JP2001260291A - ポリプロピレン系多層フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系多層フィルム

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JP2001260291A
JP2001260291A JP2000078641A JP2000078641A JP2001260291A JP 2001260291 A JP2001260291 A JP 2001260291A JP 2000078641 A JP2000078641 A JP 2000078641A JP 2000078641 A JP2000078641 A JP 2000078641A JP 2001260291 A JP2001260291 A JP 2001260291A
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ethylene
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olefin copolymer
propylene
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JP2000078641A
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Michio Mogami
道夫 茂上
Hiroshi Kudo
博 工藤
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートシール性、耐ブロッキング性、強度、お
よび製膜性に優れるポリプロピレン系多層フィルムを提
供すること。 【解決手段】以下の層を備えるフィルム。(I)プロピレ
ン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体
5〜100重量%と、密度0.9〜0.95g/cm3のエチレン−α−
オレフィン共重合体95〜0重量%とからなるラミネート
層、(II)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−
エチレン共重合体95〜85重量%と、密度0.87〜0.89g/cm3
のエチレン−α−オレフィン共重合体5〜15重量%とから
なる中間層、(III)(A)密度0.87〜0.89g/cm3のエチレン
−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)密度0.88
〜0.915g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜
50重量%とからなり、かつ(III)(B)の密度が(III)(A)の
密度より大きいシール層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
多層フィルムに関し、例えば、食品包装等の軽包装用フ
ィルムとして利用できる。
【0002】
【背景技術】従来から、耐ブロッキング性、低温シール
性に優れたポリプロピレン系フィルムが、生産性向上の
為に要望されている。現在までのところ、低温シール性
を向上させる観点から、エチレン−プロピレンラバーや
エチレン−ブテンラバーを添加する手法、またはシール
層にエチレン−α−オレフィン共重合体を用いる等の手
法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エチレ
ン−プロピレンラバー等を添加する手法では、シール温
度の低下が不十分であるとともに、フィルム同士がブロ
ッキングを起こしやすくなるという問題がある。一方、
エチレン−α−オレフィン共重合体をシール層に用いる
手法では、層間の強度に問題があるとともに、製膜性が
悪化して生産性が悪くなるため、コストが高くなるとい
う問題がある。
【0004】本発明の目的は、ヒートシール性、耐ブロ
ッキング性および強度にも優れ、かつ、製膜性に優れる
ポリプロピレン系多層フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリプロピレ
ンを主体とするラミネート層と、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体からなるシール層と、極低密度エチレン−
α−オレフィン共重合体を所定量含み、ポリプロピレン
を主体とする中間層(基材層)とから構成されるポリプ
ロピレン系多層フィルムにより、前記目的を達成しよう
とするものである。
【0006】具体的には、本発明に係るポリプロピレン
系多層フィルムは、下記(I)〜(III)の層を備えるこ
とを特徴とする。 (I)(A)プロピレン単独重合体および/またはプロ
ピレン−エチレン共重合体5〜100重量%と、(B)
密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α
−オレフィン共重合体95〜0重量%とからなるラミネ
ート層、(II)(A)プロピレン単独重合体および/ま
たはプロピレン−エチレン共重合体95〜85重量%
と、(B)密度0.870〜0.890g/cm3のエチ
レン−α−オレフィン共重合体5〜15重量%とからな
る中間層、(III)(A)密度0.870〜0.890g/
cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体20〜50
重量%と、(B)密度0.880〜0.915g/cm3
のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜50重量%
とからなり、かつ、前記(III)(B)の密度が(III)
(A)の密度より大きいシール層。
【0007】以上において、前記(II)層(B)におけ
るエチレン−α−オレフィン共重合体は、シングルサイ
ト系触媒を用いて製造されたことを特徴とする。また、
前記(III)層における2種のエチレン−α−オレフィ
ン共重合体のうち、少なくとも1種がシングルサイト系
触媒を用いて製造されたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 1.本発明に係るポリプロピレン系多層フィルムの各層
の内容 (1)ラミネート層 (A)プロピレン単独重合体および/またはプロピレン
−エチレン共重合体5〜100重量%と、(B)密度
0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オ
レフィン共重合体95〜0重量%とからなる層である。
【0009】(1)プロピレン単独重合体としては特に限
定はないが、メルトインデックス(以下、MIという)
が1〜20g/10分であるものが好ましい。なお、M
IはJIS K−7210(測定条件:荷重2160
g、温度:230℃)に準拠して測定した値である。
【0010】(2)プロピレン−エチレン共重合体は、い
わゆるプロピレン−エチレンランダム共重合体である
が、エチレン単位の含有量は0.2〜10重量%が好ま
しく、0.2〜5重量%がより好ましい。10重量%を
超えると、剛性が低下し、その影響により、製袋適性も
低下する傾向がある。このエチレン単位の含有量は、赤
外吸収スペクトル法により測定したものである。また、
MIは1〜20g/10分が好ましく、5〜10g/1
0分がより好ましい。1g/10分未満では、透明性、
フィルムインパクトが低下する場合がある。一方、20
g/10分を超えると、成形不良が起こりやすくなる。
なお、MIの測定は上記と同じである。
【0011】(3)前記プロピレン単独重合体またはプロ
ピレン−エチレン共重合体の製造方法ついては、特に制
限はなく、公知の製造方法を採用できる。例えば、いわ
ゆるチーグラー・ナッタ触媒や均一系触媒を用いた製造
方法を採用できる。均一系触媒としては、バナジウム化
合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、または
シングルサイト触媒(メタロセン触媒)等を挙げること
ができる。
【0012】(4)前記プロピレン単独重合体またはプロ
ピレン−エチレン共重合体は必ずしも一つの重合体に限
らず、別々に重合された二種以上の重合体であってもよ
い。すなわち、二種以上のプロピレン単独重合体を混合
したもの、二種以上のプロピレン−エチレン共重合体を
混合したもの、または一種以上のプロピレン単独重合体
及び一種以上のプロピレン・エチレン共重合体を混合し
たものであってもよい。
【0013】(5)エチレン−α−オレフィン共重合体と
しては、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレンが該当
する。ここで、α−オレフィンとしては、好ましくは炭
素数3〜12のものであり、更に好ましくは炭素数6〜
8のものである。密度は、0.900〜0.950g/c
3、好ましくは0.900〜0.930g/cm3、さら
に好ましくは0.905〜0.925g/cm3である。
0.900未満であると、耐熱性に欠け、ブロッキング
等を生じやすいという問題があり、0.950を超える
と剛性が高くなりすぎて、ピンホールが発生しやすく、
また風合いが悪くなるおそれがある。
【0014】(6)上記(A)及び(B)の配合量として
は、(A)5〜100重量%、好ましくは5〜80重量
%、より好ましくは10〜60重量%、と(B)95〜
0重量%好ましくは95〜20重量%、より好ましくは
90〜40重量%とからなるものである。(A)が5重
量%未満であると、ラミネート層と中間層との間の層間
剥離が起こりやすくなる可能性がある。このような構成
とすることで、ラミネート層が、他の樹脂との良好なラ
ミネート性を有するものとなるので、他の樹脂等をラミ
ネートする場合でも表面コロナ処理等の必要がなく、ノ
ンアンカーラミネート用フィルムとして好適に供するこ
とができる。
【0015】(2)中間層(基材層) (A)プロピレン単独重合体および/またはプロピレン
−エチレン共重合体95〜85重量%と、(B)密度
0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−オレ
フィン共重合体5〜15重量%とからなる層である。
【0016】(1)この中間層に用いられるプロピレン単
独重合体、プロピレン−エチレン共重合体については、
上記(1)で述べたものと同様である。 (2)エチレン−α−オレフィン共重合体についても、上
記(1)で述べた原料から構成されるものであるが、そ
の密度は0.870〜0.890g/cm3と極低密度の
ものとされている。
【0017】(3)上記(A)および(B)の配合量とし
ては、(A)95〜85重量%、好ましくは92〜88
重量%、と(B)5〜15重量%、好ましくは8〜12
重量%とからなるものである。(A)が85重量%未満
であると、剛性が低下するおそれがある。(A)を95
〜85重量%の範囲で調整することにより、または層比
を調節することによりシール層との層間剥離強度を制御
し、開封性の調整が可能となる。一方、(B)が5重量
%未満であると、フィルムの製膜性が低下するという問
題があり、15重量%を超えると剛性が低下するという
問題がある。 (4)ここで、前記(B)のエチレン−α−オレフィン共
重合体は、シングルサイト系触媒を用いて製造されたも
のであることが好ましい。
【0018】シングルサイト系触媒としては、特開昭5
8−19309号公報、特開昭61−130314号公
報、特開平3−163088号公報、特開平4−300
887号公報、特開平4−211694号公報、特表平
1−502036号公報等に記載されるようなシクロペ
ンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、置換インデニル基等を1または2個配位子とす
る遷移金属錯体、および上記配位子が幾何学的に制御さ
れてなる遷移金属錯体が挙げられ、活性点が均一である
ことを特徴とするものである。これらの遷移金属錯体中
の遷移金属として好ましいものは、ジルコニウム、チタ
ン、ハフニウムである。
【0019】また、同時に用いられる助触媒としては、
上記の公報に記載されているものを用いることができ
る。助触媒として好ましいものは、鎖状または環状アル
ミノキサン(例えば、メチルアルミノキサン)、イオン
性化合物(例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸N,N−ジメチルアンモニウム、テトラフェニ
ル硼酸トリエチルアンモニウム)、ルイス酸(例えば、
トリフェニル硼酸、トリス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸等の硼素化合物)、アルキルアルミニウム(例え
ば、トリエチルアルミニウム、イソブチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム)等を挙げることができ
る。なお、重合方法としては、気相法、溶液法等いずれ
の方法でもよい。
【0020】(3)シール層 (A)密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン
−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)
密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン−α−
オレフィン共重合体80〜50重量%とからなり、か
つ、前記(III)(B)の密度が(III)(A)の密度よ
り大きいものである。好ましくは、(B)の密度が
(A)の密度よりも0.01〜0.05g/cm3大き
いことである。
【0021】(1)(A)は、密度0.870〜0.890
g/cm3、好ましくは0.875〜0.885g/cm3
である。0.870未満であると、耐ブロッキング性に
劣り、生産性が低下するおそれがある。0.890を超
えると低温シール性が不十分になるおそれがある。 (2)(B)は、密度0.880〜0.915g/cm3、好
ましくは0.890〜0.910g/cm3である。0.8
80未満であると、耐ブロッキング性に劣るおそれがあ
る。0.915を超えると低温シール性が不十分になる
おそれがある。
【0022】(3)前記(B)の密度が(A)の密度より
も小さい場合、すなわち、密度がより小さいエチレン−
α−オレフィン共重合体の割合が大きくなった場合、ブ
ロッキングが大きくなる可能性がある。 (4)ここで、上記(A)、(B)で用いる2種類のエチ
レン−α−オレフィン共重合体のうち、少なくとも一方
は、シングルサイト系触媒を用いて製造されたものであ
ることが好ましい。少なくとも一方のエチレン−α−オ
レフィン共重合体をシングルサイト触媒を用いて製造す
ることで、シール強度をより一層向上させることができ
る。なお、シングルサイト系触媒については、前述と同
様である。
【0023】(5)上記(A)及び(B)の配合量として
は、(A)20〜50重量%、好ましくは25〜45重
量%と、(B)80〜50重量%、好ましくは75〜5
5重量%である。(A)が20重量%未満であると、低
温シール性が不十分になるおそれがあり、50重量%を
超えるとブロッキングが大きくなるおそれがある。
【0024】(6)前記2種のエチレン−α−オレフィン
共重合体において、そのα−オレフィンの炭素数は6以
上、好ましくは、8〜18個の範囲のものである。炭素
数が6未満では、適切なシール性が得られない可能性が
ある。このα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1
−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセ
ン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチルペンテン等
の分岐状モノオレフィン等を挙げることができる。これ
らのα−オレフィンは、それぞれ単独で用いてもよく、
二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】また、MIは1〜50g/10分であるこ
とが好ましく、より好ましくは1〜10g/10分であ
る。MIが1g/10分未満でも、50g/10分を超
えても生産性が低下するおそれがある。なお、MIはJ
IS K−7210(測定条件:荷重2160g、温
度:190℃)に準拠して測定したものである。Mw/
Mn(重量平均分子量/数平均分子量を示す)は、1.
8〜3.0であることが望ましく、好ましくは、1.8〜
2.5のものである。なお、Mw/Mnは、GPC(ゲ
ル透過クロマトグラフィー)法により測定した値であ
る。
【0026】さらに、共重合体の直鎖の炭素数1000
個当たりの分岐数としては、特に限定はないが、使用す
る共重合体が低密度であることを考慮すると20個以上
であることが好ましく、より好ましくは35個上、さら
に好ましくは50個以上である。この値は、1,2,3
−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10(体積
比))混合溶媒に溶解した試料を用いて、13C−NMR
スペクトル(測定装置:日本電子社製EX−400)か
ら求めたものである。なお、スペクトルの帰属およびα
−オレフィンの定量方法は、Pooter M.D.,J. Appl. Pol
ym. Sci.,42,399 (1991)等によるものである。
【0027】以上で説明した各層中には、フィルムの特
性を損なわない範囲で、必要に応じて、常用される添加
剤を配合することができる。具体的な添加剤としては、
酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【0028】2.各層の厚みおよび層比 本発明に係るポリプロピレン系多層フィルムの全体の厚
みとしては、特に限定はないが、10〜70μmの範囲
のものが好ましく、OPP、PET等のフィルムへのラ
ミネート用等には、特に15〜50μmの範囲のものが
好ましい。また、構成する各層比(厚みの比)として
は、ラミネート層:中間層:シール層が、(0.1〜0.
5):1:(0.1〜0.5)であり、好ましくは(0.
1〜0.3):1:(0.2〜0.4)である。ラミネー
ト層が0.5を超えると、耐熱性は高くなるものの低温
シール性が低下するおそれがある。シール層が0.5を
超えると、低温シール性は向上するものの剛性が低下す
るおそれがある。
【0029】3.本発明に係るポリプロピレン系多層フ
ィルムの製造方法等 本発明に係るポリプロピレン系多層フィルムの製造方法
については特に制限はなく、ラミネート層、中間層およ
びシール層をそれぞれ別に製膜した後、ドライラミネー
ト等の種々のラミネート法により積層してもよく、共押
出法により同時に積層、製膜してもよい。また、本発明
に係るポリプロピレン系多層フィルムは、前記(I)〜
(III)の3層からなるもののみならず、さらに必要に応
じて、他の樹脂フィルム、紙等が積層されたものであっ
てもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。 [実施例] (1)各層の内容 (I)ラミネート層 以下の(1)の他に、酸化防止剤は添加せず、滑剤、アン
チブロッキング剤としてシリカ系化合物を添加した。 (1)プロピレン単独重合体:F−704NP 出光石油
化学(株)製、100重量%、密度=0.9g/c
3、MI=7g/10分
【0031】(II)中間層 (1)プロピレン単独重合体:(I)(1)と同じ、88重量
% (2)エチレン−α−オレフィン共重合体:エンゲージ
KC8852 ダウケミカル(株)製(α−オレフィ
ン:1−オクテン)、12重量%、密度=0.874g
/cm3、MI=3g/10分、Mw/Mn=2.0、
分岐数=64.5
【0032】(III)シール層 以下の(1)、(2)の他に、酸化防止剤、滑剤、アンチブロ
ッキング剤としてシリカ系化合物を添加した。 (1)エチレン−α−オレフィン共重合体:(II)(2)と同
じ、34.3重量% (2)エチレン−α−オレフィン共重合体:アフィニティ
PF−1140 ダウケミカル(株)製(α−オレフ
ィン:1−オクテン)、65.7重量%、密度=0.8
95g/cm3、MI=1.6g/10分、Mw/Mn
=2.3、分岐数=33.5
【0033】(2)フィルムの成形方法 原料のペレットを上述の割合で配合して、3層Tダイ共
押出キャスト成形機により、フィルム全体の厚みが20
μmとなるように成形した。ここで、フィルムの層比
は、ラミネート層(I)/中間層(II)/シール層(II
I)=1/5/1.5とした。なお、各ダイス出口温度
は230℃、チルロール温度は25℃、濡れ指数は0.
00038N/cm(実測値38dyn/cmをSI単
位に換算した値)とした。
【0034】[比較例1]実施例において、(II)中間
層の原料構成を以下のようにした以外は、実施例と同様
にしてポリプロピレン系多層フィルムを成形した。 (II)中間層 以下の(1)、(2)の他に、滑剤を添加した。 (1)プロピレン単独重合体:実施例の(I)(1)の樹脂と
同じ、79.8重量% (2)エチレン−α−オレフィン共重合体:0438CL
出光石油化学(株)製(α−オレフィン:1−オクテ
ン)、20.2重量%、密度 = 0.916g/cm3
【0035】[比較例2]実施例において、(II)中間
層として(2)エチレン−α−オレフィン共重合体を用い
ない以外は、実施例と同様に行いポリプロピレン系多層
フィルムを成形した。
【0036】[比較例3]実施例において、(II)中間
層として(2)エチレン−α−オレフィン共重合体を用い
ず、さらに(III)シール層については、エチレン−ブ
テン−プロピレン共重合体90重量%およびエチレン−
プロピレン共重合体ゴム(EPR)10重量%の混合物
を用いた以外は、実施例と同様に行いポリプロピレン系
多層フィルムを成形した。
【0037】上記実施例および比較例1、2についての
製膜性(生産性)を以下に示す。 (1)実施例 成形時の全吐出量800〜900kg/hで安定した製
膜が可能であった。 (2)比較例1 成形時の全吐出量650kg/hで安定した製膜が可能
であった。 (3)比較例2 成形時の全吐出量500kg/hで安定した製膜が可能
であった。
【0038】すなわち、従来の原料を用いた比較例2で
は、500kg/hまでしか、安定した製膜ができてい
ない。これに対し中密度のエチレン−α−オレフィン共
重合体を用いた比較例1では、650kg/hまで安定
した製膜が可能であり、製膜安定性が向上していること
がわかる。さらに、極低密度エチレン−α−オレフィン
共重合体を用いた実施例では、800〜900kg/h
まで、安定した製膜が可能であり、製膜性(生産性)が
著しく向上していることがわかる。
【0039】次に、実施例および比較例1、3で得られ
たフィルムを40℃で24時間放置して状態を調節した
後、これらのフィルムのラミネート層上にOPPフィル
ム(延伸ポリプロピレンフィルム:二村化学(株)製、
グレード:FOR、厚み:20μm)をエーテル系接着
剤(C−88、大日精化(株)製)にてドライラミネー
トした。ラミネートは、NADIC−Lラミネート機
(中島精機エンジニアリング(株)製)を用いて、OP
Pと上記フィルムを、それぞれ供給することで行った。
このようにしてラミネートした各フィルムについてヒー
トシール性評価を行った結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】ここで、ヒートシール条件およびシール強
度の評価法は、以下に示すとおりである。 (1)ヒートシール条件 シール温度:表1に示されるように、85〜140℃の
範囲において任意の温度を設定して行った。 シール時間:1秒 シール面積:15×10mm シール圧力:196kPa(実測値2kgf/cm2
SI単位に換算した値)
【0042】(2)シール強度評価法 上記条件(1)によりシールしたフィルムを、温度23±
2℃、湿度50±10%雰囲気下で16時間以上状態を
調節した後、同温度および湿度条件下で、T型剥離法に
てシール強度を測定することにより行った。この評価
は、JIS Z−1707に準拠した方法により行い、
剥離速度は200mm/分とした。
【0043】表1に示されるように、実施例で得られた
フィルムは、85〜140℃に亘り十分なヒートシール
強度を有しており、特に85〜100℃程度でのシール
強度が非常に大きいことがわかる。一方、従来のポリプ
ロピレン系フィルムを用いた比較例3では、115℃以
下では、ヒートシールができず、また、125℃以上に
おいても、実施例よりもシール強度が小さいことがわか
る。
【0044】また、実施例と、中間層を構成するエチレ
ン−α−オレフィン共重合体の密度を実施例よりも多少
高くした比較例1とを比べると、そのヒートシール強度
は、85〜140℃の範囲に亘り、ほぼ等しいことがわ
かる。しかしながら、実施例では、前述のように全吐出
量800〜900kg/hで製膜しているのに対し、比
較例1では、全吐出量650kg/hで製膜している。
つまり、実施例では比較例1よりも生産性(製膜性)が
大幅に向上しているにもかかわらず、そのヒートシール
強度には遜色がないという結果が得られている。ここか
ら、極低密度エチレン−α−オレフィン共重合体を用い
た効果が発揮されていることがわかる。
【0045】さらに、実施例および比較例1で得られた
ポリプロピレン多層フィルムにおける、上記方法でヒー
トシールしたフィルムについて、全ヘイズ、衝撃強度、
静摩擦係数、弾性率、破断強度、引張り伸び、引き裂き
強度について、測定した結果を表2に示す。なお、ヒー
トシール温度についても併せて表2に載せた。
【0046】
【表2】
【0047】ここで、各項目は以下のように測定した。 (1)全ヘイズ:ASTM−D1003に準拠した方法に
より測定した。 (2)衝撃強度:出光法 147N、1インチヘッドによ
り測定した。 (3)静摩擦係数:出光法(傾斜法)により測定した。 (4)弾性率、(5)破断強度、(6)引張り伸び:JIS−Z
1702に準拠した方法により測定した。 (7)引き裂き強度:JIS−Z1707に準拠した方法
により測定した。
【0048】表2に示されるように、実施例で得られた
フィルムは、比較例1で得られたフィルムよりも高速で
製膜したにも拘わらず、測定した各項目について比較例
1とほぼ同等の値、または多少良好な値が得られている
ことがわかる。すなわち、中間層に極低密度エチレン−
α−オレフィン共重合体を混合することで、フィルムの
透明性および強度の低下を生じさせることなく、製膜性
を向上できることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、低ヒートシール温度で
あり、かつ、許容されるヒートシール温度範囲も広く、
耐ブロッキング性および強度にも優れ、かつ、製膜性に
優れるポリプロピレン系多層フィルムを得ることができ
るという効果がある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK07A AK07B AK62A AK62B AK62C AK64A AK64B BA03 BA07 BA10A BA10C BA16 BA25 BA43 CA30B GB23 JA13A JA13B JA13C JK01 JL00 JL08B JL11 JL13C YY00A YY00B YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I)〜(III)の層を備えることを特
    徴とするポリプロピレン系多層フィルム。 (I)(A)プロピレン単独重合体および/またはプロ
    ピレン−エチレン共重合体5〜100重量%と、(B)
    密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α
    −オレフィン共重合体95〜0重量%とからなるラミネ
    ート層、 (II)(A)プロピレン単独重合体および/またはプロ
    ピレン−エチレン共重合体95〜85重量%と、(B)
    密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−
    オレフィン共重合体5〜15重量%とからなる中間層、 (III)(A)密度0.870〜0.890g/cm3のエ
    チレン−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、
    (B)密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン
    −α−オレフィン共重合体80〜50重量%とからな
    り、かつ、前記(III)(B)の密度が(III)(A)の
    密度より大きいシール層。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリプロピレン系多層フ
    ィルムにおいて、 前記(II)層(B)におけるエチレン−α−オレフィン
    共重合体は、シングルサイト系触媒を用いて製造された
    ことを特徴とするポリプロピレン系多層フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のポリプロピレン系多層フ
    ィルムにおいて、 前記(III)層における2種のエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体のうち、少なくとも1種がシングルサイト系
    触媒を用いて製造されたことを特徴とするポリプロピレ
    ン系多層フィルム。
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