JP6379739B2 - 高剛性多層フィルム - Google Patents
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Description
中でも、ポリプロピレン単独重合体(ホモPP)は、剛性に優れている反面、結晶性が高いため、球晶が大きくなり、透明性が不十分であり、また、低温時の衝撃強度が低下する。一方、プロピレン−エチレンランダム共重合体などでは、透明性は優れているが、ホモPPと比べ、剛性が劣るという欠点がある。
また、剛性と透明性のバランスをとる観点から、密度、α晶形態の含有量、及び、広角X線回折法で測定される配向度等に着目し、製造されたポリプロピレン未延伸フィルムの提案等がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記の特許文献などに開示されたポリプロピレン樹脂組成物を用いて得られたフィルムは、透明性、剛性又はそれらのバランスについて、必ずしも満足なものとはいえず、剛性と透明性のバランスに優れたフィルムが求められている。
成分(a):プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
成分(b):石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる脂環式炭化水素樹脂
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、成分(b)の脂環式炭化水素樹脂は、軟化点温度が110℃以上であることを特徴とする高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する層が中間層であることを特徴とする高剛性多層フィルムが提供される。
以下、高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物について、項目毎に、詳細に説明する。
本発明の高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物には、成分(a)として、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が用いられる。
シングルサイト系触媒とは、活性点が同種(シングルサイト)の触媒を指し、具体的にはメタロセン触媒などが挙げられる。このようなシングルサイト系触媒で得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、従来のチーグラー系触媒で得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体等に比して、柔軟性に富み、大量の無機充填剤が配合されても、可撓性を保つことができる。また、融点も、エチレン系共重合体に比して高く、ポリプロピレン系樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。
また、プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適である。α−オレフィンの含有量は、剛性と透明性のバランスの観点からプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体100重量%に対して、好ましくは1.0〜10.0重量%、より好ましくは1.0〜5.5重量%である。
本発明で用いられるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、成形性の観点からJIS K7210(230℃、2.1kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が、好ましくは2〜15g/10分、より好ましくは2〜10g/10分である。MFR値の制御の方法は、周知であり、重合条件である温度や圧力を調節したり、重合時に添加する水素等の連鎖移動剤の添加量を制御することにより、容易に調節を行うことができる。
なお、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して、示差走査型熱量計(DSC)により測定され、本発明では、温度40℃から200℃まで、10℃/分の昇温速度で融解させた時の融解曲線のピーク温度である。融点の測定は、セイコー社製DSC/RDC220Uを用い、試料5.0mgを採り、40℃で1分間保持した後、200℃まで10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点(Tm)とした(単位:℃)。
このようなプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、市販品のものを用いることができる。具体的には、日本ポリプロ社製の商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレンーエチレンランダム共重合体)などが挙げられる。
本発明の高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物において、成分(b)として用いられる脂環式炭化水素樹脂成分は、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる一種類以上である。
これらの中で、極性基を有さないものや、あるいは、水素を添加して、95重量%以上の水添率とした樹脂が好ましい。さらに好ましい樹脂は、石油樹脂又は石油樹脂の水素添加誘導体であり、このような石油樹脂としては、例えば、荒川化学工業(株)製の商品名「アルコン」または東燃化学社製の商品名「オペラ(OPPERA)」等の市販品が挙げられる。
脂環式炭化水素樹脂成分の軟化点は、例えばJIS K2207の方法によって測定することが可能である。
脂環式炭化水素樹脂成分(b)の配合量が上記範囲を下回ると、剛性が低下し、一方、上記範囲を上回ると、透明性が損なわれる。
本発明の高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物には、造核剤(c)が配合される。
造核剤としては、下記一般式(1)で表される造核剤が用いられる。
さらに好ましくは、nは、0〜2の整数であり、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ水素原子であり、R3は、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH=CH2、−CH(CH3)CH=CH2、−CH2CH−X1−CH2−X2、−CH2CH−X3−CH2CH3、−CH2CH−X4−CH2OHもしくは−CH2OH−CH(OH)−CH2OHであり(但し、X1〜X4は、それぞれ独立したハロゲン原子を含む基である。)、R6は、炭素数が1〜20のアルキル基であることが好ましい。
また、本発明に係る造核剤(c)は、単にポリプロピレン系重合体の結晶を微細化して球晶の発達を防ぐばかりでなく、融点の比較的低い非晶質部分を均質化および微細化することにより、ポリプロピレン系重合体の結晶化温度を上昇させるということで、包装用フィルムとしての腰の強さを高める結果となる。
これらの造核剤の中では、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)アルミニウム、p−メチル−ベンジリデンソルビトール、p−エチル−ベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルべンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3・4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、等の造核剤が挙げられる。
本発明の高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物において、上記プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(a)、脂環式炭化水素樹脂(b)および造核剤(c)に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、中和剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
また、アミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−ワン等のラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤などを挙げることができる。
また、滑剤の具体例としては、既知の滑剤が挙げられるが、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸ブチル、シリコーンオイル等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(a)、脂環式炭化水素樹脂(b)、造核剤(c)及び必要に応じて用いる他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ロール等で180〜280℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、剛性と透明さのバランスに、特に優れる。そのため、フィルム用途、特に、食品、医療、文具、雑貨などの包装用途に好適に用いられる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムは、白味がなく、すっきりした透明感があり、かつ、優れた剛性を持つ包装材料として極めて商品価値の高いものである。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなるフィルムは、電化製品もしくは家具、自動車などの工業製品の保護用フィルムにも、好ましく用いられる。
キャスト法は、シート、フィルム(未延伸フィルム)等の押出成形体を製造する方法であり、押出機で溶融混練された樹脂組成物がTダイから押し出され、水等の冷媒を通したロールに接触させられることにより冷却されて、一般に透明性、光沢性が良く、厚み精度のよいフィルムを製造することができるので、フィルムにとって、好ましい製造方法である。
包装用フィルムは、その特性を生かして、特に包装形態の多様化にも適合できる特性を要求される。例えば、一般包装用途に加え、最近包装用フィルムの多くが使用されている利用形態の分野にも使用できる。
(I)ラップまたはストレッチ包装;成形した未延伸または延伸包装用フィルムにより、密着包装する通常の利用形態であり、これをラップまたはストレッチ包装と表現することができる。
(II)シュリンク包装;包装用フィルムの熱収縮性の性質を利用して包装する利用形態であり、これをシュリンク包装と表現する。
(III)真空包装;内容物をフィルムで覆い、介在する空気を真空成形機により吸引して、密着包装する手法である。
(IV)レトルト包装;レトルト処理対応の包装形態である。
(V)積層フィルム;本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムと、他のポリプロピレン系包装用フィルムやポリプロピレン系以外のポリエチレン系包装用フィルムなどと積層した複合フィルム形態。
このように、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムは、各種包装形態、包装方法に使用できる態様を包含しており、本発明のポリプロピレン系包装用フィルムとしての、そのような包装形態の多様化に適用できる特性と性能を備えている。
また、本発明に係る積層フィルム(多層フィルム)において、本発明の高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する層が中間層であることが好ましい。
フィルム全体の厚みとしては、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは10〜100μmである。フィルムには、通常工業的に採用されている方法によって、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施してもよい。
(i)内容物などの輸送、貯蔵、店頭陳列などにおける内容物の保護は勿論のこと、内容物の様子、状態、鮮度、および美的外観の表現を適切に表す品質機能を有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムの剛性と透明性のバランスに優れるという性能は、前記要求を満たす性能を備えたものである。
(ii)商品価値を高める。
通常ポリプロピレン系包装用フィルムは、HAZEが3〜10%程度であり、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムは、HAZEが4%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1.0%以下、というような性能を有することは非常に優れているものと評価することができる。同様に、剛性も非常に優れているものである。
これら包装用フィルムの特性は、生鮮食品や、流行の繊維、衣類などの内視が求められる商品を包装した場合や内容物の商品価値を高める役割を果たす上で極めて有用である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムは、その(i)〜(ii)の要件を満たす性質、特性、機能、および作用効果を十分に備えているということができる。
このように、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いた高剛性フィルムは、あらゆる包装形態において、商品価値を高める役割を果たすばかりでなく、成形においても、作業環境の維持、成形性の向上など、多面的な有意性を備えたものである。
(1)プロピレン−α−オレフィン共重合体(成分(a))
プロピレン−α−オレフィン共重合体として、下記のものを使用した。
日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒で重合、MFR:7g/10分、融点:145℃)
(2)脂環式炭化水素樹脂(成分(b))
脂環式炭化水素樹脂として、下記のものを使用した。
(B−1):東燃化学社製、商品名「OPPERA PR130」(軟化点:137℃)
(B−2):荒川化学工業社製、商品名「アルコン P140」(軟化点:140℃)
(3)造核剤(成分(c))
造核剤として、下記のものを使用した。
Milliken Chemical社製、商品名「Millad NX8000J」
(1)外層および内層使用樹脂
プロピレン系重合体として、下記のものを使用した。
日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WFX4TA」(プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒で重合、MFR:7g/10分、融点:125℃)
高剛性フィルム用樹脂組成物を構成する造核剤を、分散良く添加するため、事前にプロピレンーエチレンランダム共重合体パウダーをベースとしたマスターバッチを製造した。
プロピレン−エチレンランダム共重合体パウダー(WINTEC WFW5T)90重量%に、造核剤(Millad NX8000J)を10重量%、その他、適宜酸化防止剤などの添加剤を加えドライブレンドし、溶融混練し造核剤マスターバッチペレット(C)を得た。
高剛性フィルム用樹脂組成物のベースとして、成分(a)と成分(b)を下記表1のようにドライブレンドし、溶融混練し、高剛性フィルム用樹脂組成物のベース材(A−1〜4)を得た。
中間層用押出機として、口径35mmの単軸押出機、外層用及び内層用の押出機として、口径20mmの単軸押出機を用いて、開口長300mm、Lip幅0.7mmの3種3層マルチマニホールドダイから設定温度240℃にて押出し、温度30℃の水を流している冷却ロールにより冷却して、15m/minの速度で成形し、厚みが不均一な両端を切り落とし、各層の厚みが4μm(外層)/9μm(中間層)/12μm(内層)で、総厚み25μmのフィルムを得た。
次に、得られた多層フィルムを23℃、50%RHの雰囲気下において24時間以上状態調整した。得られた多層フィルムの物性を評価した。
(1)透明性(HAZE)
JIS K7136−2000に準拠し、成形した多層フィルムの透明性をヘイズメータで測定した。
得られた値が小さいほど透明性が良いことを意味し、この値が7%以下であるとディスプレイ効果(内容物の視認、ラミネート等の加工仕上がり)を得る点で優れており、4%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1.0%以下が特に好ましい。
JIS K7127−1989に準拠し、下記条件にて成形した多層フィルムの流れ方向(MD)及び幅方向(TD)についての引張弾性率を測定し、TDとMDの合計値により評価を行った。
得られた値が大きいほど剛性が高いことを意味し、TDとMDの合計値が1000MPa以上であるとラミネート等の後加工時の作業性(フィルムの切断作業等)に優れており、1200MPa以上が好ましく、1400MPa以上が特に好ましい。
・サンプル長さ:150mm
・サンプル幅:15mm
・チャック間距離:100mm
・クロスヘッド速度:1mm/min
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(a))(日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレン−エチレンランダム共重合体))80重量%と、脂環式炭化水素樹脂(成分(b))(東燃化学社製商品名「OPPERA PR130」(軟化点:137℃)(B−1))20重量%をドライブレンドし、溶融混練し高剛性フィルム用樹脂組成物のベース材(A−1)を得た。
プロピレン−エチレンランダム共重合体パウダー(WINTEC WFW5T)90重量%に、造核剤(Milliken Chemical社製 商品名「Millad NX8000J」)を10重量%、その他適宜酸化防止剤などの添加剤を加え、ドライブレンドし、溶融混練し、造核剤マスターバッチペレット(C)を得た。
ベース材(A−1)100重量部に対して、造核剤マスターバッチペレット(C)1重量部を配合して、中間層用使用樹脂を得た。
外層及び内層用の使用樹脂として、プロピレン系重合体( 日本ポリプロ社製 商品名「WINTEC WFX4TA」)を用いた。
中間層用押出機として、口径35mmの単軸押出機、外層用及び内層用の押出機として、口径20mmの単軸押出機を用いて、開口長300mm、Lip幅0.7mmの3種3層マルチマニホールドダイから設定温度240℃にて押出し、温度30℃の水を流している冷却ロールにより冷却して、15m/minの速度で成形し、厚みが不均一な両端を切り落とし、各層の厚みが4μm(外層)/9μm(中間層)/12μm(内層)で総厚み25μmのフィルムを得た。
次に、得られた多層フィルムを23℃、50%RHの雰囲気下において24時間以上状態調整した。得られた多層フィルムの物性を評価した。
評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、ベース材(A−1)100重量部に対し、造核剤マスターバッチペレット(C)の配合量を2重量部とした以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、ベース材(A−1)100重量部に対し、造核剤マスターバッチペレット(C)の配合量を3重量部とした以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、高剛性フィルム用樹脂組成物中、成分(a)の含有量を70重量%、成分(b)の含有量を30重量%とし、ベース材(A−2)を得た。更に、ベース材(A−2)100重量部に対し、造核剤マスターバッチペレット(C)の配合量を2重量部とした。それ以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例2において、成分(b)として、東燃化学社製商品名「OPPERA PR130」(軟化点:137℃)(B−1)に替えて、荒川化学工業社製商品名「アルコン P140」(軟化点:140℃)(B−2)を用い、高剛性フィルム用樹脂組成物中、成分(b)の含有量はそのままに、ベース材(A−3)を得た。それ以外は、実施例2と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例5において、高剛性フィルム用樹脂組成物中、成分(a)の含有量を70重量%、成分(b)の含有量を30重量%とし、ベース材(A−4)を得た。それ以外は、実施例5と同様にして多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(a))(日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレン−エチレンランダム共重合体))を100重量%とし、成分(b)(脂環式炭化水素樹脂)及び成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を含有しない中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例2において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)80重量%、成分(b)20重量%からなるベース材(A−1)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例2と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例4において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)70重量%、成分(b)30重量%からなるベース材(A−2)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例4と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例5において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)80重量%、成分(b)20重量%からなるベース材(A−3)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例5と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例6において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)70重量%、成分(b)30重量%からなるベース材(A−4)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
Claims (5)
- 下記に示す成分(a)60〜90重量%と、成分(b)10〜40重量%を含む樹脂成分100重量部に対して、下記一般式(1)で示される化合物からなる造核剤(c)0.01〜0.5重量部を含有することを特徴とする高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する層を少なくとも1層含んでなり、フィルム全体の厚みが10〜100μmであることを特徴とする高剛性多層フィルム。
成分(a):プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
成分(b):石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる脂環式炭化水素樹脂
(式中、nは、0〜2の整数であり、R1〜R5は、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基もしくはフェニル基であり、R6は、炭素数が1〜20のアルキル基である。) - 前記成分(a)のα−オレフィンがエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の高剛性多層フィルム。
- 前記成分(b)の脂環式炭化水素樹脂は、軟化点温度が110℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高剛性多層フィルム。
- 前記成分(a)のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体がシングルサイト系触媒により重合されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高剛性多層フィルム。
- 前記高剛性フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する層が中間層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高剛性多層フィルム。
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