JP6340953B2 - 低温ヒートシール性と高剛性に優れた多層フィルム - Google Patents

低温ヒートシール性と高剛性に優れた多層フィルム Download PDF

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Description

本発明は、低温ヒートシール性と高剛性に優れた多層フィルムに関する。
従来から、ポリプロピレン系フィルムは、剛性の高さ、低比重、透明性、耐熱性、耐溶剤性といった特徴を活用し、各種包装用フィルム、ラミネートなどに幅広く使用されている。包装用途においては、フィルムを通して商品が見えること、表面保護をするようなラミネートにおいても印刷された画像が鮮明に見えることが商品の価値を高める要素となっている。
中でも、ポリプロピレン単独重合体(ホモPP)は、剛性に優れている反面、結晶性が高いため、球晶が大きくなり、透明性が不十分であり、また、低温時の衝撃強度が低下する。一方、プロピレン−エチレンランダム共重合体などでは、透明性は優れているが、ホモPPと比べ、剛性が劣るという欠点がある。
また、地球環境問題に対する関心の高まりから、様々な企業において、枯渇資源の削減に積極的に取り組むようになっている中、ポリプロピレンのように低比重のプラスチックへの代替検討や、ポリプロピレンフィルムを薄肉化したいというニーズに対しては、剛性や透明性といった既に使用している材料の特性維持が必要不可欠である。
そのため、最近では、透明性、剛性および寸法安定性に優れたフィルムを得るために、プロピレン系重合体に対して、密度やメルトフローレートを調整したエチレン系重合体を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、剛性と透明性のバランスをとる観点から、密度、α晶形態の含有量及び、広角X線回折法で測定される配向度等に着目し、製造されたポリプロピレン未延伸フィルムの提案等がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
一方、包装用フィルムでは、優れた低温ヒートシール性能が要望されているが、近年、メタロセン系触媒により重合された低融点のプロピレン系ランダム共重合体が登場したことから、これを用いたシーラント層を積層することにより、低温ヒートシール性およびフィルムのベタツキ(ブロッキング性)防止に優れ、経時による透明性の悪化等の問題の生じない包装用フィルムが得られるようになっている。しかし、この場合、低温ヒートシール性を有する樹脂を得るには、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体を多量に使用する必要があるため、フィルムのベタツキ(ブロッキング性)という問題が発生し、実用的に満足し得る低温ヒートシール性包装用フィルムを得るための弊害となる。
また、分子量分布が3.5以下のポリオレフィン系樹脂Aからなる第1層とポリオレフィン系樹脂Bからなる第2層を有する積層フィルムであって、これらの樹脂の有するゼロせん断粘度[η]と分子量分布Wで表される流動性パラメータを特定した積層フィルムは、外観不良(うろこ模様)が発生せず、耐ブロッキング性、透視性、防湿性、ヒートシール性に優れるという発明(例えば、特許文献3参照。)の提案がなされているが、メタロセン触媒により得られるポリオレフィン系樹脂(例えば、プロピレン系ランダム共重合体)が根本的に有する成形性の悪さは改善していない。
一方、フィルムの低温ヒートシール特性に優れたプロピレン系樹脂組成物として、シャークスキン、うろこ模様等といった外観不良が発生せず、シーラント層に用いるプロピレン系樹脂として、特定の分子量及び分子量分布を有する二種類のメタロセン触媒により得られるエチレン−プロピレンランダム共重合体とからなるプロピレン系樹脂組成物をシーラント層に用いたプロピレン系積層フィルムおよびそれを用いたヒートシール性包装用フィルムの発明(例えば、特許文献4参照。)等の提案もなされている。
しかしながら、上記の特許文献に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を用いて得られたフィルムにおいても、低温ヒートシール性、剛性については必ずしも満足なものとはいえず、低温ヒートシール性、剛性に優れたフィルムが求められている。
特開2008−127487号公報 特開2011−236357号公報 特開2006−103147号公報 特開2008−265218号公報
本発明の目的(課題)は、前記従来技術の問題点に鑑み、低温ヒートシール性と剛性に優れた多層フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体と、特定の脂環式炭化水素樹脂とを特定割合で含む樹脂成分に対して、特定の化学構造式で示される造核剤を特定量配合した樹脂組成物を含有する中間層の片側に、ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層を積層すると、良好な低温ヒートシール性を示し、かつ、剛性にも優れた多層フィルムが得られることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、以下に示す成分(a)〜(c)よりなるポリプロピレン系樹脂組成物を含有する中間層の片側に、ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層を積層してなる低温ヒートシール性高剛性多層フィルムが提供される。
成分(a):プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体60〜90重量%。
成分(b):石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる脂環式炭化水素樹脂10〜40重量%(但し、成分(a)と成分(b)の合計が100重量%とする。)。
成分(c):下記一般式(1)で示される化合物からなる造核剤0.01〜0.5重量部(但し、成分(a)と成分(b)の合計100重量部に対する。)。
Figure 0006340953
[一般式(1)中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基若しくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層と反対側に、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレンα−オレフィン共重合体からなる層を有し、少なくとも3層からなることを特徴とする低温ヒートシール性高剛性多層フィルムが提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、透明性(HAZE)が7%以下であり、フィルムの流れ方向(MD)と幅方向(TD)の引張弾性率の合計が1000MPa以上であることを特徴とする低温ヒートシール性高剛性多層フィルムが提供される。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムは、低温ヒートシール性と剛性を兼ね備えるものとして、高い商品価値を有する。そのため、これを加工することで、特に、食品、洗剤、医療用品等の各種分野の包装製品として、広く用いることができる。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムは、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(以下、成分(a)とも記載する。)60〜90重量%と、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる脂環式炭化水素樹脂(以下、成分(b)とも記載する。)10〜40重量%を含む樹脂成分、及び前記一般式(1)で表される造核剤(以下、成分(c)とも記載する。)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を含有する中間層の片側に、ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層を、積層してなる、低温ヒートシール性と剛性に優れた多層フィルムである。
以下、低温ヒートシール性高剛性多層フィルムについて、項目毎に、詳細に説明する。
1.ポリプロピレン系樹脂組成物(中間層)
(1)プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(a))
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムの中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物には、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(a)が用いられる。
本発明に係るプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、好ましくはシングルサイト系触媒(坦持または非坦持メタロセン型化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせに基づくもの)にて重合されたものが用いられる。
シングルサイト系触媒とは、活性点が同種(シングルサイト)の触媒を指し、具体的にはメタロセン触媒などが挙げられる。このようなシングルサイト系触媒で得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、従来のチーグラー系触媒で得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体等に比して、柔軟性に富み、大量の無機充填剤が配合されても可撓性を保つことができる。また、融点も、エチレン系共重合体に比して高く、ポリプロピレン系樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。
本発明に係るプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体において、用いられるα−オレフィンとしては、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を例示できる。
また、プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。このうちエチレン、1−ブテンが好適である。α−オレフィンの含有量は、剛性と透明性のバランスの観点からプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体100重量%に対して、好ましくは1.0〜10.0重量%、より好ましくは1.0〜5.5重量%である。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の重合法としては、特に限定されず、好ましくはシングルサイト系触媒の存在下、不活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いない気相法や溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、成形性の観点からJIS K7210(230℃、2.1kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が、好ましくは2〜15g/10分、より好ましくは2〜10g/10分である。MFR値の制御の方法は、周知であり、重合条件である温度や圧力を調節したり、重合時に添加する水素等の連鎖移動剤の添加量を制御することにより、容易に調節を行うことができる。
本発明で用いられるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の融点は、剛性と透明性のバランスの観点から好ましくは120〜155℃、より好ましくは125〜145℃である。プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の融点の制御は、周知であり、重合層に供給するプロピレンと、エチレンなどのα−オレフィンの量比を適宜調節する等により可能である。融点(Tm)を、例えば125〜145℃に制御するためには、使用する触媒の種類にも依存するが、エチレンなどのα−オレフィン含有量が概ね1.5〜3.5重量%程度の範囲で調整することにより、所望の融点を有するプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を製造できる。
なお、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して、示差走査型熱量計(DSC)により測定され、本発明では、温度40℃から200℃まで、10℃/分の昇温速度で融解させた時の融解曲線のピーク温度である。融点の測定は、セイコー社製DSC/RDC220Uを用い、試料5.0mgを採り、40℃で1分間保持した後、200℃まで10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点(Tm)とした(単位:℃)。
このようなプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、市販品のものを用いることができる。具体的には、日本ポリプロ社製の商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレンーエチレンランダム共重合体)などが挙げられる。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムにおいて、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の配合量は、60〜90重量%、好ましくは65〜85重量%、さらに好ましくは70〜80重量%である。
(2)脂環式炭化水素樹脂(成分(b))
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムの中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物において、成分(b)として用いられる脂環式炭化水素樹脂成分は、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クロマンインデン樹脂、及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる一種類以上である。
これらの中で、極性基を有さないものや、あるいは、水素を添加して、95重量%以上の水添率とした樹脂が好ましい。さらに好ましい樹脂は、石油樹脂又は石油樹脂の水素添加誘導体であり、このような石油樹脂としては、例えば、荒川化学工業(株)製の商品名「アルコン」または東燃化学社製の商品名「オペラ(OPPERA)」等の市販品が挙げられる。
また、脂環式炭化水素樹脂成分(b)は、軟化点温度が110〜160℃であることが好ましく、さらに好ましくは120〜145℃である。軟化点温度が110℃未満であると、フィルム表面へのブリードが発生して、透明性を低下させるおそれがあり、一方、軟化点温度が上記範囲を超えると、透明性が損なわれる場合がある。
脂環式炭化水素樹脂成分の軟化点は、例えばJIS K2207の方法によって測定することが可能である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物において、脂環式炭化水素樹脂成分(b)の配合量は、10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である。すなわち、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(a)の配合量は、60〜90重量%、好ましくは65〜85重量%、さらに好ましくは70〜80重量%である。
脂環式炭化水素樹脂成分(b)の配合量が上記範囲を下回ると、剛性が低下し、一方、上記範囲を上回ると、透明性が損なわれる。
(3)造核剤(成分(c))
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムに係る中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物には、造核剤(c)が配合される。
造核剤としては、下記化学式(1)で表される造核剤が用いられる。
Figure 0006340953
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基もしくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。)
一般式(1)において、好ましくは、nは、0〜2の整数であり、R、R、RおよびRは、それぞれ水素原子であり、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ炭素数が1〜20のアルキル基である。
さらに好ましくは、式(1)において、nは、0〜2の整数であり、R、R、RおよびRは、それぞれ水素原子であり、Rは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCH=CH、−CH(CH)CH=CH、−CHCH−X−CH−X、−CHCH−X−CHCH、−CHCH−X−CHOHもしくは−CHOH−CH(OH)−CHOHであり(但し、X〜Xは、それぞれ独立したハロゲン原子を含む基である。)、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基であることが好ましい。
また、造核剤が下記の化学構造式(2)で表される場合には、透明性がきわめて優れる上、ゲル−ゾル転移温度が170℃と従来の造核剤の代表であるジベンジリデンソルビトール系造核剤に比べて約20℃も低下するため、成形温度を約20℃以上下げても良好な透明性を得ることが可能となり、非常に好ましい。
Figure 0006340953
このような造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、ミリケン社製、商品名ミラッドNX8000、NX8000Jを挙げることができる。
また、本発明に係る造核剤(c)は、単にポリプロピレン系重合体の結晶を微細化して球晶の発達を防ぐばかりでなく、融点の比較的低い非晶質部分を均質化および微細化することにより、ポリプロピレン系重合体の結晶化温度を上昇させるということで、包装用フィルムとしての腰の強さを高める結果となる。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムに係る中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物において、造核剤(c)の配合量は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(a))と脂環式炭化水素樹脂成分(成分(b))の合計の樹脂成分100重量部に対し、0.01〜0.5重量部である。造核剤の配合量0.05〜0.4重量部がより好ましく、0.1〜0.3重量部がさらに好ましい。配合量が上記範囲を下回ると透明性が低下し,上記範囲を上回ることは経済上好ましくない。
また、本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムに係るポリプロピレン系樹脂組成物では、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の造核剤として、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、アミン系化合物等を用いることができ、上記一般式(1)で表される造核剤と併用することができる。
これらの造核剤の中では、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)アルミニウム、p−メチル−ベンジリデンソルビトール、p−エチル−ベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルべンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3・4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、等の造核剤が挙げられる。
(4)その他の添加剤
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムに係る中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物においては、上記プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(a)、脂環式炭化水素樹脂(b)および造核剤(c)に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、中和剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
また、アミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−ワン等のラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤などを挙げることができる。
中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。
また、滑剤の具体例としては、既知の滑剤が挙げられるが、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸ブチル、シリコーンオイル等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、等の光安定剤を挙げることができる。
さらに、その他に、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレン、オレフィン系エラストマー等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。直線状低密度ポリエチレン、オレフィン系エラストマーを配合する場合は、透明性の観点からメタロセン触媒により重合されたものが好ましい。
(5)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムに係る中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(a)、脂環式炭化水素樹脂(b)、造核剤(c)及び必要に応じて用いる他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で180〜280℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムに係る中間層に含有されるポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムは、剛性や透明性等に特に優れる。
2.ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムにおいては、ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する中間層の片側に、ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層が積層され、該ポリオレフィン系樹脂として、例えば、プロピレン系重合体やエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層が挙げられる。
上記プロピレン系重合体のエチレン含量は、低温ヒートシール性発現の観点から、好ましくは1.0〜6.0重量%であり、より好ましくは1.5〜5.5重量%であり、さらに好ましくは2.0〜5.0重量%である。エチレン含量が1.0重量%以上の場合、プロピレン系重合体の融点(Tm)が低くなるため、低温ヒートシール性に優れる。また、エチレン含量が6.0重量%以下であると、結晶性が向上するために、耐ブロッキング性能に優れる傾向にあるために、好ましい。
ここで、エチレン含量は、プロトン完全デカップリング法により、以下の条件に従って13C−NMRスペクトルを解析することにより求める値である。
機種:日本電子(株)製、GSX−400又は同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上)
溶媒:o−ジクロベンゼン+重ベンゼン(4:1(体積比))
濃度:100mg/mL
温度:130℃
パルス角:90°
パルス間隔:15秒
積算回数:5,000回以上
スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules、17,1950(1984)などを参考に行えばよい。上記条件により測定されたスペクトルの帰属は、表1の通りである。表1中Sαα等の記号はCarmanら(Macromolecules、10,536(1977))の表記法に従い、Pはメチル炭素、Sはメチレン炭素、Tはメチン炭素をそれぞれ表わす。
Figure 0006340953
以下、「P」を共重合体連鎖中のプロピレン単位、「E」をエチレン単位とすると、連鎖中にはPPP、PPE、EPE、PEP、PEE、およびEEEの6種類のトリアッドが存在し得る。Macromolecules 15,1150 (1982)などに記されているように、これらトリアッドの濃度と、スペクトルのピーク強度とは、以下の(1)〜(6)の関係式で結び付けられる。
[PPP]=k×I(Tββ)…(1)
[PPE]=k×I(Tβδ)…(2)
[EPE]=k×I(Tδδ)…(3)
[PEP]=k×I(Sββ)…(4)
[PEE]=k×I(Sβδ)…(5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4} …(6)
ここで[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。したがって、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE]=1 … (7)
である。また、kは定数であり、Iはスペクトル強度を示し、例えば、I(Tββ)はTββに帰属される28.7ppmのピークの強度を意味する。上記(1)〜(7)の関係式を用いることにより、各トリアッドの分率が求まり、さらに下式によりエチレン含有量が求まる。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])×100
なお、本発明のプロピレンランダム共重合体には少量のプロピレン異種結合(2,1−結合及び/又は1,3−結合)が含まれ、それにより、表2の微小なピークを生じる。
Figure 0006340953
正確なエチレン含有量を求めるには、これら異種結合に由来するピークも考慮して計算に含める必要があるが、異種結合由来のピークの完全な分離・同定が困難であり、また異種結合量が少量であることから、本発明に係るエチレン含有量は、実質的に異種結合を含まないチーグラー・ナッタ系触媒で製造された共重合体の解析と同じく式(1)〜(7)の関係式を用いて求めることとする。
エチレン含有量のモル%から重量%への換算は、以下の式を用いて行う。
エチレン含有量(重量%)=(28×X/100)/{28×X/100+42×(1−X/100)}×100
ここで、Xはモル%表示でのエチレン含有量である。
本発明でヒートシール層として用いるプロピレン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは270000〜460000であり、より好ましくは280000〜420000のものである。重量平均分子量(Mw)が270000以上では、フィルムの積層界面を荒らさないために必要な高分子量成分が十分となるため、積層界面が荒れ、外観不良(うろこ模様)が生じ難くなる。逆に、重量平均分子量(Mw)が460000以下であると、高分子量成分に起因するフィッシュアイが生じ難くなり、フィルム外観を著しく損なうことがない。
ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定して得られる値であり、具体的には次のようにして求める。
保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である、F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000を用い、各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
装置:Waters社製、GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製、MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本直列)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製:試料はODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
本発明でヒートシール層として用いるポリオレフィン系樹脂は、好ましくはメタロセン触媒を用いて重合されたものである。従来公知のチーグラー・ナッタ系触媒を用いて重合されたものよりも、分子量分布が狭く、低結晶性成分の生成量が小さく、結晶性分布が狭いために、低温ヒートシール性および耐ブロッキングに優れるエチレン−プロピレンランダム共重合体を製造することができる。
メタロセン触媒とは、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、公知の触媒はいずれも使用できる。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。各成分について説明する。
(i)メタロセン化合物としては、例えば、特開昭60−35007号、特開昭61−130314号、特開昭63−295607号、特開平1−275609号、特開平2−41303号、特開平2−131488号、特開平2−76887号、特開平3−163088号、特開平4−300887号、特開平4−211694号、特開平5−43616号、特開平5−209013号、特開平6−239914号、特表平7−504934号、特開平8−85708号の各公報に開示されている。
更に、具体的には、メチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2−(4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−メチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[4−(1−フェニル−3−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(フルオレニル)t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,(1−ナフチル)−インデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(3−フルオロビフェニリル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物が例示できる。上記において、ジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用できる。場合によっては、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物等の混合物を使用することもできる。また、クロリドは他のハロゲン化合物、メチル、イソブチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることが出来る。
これらの内、インデニル基あるいはアズレニル基を珪素あるいはゲルミル基で架橋したメタロセン化合物が好ましい。
また、メタロセン化合物は、無機または有機化合物の担体に担持して使用してもよい。該担体としては、無機または有機化合物の多孔質化合物が好ましく、具体的には、イオン交換性層状珪酸塩、ゼオライト、SiO、Al、シリカアルミナ、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO、等の無機化合物、多孔質のポリオレフィン、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、オレフィン・アクリル酸共重合体等からなる有機化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物(たとえば、アルミノキサン化合物)、イオン交換性層状珪酸塩、ルイス酸、ホウ素含有化合物、イオン性化合物、フッ素含有有機化合物等が挙げられる。
(iii)有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
重合法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー法、溶液法、実質的に溶媒を用いない気相法や、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。本発明で用いる高分子量プロピレン系重合体Aを得る方法としては、例えば、重合温度やコモノマー量、分子量調節剤としての水素の供給量など適宜調節して、分子量および分布を適宜制御することにより、所望のポリマーを得ることができる。
かかるポリオレフィン系樹脂組成物、メタロセン系ポリプロピレンとして市販されているものの中から適宜選択し使用することもできる。市販品としては、日本ポリプロ社製「ウィンテック」が挙げられる。
また、ヒートシール層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体であり、エチレンの共重合割合は、好ましくは50〜99重量%であり、より好ましくは60〜99重量%であり、さらに好ましくは75〜90重量%である。
エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル1−ペンテンなどのα−オレフィン、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物等が挙げられる。中でも、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、特に好ましくは1−ヘキセンである。α−オレフィンは、二種以上共重合されていてもよい。
市販品としては、例えば、日本ポリエチレン株式会社製「カーネル」(商標名)が挙げられる。
ヒートシール層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、好ましくは0.880〜0.930g/cmであり、より好ましくは0.885〜0.925g/cmであり、さらに好ましくは0.890〜0.920g/cmである。密度が0.880g/cm以上であると、結晶性が向上するため、耐ブロッキング性能に優れるので好ましく、一方、密度が0.930g/cm以下であると、透明性に優れるので好ましい。
ここで密度とは、JIS K6922−2:1997付属書に準拠して測定される値である。
3.その他の層構成
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムにおいては、ポリプロピレン系樹脂組成物を含有する中間層の片側に、ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層が積層されるが、その反対側に、好ましくはプロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる層を積層することができる。
また、本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムは、少なくとも3層構造の多層フィルムとすることができる。多層フィルムとは、複数の押出機を用い、フィードブロックやマルチマニホールドを用いて、前記ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層を最内面層となるように、重ね合わせたものである。
フィルム全体の厚みとしては、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは10〜100μmである。フィルムには、通常工業的に採用されている方法によって、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施してもよい。
4.多層フィルム
(1)多層フィルムの製造方法
本発明の多層フィルムは、プロピレン系樹脂材料において、一般的に用いられている押出しシート成形、フィルム成形、カレンダー成形、多層ブロー成形等によって得ることができる。この中では押出しシート成形が最も一般的である。
押出しシート成形としては、単軸又は二軸のスクリュー押出機を通してコートハンガーダイからシート状に押出される。押出されたシートは、(内部で冷却水や油が循環している)金属ロール表面にエアーナイフ、エアーチャンバー、硬質ゴムロール、スチールベルト、金属ロールにて押さえつけ冷却固化されてシートに製造される。又、シート両面をスチールベルトで挟んで冷却固化することもできる。
このようなシートの冷却方法の中では、シート両面に金属ロール及び/又はスチールベルトを使用する方法が表面凹凸の少ないシート表面、つまり透明性に優れたシートを得られることから最も好ましい方法である。
(2)多層フィルムの用途
本発明の多層フィルム(積層フィルム)は、ヒートシール性に優れ、剛性を向上させ、カールが生じず、かつ安価に製造可能なフィルムであるので、様々な包装材料に用いることができ、特に、食品、衣料、医薬、文具、雑貨などの包装用途に好適に用いることができる。
本発明の積層フィルムを用いた包装材料の具体例としては、積層フィルムに加工した上で袋状、筒状に加工し、内容物を入れ、封入する方法が挙げられる。より具体的には前記積層フィルムをヒートシール、インパルスシール、溶断シール、超音波シール、接着剤等の公知の方法を用いてピロー袋、三方シール袋、スタンディングパウチ、スパウトパウチ等に代表される公知の包装体に加工して用いることが出来る。
また、複合フィルムのいずれかの層に印刷を施すことも意匠性を持たせる目的で一般的に行われることであり、本発明の積層フィルムを用いた場合でも同様である。
さらに、包装体に封入されるものに特に制限は無い。様々な用途で固形物、半固形物、液状物をヒートシール、インパルスシール、溶断シール、超音波シール、接着剤等の公知の方法で封入するのが一般的である。封入後必要に応じて加熱殺菌処理等を施しても良く、開封後の再封入性を付与する目的でチャック加工などが施されることもある。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムは、優れた低温ヒートシール性と剛性を持ち、また白味がなく、すっきりした透明感持つ包装材料として極めて商品価値の高いものである。用途としては、特に限定されないが、食品、医療、文具、雑貨、などの包装用途に好適に用いられる。
その他の使用形態に関しても、例えば下記(I)〜(V)のような用途において、本発明の多層フィルムは、有意性を備えたものであり、その高い透明性および剛性等から、内容物の商品価値を高める上で極めて有用である。
このように、本発明の低温ヒートシール性と高剛性の多層フィルムは、あらゆる包装形態おいて商品価値を高める役割を果たすばかりでなく、成形においては作業環境の維持、成形性の向上など、多面的な有意性を備えたものである。
本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムが有している低温ヒートシール性及び剛性の特性の視点から、包装用フィルムという特定の用途におけるその有意性を更に詳細に説明をする。
包装用フィルムは、その特性を生かして、特に包装形態の多様化にも適合できる特性を要求される。例えば、一般包装用途に加え、最近包装用フィルムの多くが使用されている利用形態の分野にも使用できる。
(I)ラップまたはストレッチ包装;成形した未延伸または延伸包装用フィルムにより、密着包装する通常の利用形態であり、これをラップまたはストレッチ包装と表現することができる。
(II)シュリンク包装;包装用フィルムの熱収縮性の性質を利用して包装する利用形態であり、これをシュリンク包装と表現する。
(III)真空包装;内容物をフィルムで覆い、介在する空気を真空成形機により吸引して、密着包装する手法である。
(IV)レトルト包装;レトルト処理対応の包装形態である。
(V)積層フィルム;本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムと、他のポリプロピレン系包装用フィルムやポリプロピレン系以外のポリエチレン系包装用フィルムなどと積層した複合フィルム形態。
このように、本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムは、各種包装形態、包装方法に使用できる態様を包含しており、本発明のポリプロピレン系包装用フィルムとしての、そのような包装形態の多様化に適用できる特性と性能を備えている。
(3)多層フィルムの機能
包装フィルムに求められる一般的な機能は、次のようなことが挙げられる。
(i)内容物などの輸送、貯蔵、店頭陳列などにおける内容物の保護は勿論のこと、内容物の様子、状態、鮮度、および美的外観の表現を適切に表す品質機能を有する。本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルムの低温シーラント性及び剛性に優れるという性能は、前記要求を満たす性能を備える。
(ii)商品価値を高める。通常ポリプロピレン系包装用フィルムは、HAZEが3〜10%程度であり、本発明の7%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは2.0%以下、というような性能を有することは非常に優れているものと評価することができる。同様に、剛性(引張弾性率)についても、多層フィルムの流れ方向(MD)及び幅方向(TD)について測定されるその合計値が1000MPa以上であるとラミネート等の後加工時の作業性(フィルムの切断作業等)に優れるが、本発明では1000MPa以上、好ましくは1200MPa以上、より好ましくは1400MPa以上、というような特性は、非常に優れているものと、評価することができる。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物を用いたフィルムは、その(i)〜(ii)の要件を満たす性質、特性、機能、および作用効果を十分に備えているということができる。
以下において、本発明をより具体的にかつ明確に説明する為に、本発明を実施例及び比較例との対照において説明し、本発明の構成要件の合理性と有意性を実証するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた樹脂材料、物性測定法、特性評価法は以下の通りである。
1.使用材料(中間層)
(1)プロピレン−α−オレフィン共重合体(成分(a))
プロピレン−α−オレフィン共重合体として下記のものを使用した。
日本ポリプロ社製、商品名(WINTEC WFW5T)(プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒で重合、MFR:7g/10分、融点:145℃)
(2)脂環式炭化水素樹脂(成分(b))
脂環式炭化水素樹脂として下記のものを使用した。
(B−1):東燃化学社製、商品名(OPPERA PR130J)(軟化点:137℃)
(B−2):荒川化学工業社製、商品名(アルコン P140)(軟化点:140℃)
(3)造核剤(成分(c))
造核剤として、下記のものを使用した。
Milliken Chemical社製、商品名(Millad NX8000J)
2.使用材料(外層及び内層)
(1)外層使用樹脂
プロピレン系重合体として、下記のものを使用した。
日本ポリプロ社製、商品名(ノバテックPP FB3B)
(2)内層使用樹脂(ヒートシール層)
エチレン−α−オレフィン共重合体として、下記のものを使用した。
日本ポリエチレン社製、商品名「カーネル KF360T」(融点:90℃)
3.中間層の造核剤マスターバッチのコンパウンド
中間層用樹脂組成物を構成する造核剤を、分散良く添加するため、事前にプロピレン−エチレンランダム共重合体パウダーをベースとしたマスターバッチを製造した。
プロピレン−エチレンランダム共重合体パウダー(WINTEC WFW5T)90重量%に、造核剤(Millad NX8000J)を10重量%、その他、適宜酸化防止剤などの添加剤を加え、ドライブレンドし、溶融混練し造核剤マスターバッチペレット(C)を得た。
4.中間層用樹脂組成物のコンパウンド
低温ヒートシール性高剛性多層フィルム用樹脂組成物のベースとして、成分(a)と成分(b)を下記表3のようにドライブレンドし、溶融混練し、中間層用のベース材(A−1〜4)を得た。
Figure 0006340953
5.多層フィルムの製造
中間層用押出機として、口径35mmの単軸押出機を、また、外層用及び内層用の押出機として、口径20mmの単軸押出機を、用いて開口長300mm、Lip幅0.7mmの3種3層マルチマニホールドダイから設定温度240℃にて押出し、温度30℃の水を流している冷却ロールにより冷却して、15m/minの速度で成形し、厚みが不均一な両端を切り落とし、各層の厚み4μm(外層)/9μm(中間層)/12μm(内層)で総厚み25μmのフィルムを得た。
次に、得られた多層フィルムを23℃、50%RHの雰囲気下において24時間以上状態調整した。
6.多層フィルムの評価方法
(1)透明性(HAZE)
JIS K7136−2000に準拠し、成形した多層フィルムの透明性をヘイズメータで測定した。得られた値が小さいほど透明性が良いことを意味し、この値が7%以下であるとディスプレイ効果(内容物の視認、ラミネート等の加工仕上がり)を得る点で優れており、4%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1.0%以下が特に好ましい。
(2)剛性(引張弾性率)
JIS K7127−1989に準拠し、下記条件にて成形した多層フィルムの流れ方向(MD)及び幅方向(TD)についての引張弾性率を測定し、TDとMDの合計値により評価を行った。得られた値が大きいほど剛性が高いことを意味し、TDとMDの合計値が1000MPa以上であるとラミネート等の後加工時の作業性(フィルムの切断作業等)に優れており、1200MPa以上が好ましく、1400MPa以上が特に好ましい。
・サンプル長さ:150mm
・サンプル幅:15mm
・チャック間距離:100mm
・クロスヘッド速度:1mm/min
[実施例1]
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(a))(日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレン−エチレンランダム共重合体))80重量%と、脂環式炭化水素樹脂(成分(b))(東燃化学社製、商品名「OPPERA PR130」(軟化点:137℃)(B−1))20重量%をドライブレンドし、溶融混練し、低温ヒートシール性高剛性多層フィルム用樹脂組成物のベース材(A−1)を得た。
プロピレン−エチレンランダム共重合体パウダー(WINTEC WFW5T)90重量%に、造核剤(Milliken Chemical社製、商品名「Millad NX8000J」)を10重量%、その他適宜酸化防止剤などの添加剤を加えドライブレンドし、溶融混練し、造核剤マスターバッチペレット(C)を得た。
ベース材(A−1)100重量部に対して、造核剤マスターバッチペレット(C)1重量部を配合して、中間層用使用樹脂を得た。
外層用使用樹脂として、プロピレン系重合体(日本ポリプロ社製、商品名(ノバテックPP FB3B))を使用した。
また、内層用使用樹脂として、エチレン−α−オレフィン共重合体(日本ポリエチレン社製、商品名「カーネル KF360T」)を使用した。
中間層用押出機として、口径35mmの単軸押出機、外層用及び内層用の押出機として、口径20mmの単軸押出機を用いて開口長300mm、Lip幅0.7mmの3種3層マルチマニホールドダイから設定温度240℃にて押出し、温度30℃の水を流している冷却ロールにより冷却して、15m/minの速度で成形し、厚みが不均一な両端を切り落とし、各層の厚み4μm(外層)/9μm(中間層)/12μm(内層)で総厚み25μmのフィルムを得た。次に、得られた多層フィルムを23℃、50%RHの雰囲気下において24時間以上状態調整した。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[実施例2]
実施例1において、ベース材(A−1)100重量部に対する造核剤マスターバッチペレット(C)の配合量を2重量部とした以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[実施例3]
実施例1において、ベース材(A−1)100重量部に対する造核剤マスターバッチペレット(C)の配合量を3重量部とした以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[実施例4]
実施例1において、ベース材(A−1)の代わりに、中間層用樹脂組成物中、成分(a)の含有量を70重量%、成分(b)の含有量を30重量%としたベース材(A−2)を用いた。更に、ベース材(A−2)100重量部に対し、造核剤マスターバッチペレット(C)の配合量を2重量部とした。それ以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[実施例5]
実施例2において、ベース材(A−1)の代わりに、成分(b)として、東燃化学社製商品名「OPPERA PR130」(軟化点:137℃)(B−1)に替えて、荒川化学工業社製商品名「アルコン P140」(軟化点:140℃)(B−2)を用い、中間層用樹脂組成物中、成分(b)の含有量はそのままにしたベース材(A−3)を用いた。それ以外は、実施例2と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[実施例6]
実施例5において、ベース材(A−3)の代わりに、中間層用樹脂組成物中、成分(a)の含有量を70重量%、成分(b)の含有量を30重量%としたベース材(A−4)を用いた。それ以外は、実施例5と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[比較例1]
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(a))(日本ポリプロ社製 商品名「WINTEC WFW5T」(プロピレン−エチレンランダム共重合体))を100重量%とし、脂環式炭化水素樹脂(成分(b))及び造核剤マスターバッチペレット(C)(成分(c))を含有しない中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[比較例2]
実施例2において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)80重量%、成分(b)20重量%からなるベース材(A−1)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例2と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[比較例3]
実施例4において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)70重量%、成分(b)30重量%からなるベース材(A−2)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例4と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[比較例4]
実施例5において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)80重量%、成分(b)20重量%からなるベース材(A−3)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例5と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
[比較例5]
実施例6において、フィルム用樹脂組成物のベース材の配合量を成分(a)70重量%、成分(b)30重量%からなるベース材(A−4)を得た。これに、成分(c)(造核剤マスターバッチペレット(C))を配合せずに、中間層用使用樹脂を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムの物性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
Figure 0006340953
表4から明らかなように、本発明の低温ヒートシール性高剛性多層フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を中間層に用いた実施例1〜6の多層フィルムは、引張弾性率が高く、透明性も良好であることが判る。一方、比較例1〜5の多層フィルムは、引張弾性率と透明性のバランスが良好でないことが判る。特に、比較例4、5は、実施例5、6に比べ、透明性は同レベルであるが、引張弾性率が劣り、引張弾性率と透明性のバランスが良好でないことが判る。
本発明の低温ヒートシール性と剛性に優れる多層フィルムは、優れた低温ヒートシール性及び剛性を兼ね備えるものとして、極めて有用である。これをフィルム加工することで、特に、食品、洗剤、医療用品等の各種分野の包装製品として、広く用いることができる。また、成形の際には、作業環境の維持、成形性の向上など、多面的な有意性を備えたものである。

Claims (3)

  1. 以下に示す成分(a)〜(c)よりなるポリプロピレン系樹脂組成物を含有する中間層の片側に、ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層を積層してなり、フィルム全体の厚みが10〜100μmである低温ヒートシール性高剛性多層フィルム。
    成分(a):プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体60〜90重量%。
    成分(b):石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂及びそれらの水素添加誘導体からなる群から選ばれる脂環式炭化水素樹脂10〜40重量%(但し、成分(a)と成分(b)の合計が100重量%とする。)。
    成分(c):下記一般式(1)で示される化合物からなる造核剤0.01〜0.5重量部(但し、成分(a)と成分(b)の合計100重量部に対する。)。
    Figure 0006340953

    [一般式(1)中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基若しくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層と反対側に、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体からなる層を有し、少なくとも3層からなることを特徴とする請求項1に記載の低温ヒートシール性高剛性多層フィルム。
  3. 透明性(HAZE)が7%以下であり、フィルムの流れ方向(MD)と幅方向(TD)の引張弾性率の合計が1000MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低温ヒートシール性高剛性多層フィルム。
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