樹脂層(II)単層の無延伸シートを別々に作製した後に重ね合わせ、加熱ラミネートロールを通して圧着積層することにより作製することができる。
また、本シートには、前述の通り、樹脂層(I)及び樹脂層(II)以外の層を、本シートの特徴を損なわない範囲で設けても構わない。
さらに、本シートが有する二次加工性を損なわない範囲で、耐熱性、防湿性のさらなる向上を目的として、ロール法、テンター法、チューブラー法等を用いて一軸若しくは二軸に延伸することもできる。
<シートの厚み>
本シートの厚みは、特に限定するものではないが、例えば加工性、実用性を考慮した場合、0.1mm以上、1.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上、0.8mm以下であることがより好ましく、0.3mm以上、0.6mm以下であることがさらに好ましい。本発明のポリエチレン系シートの厚さが0.1mm以上であれば、好適なシートの剛性が発現し、加工性、耐カール性に優れる。一方、本発明のポリエチレン系シートの厚さが1.0mm以下であれば、十分なシートの剛性が得られ、PTPとして使用する際に薬剤の取り出しで不具合を生じることなく、優れた二次加工性を維持することができる。
樹脂層(I)に隣り合う層の両方に樹脂層(II)を設けた多層シートとする場合、本発明の効果を損なわない範囲で各層の厚み比を適宜調整可能である。例えば樹脂層(I)、及び、樹脂層(II)の厚み比は、樹脂層(II)/樹脂層(I)/樹脂層(II)=1/18/1〜1/2/1であることが好ましく、中でも1/16/1〜1/3/1であることがさらに好ましく、その中でも特に1/14/1〜1/4/1であることがより一層好ましい。かかる範囲内で樹脂層(I)、及び、樹脂層(II)の割合を調整することで透明性、防湿性、二次加工性に優れたポリエチレン系シートを提供することができる。
<本シートの物性値>
本シートを包装用途へ使用する場合、内容物の水分による劣化防止の観点から、JIS K7129B法に基づき温度40℃、相対湿度90%で測定した厚み0.3mmでの水蒸気透過率が0.50g/(m2・24時間)以下であることが好ましく、中でも0.40g/(m2・24時間)以下であることがさらに好ましく、その中でも特に0.35g/(m2・24時間)以下であることがより一層好ましい。厚み0.30mmでの水蒸気透過率が0.50g/(m2・24時間)以下であれば、包装材として十分な防湿性を有する製品が得られる。
さらに、意匠性、内容物の視認性等の観点から、JIS K7105に基づき測定した厚み0.3mmでの内部ヘーズ値が20.0%以下であることが好ましく、中でも18.0%以下であることがさらに好ましく、その中でも特に16.0%以下であることがより一層好ましい。本発明のポリエチレン系シートの内部ヘーズ値が係る範囲であれば、十分な視認性が得られ、内容物の視認性に優れた製品が得られる。
本シートは、常温での取り扱い性、真空成形や圧空成形等の二次加工性の観点から、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度25℃の貯蔵弾性率(E’)が1000MPa以上、2500MPa以下であり、かつ、温度110℃の貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上、100MPa以下であることが好ましい。
温度25℃の貯蔵弾性率(E’)に関しては、1200MPa以上、2300MPa以下であることがさらに好ましく、その中でも特に1400MPa以上、2000MPa以下であることがより一層好ましい。
他方、温度110℃の貯蔵弾性率(E’)に関しては、15MPa以上、90MPa以下であることがさらに好ましく、その中でも特に20MPa以上、80MPa以下であることがより一層好ましい。
温度25℃、及び、温度110℃での貯蔵弾性率(E’)がかかる範囲内であれば、常温での取り扱い性と二次加工性が共に優れた製品を提供することができる。
<本シートの用途>
本シートは、真空成形、圧空成形、圧空真空成形、プレス成形、その他の熱成形によって、各種形状の成形体に形成することができ、例えば、包装用成形体、特にPTP包装やブリスターパッケージなどの包装用成形体を好適に製造し利用することができる。
例えばPTP包装用の成形シートを製造する場合には、成形前に加熱板で本発明のポリエチレン系シートを加熱軟化させ、成形型にて当該シートを挟み、圧空を注入して成形型の凹型に沿わせてシート面内に多数のポケット部(例えば直径約9mm、深さ約4mm)を成形するようにすればよい。また、必要に応じて圧空注入時に適切なタイミングでプラグを上昇及び下降させて成形性を補助すればよい。
前記の熱成形を施すと共に、シート表面、あるいは、裏面又は両面にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、プラスチックフィルム(例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム)などを積層することも可能である。なお、シート表面或いは裏面又は両面にアルミ箔や前記各種フィルムなどを積層して複合シートを形成した後、これを熱成形することも可能である。
また、製品の意匠性や二次加工性等を高める目的で、シート表面にエンボス加工や、艶消し加工等の加工を行ってもよい。この場合、一旦鏡面状のシートを作成してからエンボスロールや艶消しロールで加工を施すようにしても、押出成形の際にキャストロールをエンボスロールや艶消しロールに変更して成形するようにしてもよい。本発明の趣旨を損なわない限り、シート表面に帯電防止剤、シリコーン、ワックスなどをコーティングすることも、傷付着防止などの目的で表面保護シートを用いて皮膜を形成することも、印刷層を設けることも可能である。なお、印刷層の形成手段は現在公知の任意の手段を採用可能である。
本シートは、透明性、防湿性、二次加工性の全てに優れるため、医薬品や食品等の包装分野においてカプセルや錠剤等の固形剤、粒状の食品等を包装するためのPTP包装や、食品等の包装分野における食品等を包装するためのブリスターパッケージ等に使用することができる。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示される原料及び試験片についての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
(1)結晶融解温度(Tm)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解温度(Tm)(℃)を求めた。
(2)結晶融解熱量(ΔHm)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量(ΔHm)(J/g)を求めた。
(3)結晶化ピーク温度(Tc)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化ピーク温度Tc(℃)を求めた。
(4)軟化温度(Ts)
JIS K2207に準じてオレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度を求めた。
(5)分子量分布指数(Mw/Mn)
日本ウォーター社製高温GPCシステムを用いて重量平均分子量(Mw)、及び、数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布指数(Mw/Mn)を算出した。
(6)透明性(内部ヘーズ値)
「内部ヘーズ値」とは、フィルム全体のヘーズ値から外部ヘーズ値を引いた値を意味する。内部ヘーズ値は、JIS K7105に基づき、厚み0.3mmのシート(サンプル)の両表面にジオクチルフタレート(DOP)を塗布して外部ヘーズ値をゼロに調整することで測定を行った。
内部ヘーズ値が20.0%以下のものを合格とした。
(7)防湿性(水蒸気透過率)
JIS K7129Bに基づき、MOCON社製PERMATRAN W 3/31を用いて、40℃、90%RHの雰囲気下において厚み0.3mmのサンプルについて水蒸気透過率を測定した。
水蒸気透過率が0.50g/(m2・24時間)以下であるものを合格とした。
(8)貯蔵弾性率(E’)
動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E’)を−50℃から150℃まで測定し、得られたデータから25℃、及び、110℃におけるシートの貯蔵弾性率(E’)を読み取った。
温度25℃のシートの貯蔵弾性率(E’)が1000MPa以上、2500MPa以下であり、かつ、温度110℃のシートの貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上、100MPa以下であるものを合格とした。
(9)成形性(二次加工性;適性成形加工温度範囲)
PTP用成形装置としてCKD社製FBP−200Uを用い、成形装置におけるシート加熱板の温度を2℃間隔で変更してシートの成形を行い、得られた成形体について目視評価を行った。実用上支障のないレベルの成形体が得られる温度の上限と、下限を求め、かかる温度範囲を適性に成形加工できる温度範囲とした。
この温度範囲が5℃以上である場合を「○」、5℃未満の場合を「×」とした。
<使用した材料>
[エチレン系重合体(A)]
(A)−1:メタロセンエチレン系重合体(エチレン/ブテン−1/オクテン−1=97.7/1.1/1.2質量%、密度=0.941g/cm3、結晶融解温度=130℃、結晶融解熱量=183J/g、結晶化ピーク温度=113℃、Mw/Mn=3.12)
(A)−2:メタロセンエチレン系重合体(エチレン/ブテン−1/オクテン−1=97.9/0.8/1.3質量%、密度=0.947g/cm3、結晶融解温度=131℃、結晶融解熱量=181J/g、結晶化ピーク温度=113℃、Mw/Mn=2.87)
(A)−3:エチレン単独重合体(エチレン=100質量%、密度=0.944g/cm3、結晶融解温度=131℃、結晶融解熱量=167J/g、結晶化ピーク温度=114℃、Mw/Mn=4.72)
[結晶核剤(B)]
(B)−1:脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛/1,2−シクロヘキサンジカルボン酸カルシウム塩=34/66質量%)
[オレフィン相溶樹脂(C)]
(C)−1:水素添加石油樹脂(荒川化学工業社製アルコンP115、軟化温度Ts(C)=115℃)
[オレフィン系樹脂(D)]
(D)−1:環状オレフィン系樹脂(ガラス転移温度=68℃、非晶性(結晶融解熱量=0J/g))
<エチレン系重合体(E)>
(E)−1:メタロセンエチレン重合体(エチレン/ヘキセン−1/オクテン−1=92.9/3.1/4質量%、密度=0.934g/cm3、結晶融解温度=126℃、結晶融解熱量=138J/g、結晶化ピーク温度=111℃、Mw/Mn=3.37
(実施例1)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比89.9:0.1:10の割合でドライブレンドした後、40mmφ同方向二軸押出機を用いて240℃で混練した後、Tダイより押出し、次いで約40℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.3mmのシートを作製した。得られたシートについて、透明性、防湿性、貯蔵弾性率(E’)、成形性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を77.9:0.1:20とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
(A)−1、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
(A)−1、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドした後、φ40mm同方向二軸押出機を用いて2種3層のマルチマニホールド式の口金より樹脂層(I)を内層として240℃で押出した。また、同時に(E)−1、(B)−1、及び、(D)−1を混合質量比79.9:0.1:20の割合でドライブレンドした後、φ40mm同方向二軸押出機を用いて同口金より樹脂層(II)を外層として240℃で押出した。この時、それぞれの層の厚みは樹脂層(II)/樹脂層(I)/樹脂層(II)が0.05/0.2/0.05(mm)となるように溶融樹脂の吐出量を調整した。次いで、この共押出シートを約40℃のキャストロールにて急冷し、厚み0.3mmの多層シートを得た。得られた多層シートについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例4において、樹脂層(II)を(E)−1、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比59.9:0.1:20:20の混合物とした以外は実施例4と同様の方法で多層シートを作製した。得られたシートについて実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
(実施例6)
エチレン系重合体(A)として(A)−2を用い、(A)−2、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
エチレン系重合体(A)として(A)−3を用い、(A)−3、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
(A)−1を単独で用い、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
オレフィン相溶樹脂(C)を用いずに、(A)−1、及び、(B)−1を混合質量比99.9:0.1の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
結晶核剤(B)を用いずに、(A)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:20の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
結晶核剤(B)を用いずに、(A)−1、(C)−1、(D)−1を混合質量比50:20:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
エチレン系重合体(A)の代わりに、プライムポリマー社製ハイゼックス3600F(高密度ポリエチレン、密度=0.958g/cm3、結晶融解熱量=195J/g、分子量分布指数=4.72、以下(P)−1と略する)を用い、(P)−1、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
エチレン系重合体(A)の代わりに、宇部丸善ポリエチレン社製ユメリット2040FC(直鎖状低密度ポリエチレン、密度=0.918g/cm3、結晶融解熱量=134J/g、分子量分布指数=2.80、以下(P)−2と略する)を用い、(P)−2、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012131933
表1より明らかである通り、実施例に記載のポリエチレン系シートは、防湿性、透明性、二次加工性、常温での取り扱い性の全てに優れていた。一方、比較例に記載のシートは、防湿性、透明性、二次加工性、常温での取り扱い性の少なくとも1つが実施例よりも劣っていた。
なお、上記の実施例では、樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中に占める(B)の割合は0.1質量%であったが、これまでの試験結果などを総合すると、0.01〜3.0質量%の範囲内であれば、同様の効果が得られるものと考えられる。
また、樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中に占める(C)の割合は10〜20質量%であったが、これまでの試験結果などを総合すると、5〜30質量%の範囲内であれば、同様の効果が得られるものと考えられる。
また、エチレン系重合体(A)よりも結晶性が低いエチレン系重合体(E)を含有する樹脂層(II)を樹脂層(I)に積層させると、数値としては表現しにくいが、シート表面の平滑性が高まることが分かった。

Claims (10)

  1. 下記(A)、(B)、及び(C)を含んでなる樹脂層(I)を有し、樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中に占める(B)の割合が0.01質量%以上、3.0質量%以下、(C)の割合が5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とするポリエチレン系シート。
    (A)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が120〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が150〜190J/gであるエチレン系重合体
    (B)結晶核剤
    (C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類のオレフィン相溶樹脂
  2. 前記樹脂層(I)に隣り合う層の少なくとも一方に設けられ、前記(B)及び下記(E)を含み、かつ前記(C)と下記(D)の少なくとも一方を含んでなる樹脂層(II)を有することを特徴とする、請求項1に記載のポリエチレン系シート。
    (D)環状オレフィン系樹脂
    (E)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解温度が100〜140℃であり、かつ、結晶融解熱量が100〜150J/gであるエチレン系重合体
  3. 前記樹脂層(II)が、前記樹脂層(I)に隣り合う層の両方に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のポリエチレン系シート。
  4. 前記(C)のJIS K2207に基づき測定される軟化温度Ts(C)が、前記(A)の示差走査熱量測定における冷却速度10℃/分で測定される結晶化ピーク温度Tc(A)+15℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリエチレン系シート。
  5. 前記樹脂層(I)を構成する樹脂組成物が、さらに前記(D)を含有し、前記樹脂層(I)を構成する樹脂組成物中に占める(D)の割合が、10質量%以上、50質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のポリエチレン系シート。
  6. 前記(A)を構成するエチレン以外のモノマー成分として、ブテン−1、ヘキセン−1、及び、オクテン−1からなる群より選ばれる少なくとも1種類のα−オレフィンを含有し、且つ、前記(A)中に占めるブテン−1、ヘキセン−1、及び、オクテン−1の割合の合計が0.1〜4.0質量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のポリエチレン系シート。
  7. JIS K7129B法に基づき温度40℃、相対湿度90%で測定した厚み0.3mmでの水蒸気透過率が、0.50g/(m2・24時間)以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のポリエチレン系シート。
  8. JIS K7105に基づき測定される厚み0.3mmでの内部ヘーズ値が、20.0%以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のポリエチレン系シート。
  9. 動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度25℃の貯蔵弾性率(E’)が1000MPa以上、2500MPa以下であり、かつ、温度110℃の貯蔵弾性率(E’)が10MPa以上、100MPa以下であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のポリエチレン系シート。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のポリエチレン系シートを成形してなるPTP包装用シート。
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