JP5806075B2 - 透明性及び防湿性に優れた樹脂組成物、並びに、それを成形してなるシート - Google Patents
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Description
しかしながら、直鎖状低密度ポリエチレンは、透明性に優れるものの、防湿性が十分ではなく、長期保存時の内容物の安定性の観点においては最適な樹脂とは言い難いものであった。
ポリプロピレンは、直鎖状低密度ポリエチレンと比較して防湿性に優れるものの、より高度な防湿性が要求される用途に使用するには十分な防湿性を有していないという課題を抱えていた。
そこで、高密度ポリエチレンの透明性を向上させるために、特許文献1には、密度が0.942〜0.965g/cm3である高密度ポリエチレンに造核剤を配合してなる樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、密度が0.94〜0.97g/cm3である高密度ポリエチレンに、極性基を含まない脂環族飽和炭化水素樹脂を配合してなる樹脂組成物が開示されている。
また、前記特許文献2のように、高密度ポリエチレンに、極性基を含まない脂環族飽和炭化水素樹脂を配合することで、防湿性は若干向上するものの、シート成形した時に十分な透明性を得ることは困難であった。
本樹脂組成物は、メタロセンエチレン系重合体(A)と、結晶核剤(B)とを含有する樹脂組成物であって、必要に応じてさらにオレフィン相溶樹脂(C)、オレフィン系樹脂(D)を含有する樹脂組成物である。
本樹脂組成物に用いるエチレン系重合体は、メタロセンエチレン系重合体、すなわちメタロセン触媒を用いて重合されるエチレン重合体であることが重要である。
メタロセン触媒を用いて重合されるエチレン重合体、すなわちメタロセンエチレン系重合体の特徴として、分子量分布が狭い点、同じ密度であっても結晶融解熱量が低い点などを挙げることができる。
メタロセンエチレン系重合体(A)の結晶融解熱量は、150〜200J/gであるのが重要であり、中でも155J/g以上或いは190J/g以下であり、その中でも160J/g以上或いは185J/g以下であるのが好ましい。
メタロセンエチレン系重合体(A)の密度及び結晶融解熱量がかかる範囲内であれば、シート成形した時に透明性と防湿性とを共に高めることができる。
メタロセンエチレン系重合体(A)の結晶化ピーク温度(Tc)が上記範囲内であれば、結晶化速度が十分に速く、微細な結晶が形成でき、透明性に優れた樹脂組成物が得られるため好ましい。
α−オレフィンがかかる範囲内であれば、透明性と防湿性に優れた樹脂組成物を提供することができる。
メタロセンエチレン系重合体(A)の好ましい例として、エチレン、ブテン−1及びオクテン−1からなる重合体であり、且つ、メタロセンエチレン系重合体(A)中に占めるブテン−1の割合が0.1〜2.0質量%であり、オクテン−1の割合が0.1〜2.0質量%である重合体、或いは、エチレン、ヘキセン−1及びオクテン−1からなる重合体であり、且つ、メタロセンエチレン系重合体(A)中に占めるヘキセン−1の割合が0.1〜2.0質量%であり、オクテン−1の割合が0.1〜2.0質量%である重合体を挙げることができる。
本樹脂組成物に用いる結晶核剤(B)は、メタロセンエチレン系重合体(A)の透明性を向上させる効果が認められれば、その種類を特に制限するものではない。例えばジベンジリデンソルビトール(DBS)化合物、1,3−O−ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ジアルキルベンジリデンソルビトール、少なくとも一つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジアセタール、ジ(メチルまたはエチル置換ベンジリデン)ソルビトール、炭素環を形成する置換基を有するビス(3,4−ジアルキルベンジリデン)ソルビトール、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩化合物、環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸及び塩化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレートの飽和の金属または有機の塩化合物、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−エチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロル−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトールなどのジアセタール化合物、ナトリウム2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムビス[2,2’−メチレン−ビス−(4−6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート]、燐酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムや、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、シリカ、タルク、カオリン、炭化カルシウム等の無機粒子、グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル、及び類似物を挙げることができる。
これらの中でも、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が特に好ましい。
上記本樹脂組成物にオレフィン相溶樹脂(C)を配合することで防湿性をさらに高めることができる。
前記テルペン樹脂としては、例えばβ−ピネンからのテルペン−フェノール樹脂などを挙げることができる。
前記クマロン−インデン樹脂としては、例えば、クマロン−インデン共重合体や、クマロン−インデン−スチレン共重合体などを挙げることができる。
前記ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリン、ペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂等を挙げることができる。
軟化温度Ts(C)の上限が該条件を満たすことで、メタロセンエチレン系重合体(A)の結晶化過程においては、オレフィン相溶樹脂(C)の分子鎖の自由度が高いため、メタロセンエチレン系重合体(A)の結晶化が阻害されにくく、微細な結晶が形成され、防湿性や透明性などに優れた樹脂組成物が得られるため好ましい。
また、オレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度Ts(C)は80℃以上、好ましくは90℃以上であれば、成形時における原料のブロッキングや、二次加工時、あるいは、輸送時、使用時において樹脂組成物の表面へのブリードアウトが生じにくいため好ましい。
該オレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度Ts(C)は、主に、分子量を選択することにより、所望の軟化温度のものを得ることができる。
本樹脂組成物に特定のオレフィン系樹脂(D)を配合することで透明性をさらに高めることができる。
平均屈折率差の絶対値が該範囲内であれば、本樹脂組成物中における環状オレフィン系樹脂の分散径に大きく影響されることなく、透明性が向上できるため好ましい。なお、平均屈折率は、周知の方法、例えば、アッベ屈折計を用いて測定することができる。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、日本ポリプロ(株)の商品名「ノバテックPP」シリーズ、住友化学(株)の商品名「ノーブレン」シリーズ等を挙げることができる。
前記環状オレフィン系樹脂としては、ポリプラスチックス(株)の商品名「TOPAS」シリーズ、三井化学(株)の商品名「アペル」シリーズ、日本ゼオン(株)の商品名「ZEONOR」シリーズ等を挙げることができる。
なお、前記オレフィン系樹脂(D)は、1種類の樹脂を単独で用いても、複数の樹脂を混合して用いても、どちらでも構わない。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
次に、本樹脂組成物を用いたシートの製造方法について説明する。
ここで、無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で積極的に延伸しないシートを意味し、例えば、押出成形の際に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたものは無延伸シートに含むものとする。
日本ウォーター社製高温GPCシステムを用いて重量平均分子量(Mw)、及び、数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布指数(Mw/Mn)を算出した。
「内部ヘーズ」とは、フィルム全体のヘーズ値から外部ヘーズ値を引いた値を意味する。
内部ヘーズは、JIS K7105に基づき、厚み0.1mmのシート(サンプル)の両表面にジオクチルフタレート(DOP)を塗布して外部ヘーズをゼロに調整することで測定を行った。内部ヘーズが10%以下のものを合格とした。
JIS K7129Bに基づき、MOCON社製PERMATRAN W 3/31を用いて、40℃、90%RHの雰囲気下において厚み0.1mmでの水蒸気透過率を測定した。水蒸気透過率が1.20g/(m2・24時間)以下であるものを合格とした。
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7122に準拠して、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量(ΔHm)(J/g)を求めた。
示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用いて、JIS K7121に準拠して、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化ピーク温度(Tc)(℃)を求めた。
JIS K2207に準拠してオレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度(℃)を求めた。
厚み0.1mmに成形したサンプルについて、アタゴ社製アッベ屈折計を用いて、ナトリウムD線(589nm)を光源とし、JIS K7124に基づき雰囲気温度23℃にてn=5で測定を行い、屈折率の平均値を算出し平均屈折率とした。
(A)−1:メタロセンエチレン系重合体(樹脂(A)−1中の各質量割合:エチレン/ブテン−1/オクテン−1=97.7/1.1/1.2質量%、密度=0.941g/cm3、結晶融解熱量=183J/g、結晶化ピーク温度(Tc(A))=114℃、Mw/Mn=3.12、平均屈折率=1.527)
(A)−2:メタロセンエチレン系重合体(樹脂(A)−2中の各質量割合:エチレン/ブテン−1/オクテン−1=97.9/0.8/1.3質量%、密度=0.947g/cm3、結晶融解熱量=181J/g、結晶化ピーク温度(Tc(A))=113℃、Mw/Mn=2.87、平均屈折率=1.530)
(A)−3:メタロセンエチレン系重合体(樹脂(A)−3中の各質量割合:エチレン/ヘキセン−1/オクテン−1=97.6/1.4/1.0質量%、密度=0.940g/cm3、結晶融解熱量=180J/g、結晶化ピーク温度(Tc(A))=113℃、Mw/Mn=2.90、平均屈折率=1.526)
(B)−1:脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛/1,2−シクロヘキサンジカルボン酸カルシウム塩=34/66質量%)
(C)−1:水素添加石油樹脂(荒川化学工業(株)の商品名アルコンP115、軟化温度(Ts(C))=115℃)
(C)−2:水素添加石油樹脂(荒川化学工業(株)の商品名アルコンP140、軟化温度(Ts(C))=140℃)
(D)−1:環状オレフィン系樹脂(ポリプラスチックス(株)の商品名TOPAS9506F−04、ガラス転移温度=68℃、結晶融解熱量=0J/g、平均屈折率=1.529)
(A)−1、及び、(B)−1を混合質量比99.95:0.05の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た後、40mmφ同方向二軸押出機を用いて230℃で混練し、次いでTダイより押出した後、約50℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.1mmのシート(サンプル)を作製した。
得られたシート(サンプル)について、透明性、防湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、及び、(B)−1の混合質量比を99.9:0.1とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物及びシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、及び、(B)−1の混合質量比を99.8:0.2とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物及びシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を混合質量比79.9:0.1:20の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、(C)−1、及び、(D)−1を混合質量比49.9:0.1:20:30の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−2、及び、(B)−1を混合質量比99.9:0.1の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−3、及び、(B)−1を混合質量比99.9:0.1の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−2を混合質量比79.9:0.1:20の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1を単独で用い、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1、及び、(C)−1を混合質量比80:20の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂(A)の代わりに、プライムポリマー(株)の商品名ハイゼックス3600F(高密度ポリエチレン、密度=0.958g/cm3、結晶融解熱量=195J/g、結晶化ピーク温度(Tc)=116℃、Mw/Mn=4.72)を用い、ハイゼックス3600F、及び、(B)−1を混合質量比99.9:0.1の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂(A)の代わりに、宇部丸善ポリエチレン(株)の商品名ユメリット2040FC(直鎖状低密度ポリエチレン、密度=0.918g/cm3、結晶融解熱量=134J/g、結晶化ピーク温度(Tc)=105℃、Mw/Mn=2.80)を用い、ユメリット2040FC、及び、(B)−1を混合質量比99.9:0.1の割合でドライブレンドして樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の方法でシート(サンプル)を作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
この際、メタロセンエチレン系重合体(A)及び結晶核剤(B)合計含有量に占める(B)の割合を0.01〜3.0質量%の範囲に調整することが重要であることも分かった。なお、実施例1〜8では、(B)の割合は0.05〜0.2質量%の範囲であるが、これまでの試験結果から、0.01〜3.0質量%の範囲で(B)を配合しても同様の効果を期待することができるものと考えることができる。
さらに、結晶融解熱量が0〜100J/gのオレフィン系樹脂(D)をさらに配合することで、防湿性と透明性をさらに高めることができることも分かった(実施例5参照)。
Claims (9)
- エチレンとオクテンとヘキセン−1又はブテン−1との3成分からなる共重合体であって、密度が0.930〜0.948g/cm3、結晶融解熱量が150〜200J/gであるメタロセンエチレン系重合体(A)と、結晶核剤(B)としての脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウム及び脂肪酸アルミニウムを除く)とを含有する樹脂組成物であり、前記(A)及び(B)の合計含有量に占める(B)の割合が0.01〜3.0質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
- メタロセンエチレン系重合体(A)の分子量分布指数が2.5〜4.5であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- メタロセンエチレン系重合体(A)のエチレン以外の成分として、ブテン−1、ヘキセン−1、及び、オクテン−1のうちの少なくとも1種類以上のα−オレフィンを含有し、且つ、メタロセンエチレン系重合体(A)中に占めるブテン−1、ヘキセン−1、及び、オクテン−1の含有量の合計が0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及び、これらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる1種類の樹脂又は2種類以上の樹脂からなるオレフィン相溶樹脂(C)をさらに含有する請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度Ts(C)が、80℃以上であって、かつ、前記エチレン系樹脂(A)の示差走査熱量測定における冷却速度10℃/分で測定される結晶化ピーク温度Tc(A)+30℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
- 結晶融解熱量が0〜100J/gのオレフィン系樹脂(D)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系樹脂(D)は、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂からなる群から選ばれる1種の樹脂又は2種類以上の混合樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物を厚み0.1mmに成膜した時のJIS K7105に基づき測定される内部ヘーズが10%以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜8の何れかに記載の樹脂組成物を成形してなるシート。
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